JPH11343657A - 鋼材緊張装置 - Google Patents

鋼材緊張装置

Info

Publication number
JPH11343657A
JPH11343657A JP15163798A JP15163798A JPH11343657A JP H11343657 A JPH11343657 A JP H11343657A JP 15163798 A JP15163798 A JP 15163798A JP 15163798 A JP15163798 A JP 15163798A JP H11343657 A JPH11343657 A JP H11343657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
nut
tension
tensioning device
steel material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15163798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2902634B1 (ja
Inventor
Hideyuki Onishi
英行 大西
Kazuhisa Shimizu
和久 清水
Akihiko Iwasaki
昭彦 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohnichi Mfg Co Ltd
Asahi Concrete Works Co Ltd
Excel KK
Cargill Meat Solutions Corp
Original Assignee
Tohnichi Mfg Co Ltd
Asahi Concrete Works Co Ltd
Excel KK
Excel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohnichi Mfg Co Ltd, Asahi Concrete Works Co Ltd, Excel KK, Excel Corp filed Critical Tohnichi Mfg Co Ltd
Priority to JP15163798A priority Critical patent/JP2902634B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2902634B1 publication Critical patent/JP2902634B1/ja
Publication of JPH11343657A publication Critical patent/JPH11343657A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリートに圧縮力を付与するための鋼材の
締め付けをナットの螺進により行う場合に、ナットの締
め付けトルクで緊張力を換算すると、ナットを回転させ
る際の摩擦抵抗等の影響で、緊張力が変化することがあ
った。 【解決手段】コンクリートブロックに埋設又は挿通され
る鋼材の端部に装着されて、鋼材を牽引し、その端部に
螺合された定着部材を定着させる鋼材緊張装置であっ
て、コンクリートブロックに添接されるフレームと、そ
のフレームを貫通して一方端が鋼材の端部に連結され少
なくとも他方端外面にねじ部を有する牽引棒と、定着部
材を回動させる回動機構と、フレームの外面に着脱可能
に取り付けられて鋼材の緊張力を表示する表示装置と、
表示装置の外面から突出する牽引棒のねじ部に螺合され
るねじ部材とを備えてなり、ねじ部材を回転させて牽引
棒を螺進させ、表示装置の表示が所望の緊張力となった
状態で回動機構により定着部材を定着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートにプ
レストレスを与えたり、ボックスカルバート等のコンク
リートブロックを緊締連結する、例えば高強度鋼材、高
張力鋼材やPC鋼材のような鋼材を緊張する場合に好適
に使用される鋼材緊張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボックスカルバート等のコンクリ
ートブロック二次製品においては、頂版部や底版部等を
引っ張りに強い構造にすべく圧縮力すなわちプレストレ
スを導入するために、また、複数の二次製品を連結する
ために、高強度鋼材やPC鋼材といった鋼材を使用して
いる。このようなコンクリートブロック二次製品では、
例えば、プレストレスは、コンクリートブロック内にP
C鋼材を埋設あるいは挿通し、そのPC鋼材の一端をコ
ンクリートブロックに固定しておき、他端にナットを仮
