JPH11328602A - 着磁装置、着磁方法、磁気記録媒体並びに磁気記録及び/又は再生装置 - Google Patents

着磁装置、着磁方法、磁気記録媒体並びに磁気記録及び/又は再生装置

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JPH11328602A
JPH11328602A JP13576698A JP13576698A JPH11328602A JP H11328602 A JPH11328602 A JP H11328602A JP 13576698 A JP13576698 A JP 13576698A JP 13576698 A JP13576698 A JP 13576698A JP H11328602 A JPH11328602 A JP H11328602A
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magnetic
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magnetizing
recording medium
magnetization
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JP13576698A
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English (en)
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Osami Morita
修身 森田
Shoji Tanaka
彰二 田中
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PERMディスク(Pre-Embossed Rigid Mag
netic Disk)を適切な状態に着磁できるようにする。 【解決手段】 PERMディスクの保磁力Hc、厚さ
d、保磁力角形比S*、ディスク表面の段差d、着磁用
磁気ヘッドの磁気ギャップ長g、記録効率η、コイル巻
回数n、浮上量h、着磁用磁気ヘッドに供給する電流値
Iを、PERMディスクを着磁する際に、式(1),
(2)を満たすようにする。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報信号に対応し
た所定の凹凸パターンが形成された磁気記録媒体を、上
記凹凸パターンの凸部上面と凹部底面とで磁化方向が異
なるように着磁する着磁装置及び着磁方法に関する。
【0002】また、本発明は、磁気記録層が形成された
面に情報信号に対応した所定の凹凸パターンが形成され
てなる磁気記録媒体、並びにそのような磁気記録媒体に
対して記録及び/又は再生を行う磁気記録及び/又は再
生装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近年の情報記録媒体の記録密度の向上は
目を見張るものがある。特に、磁気記録方式を利用した
情報記録媒体の記録密度の向上は著しく、約60%/年
という上昇率である。このような磁気記録方式における
記録密度の向上は、例えば、磁気記録媒体の性能向上、
情報を記録再生する磁気ヘッドの性能向上、磁気ヘッド
を作製する際の微細加工技術の向上、磁気ヘッドを搭載
した浮上スライダの浮上量の低下などといった技術の躍
進に支えられている。
【0004】なお、記録密度を向上するには、記録波長
を短くして線記録密度を高くするか、或いは、記録トラ
ック幅を狭くしてトラック密度を高くしてやればよい。
そして、磁気記録媒体や磁気ヘッドの性能向上は主に線
記録密度を高くすることに貢献し、また、磁気ヘッドを
作製する際の微細加工技術の向上は主にトラック密度を
高くすることに貢献する。また、磁気ヘッドを搭載した
浮上スライダの浮上量の低下は、線記録密度の向上とト
ラック密度の向上との両方に貢献する。
【0005】ところで、通常、磁気ディスクには、デー
タが記録されるトラックを磁気ヘッドが正確にトレース
できるように、出荷前に予め磁気ディスク表面にサーボ
信号が書き込まれる。そして、従来、このようなサーボ
信号の書き込みは、磁気ヘッドによりトラック毎に行っ
ていた。
【0006】しかし、記録トラック幅を狭くしてトラッ
ク密度を高くしていくと、このようなサーボ信号の書き
込みに要する時間が増大してしまうという問題が生じ
る。すなわち、記録トラック幅を狭くしてトラック密度
を高くしていくと、磁気ディスク上に配置されるトラッ
ク本数が増加するため、磁気ヘッドによりトラック毎に
サーボ信号の書き込みを行っていたのでは、サーボ信号
の書き込みに要する時間が非常に長くなってしまう。
【0007】また、高記録密度化が進むに従い、サーボ
信号のパターンも非常に微細なものが要求されるように
なってきており、磁気ヘッドによりトラック毎にサーボ
信号の書き込みを行っていたのでは、サーボ信号を磁気
ディスクに精度良く書き込むことが困難になってきてい
る。
【0008】そこで、特開平6−68444号公報に記
載されているように、ディスク表面にサーボ信号に対応
した微細な凹凸パターンを予め形成しておき、当該凹凸
パターンの凸部上面と凹部底面とで磁化方向が逆になる
ように着磁することで、サーボ信号を一括して書き込む
手法が考案されている。なお、このように、ディスク表
面に凹凸パターンを予め形成しておき、サーボ信号を一
括して書き込むようにした磁気ディスクは、一般にPE
RMディスク(Pre-Embossed Rigid MagneticDisk)と
呼ばれている。
【0009】このようなPERMディスクにおいて、サ
ーボ信号を書き込む際は、先ず、凸部上面から凹部底面
に至るまで磁化方向が一定方向となるように、着磁用磁
気ヘッドにより十分に大きな磁界を印加し、凸部及び凹
部をまとめて一定の方向に着磁する。次に、着磁用磁気
ヘッドにより適当な大きさの磁界を印加し、凸部上面の
磁化方向を、凹部底面の磁化方向とは異なる方向に向け
る。これにより、凸部と凹部との間に磁化反転が生じ、
その磁化反転部からの漏洩磁界をサーボ信号として用い
ることができるようになる。なお、以下の説明では、こ
のように2段階に分けて着磁を行うことでサーボ信号を
書き込む手法のことを、2段階着磁法と称する。
【0010】このようなPERMディスクでは、サーボ
信号の書き込みに要する時間がトラック本数に依存する
ようなことは無く、磁気ディスク上に配置されるトラッ
ク本数が多くても、サーボ信号の書き込みを非常に速や
かに行うことができる。また、PERMディスクでは、
ディスク表面にサーボ信号に対応した微細な凹凸パター
ンを予め形成しておくが、光ディスク等におけるディス
ク基板成形の実績からも明らかなように、このような凹
凸パターンは非常に精度良く形成することが容易であ
る。したがって、ディスク表面にサーボ信号に対応した
微細な凹凸パターンを予め形成しておくようにしたPE
RMディスクでは、磁気ヘッドによりトラック毎にサー
ボ信号の書き込みを行うような場合に比べて、遥かに精
度良くサーボ信号を書き込むことが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
段階着磁法においても、未だ解決しなければならない課
題が残されている。中でも、特に2段階目の着磁(すな
わち、凸部上面の着磁)が難しいという点が、2段階着
磁法を実用化する際の大きな問題となっている。
【0012】2段階着磁法において、2段階目の着磁で
は、凸部上面の磁化方向だけが変化するように、適切な
大きさの磁界を印加する必要がある。そして、現在のと
ころ、2段階目の着磁における着磁条件は、サーボ信号
を書き込む毎に、実際に着磁を行ってみて確かめるよう
にしているのが実状である。そのため、用意した着磁用
磁気ヘッドでは適当な大きさの磁界を印加することがで
きず、着磁作業を行うことができないような場合もあ
る。また、用意した着磁用磁気ヘッドで着磁できたとし
ても、最適な状態に磁化することができず、サーボ信号
の信号品質が悪くなってしまい、記録再生時に磁気ヘッ
ドをトラックにトレースさせるには十分でない場合もあ
る。
【0013】このような状態では、磁気ヘッドでトラッ
ク毎にサーボ信号を書き込むような方法に比べて原理的
に短時間且つ高精度にてサーボ信号を書き込むことがで
きる2段階着磁法であっても、工業的に量産過程におい
て使用することができない。
【0014】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、サーボ信号等の情報信号に対
応した凹凸パターンが形成されてなる磁気記録媒体を適
切な状態に着磁することが可能な着磁装置及び着磁方法
を提供することを目的としている。
【0015】また、本発明は、2段階着磁法を採用して
適切な状態に着磁することが可能であり、短時間且つ高
精度にてサーボ信号等の情報信号を書き込むことが可能
な磁気記録媒体、並びにそのような磁気記録媒体を採用
した磁気記録及び/又は再生装置を提供することも目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る着磁装置
は、磁気コアにコイルが巻回されてなる着磁用磁気ヘッ
ドを備え、情報信号に対応した所定の凹凸パターンが形
成された磁気記録媒体上を、上記着磁用磁気ヘッドを浮
上させた状態で走査させて、上記凹凸パターンの凸部上
面と凹部底面とで磁化方向が異なるように着磁する着磁
装置である。
【0017】そして、本発明に係る着磁装置は、上記磁
気記録媒体に形成された磁気記録層の保磁力をHc、厚
さをd、保磁力角形比をS*とし、上記磁気記録媒体に
形成された凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との段差
をdとし、上記着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長を
g、記録効率をη、コイル巻回数をnとし、上記凸部上
面を着磁する際の、凸部上面を基準面としたときの上記
着磁用磁気ヘッドの浮上量をhとし、上記凸部上面を着
磁する際に、上記着磁用磁気ヘッドのコイルに供給され
る電流の大きさをIとしたとき、これらの関係が下記式
(1)及び式(2)を満たしていることを特徴とする。
【0018】
【数9】
【0019】また、本発明に係る着磁方法は、情報信号
に対応した所定の凹凸パターンが形成された磁気記録媒
体上を、磁気コアにコイルが巻回されてなる着磁用磁気
ヘッドを浮上させた状態で走査させて、上記凹凸パター
ンの凸部上面と凹部底面とで磁化方向が異なるように着
磁する着磁方法に関する。
【0020】そして、本発明に係る着磁方法は、上記磁
気記録媒体に形成された磁気記録層の保磁力をHc、厚
さをd、保磁力角形比をS*とし、上記磁気記録媒体に
形成された凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との段差
をdとし、上記着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長を
g、記録効率をη、コイル巻回数をnとし、上記凸部上
面を着磁する際の、凸部上面を基準面としたときの上記
着磁用磁気ヘッドの浮上量をhとし、上記凸部上面を着
磁する際に、上記着磁用磁気ヘッドのコイルに供給され
る電流の大きさをIとしたとき、これらの関係が下記式
(3)及び式(4)を満たしていることを特徴とする。
【0021】
【数10】
【0022】また、本発明に係る磁気記録媒体は、磁気
記録がなされる磁気記録層が基板上に形成されてなると
ともに、上記磁気記録層が形成された面に情報信号に対
応した所定の凹凸パターンが形成されてなる磁気記録媒
体である。
【0023】そして、本発明に係る磁気記録媒体は、上
記磁気記録層の保磁力をHcとし、上記凹凸パターンの
凸部上面と凹部底面との段差をdとしたとき、下記式
(5),(6)及び(7)を満たすとともに、
【0024】
【数11】
【0025】下記式(8)と下記式(11)との交点に
おける保磁力Hcの値をH1、段差dの値をd1とし、下
記式(9)と下記式(10)との交点における保磁力H
cの値をH2、段差dの値をd2としたとき、
【0026】
【数12】
【0027】下記式(12)を満たすことを特徴とす
る。
【0028】
【数13】
【0029】また、本発明に係る磁気記録及び/又は再
生装置は、磁気記録媒体に対して記録及び/又は再生を
行う磁気記録及び/又は再生装置である。ここで、上記
磁気記録媒体は、磁気記録がなされる磁気記録層が基板
上に形成されてなるとともに、上記磁気記録層が形成さ
れた面に情報信号に対応した所定の凹凸パターンが形成
されてなる。
【0030】そして、本発明に係る磁気記録及び/又は
再生装置は、上記磁気記録層の保磁力をHcとし、上記
凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との段差をdとした
とき、上記磁気記録媒体が、下記式(13),(14)
及び(15)を満たすとともに、
【0031】
【数14】
【0032】下記式(16)と下記式(19)との交点
における保磁力Hcの値をH1、段差dの値をd1とし、
下記式(17)と下記式(18)との交点における保磁
力Hcの値をH2、段差dの値をd2としたとき、
【0033】
【数15】
【0034】上記磁気記録媒体が、下記式(20)を満
たすことを特徴とする。
【0035】
【数16】
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】なお、以下の説明では、2段階着磁法によ
り磁気記録媒体にサーボ信号を書き込む場合を例に挙げ
るが、本発明において、2段階着磁法により磁気記録媒
体に書き込む信号は、サーボ信号に限定されるものでは
ない。すなわち、本発明は、例えば、再生専用の任意の
情報信号を2段階着磁法により磁気記録媒体に書き込む
ような場合などにも適用可能である。
【0038】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を図
1に示す。この磁気記録媒体1は、2段階着磁法の対象
となる磁気記録媒体であり、非磁性の基板2の上に、磁
気記録がなされる磁気記録層3が形成されてなる。そし
て、この磁気記録媒体1は、磁気記録層3が形成された
面に、サーボ信号に対応した所定の凹凸パターンが形成
されてなる。
【0039】そして、この磁気記録媒体1は、2段階着
磁法により、図2に示すように、凹凸パターンの凸部上
面の磁化方向M1と、凹部底面の磁化方向M2とが異な
る方向となるように着磁され、その結果、凸部と凹部と
の間に磁化反転が生じ、その磁化反転部からの漏洩磁界
をサーボ信号として用いることができるようになされ
る。
【0040】ここで、図1に示すように、磁気記録媒体
1に形成された凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との
段差をdとして定義するとともに、磁気記録媒体1に形
成された磁気記録層3の厚さをtとして定義する。ま
た、磁気記録媒体1に形成された凹凸パターンの凸部上
面を磁化すべき方向をx方向として定義するとともに、
当該凸部上面に対して垂直な方向をy方向として定義す
る。
【0041】また、2段階着磁法により磁気記録媒体1
を着磁する着磁用磁気ヘッド11は、図1に示すよう
に、磁気ギャップ12を介して対向する一対の磁気コア
