JPH1133336A - 揮発性物質の分離方法および分離装置 - Google Patents

揮発性物質の分離方法および分離装置

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JPH1133336A
JPH1133336A JP19621497A JP19621497A JPH1133336A JP H1133336 A JPH1133336 A JP H1133336A JP 19621497 A JP19621497 A JP 19621497A JP 19621497 A JP19621497 A JP 19621497A JP H1133336 A JPH1133336 A JP H1133336A
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liquid
water vapor
volatile
gas
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JP19621497A
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Satoshi Ko
敏 黄
Yukiko Hirabayashi
由紀子 平林
Tsudoi Hirabayashi
集 平林
Hideaki Koizumi
英明 小泉
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶液中の揮発性物質を効率よく分離して、高感
度な分析をオンラインで行うことができる揮発性物質の
分離方法および分離装置を提供する。 【解決手段】フリット板(13)を有する噴霧器を用い
て液を噴霧させ、分離チャンバー(14)において揮発
性物質を液相から分離した後、分離膜(16)によって
水蒸気を除去し、分析機器(19)に導入する。 【効果】揮発性物質を高い効率で液相から分離し、高い
感度の各種測定をオンラインで連続して行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は揮発性物質の分離方
法および分離装置に関し、詳しくは、揮発性物質(例え
ばトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化
炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、クロロホルムなど)
を含む液体から効果的に液体を除去して揮発性物質を分
離し、分離された揮発性物質を、例えばガスクロマトグ
ラフ(GC)、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-M
S)計、大気圧イオン化質量分析(API-MS)計、
液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)計等各種分
析機器に導入して所望の分析を行うなど、所望の処理を
行うのに好適な揮発性物質の分離方法、およびこのよう
な分離方法の実施に用いる分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来、揮発性物質の分析
を行う際における、揮発性物質を液体から分離して抽出
・濃縮する手段として、溶媒抽出法、ヘッドスペース法
およびパージ・トラップ法など、多くの方法が知られて
おり、例えば、JIS等公定法では、一般にヘッドスペ
ース法およびパージ・トラップ法が使われている。
【0003】上記ヘッドスペース法は、例えばエンバイ
ロンメンタル・サイエンス・テクノロジー、25(19
91年)第123頁から第126頁(Environmental Sc
ience Technology、25(1991)p.132〜12
6)に記載されている。この方法は、気液平衡にもとづ
いて揮発性物質を揮発させて試料から分離する方法であ
り、まず、一定量の試料溶液を、泡立てないように静か
に採取して容器に入れる。次に、メタノール等内標準物
質を、試料溶液10ml当たり1μlを試料溶液と混合
させ、容器に空間を残して、一定の温度で一定時間放置
する。気液平衡に達すると、一定量の揮発性物質が溶液
から気相に移行する。気相平衡率を安定させるために、
試料の量は容器の容積の50〜85%にする。
【0004】また、上記パージ・トラップ法は、例えば
日本工業規格JIS・K0125、用水・排水中の低分
子ハロゲンか炭化水素試験法(1990)に記載されて
いる。この方法は、まず、ヘリウムや窒素等の不活性ガ
スによって試料溶液を曝気して、水に溶解し難い揮発性
物質を気相に移行させ、吸収剤(ポーラスポリマービー
ズ、シリカゲンル、活性炭等)が充填されれたトラップ
捕集管に上記揮発性物質を吸収させた後、このトラップ
捕集管に不活性ガスを流すとともに加熱して、吸着され
た上記揮発性物質を放出させる方法である。このように
して放出された揮発性物質は所望の分析機器に導入され
る。
【0005】また、アナリティカル・ケミストリー65
(1993年)第2366頁から第2371頁(Analyt
ical Chemistry、65(1993)p.2366−p.