定着した状態で油圧ジャッキ等でPC鋼材を緊張し、弾
性限界内で弾性変形させて伸長させたところでナットを
定着して導入している。また、コンクリートブロックの
緊締連結については、コンクリートブロックを所定の個
数敷設し、PC鋼材挿通孔にPC鋼材を挿通して、同様
に油圧ジャッキ等でPC鋼材を緊張して行っている。P
C鋼材の緊張力は、油圧ジャッキを使用する場合、油圧
ジャッキの設定により調整するものである。
【0003】また、近年、油圧ジャッキに代えて、仮定
着したナットを回転させることにより、緊張材を緊張す
る方法も試みられている。この場合、ナットは、定着板
及びワッシャを介して定着されるものであるが、このよ
うな組み合わせでナットを締め込むと、ワッシャとの摺
動摩擦が大きく、ナットを変形させたり破損させたりす
ることがある。このため、このような方法では、ワッシ
ャの代わりに摺動摩擦低減部材、例えばスラストベアリ
ングワッシャを用い、定着作業時のナットと定着板との
摺動摩擦を低減するようにしている。ナットは、摺動摩
擦低減部材により摺動摩擦が低減されるため、ナットラ
ンナやインパクトレンチ等を用いて締め込むものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した摺動摩擦低減
部材を使用するものでは、鋼材の緊張力の調整は、ナッ
トを締める際のトルクにより行うものである。すなわ
ち、ナットを締める際に要するトルクから緊張力を換算
するもので、ナットランナやインパクトレンチにおいて
トルク値を設定し、設定したトルク値となるまで同一ト
ルク値でナットを回転させてPC鋼材を緊張するもので
ある。
【0005】しかしながら、同じ緊張力を付与する複数
のPC鋼材において、それぞれに同一トルク値でナット
を回転させても、プルロッドとナットとの摩擦抵抗、そ
の螺合部分に付与される潤滑油の量、スラストベアリン
グワッシャの使用回数等による摩擦抵抗の変化等の影響
により、それぞれのPC鋼材に与えられる緊張力が異な
ることがあった。例えば、プルロッドとナットとの摩擦
抵抗が大きい時は、設定したトルク値までナットを回転
させても、その摩擦抵抗に相当するトルクが不足するた
めに、PC鋼材に与えられる緊張力が小さくなることが
ある。この結果、緊張力に対応するトルク値を設定して
おいても、プレストレスの導入量に差異が生じることが
あった。
【0006】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る鋼材緊張装置は、コンクリ
ートブロックに添接されるフレームの外面に鋼材の緊張
力を表示する表示装置を着脱可能に取り付け、その表示
装置の外面から突出するように緊張材の端部に連結され
た牽引棒に螺合するねじ部材を回転させ牽引棒を螺進さ
せるように構成している。そして、牽引棒の螺進によ
り、表示装置が表示する緊張力が所望の緊張力となるま
で緊張材を牽引し、牽引完了時に回動機構により定着部
材を定着させるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、コンクリートブロック
に埋設又は挿通される鋼材の端部に装着されて、鋼材を
牽引し、その端部に螺合された定着部材を定着させる鋼
材緊張装置であって、コンクリートブロックに添接され
るフレームと、そのフレームを貫通して一方端が鋼材の
端部に連結され少なくとも他方端外面にねじ部を有する
牽引棒と、定着部材を回動させる回動機構と、フレーム
の外面に着脱可能に取り付けられて鋼材の緊張力を表示
する表示装置と、表示装置の外面から突出する牽引棒の
ねじ部に螺合されるねじ部材とを備えてなり、ねじ部材
を回転させて牽引棒を螺進させ、表示装置の表示が所望
の緊張力となった状態で回動機構により定着部材を定着
させることを特徴とする鋼材緊張装置である。
【0009】このような構成のものであれば、ねじ部材
を回転させて鋼材を牽引する際に、表示装置により鋼材
にかかる緊張力が牽引の度合いにあわせて表示される。
つまり、表示装置が牽引中の鋼材の緊張力を即時に表示
するもので、所望の緊張力から逆算されたトルク値に基
づいてねじ部材を回転させて鋼材に緊張力を付与するも
のではない。したがって、ねじ部材と牽引棒との間の摩
擦抵抗等がねじ部材の回転のためのトルクに影響を与え
るような場合であっても、所望の緊張力を鋼材に付与す
ることができる。しかも、ねじ部材の回転により牽引棒
が螺進し、緊張材を牽引するので、熟練を要することな
く牽引作業を容易にすることができる。
【0010】本発明における鋼材としては、例えばPC
鋼棒、アンボンドPC鋼棒、PC鋼より線、アンボンド
PC鋼より線、ガラスやカーボンあるいはアラミド等の
繊維をエポキシ樹脂により固化させてなるFRP緊張
材、高強度鋼材あるいは高強度鉄筋、高張力異形鉄筋
(例えば、引張強度70kgf/mm2 以上のマルバ
ー:高周波熱錬株式会社製)等が挙げられる。高強度鋼
材あるいは高強度鉄筋としては、引張強度が440〜1
200N/mm2 のものが好ましい。
【0011】表示装置としては、軸力計が挙げられる。
軸力計は、例えば、フレームとねじ部材との間にかかる
圧力を油圧にして検出し、その油圧に基づいて緊張力を
表示するものであってよい。また、上記圧力を、例えば
ストレインゲージやロードセル等により電気的に検出
し、出力電圧の変化に基づいて緊張力を表示してもよ
い。また、上記出力電圧を利用して、所定の緊張力を設
定しておき、所定の緊張力となった際にねじ部材を回転
させる電動ナットランナ等の作動を停止するように構成
してもよい。
【0012】このような鋼材緊張装置の具体的な態様と
しては、定着部材がナットからなり、回動機構が、前記
ナットに嵌合する筒部と、該筒部を一方向に回転させる
駆動操作部とを備えてなるものが好ましい。また、表示
装置の外面に着脱可能に取り付けられねじ部材が外面に
添接する摺動摩擦低減部材をさらに備えてなるものにし
てもよい。このように構成すれば、ねじ部材を無理なく
回転させることができる。しかも、摺動摩擦低減部材
は、表示装置の外面に着脱可能に取り付けられているの
で、コンクリートブロックに埋め込まれることがなく、
繰り返し使用することができる。このため、コンクリー
トブロックの製造コストを低減することができる。ま
た、油圧ジャッキ等に比べて小型化することができ、容
易に取り扱うことができ、装着から定着完了までの作業
時間を短縮することができる。
【0013】加えて、回動機構が、ラチェットレンチか
らなり、摺動摩擦低減部材が、スラストベアリングワッ
シャであれば、定着部材を定着するまでの作業を容易に
することができる。取り扱いを容易にするためには、回
動機構が、フレーム内に回動可能に一体的に装着されて
なるものが好適である。このように、ラチェットレンチ
等の回動機構をフレーム内に一体化しておくことによ
り、フレームの添接と回動機構のセットとが同時に行え
るので、作業効率が改善され、作業時間を短縮すること
ができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜5を参照
して説明する。図1は、本実施例の鋼材緊張装置100
を、コンクリートブロックたるプレキャストボックスカ
ルバート(以下、「カルバート」と略称する)1に埋設
又は挿通された鋼材たるアンボンドPC鋼棒2の端部に
装着した状態を示す斜視図である。カルバート1は、当
該分野で広く使用されているもので、底版1Aと、側壁
1Bと、頂版1Cとを具備するボックス形である。底版
1Aと頂版1Cとには、プレストレスを導入するため
に、一方の外側面側において一方の端部を固定した後そ
の端部を埋設した複数本のアンボンドPC鋼棒2が貫通
孔1aに埋設又は挿通され、その貫通孔1aと連通して
他方の外側面に開口するように凹陥部1bが設けられて
いる。この凹陥部1b内には、アンボンドPC鋼棒2の
他方端が所定長さだけ突出しており、定着部材たるPC
ナット5等が収納される。アンボンドPC鋼棒2の両端
には、おねじ2aが形成してある。
【0015】鋼材緊張装置100は、図2〜5に示すよ
うに、定着板3、ワッシャ4を介してアンボンドPC鋼
棒2の一方端に仮定着されたPCナット5に嵌合される
筒部6aを有する回動機構たるラチェットレンチ6と、
内部にラチェットレンチ6を一体化して取り付けてある
フレームたる反力板7と、反力板7の外面に着脱可能に
取り付けられてアンボンドPC鋼棒2の緊張力を表示す
る表示装置たる軸力計Mと、軸力計Mの外面に着脱可能
に取り付けられる摺動摩擦低減部材たるスラストベアリ
ングワッシャ8と、ラチェットレンチ6と反力板7とを
貫通して一方の端部がアンボンドPC鋼棒2の端部に螺
着される牽引棒たるプルロッド9と、プルロッド9の他
方の端部に螺着される緊張用のねじ部材たる緊張用ナッ
ト10とを備えてなる。
【0016】軸力計Mは、弾性変形可能な中空の環状体
の中心部にプルロッド9が貫通し得る開口を有する感圧
部M1と、感圧部M1の上面に直立して取り付けられる
表示器たるメータM2と、メータM2の上面と背面とを
保護するためのカバーM3と、カバーM3外面に固定さ
れた把手M4とを具備している。この軸力計Mは、感圧
部M1内に油が充填されており、アンボンドPC鋼棒2
が緊張された際に感圧部M1が圧縮されて内部の油圧が
変化し、その油圧の変化に基づいてメータM2がアンボ
ンドPC鋼棒2に付与された緊張力を表示する構成であ
る。感圧部M1の正面壁M1aには、緊張用ナット10
の回転に電動ナットランナを使用する場合の反力壁M5
が突設してある。
【0017】ラチェットレンチ6は、上記した筒部6a
と、筒部6aの他方端に取り付けられて筒部6aを一方
向に回転駆動するラチェット機構を内蔵し、外側側面に
操作用のレバー6bを有する駆動操作部6cとを備えて
いる。筒部6aの一方端の内側は、PCナット5に嵌合
するように、PCナット5の角部と選択的に係合する複
数の角形凹部を内周面に有する中空形状に形成してあ
る。駆動操作部6cは、その中央部分にプルロッド9を
挿通する貫通孔6dを備えている。
【0018】反力板7は、円筒形状をしており、その内
部に、カルバート1の凹陥部1bの開口と略同一の内径
を有する収納部7aを備え、カルバート1の外面と平行
となる正面壁7bの中央にプルロッド9を挿通する挿通
孔7cを備えている。収納部7aは、ラチェットレンチ
取付カバー7fにより開閉可能に閉塞されるもので、そ
の内部には、ラチェットレンチ6の駆動操作部6cが回
動可能に収納される。この駆動操作部6cにはレバー6
bが取り付けられているので、レバー6bに対応して、
反力板7の側壁7dにはレバー6bのための操作窓7e
が設けてある。操作窓7eは、反力板7の正面壁7bに
垂直な中心軸の周方向に、約90°の角度で切り欠いて
ある。
【0019】軸力計Mの正面壁M1a外面には、スラス
トベアリングワッシャ8がハウジング8aにより着脱可
能に取り付けられている。このスラストベアリングワッ
シャ8は、ハウジング8a内に収容される一対のリング
板8bと、このリング板8bの対向面に連続して設けら
れた対向凹溝8cと、それぞれの対向凹溝8cに転動自
在に挟持されるボール8dとを備えている。リング板8
bは、その中央に、プルロッド9の外径より例えばひと
回り程大きな開口8eを有している。ハウジング8aに
は、緊張用ナット10がリング板8bに密着するよう
に、開口8fを有している。
【0020】プルロッド9は、PC鋼棒等の引っ張り強
度の高い丸棒部材からなり、鋼材緊張装置100を装着
した状態で、スラストベアリングワッシャ8から突出し
た部分に、緊張用ナット10を螺合しうるに十分な長さ
に設定してある。そして、その一方端の内側には、アン
ボンドPC鋼棒2が螺合するように、めねじ9aが形成
してある。めねじ9aは、アンボンドPC鋼棒2と十分
な長さで螺合するように、アンボンドPC鋼棒2を挿通
してPCナット5を仮固定した後に、その端部からPC
ナット5までの長さのほぼ全部と螺合するのに十分な長
さとなるように形成しておく。そして、強度を確保する
ために、プルロッド9の他方端の近傍に達するような長
さではめねじ9aを形成しない。また、少なくとも、そ
の他方端の外周面には、緊張用ナット10に対応してお
ねじ9bが形成してある。このように、他方端側のみに
おねじ9bを形成しておくと、めねじ9aを形成した一
方端を容易に判断することができ、プルロッド9をアン
ボンドPC鋼棒2に螺合させる際の作業効率を改善する
ことができる。このおねじ9bは、プルロッド9の外周
面の全長にわたって形成するものであってもよい。
【0021】このような構成において、例えば頂版1C
にプレストレスを導入する場合には、カルバート1の貫
通孔にアンボンドPC鋼棒2を埋設又は挿通し、一方端
を図示しない定着板、ワッシャを介してナットにて固定
し、他方端を凹陥部1b内において定着板3、ワッシャ
4を介してPCナット5を仮定着する。このアンボンド
PC鋼棒2の他方端に、プルロッド9のめねじ9aをア
ンボンドPC鋼棒2に螺合させてプルロッド9を螺着す
る。プルロッド9は、予め設定された所定の長さだけ螺
合させる。螺合が不十分な場合、アンボンドPC鋼棒2
を緊張した際に、プルロッド9が外れる等の不具合が生
じることになる。
【0022】次に、鋼材緊張装置100の中央開口部分
にプルロッド9を貫通させて、鋼材緊張装置100を頂
版1Cに取り付ける。この時、PCナット5の向きによ
っては、ラチェットレンチ6の筒部6aがPCナット5
に嵌合しない場合があるので、ラチェットレンチ6のレ
バー6bを操作して筒部6aを回転させ、PCナット5
と筒部6aとの方向を一致させ、筒部6aの先端がワッ
シャ4に当接する直前程度まで筒部6aをPCナット5
に嵌合させる。この状態で、スラストベアリングワッシ
ャ8からプルロッド9の他方端が突出する。この突出し
た他方端に緊張用ナット10を螺合させ、スラストベア
リングワッシャ8に当接するまで螺進させる。
【0023】緊張用ナット10をプルロッド9に螺着し
た後、この緊張用ナット10に例えば電動ナットランナ
を装着し、緊張用ナット10を回転させ、アンボンドP
C鋼棒2の牽引を実施する。緊張力は、緊張用ナット1
0の螺進距離に応じて決まる。牽引が開始されると、軸
力計Mには螺進距離の増加にともなって徐々に緊張力が
加わり、牽引中のアンボンドPC鋼棒2に与えられた緊
張力が即時にメータM2に指示される。メータM2は外
側に向いて取り付けてあるので、電動ナットランナを使
用しながらその指針を確認するつまり緊張力を直読する
ことができる。したがって、メータM2の指示が目的の
緊張力となった時点で緊張用ナット10の回転を停止す
れば、アンボンドPC鋼棒2に所定の緊張力が付与され
るものである。この場合、メータM2の見ながらほぼ所
定の緊張力となるまで一気に締め込み、その後さらにメ
ータM2の指示を見ながら徐々に電動ナットランナを作
動させて締め込みを調整すれば、作業時間を短くするこ
とができる。
【0024】緊張用ナット10は、スラストベアリング
ワッシャ8に当接しているので、軸力計Mに対する摺動
摩擦抵抗はほぼ0の状態で回転させることができる。所
定の緊張力がアンボンドPC鋼棒2に付与された状態で
は、スラストベアリングワッシャ8に相当の圧縮力がか
かることになる。したがって、繰り返し使用している
と、ボール8dが磨耗して緊張用ナット10の回転が円
滑でなくなることがある。このような症状が生じた場合
には、ハウジング8aを軸力計Mから取り外して、スラ
ストベアリングワッシャ8を交換すればよい。なお、電
動ナットランナのかわりにインパクトレンチを用いるも
のであってもよい。
【0025】緊張用ナット10の締込が完了すると、ア
ンボンドPC鋼棒2がその弾性限界内で弾性変形して伸
びるので、PCナット5が筒部6aにおいて反力板7方
向に移動する。この状態を保持したままで、つまりアン
ボンドPC鋼棒2に緊張力を付与した状態で、ラチェッ
トレンチ6のレバー6bを操作して、PCナット5を定
着する。ラチェットレンチ6は駆動操作部内のラチェッ
ト機構により、筒部6aを一方方向にしか回転させない
ので、PCナット5を容易に締め付けることができる。
【0026】PCナット5の定着が完了すると、緊張用
ナット10を緩め、緊張用ナット10を螺合させたまま
プルロッド9を緩めてアンボンドPC鋼棒2から取り外
す。この後、PCナット5を筒部6aから引き抜くべ
く、鋼材緊張装置100をカルバート1から引き離し
て、緊張作業を終了する。このように、アンボンドPC
鋼棒2の緊張作業は、緊張用ナット10を軸力計Mの指
示を確認しながら行えるので、熟練を要せず、極めて容
易に作業することができる。また、比較的高価なスラス
トベアリングワッシャ8は、取り外し可能に軸力計Mの
外面に取り付けられているので、アンボンドPC鋼棒2
毎に凹陥部1b内に埋設されることがなく、したがって
繰り返し使用することができ、スラストベアリングワッ
シャ8を定着時のワッシャの代替品として使用する場合
に比べて、安価にアンボンドPC鋼棒2にプレストレス
を付与することができる。しかも、スラストベアリング
ワッシャ8を取り外して整備することができるので、常
に最良の状態で緊張用ナット10を回転させることがで
き、簡単な作業内容で確実に緊張作業を完了することが
できる。また、この実施例のように、ラチェットレンチ
6を反力板7と一体的に取り付けておけば、鋼材緊張装
置100をアンボンドPC鋼棒2に装着する際に、作業
順序を問わない構成とすることができるので、作業時間
を短縮することができる。
【0027】なお、本発明は以上に説明した実施例に限
定されるものではない。上記実施例では、コンクリート
ブロックにプレストレスを導入する場合の鋼材の緊張作
業について説明したが、鋼材によりコンクリートブロッ
クを連結する、いわゆる縦締のための鋼材の緊張作業に
適用するものであってもよい。また、上記実施例では、
スラストベアリングワッシャ8を用いた例を説明した
が、スラストベアリングワッシャ8のかわりに、緊張用
ナット10を締め付けた際にアンボンドPC鋼棒2の緊
張力が軸力計Mに十分に伝達する面積を有する一般的な
平ワッシャを用いるものであってもよい。この場合、緊
張用ナット10と平ワッシャとの摩擦抵抗を低減するた
めに、グリス等を塗布しておけば、回転が円滑になり作
業を容易にすることができる。なお、平ワッシャを使用
せず、直接緊張用ナット10を軸力計Mの小面壁M2外
面に添接させて緊張作業をするものであってもよい。
【0028】また、ラチェットレンチ6は、反力板7と
別体に構成するものであってもよい。その他、各部の構
成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ねじ部
材を回転させる際に、表示装置により鋼材の緊張力が回
転に追従して表示されるので、緊張力の確認が容易にな