13,14を備えるとともに、当該磁気コア13,14
にコイル15,16が巻回されてなる。この着磁用磁気
ヘッド11で磁気記録媒体1を着磁する際には、着磁用
磁気ヘッド11を浮上スライダに搭載し、磁気記録媒体
1の上を着磁用磁気ヘッド11を浮上させた状態で走査
させる。そして、磁気記録媒体1の上を走査させなが
ら、コイル15,16に電流を供給して磁気ギャップ1
2から漏洩磁界を発生させ、当該漏洩磁界により磁気記
録媒体1の磁気記録層3を着磁する。
【0042】そして、本発明では、このように着磁用磁
気ヘッド11によって磁気記録層3を着磁する際に、2
段階着磁法を採用する。すなわち、先ず、1段階目の着
磁として、着磁用磁気ヘッド11のコイル15,16に
十分に大きな電流を流して、磁気記録層3の磁化方向が
全て一定の方向となるように、磁気記録層3を着磁す
る。その後、2段階目の着磁として、着磁用磁気ヘッド
11のコイル15,16に小さな電流を流して、磁気記
録層3の凸部上面の磁化方向M1が反転するように、磁
気記録層3を着磁する。これにより、図2に示すよう
に、凸部上面の磁化方向M1と凹部底面の磁化方向M2
とが逆向きになって磁化反転が生じ、その磁化反転部か
らの漏洩磁界をサーボ信号として用いることができるよ
うになる。
【0043】ここで、着磁用磁気ヘッド11の磁気ギャ
ップ長をg、記録効率をη、コイル巻回数をnとして定
義する。また、磁気記録媒体1の凸部上面を着磁する際
の、凸部上面を基準面としたときの着磁用磁気ヘッド1
1の浮上量をhとして定義する。また、磁気記録媒体1
1の凸部上面を着磁する際に、着磁用磁気ヘッド11の
コイル15,16に供給される電流の大きさをIとして
定義する。
【0044】このような着磁用磁気ヘッド11で着磁さ
れる磁気記録媒体1の磁気記録層3は、保磁力の高い硬
質磁性材料からなり、その磁気特性は、図3のM−Hル
ープに示すようにヒステリシスを持つ。ここで、磁気記
録層3の保磁力をHc、残留磁化量をMr、保磁力角形比
をS*として定義する。
【0045】また、磁気記録媒体1の磁気記録層3に印
加された外部磁界Hと、当該磁気記録層の残留磁化量M
rとの関係を表わす残留磁化曲線f(H)は、図3に示
したM−Hループより、下記式(1−1)に示すように
定義される。なお、残留磁化曲線f(H)を図示する
と、図4のようになる。
【0046】
【数17】
【0047】ところで、このような磁気記録媒体1にお
いて、磁気記録媒体1を理想的に着磁したときに得られ
るサーボ信号出力(すなわち理論的に可能なサーボ信号
の最大出力)に対して2dB程度の出力ダウンまでなら
ば、サーボ信号を位置決め信号として十分に使用するこ
とができる。そこで、理論的に可能なサーボ信号の最大
出力に対して2dBの出力ダウンまでの出力が得られる
状態を、好適着磁状態として定義し、本発明において
は、このような好適着磁状態を実現できるようにする。
【0048】磁気記録媒体1からの出力は、磁化の時間
的な変化量に依存する。そして、凹凸パターンが一定の
とき、凹凸パターンが形成されている部分において、磁
化が反転する部分の間隔は一定である。したがって、凹
凸パターンが形成されている部分から得られる出力の変
化は、凹凸パターンの凸部上面及び凹部底面に残留する
磁化量に依存することとなる。
【0049】したがって、理論的に可能なサーボ信号の
最大出力が得られるのは、凹凸パターンの凸部上面から
凹部底面にわたって、残留磁化量がMrから−Mrまで変
化するときである。そして、2dBの出力ダウンという
のは、80%の出力ダウンということであるので、出力
が2dBダウンするのは、凹凸パターンの凸部上面から
凹部底面にわたる残留磁化の変化量が、0.8Mrから
−0.8Mrまでのときである。換言すれば、好適着磁
状態は、凹凸パターンの凸部上面から凹部底面にわたる
残留磁化の変化量が、0.8Mrから−0.8Mrまでの
変化よりも、大きくなっているときである。
【0050】そして、上記式(1−1)より、残留磁化
量を0.8Mrとするのに必要な外部磁界H0.8は、下記
式(1−2)で表され、残留磁化量を−0.8Mrとす
るのに必要な外部磁界H-0.8は、下記式(1−3)で表
される。
【0051】 H0.8 ={1+0.8(1−S*)}Hc ・・・(1−2) H-0.8={1−0.8(1−S*)}Hc ・・・(1−3) そして、2段階着磁法における2段階目の着磁のとき
(すなわち凸部上面を着磁するとき)に、凸部上面にお
ける外部磁界の大きさと、凹部底面における外部磁界の
大きさとの差が、(H0.8−H-0.8)以上となれば、好
適着磁状態とすることができる。
【0052】ここで、着磁用磁気ヘッド11から磁気記
録層3に対して磁界を印加したとき、凸部上面における
外部磁界の大きさと、凹部底面における外部磁界の大き
さとの差は、凸部上面と凹部底面との段差dに依存す
る。すなわち、凹部底面は、凸部上面より、着磁用磁気
ヘッド11からの距離が段差dの分だけ多く離れてお
り、この分だけ、着磁用磁気ヘッド11により凹部底面
に印加される磁界は、着磁用磁気ヘッド11により凸部
上面に印加される磁界よりも小さくなる。