2371)には、T字型ガラス管から別々に導入された
試料とガスを合流し、チューブの出口から噴霧する方法
が記載されている。この方法では、水蒸気を含む揮発性
物質はトラップ管によって濃縮され、気相中に存在する
揮発性物質を完全に捕集するために、三つのトラップ管
が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ヘッドスペース法
は、操作は容易であるが、試料から分離して導入できる
対象成分の量が、試料中に存在する対象成分の1/10
から1/100に過ぎないないため、十分な感度を得る
ことができず、また、試料の成分の影響を受けやすく測
定値がばらつくので、特にオンライン分析には使用でき
ない。
【0007】上記パージ・トラップ法は、装置おび環境
の汚れの影響を受けやすく、特に試料の濃度が高いと、
装置の検出部が汚される恐れがある。そのため、あらか
じめスクリーニング試験を行った後に、測定を行う等の
注意が必要で実用上煩雑である。さらに、トラップ管で
一旦濃縮しなければならないため、連続してオンライン
分析を行うことはできない。
【0008】また、噴霧した後でトラップする上記方法
も、揮発性物質をトラップ管で濃縮するので、連続的に
試料を導入することができない。さらに、大量の水蒸気
が揮発性物質とともに気相中に存在するため、ガスクロ
マトグラフの分離カラムが水蒸気によって致命的な影響
を受け、直接機器に導入してオンライン測定を行うこと
は困難である。さらに、気相中に存在する大量の水蒸気
によってトラップ管の能率が著しく低下してしまうの
で、トラップ管を3個使うなどの工夫が必要であり、希
釈倍率が大きくなって高い感度を得ることは困難でる。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の有する問
題を解決し、試料液体から揮発性物質を効果的に分離す
ることができる揮発性物質の分離方法およびこのような
分離方法の実施に好適な分離装置を提供することであ
る。
【0010】本発明の他の目的は、水および水蒸気を揮
発性物質から効果的に分離して除去することができ、水
蒸気に起因する種々な問題の発生を防止することができ
る揮発性物質の分離方法およびこれに用いる分離装置を
提供することである。
【0011】本発明のさらに他の目的は、感度が十分高
い測定をオンラインで行うのに好適な、揮発性物質の分
離方法およびそれに用いる分離装置を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の分離方法は、揮発性物質を含む溶液と噴霧ガ
スとともにフリット板に入射して噴霧させ、霧状の液体
を沈降させて上記揮発性物質から分離した後、上記揮発
性物質を通過し水蒸気の通過を阻止する膜によって、上
記揮発性物質から水蒸気を分離するものである。
【0013】すなわち、本発明によれば、試料溶液は噴
霧ガスとともにフリット板に入射される。このフリット
板は、ガラスやステンレスからなり、径が数μmから数
10μmという細孔を極めて多数有しているので、試料
溶液が噴霧ガスとともにフリット板に入射すると、試料
溶液は噴霧されて霧状になる。この際、揮発性物質の一
部は気化され、液中に溶解している揮発性物質も、液体
が霧状になって表面積が極めて大きくなるため、液相か
ら気相への移動が極めて容易になって、揮発性物質の気
化が促進される。
【0014】一方、霧状の液の粒子は、互いに衝突を繰
り返して次第に粒径が大きくなり、重量が大きくなって
落下するので、揮発性物質と液は互いに分離される。
【0015】気−液分離された揮発性物質は水蒸気を含
んでいるが、次に、上記噴霧ガスとともに、気体は通過
できるが液体の通過は阻止される膜によって処理され、
水蒸気が除去されて、揮発性物質と噴霧ガスのみにな
り、例えば各種分析機器など所望機器に導入される。
【0016】上記溶液と噴霧ガスは上記フリット板の一
方の面に入射され、上記フリット板の他方の面から噴霧
されるようにするのが実用上好ましい。上記溶液をフリ
ット板の一方の面に入射し、噴霧ガスは上記フリット板
の異なる面に入射させても、試料溶液を噴霧することは
可能であるが、このようにすると、霧の粒子が十分小さ
くならず、好ましい結果を得るのは困難である。
【0017】上記霧状の液体は、上記のように互いに衝
突を繰返して次第に大きくなり、底面が傾斜したチャン
バーの中で沈降し、上記揮発性物質から分離される。
【0018】液体から分離された気体の揮発性物質には
水蒸気が含まれているが、次に、噴霧ガスとともに、気
体は通過できるが液体は通過できない膜によって処理さ
れて、水蒸気が除去される。この膜の形状としては図1
に示した筒型が最も使いやすいが、上端部をホールダー
の上面に固定し、この部分からの水蒸気の漏れを防止す
れば、管状であってもよい、上記水蒸気が分離された揮
発性物質は、上記噴霧ガスとともに所望分析機器内に導
入し、所望測定を行うことができる。この際、上記水蒸
気を分離された揮発性物質を、そのまま各種分析機器な
どに導入してもよいが、必要な場合は、上記膜による処
理の後に、所定の吸着剤が充填されたトラップ管によっ
て濃縮してもよい。
【0019】上記分離方法を行うための分離装置は、揮
発性物質を含む溶液と噴霧ガスをフリット板に入射して
噴霧させる手段、霧状の液体を沈降させて上記揮発性物
質から分離する手段、および上記揮発性物質は通過し水
蒸気の通過は阻止する膜によって、上記揮発性物質から
水蒸気を分離する手段を有している。
【0020】上記フリット板は、ステンレス若しくはガ
ラスからなり、細孔を多数有しているので、試料溶液を
キャリアとともに入射すれば、試料溶液は噴霧されて霧
状になる。
【0021】上記霧状の液体を沈降させて上記揮発性物
質から分離する手段としては、底部が傾斜したチャンバ
ーを用いるのが、実用上便利である。このようなチャン
バを用いれば、底部に落下した液滴はその重量によって
低部に集まり、外部に排出される。
【0022】上記チャンバを出た気体の揮発性物質は水
蒸気を含んでいるが、この水蒸気は、上記のように、気
体は通過できるが液体は通過できない膜によって分離し
て除去される。
【0023】また、この分離装置が、水蒸気が除去され
た揮発性物質を、所望の分析機器に導入する手段をさら
に有していれば、実用上好ましく、また、上記水蒸気が
除去された揮発性物質を、濃縮する手段をさらに有して
いれば、測定対象の含有量や分析機器の感度が低い場合
などに好ましい。
【0024】噴霧すべき所望の液体と噴霧ガスをフリッ
ト板の一方の面に入射し、上記フリット板の他方の面か
ら噴霧することによって、従来よりはるかにすぐれた噴
霧方法が実現される。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明によれば、フリット板を有
する噴霧器に、噴霧用ガス(噴霧後は、気体の揮発性物
質を輸送するためのキャリアガスとして用いられる)と
試料溶液を入射させて噴霧し、気−液分離チャンバ内で
気化された揮発性物質は、上記膜によって水蒸気を除去
されて、各種分析機器等に導入される。
【0026】上記フリット板は、上記のように、孔径が
数μm〜数10μmの細孔を多数有しており、ステンレ
スまたはガラスなどからできている。形状は円板が最も
使いやすいが、他の形状であってもかまわない。
【0027】上記膜としては、気体は十分通過すること
ができ、液体の通過を効果的に阻止できる膜であること
が必要であり、例えば、ポリイミド、ポリジメチルシロ
キサン、ポリヒドロキシスチレン、PTFEあるいはポ
リプロピレンなどの膜を使用できる。
【0028】また、上記噴霧ガスは、揮発性物質を変質
させず、しかも、後で行われる各種分析に影響を与えな
いガスであることが必要であり、例えば窒素、ヘリウム
あるいはアルゴンなどを使用することができる。
【0029】上記チャンバーの底面を傾斜させておけ
ば、沈降した液滴が重力によって低部に集まるので、外
部への排出に便利である。
【0030】上記膜による処理を終えた揮発性物質を、
ガスクロマトグラフ(GC)計、ガスクロマトグラフ質
量分析(GC-MS)計、大気圧イオン化質量分析(A
PI-MS)計等分析機器に直接導入することができ、
揮発性物質のオンライン分析を支障なく行うことができ
る。
【0031】また、揮発性物質から分離された液体を液
体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)計に導入し、
GC-MS計等の機器によって揮発性物質を測定すると
同時に、LC-MS計によって溶液のオンライン分析を
行うこともできる。
【0032】試料液体または較正のために用いる標準溶
液は、フローインジェクションで導入すれば、実用上便
利である。
【0033】オンライン分析を行わない場合は、上記膜
を通過した揮発性物質を、トラップ管等を用いて濃縮
し、GC計、GC-MS計、API-MS計等の分析機器
に導入して分析することができ、このようにすることに
よって、測定の感度を向上させることができる。本発明
では、膜によって水蒸気がほとんど完全に除去されるた
め、揮発性物質だけがトラップ捕集管に導入される。そ
のため、水蒸気に起因するトラップ管の効率低下が起る
恐れはなく、大量のサンプルを長時間濃縮することが可
能となる。トラップ管は1本または複数使用でき、使用
できるサンプルの量は、従来の技術の10倍あるいはそ
れ以上になって、高度な抽出・濃縮を行うことができ
る。
【0034】気体・液体分離チャンバーから分析機器導
入までの上記経路を一定の温度に加熱して、揮発性物質
の損失を防止するのが実用上好ましい。
【0035】また、上記噴霧器による処理を行うに先立
って、試料溶液の状態に応じて、例えば濾過や沈降な
ど、周知の一般的な前処理を行ってもよいことは、いう
までもない。なお、フリット板については、例えばアナ
リティカル・ケミストリ(Analytical Chemistry)第5
4巻(1982年)第638〜642頁等に記載されて
いる。
【0036】
【実施例】
〈実施例1〉本発明の第1の実施例を図1を用いて説明
する。図1に示したように、本実施例で用いた噴霧器
は、噴霧ガス管11と液体試料導入管12、および上記
噴霧ガス管11と液体試料導入管12の結合部分に固定
された、ガラスまたはステンレス製のフリット板13か
らなる。
【0037】ポンプ1によって液体試料導入管12内に
導入された液体サンプルは、レギュレーター10によっ
て2〜7気圧に制御されて液体試料導入管12内に導入
された噴霧用のガスと、上記フリット板13の表面で合
流し、フリット板13の有する多数の細孔を通過して、
ガラス製の気体−液体分離チャンバー14内に入る。
【0038】上記フリット板13を通過した上記液体サ
ンプルは噴霧されて霧状になり、揮発性物質は気化する
とともに、液の表面積が著しく増加するため、液体中の
揮発性物質は効率よく揮発し、水相から抽出される。さ
らに、気体−液体分離チャンバー14内において、霧
(液滴)は繰り返し相互に衝突して大きさ(粒径)は次
第に大きくなり、大きな液滴になって沈降する。沈降し
た液滴は、気体−液体分離チャンバー14の傾斜した底
面上を流れて低部に集まり、ポンプ20によって外部に
排出される。
【0039】一方、揮発性物質は、上記噴霧ガスおよび
残留水蒸気とともに所定の長さのガラス管15を経て、
上記気体−液体分離チャンバー14の上部に設けられた
膜分離室に到達する。なお、図1に示したように、ガラ
ス管15は垂直に置かれているが、これは水蒸気の凝縮
効率を最大にするためである。
【0040】上記膜分離室は、ガラスチャンバ17とそ
の中に配置された筒状の分離膜16からなり、膜分離室
に到達した揮発性物質と残留水蒸気は、上記分離膜16
によって互いに分離される。この際における揮発性物質
と残留水蒸気の分離は、主として分離膜16の極性、孔
の大きさおよび膜厚に依存して行われるが、本実施例で
は、厚さ125μmのポリジメチルシロキサン膜(poly
dimethylsiloxane:Dow Corning 社製)を分離膜16と
して使用した。
【0041】水蒸気は分離膜16を通過できないのでほ
とんど除去され、揮発性物質のみが分離膜16を通過し
て、不活性の噴霧ガスとともに、チューブ18を経て連
続的に分析機器19内に導入される。揮発性物質が連続
的に分析機器19内に導入されるため、オンライン分析
は支障なく行われる。本実施例の装置を用い、例えば水
溶液中に含まれる四塩化炭素を分離することができた。
【0042】〈実施例2〉本実施例は、河川水、水道水
または工場の廃水等の環境水中に含まれる揮発性物質
(主にトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなど
揮発性有機化合物)を抽出−膜分離してガスクロマトグ
ラフ計へ導入した例であり、図2を用いて説明する。
【0043】上記環境水からなるサンプルをポンプ1に
よって連続的に採取し、密閉された濾過装置2を用いて
サンプル中の懸濁粒子を濾過して除去した後、上記実施
例1において用いたと同じ噴霧部3に導入した。ガスク
ロマトグラフはキャリアガスとしてヘリウムが一般に使
われているため、本実施例においても、噴霧ガスとして
ヘリウムを用い、ヘリウムの流量は40ml/分〜10
0ml/分の範囲で選択した。
【0044】噴霧部3によって噴霧した後、上記実施例
1で用いたと同じ気相−液相分離チャンバ4に導入して
揮発性物質を液体から揮発分離し、さらに、上記実施例
1で用いたと同じ膜分離室5に導入して残留した水蒸気
を除去した。
【0045】膜分離室5の分離膜を通過した揮発性物質
は、噴霧ガスによってガスクロマトグラフ計6に運ば
れ、オンライン測定を行った。
【0046】なお、懸濁粒子を除去するための上記濾過
装置2を定期的に洗浄するために、二つの濾過経路を平
行に設置して交互に使用し、懸濁粒子などの影響を受け
ることなしに、各種環境水中に含まれる揮発性有機化合
物の測定を、オンラインで連続して行うこができた。
【0047】〈実施例3〉本実施例は、水中の揮発性物
質を抽出して膜分離し、ガスクロマトグラフ質量分析計
(GC−MS)に導入して測定した例であり、図3を用
いて説明する。
【0048】図3において、記号1〜5は図2の場合と
同じものを表す。上記実施例2と同様に処理して環境水
から抽出分離された上記揮発性物質を、ヘリウムガスに
よって輸送し、ガスクロマトグラフ質量分析計7のカラ
ムを経てガスクロマトグラフ質量分析計7内に導入し検
出した。噴霧ガスとして用いたヘリウムガスの流量は、
ガスクロマトグラフ質量分析計7に適切な40ml/分
から100ml/分の範囲内で設定した。本実施例にお
いても支障なくオンライン測定を行うことができた。
【0049】〈実施例4〉本実施例は、水中の揮発性物
質(ジクロロメタン)を抽出して膜分離した後、ガスク
ロマトグラフ質量分析計に導入して測定した例であり、
図4を用いて説明する。
【0050】サンプルの採集から揮発性物質の分析機器
内への導入までは、上記実施例2、3と同様である。抽
出分離された上記揮発性物質を、大気圧イオン化質量分
析計8に導入した後、コロナ放電を用いた大気圧イオン
化方法によってイオン化し、同定および定量を行った。
本実施例においても支障なくオンライン分析を行うこと
ができた。
【0051】〈実施例5〉本実施例においては、図5に
示したように、水中の揮発性物質(ベンゼン)を上記実
施例1〜4と同様に抽出して膜分離し、ガスクロマトグ
ラフ計6、ガスクロマトグラフ質量分析計7および大気
圧イオン化質量分析計8に導入して、それぞれオンライ
ン測定するとともに、水中の不揮発性物質を液体クロマ
トグラフ質量分析計を用いてオンライン測定した。
【0052】本実施例では、さらに気相・液相分離チャ
ンバー4によって分離された液体を、他のポンプを使っ
て液体クロマトグラフ質量分析計9に導入して、溶液中
の不揮発性物質をオンライン測定した。
【0053】なお、ポンプ1の代りに、図6に示したよ
うに、フローインジェクション装置21を用いて、液体
サンプルと標準溶液をフローインジェクション法で導入
してもよい。標準溶液を一定時間間隔でフローインジェ
クションによって導入することにより、分析精度をさら
に向上させることができた。なお、上記フローインジェ
クション装置21は、本実施例のみではなく、本発明に
おける他の場合でも、同様に使用できることは、いうま
でもない。
【0054】〈実施例6〉本実施例においては、図7に
示したように、分離膜室5によって水蒸気を分離された
揮発性物質を、トラップ管22によって濃縮した後、ガ
スクロマトグラフ計6、ガスクロマトグラフ質量分析計
7および大気イオン化質量分析計8など所望の分析機器
に導入し、それぞれ測定を行った。本実施例では、トラ
ップ管22が使用されているためオンライン測定はでき
ないが、トラップ管22に対する水蒸気の影響が分離膜
室6によって除去されているため、トラップ管22によ
る濃縮時間を、10分間以上と長くすることができ、測
定感度が向上した。
【0055】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、液体を噴霧することによって揮発性物質を抽出
するとともに、膜分離によって水蒸気が揮発性物質から
分離除去される。そのため、揮発性物質の抽出および上
記水蒸気の除去は、極めて高い効率で行われ、測定感度
が高く成分による影響を受け難い各種測定を行うことが
できる。
【0056】また、噴霧ガスの流量が少なくてよいの
で、分析機器に直接導入することができるとともに、液
体サンプルが分離膜と直接接触しないため、液体サンプ
ルによって分離膜が汚染される恐れはない。
【0057】さらに、連続的に試料を導入することが可
能であるため、各種揮発性物質のオンライン計測および
連続測定が可能である、溶液標準をフローインジェクシ
ョン導入することにより、より正確なオンライン測定が
できる、および、揮発性物質をトラップ管等によって濃
縮すれば感度を10倍以上向上できるなど、多くの特長
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための図。
【図2】本発明の第2の実施例を説明するための系統
図。
【図3】本発明の第3の実施例を説明するための系統
図。
【図4】本発明の第4の実施例を説明するための系統
図。
【図5】本発明の第5の実施例を説明するための系統
図。
【図6】本発明の第5の実施例を説明するための系統
図。
【図7】本発明の第6の実施例を説明するための系統
図。
【符号の説明】
1…ポンプ、2…濾過装置、3…噴霧器、4…気相・液
相分離部、5…膜分離室、6…ガスクロマトグラフ計、
7…ガスクロマトグラフ質量分析計、8…大気圧イオン
化質量分析計、9…液体クロマトグラフ質量分析計、1
0…レギュレーター、11…ガス導入管、12…液体導
入管、13…フリット板、14…気相・液相分離チャン
バー、15…ガラス管、16…分離膜、17…ガラスチ
ャンバー、18…チューブ、19…分析機器、20…ポ
ンプ、21…フローインジェクション装置、22…トラ
ップ捕集管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】揮発性物質を含む溶液と噴霧ガスをフリッ
    ト板に入射して噴霧させ、霧状の液体を沈降させて上記
    揮発性物質から分離した後、上記揮発性物質を通過し水
    蒸気の通過を阻止する膜によって、上記揮発性物質から
    水蒸気を分離することを特徴とする揮発性物質の分離方
    法。
  2. 【請求項2】上記溶液と噴霧ガスは上記フリット板の一
    方の面に入射され、上記フリット板の他方の面から噴霧
    されることを特徴とする請求項1に記載の揮発性物質の
    分離方法。
  3. 【請求項3】上記霧状の液体は底面が傾斜したチャンバ
    ーの中で沈降し、上記揮発性物質から分離されることを
    特徴とする請求項1若しくは2に記載の揮発性物質の分
    離方法。
  4. 【請求項4】上記水蒸気を分離された揮発性物質は、所
    定の吸着剤が充填されたトラップ管によって濃縮される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の
    揮発性物質の分離方法。
  5. 【請求項5】上記水蒸気を分離された揮発性物質は、上
    記噴霧ガスとともに所望分析機器内に導入されることを
    特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の揮発性
    物質の分離方法。
  6. 【請求項6】揮発性物質を含む溶液と噴霧ガスをフリッ
    ト板に入射して噴霧させる手段と、霧状の液体を沈降さ
    せて上記揮発性物質から分離する手段と、上記揮発性物
    質は通過し水蒸気の通過は阻止する膜によって、上記揮
    発性物質から水蒸気を分離する手段を有することを特徴
    とする揮発性物質の分離装置。
  7. 【請求項7】上記フリット板は、ステンレス若しくはガ
    ラスからなることを特徴とする請求項6に記載の分離装
    置。
  8. 【請求項8】上記霧状の液体を沈降させて上記揮発性物
    質から分離する手段は、底面が傾斜したチャンバーであ
    ることを特徴とする請求項6若しくは7に記載の分離装
    置。
  9. 【請求項9】上記膜は筒状または円筒状であることを特
    徴とする請求項6から8のいずれか一に記載の分離装
    置。
  10. 【請求項10】上記水蒸気が除去された揮発性物質を、
    所望の分析機器に導入する手段をさらに有することを特
    徴とする請求項6から9のいずれか一に記載の分離装
    置。
  11. 【請求項11】上記水蒸気が除去された揮発性物質を、
    濃縮する手段をさらに有していることを特徴とする請求
    項6から10のいずれか一に記載の分離装置。
  12. 【請求項12】噴霧すべき所望の液体と噴霧ガスをフリ
    ット板の一方の面に入射して、上記フリット板の他方の
    面から噴霧することを特徴とする噴霧方法。
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