JPH11343243A - 皮膚再形成剤 - Google Patents
皮膚再形成剤Info
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- JPH11343243A JPH11343243A JP10149730A JP14973098A JPH11343243A JP H11343243 A JPH11343243 A JP H11343243A JP 10149730 A JP10149730 A JP 10149730A JP 14973098 A JP14973098 A JP 14973098A JP H11343243 A JPH11343243 A JP H11343243A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】製造容易で、かつ、使用しやすい皮膚再形成用
物を提供する。 【解決手段】流動性媒体あるいは塑性媒体中に、表皮細
胞及び/又は線維芽細胞を分散して含有させて、皮膚再
形成剤とする。
物を提供する。 【解決手段】流動性媒体あるいは塑性媒体中に、表皮細
胞及び/又は線維芽細胞を分散して含有させて、皮膚再
形成剤とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、創傷面等に適用す
る皮膚再形成材に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、創傷、褥瘡、熱傷、皮膚潰瘍等による皮膚欠
損部位に適用され、かかる部位を保護し、肉芽形成・表
皮再生や治癒を促進することのできる皮膚再形成剤に関
する。
る皮膚再形成材に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、創傷、褥瘡、熱傷、皮膚潰瘍等による皮膚欠
損部位に適用され、かかる部位を保護し、肉芽形成・表
皮再生や治癒を促進することのできる皮膚再形成剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、創傷や熱傷等による皮膚欠損
部位に対して適用する被覆材がいくつか知られている。
このような被覆材としては、表皮細胞をシート状の担体
に組み込んで培養させたりあるいは表皮細胞をシート状
に培養したりして形成される被覆材や、シート状のゲル
に細胞を組み込んだ状態で培養したゲル成形体の被覆材
がある。
部位に対して適用する被覆材がいくつか知られている。
このような被覆材としては、表皮細胞をシート状の担体
に組み込んで培養させたりあるいは表皮細胞をシート状
に培養したりして形成される被覆材や、シート状のゲル
に細胞を組み込んだ状態で培養したゲル成形体の被覆材
がある。
【0003】シート状の被覆材の一つである、コラーゲ
ンスポンジシートに細胞を組み込んで培養した被覆材で
は、コラーゲンのスポンジをシート状に成形する工程が
必ず必要である。また、コラーゲンは高価である。表皮
細胞自体をシート状に培養した被覆材は、単離した表皮
細胞を培養フラスコ中で培養することによりシート状に
形成し、その後、酵素処理によって細胞基底層を培養フ
ラスコから剥離することにより培養フラスコから分離さ
れる。通常、皮膚欠損部位への適用前には、シート形態
を維持するために剥離後すぐにガーゼ、豚皮又はコラー
ゲン膜等で支持された状態とする。そして、この基底細
胞層側を皮膚欠損部位に適用して使用される。ゲル成形
体の被覆材の一つとして、コラーゲンゲルに線維芽細胞
を組み込んで培養して得た被覆材がある。この被覆材を
得る工程において、コラーゲンゲル成形体は極度に収縮
する。したがって、広範な皮膚欠損部位を被覆可能な大
きさのゲルを得るには大きな困難が伴う。
ンスポンジシートに細胞を組み込んで培養した被覆材で
は、コラーゲンのスポンジをシート状に成形する工程が
必ず必要である。また、コラーゲンは高価である。表皮
細胞自体をシート状に培養した被覆材は、単離した表皮
細胞を培養フラスコ中で培養することによりシート状に
形成し、その後、酵素処理によって細胞基底層を培養フ
ラスコから剥離することにより培養フラスコから分離さ
れる。通常、皮膚欠損部位への適用前には、シート形態
を維持するために剥離後すぐにガーゼ、豚皮又はコラー
ゲン膜等で支持された状態とする。そして、この基底細
胞層側を皮膚欠損部位に適用して使用される。ゲル成形
体の被覆材の一つとして、コラーゲンゲルに線維芽細胞
を組み込んで培養して得た被覆材がある。この被覆材を
得る工程において、コラーゲンゲル成形体は極度に収縮
する。したがって、広範な皮膚欠損部位を被覆可能な大
きさのゲルを得るには大きな困難が伴う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこのような被覆
材においては、皮膚欠損部位に適用するために、いずれ
もシート状の形態を備えていた。また、かかる形態を保
有するが故に、形態を形成し、維持することの困難さが
製造工程に常に存在し、さらには皮膚欠損部位への表皮
細胞や線維芽細胞の生着不良、さらには、皮膚欠損部位
の発生部位や発生領域によっては使用性が非常に悪い、
という問題があった。そこで、本発明の目的は、これら
の従来の課題を解決できる、皮膚再形成剤及び皮膚再形
成方法を提供することにある。
材においては、皮膚欠損部位に適用するために、いずれ
もシート状の形態を備えていた。また、かかる形態を保
有するが故に、形態を形成し、維持することの困難さが
製造工程に常に存在し、さらには皮膚欠損部位への表皮
細胞や線維芽細胞の生着不良、さらには、皮膚欠損部位
の発生部位や発生領域によっては使用性が非常に悪い、
という問題があった。そこで、本発明の目的は、これら
の従来の課題を解決できる、皮膚再形成剤及び皮膚再形
成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無形の媒
体である流動性媒体あるいは塑性媒体を用いて、表皮細
胞等を皮膚欠損部位に適用することにより、上記した課
題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
体である流動性媒体あるいは塑性媒体を用いて、表皮細
胞等を皮膚欠損部位に適用することにより、上記した課
題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】第1の発明は、流動性媒体あるいは塑性媒
体中に、表皮細胞及び/又は線維芽細胞を含有する皮膚
再形成剤を提供するものである。無形の媒体である流動
性媒体や塑性媒体を用いるため、皮膚欠損部位の発生場
所や発生領域に係わらず容易に適用される。また、表皮
細胞及び/又は線維芽細胞は、無形媒体中に分散されて
いるので細胞の各種活性が保持されており、生着率が向
上される。また、皮膚再形成剤の製造過程においては、
表皮細胞をシート化する成形工程が排除され、また、線
維芽細胞を組み込むシート状の基材の成形工程も排除さ
れる。
体中に、表皮細胞及び/又は線維芽細胞を含有する皮膚
再形成剤を提供するものである。無形の媒体である流動
性媒体や塑性媒体を用いるため、皮膚欠損部位の発生場
所や発生領域に係わらず容易に適用される。また、表皮
細胞及び/又は線維芽細胞は、無形媒体中に分散されて
いるので細胞の各種活性が保持されており、生着率が向
上される。また、皮膚再形成剤の製造過程においては、
表皮細胞をシート化する成形工程が排除され、また、線
維芽細胞を組み込むシート状の基材の成形工程も排除さ
れる。
【0007】本発明において、流動性媒体とは、流動性
を有し、一定の形を持たず外力を除いては一定の形を保
持できない、無形の媒体をいう。本発明において、塑性
媒体とは、実質的に流動性を保有せず、一定の形を持た
ないが外力を除いても外力によって付与された一定の形
を保持可能な無形の媒体をいう。ここで、一定の形を保
持可能とは、外力を除いた後の一定期間そのような形を
保持可能であればよい。すなわち、外力を除いて、ごく
わずかの時間付与された形を保持して、その後、変形す
るような媒体であってもよい。
を有し、一定の形を持たず外力を除いては一定の形を保
持できない、無形の媒体をいう。本発明において、塑性
媒体とは、実質的に流動性を保有せず、一定の形を持た
ないが外力を除いても外力によって付与された一定の形
を保持可能な無形の媒体をいう。ここで、一定の形を保
持可能とは、外力を除いた後の一定期間そのような形を
保持可能であればよい。すなわち、外力を除いて、ごく
わずかの時間付与された形を保持して、その後、変形す
るような媒体であってもよい。
【0008】第2の発明は、流動性媒体あるいは塑性媒
体中に、表皮細胞を含有する皮膚再形成剤を提供するも
のである。第3の発明は、流動性媒体に表皮細胞及び/
又は線維芽細胞を含有する皮膚再形成剤を提供するもの
である。
体中に、表皮細胞を含有する皮膚再形成剤を提供するも
のである。第3の発明は、流動性媒体に表皮細胞及び/
又は線維芽細胞を含有する皮膚再形成剤を提供するもの
である。
【0009】これらの皮膚再形成剤中には、細胞外基質
を含有することが好ましい。細胞外基質の存在により、
媒体を皮膚欠損部位に保持しやすく皮膚欠損部位が良好
に被覆される。また、皮膚欠損部位の皮膚再生や治癒が
促進される。
を含有することが好ましい。細胞外基質の存在により、
媒体を皮膚欠損部位に保持しやすく皮膚欠損部位が良好
に被覆される。また、皮膚欠損部位の皮膚再生や治癒が
促進される。
【0010】細胞外基質として、コラーゲン、ゼラチ
ン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、あるいは、こ
れらのうちから選ばれる2種類以上を含むことが好まし
い形態である。
ン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、あるいは、こ
れらのうちから選ばれる2種類以上を含むことが好まし
い形態である。
【0011】第4の発明は、流動性媒体あるいは塑性媒
体中に非ヒト哺乳動物の表皮細胞及び/又は線維芽細胞
を含有する皮膚再形成剤を、皮膚欠損部位に適用する皮
膚再形成方法を提供するものである。この方法による
と、無形の媒体である流動性媒体や塑性媒体を用いるた
め、皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易
に適用することができ、生着率が向上される。この発明
においては、細胞外基質を含有する皮膚再形成剤を適用
することが好ましい。
体中に非ヒト哺乳動物の表皮細胞及び/又は線維芽細胞
を含有する皮膚再形成剤を、皮膚欠損部位に適用する皮
膚再形成方法を提供するものである。この方法による
と、無形の媒体である流動性媒体や塑性媒体を用いるた
め、皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易
に適用することができ、生着率が向上される。この発明
においては、細胞外基質を含有する皮膚再形成剤を適用
することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、無形の媒体中に表皮細
胞及び/又は線維芽細胞を分散して含有する皮膚再形成
剤を提供するものである。ここで、無形の媒体として
は、流動性媒体と、塑性媒体とを挙げることができる。
流動性媒体としては、例えば、液体、粘性の低い流動
体、ある程度の粘性を有するが依然流動性を有している
ような媒体がある。具体的には、水、各種溶媒、溶液、
懸濁液等がある。
胞及び/又は線維芽細胞を分散して含有する皮膚再形成
剤を提供するものである。ここで、無形の媒体として
は、流動性媒体と、塑性媒体とを挙げることができる。
流動性媒体としては、例えば、液体、粘性の低い流動
体、ある程度の粘性を有するが依然流動性を有している
ような媒体がある。具体的には、水、各種溶媒、溶液、
懸濁液等がある。
【0013】また、塑性媒体としては、例えば、ゼリー
状体(無形の状態のもの、あるいは有形物をクラッシャ
した状態のもの等)、クリーム状体等がある。例えば、
ある種のクリーム、ゼリーやクラッシャされたゼリー
が、チューブから絞り出された状態において、ほとんど
流動性を保有しないか、あっても小さく、本来無形物で
あって、外力によって付与された一定の形を保持可能で
あるとき、このクリームやゼリーは塑性媒体である。流
動性媒体と塑性媒体とは、区別が困難である場合もあ
る。例えば、高濃度に増粘剤を含有し粘度が高い状態の
媒体である。本発明においては、無形の媒体であれば、
本願発明における流動性媒体あるいは塑性媒体に包含さ
れるものとする。本願発明における流動性媒体と塑性媒
体とは、本来的に無形の媒体を、実質的な流動性の有無
によって区分したにすぎないものである。
状体(無形の状態のもの、あるいは有形物をクラッシャ
した状態のもの等)、クリーム状体等がある。例えば、
ある種のクリーム、ゼリーやクラッシャされたゼリー
が、チューブから絞り出された状態において、ほとんど
流動性を保有しないか、あっても小さく、本来無形物で
あって、外力によって付与された一定の形を保持可能で
あるとき、このクリームやゼリーは塑性媒体である。流
動性媒体と塑性媒体とは、区別が困難である場合もあ
る。例えば、高濃度に増粘剤を含有し粘度が高い状態の
媒体である。本発明においては、無形の媒体であれば、
本願発明における流動性媒体あるいは塑性媒体に包含さ
れるものとする。本願発明における流動性媒体と塑性媒
体とは、本来的に無形の媒体を、実質的な流動性の有無
によって区分したにすぎないものである。
【0014】流動性媒体及び塑性媒体は、いずれも、p
H6.5〜8.0、好ましくはpH6.8〜7.8、浸
透圧200〜400mOsm/kg、好ましくは260
〜320mOsm/kgに調製されていることが好まし
い。生理的に許容されやすいからである。また、滅菌の
処理が簡便に行うことができることが好ましい。流動性
媒体と塑性媒体を構成する成分は、生理的に許容される
ものであることが好ましい。より好ましくは、哺乳類に
おいて生理的に許容されるものが好ましく、さらに好ま
しくはヒトにおいて生理的に許容されるものが好まし
い。なお、ここでいう媒体構成成分とは、媒体構成材料
の意味である。したがって、流動性媒体においても塑性
媒体においても、液体成分は媒体構成成分となる。
H6.5〜8.0、好ましくはpH6.8〜7.8、浸
透圧200〜400mOsm/kg、好ましくは260
〜320mOsm/kgに調製されていることが好まし
い。生理的に許容されやすいからである。また、滅菌の
処理が簡便に行うことができることが好ましい。流動性
媒体と塑性媒体を構成する成分は、生理的に許容される
ものであることが好ましい。より好ましくは、哺乳類に
おいて生理的に許容されるものが好ましく、さらに好ま
しくはヒトにおいて生理的に許容されるものが好まし
い。なお、ここでいう媒体構成成分とは、媒体構成材料
の意味である。したがって、流動性媒体においても塑性
媒体においても、液体成分は媒体構成成分となる。
【0015】好ましい媒体構成成分としては、水の他、
中性塩類溶液、生理的塩類溶液等である。中性塩類溶液
は、中性域のpHを有する塩類溶液である。このような
中性塩類溶液としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等の各種塩類の溶液を挙げることができる。好ましく
は、中性塩類溶液は、pHの緩衝能を有している。
中性塩類溶液、生理的塩類溶液等である。中性塩類溶液
は、中性域のpHを有する塩類溶液である。このような
中性塩類溶液としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等の各種塩類の溶液を挙げることができる。好ましく
は、中性塩類溶液は、pHの緩衝能を有している。
【0016】生理的塩類溶液は、細胞の生存に適したp
Hと浸透圧を備えた塩類溶液である。このような生理的
塩類溶液としては、生理的食塩液(0.9%水溶液)、
さらには生理食塩液にK+ 、Ca2+等の細胞液中の主要
なイオンを数種加えた組成の塩類溶液を挙げることがで
きる。また、Na+ 、K+ 、Ca2+、Mg2+のイオンの
平衡を保つように緩衝系を加えた塩類溶液である平衡塩
類溶液を挙げることができる。また、各種細胞培養液を
挙げることができる。
Hと浸透圧を備えた塩類溶液である。このような生理的
塩類溶液としては、生理的食塩液(0.9%水溶液)、
さらには生理食塩液にK+ 、Ca2+等の細胞液中の主要
なイオンを数種加えた組成の塩類溶液を挙げることがで
きる。また、Na+ 、K+ 、Ca2+、Mg2+のイオンの
平衡を保つように緩衝系を加えた塩類溶液である平衡塩
類溶液を挙げることができる。また、各種細胞培養液を
挙げることができる。
【0017】かかる生理的塩類溶液としては、リンガー
液、リンガー−ロック液、タイロード液、アール液、ハ
ンクス液、ロック液、Morgan、Morton及び
Parkerの合成培養液No.119、Evansら
の合成培養液NCTC109、Parkerらの合成培
養液CMRL−1066、McCoyの5a培養液、E
agleの最小必須培養液、Dulbecco変法Ea
gle最小必須培地(DMEM)、Leibovitz
のL−15培養液、Hamの合成培養液F12、Moo
rらのRPMI−1640培養液、Williamらの
培養液E、KatsutaらのDM−160培養液、S
FM−101の培養液、YamaneらのRITC80
−7培養液、Green培養液、LHC−8培養液、L
HC−9培養液、無血清培養液MCDB153、同15
1、同104、同131、同402、同201、同30
2、同105、同110、無血清培養液ASF104
(RITC62−8)、Graceの昆虫細胞の合成培
養液、Schneiderの培養液、Mitsuhas
i−Maramoroshの培養液、Knop液、Ga
utheretの培養液等を挙げることができる。
液、リンガー−ロック液、タイロード液、アール液、ハ
ンクス液、ロック液、Morgan、Morton及び
Parkerの合成培養液No.119、Evansら
の合成培養液NCTC109、Parkerらの合成培
養液CMRL−1066、McCoyの5a培養液、E
agleの最小必須培養液、Dulbecco変法Ea
gle最小必須培地(DMEM)、Leibovitz
のL−15培養液、Hamの合成培養液F12、Moo
rらのRPMI−1640培養液、Williamらの
培養液E、KatsutaらのDM−160培養液、S
FM−101の培養液、YamaneらのRITC80
−7培養液、Green培養液、LHC−8培養液、L
HC−9培養液、無血清培養液MCDB153、同15
1、同104、同131、同402、同201、同30
2、同105、同110、無血清培養液ASF104
(RITC62−8)、Graceの昆虫細胞の合成培
養液、Schneiderの培養液、Mitsuhas
i−Maramoroshの培養液、Knop液、Ga
utheretの培養液等を挙げることができる。
【0018】このような媒体構成成分の他、媒体構成成
分としては、媒体の流動性を調整できる成分(流動性調
整成分)がある。このような成分として、具体的には、
増粘性の成分やゲル化成分等を挙げることができる。こ
のような流動性調整成分としては、各種増粘性多糖類や
糖タンパク質やその他の増粘剤等があり、特にゲル化に
寄与する成分として、アガロース、ゼラチン、コラーゲ
ン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸類、フィブロネクチン、ヘパリン、ラミニン、マトリ
ジェル(基底膜成分、製造元:BECTON DICKINSON LAB
WARE社製)等の各種多糖類やタンパク質やその他増粘成
分として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルキ
トサン、N,N−ジメチルアミノキトサン、N,N−ジ
エチルアミノキトサン等を挙げることができる。なお、
いずれの流動性調整成分においても、皮膚再形成剤の生
理的適合性を妨げない濃度に使用されることが好まし
い。また、流動性媒体及び塑性媒体においては、これら
の各成分は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
分としては、媒体の流動性を調整できる成分(流動性調
整成分)がある。このような成分として、具体的には、
増粘性の成分やゲル化成分等を挙げることができる。こ
のような流動性調整成分としては、各種増粘性多糖類や
糖タンパク質やその他の増粘剤等があり、特にゲル化に
寄与する成分として、アガロース、ゼラチン、コラーゲ
ン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸類、フィブロネクチン、ヘパリン、ラミニン、マトリ
ジェル(基底膜成分、製造元:BECTON DICKINSON LAB
WARE社製)等の各種多糖類やタンパク質やその他増粘成
分として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルキ
トサン、N,N−ジメチルアミノキトサン、N,N−ジ
エチルアミノキトサン等を挙げることができる。なお、
いずれの流動性調整成分においても、皮膚再形成剤の生
理的適合性を妨げない濃度に使用されることが好まし
い。また、流動性媒体及び塑性媒体においては、これら
の各成分は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0019】流動性媒体あるいは塑性媒体には、表皮細
胞及び/又は線維芽細胞が含まれている。表皮細胞及び
線維芽細胞は、この皮膚再形成剤を適用しようとする哺
乳動物の同一個体のものが好ましいが、同じ種の他の個
体、あるいは異種の哺乳動物のものであってもよい。哺
乳類の皮膚は、表皮と真皮とで構成されている。さら
に、表皮は、表皮細胞で構成されており、真皮は、線維
芽細胞と線維芽細胞が産出するコラーゲンをはじめとす
る結合組織成分から構成されている。表皮細胞を含むこ
とにより、表皮の皮膚欠損部位に有効な皮膚再形成剤と
なる。また、線維芽細胞を含むことにより、真皮の皮膚
欠損部位に有効な皮膚再形成剤となる。なお、真皮を効
果的に再生し、治癒を促進するには、真皮の構成成分で
あるコラーゲンを同時に含むことが好ましい。
胞及び/又は線維芽細胞が含まれている。表皮細胞及び
線維芽細胞は、この皮膚再形成剤を適用しようとする哺
乳動物の同一個体のものが好ましいが、同じ種の他の個
体、あるいは異種の哺乳動物のものであってもよい。哺
乳類の皮膚は、表皮と真皮とで構成されている。さら
に、表皮は、表皮細胞で構成されており、真皮は、線維
芽細胞と線維芽細胞が産出するコラーゲンをはじめとす
る結合組織成分から構成されている。表皮細胞を含むこ
とにより、表皮の皮膚欠損部位に有効な皮膚再形成剤と
なる。また、線維芽細胞を含むことにより、真皮の皮膚
欠損部位に有効な皮膚再形成剤となる。なお、真皮を効
果的に再生し、治癒を促進するには、真皮の構成成分で
あるコラーゲンを同時に含むことが好ましい。
【0020】表皮細胞は、分散して媒体中に含有されて
いる。表皮細胞の分散状態は、小さな細胞塊ないし単細
胞の範囲であるが、単細胞あるいはそれに近い状態で媒
体中に分散されていることが好ましい。分散状態であれ
ば、シート状に積層されている場合よりも、単細胞ある
いは単細胞に近い状態のほうが、細胞の生着能、増殖
能、分化能、タンパク質等分泌能等が温存されており、
皮膚再生や治癒が促進されやすいからである。したがっ
て、あらかじめ、採取されたあるいは培養によって得ら
れた表皮細胞を酵素処理等によって、小さな細胞塊ある
いは単細胞にまで分離された状態で媒体に添加すること
が好ましい。酵素処理は、表皮細胞を分離するのに用い
る従来公知の酵素を用いることができる。具体的には、
ディスパーゼ、トリプシン等である。
いる。表皮細胞の分散状態は、小さな細胞塊ないし単細
胞の範囲であるが、単細胞あるいはそれに近い状態で媒
体中に分散されていることが好ましい。分散状態であれ
ば、シート状に積層されている場合よりも、単細胞ある
いは単細胞に近い状態のほうが、細胞の生着能、増殖
能、分化能、タンパク質等分泌能等が温存されており、
皮膚再生や治癒が促進されやすいからである。したがっ
て、あらかじめ、採取されたあるいは培養によって得ら
れた表皮細胞を酵素処理等によって、小さな細胞塊ある
いは単細胞にまで分離された状態で媒体に添加すること
が好ましい。酵素処理は、表皮細胞を分離するのに用い
る従来公知の酵素を用いることができる。具体的には、
ディスパーゼ、トリプシン等である。
【0021】含有される表皮細胞は、自家細胞(皮膚再
形成剤が適用されるレシピエント自身の細胞)及び又は
同種細胞(皮膚再形成材が適用される被検体と同じ種に
属している他のドナーの細胞)を使用することが好まし
い。皮膚の欠損が広範囲であり、全層(表皮から真皮最
深部に至る全層)に近い欠損の場合等、自発的表皮の再
形成が困難であることが予想される場合には、自家細胞
を用いることが好ましい。また、皮膚の欠損が広範囲に
はわたるが浅い欠損の場合又は欠損が広範囲にわたらな
いが深い欠損の場合等、適用する細胞から分泌される生
理活性物質、成長因子、成長ホルモン等のタンパク質、
糖タンパク質等による自発的表皮の再形成の促進や治癒
促進が期待できるので、同種細胞であってもよい。ま
た、潰瘍等の治療の場合等、肉芽組織の再建を行う場合
には、適用される細胞から分泌される生理活性物質、成
長因子、成長ホルモン等のタンパク質、糖タンパク質等
により、レシピエントの損傷部位の線維芽細胞や血管内
皮細胞を活性化して肉芽組織を再建させることができる
ので、同種細胞であってもよい。また、いずれの場合に
も自家細胞と同種細胞を混合して用いてもよい。ただ
し、損傷部位が広範囲で深い場合等で表皮の形成を目的
とすべき場合には、自家細胞を多く含有することが好ま
しい。
形成剤が適用されるレシピエント自身の細胞)及び又は
同種細胞(皮膚再形成材が適用される被検体と同じ種に
属している他のドナーの細胞)を使用することが好まし
い。皮膚の欠損が広範囲であり、全層(表皮から真皮最
深部に至る全層)に近い欠損の場合等、自発的表皮の再
形成が困難であることが予想される場合には、自家細胞
を用いることが好ましい。また、皮膚の欠損が広範囲に
はわたるが浅い欠損の場合又は欠損が広範囲にわたらな
いが深い欠損の場合等、適用する細胞から分泌される生
理活性物質、成長因子、成長ホルモン等のタンパク質、
糖タンパク質等による自発的表皮の再形成の促進や治癒
促進が期待できるので、同種細胞であってもよい。ま
た、潰瘍等の治療の場合等、肉芽組織の再建を行う場合
には、適用される細胞から分泌される生理活性物質、成
長因子、成長ホルモン等のタンパク質、糖タンパク質等
により、レシピエントの損傷部位の線維芽細胞や血管内
皮細胞を活性化して肉芽組織を再建させることができる
ので、同種細胞であってもよい。また、いずれの場合に
も自家細胞と同種細胞を混合して用いてもよい。ただ
し、損傷部位が広範囲で深い場合等で表皮の形成を目的
とすべき場合には、自家細胞を多く含有することが好ま
しい。
【0022】線維芽細胞も、分散して媒体中に含有され
る。線維芽細胞の分散状態は、小さいな細胞塊ないし単
細胞の範囲であるが、単細胞あるいはそれに近い状態で
媒体中に分散されていることが好ましい。単細胞あるい
は単細胞に近い状態のほうが、細胞の生着能、増殖能、
タンパク質等分泌能等が温存されており、皮膚再生や治
癒が促進されるからである。採取したあるいは培養した
線維芽細胞は、表皮細胞を分離するのと同じように、酵
素処理等によって分離され、その後、媒体に添加され
る。
る。線維芽細胞の分散状態は、小さいな細胞塊ないし単
細胞の範囲であるが、単細胞あるいはそれに近い状態で
媒体中に分散されていることが好ましい。単細胞あるい
は単細胞に近い状態のほうが、細胞の生着能、増殖能、
タンパク質等分泌能等が温存されており、皮膚再生や治
癒が促進されるからである。採取したあるいは培養した
線維芽細胞は、表皮細胞を分離するのと同じように、酵
素処理等によって分離され、その後、媒体に添加され
る。
【0023】線維芽細胞についても、自家細胞及び/又
は同種細胞を用いることが好ましい。線維芽細胞を利用
する場合とは、真皮以下に損傷を受け、再建されにくい
損傷部周辺の血管内皮細胞や線維芽細胞の活性を向上さ
せて、肉芽組織を再建する場合であるので、自家及び同
種のどちらの線維芽細胞も用いることができる。
は同種細胞を用いることが好ましい。線維芽細胞を利用
する場合とは、真皮以下に損傷を受け、再建されにくい
損傷部周辺の血管内皮細胞や線維芽細胞の活性を向上さ
せて、肉芽組織を再建する場合であるので、自家及び同
種のどちらの線維芽細胞も用いることができる。
【0024】以下に、哺乳動物の線維芽細胞及び表皮細
胞を得る一般的な方法を説明する。 (線維芽細胞の調製方法)まず、清潔な環境下で採取さ
れた皮膚(表皮及び真皮の一部又は真皮全層)を消毒
し、抗生物質を含有する生理食塩水またはハンクス(H
ank’s)液などの緩衝液に浸漬する。この皮膚をデ
ィスパーゼ濃度を1000IU/mlに調製したダルベ
ッコ変法イーグル最小必須培地(DMEM)(以下、
「ディスパーゼ溶液」という。)に浸漬した後、真皮と
表皮とに分離する。
胞を得る一般的な方法を説明する。 (線維芽細胞の調製方法)まず、清潔な環境下で採取さ
れた皮膚(表皮及び真皮の一部又は真皮全層)を消毒
し、抗生物質を含有する生理食塩水またはハンクス(H
ank’s)液などの緩衝液に浸漬する。この皮膚をデ
ィスパーゼ濃度を1000IU/mlに調製したダルベ
ッコ変法イーグル最小必須培地(DMEM)(以下、
「ディスパーゼ溶液」という。)に浸漬した後、真皮と
表皮とに分離する。
【0025】得られた真皮をはさみ、ホモジナイザー等
を用いて砕き、0.5w/v %のコラーゲナーゼのDME
M溶液(以下、コラゲナーゼ溶液という。)に加えて、
約3〜6時間、約37℃にて振とうして結合組織を溶解
させた上で約200×g〜約1,500×g、好ましく
は約300×g〜約500×gで遠心分離して、真皮線
維芽細胞を採取する。得られた線維芽細胞は、FBS
(牛胎児血清)が10v/v %となるように添加されたD
MEM(以下、単に、DMEM+10%FBSとい
う。)などを培地としてCO2 インキュベーター中、3
7℃にてサブコンフルーエントとなるまで培養し、必要
に応じて多くの線維芽細胞を得るように継代培養する。
を用いて砕き、0.5w/v %のコラーゲナーゼのDME
M溶液(以下、コラゲナーゼ溶液という。)に加えて、
約3〜6時間、約37℃にて振とうして結合組織を溶解
させた上で約200×g〜約1,500×g、好ましく
は約300×g〜約500×gで遠心分離して、真皮線
維芽細胞を採取する。得られた線維芽細胞は、FBS
(牛胎児血清)が10v/v %となるように添加されたD
MEM(以下、単に、DMEM+10%FBSとい
う。)などを培地としてCO2 インキュベーター中、3
7℃にてサブコンフルーエントとなるまで培養し、必要
に応じて多くの線維芽細胞を得るように継代培養する。
【0026】培養した線維芽細胞を、トリプシン濃度
0.25w/v %、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム
(EDTA)濃度0.005mM/mlに調製したハン
クス液(以下、トリプシン溶液という。)を用いてフラ
スコからはがして採取し、遠心分離後、上澄み液を吸引
除去して、沈殿物をDMEM等で懸濁し、単細胞の線維
芽細胞懸濁液を調製する。
0.25w/v %、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム
(EDTA)濃度0.005mM/mlに調製したハン
クス液(以下、トリプシン溶液という。)を用いてフラ
スコからはがして採取し、遠心分離後、上澄み液を吸引
除去して、沈殿物をDMEM等で懸濁し、単細胞の線維
芽細胞懸濁液を調製する。
【0027】(表皮細胞の調製方法)表皮細胞は、以下
の手順で調製される。前記と同様にして皮膚から得た表
皮をトリプシン溶液中、37℃で約15分間浸漬した
後、DMEM+10%FBSなどの培地を加え、振とう
することにより細胞を分散させ、約400×g、5分間
遠心分離することによって表皮細胞を得ることができ
る。得られた表皮細胞は、例えば、グリーン(Gree
n)培地,NCTC168培地、MCDB153培地、
特に好ましくは、グリーン培地を加えて表皮細胞懸濁液
とする。このグリーン培地とは、DMEMとHam’s
F−12を3:1で混合し、ヒロドコルチゾン(0.
4μg/ml)、インスリン(5μg/ml)、トラン
スフェリン(5μg/ml)、トリヨードチロニン
(0.0013μg/ml)、コレラ毒素(0.01μ
g/ml)、アデニン(24.3μg/ml)、表皮細
胞因子(0.01μg/ml)と抗生物質とが添加され
たものであり、10v/v %のFBSを含んでなる表皮細
胞増殖培地(以下、Green +10%FBSという。)で
ある(セル(Cell)、第40巻、677〜683
頁、1985年3月参照)。
の手順で調製される。前記と同様にして皮膚から得た表
皮をトリプシン溶液中、37℃で約15分間浸漬した
後、DMEM+10%FBSなどの培地を加え、振とう
することにより細胞を分散させ、約400×g、5分間
遠心分離することによって表皮細胞を得ることができ
る。得られた表皮細胞は、例えば、グリーン(Gree
n)培地,NCTC168培地、MCDB153培地、
特に好ましくは、グリーン培地を加えて表皮細胞懸濁液
とする。このグリーン培地とは、DMEMとHam’s
F−12を3:1で混合し、ヒロドコルチゾン(0.
4μg/ml)、インスリン(5μg/ml)、トラン
スフェリン(5μg/ml)、トリヨードチロニン
(0.0013μg/ml)、コレラ毒素(0.01μ
g/ml)、アデニン(24.3μg/ml)、表皮細
胞因子(0.01μg/ml)と抗生物質とが添加され
たものであり、10v/v %のFBSを含んでなる表皮細
胞増殖培地(以下、Green +10%FBSという。)で
ある(セル(Cell)、第40巻、677〜683
頁、1985年3月参照)。
【0028】なお、前記表皮細胞を高効率で増殖させる
には、例えば、マイトマイシン処理や放射線照射などに
よって増殖能を停止させたマウス由来の線維芽細胞であ
る3T3細胞などを支持細胞として定着させた培養フラ
スコ中で培養を行うことが好ましい。具体的には、次の
ようにする。3T3細胞を培養した後、培地を除去して
カルシウム及びマグネシウム含有リン酸緩衝液(PBS
(+))ですすぐ。ついでマイトマイシンC25μg/
ml含有のDMEM又はPBS(+)を細胞全体が十分
浸かるように(80cm2 培養フラスコでは8mlが好
ましい。)加え、37℃にて2時間程度静置した後、緩
衝液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。こうして
3T3細胞は、生きたままで増殖能のみが停止せしめら
れる。この増殖能を有さない3T3細胞を採取して、前
記Green +10%FBSに懸濁し、1×103 〜5×1
04 cells/cm2 、好ましくは、5×103 〜3
×104cells/cm2 の密度になるように調製し
た後、培養フラスコに播種する。
には、例えば、マイトマイシン処理や放射線照射などに
よって増殖能を停止させたマウス由来の線維芽細胞であ
る3T3細胞などを支持細胞として定着させた培養フラ
スコ中で培養を行うことが好ましい。具体的には、次の
ようにする。3T3細胞を培養した後、培地を除去して
カルシウム及びマグネシウム含有リン酸緩衝液(PBS
(+))ですすぐ。ついでマイトマイシンC25μg/
ml含有のDMEM又はPBS(+)を細胞全体が十分
浸かるように(80cm2 培養フラスコでは8mlが好
ましい。)加え、37℃にて2時間程度静置した後、緩
衝液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。こうして
3T3細胞は、生きたままで増殖能のみが停止せしめら
れる。この増殖能を有さない3T3細胞を採取して、前
記Green +10%FBSに懸濁し、1×103 〜5×1
04 cells/cm2 、好ましくは、5×103 〜3
×104cells/cm2 の密度になるように調製し
た後、培養フラスコに播種する。
【0029】この培養フラスコに前記表皮細胞を1×1
03 〜1×106 cells/cm 2 、好ましくは、5
×103 〜2×105 cells/cm2 の細胞密度に
て播種し、CO2 インキュベーター中、37℃にて培養
する。3T3細胞は、この培養中に表皮細胞がコロニー
を形成する過程において、培養フラスコ底面より培地中
に浮き上がり、培地を交換する際に除去されるので、最
終的に得られる表皮細胞に3T3細胞はほとんど含まれ
ない。培養増殖した表皮細胞は、ディスパーゼ溶液を加
えて、37℃にて約1時間静置することにより培養フラ
スコ底面からはがして採取することができる。なお、表
皮細胞は、必要に応じて継代培養する。具体的には、前
記支持細胞を必要量作製し、前記したように培養増殖し
た表皮細胞を採取して、支持細胞に播種培養する。この
際、表皮細胞が角質化しないよう注意して継代培養す
る。
03 〜1×106 cells/cm 2 、好ましくは、5
×103 〜2×105 cells/cm2 の細胞密度に
て播種し、CO2 インキュベーター中、37℃にて培養
する。3T3細胞は、この培養中に表皮細胞がコロニー
を形成する過程において、培養フラスコ底面より培地中
に浮き上がり、培地を交換する際に除去されるので、最
終的に得られる表皮細胞に3T3細胞はほとんど含まれ
ない。培養増殖した表皮細胞は、ディスパーゼ溶液を加
えて、37℃にて約1時間静置することにより培養フラ
スコ底面からはがして採取することができる。なお、表
皮細胞は、必要に応じて継代培養する。具体的には、前
記支持細胞を必要量作製し、前記したように培養増殖し
た表皮細胞を採取して、支持細胞に播種培養する。この
際、表皮細胞が角質化しないよう注意して継代培養す
る。
【0030】得られた表皮細胞をトリプシン溶液に加え
表皮細胞を分散させた後、37℃のウォーターバスで振
とうし、その後、必要あれば攪拌して単細胞とし、遠心
(4℃、400×g、5分間)して、上澄み液を吸引除
去して、沈殿物をGreen +10%FBS等で懸濁し、単
細胞の表皮細胞懸濁液を調製する。
表皮細胞を分散させた後、37℃のウォーターバスで振
とうし、その後、必要あれば攪拌して単細胞とし、遠心
(4℃、400×g、5分間)して、上澄み液を吸引除
去して、沈殿物をGreen +10%FBS等で懸濁し、単
細胞の表皮細胞懸濁液を調製する。
【0031】皮膚再形成剤には、皮膚細胞として、表皮
細胞のみを含有するようにしてもよいし、線維芽細胞の
みを含有させるようにしてもよいし、表皮及び線維芽細
胞の双方を含有させるようにしてもよい。皮膚欠損部位
の状況によって、適宜組み合わされる。流動性媒体ある
いは塑性媒体中には、表皮細胞及び/又は線維芽細胞
が、全体として、1.0×103 〜1.0×107 細胞
/mlの範囲で存在するような適用が好ましい。より好
ましくは、1.0×104 〜1.0×106 細胞/ml
である。
細胞のみを含有するようにしてもよいし、線維芽細胞の
みを含有させるようにしてもよいし、表皮及び線維芽細
胞の双方を含有させるようにしてもよい。皮膚欠損部位
の状況によって、適宜組み合わされる。流動性媒体ある
いは塑性媒体中には、表皮細胞及び/又は線維芽細胞
が、全体として、1.0×103 〜1.0×107 細胞
/mlの範囲で存在するような適用が好ましい。より好
ましくは、1.0×104 〜1.0×106 細胞/ml
である。
【0032】流動性媒体あるいは塑性媒体には、これら
の媒体構成成分及び表皮細胞以外に、細胞外基質を含ま
せることができる。細胞外基質を含有させることによ
り、線維芽細胞の増殖や移動を促進することができ、皮
膚再形成及び治癒を促進できる。また、同時に、皮膚再
形成材の粘度が向上されるので、皮膚再形成材を欠損部
位に良好に保持することができる。このような細胞外基
質としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のム
コ多糖類を主成分とするタンパク質多糖や、コラーゲン
やゼラチンも挙げることができる。これらの細胞外基質
は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
の媒体構成成分及び表皮細胞以外に、細胞外基質を含ま
せることができる。細胞外基質を含有させることによ
り、線維芽細胞の増殖や移動を促進することができ、皮
膚再形成及び治癒を促進できる。また、同時に、皮膚再
形成材の粘度が向上されるので、皮膚再形成材を欠損部
位に良好に保持することができる。このような細胞外基
質としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のム
コ多糖類を主成分とするタンパク質多糖や、コラーゲン
やゼラチンも挙げることができる。これらの細胞外基質
は、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0033】さらに、成長促進因子やサイトカイン類や
薬剤を含有させることもできる。細胞成長因子として
は、インシュリン、トランスフェリン、アシアロ糖タン
パク質、上皮細胞増殖因子、血小板由来因子、線維芽細
胞増殖因子、トランスホーミング増殖因子、インスリン
様増殖因子、内皮細胞増殖因子等を挙げることができ
る。薬剤としては、抗炎症剤、鎮痛剤、抗生物質等の抗
菌剤等を挙げることができる。
薬剤を含有させることもできる。細胞成長因子として
は、インシュリン、トランスフェリン、アシアロ糖タン
パク質、上皮細胞増殖因子、血小板由来因子、線維芽細
胞増殖因子、トランスホーミング増殖因子、インスリン
様増殖因子、内皮細胞増殖因子等を挙げることができ
る。薬剤としては、抗炎症剤、鎮痛剤、抗生物質等の抗
菌剤等を挙げることができる。
【0034】流動性媒体中あるいは塑性媒体中に表皮細
胞及び/又は真皮細胞を分散して含有させた皮膚再形成
剤は、創傷部位、熱傷部位、褥瘡部位、潰瘍部位、肌荒
れ部位等の各種の皮膚欠損部位に対して適用され、皮膚
が再形成される。哺乳類としては、ヒトを適用対象とす
ることもでき、また、非ヒト哺乳動物に適用することも
できる。適用方法は、滴下、注入、塗布等である。注入
は、皮下における真皮層の再形成を主目的とする場合に
用いるのに適している。適用に際しては、適用された表
皮細胞あるいは線維芽細胞、また、これらの細胞から分
泌される生理活性物質、さらにはレシピエント自身の細
胞から分泌される生理活性物質等が、欠損部位に滞留し
やすいように、滴下、注入あるいは塗布の後には、創傷
面を湿潤環境に置くウェットドレッシングをすることが
好ましい。よりいっそうの滞留を達成するには、皮膚再
形成剤の適用後に、プラスチックフィルムなどで欠損部
位を密封し、欠損部位を湿潤状態に保持する閉鎖包帯法
(オクルシブドレッシング)をすることが好ましい。な
お、皮膚欠損部位に対するドレッシング面積は、皮膚再
形成剤が皮膚欠損部位からもれないかあるいはにじみで
ない程度にするのが好ましい。また、適用した皮膚再形
成剤の滞留には、粘性の高い流動性媒体や塑性媒体を用
いることも有効である。クリーム状態あるいはゲル状態
の媒体中に皮膚細胞を分散して得た皮膚再形成剤は、適
用部位によく滞留される。
胞及び/又は真皮細胞を分散して含有させた皮膚再形成
剤は、創傷部位、熱傷部位、褥瘡部位、潰瘍部位、肌荒
れ部位等の各種の皮膚欠損部位に対して適用され、皮膚
が再形成される。哺乳類としては、ヒトを適用対象とす
ることもでき、また、非ヒト哺乳動物に適用することも
できる。適用方法は、滴下、注入、塗布等である。注入
は、皮下における真皮層の再形成を主目的とする場合に
用いるのに適している。適用に際しては、適用された表
皮細胞あるいは線維芽細胞、また、これらの細胞から分
泌される生理活性物質、さらにはレシピエント自身の細
胞から分泌される生理活性物質等が、欠損部位に滞留し
やすいように、滴下、注入あるいは塗布の後には、創傷
面を湿潤環境に置くウェットドレッシングをすることが
好ましい。よりいっそうの滞留を達成するには、皮膚再
形成剤の適用後に、プラスチックフィルムなどで欠損部
位を密封し、欠損部位を湿潤状態に保持する閉鎖包帯法
(オクルシブドレッシング)をすることが好ましい。な
お、皮膚欠損部位に対するドレッシング面積は、皮膚再
形成剤が皮膚欠損部位からもれないかあるいはにじみで
ない程度にするのが好ましい。また、適用した皮膚再形
成剤の滞留には、粘性の高い流動性媒体や塑性媒体を用
いることも有効である。クリーム状態あるいはゲル状態
の媒体中に皮膚細胞を分散して得た皮膚再形成剤は、適
用部位によく滞留される。
【0035】表皮細胞及び/又は線維芽細胞を媒体中に
含んだ皮膚再形成剤を、正常真皮層が欠落あるいは不足
している部位に充填することにより、真皮層を構成する
線維芽細胞を活性化するため、真皮再生用の充填剤ある
いは注入剤として有用である。さらに、皮膚の欠損部位
の再生あるいは治癒を促進することを目的とするのみな
らず、すり傷、肌荒れやあかぎれ等、比較的軽度の皮膚
欠損のための外用剤に用いることも可能である。
含んだ皮膚再形成剤を、正常真皮層が欠落あるいは不足
している部位に充填することにより、真皮層を構成する
線維芽細胞を活性化するため、真皮再生用の充填剤ある
いは注入剤として有用である。さらに、皮膚の欠損部位
の再生あるいは治癒を促進することを目的とするのみな
らず、すり傷、肌荒れやあかぎれ等、比較的軽度の皮膚
欠損のための外用剤に用いることも可能である。
【0036】このような皮膚再形成剤によれば、無形の
媒体を介して表皮細胞及び/又は線維芽細胞が皮膚の欠
損部位に適用されるようになっているので、適用部位や
その広さ、さらには欠損の深さ程度に関わらず容易に適
用できる。また、欠損状態に応じて、表皮細胞や線維芽
細胞の他、各種成分を組み合わせた処方が可能となって
いる。また、従来と異なり、表皮細胞等は、積層状態あ
るいはシート状態でなく、単細胞状態あるいはそれに近
似した状態で適用されるので、細胞が活性化された状態
で欠損部位に適用されるというメリットがあり、生着率
が向上される。 また、このような皮膚再形成剤を適用
する皮膚再形成方法においても、同様の効果が得られ
る。なお、本発明の皮膚再形成剤によると、従来労力の
かかっていた、表皮細胞等を皮膚状、すなわち、シート
化したり、あるいは、表皮細胞等の担持体たるシート状
の成形体をする工程が排除されている。このため、特
に、表皮細胞を含んだ皮膚再形成剤としては、製造工程
が簡略化されている点においても有用である。
媒体を介して表皮細胞及び/又は線維芽細胞が皮膚の欠
損部位に適用されるようになっているので、適用部位や
その広さ、さらには欠損の深さ程度に関わらず容易に適
用できる。また、欠損状態に応じて、表皮細胞や線維芽
細胞の他、各種成分を組み合わせた処方が可能となって
いる。また、従来と異なり、表皮細胞等は、積層状態あ
るいはシート状態でなく、単細胞状態あるいはそれに近
似した状態で適用されるので、細胞が活性化された状態
で欠損部位に適用されるというメリットがあり、生着率
が向上される。 また、このような皮膚再形成剤を適用
する皮膚再形成方法においても、同様の効果が得られ
る。なお、本発明の皮膚再形成剤によると、従来労力の
かかっていた、表皮細胞等を皮膚状、すなわち、シート
化したり、あるいは、表皮細胞等の担持体たるシート状
の成形体をする工程が排除されている。このため、特
に、表皮細胞を含んだ皮膚再形成剤としては、製造工程
が簡略化されている点においても有用である。
【0037】
【実施例】以下、本発明の皮膚再形成剤を製造し、皮膚
欠損部位に適用した例を挙げて説明する。 (実施例1) (1)培養フラスコ(培養面積80cm2 )にマイトマ
イシンC処理され株化されたマウス肺線維芽細胞(3T
3細胞)を1×104 cells/cm2 で播種し、支
持細胞層(フィーダーレイヤー)とした。 (2)次に、ラット背部から全層(表皮層及び真皮層の
欠損)の皮膚片を採取し、消毒し、抗生物質を含有する
生理食塩水又はハンクス液などの緩衝液に浸漬する。こ
の皮膚をディスパーゼ濃度1000IU/mlに調製し
たDMEM10mlに浸漬し、冷蔵庫(4℃)内で静置
し、その後ピンセットで真皮と表皮とに分離する。さら
に、分離した表皮を、トリプシン溶液に懸濁し、37℃
のウォーターバス中で15分間振とう後、攪拌して単細
胞状態の懸濁液とした。この懸濁液を400×g、5分
間、4℃で遠心分離し、上澄液を吸引除去し、沈殿した
表皮細胞をGreen +10%FBSに懸濁して表皮細胞の
単細胞懸濁液を得た。
欠損部位に適用した例を挙げて説明する。 (実施例1) (1)培養フラスコ(培養面積80cm2 )にマイトマ
イシンC処理され株化されたマウス肺線維芽細胞(3T
3細胞)を1×104 cells/cm2 で播種し、支
持細胞層(フィーダーレイヤー)とした。 (2)次に、ラット背部から全層(表皮層及び真皮層の
欠損)の皮膚片を採取し、消毒し、抗生物質を含有する
生理食塩水又はハンクス液などの緩衝液に浸漬する。こ
の皮膚をディスパーゼ濃度1000IU/mlに調製し
たDMEM10mlに浸漬し、冷蔵庫(4℃)内で静置
し、その後ピンセットで真皮と表皮とに分離する。さら
に、分離した表皮を、トリプシン溶液に懸濁し、37℃
のウォーターバス中で15分間振とう後、攪拌して単細
胞状態の懸濁液とした。この懸濁液を400×g、5分
間、4℃で遠心分離し、上澄液を吸引除去し、沈殿した
表皮細胞をGreen +10%FBSに懸濁して表皮細胞の
単細胞懸濁液を得た。
【0038】(3)この単細胞懸濁液を、前記フィーダ
ーレイヤーに1×104 cells/cm2程度で播種し、培養
した。培地はGreen +10%FBSを使用した。
ーレイヤーに1×104 cells/cm2程度で播種し、培養
した。培地はGreen +10%FBSを使用した。
【0039】(4)表皮細胞を播種後3日後から週2回
培地交換を行い、20日間表皮細胞を初代培養した。 (5)培養フラスコの培養表面に一様に表皮細胞が増殖
したのを確認後、培養フラスコ中の培地を吸引除去し、
培養フラスコ1枚に対し、ハンクス液10mlを加えて
細胞表面を洗浄し、ハンクス液を吸引除去した。さら
に、培養フラスコ1枚に対し3mlのディスパーゼ溶液
(全体で1500IU)を加えて、炭酸ガス培養装置(37
℃、5%CO2 )内で静置し、1時間ほどで細胞が培養
フラスコ面より剥離してきたら、細胞を、Green +10
%FBSとともに遠沈管に回収し、400×g、4℃
で、5分間遠心し、表皮細胞塊を分離した。
培地交換を行い、20日間表皮細胞を初代培養した。 (5)培養フラスコの培養表面に一様に表皮細胞が増殖
したのを確認後、培養フラスコ中の培地を吸引除去し、
培養フラスコ1枚に対し、ハンクス液10mlを加えて
細胞表面を洗浄し、ハンクス液を吸引除去した。さら
に、培養フラスコ1枚に対し3mlのディスパーゼ溶液
(全体で1500IU)を加えて、炭酸ガス培養装置(37
℃、5%CO2 )内で静置し、1時間ほどで細胞が培養
フラスコ面より剥離してきたら、細胞を、Green +10
%FBSとともに遠沈管に回収し、400×g、4℃
で、5分間遠心し、表皮細胞塊を分離した。
【0040】(6)この表皮細胞塊をさらに、トリプシ
ン溶液に懸濁し、37℃のウォーターバス中で15分間
振とう後、攪拌して単細胞状態の懸濁液とした。この懸
濁液を400×g、5分間、4℃で遠心分離し、上澄液
を吸引除去し、沈殿として単細胞状態の表皮細胞を得
た。 (7)この表皮細胞を、DMEM中に約1×106 cell
s/mlの濃度となるように懸濁し、この懸濁液を実施例1
の皮膚再形成剤とした。
ン溶液に懸濁し、37℃のウォーターバス中で15分間
振とう後、攪拌して単細胞状態の懸濁液とした。この懸
濁液を400×g、5分間、4℃で遠心分離し、上澄液
を吸引除去し、沈殿として単細胞状態の表皮細胞を得
た。 (7)この表皮細胞を、DMEM中に約1×106 cell
s/mlの濃度となるように懸濁し、この懸濁液を実施例1
の皮膚再形成剤とした。
【0041】(8)この得られた懸濁液300μlを、
(2)で全層の皮膚片を採取したラットの背部に新たに
2つ形成した直径24mmの全層欠損部位の一つに滴下す
ることにより適用した。また、もう一方の全層欠損部位
には、DMEM300μlを対照例1として滴下した。
(2)で全層の皮膚片を採取したラットの背部に新たに
2つ形成した直径24mmの全層欠損部位の一つに滴下す
ることにより適用した。また、もう一方の全層欠損部位
には、DMEM300μlを対照例1として滴下した。
【0042】(9)双方の全欠損部位をそれぞれ6cm
×7cmのテガターム(3Mヘルスケア(株)製)で覆
い、その上方からガーゼを被せて、エラスティックテー
プで固定した。
×7cmのテガターム(3Mヘルスケア(株)製)で覆
い、その上方からガーゼを被せて、エラスティックテー
プで固定した。
【0043】かかる処置から1週間後、エラスティック
テープ及びガーゼを取り除き、テガターム上から欠損部
位の状態を観察し、同時に、欠損部位の大きさを、透明
なシート状体を欠損部位にあてて写しとり、そのシート
状体の重量を、当初の欠損部位の大きさに対応するシー
ト状体の重量と対比して、創の閉塞率を求めた。さら
に、処置から10日後、14日後、21日後にも、同様
にして創の閉塞率を求めた。処置後1週間の創閉塞率
は、実施例1で53%であり、対照例1で38%であっ
た。処置後10日では、実施例1では76%であり、対
照例1では65%であった。処置後14日では、実施例
1では92%であり、対照例1では88%であった。処
置後21日では、実施例1では99%であり、対照例1
では95%であった。この結果、実施例1の皮膚再形成
剤は、処置後における創閉塞率が対照例1よりも高いこ
とがわかった。特に、処置後早期において、対照例1に
対して良好な創閉塞率を呈した。
テープ及びガーゼを取り除き、テガターム上から欠損部
位の状態を観察し、同時に、欠損部位の大きさを、透明
なシート状体を欠損部位にあてて写しとり、そのシート
状体の重量を、当初の欠損部位の大きさに対応するシー
ト状体の重量と対比して、創の閉塞率を求めた。さら
に、処置から10日後、14日後、21日後にも、同様
にして創の閉塞率を求めた。処置後1週間の創閉塞率
は、実施例1で53%であり、対照例1で38%であっ
た。処置後10日では、実施例1では76%であり、対
照例1では65%であった。処置後14日では、実施例
1では92%であり、対照例1では88%であった。処
置後21日では、実施例1では99%であり、対照例1
では95%であった。この結果、実施例1の皮膚再形成
剤は、処置後における創閉塞率が対照例1よりも高いこ
とがわかった。特に、処置後早期において、対照例1に
対して良好な創閉塞率を呈した。
【0044】(実施例2)実施例1の(1)〜(6)に
従って操作して、ラットの単細胞状態の表皮細胞を得
た。この表皮細胞を、中性コラーゲン溶液((株)高
研、商品名cellgen )中に約1×106 cells/mlとなる
ように懸濁して、この懸濁液を実施例2の皮膚再形成剤
とした。
従って操作して、ラットの単細胞状態の表皮細胞を得
た。この表皮細胞を、中性コラーゲン溶液((株)高
研、商品名cellgen )中に約1×106 cells/mlとなる
ように懸濁して、この懸濁液を実施例2の皮膚再形成剤
とした。
【0045】この懸濁液300μlを、全層の皮膚片を
採取したのと同じラットの背部に形成した直径24mmの
2つの全層欠損部位の一つに滴下することにより適用し
た、対照例2として、懸濁液と同量の前記中性コラーゲ
ン溶液を他方の全層欠損部位に適用した。
採取したのと同じラットの背部に形成した直径24mmの
2つの全層欠損部位の一つに滴下することにより適用し
た、対照例2として、懸濁液と同量の前記中性コラーゲ
ン溶液を他方の全層欠損部位に適用した。
【0046】これらの適用部位について、実施例1と同
様の手順で処置を行い、創閉塞率の経時変化を観察し
た。処置後1週間の創閉塞率は、実施例2で58%であ
り、対照例2で53%であった。処置後10日では、実
施例2では87%であり、対照例2では80%であっ
た。処置後14日では、実施例2では93%であり、対
照例2では89%であった。処置後21日では、実施例
2では99%であり、対照例2では98%であった。
様の手順で処置を行い、創閉塞率の経時変化を観察し
た。処置後1週間の創閉塞率は、実施例2で58%であ
り、対照例2で53%であった。処置後10日では、実
施例2では87%であり、対照例2では80%であっ
た。処置後14日では、実施例2では93%であり、対
照例2では89%であった。処置後21日では、実施例
2では99%であり、対照例2では98%であった。
【0047】
【発明の効果】請求項1ないし5に係る発明によれば、
皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易に適
用することができる。請求項4及び5に係る発明によれ
ば、さらに、細胞外基質を含有するために、皮膚再形成
剤が皮膚欠損部位に保持されやすく、皮膚欠損部位を良
好に被覆できる。請求項6及び7に係る発明によれば、
皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易に適
用することができる。請求項7に係る発明によれば、さ
らに、細胞外基質を含有するために、皮膚再形成剤が皮
膚欠損部位に保持されやすく、皮膚欠損部位を良好に被
覆できる。
皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易に適
用することができる。請求項4及び5に係る発明によれ
ば、さらに、細胞外基質を含有するために、皮膚再形成
剤が皮膚欠損部位に保持されやすく、皮膚欠損部位を良
好に被覆できる。請求項6及び7に係る発明によれば、
皮膚欠損部位の発生場所や発生領域に係わらず容易に適
用することができる。請求項7に係る発明によれば、さ
らに、細胞外基質を含有するために、皮膚再形成剤が皮
膚欠損部位に保持されやすく、皮膚欠損部位を良好に被
覆できる。
Claims (7)
- 【請求項1】流動性媒体あるいは塑性媒体中に、表皮細
胞及び/又は線維芽細胞を含有する皮膚再形成剤。 - 【請求項2】流動性媒体あるいは塑性媒体中に、表皮細
胞を含有する皮膚再形成剤。 - 【請求項3】流動性媒体に表皮細胞及び/又は線維芽細
胞を含有する皮膚再形成剤。 - 【請求項4】細胞外基質を含有する請求項1ないし3の
いずれかに記載の皮膚再形成剤。 - 【請求項5】細胞外基質として、コラーゲン、ゼラチ
ン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、あるいは、こ
れらのうちから選ばれる2種類以上を含む請求項4記載
の皮膚再形成剤。 - 【請求項6】流動性媒体あるいは塑性媒体中に非ヒト哺
乳動物の表皮細胞及び/又は線維芽細胞を含有する皮膚
再形成剤を、皮膚欠損部位に適用する皮膚再形成方法。 - 【請求項7】細胞外基質を含有する皮膚再形成剤を適用
する請求項6記載の皮膚再形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10149730A JPH11343243A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 皮膚再形成剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10149730A JPH11343243A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 皮膚再形成剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343243A true JPH11343243A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15481569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10149730A Pending JPH11343243A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 皮膚再形成剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343243A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008542252A (ja) * | 2005-05-26 | 2008-11-27 | インターサイテックス リミティド | 同種真皮繊維芽細胞を用いる組織修復 |
CN115845126A (zh) * | 2022-12-26 | 2023-03-28 | 深圳钧兴生物科技有限公司 | 一种仿生胶原液体敷料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-05-29 JP JP10149730A patent/JPH11343243A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008542252A (ja) * | 2005-05-26 | 2008-11-27 | インターサイテックス リミティド | 同種真皮繊維芽細胞を用いる組織修復 |
US9271923B2 (en) | 2005-05-26 | 2016-03-01 | Intercytex Limited | Tissue repair using allogeneic dermal fibroblasts |
CN115845126A (zh) * | 2022-12-26 | 2023-03-28 | 深圳钧兴生物科技有限公司 | 一种仿生胶原液体敷料及其制备方法 |
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