JPH11337042A - 焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉 - Google Patents

焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉

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JPH11337042A
JPH11337042A JP10143942A JP14394298A JPH11337042A JP H11337042 A JPH11337042 A JP H11337042A JP 10143942 A JP10143942 A JP 10143942A JP 14394298 A JP14394298 A JP 14394298A JP H11337042 A JPH11337042 A JP H11337042A
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JP
Japan
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furnace
spherical powder
powder slag
incineration ash
cooling air
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Pending
Application number
JP10143942A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Teratani
俊明 寺谷
Masao Nonohiro
正夫 野々廣
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Chugai Ro Co Ltd
Original Assignee
Chugai Ro Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状粉末スラグを簡単に得ることのできる焼
却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉を提供する。 【解決手段】 炉本体の頂部に、中心に焼却灰と燃焼用
気体の一部を供給する焼却灰供給路(8)を、その外周
に燃料供給路(9)を、最外周に燃焼用気体供給路(1
0)をそれぞれ形成する3重管構造のバーナ(7)を下
向きに取り付けるとともに、炉壁内面に沿って冷却空気
を下方に噴出する冷却空気供給手段(6)を設ける一
方、炉床部に密閉式開閉機構(V)を備えた球状粉末ス
ラグ排出口(4A)を、炉下部側壁部に排ガス排出口
(4B)を設け、バーナ火炎により焼却灰を浮遊状態で
溶融し、その後炉内で冷却して球状粉末スラグとする焼
却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰、特に下水
汚泥焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、大量に発生する下水汚泥の処理方
法として種々の方法が提案されているが、その1つとし
て、下水汚泥中の無機物に着目して、下水汚泥を溶融し
て球状粉末スラグとし、工業原料、たとえば、橋梁の重
防食塗料の増量材、コンクリート防食材、窯業原料ある
いはプラスチック増強材等に利用することが行なわれて
いる。この球状粉末スラグは下水汚泥中の無機物を溶融
して球状化するため、下水汚泥に含まれる重金属の溶出
が低減できるという利点を有するばかりか、球状である
ため流動性が良く、他の物質との均一混合が容易に行な
えるという利点を有する。
【0003】そして、この下水汚泥から無機物の球状粉
末スラグを生成する方法として、特開平7−35318
号公報に開示の技術がある。この技術は、下水汚泥を脱
水して所定の含水率に調整した脱水汚泥を高温高圧に保
持して液状化したのち、該液状化下水汚泥を燃焼用空気
とともにバーナから噴霧し、その有機物を燃焼すること
により液状化下水汚泥中の無機物を該燃焼熱で溶融して
球状粉末スラグとするものである。この方法によると、
下水汚泥中の有機物を燃料として無機物を溶融するた
め、特開平1−134112号公報に記載のように、下
水汚泥とは別に燃料を供給する必要がなく、かつ、得ら
れる溶融物も粉末状であるため粉砕する必要もないので
大幅に省エネルギーを図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記液状化
汚泥の製造設備についてみてみると、原料となる脱水汚
泥の含水率を所定値(前記公報では60〜90wt%)
に調整したものを、高温高圧(前記公報では温度150
℃以上で、圧力はその温度での飽和蒸気圧以上)に保持
しなければならないうえ、脱水汚泥を撹拌するためのス
クレーパが必要である等、設備が大型かつ複雑になると
いう問題がある。
【0005】そこで、本発明者らは、種々検討の結果、
下水汚泥の焼却灰をバーナ火炎に供給すると、焼却灰は
浮遊状態で溶融するとともにその後冷却して球状粉末ス
ラグになることを見出した。したがって、本発明は前記
球状粉末スラグを簡単に得ることのできる焼却灰の球状
粉末スラグ製造用溶融炉を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、本発明にかかる焼却灰の球状粉末スラグ製造
用溶融炉は、炉本体の頂部に、中心に焼却灰と燃焼用気
体の一部を供給する焼却灰供給路を、その外周に燃料供
給路を、最外周に燃焼用気体供給路をそれぞれ形成する
3重管構造のバーナを下向きに取り付けるとともに、炉
壁内面に沿って冷却空気を下方に噴出する冷却空気供給
手段を設ける一方、炉床部に密閉式開閉機構を備えた球
状粉末スラグ排出口を、炉下部側壁部に排ガス排出口を
設けたものである。なお、前記炉内断面積を下方に行く
につれて段階的に大きくし、かつ、前記冷却空気供給手
段を炉内壁の各段差部上部に設けるようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて、図1〜図3にしたがって説明する。図において、
1は既設の下水汚泥焼却設備から排出された下水汚泥焼
却灰(以下、焼却灰という)を貯留するホッパ2、定量
フィーダ3と図示しないブロワとからなる灰供給装置
で、ホッパ2内の焼却灰は定量フィーダ3で切出された
のちブロワにより本発明にかかる焼却灰の球状粉末スラ
グ製造用溶融炉4(以下、溶融炉という)に配管Pを介
して空気輸送される。
【0008】前記溶融炉4は、図2に示すように、炉内
断面積が下方に行くにつれて段階的に大きくなってお
り、炉内壁の各段差部5には冷却空気供給手段としての
ノズル6が円周方向に数10個ずつ取り付けられてお
り、前記ノズル6の先端に形成した下方に開口する噴出
孔6aから冷却空気を下方に噴出して、炉壁の温度を下
げることにより炉壁へのクリンカの付着を防止してい
る。また、炉床部にはロータリバルブやダンパを所定間
隔をもって2段に設けたダブルダンパ等の密閉式開閉機
構Vが設けてある。なお、密閉式開閉機構Vはスクリュ
ーフィーダで兼用してもよい。
【0009】前記溶融炉4の頂部にはバーナ7が取り付
けられている。このバーナ7は図3に示すように3重管
からなり、前記配管Pと連通する焼却灰供給管8と、該
焼却灰供給管8と所定間隔をもって設けた内管19との
間に形成される燃料供給路9と、前記内管19と所定間
隔をもって設けた外管20との間に形成される燃焼用気
体供給路10とで構成されている。
【0010】そして、前記焼却灰供給管8からは前記焼
却灰および空気あるいは酸素富化空気等の燃焼用気体の
一部を、前記燃料供給路9からはLPG、LNG等の気
体燃料あるいはA重油、灯油等の液体燃料を、前記燃焼
用気体供給路10からは空気、酸素富化空気等の燃焼用
気体をそれぞれ供給する。
【0011】したがって、燃料供給路9および燃焼用気
体供給路10から供給される燃料と燃焼用気体とにより
形成される高温の燃焼火炎S中に、焼却灰供給管8から
前記焼却灰が燃焼用気体(空気)の一部とともに供給さ
れ、前記燃焼火炎S中で加熱され、焼却灰は浮遊状態で
溶融して球状化する。この球状化溶融粒子はやがて前記
燃焼火炎Sの外へ搬出され、ノズル6からの冷却空気で
溶融温度以下に保持された炉内Tで急冷されることによ
り凝固して球状粉末スラグとなる。
【0012】なお、炉壁温度が高いと、燃焼火炎Sから
の飛散溶融粒子が炉壁に付着してクリンカとなるため、
前記ノズル6から冷却空気を炉壁に沿って下方へ吹き付
けることにより炉壁を下記に示すように、焼却灰の溶融
温度以下の850℃〜800℃としている。
【0013】そして、前記球状粉末スラグのうち粒径の
大きな球状粉末スラグは炉底部に落下し、炉床に設けた
ロータリバルブ等の密閉式開閉機構Vの開閉により球状
粉末スラグ排出口4Aから炉内雰囲気の炉外放散あるい
は外気の炉内侵入を防止しつつ炉外に取り出される。一
方、粒径の小さな球状粉末スラグは炉下部側壁部に設け
た排ガス排出口4Bから排ガスとともに熱交換器11を
通って電気集塵機12に至り、ここで排ガスから分離さ
れる。これにより、球状粉末スラグを炉床に設けた球状
粉末スラグ排出口4Aおよび電気集塵機12から得るも
のである。
【0014】ところで、下水汚泥には周知のように高分
子系と石灰系とがあり、高分子系焼却灰は1100℃付
近より軟化して1150℃付近で溶融し始めることが判
明している。したがって、原料として高分子系焼却灰を
使用する場合には燃焼火炎温度を1150℃以上にする
必要がある。また、石灰系焼却灰は1200℃〜125
0℃で溶融し始めるため、この場合の燃焼火炎温度は1
250℃以上にする必要がある。したがって、このこと
から炉壁温度を850℃〜800℃以下としてクリンカ
の発生を防止するものである。なお、焼却灰の組成は、
処理場、季節等によっても変動し、これにより前記溶融
温度も変動する。
【0015】また、高分子系焼却灰について火炎温度と
球状化率を燃料原単位が約2000kcal/kg〜2
500kcal/kgの状態で調べたところ、図4に示
すように、燃焼火炎温度が高くなるにつれて球状化率も
高くなっており、1700℃以上で球状化率が50%以
上となるため、燃焼火炎を1700℃以上にするのが好
ましい。ここで、球状化率とは、球状粉末スラグを顕微
鏡観察し、一定視野範囲内に存在する粒子のうち球状に
なっている粒子の割合をいう。なお、燃焼火炎温度の調
整は、燃焼用気体の予熱温度、空気比あるいは酸素富化
量を変えることにより行なう。また、逆に、球状化率を
調べることにより溶融状態が判明するため、溶融状態を
みて燃焼火炎温度を調整することができる。
【0016】前記実施形態では、炉内断面積を下方に行
くにつれて段階的に大きくし、かつ、段差部上部に下方
に向かって冷却空気を供給するものについて説明した
が、必ずしも段差を設けることなく、炉内周壁に沿って
冷却空気を供給してもよいが、段差構造として冷却空気
を供給する方が冷却効果が向上する。また、炉壁を水冷
構造としてもよいが、冷却空気により冷却すると、冷却
空気を球状粉末スラグの搬送用媒体としても利用できる
ばかりか、炉壁に達するまでに飛散溶融粒子が冷却固化
するため炉壁にクリンカの付着がなく、炉壁の損傷がな
い。
【0017】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉によれば、たとえ
ば、現状の下水汚泥焼却設備に付設すれば既存の焼却設
備を利用でき、しかも溶融炉は単純な構造なので、全体
としても安価な設備とすることができる。また、浮遊状
態の焼却灰をバーナ火炎中で溶融したものを、同じく浮
遊状態のまま急冷・凝固するので、溶融した焼却灰同士
が接触・成長することがなく、つまり、粉砕等の工程を
経ることなく粒子の細かい球状粉末スラグを得ることが
できる。さらに、バーナ火炎は高温とするものの火炎外
の炉内温度は普通の焼却炉なみの800℃前後でよく、
燃料費が安価であるとともに、炉のライニングに使用す
る耐火レンガも安価なものでよいばかりか、炉壁にクリ
ンカの付着がないため損傷がなくメンテナンスも容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する球状化処理フロー。
【図2】 (A)は焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融
炉の断面図、(B)は(A)の要部拡大断面図。
【図3】 図2のバーナの断面図。
【図4】 火炎温度と球状化率との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
4…焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉、4A…球状
粉末スラグ排出口、4B…排ガス排出口、6…冷却空気
供給手段(ノズル)、7…バーナ、8…焼却灰供給管、
9…燃料供給路、10…燃焼用気体供給路、12…電気
集塵機、S…燃焼火炎、T…炉内、V…密閉式開閉機
構。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉本体の頂部に、中心に焼却灰と燃焼用
    気体の一部を供給する焼却灰供給路を、その外周に燃料
    供給路を、最外周に燃焼用気体供給路をそれぞれ形成す
    る3重管構造のバーナを下向きに取り付けるとともに、
    炉壁内面に沿って冷却空気を下方に噴出する冷却空気供
    給手段を設ける一方、炉床部に密閉式開閉機構を備えた
    球状粉末スラグ排出口を、炉下部側壁部に排ガス排出口
    を設けたことを特徴とする焼却灰の球状粉末スラグ製造
    用溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記炉内断面積を下方に行くにつれて段
    階的に大きくし、かつ、前記冷却空気供給手段を炉内壁
    の各段差部上部に設けたことを特徴とする前記請求項1
    に記載の焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉。
JP10143942A 1998-05-26 1998-05-26 焼却灰の球状粉末スラグ製造用溶融炉 Pending JPH11337042A (ja)

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