JPH11343489A - ディーゼルエンジン用燃料 - Google Patents
ディーゼルエンジン用燃料Info
- Publication number
- JPH11343489A JPH11343489A JP15297398A JP15297398A JPH11343489A JP H11343489 A JPH11343489 A JP H11343489A JP 15297398 A JP15297398 A JP 15297398A JP 15297398 A JP15297398 A JP 15297398A JP H11343489 A JPH11343489 A JP H11343489A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- diesel engine
- cetane number
- nitrate
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- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排ガス中の黒煙および黒煙中の多環芳香
族（ＰＡＨ）を低減したディーゼルエンジン用燃料の提
供。 【解決手段】 炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分と
し、有機過酸化物またはアルキルナイトレートからなる
セタン価向上剤を含むことを特徴とするディーゼルエン
ジン用燃料。
族（ＰＡＨ）を低減したディーゼルエンジン用燃料の提
供。 【解決手段】 炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分と
し、有機過酸化物またはアルキルナイトレートからなる
セタン価向上剤を含むことを特徴とするディーゼルエン
ジン用燃料。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに用いられる新規な燃料組成物に関する。
ンに用いられる新規な燃料組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】圧縮点火を用いた内燃機関であるディー
ゼルエンジンは、トラック、バス、船舶、建設機械など
に多く用いられ、エネルギー変換効率が高く、二酸化炭
素の排出が低く押さえられることからも近年注目されて
いる。通常、ディーゼルエンジンには、液体燃料である
軽油、重油が用いられている。
ゼルエンジンは、トラック、バス、船舶、建設機械など
に多く用いられ、エネルギー変換効率が高く、二酸化炭
素の排出が低く押さえられることからも近年注目されて
いる。通常、ディーゼルエンジンには、液体燃料である
軽油、重油が用いられている。
【０００３】他方、火花点火を用いた内燃機関であるガ
ソリンエンジンの代替燃料としては、液化石油ガス（Ｌ
ＰＧ）、天然ガス（ＬＮＧ）などの利用が進められてい
る。
ソリンエンジンの代替燃料としては、液化石油ガス（Ｌ
ＰＧ）、天然ガス（ＬＮＧ）などの利用が進められてい
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】環境対策上、内燃機関
から排出される二酸化炭素を低減することが望まれてい
る。ディーゼルエンジンンは、その高い熱効率から二酸
化炭素の低減に有効であるが、排ガス中に黒煙、特に黒
煙中に多環芳香族（ＰＡＨ）が含まれるため、この低減
が重要な課題となっている。
から排出される二酸化炭素を低減することが望まれてい
る。ディーゼルエンジンンは、その高い熱効率から二酸
化炭素の低減に有効であるが、排ガス中に黒煙、特に黒
煙中に多環芳香族（ＰＡＨ）が含まれるため、この低減
が重要な課題となっている。
【０００５】本発明は、このような課題を新規なディー
ゼルエンジン用燃料により解決するもので、本発明の目
的は、環境上好ましく、かつ、実用性能も充分なディー
ゼルエンジン用燃料を提供するものである。
ゼルエンジン用燃料により解決するもので、本発明の目
的は、環境上好ましく、かつ、実用性能も充分なディー
ゼルエンジン用燃料を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によるディーゼル
エンジン用燃料は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成
分とし、有機過酸化物および／またはアルキルナイトレ
ートからなるセタン価向上剤を含むことを特徴とするも
のである。特に、セタン価向上剤として、ジターシャル
ブチルパーオキサイドまたは２−メチルヘキシルナイト
レートを０．２〜３重量％含むことが好ましい。
エンジン用燃料は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成
分とし、有機過酸化物および／またはアルキルナイトレ
ートからなるセタン価向上剤を含むことを特徴とするも
のである。特に、セタン価向上剤として、ジターシャル
ブチルパーオキサイドまたは２−メチルヘキシルナイト