【0053】したがって、2段階目の着磁のときに着磁
用磁気ヘッド11から磁気記録層3に印加される磁界の
x方向成分をHxとしたとき、Hxのy方向の傾きの絶対
値が、(H0.8−H-0.8)/dよりも大きければ、好適
着磁状態とすることができる。すなわち、下記式(1−
4)を満たすときに、好適着磁状態とすることができ
る。
【0054】
【数18】
【0055】ここで、着磁用磁気ヘッド11からの磁界
のx方向成分Hxは、カールキストの式より、下記式
(1−5)で表される。なお、ここでは、着磁用磁気ヘ
ッド11の磁気ギャップ12の内部での磁界の大きさを
gとしている。また、磁気ギャップ12の中心位置を
x=0とし、着磁用磁気ヘッド11の磁気記録媒体対向
面をy=0としている。
【0056】
【数19】
【0057】したがって、着磁用磁気ヘッド11からの
磁界のx方向成分Hxのy方向の傾きは、下記式(1−
6)で表される。
【0058】
【数20】
【0059】ところで、着磁用磁気ヘッド11からの磁
界のx方向成分Hxのy方向の傾きは、xの関数でもあ
るが、磁気ギャップ12の中心での磁界が最も強いのは
明らかである。したがって、凸部上面の残留磁化量を検
討する際は、磁気ギャップ12の中心、すなわちx=0
における磁界を考えればよい。そして、磁気ギャップ1
2の中心、すなわちx=0の位置において、Hxのy方
向の傾きの絶対値は、下記式(1−7)で表せる。
【0060】
【数21】
【0061】また、好適着磁状態とするのに必要な条件
は、上記式(1−4)より、下記式(1−8)で表せ
る。
【0062】
【数22】
【0063】したがって、好適着磁状態とするのに必要
な条件は、上記式(1−2),(1−3),(1−
7),(1−8)より、下記式(1−9)で表せること
となる。
【0064】
【数23】
【0065】なお、ここでのyは、着磁用磁気ヘッド1
1の磁気記録媒体対向面から、磁気記録媒体1に形成さ
れた凹凸パターンの凹部底面までの距離である。すなわ
ち、yは、磁気記録媒体1に形成された凹凸パターンの
凸部上面を基準面としたときの着磁用磁気ヘッド11の
浮上量hと、凸部上面と凹部底面との段差dとの和(h
+d)である。したがって、上記式(1−9)は、下記
式(1−10)に書き換えることができる。
【0066】
【数24】
【0067】ところで、Hgは、着磁用磁気ヘッド11
の磁気ギャップ12の内部での磁界の大きさであるの
で、下記式(1−11)のように表される。
【0068】Hg=ηnI/g ・・・(1−11) したがって、上記式(1−10)は、上記式(1−1
1)より、下記式(1−12)に書き換えることができ
る。
【0069】
【数25】
【0070】ところで、好適着磁状態とするには、上記
式(1−12)を満たすとともに、着磁用磁気ヘッド1
1により凹部底面に印加される磁界がH-0.8よりも大き
くならないという条件を満たす必要もある。すなわち、
好適着磁状態とするには、下記式(1−13)も満たす
必要がある。
【0071】 Hx(y=h+d)≦H-0.8 ・・・(1−13) そして、上記式(1−13)は、上記式(1−3)及び
上記式(1−5)より、下記式(1−14)のように書
き換えることが出来る。
【0072】
【数26】
【0073】以上をまとめると、2段階着磁法において
好適着磁状態を実現するには、2段階目の着磁時に、下
記式(1−15)と下記式(1−16)とを同時に満た
すようにしてやれば良いこととなる。
【0074】
【数27】
【0075】換言すれば、上記式(1−15)及び上記
式(1−16)を満たすように、η,n,I,g,h,
d,Hc,S*の値を設定してやれば、好適着磁状態を実
現することができる。すなわち、上記式(1−15)及
び上記式(1−16)を満たす磁気記録媒体1及び着磁
用磁気ヘッド11の組み合わせで2段階着磁を行うこと
により、好適着磁状態を実現でき、その結果、記録再生
時に磁気ヘッドをトラックにトレースさせるのに十分な
サーボ信号を、磁気記録媒体1から得られるようにな
る。
【0076】つぎに、以上のような2段階着磁法による
磁気記録媒体の着磁を実際に行って実験した結果につい
て説明する。
【0077】<実験例1>まず、磁気記録がなされる磁
気記録層がディスク基板上に形成されてなるとともに、
上記磁気記録層が形成された面にサーボ信号に対応した
所定の凹凸パターンが形成されてなる磁気ディスクを複
数用意した。具体的には、表1に示すように、凹凸パタ
ーンは同じであるが、磁気記録層の保磁力Hcの異なる
複数の磁気ディスク1,2,3,4を用意するととも
に、磁気記録層の磁気特性は同じであるが、凹凸パター
ンの凸部上面と凹部底面との段差dの異なる複数の磁気
ディスク3,5,6,7を用意した。なお、保磁力角形
比S*については、全ての磁気ディスクにおいて、保磁
力角形比S*=0.81で一定となるようにした。
【0078】
【表1】
【0079】なお、これらの磁気ディスクは、樹脂材料
を射出成形することにより、サーボ信号に対応した凹凸
パターンが形成されたディスク基板を作製し、当該ディ
スク基板上に磁気記録層を形成することで作製した。こ
こで、ディスク基板の直径は3.5インチ、厚さは1.
2mmとした。
【0080】磁気ディスクに形成された凹凸パターン
は、サーボ信号に対応しているので、磁気記録層を2段
階着磁法により着磁することで、磁気記録層にサーボ信
号が書き込まれる。そして、本実験において、サーボ信
号が書き込まれるサーボ信号領域は、磁気ディスクの周
方向に224箇所形成した。そして、サーボ信号領域
は、記録再生時に磁気ヘッドがディスク内周からディス
ク外周へと移動する際の軌跡に沿って円弧上に配置し
た。なお、サーボ信号領域以外の領域は、任意のデータ
が書き込まれるデータ領域となる。
【0081】そして、以上のような磁気ディスクを、浮
上スライダに搭載した着磁用磁気ヘッドにより、2段階
着磁法によって着磁した。ここで、着磁用磁気ヘッドの
磁気ギャップ長gは0.2μm、コイル巻回数nは13
ターンとした。また、磁気ディスクの凸部上面を着磁す
る際の、凸部上面を基準面としたときの着磁用磁気ヘッ
ドの浮上量hは50nmとした。また、磁気ディスクの
凸部上面を着磁する際に、着磁用磁気ヘッドのコイルに
供給する電流の大きさIは、0〜20mAとした。ま
た、着磁用磁気ヘッドの記録効率ηについては、簡便に
測定する手段が無いため、有限要素法により求めた。そ
の際、記録効率ηは、磁気ギャップ中での磁界を起磁力
で除したものとして定義した。そして、有限要素法によ
り求めた記録効率は、50%であった。
【0082】なお、これらの値は、磁気ディスク装置に
おいて一般的に用いられる磁気ヘッドの場合とほぼ同じ
であり、特別なものではない。即ち、ここでは、2段階
着磁用として特別な浮上スライダや磁気ヘッドを作るこ
となく、一般的なデバイスを着磁用磁気ヘッドとして用
いて2段階着磁を行うことを前提としている。
【0083】以上のような条件で、表1に示した各磁気
ディスクを2段階着磁法によって着磁することで各磁気
ディスクにサーボ信号を書き込み、その後、それらの磁
気ディスクを磁気ディスク装置に組み込み、2段階着磁
法により書き込まれたサーボ信号を用いて磁気ヘッドが
トラックをトレースすることができるか否かを調べた。
【0084】結果を、図5及び図6に示す。ここで、図
5は、磁気ディスクに形成された凹凸パターンの凸部上
面と凹部底面との段差dを200nmで一定としたとき
に、磁気ディスクに形成された磁気記録層の保磁力Hc
と、コイルに供給する電流の大きさIとを変化させた場
合について示している。すなわち、図5は、磁気ディス
ク1,2,3,4についての結果を示している。
【0085】一方、図6は、磁気ディスクに形成された
磁気記録層の保磁力Hcを200kA/mで一定とした
ときに、磁気ディスクに形成された凹凸パターンの凸部
上面と凹部底面との段差dと、コイルに供給する電流の
大きさIとを変化させた場合について示している。すな
わち、図6は、磁気ディスク3,5,6,7についての
結果を示している。
【0086】また、図5及び図6において、白丸印○
は、2段階着磁法により書き込まれたサーボ信号を用い
て磁気ヘッドがトラックを正確にトレースすることがで
きた場合を示しており、黒丸印●は、2段階着磁法によ
り書き込まれたサーボ信号を用いて磁気ヘッドがトラッ
クを正確にトレースすることができなかった場合を示し
ている。なお、図5及び図6において、斜線部分は、上
記式(1−15)及び上記式(1−16)を満たす領域
を示している。
【0087】図5及び図6に示すように、斜線が施され
ている領域と、トラックトレースを正確に行うことがで
きたことを示す白丸印○が存在する箇所とは、ほぼ一致
している。一方、トラックトレースを正確に行うことが
できなかったことを示す黒丸印●は、斜線を施した領域
には無い。以上の実験結果からも、2段階着磁法におい
て、2段階目の着磁を上記式(1−15)及び上記式
(1−16)を満たす条件で行うことで、十分なサーボ
信号が得られるようになり、良好なトラックトレースを
実現できることが分かる。
【0088】<実験例2>つぎに、着磁装置のパラメー
タを、通常の磁気ディスク装置で使用されているような
値の範囲で変化させて、着磁装置のパラメータに依存す
ることなく2段階着磁が可能な磁気ディスクの条件を調
べた。ここで、着磁装置のパラメータとは、着磁用磁気
ヘッドの磁気ギャップ長gや、着磁用磁気ヘッドの磁気
コアに巻回されたコイルの巻回数nや、着磁用磁気ヘッ
ドの浮上量hや、磁気ディスクに形成された凹凸パター
ンの凸部上面を着磁する際に着磁用磁気ヘッドのコイル
に供給される電流の大きさIなどである。
【0089】そして、通常の磁気ディスク装置におい
て、磁気ヘッドの浮上量hは30〜100nm程度であ
り、磁気ギャップ長gは0.2〜0.6μm程度であ
る。また、磁気ヘッドのコイルに供給される電流の大き
さIにコイル巻回数nを乗じた起磁力の大きさは、65
〜230mAT程度である。そこで、このような範囲で
着磁装置の各パラメータを変化させて実験を行い、着磁
装置のパラメータに依存することなく2段階着磁が可能
な磁気ディスクの条件を調べた。
【0090】なお、上述の範囲全てについてパラメータ
を変化させて実験を行うのが理想的であるが、全ての範
囲についてパラメータを設定して実験することは、常識
的な範囲と言えども着磁装置をその様に改造する必要が
あるため、時間的及びコスト的な制約もあり難しい。特
に、着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長gを変化させる
には、磁気ギャップ長gの異なる多数の着磁用磁気ヘッ
ドを作製する必要があるため、着磁用磁気ヘッドの磁気
ギャップ長gを細かく変化させて実験することは難し
い。そこで、着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長gにつ
いては、0.2μm、0.4μm、0.6μmの3種類
についてのみ実験した。
【0091】また、着磁用磁気ヘッドのコイル巻回数n
を変化させるにも、コイル巻回数nの異なる多数の着磁
用磁気ヘッドを作製する必要があるため、着磁用磁気ヘ
ッドのコイル巻回数nを細かく変化させて実験すること
は、時間的及びコスト的な制約もあり難しい。しかし、
着磁用磁気ヘッドのコイルに供給される電流の大きさI
にコイル巻回数nを乗じることで求まる起磁力について
は、着磁用磁気ヘッドのコイルに供給する電流の大きさ
Iを調整することで、比較的自由に変化させることがで
きる。そこで、ここでは、着磁用磁気ヘッドのコイル巻
回数nは一定としておき、着磁用磁気ヘッドのコイルに
供給する電流の大きさIを調整することで、起磁力の大
きさを様々に変化させて実験した。
【0092】一方、着磁用磁気ヘッドの浮上量hは、磁
気ディスクの回転速度を調整することで、比較的自由に
変化させることが出来る。そこで、着磁用磁気ヘッドの
浮上量hについては、磁気ディスクの回転速度を調整す
ることで、様々に変化させて実験した。
【0093】そして、以上のように着磁装置の各パラメ
ータを様々に変化させて、表1に示した各磁気ディスク
を2段階着磁法によって着磁することで各磁気ディスク
にサーボ信号を書き込み、その後、それらの磁気ディス
クを磁気ディスク装置に組み込み、2段階着磁法により
書き込まれたサーボ信号を用いて磁気ヘッドがトラック
をトレースすることができるか否かを調べた。結果を、
図7に示す。
【0094】図7において、白丸印○は、上述した範囲
にて着磁装置のパラメータを変化させても、2段階着磁
法により書き込まれたサーボ信号を用いて磁気ヘッドが
トラックを正確にトレースすることができた場合を示し
ている。一方、黒丸印●は、上述した範囲にて着磁装置
のパラメータを変化させると、2段階着磁法により書き
込まれたサーボ信号を用いて磁気ヘッドがトラックを正
確にトレースすることができなくなった場合を示してい
る。
【0095】なお、図7において、曲線(2−1)は下
記式(2−1)で表される曲線を示しており、曲線(2
−2)は下記式(2−2)で表される曲線を示してお
り、直線(2−3)は下記式(2−3)で表される直線
を示しており、曲線(2−4)は下記式(2−4)で表
される曲線を示しており、曲線(2−5)は下記式(2
−5)で表される曲線を示している。なお、Hcは磁気
ディスクに形成された磁気記録層の保磁力の大きさを示
しており、dは磁気ディスクに形成された凹凸パターン
の凸部上面と凹部底面との段差の大きさを示している。
【0096】
【数28】
【0097】ここで、上記式(2−1)と上記式(2−
5)との交点Pにおける保磁力Hcの値をH1、段差dの
値をd1とする。また、上記式(2−2)と上記式(2
−4)との交点Qにおける保磁力Hcの値をH2、段差d
の値をd2とする。このとき、交点Pと交点Qとを結ぶ
直線は、下記式(2−6)で表される。
【0098】
【数29】
【0099】したがって、図7において、斜線部分は、
下記式(2−7),(2−8),(2−9)及び(2−
10)を満たす範囲を示している。そして、この斜線部
分の範囲は、着磁装置の各パラメータが上述したような
範囲をとる場合に、上記式(1−15)及び上記式(1
−16)を満たす範囲を示している。
【0100】
【数30】
【0101】図7に示すように、斜線が施されている領
域と、トラックトレースを正確に行うことができたこと
を示す白丸印○が存在する箇所とは、ほぼ一致してい
る。一方、トラックトレースを正確に行うことができな
かったことを示す黒丸印●は、斜線を施した領域には無
い。以上の実験結果からも、2段階着磁法において、2
段階目の着磁を上記式(2−7),(2−8),(2−
9)及び(2−10)を満たす条件で行うことで、十分
なサーボ信号が得られるようになり、良好なトラックト
レースを実現できることが分かる。
【0102】換言すれば、図7から分かるように、着磁
装置の各パラメータが上述したような範囲をとる場合に
は、磁気ディスクに形成された磁気記録層の保磁力Hc
がほぼ40kA/m〜675kA/mの範囲内であり、
且つ、磁気ディスクに形成された凹凸パターンの凸部上
面と凹部底面との段差dがほぼ65〜300nmの範囲
内であれば、十分にトラックをトレースすることができ
るようなサーボ信号を2段階着磁法により書き込むこと
が可能となる。そして、このような条件を満たすのは、
正確には、図7中の斜線で表わされている領域である。
したがって、磁気ディスクに形成された磁気記録層の保
磁力Hcと、磁気ディスクに形成された凹凸パターンの
凸部上面と凹部底面との段差dとが、上記式(2−
7),(2−8),(2−9)及び(2−10)を満た
していれば、十分にトラックをトレースすることができ
るようなサーボ信号を、2段階着磁法により磁気ディス
クに書き込めることとなる。
【0103】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で
は、2段階着磁法により磁気記録媒体を着磁する際の条
件を規定することで、2段階着磁法により磁気記録媒体
を確実に着磁できるようにしている。すなわち、本発明
によれば、サーボ信号等の情報信号に対応した凹凸パタ
ーンが形成されてなる磁気記録媒体を適切な状態に着磁
することが可能となる。
【0104】したがって、本発明によれば、サーボ信号
等の情報信号をトラック毎に磁気ヘッドで書き込むよう
な従来の方法に比べて、サーボ信号等の情報信号の書き
込みに要する時間を飛躍的に短縮することが可能とな
り、その結果、高密度記録化を図った磁気記録媒体や磁
気記録再生装置を、コストを上げることなく、工業的に
量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2段階着磁法を説明するための図であり、磁気
記録媒体及び着磁用磁気ヘッドを示す図である。
【図2】凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との磁化方
向が異なるように、磁気記録媒体が2段階着磁法により
着磁された状態を示す図である。
【図3】磁気記録層の磁気特性を説明するための図であ
り、磁気記録層のM−Hループを示す図である。
【図4】磁気記録層の磁気特性を説明するための図であ
り、磁気記録層の残留磁化曲線を示す図である。
【図5】実験例1における実験結果のうち、磁気ディス
クに形成された凹凸パターンの凸部上面と凹部底面との
段差dを一定にしたときの実験結果を示す図である。
【図6】実験例1における実験結果のうち、磁気ディス
クに形成された磁気記録層の保磁力Hcを一定にしたと
きの実験結果を示す図である。
【図7】実験例2における実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、 2 基板、 3 磁気記録層、
11 着磁用磁気ヘッド、 12 磁気ギャップ、 1
3,14 磁気コア、 15,16 コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気コアにコイルが巻回されてなる着磁
    用磁気ヘッドを備え、情報信号に対応した所定の凹凸パ
    ターンが形成された磁気記録媒体上を、上記着磁用磁気
    ヘッドを浮上させた状態で走査させて、上記凹凸パター
    ンの凸部上面と凹部底面とで磁化方向が異なるように着
    磁する着磁装置であって、 上記磁気記録媒体に形成された磁気記録層の保磁力をH
    c、厚さをd、保磁力角形比をS*とし、 上記磁気記録媒体に形成された凹凸パターンの凸部上面
    と凹部底面との段差をdとし、 上記着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長をg、記録効率
    をη、コイル巻回数をnとし、 上記凸部上面を着磁する際の、凸部上面を基準面とした
    ときの上記着磁用磁気ヘッドの浮上量をhとし、 上記凸部上面を着磁する際に、上記着磁用磁気ヘッドの
    コイルに供給される電流の大きさをIとしたとき、 これらの関係が下記式(1)及び式(2)を満たしてい
    ることを特徴とする着磁装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 情報信号に対応した所定の凹凸パターン
    が形成された磁気記録媒体上を、磁気コアにコイルが巻
    回されてなる着磁用磁気ヘッドを浮上させた状態で走査
    させて、上記凹凸パターンの凸部上面と凹部底面とで磁
    化方向が異なるように着磁する着磁方法において、 上記磁気記録媒体に形成された磁気記録層の保磁力をH
    c、厚さをd、保磁力角形比をS*とし、 上記磁気記録媒体に形成された凹凸パターンの凸部上面
    と凹部底面との段差をdとし、 上記着磁用磁気ヘッドの磁気ギャップ長をg、記録効率
    をη、コイル巻回数をnとし、 上記凸部上面を着磁する際の、凸部上面を基準面とした
    ときの上記着磁用磁気ヘッドの浮上量をhとし、 上記凸部上面を着磁する際に、上記着磁用磁気ヘッドの
    コイルに供給される電流の大きさをIとしたとき、 これらの関係が下記式(3)及び式(4)を満たしてい
    ることを特徴とする着磁方法。 【数2】
  3. 【請求項3】 磁気記録がなされる磁気記録層が基板上
    に形成されてなるとともに、上記磁気記録層が形成され
    た面に情報信号に対応した所定の凹凸パターンが形成さ
    れてなる磁気記録媒体であって、 上記磁気記録層の保磁力をHcとし、上記凹凸パターン
    の凸部上面と凹部底面との段差をdとしたとき、 下記式(5),(6)及び(7)を満たすとともに、 【数3】 下記式(8)と下記式(11)との交点における保磁力
    cの値をH1、段差dの値をd1とし、 下記式(9)と下記式(10)との交点における保磁力
    cの値をH2、段差dの値をd2としたとき、 【数4】 下記式(12)を満たすこと 【数5】 を特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体に対して記録及び/又は再
    生を行う磁気記録及び/又は再生装置であって、 上記磁気記録媒体は、磁気記録がなされる磁気記録層が
    基板上に形成されてなるとともに、上記磁気記録層が形
    成された面に情報信号に対応した所定の凹凸パターンが
    形成されてなり、 上記磁気記録層の保磁力をHcとし、上記凹凸パターン
    の凸部上面と凹部底面との段差をdとしたとき、 上記磁気記録媒体は、下記式(13),(14)及び
    (15)を満たすとともに、 【数6】 下記式(16)と下記式(19)との交点における保磁
    力Hcの値をH1、段差dの値をd1とし、 下記式(17)と下記式(18)との交点における保磁
    力Hcの値をH2、段差dの値をd2としたとき、 【数7】 上記磁気記録媒体は、下記式(20)を満たすこと 【数8】 を特徴とする磁気記録及び/又は再生装置。
JP13576698A 1998-05-18 1998-05-18 着磁装置、着磁方法、磁気記録媒体並びに磁気記録及び/又は再生装置 Withdrawn JPH11328602A (ja)

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