り、ねじ部材と牽引棒との間の摩擦抵抗や潤滑油の量等
に依存することなく、所望の緊張力を鋼材に付与するこ
とができる。しかも、ねじ部材の回転により牽引棒が螺
進し、緊張材を牽引するので、熟練を要することなく牽
引作業を容易にすることができる。
【0030】定着部材がナットからなり、回動機構が、
前記ナットに嵌合する筒部と、該筒部を一方向に回転さ
せる駆動操作部とを備えてなるものにすれば、安価に、
かつ小型化することができる。また、表示装置の外面に
着脱可能に取り付けられねじ部材が外面に添接する摺動
摩擦低減部材をさらに備えてなるものにすれば、ねじ部
材を無理なく回転させることができる。しかも、摺動摩
擦低減部材は、表示装置の外面に着脱可能に取り付けら
れているので、コンクリートブロックに埋め込まれるこ
とがなく、繰り返し使用することができる。このため、
コンクリートブロックの製造コストを低減することがで
きる。また、油圧ジャッキ等に比べて小型化することが
でき、容易に取り扱うことができ、装着から定着完了ま
での作業時間を短縮することができる。
【0031】加えて、回動機構が、ラチェットレンチか
らなり、摺動摩擦低減部材が、スラストベアリングワッ
シャにすれば、定着部材を定着するまでの作業を容易に
することができる。さらには、回動機構が、フレーム内
に回動可能に一体的に装着されてなるものにすれば、フ
レームの添接と回動機構のセットとが同時に行えるの
で、作業効率が改善され、作業時間を短縮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における使用状態を示す斜視
図。
【図2】同実施例の使用状態における斜視図。
【図3】同実施例のプルロッドと緊張用ナットとを除い
た場合の正面図。
【図4】同実施例の分解斜視図。
【図5】同実施例の使用状態を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
1…コンクリートボックスカルバート 2…アンボンドPC鋼棒 5…PCナット 6…ラチェットレンチ 7…反力板 8…スラストベアリングワッシャ 9…プルロッド 10…緊張用ナット M…軸力計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 和久 大阪府高槻市南平台3丁目5番2号 (72)発明者 岩崎 昭彦 東京都大田区大森西1丁目16番5号 株式 会社東日製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリートブロックに埋設又は挿通され
    る鋼材の端部に装着されて、鋼材を牽引し、その端部に
    螺合された定着部材を定着させる鋼材緊張装置であっ
    て、 コンクリートブロックに添接されるフレームと、そのフ
    レームを貫通して一方端が鋼材の端部に連結され少なく
    とも他方端外面にねじ部を有する牽引棒と、定着部材を
    回動させる回動機構と、フレームの外面に着脱可能に取
    り付けられて鋼材の緊張力を表示する表示装置と、表示
    装置の外面から突出する牽引棒のねじ部に螺合されるね
    じ部材とを備えてなり、ねじ部材を回転させて牽引棒を
    螺進させ、表示装置の表示が所望の緊張力となった状態
    で回動機構により定着部材を定着させることを特徴とす
    る鋼材緊張装置。
  2. 【請求項2】表示装置が、軸力計からなることを特徴と
    する請求項1記載の鋼材緊張装置。
  3. 【請求項3】定着部材がナットからなり、回動機構が、
    ナットに嵌合する筒部と、その筒部を一方向に回転させ
    る駆動操作部とを備えてなることを特徴とする請求項1
    又は2記載の鋼材緊張装置。
  4. 【請求項4】表示装置の外面に着脱可能に取り付けられ
    ねじ部材が外面に添接する摺動摩擦低減部材をさらに備
    えてなる請求項1、2又は3記載の鋼材緊張装置。
  5. 【請求項5】回動機構が、ラチェットレンチからなり、
    摺動摩擦低減部材が、スラストベアリングワッシャであ
    ることを特徴とする請求項4記載の鋼材緊張装置。
  6. 【請求項6】回動機構が、フレーム内に回動可能に一体
    的に装着されてなることを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5記載の鋼材緊張装置。
JP15163798A 1998-06-01 1998-06-01 鋼材緊張装置 Expired - Fee Related JP2902634B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15163798A JP2902634B1 (ja) 1998-06-01 1998-06-01 鋼材緊張装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15163798A JP2902634B1 (ja) 1998-06-01 1998-06-01 鋼材緊張装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2902634B1 JP2902634B1 (ja) 1999-06-07
JPH11343657A true JPH11343657A (ja) 1999-12-14

Family

ID=15522913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15163798A Expired - Fee Related JP2902634B1 (ja) 1998-06-01 1998-06-01 鋼材緊張装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2902634B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017101442A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社ヤマックス 接合構造及び接合方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110395681A (zh) * 2019-07-24 2019-11-01 浙江大学山东工业技术研究院 一种井盖铣刨机的吊装夹具
CN111962884B (zh) * 2020-08-27 2021-09-14 中国十七冶集团有限公司 一种花兰螺丝位移拉力自动调整机构及其使用方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017101442A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社ヤマックス 接合構造及び接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2902634B1 (ja) 1999-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN210293900U (zh) 一种碳纤维复合线抗拉检测设备
US5058439A (en) Ut socket assembly
US20140096985A1 (en) Method and mechanism for the indirect coupling torque control
US20120096997A1 (en) Apparatus for Tightening a Threaded Fastener
JP2010018945A (ja) 既設アンカーの再緊張方法および荷重測定方法、ならびにヘッド部
CN210626174U (zh) 小型多功能材料力学试验机
CN209238724U (zh) 一种卷料装置
JP2902634B1 (ja) 鋼材緊張装置
EP1700810B1 (de) Prüfvorrichtung und zugehöriges Verfahren
CN102493658A (zh) 一种张拉钢丝绳网片装置及方法
US4805877A (en) Tendon stressing jack and method
CN209606246U (zh) 一种螺柱焊接强度的检测工具
JP7122064B2 (ja) 引抜試験構造、地山補強構造の施工方法、引抜試験装置
CN215952834U (zh) 锚杆锚固力检测标定装置和检测装置
CN112461408B (zh) 一种预应力筋应力检测方法
JP2995166B2 (ja) 緊張材緊張装置
CN112461407B (zh) 一种预应力筋的应力检测方法
KR20040062380A (ko) 유체작동형 토크공구
CN210322568U (zh) 一种电源线拉扭力试验机
KR102118120B1 (ko) 재긴장이 가능한 정착장치 및 정착방법
JP2009167653A (ja) Pc鋼棒の緊張装置
JPH0322347Y2 (ja)
CN219772705U (zh) 一种自带预应力补偿的桥面板
CN109556972A (zh) 一种螺柱焊接强度的检测工具
CN220772829U (zh) 一种钢筋质量检测设备

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees