JPH11335405A - 樹脂製造装置 - Google Patents

樹脂製造装置

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JPH11335405A
JPH11335405A JP10147898A JP14789898A JPH11335405A JP H11335405 A JPH11335405 A JP H11335405A JP 10147898 A JP10147898 A JP 10147898A JP 14789898 A JP14789898 A JP 14789898A JP H11335405 A JPH11335405 A JP H11335405A
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JP
Japan
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pipe
slurry
reaction
resin
valve
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Application number
JP10147898A
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English (en)
Inventor
Takushi Fukuchi
拓史 福地
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂粒子のスラリ−の流通中に中和等の反応を
行わせる場合、中和中に樹脂粒子の合着があっても一様
な適切な樹脂粒子径で樹脂粒子のスラリ−を中和でき、
たとえ樹脂粒子の付着、ひっかかり、更には通路の閉塞
が生じても、この異常を容易に検出し得、更に容易に復
旧できる樹脂製造装置を提供する。 【解決手段】温度調整した管に樹脂粒子のスラリ−を流
通させ、該流通中に所定の反応を行わせる装置であり、
ル−プ管1の二ヵ所にスラリ−供給管21と反応液流出
管22を連結し、これらの連結点間の短パス側を還流管
部12とし、長パス側を反応管部11とし、反応管部1
1に循環ポンプ3を設け、ル−プ管1に所定の間隔を隔
てて圧力計p1〜p6を連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂の製造装置に関
し、特にポリビニルアセタ−ル樹脂の製造に有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアセタ−ル樹脂は優れた接着
性、耐熱性、透明性、物理的硬さ等のために、その用途
は広範囲に及び、例えば、合わせガラス用中間膜、塗
料、接着剤、バインダ−等に使用されている。このポリ
ビニルアセタ−ル樹脂を製造するには、沈殿法または溶
液法で得た樹脂粒子のスラリ−をアルカリで中和して樹
脂粒子の空隙や表面に残留している酸触媒を可溶化し、
この可溶物を水洗により除去し、更に脱水、乾燥等を行
っている。
【0003】この場合、上記中和の効率化を図るため
に、中和工程を樹脂粒子が膨潤する程度の高い温度(通
常、ほぼ65℃)で行うことが有効であり、従来におい
ては、アルカリを添加した樹脂粒子のスラリ−を、所定
温度に設定した多段の撹拌槽に通過させ、この通過中に
上記の中和を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記中和工程において
は、スラリ−の濃度が高くかつ樹脂粒子が膨潤している
ために樹脂粒子の合着が避けられない。而るに、100
μm程度の合着成長であれば、造粒上、好ましい範囲で
あるが、上記の撹拌槽による中和では、直径10cm程
度の粗大樹脂ブロックの生成が往々にして観られる。
【0005】その理由としては、撹拌槽内の上部で気
液界面の発生が避けられず、乾いた槽壁内面に樹脂粒子
が付着・堆積し、この付着・堆積樹脂がある程度の大き
さに成長しその壁内面から脱離されスラリ−中に逸出し
て樹脂粒子の合着の核となること、撹拌槽の底部コ−
ナに液が滞留し、この滞留部で樹脂粒子の合着・粗大化
が急速に進行すること、更に、撹拌槽底部への樹脂粒
子の付着・堆積により、槽内流速の不均一化が顕著とな
り、低速部で樹脂粒子の合着・粗大化が急速に進行する
こと等が挙げられる。
【0006】かかる樹脂粒子の付着・堆積は樹脂の生産
効率の低下を招来し、更に、槽容積の減少のために、樹
脂の中和不足による樹脂の着色、熱安定性の低下、樹脂
微粒子の増加等の不都合が惹起される。本発明の目的
は、樹脂粒子のスラリ−の流通中に中和等の反応を行わ
せる場合、中和中に樹脂粒子の合着があっても一様な適
切な樹脂粒子径で樹脂粒子のスラリ−を中和でき、たと
え樹脂粒子の付着、ひっかかり、更には通路の閉塞が生
じても、この異常を容易に検出し得、更に容易に復旧で
きる樹脂製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る一の樹脂製
造装置は、温度調整した管に樹脂粒子のスラリ−を流通
させ、該流通中に所定の反応を行わせる装置であり、ル
−プ管の二ヵ所にスラリ−供給管と反応液流出管を連結
し、これらの連結点間の短パス側を還流管部とし、長パ
ス側を反応管部とし、反応管部に循環ポンプを設け、ル
−プ管に所定の間隔を隔てて圧力計を連結したことを特
徴とする構成であり、還流管部に開閉弁を設けることが
でき、上記圧力計の設置に代えまたは圧力計の設置とと
もに還流管部に流量計を設けることができる。
【0008】本発明に係る他の樹脂製造装置は、温度調
整した管に樹脂粒子のスラリ−を流通させ、該流通中に
所定の反応を行わせる装置であり、ル−プ管の二ヵ所に
スラリ−供給管と反応液流出管を連結し、これらの連結
点間の短パス側を還流管部とし、長パス側を反応管部と
し、反応管部に循環ポンプを設け、スラリ−供給管に開
閉弁を介して洗浄液源を連結したことを特徴とする構成
であり、ル−プ管に所定の間隔を隔てて圧力計を連結し
たこと、還流管部に開閉弁を設けること、上記圧力計の
設置に代えまたは圧力計の設置とともに還流管部に流量
計を設けること、ル−プ管と反応液流出管とを三方弁を
介して連結することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明に係る樹脂
製造装置の一実施例を示している。図1において、1は
ル−プ管、21はル−プ管1に連結したスラリ−供給
管、22はル−プ管1に連結した反応液流出管であり、
連結点間の短パス側が還流管部12とされ、長パス側が
反応管部11とされている。3は循環ポンプであり、ス
ラリ−供給管側連結点a近傍の反応管部位に設けられて
いる。p1,…はル−プ管1に所定の間隔を隔てて連結
された圧力計であり、スラリ−中の固形物が圧力計の可
動部に付着するのを防止するために隔膜式圧力計を使用
することが好ましい。
【0010】上記反応管部11は温度調節可能としてあ
り、この反応管部には例えば、図2に示すように内管1
aをスチ−ム流通用外管1bで包囲した二重管10を複
数本並設し、内管1aを連通管1cにより直列に接続
し、外管1b,1b間をスチ−ム連通管1dで連通した
ものを使用できる。本発明に係る樹脂製造装置は、たと
えばスチ−ム温度の調整のもとで反応管部11にポリビ
ニルアセタ−ル樹脂粒子のスラリ−を流通させつつ中和
するのに使用される。
【0011】このポリビニルアセタ−ル樹脂粒子のスラ
リ−には、ポリビニルアルコ−ル水溶液とアルデヒドと
を酸触媒の存在下でアセタ−ル化反応させて樹脂粒子を
析出させた沈殿法によるもの、ポリビニルアルコ−ルの
溶剤溶液とアルデヒドとを酸触媒の存在下でアセタ−ル
化反応させ、この反応液に水等の非溶解性触媒を添加し
(または、反応液をこの非溶解性触媒に分散させ)て樹
脂粒子を析出させた溶液法によるものが使用され、通
常、中和に先立ち、上記樹脂粒子の析出後、水洗、脱
水、脱水ケ−キの水分散による再スラリ−化が行われ
る。
【0012】上記ポリビニルアルコ−ルには、一般に重
合度が500〜3000、鹸化度が80モル以上のもの
が使用される。上記アルデヒドには、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ベンズアル
デヒド、シンナムアルデヒド等の脂肪族、芳香族アルデ
ヒドの単独或いは二種以上の混合物が使用され、合わせ
ガラス中間膜用のポリビニルアセタ−ル樹脂を製造する
場合は、一般にn−ブチルアルデヒドが用いられる。
【0013】上記酸触媒には、塩酸、燐酸、硫酸、パラ
トルエンスルホン酸等の単独或いは二種以上が使用さ
れ、通常、反応液のpHを0.2〜2とするように添加
される。図1の装置によりスラリ−を中和するには、反
応管部11を中和に適した温度に調整し、上記樹脂粒子
のスラリ−を前記した前処理ののちアルカリを添加しつ
つスラリ−供給管21よりル−プ管1に供給していく。
【0014】このアルカリはスラリ−のpHを7〜8と
するように添加し、アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム等を使用することができる。上記中和に適した温度
は、通常60℃〜100℃、好ましくは、70℃〜90
℃である。
【0015】上記スラリ−の供給流量をi、反応管部1
1でのスラリ−流量をi0とすると、還流管部12での
流量は(i0−i)であり、i0>iとするように循環ポ
ンプ3が運転される。この反応管部11での加熱により
スラリ−中の樹脂粒子が膨潤され、合着性が増してい
く。
【0016】しかしながら、スラリ−が反応管部11に
乱流状態で流通され、この乱流による撹拌(乱流拡散)
で剪断力を受けるから、樹脂粒子の合着がよく阻止さ
れ、樹脂粒子の異常な粗大化(粗大樹脂ブロック化)が
充分に抑制される。周知の通り、管内流れの乱流化に
は、レイノズル数Re(管内の平均流速をU、管半径を
L、液の動粘性係数をνとすると、Re=UL/νで与
えられる)を高くすることが有効であり、上記内管とし
て呼び径10A、流速0.3m/s程度でも、Reをほ
ぼ300にもなし得、内管として呼び径250Aのもの
を使用し、流速を2.0m/sとすればReをほぼ50
000にもでき、内管での乱流撹拌により容易に樹脂粒
子の異常な粗大化を防止できることが明らかである。
【0017】また、反応管部へのスラリ−の満水状態で
の流通により、気液界面の発生を確実に回避でき、管内
面の全周を常時、スラリ−で擦ってその内面への樹脂粒
子の付着・堆積を防止できるから、管内面への樹脂粒子
の付着粗大化→粗大化粒子の脱離→この脱離粗大粒子を
核としての樹脂粒子の合着進行等の一連の過程による粗
大樹脂ブロック化を防止できる。また、内管径を小とし
て管内流速を充分に一様にできるから、流速の不均一に
由来する低速部の発生をよく防止でき、液の滞留に基づ
く粗大樹脂ブロック化も防止できる。
【0018】上記のようにして中和されたスラリ−は反
応液流出管22から流量iで流出され、撹拌槽において
樹脂粒子の合着が防止されつつ冷却され、冷却後は、上
記中和による可溶化物が水洗により除去され、更に、脱
水・乾燥されて所定粒子径のポリビニルアセタ−ル樹脂
が得られる。上記ル−プ1管には、内面の摩擦係数が低
いもの、例えば、ステンレス管、内面ガラスライニング
金属管が使用される。ル−プ管の口径は、通常10A〜
250A、好ましくは25A〜100Aとされる。10
A以下では、流通抵抗が高く、管の閉塞が生じ易く、ま
た、250A以上では、スチ−ムの内管内スラリ−への
熱伝達特性が悪くなる。反応管部内でのスラリ−流速
は、通常0.1m/sec〜10.0m/sec、好ましくは
0.3m/sec〜2.0m/secとされる。0.1m/se
c以下では、樹脂粒子の付着による管の閉塞が生じ易
く、また10.0m/sec以上では、粒子が粉砕されて
所定の粒子径(100μm程度)の樹脂を得ることが困
難になる。
【0019】反応管部内のスラリ−温度は、通常60℃
〜100℃、好ましくは70℃〜90℃とされる。60
℃以下では、中和の効率アップがさして期待できず、か
つ微粒子樹脂(10μm程度)の含有量が多くなり過
ぎ、また、100℃以上ではスラリ−が沸騰してしま
う。また、スチ−ム温度は、通常100℃〜200℃、
好ましくは120℃〜155℃とされる。100℃以下
では、スチ−ムが液化されてしまい、また200℃以上
では、スラリ−内樹脂粒子の内管内面への融着、スラリ
−の管壁での沸騰が生じ易くなる。
【0020】上記スラリ−の反応管部滞在時間は、ポリ
ビニルアセタ−ル樹脂粒子の合着成長度を律し、その粒
子径を左右するから、その滞在平均時間は粒子径から
は、t=10sec〜3600sec、好ましくは30sec〜
600secを充たし、かつ、中和を完結させるのに必要
な時間以上とされる。図1に示す装置の操作の一例を示
せば次ぎの通りである。
【0021】重合度1700、鹸化度99.9%のポリ
ビニルアルコ−ルの濃度10重量%のポリビニルアルコ
−ル水溶液100重量部とn−ブチルアルデヒド5.7
重量部とを濃度35%の塩酸5.2重量部の存在下、ア
セチル化反応させて樹脂粒子を析出させ、この析出樹脂
粒子のスラリ−を前水洗の後、脱水し、この脱水ケ−キ
を水に分散させて濃度13%の樹脂粒子のスラリ−を得
た。
【0022】内管には口径100A、長さ160mのス
テンレス管を使用し、外管へのスチ−ム流通は、内管内
のスラリ−温度を70℃〜90℃とするように調整し
た。反応液流出管からの流出液は冷却用撹拌槽で冷却
し、この撹拌槽には傾斜パドル型羽根で容積が8m3
ものを3槽使用し、第1槽目では槽内スラリ−の平均温
度を65℃に、第2槽目では槽内スラリ−の平均温度を
40℃に、第3槽目では槽内スラリ−の平均温度を30
℃とするように温度調節した。
【0023】上記スラリ−に炭酸水素ナトリウムを加え
てpH7〜8に調整し、この炭酸水素ナトリウム添加ス
ラリ−(温度約40℃)を流量8m3/hrで供給し、
循環流量をほぼ64m3/hrとして中和し、更に撹拌
槽に通して冷却した。この場合、スラリ−の内管滞在時
間はほぼ600秒、各撹拌槽通過に要する時間はほぼ3
600秒であった。
【0024】最終的に、水洗、脱水、乾燥して、ブチラ
−ル化度65モル%の粉末状のポリビニルブチラ−ル樹
脂を製造した。得られたポリビニルブチラ−ル樹脂粉末
の平均粒子径は90μmであり、粗大粒子(約1cm以
上)の生成は無く、10メッシュ篩いオンは0.5重量
%に過ぎず、粒子径は極めて均一であった。また、17
0℃、1時間加熱のもとで熱安定性を検査したところ、
樹脂の着色は認められず、優れた熱安定性を呈した〔樹
脂の劣化の度合いを目視により5段階見本比で評価した
ところ(数値が小さい程、熱安定性に優れている)、
1.5以下であった〕。
【0025】上記において、反応管部11でのスラリ−
の流速をv、単位長さ当たりの流通抵抗をrとすれば、
単位長さ当たりの圧力降下はvrであり、ル−プ管1に
樹脂粒子ブロックの付着やひっかかりや閉塞が生じない
限り、反応管部11に沿う圧力降下は一定勾配となる。
従って、隣合う圧力計間の距離をdとすれば、その圧力
計間の差圧はvrLとなり、一連の圧力計p1〜p6の表
示から反応管部11のスラリ−流通状態が正常であるこ
とを知り得、前記中和反応が正常に進行していると判定
できる。
【0026】万一、樹脂粒子の異常な付着やひっかかり
によって反応管部11のある箇所の流通抵抗が増加する
と、その箇所を挾む圧力計間の圧力降下勾配が急峻にな
るから、これを上記一連の圧力計の表示より検知してそ
の異常箇所を容易に知ることができる。上記付着やひっ
かかりが発展して上記異常箇所が完全に閉塞された場
合、スラリ−の全流量が還流管部12で短絡流通され、
その流速をi’、還流管部12の流通抵抗をR’とする
と、図1に示す装置では、異常箇所(閉塞箇所)を挾む
圧力計間の差圧がi’R’となる。而るに、還流管部1
2の流通抵抗R’がほぼ零であり、また異常箇所より上
流側での圧力計間の差圧及び下流側での圧力計間の差圧
も零となり(流速が0であるため)、上記圧力降下勾配
法では閉塞箇所を標定できない。特に反応液流出管22
の流通抵抗をR”(弁等による。例えば図3の開閉弁v
22を参照)とすると、上記閉塞箇所の両側にi’R”の
圧力が作用し(ただし、上記還流管部の流通抵抗R’は
無視できるとする)、R”が大である場合、この閉塞箇
所の樹脂粒子ブロックが圧縮により固められてしまう。
【0027】図3に示す実施例では、還流管部12に開
閉弁v12を設けてあり、この開閉弁v12を閉じることに
より上記閉塞箇所を検知できる。例えば、図3において
圧力計p3とp4との間で閉塞が生じたとすると、圧力計
6、p1〜p3がスラリ−供給圧力を表示し、圧力計p4
〜p5の表示が0となるから、圧力計p3とp4との間で
閉塞が生じたことを検知できる。従って、図3に示す実
施例では、開閉弁v12を開くことにより樹脂粒子ブロッ
クの付着やひっかかりによる半閉塞の異常箇所を検知で
き、開閉弁v12を閉じることにより完全閉塞の異常箇所
を検知できる。
【0028】図4に示す実施例では還流管部12に流量
計f12を設けてある。還流管部12での流れ方向は、正
常時での流れ方向を正方向とすると、反応管部11の閉
塞に対しては負方向となる。而るに、この閉塞は突発的
に生じるのではなく、その前兆として樹脂粒子ブロック
の付着やひっかかりが漸次に生じ、図5において、正常
時での還流管部12の流量が範囲Q内にあるとすると、
閉塞により負の領域に至るまでの領域Q’が前記の付着
やひっかかりの前兆期に該当する(なお、正常領域の流
量範囲Qは設定流量に対し、流量計の測定精度の1〜1
0倍程度、好ましくは2〜5倍程度を誤差の許容範囲と
してしきい値の上限及び下限を定めることが適切であ
る)。
【0029】上記図4に示す実施例では還流管部12に
流量計f12を設けてあり、その指示値が前記流量範囲Q
内にあれば正常と判定でき、領域Q’にあれば付着やひ
っかかりの前兆期と判定でき、負領域にあれば閉塞発生
と判定できる。なお、流量計f12には可動部に樹脂粒子
の付着が生じないように非接触式の流量計、例えば、電
磁流量計、超音波流量計を使用することが好ましい。
【0030】図6は上記樹脂粒子ブロックの付着やひっ
かかりの異常や閉塞異常等を検知したのち、復旧をオン
ラインで容易に行うことを可能にした実施例を示し、ス
ラリ−供給管21に開閉弁v21を設け、還流管部12に
開閉弁v12を設け、スラリ−供給管21の開閉弁v21
りも上流側に開閉弁v13を介して洗浄液槽4(洗浄液に
はスラリ−の母液である水を用いることが好ましく、こ
の場合、洗浄液槽に純水タンクが用いられる)と洗浄液
注入ポンプ5を連結してある。
【0031】常時は開閉弁v21、v12を開き、開閉弁v
13を閉じて運転される。図6に示す装置では、反応管部
11での上記した異常が検知されると、スラリ−の供給
が停止され、開閉弁v21及びv12が閉鎖され、開閉弁v
13が開かれ、注入ポンプ5の駆動により洗浄液槽4内の
洗浄液が反応管部11に注入されて反応管部11内の付
着・ひっかかり固形物が排出され、この排出後は注入ポ
ンプ5の停止、開閉弁v13の閉鎖、開閉弁v21及びv12
の開路ののち、スラリ−が供給されて正常運転状態に復
帰される。
【0032】上記注入ポンプ5の圧力は+0〜+10kg
/cm2の範囲とされ、洗浄時間は15秒〜300秒程度
とされ、ポンプ5の出口圧力はル−プ管1の耐圧強度の
限度内で可及的に高くすることが洗浄効率上有利であ
る。図7の実施例は、反応液流出管22とル−プ管1と
を三方ボ−ル弁v3を介して連結してあり、図6の実施
例における還流管部12の開閉弁v12を省略してある。
【0033】図8は図7の実施例での洗浄時の三方ボ−
ル弁v3の流通状態を示し、図6の実施例での反応液流
出管連結点bから開閉弁v12までの難洗浄箇所(洗浄
時、開閉弁v12は閉鎖状態とされる)の発生を排除でき
る。
【0034】
【実施例】〔実施例1〕図1に示す実施例であり、ル−
プ管1には口径50Aのステンレス管を、スラリ−供給
管21及び反応液流出管22には20Aのステンレス管
をそれぞれ使用し、反応管部11の内容量を50リツト
ルとし、循環ポンプ3には2.2KWの渦巻ポンプを使用
し、ル−プ管1にp11〜p16の圧力計を等間隔で連結し
た。
【0035】循環流速1.5m/s、反応管部内平均滞在
時間360秒としてスラリ−を流通させたところ、圧力
計p1〜p6の指示は図9の−◆−の通りであった。更
に、付着もしくはひっかかりにより半閉塞が発生したの
で、圧力計p2〜p5の指示を観測したところ図9の−■
−の通りであり、圧力計p3〜p4との間の圧力降下勾配
が急峻に低下し、この間に半閉塞箇所があることを確認
した。
【0036】〔実施例2〕図3に示す実施例であり、図
1の実施例に対し還流管部12に開閉弁v12を設けた以
外、図1の実施例に同じとした。開閉弁v12を開き、循
環流速1.5m/s、反応管部11内平均滞在時間360
秒としてスラリ−を流通させたところ、圧力計p2〜p5
の指示は図の−◆−の通りであった。
【0037】更に、完全閉塞が発生したので圧力計p2
〜p5の指示を観測したところ図10の−■−の通りで
あり、圧力計p3〜p4との間で圧力降下が生じ、その前
後は平坦であり、この間に閉塞箇所があることを確認し
た。 〔実施例3〕図4に示す実施例であり、図1の実施例に
対し還流管部12に電磁流量計f12(測定精度3.0
%)を設け、圧力計を省略した以外、図1の実施例に同
じとした。
【0038】当所は循環流速1.5m/s、反応管部内平
均滞在時間360秒としてスラリ−を流通させた。その
後、付着乃至はひっかかりが発生し始め電磁流量計f12
の指示が図11のようにしきい値の下限以下となったの
で洗浄を行ったところ、元の指示値に回復した〔なお、
設定流量値は10m3/Hrであり、測定精度3.0%の
3.3倍を誤差の許容範囲としてしきい値上限(11m3/
Hr)及びしきい値下限(9m3/Hr)を設定した〕。
【0039】〔実施例4〕図7に示す実施例であり、ル
−プ管1には口径50Aのステンレス管を、スラリ−供
給管21、反応液流出管22及び洗浄源連通用管13に
は20Aのステンレス管をそれぞれ使用し、反応管部1
1の内容量を50リツトルとし、循環ポンプ3には2.
2KWの渦巻ポンプを使用した。
【0040】開閉弁v21を開き、開閉弁v13を閉じ、三
方ボ−ル弁v3を三方開通とし、循環流速1.5m/s、反
応管部内平均滞在時間360秒、循環ポンプ3の出口圧
力3.5kgf/cm2としてポリビニルアセタ−ル樹脂粒子
のスラリ−を流通させた。その後、反応管部11での付
着発生のために循環流速が1.0m/sに低下したので、
スラリ−の供給を停止し、開閉弁v21を閉じ、三方ボ−
ル弁v3を図8に示すように還流管部側12を閉鎖の状
態とし、開閉弁v13開き注入ポンプ5を駆動して純水を
加圧力7kgf/cm2で30秒流し、再度、開閉弁v21を開
き、開閉弁v1 3を閉じ、三方ボ−ル弁v3を三方開通と
してスラリ−を元の条件で供給したところ、循環流速が
1.5m/sに回復した。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る樹脂の製造装置によれば、
中和工程でのスラリ−剪断力を管内流通に対するRe数
の調整で相当細かく調節できるので、造粒制御が可能と
なり、均質な樹脂粒子を製造できる。万一、反応管部に
樹脂粒子ブロックの付着やひっかかりによる異常や閉塞
が生じてもその異常乃至は閉塞箇所を容易に検知でき、
検知後はオンラインで洗浄復旧できるから保守が容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図面である。
【図2】本発明において使用する温度調整される反応管
部を示す図面である。
【図3】本発明の上記とは別の実施例を示す図面であ
る。
【図4】本発明の上記とは別の実施例を示す図面であ
る。
【図5】図4の実施例の異常検知の方法を示す図面なで
ある。
【図6】本発明の上記とは別の実施例を示す図面であ
る。
【図7】本発明の上記とは別の実施例を示す図面であ
る。
【図8】図7の実施例における三方弁の洗浄時流通状態
を示す図面である。
【図9】図1の実施例の異常検知の方法を示す図面なで
ある。
【図10】図3実施例の異常検知の方法を示す図面なで
ある。
【図11】実施例3での流量計の指示を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 ル−プ管 11 反応管部 12 還流管部 21 スラリ−供給管 22 反応液流出管 3 循環ポンプ p1〜p6 圧力計 f12 流量計 4 洗浄液源 5 注入ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度調整した管に樹脂粒子のスラリ−を流
    通させ、該流通中に所定の反応を行わせる装置であり、
    ル−プ管の二ヵ所にスラリ−供給管と反応液流出管を連
    結し、これらの連結点間の短パス側を還流管部とし、長
    パス側を反応管部とし、反応管部に循環ポンプを設けた
    ことを特徴とする樹脂製造装置。
  2. 【請求項2】ル−プ管に所定の間隔を隔てて圧力計を連
    結したことを特徴とする請求項1記載の樹脂製造装置。
  3. 【請求項3】還流管部に開閉弁を設けた請求項1〜2何
    れか記載の樹脂製造装置。
  4. 【請求項4】還流管部に流量計を設けた請求項1〜3何
    れか記載の樹脂製造装置。
  5. 【請求項5】スラリ−供給管に開閉弁を介して洗浄液源
    を連結したことを特徴とする請求項1〜4何れか記載の
    樹脂製造装置。
  6. 【請求項6】ル−プ管と反応液流出管とを三方弁を介し
    て連結した請求項1〜5何れか記載の樹脂製造装置。
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