レートを０．２〜３重量％含むことが好ましい。
【０００７】
【発明の実施の形態】（主成分）本発明のディーゼルエ
ンジン用燃料は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分
とするものであり、特には、炭素数３〜４の飽和炭化水
素を主成分とすることが好ましい。本発明のディーゼル
エンジン用燃料に使用する飽和炭化水素としては、直鎖
状、分枝状、環状いずれでもよい。主成分となる飽和炭
化水素は、燃料に含まれる炭化水素の６０重量％以上、
特には、８０重量％以上、さらには９０重量％以上含ま
れることが好ましい。このような炭化水素は、液化石油
ガス（ＬＰＧ）として通常入手できるものを用いること
ができるが、石油以外の資源から得られた炭化水素を用
いることもできる。
ンジン用燃料は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分
とするものであり、特には、炭素数３〜４の飽和炭化水
素を主成分とすることが好ましい。本発明のディーゼル
エンジン用燃料に使用する飽和炭化水素としては、直鎖
状、分枝状、環状いずれでもよい。主成分となる飽和炭
化水素は、燃料に含まれる炭化水素の６０重量％以上、
特には、８０重量％以上、さらには９０重量％以上含ま
れることが好ましい。このような炭化水素は、液化石油
ガス（ＬＰＧ）として通常入手できるものを用いること
ができるが、石油以外の資源から得られた炭化水素を用
いることもできる。
【０００８】メタンを主成分とする場合には、着火性が
悪いため、セタン価向上剤を添加しても十分な着火性が
得られない。不飽和炭化水素を主成分とした場合には、
重合物であるガムが生成するなどの問題があり好ましく
ない。炭素数が５を超え、特には１０以上の炭化水素を
多く含有する、例えば２０重量％以上の場合には、黒
煙、特に黒煙中に多環芳香族（ＰＡＨ）の発生の問題が
あり好ましくない。
悪いため、セタン価向上剤を添加しても十分な着火性が
得られない。不飽和炭化水素を主成分とした場合には、
重合物であるガムが生成するなどの問題があり好ましく
ない。炭素数が５を超え、特には１０以上の炭化水素を
多く含有する、例えば２０重量％以上の場合には、黒
煙、特に黒煙中に多環芳香族（ＰＡＨ）の発生の問題が
あり好ましくない。
【０００９】（セタン価向上剤）本発明に用いるセタン
価向上剤は、有機過酸化物またはアルキルナイトレート
からなるもので、両者を混合して用いてもよい。
価向上剤は、有機過酸化物またはアルキルナイトレート
からなるもので、両者を混合して用いてもよい。
【００１０】有機過酸化物としては、炭素数６〜１２の
ジアルキルパーオキサイド、特に３級炭素が酸素に結合
していることが好ましく、ジターシャルブチルパーオキ
サイドが最も好ましく用いられる。
ジアルキルパーオキサイド、特に３級炭素が酸素に結合
していることが好ましく、ジターシャルブチルパーオキ
サイドが最も好ましく用いられる。
【００１１】アルキルナイトレートとしては、炭素数６
〜１２のアルキルナイトレート、特に分岐アルキル基を
有することが好ましく、２−メチルヘキシルナイトレー
トが最も好ましく用いられる。窒素酸化物などの発生を
低減できるので、アルキルナイトレートよりも有機過酸
化物の使用が環境上好ましい。
〜１２のアルキルナイトレート、特に分岐アルキル基を
有することが好ましく、２−メチルヘキシルナイトレー
トが最も好ましく用いられる。窒素酸化物などの発生を
低減できるので、アルキルナイトレートよりも有機過酸
化物の使用が環境上好ましい。
【００１２】セタン価向上剤は、燃料中に０．１〜５重
量％含まれることが好ましく、ジターシャルブチルパー
オキサイドまたは２−メチルヘキシルナイトレートを用
いた場合は０．２〜３重量％、特には０．５〜２重量％
含まれることが好ましい。セタン価向上剤を添加しな
い、または、添加量が十分でない場合には、ディーゼル
エンジンを運転するために必要なセタン価が得られな
い。
量％含まれることが好ましく、ジターシャルブチルパー
オキサイドまたは２−メチルヘキシルナイトレートを用
いた場合は０．２〜３重量％、特には０．５〜２重量％
含まれることが好ましい。セタン価向上剤を添加しな
い、または、添加量が十分でない場合には、ディーゼル
エンジンを運転するために必要なセタン価が得られな
い。
【００１３】（他の成分）本発明のディーゼルエンジン
用燃料には、潤滑性向上剤を添加することが好ましい。
潤滑性向上剤としては、脂肪酸エステルなどを用いるこ
とができる。その添加量は、５０〜５０００ｐｐｍ、特
には１００〜１０００ｐｐｍが好ましい。さらに、他の
セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防
止剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。
用燃料には、潤滑性向上剤を添加することが好ましい。
潤滑性向上剤としては、脂肪酸エステルなどを用いるこ
とができる。その添加量は、５０〜５０００ｐｐｍ、特
には１００〜１０００ｐｐｍが好ましい。さらに、他の
セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防
止剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。
【００１４】（利用できるディーゼルエンジン）本発明
には、通常の軽油用に設計された高速型ディーゼルエン
ジンをそのまま用いることができる。圧縮比は、１８以
上、特には２０以上のような高圧縮が望ましい。特に、
グロープラグを有するエンジンに適する。
には、通常の軽油用に設計された高速型ディーゼルエン
ジンをそのまま用いることができる。圧縮比は、１８以
上、特には２０以上のような高圧縮が望ましい。特に、
グロープラグを有するエンジンに適する。
【００１５】
【実施例】（燃料の調製）市販のＬＰＧガスに、ジター
シャルブチルパーオキサイド１重量％を配合して本発明
の実施例となる供試燃料１を作成した。なお、この市販
のＬＰＧガスの成分は、エタン：０．５重量％、プロパ
ン：２５重量％、ブタン：７４重量％、ペンタン：０．
５重量％である。また、比較のために市販軽油（ＪＩＳ
２号、セタン価：５５）を供試燃料２として用いた。
シャルブチルパーオキサイド１重量％を配合して本発明
の実施例となる供試燃料１を作成した。なお、この市販
のＬＰＧガスの成分は、エタン：０．５重量％、プロパ
ン：２５重量％、ブタン：７４重量％、ペンタン：０．
５重量％である。また、比較のために市販軽油（ＪＩＳ
２号、セタン価：５５）を供試燃料２として用いた。
【００１６】（エンジン運転評価）供試燃料１、２につ
いて、表１に示す運転条件でディーゼルエンジンを運転
し、排気ガス中のパーティキュレート（以下、ＰＭとも
いう）はミニダイリューションシステム（堀場製作所
製）により、ＨＣ、ＣＯ、ＮＯｘは自動車排気ガス測定
装置ＭＥＸＡ−４０００（堀場製作所製）により測定し
た。その際の燃費も併せて測定した。排出されるパーテ
ィキュレート中の多環芳香族（ＰＡＨ）は、パーティキ
ュレートをジクロロメタンで抽出して得た溶剤可溶分
（ＳＯＦ）を窒素気流中で濃縮後、蛍光検出器付き高速
液体クロマトで測定した。
いて、表１に示す運転条件でディーゼルエンジンを運転
し、排気ガス中のパーティキュレート（以下、ＰＭとも
いう）はミニダイリューションシステム（堀場製作所
製）により、ＨＣ、ＣＯ、ＮＯｘは自動車排気ガス測定
装置ＭＥＸＡ−４０００（堀場製作所製）により測定し
た。その際の燃費も併せて測定した。排出されるパーテ
ィキュレート中の多環芳香族（ＰＡＨ）は、パーティキ
ュレートをジクロロメタンで抽出して得た溶剤可溶分
（ＳＯＦ）を窒素気流中で濃縮後、蛍光検出器付き高速
液体クロマトで測定した。
【００１７】測定結果を表２に示す。測定値は、供試油
２（市販軽油）での値を１００とした相対値で示してい
る。なお、上述の市販のＬＰＧガスのみを燃料として用
いた場合には、十分な着火性が得られず、エンジン性能
を評価できなかった。
２（市販軽油）での値を１００とした相対値で示してい
る。なお、上述の市販のＬＰＧガスのみを燃料として用
いた場合には、十分な着火性が得られず、エンジン性能
を評価できなかった。
【００１８】 （表１） エンジン諸元 ＡＶＬ社製単筒直噴ディーゼルエンジン 排気量（Ｌ） １．４ 圧縮比 ２２（供試油１） １６（供試油２） 開弁圧（ｋｇ／ｃｍ2） １３００ 吸入空気温度（℃） ５０ 運転条件 回転速度（ｒｐｍ） １０００ 噴射時期（ＢＴＤＣ） ２０ 負荷 可変 （表２） 実施例 比較例 供試油１ 供試油２ 炭化水素（ＨＣ） １０５ １００ 一酸化炭素（ＣＯ） ９０ １００ 窒素酸化物（ＮＯｘ） １０５ １００ パーティキュレート（ＰＭ） ２０ １００ 燃 費 １０２ １００ 多環芳香族（ＰＡＨ） 検出されず １００ これらの結果から明らかなように、実施例は、市販軽油
と比べてパーティキュレート（黒煙）が大幅に低減し、
多環芳香族も検出されず、また、燃費についても市販軽
油を上回っていることがわかる。
と比べてパーティキュレート（黒煙）が大幅に低減し、
多環芳香族も検出されず、また、燃費についても市販軽
油を上回っていることがわかる。
【００１９】
【発明の効果】本発明によるディーゼルエンジン用燃料
は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分とし、有機過
酸化物またはアルキルナイトレートからなるセタン価向
上剤を含むことを特徴とするものであり、大気汚染物
質、ことにパーティキュレートと多環芳香族の発生が極
めて少なく、かつ、エネルギー効率も高い。これによ
り、環境上好ましく、かつ、充分な実用性能を発揮する
ディーゼル燃料を提供することが可能となる。
は、炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分とし、有機過
酸化物またはアルキルナイトレートからなるセタン価向
上剤を含むことを特徴とするものであり、大気汚染物
質、ことにパーティキュレートと多環芳香族の発生が極
めて少なく、かつ、エネルギー効率も高い。これによ
り、環境上好ましく、かつ、充分な実用性能を発揮する
ディーゼル燃料を提供することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項１】 炭素数２〜５の飽和炭化水素を主成分と
し、有機過酸化物またはアルキルナイトレートからなる
セタン価向上剤を含むことを特徴とするディーゼルエン
ジン用燃料。 - 【請求項２】 セタン価向上剤として、ジターシャルブ
チルパーオキサイドおよび／または２−メチルヘキシル
ナイトレートを０．２〜３重量％含む請求項１記載のデ
ィーゼルエンジン用燃料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15297398A JPH11343489A (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | ディーゼルエンジン用燃料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15297398A JPH11343489A (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | ディーゼルエンジン用燃料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11343489A true JPH11343489A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15552194
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15297398A Pending JPH11343489A (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | ディーゼルエンジン用燃料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11343489A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011026742A1 (de) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | Bundesanstalt für Materialforschung und -Prüfung (BAM) | Ein effizienter und sauberer brennstoff für die prozessindustrie |
| JP2016505683A (ja) * | 2012-12-27 | 2016-02-25 | シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイＳｈｅｌｌ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌｅ Ｒｅｓｅａｒｃｈ Ｍａａｔｓｃｈａｐｐｉｊ Ｂｅｓｌｏｔｅｎｖｅｎｎｏｏｔｓｈａｐ | 組成物 |
-
1998
- 1998-06-02 JP JP15297398A patent/JPH11343489A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011026742A1 (de) * | 2009-09-03 | 2011-03-10 | Bundesanstalt für Materialforschung und -Prüfung (BAM) | Ein effizienter und sauberer brennstoff für die prozessindustrie |
| JP2016505683A (ja) * | 2012-12-27 | 2016-02-25 | シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイＳｈｅｌｌ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌｅ Ｒｅｓｅａｒｃｈ Ｍａａｔｓｃｈａｐｐｉｊ Ｂｅｓｌｏｔｅｎｖｅｎｎｏｏｔｓｈａｐ | 組成物 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20041008 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070510 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070515 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070711 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070806 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |