JPH11322770A - 水安定化オルガノシラン化合物及びそれを用いる方法 - Google Patents

水安定化オルガノシラン化合物及びそれを用いる方法

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JPH11322770A
JPH11322770A JP10140609A JP14060998A JPH11322770A JP H11322770 A JPH11322770 A JP H11322770A JP 10140609 A JP10140609 A JP 10140609A JP 14060998 A JP14060998 A JP 14060998A JP H11322770 A JPH11322770 A JP H11322770A
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JP10140609A
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Jacques E Elfersy
イー. エルファジー ジャッキーズ
Joachim Berkner
バークナー ヨークヒム
Timothy C Moses
シー. モセス ティモシー
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BIOSHIELD TECHNOL Inc
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に安定性のオルガノシラン化合物ならびに
その調製方法及び使用方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 加水分解不可能な有機官能基を有するこ
とは任意であるが、一個またはそれ以上の加水分解可能
な官能基を有するオルガノシランを、少なくとも2個の
水酸基を含みその少なくとも2個の水酸基のいずれかが
2個以下の介在原子によって分離されているポリオール
と混合することによって、本組成物が形成された。水安
定性のオルガノシラン化合物および水安定性の組成物
は、ポリオールとオルガノシランから、または化合物と
水から作成された。本発明により、基質を、本発明の製
品、化合物、または組成物と、該基質を処理するのに十
分な期間、混合または接触させることによって、基質を
処理する方法が提供され、また、本発明の製品、化合
物、または組成物に付着させた処理された基質、基質を
染色及び処理する方法、食料品を抗菌的に処理する方
法、液体容器を抗菌的に被覆する方法、ラテックス医療
用品を抗菌的に被覆する方法、ならびに安定化剤の存在
下で、シロキサンを作成する方法も提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルガノシラン化
合物、製品、及びそれらを用いる方法に関する。具体的
には、本発明は、さまざまな基質を処理するための水安
定性のオルガノシラン化合物、製品及び組成物、その化
合物、製品及び組成物で処理された物品、並びにその化
合物、製品及び組成物を用いて処理を行う方法を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】一般式RnSiX4-nで表されるオルガノシラ
ンであって、式中、nが0〜3の整数、より一般的には
0〜2(nが3である場合、オルガノシランは単に二量
化されるだけである)であり、Rが、限定するわけではな
いが例えばアルキル基、芳香族置換基、有機置換基、ま
たはそれらの組み合せなどの加水分解可能な有機官能基
であり、Xがメトキシ基および/またはエトキシ基のよ
うなアルコキシ基であるオルガノシランは、商業的にか
かわる期間を経て例えば水に不安定なオルガノシランに
なるような自己縮合反応を起こす傾向がある。またXは
例えばCl、Br、またはIなどのハロゲンであってもよ
く、HCl、HBr、またはHIとして遊離していても同様であ
る。このようなオルガノシラン類では、X部分は水性溶
媒中にある種々の水酸基含有分子と反応することによ
り、メタノール、エタノール、HCl、HBr、HI、H2O、酢
酸、または非置換型もしくは置換型のカルボン酸を遊離
させ、水酸化されているが縮合しやすい化合物を形成す
る。
【0003】オルガノシランRnSiX4-nにおいて、式中、
nが0〜2の整数である場合、最初の2個のX基を水で
加水分解すると-Si(OH)2-ユニットを有する化合物が生
成される。この-Si(OH)2-ユニットを有する化合物は、
部分構造HO-Si-(O-Si)mm-O-Si-O-Si-O-Si-OHを有する線
状および/または環状のオリゴマーになるように水酸基
部分を介して自己縮合できる。なおmmはオリゴマーが
形成されるような整数である。この場合RSiX3は、第三
のX基が加水分解してシラントリオール(RSi(OH)3)を生
成し、これがSi(OH)ユニットの線状および/または環状
の自己-縮合反応を起こすことにより不溶性の有機ケイ
素ポリマーが生成される。この水誘導性の自己-縮合反
応により、ほとんどのオルガノシランRnSiX4-n(式中、
nは包括的に0〜2である)の水中での貯蔵が一般的に
妨げられる。特定のpH範囲で非常に希釈された溶液中で
安定化することのできるいくつかのオルガノシランは別
として、ほとんどのオルガノシランの水溶液を用いる際
には、新たに調製された溶液を用いることが必要であ
る。
【0004】このような望ましくない自己-縮合反応が
起こりやすいオルガノシランの商業的に関連する一例と
して、抗菌性のDow Corning 5700(Dow Corning Corpora
tion, Midland, MI)がある。この文献には、塩化3-(ト
リメトキシシリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアン
モニウムとしてのDow Corning 5700の活性成分について
記述されている。しかしながら水性媒体中では、正確な
活性成分は塩化3-(トリハイドロキシシリル)プロピル-
ジメチルオクタデシルアンモニウムである可能性が高い
と考えられている。それにも関わらず、塩化3-(トリメ
トキシシリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニ
ウムは、繊維やファブリックなどの広く多様な天然の基
質及び合成の基質に結合して耐久性のある表面またはフ
ァブリック被膜を形成させることのできる能力を有する
水活性化抗菌性統合システムである。塩化3-(トリメト
キシシリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウ
ムは、ジメチルオクタデシルアミンを3-クロロプロピ
ルトリメトキシシランを用いて4級化することによって
調製される。
【0005】この分子のC18炭化水素鎖の第4級アンモ
ニウム部位は長期作用型の抗菌特性を持っており、イオ
ン結合および/または静電気的相互作用によって、まず
基質の表面に会合する。好ましくは処理が施された表面
は、共有結合したオクタデシルアンモニウムイオンで永
久的に被膜されるようになり、それにより、その表面に
接触するように到来した細菌を駆除することのできる耐
久性の高い、長期作用型の抗菌性被膜が提供される。
【0006】残念なことに上述したように、水中のオル
ガノシラン、例えば塩化3-(トリメトキシシリル)プロ
ピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムと水の活性化
混合物は、一般的には不安定で自己-縮合を起こしやす
い。例えば塩化3-(トリメトキシシリル)プロピル-ジメ
チルオクタデシルアンモニウムと水の混合物は、わずか
4時間から8時間で効果を失い始める。この点において
も、また水中の同様のシラン製剤においてもゲルの形成
は同じくらい短い時間で起こり始める。水性溶媒中での
このようなオルガノシランの制限については、米国特許
第5,411,585号に詳細に記載されており、その内容は参
照として本明細書に組み入れられる。さらにこのような
製品は、水にシランを添加する際の撹拌困難性がよくし
られている。それにもかかわらず本発明によると、透明
な水性ゲルが有用な組成物であると考えられる。
【0007】先行技術にかかる抗菌性薬物としての第4
級アンモニウムシリコン化合物の利用は周知であり、そ
れは様々な米国特許、例えば第3,560,385号、第3,794,7
36号、第3,814,739号に教示されており、これらの米国
特許の内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
これらの化合物が確かな抗菌特性を持っており、その性
質により該化合物がさまざまな表面、基質、装置及び応
用品に貴重であり非常に有用となることについても教示
されている(例えば米国特許第3,730,701号、第3,794,73
6号、第3,860,709号、第4,282,366号、第4,504,541号、
第4,615,937号、第4,692,374号、第4,408,996号、及び
第4,414,268号を参照のこと。なおこれらの内容は参照
として本明細書に組み入れられる)。これらの第4級ア
ンモニウムシリコン化合物は多くの表面を殺菌したり消
毒したりするために用いられているが、それらの使用
は、その化合物を供給するために用いた溶媒系の結果と
してしばしば毒性となるため、溶媒溶液が必要であるた
め(例えばDow Corning抗菌性薬剤は50%のメタノールを
含んでいる)、安定な期間が短いため(水性シラン溶液の
安定性はほんの数時間から数週間で変化する)、そして
水への溶解度が小さいために今でも制限を受けている。
例えば塩化3-(トリメトキシシリル)プロピル-ジメチル
オクタデシルアンモニウムは水に不溶性ではないものの
水に不安定であり、それもまた塩化3-(トリメトキシシ
リル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムが50
%のメタノール中で運搬され、過度に毒性を有するため
である。また、多くの他の抗菌性オルガノシラン、特に
第4級アンモニウムシリコン化合物は、身体的健康を害
することにかかわる問題、例えば皮膚と目の両方に接触
するのを防止するために予防措置をとらなくてはならな
いという問題や、周辺領域に偶然にもまき散らしてしま
うこと、可燃性があること、及び他の物品や表面にこの
ような抗菌性薬剤を導入するためにさらなる製造段階が
必要となり、結果として製造コストが非常に高くなって
しまうことにかかわる問題も持っている。
【0008】そこで、貯蔵寿命が長く水-安定性のオル
ガノシラン化合物、製品及び組成物に対する必要性が存
在し、それによって適用するにあたって、オルガノシラ
ンの活性部分が選択された適用に対して機能的に作用す
る。また、水-安定性のオルガノシラン化合物、製品及
び組成物に対する必要性も存在し、それは本質的に非毒
性、非可燃性、均一の分散性、及び使用する際に簡便で
かつ経済的である。
【0009】米国特許仮出願第60/016985号には、水安
定性のオルガノシラン溶液および組成物を生成する方法
について記載されている。その発明によると安定性は、
オルガノシランを、少なくとも3個の水酸基を含むポリ
オールであって、そのうちのいずれか2個の水酸基が少
なくとも3個の介在原子によって分離されているポリオ
ールと反応させることによって得られる。このようなポ
リオールの原型的な例は、ペンタエリスリトールの応用
で開示した。
【0010】本発明者らは、この応用において、たとえ
ポリオールに存在する水酸基の少なくとも2個を分離す
る3個以下の原子があるとしても、少なくとも2個の水
酸基を有する化合物が水性オルガノシラン溶液を安定化
するという発見について開示している。本発明のポリオ
ールの原型的な例はグルコースであり、それは数個の水
酸基を有し、そのうちの数個は2個以下の介在原子によ
って分離されている。したがって本発明により、オルガ
ノシラン化合物の安定化に有用な水酸基含有化合物の範
囲がはるかに大きなものとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水に安定性
のオルガノシラン化合物ならびにその調製方法及び使用
方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、水-安定性の
オルガノシラン化合物、製品(即ち、特定の反応を進行
させて形成した化合物または組成物)及び組成物、それ
らの使用方法、並びにその化合物、製品、及び組成物を
用いて調製された物品を提供することによってこれらの
要求を満たす。本発明の化合物、製品、及び組成物は、
非毒性、非可燃性、シンプル、かつ経済的である。
【0013】具体的には、本発明は、化学式RnSiX4-n
表されるオルガノシランであって、式中、nは0〜3の
整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立し
て加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞれの
Xは独立して加水分解可能な官能基であるオルガノシラ
ンと、少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個の水
酸基が3個以下の介在原子によって分離されているポリ
オールと混合することにより形成される製品を提供す
る。したがって、少なくとも2個の水酸基を有するアル
コール、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類を含む炭
水化物、例えばグラフト型及びブロック型炭水化物共重
合体、部分的にアルキル化、部分的にアシル化または部
分的にアセチル化された炭水化物などの修飾された炭水
化物、炭水化物の酸化生成物(例えば、グルクロン酸、
ムチン酸)、還元された炭水化物、及び置換された炭水
化物(例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸)が本
発明に係る有用な全てのポリオールである。
【0014】したがって一つの態様において本発明は、
本発明の製品または本発明の組成物と水とを含む水-安
定性の組成物を提供する。
【0015】別の態様において本発明は、担体と、有効
量の本発明の製品または化合物とを含む、基質を処理す
るための組成物を提供する。
【0016】さらに別の態様において、本発明は、基質
を、本発明の製品、化合物または組成物の十分な量と、
該基質を処理するのに十分な期間混合する段階を含む、
基質を処理する方法を提供する。
【0017】別の態様において本発明は、本発明の製
品、化合物または組成物に付着させた処理の施された基
質を提供する。
【0018】また本発明は、基質を染色し処理を行う方
法であって、基質を染色するのに適当な水溶性染料と、
化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン(式中、nは
0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのR
は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である)お
よび3個以下の介在原子によって分離されている少なく
とも2個の水酸基を含むポリオールの混合物から構成さ
れる製品とを含む水性組成物に、該基質を染色し処理す
るのに十分な期間、基質を接触させる段階を含む方法を
提供する。
【0019】別の態様において、本発明は、食料品を抗
菌的に処理する方法であって、食料品を、化学式RnSiX
4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、nは0〜
3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独
立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞ
れのXは独立して加水分解可能な官能基である)と、3
個以下の介在原子によって分離されている少なくとも2
個の水酸基を含むポリオールとの混合物から構成される
有効量の製品と、該食料品を抗菌的に処理するのに十分
な期間、接触させるかまたは混合する段階を含む方法を
提供する。
【0020】更に別の態様において本発明は、ヒトまた
は動物の消費製品を収容するために用いられる液体容器
を抗菌的に被覆する方法であって、容器を、化学式RnSi
X4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、nは0〜
3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独
立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞ
れのXは独立して加水分解可能な官能基である)と、3
個以下の介在原子によって分離されている少なくとも2
個の水酸基を含むポリオールとの混合物から構成される
有効量の製品と、該容器を抗菌的に被覆するのに十分な
期間接触させる段階を含む方法を提供する。
【0021】更に別の態様において本発明は、ヒトまた
は動物の医療行為で用いるためのラテックス医療用品を
抗菌的に被覆する方法であって、該医療用品を、化学式
RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、nは
0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのR
は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である)
と、3個以下の介在原子によって分離されている少なく
とも2個の水酸基を含むポリオールとの混合物から構成
される有効量の製品と、該医療用品を抗菌的に被覆する
のに十分な期間接触させる段階を含む方法を提供する。
【0022】本発明の更に別の態様は、コンクリートパ
イプ、歯ブラシ、櫛、ヘアーブラシ、義歯、歯列矯正用
固定装置、温泉またはプールのフィルター、空気フィル
ター、HNAC空調システム、キャビンの空調システム、大
理石製品、彫像、人目にさらされる美術品、HDPプラス
チックカバー、シリコンまたはテフロン(TEFLON:登録
商標)被覆されたガラス繊維製物品、ドライビット(Dryv
itt)仕上げ、スタッコ仕上げ、混合綿、バイオ-フィル
ム、バイオ-接着剤、単層の屋根、屋根板、及びガラス
繊維強化製品からなる群より選択される基質を抗菌的に
処理する方法であって、基質を、化学式RnSiX4-nで表さ
れる抗菌性オルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、
好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水
分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独
立して加水分解可能な官能基である)と、3個以下の介
在原子によって分離されている少なくとも2個の水酸基
を含むポリオールとの混合物から構成される有効量の製
品と、該基質を抗菌的に処理するのに十分な期間接触さ
せる段階を含む方法を提供する。
【0023】また更に本発明は、消毒用アルコール、花
の保存料、または防水剤溶液を含む製品の抗菌性を高め
る方法であって、製品を、化学式RnSiX4-nで表される抗
菌性オルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、好まし
くは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解不
可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立して
加水分解可能な官能基である)と、3個以下の介在原子
によって分離されている少なくとも2個の水酸基を含む
ポリオールとの混合物から構成される有効量の製品と、
該製品の抗菌性を高めるのに十分な期間混合する段階を
含む方法を提供する。
【0024】本発明の別の態様は、化学式RnSiX4-nで表
されるオルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、好ま
しくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解
不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立し
て加水分解可能な官能基である)を、3個以下の介在原
子によって分離されている少なくとも2個の水酸基を含
むポリオールが反応物から形成されるオルガノシランを
安定化させるのに十分な有効量で存在する水性溶液中に
おいて、出発物質から合成する方法である。
【0025】本発明のその他の利点は、以下の説明に部
分的に列挙されており、その説明から部分的に明白とな
ると思われ、または本明細書に開示されている本発明を
慣習的な方法で実施することによって習得することもで
きる。本発明の利点は、添付の請求の範囲で特に指摘さ
れる要素及び組み合せを含む手段によって認識されるも
のであり、得られるものである。前述した概略の説明も
後述の詳細な説明も共に、例示及び説明にすぎず、請求
の範囲のように本発明を限定しないことを理解すべきで
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、本発明の好ましい態様
についての以下の詳細な説明を参照することによって容
易に理解することができる。
【0027】本発明の化合物、製品及び組成物、並びに
方法を開示しかつ説明する前に、本明細書で用いられる
用語は、特定の態様を説明する目的のみのものであっ
て、それに限定されるものではないことを理解すべきで
ある。
【0028】本明細書を通して刊行物が引用されている
が、それらの刊行物の記載全体は、本発明が関係する技
術分野の状態をより十分に記載するために、本明細書に
参照として組み入れられる。
【0029】本明細書で用いられる「アルキル」という
用語は、分枝していてもよいし分枝していなくてもよい
が、例えばメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n-
プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-
ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシ
ル、エイコシル、テトラコシルなどの、1〜24個の炭
素原子を含む飽和の炭化水素官能基を意味する。本明細
書で好ましいアルキル基は、1〜12個の炭素原子を有
するものである。「低級アルキル」という用語は、1個
〜6個の炭素原子を含むアルキル基を意味し、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。「シ
クロアルキル」という用語は、3〜8個の環状アルキル
基を意味し、好ましくは5個または6個の炭素原子を有
する環状アルキル基である。「低級アルキルアルコー
ル」とは、1個またはそれ以上の水酸基部位が結合して
いる低級アルキルを意味し、例えば、これらに限定する
わけではないが、-CH2CH2OH、CH2CH(OH)CH3、CH2OH、CH
2CH2CH2OH、CH2CH2CH(OH)CH3、CH2CH2CH(OH)CH2OH、ま
たはCH2CH(OH)CH(OH)CH3である。
【0030】本明細書で用いられる「アルコキシ」とい
う用語は、1個の末端がエーテル結合によって結合した
アルキル基を意味し、即ち「アルコキシ」基は、Rが上
記で定義したようなアルキルである場合、-ORと定義す
ることができる。「低級アルコキシ」基は、1〜6個の
炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する
アルコキシ基を意味する。「ポリエーテル」とは、多数
のエーテル結合を有する化合物または部分を意味し、例
えばそれはポリエチレングリコールまたはポリプロピレ
ングリコールであるが、これらに限定されるわけではな
い。「ポリアルキルエーテル」とは、多数のエーテル結
合によって相互に結合するか、多数のエーテル結合を含
む別の方法で相互に結合されたアルキルを意味する。
【0031】本明細書で用いられる「任意の」または
「選択的に」とは、それに続いて記載された事象または
状況が起こってもよいし起こらなくてもよいこと、およ
びその記載には該事象または状況が起こっている例と起
こらなかった例とが含まれることを意味する。例えば、
「選択的に置換された低級アルキル」という語句は、低
級アルキル基が置換されていてもよいし置換されていな
くてもよいこと、およびその記載には置換されていない
低級アルキル基と置換が起こっている低級アルキル基と
の両方が含まれることを意味する。
【0032】本明細書で提供された化合物、製品、また
は組成物の「有効量」という用語は、望ましい結果を得
るための化合物、製品、または組成物の十分な量を意味
する。以下に指摘するように、必要とされる正確な量は
基質ごとに異なり、それは用いられる特定の化合物、製
品または組成物、投与の形態などに応じて変わる。この
ように、正確な「有効量」を特定することは必ずしも可
能ではない。しかしながら適切な有効量は、本発明の開
示により情報を得た当業者が、単に日常的に行われてい
る実験だけを用いて決定することができると考えられ
る。
【0033】本明細書で用いられる「アリール」という
用語は、分子が、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレ
ン、アントラセンなどを特徴とする単環または多重環構
造を有する化合物または部分を意味し、即ちベンゼンの
6員環か他の芳香族誘導体を含む縮合した6員環のいず
れかであり、それにはフェニル、ベンジル、ナフチル、
ベンジリジン、キシリル、スチレン、スチリル、フェネ
チル、フェニレン、ベンゼントリールなどがあるがこれ
らに限定されるわけではない。本明細書で用いられる
「芳香族」という用語は、不飽和環状炭化水素を含む基
を意味しており、それは典型的には3個の二重結合を含
む6-炭素環を有するベンゼン、または多数が連結した
ベンゼン環である。さらに、例えばフラン(ヘテロ環状
のもの)のような特定の5員環化合物は芳香族化合物に
類似している。芳香族化合物には、上記の「アリール」
で説明したようなベンゼン官能基を基本とする環状化合
物が含まれる。また「環状の」という用語は、不飽和で
あっても飽和であってもよいが、1個またはそれ以上の
閉じた環を有する全ての脂肪族または芳香族の炭化水素
を指すのに用いられる。好ましくは環状化合物は5〜7
個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含む環を有
する。このような環は3つのクラスに分類される:即
ち、脂環式、芳香族(「アレン」)、及びヘテロ環であ
る。また、環状の化合物または部分に関して用いる場
合、「不飽和」という用語は、少なくとも一つの二重結
合もしくは三重結合を有するような該化合物もしくは部
分を意味するか、または芳香族の化合物または部分を構
成する化合物または部分を意味する。さらに「飽和」と
いう用語は、二重結合または三重結合を有していない化
合物または部分を意味しており、即ちこの場合は、原
子、特に炭素原子の全ての有効な原子価結合が別の原子
に結合している。
【0034】「ヘテロアリール」という用語は、これら
に限定するわけではないが、O、N、またはSなどのヘテ
ロ原子で、環の一個またはそれ以上の炭素原子が置換さ
れているようなアリールを意味する。同様に「ヘテロ環
状」という用語は、これらに限定するわけではないが、
O、N、またはSなどのヘテロ原子で、環の一個またはそ
れ以上の炭素原子が置換されているような環状の化合物
または部分を意味する。
【0035】本明細書で用いられるように、特にアルキ
ル及びアルコキシに関しては、「低級」という用語は、
1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を
有する部分を意味する。
【0036】本明細書で用いられるように、「適当な」
という用語は、その状況の目的のために本明細書で提供
されたような化合物、製品、または組成物と相溶性の部
分を指すために用いられる。この状況の目的のための適
当な点は、単に日常的な実験のみを用いて当業者によっ
て決定することができる。
【0037】本明細書で用いたように「置換された」と
は一般的に、除去して、別の部分で置き換えられた水素
原子または他の原子を有する炭素または適当なヘテロ原
子を指すために用いられる。一つの態様において、ハロ
ゲン、水酸基、及び窒素が基礎となる炭化水素の水素の
置換体は、請求の範囲に記載された構造として本発明の
範囲に含まれると考えられる。また「置換された」と
は、本発明の基礎となる化合物、製品または組成物の基
本的かつ新規な有用性を変化させることのない置換を意
味する。「置換されていない」とは、言及している原子
が、その原子に結合したさらに別の部位またはその原子
に変わって置換された別の部位を持っていない構造を意
味する。
【0038】本明細書で用いられる「分枝した」とは一
般的に、炭素鎖のバックボーンである、例えばアルキル
基またはアルコキシ基を有する部分であって、そのバッ
クボーンが1個またはそれ以上の下位の炭素鎖を含む枝
を有しているものを意味する。例えば、イソブチル、t
-ブチル、イソプロピル、CH2CH2C(CH3)(H)CH2CH3、CH2C
(CH2CH3)(H)CH2CH3、CH2CH2C(CH3)CH3、及びCH2CH2C(CH
3)3はすべて分枝した部分であると考えられる。さらに
本明細書に記載されている、部分の「分枝した」変異体
とは、本発明の基礎となる化合物、製品または組成物の
基本的かつ新規な有用性を変化させない変異体を意味す
るものとする。「分枝していない」とは、炭素鎖が何ら
枝を有しておらず、即ち炭素鎖が一本の直線状に延びて
いる構造を意味する。
【0039】本明細書で用いられる「アシル」という用
語は、化学式RCOXで示される有機酸誘導部位を意味し、
この式中Rは有機分子であり、かつXは水酸基に代えて、
他の置換基、好ましくは適当なアニオンで置き換えられ
ている。
【0040】本明細書で用いられる「ペルフルオロ」ま
たは「ペルフルオロ-アナログ」とは、炭素に結合した
水素原子がF原子で置き換えられている炭化水素を意味
する。好ましくは、必須ではないが、ペルフルオロアナ
ログでは、H原子の全てでなければほとんどがF原子で置
き換えられている。「フルオロ」アナログは、炭素に結
合している少なくとも一つの水素原子がF原子で置き換
えられている炭化水素を示すものとする。
【0041】本明細書で用いられる「基質」とは、本発
明の化合物、好ましくは「使用」の項で下記に列挙され
ているような化合物、実施例に記載されているような化
合物、および添付の請求の範囲で特定されているような
化合物を用いて処理することのできる物品、製品、また
は他の表面を意味する。適当な基質は一般的に、酸素原
子の負に荷電した表面、即ち本発明の化合物、製品、ま
たは組成物に静電気で、イオン結合で、もしくは共有結
合で付着もしくは結合することのできる表面を好ましく
は持っていることに特徴がある。付着または結合は好ま
しくは、本発明の化合物、製品、または組成物のオルガ
ノシラン部位のシリコン原子で起こるが、このような結
合は必要条件ではない。したがって本明細書で用いられ
る「付着」という用語は、基質への化合物、製品または
組成物の、イオン結合、共有結合、静電気的結合、また
は他の化学的結合を意味する。
【0042】本明細書で用いられる「抗菌性を高める」
とは、本発明の化合物、製品、または組成物の利用方法
を意味し、好ましくはオルガノシランが抗菌活性を持っ
ていて、他の成分、表面活性剤、充填剤、湿潤剤、顔
料、染料、抗移動剤(antimigrants)などと一緒にするこ
とによって、その他の成分に基づいた当初の目的を果た
すことができるとともに、特別な用途の際にも抗菌保護
作用を提供することができる組成物または溶液が生成さ
れる利用方法である。「高める」という用語は、そのよ
うな活性が以前から存在しない組成物または溶液に抗菌
活性を添加すること、または本来抗菌活性を有する元の
組成物もしくは溶液において抗菌活性を増強させること
を意味する。
【0043】本明細書で用いられる「加水分解可能な」
とは、水性溶媒または他の適当な溶媒中でその部分が加
水分解すること(即ち、分子または部分が二個またはそ
れ以上の新しい分子または部分に分解すること)が可能
であるか、または加水分解しやすいことを意味する。逆
に、「加水分解不可能な」とは、水性溶媒または他の適
当な溶媒中で加水分解しやすくない部分または加水分解
できない部分を意味する。
【0044】本明細書で用いられる「カチオン性」と
は、正に荷電した化合物、イオンまたは部分を指すのに
用いられる。また「アニオン性」とは、負に荷電した化
合物、イオンまたは部分を指すのに用いられる。さらに
「一価」及び「二価」とは、それぞれ1または2の価数
を有する部分を指すのに用いられる。また、本明細書で
用いられる「塩」という用語は、「酸の水素イオンのす
べてまたは一部を、塩基の1個またはそれ以上のカチオ
ンと交換することによって形成される化合物」と一般的
に定義される意味で用いられることを意味する。例えば
[American Heritage Dictionary, Definition of "Sal
t" (1981)]を参照のこと。したがって本発明にとって適
当な塩は、部分の水素イオンを、K+、Na+、Ca2+、Mg2+
などのカチオンと交換することによって形成されると考
えられる。さらに、塩を生成する他の適当な方法は本明
細書を通して記載されており、それは本発明の請求の範
囲内に含まれる。本発明の目的にとっては、塩を形成す
るために用いられるカチオンの特定の同一性は、塩が形
成されるアニオンの化学構造よりも重要度が低いと考え
られている。
【0045】本明細書で用いられる「食料品」とは、肉
類、フルーツ及び野菜などの腐敗しやすい食品または腐
敗しやすくない食品を意味し、また穀物や乳製品などの
他の食品を意味する。好ましい態様において、本明細書
で言及する食料品は、腐敗しやすかったり、細菌や他の
病原菌にさらされて損傷をうけやすかったりする食料品
である。また、「消費製品」とは、食料品、飲物、経口
投与の医薬品、またはヒトもしくは動物に何らかの手段
で体内に導入される他の製品を指すことを意味する。
【0046】本明細書で用いられる「抗菌性の」という
用語は、細菌、ウイルス、原生動物、カビ、または損傷
や感染を生じさせる可能性のあるその他の微生物などの
微生物の生育、拡張、形成またはその他の生気を抑制し
たり減少させたりすることのできる記載された化合物、
製品、組成物または物品の性質を指す一般的な意味で用
いられる。
【0047】本明細書で用いられる「医療用品」という
用語は、医療患者(ヒトまたは動物)、医療介護従事者、
体液、もしくは病院、クリニック、医者の事務所などと
一般的に関連して起こる汚染や感染のその他の原因と接
触しているか、またはそれらと接触することになる適当
な基質を指すのに用いられる。
【0048】本明細書で用いられる「安定化剤」という
用語は、3個以下の介在原子によって分離されている少
なくとも2個の水酸基を含むポリオールのクラスを指す
のに用いられる。このような化合物は本発明のオルガノ
シランを、得られる化合物及び製品の自己-縮合または
その他の不活性化を抑制することにより安定化できるこ
とが判明している。
【0049】本明細書で用いられる「ポリオール」及び
「安定化剤」という用語は、2個以下の原子によって分
離されている少なくとも2個の水酸基を有する分子を指
すために互換可能に用いられる。
【0050】最後に「ハロゲン」という用語は、フッ素
「F」、塩素「Cl」、臭素「Br」、ヨウ素「I」、及びア
スタチン「At」を指すのに用いられる。好ましくはハロ
ゲン、即ちハライドは、F、Cl、またはBrを指す。この
「ハライド」という用語は、これらのハロゲンを含むこ
とを意味する。
【0051】これらの定義を踏まえて本発明は、化学式
RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中、n
は0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれの
Rは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつ
それぞれのXは独立して加水分解可能な官能基であるオ
ルガノシランと、3個以下の介在原子によって分離され
ている少なくとも2個の水酸基を含むポリオール(即
ち、この化合物の水酸基の全体数にかかわらず、3個以
下の介在原子によって分離されている少なくとも2個の
水酸基がある)との混合物から形成される製品を提供す
る。
【0052】より好ましくは、上述した産物において、
nは0〜2の整数、好ましくは1であり、それぞれのR
は独立して、アルキル基、好ましくは分枝していてもよ
いし分枝していなくてもよく、置換されていてもよいし
置換されていなくてもよい1〜22個の炭素原子を含む
アルキル基、より好ましくは1〜6個の炭素原子または
10〜20個の炭素原子を含むアルキル基、最も好まし
くは1〜4個の炭素原子または14〜18個の炭素原子
を含むアルキル基であるか、または同じ炭素長、分枝、
および置換のアルキルアルコール基であるか、またはベ
ンジル基やフェニル基などの芳香族官能基であって、そ
れぞれのXは独立して水酸基、アルコキシ基、ハロゲン
(例えばCl、Br、I、またはFであるがこれらに限定され
るわけではない)、アセチル基、アセトキシ基、アシル
基、水酸化された固体状もしくは液体状の重合部分、ポ
リエーテルまたはポリアルキルエーテルであり、かつポ
リオールは少なくとも2個の水酸基を有するアルコー
ル、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類を含む炭水化
物、グラフト型またはブロック型共重合体を含む修飾さ
れた炭水化物、部分的にアルキル化、アシル化またはア
セチル化された炭水化物、炭水化物の酸化生成物(例え
ば、グルクロン酸、ムチン酸)、還元された炭水化物、
置換された炭水化物、または置換された炭水化物のポリ
マー(例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸)であ
る。ある態様において、ポリオールは、グルコース、フ
コース、フルクトースのような一つの単糖である。別の
態様においてポリオールは、オリゴ糖(例えば、スクロ
ースのような二量体、三量体、四量体など)である。別
の態様でのポリオールは、マンニトール、アスコルビン
酸、グリオキサールまたはヌクレオシドである。アスコ
ルビン酸またはそれと類似の化合物がポリオールとして
用いられる場合、アスコルビン酸の酸化を抑制する目的
でこの組成物中に酸化防止剤を含ませることがしばしば
望ましい。別の態様においてポリオールは、グルクロン
酸のような酸化された糖である。さらに別の態様におい
てポリオールは、セルロース、部分的に加水分解された
セルロース、部分的に加水分解された酢酸セルロース、
デンプン、可溶性デンプン、デンプン-アクリル酸グラ
フト共重合体のような重合性の炭水化物である。これら
のポリオールの確かな供給源としてのコスト効果の高い
炭水化物及び同等の複合炭水化物組成物には、コーンシ
ロップ、蜂蜜、または類似の組成物が含まれる。細菌の
増殖を制御するためにこれらの組成物は、選択的に安息
香酸のような保存料を含んでいてもよく、それはヒトに
適用するにあたって許容され、かつ抗菌的作用が提供さ
れるものである。このことは、安定化されるオルガノシ
ランがそれ自体、抗菌作用を持っていない場合には特に
重要であり、オルガノシラン自体が抗菌的である場合に
はそれほど重要ではない。
【0053】本発明の更に別の態様において、本発明
は、オルガノシランが次の化学式II、III、IV、またはV
で表される、前記の製品を提供する: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、それぞれのR1は独立して、ハロゲンまたはR6Oで
あり、R6はH、1〜約22個の炭素原子を含むアルキル
基、アセチル基、アセトキシ基、アシル基、プロピレン
グリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、エチレン及びプロピ
レングリコールのブロック及び共重合体、またはプロピ
レングリコール、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、エチレン及びプ
ロピレングリコールのブロック及び共重合体の1〜22
個の炭素を含むアルキルモノエーテル、または1〜22
個の炭素を含むカルボン酸とプロピレングリコール、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコール
のブロック及び共重合体のモノエステル、オクチルフェ
ノール、ノニルフェノール、ならびにソルビタンエーテ
ルであり、R35は、H、ハロゲン(例えばCl、Br、F、また
はI)、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2、C3H5O2R2、C4H5O2R2、Na
O(CH3O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2であり、R36及びR37
は独立して、ハロゲン、H、1〜約8個の炭素原子、好
ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜2個
の炭素原子を含むアルキル基、イソブチル基、フェニル
基、またはn-オクチル基であり、R2は、ベンジル基、
ビニル基または1〜約3個の炭素原子を含むアルキル基
であり、R3及びR4は独立して、1〜4個の炭素原子を含
む低級アルキルアルコール、1〜4個の炭素原子を含む
低級アルコキシ基、1〜約22個の炭素原子を含むアル
キル基、好ましくは1〜約10個の炭素原子を含むアル
キル基、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアル
キル基、またはより好ましくは1〜2個の炭素原子を含
むアルキルであるか、またはR3及びR4は共に、モルフォ
リンまたは環状もしくはヘテロ環状で、不飽和もしくは
飽和の、下記の化学式VIで示される5〜7員環を形成す
る: -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数、好ましくは0〜1、最も好ま
しくは1であり、R7は環が飽和である場合、CH2、O、
S、NH、NH2 +、NCH2CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NCH2CH2N(R8)
(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリ
ール)、N(ベンジル)であって、それぞれのR8、R9、及び
R10は独立して、ベンジル基、ポリエーテル、1〜4個
の炭素原子を含む低級アルキルアルコール、1〜4個の
炭素原子を含む低級アルコキシ基、または1〜22個の
炭素原子、好ましくは1〜約10個の炭素原子を含むア
ルキル基であり、かつ上記に記載した「アルキル」とは
1〜22個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭
素原子、最も好ましくは1〜3個の炭素原子を含み、
「アリール」とは最も好ましくはフェニルまたはベンジ
ルであり、R7は環が不飽和である場合、CH、N、N+H、N+
(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベンジル)、N-CH2-N、N
+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、N+(アリール)-CH2-N、
またはN+(ベンジル)-CH2-Nであって、アルキル、アリー
ル、またはベンジルは上記に記載したとおりであり、環
は1〜22個の炭素原子を含むアルキル、より好ましく
は1〜10個の炭素原子を含むアルキル、最も好ましく
は1〜3個の炭素原子を含むアルキル、エステル、アル
デヒド、カルボン酸(好ましくは、アセトキシ、アセチ
ル、アシルまたはペルフルオロカルボン酸)、アミド、
チオナミド、ニトロ、アミン、またはハライド、最も好
ましくはCl、Br、またはIで置換されていなくてもよい
し置換されていてもよいR5は低級アルキルアルコール、
好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4
個の炭素原子を有する低級アルキルアルコール、CH2C6H
5、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレング
リコールのようなポリエーテル、1〜22個の炭素原子
を含むアルキル基、より好ましくは1〜10個の炭素原
子を含むアルキル基、最も好ましくは1〜6個の炭素原
子を含むアルキル基、1〜22個の炭素原子を含むアル
コキシ基、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含む
アルコキシ基、最も好ましくは1〜6個の炭素原子を含
むアルコキシ基、1〜22個の炭素原子を含むペルフル
オロアルキル基、より好ましくは1〜10個の炭素原子
を含むペルフルオロアルキル基、最も好ましくは1〜6
個の炭素原子を含むペルフルオロアルキル基、1〜22
個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルスルホン酸、
より好ましくは1〜10個の炭素原子を含むペルフルオ
ロアルキルスルホン酸、最も好ましくは1〜6個の炭素
原子を含むペルフルオロアルキルスルホン酸、もしくは
ペルフルオロアルキルカルボン酸であるか、または上述
した化学式VIの5〜7員環であり、かつY-は、化学式I
I、III、IVまたはVの化合物の塩を形成するのに適当な
アニオン性の部分である。
【0054】本発明は、ポリオールとともに混合された
水およびオルガノシランを含む水安定性の組成物を提供
する。
【0055】更に本発明は、担体と本明細書に記載した
ようなオルガノシラン及びポリオールの有効量を含む、
基質を処理するための組成物も提供する。別の態様にお
いて本発明は、担体と上述した化合物の有効量とを含
む、基質を処理するための組成物を提供する。さらに別
の態様において、担体は水ではなくエーテルである。
【0056】さらに別の態様において、オルガノシラン
は、塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオ
クタデシルアンモニウム、塩化3-(トリメトキシシリ
ル)プロピルメチルジ(デシル)アンモニウム、3-クロロ
プロピルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキ
シシラン、またはペルフルオロオクチルトリエトキシシ
ランであり、ポリオールは少なくとも2個の水酸基を有
するアルコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類
を含む炭水化物、グラフト型およびブロック型共重合体
を含む修飾された炭水化物、部分的にアルキル化、アシ
ル化またはアセチル化された炭水化物、炭水化物の酸化
生成物(例えば、グルクロン酸、ムチン酸)、還元された
炭水化物、並びに置換された炭水化物(例えば、ヌクレ
オシド、ヌクレオチド、核酸)である。
【0057】さらに別の態様において、オルガノシラン
は(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C18H37Cl-、(CH3O)3Si(CH2)
3N+(CH3)2C18H37Br-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C10H21)2CH3C
l-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C10H21)2CH3Br-、(CH3O)3Si(CH
2)3N+(CH3)3Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C8H17Cl-
(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C10H21Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N
+(CH3)2C12H25Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C14H29C
l-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C16H33Cl-、(CH3O)3Si(CH
2)3N+(CH3)2C20H41Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C4H9)3C
l-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)3Cl-、(CH3CH2O)3Si(CH2)
3N+(CH3)2C18H27Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)6C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)8CF3、(CH3O)3Si(CH2)
3NHC(O)(CF2)10CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)12C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)14CF3、(CH3O)3Si(C
H2)3NHC(O)(CF2)16CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHSO2(CF2)7CF
3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)6CH3
(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)8CH3、(CH3
O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)10CH3、(CH3O)3
Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)12CH3、(CH3O)3Si
(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)14CH3、(CH3O)3Si(CH
2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)16CH3、(CH3O)3Si(CH2)3
N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)6CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C
H3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)8CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2
(CH2)3NHC(O)(CF2)10CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH
2)3NHC(O)(CF2)12CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3
NHC(O)(CF2)14CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC
(O)(CF2)16CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO
2(CF2)7CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(C
F2)9CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)11
CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)13C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)15CF3
または(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)16CF3
である。
【0058】またさらに別の態様においてオルガノシラ
ンは、NH2(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、NH2(CH2)3Si(OC
H3)3、NH2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、Cl(CH2)3Si(OCH3)3、Cl
(CH2)3Si(OCH2CH3)3、Cl(CH2)3SiCl3、C3H5O2(CH2)3Si
(OCH3)3、C3H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H5O2(CH2)3Si
(OCH3)3、C4H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3SiHCl2、NaO
(CH3O)P(O)(CH2)3Si(OH)3、SiHCl3、n-2-ビニルベン
ジルアミノ-エチル-3-アミノプロピルトリメトキシシ
ランHCl、H2C=CHSi(OCOCH3)3、H2C=CHSi(OCH3)3、H2C
=CHSi(OCH2CH3)3、H2C=CHSiCl3、(CH3)2SiCl2、(CH3)
2Si(OCH3)2、(C6H5)2SiCl2、(C2H5)SiCl3、(C2H5)Si(OC
H3)3、(C2H5)Si(OCH2CH3)3、イソブチルトリメトキシシ
ラン、n-オクチルトリエトキシシラン、CH3(C6H5)SiCl
2、CH3SiCl3、CH3Si(OCH3)3、C6H5SiCl3、C6H5Si(OCH3)
3、C3H7SiCl3、C3H7Si(OCH3)3、SiCl4、ClCH2C6H4CH2CH
2SiCl3n、ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH3)3、ClCH2C6H4CH2CH2
Si(OCH2CH3)3、デシルトリクロロシラン、ジクロロメチ
ル(4-メチルフェネチル)シラン、ジエトキシメチルフ
ェニルシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリ
メトキシシラン、3-(ジメトキシメチルシリル)-1-プ
ロパンチオール、ジメトキシメチルビニルシラン、3-
[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメ
タクリレート、トリクロロ[4-(クロロメチル)フェニ
ル]シラン、メチルビス(トリメチルシリルオキシ)ビニ
ルシラン、メチルトリプロポキシシラン、またはトリク
ロロシクロペンチルシランである。
【0059】さらに本発明はまた、下記の化学式II、II
I、IV、およびVに関して実質的に前述したのと同じ化学
式II、III、IV、またはVのオルガノシランと、少なくと
も2個の水酸基を有するアルコール、単糖類、二糖類、
オリゴ糖類、多糖類を含む炭水化物、グラフト型および
ブロック型共重合体を含む修飾された炭水化物、部分的
にアルキル化、アシル化またはアセチル化された炭水化
物、炭水化物の酸化生成物(例えば、グルクロン酸、ム
チン酸)、還元された炭水化物、並びに置換された炭水
化物(例えば、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸)との
混合物から得られる製品も提供する。 (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) さらに本発明はまた、基質を処理する方法であって、基
質を、上記に記載した組成物の十分量と、該基質を処理
するのに十分な期間接触させる段階を含む方法を提供す
る。さらに別の態様において本発明は、基質を、上記に
記載した化合物の十分量と、該基質を処理するのに十分
な期間接触させる段階を含む、基質を処理する方法を提
供する。
【0060】また本発明は、上述したようなオルガノシ
ランとポリオールとを接触させることによって生成した
製品に付着させた、処理された基質を提供する。また本
発明は、上述したようなオルガノシランとポリオールと
を接触させることによって生成された化合物に付着させ
た、処理された基質を提供する。
【0061】さらにもう一つの態様において、本発明は
基質を染色し処理する方法であって、基質を、その基質
を染色するのに適当な水溶性染料と、化学式RnSiX4-n
表されるオルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、好
ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分
解不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立
して加水分解可能な官能基である)、及び少なくとも2
個の水酸基を含むポリオールであって、その少なくとも
2個の水酸基が3個以下の介在原子によって分離されて
いるポリオールの混合物から構成された製品とを含む水
性(即ち実質的に水溶性の)組成物に、該基質を染色し処
理するのに十分な期間接触させる段階を含む方法を提供
する。
【0062】さらに好ましい態様において本発明は、食
料品を抗菌的に処理する方法であって、食料品を、化学
式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、n
は0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれの
Rは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつ
それぞれのXは独立して加水分解可能な官能基であ
る)、及び3個以下の介在原子によって分離されている
少なくとも2個の水酸基を含むポリオールの混合物から
構成された有効量の製品に、該食料品を抗菌的に処理す
るのに十分な期間接触させる段階を含む方法を提供す
る。
【0063】更に別の態様における本発明は、ヒトまた
は動物の消費製品を収容するために用いられる液体容器
を抗菌的に被覆する方法であって、容器を、化学式RnSi
X4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、nは0〜
3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独
立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞ
れのXは独立して加水分解可能な官能基である)と、3
個以下の介在原子によって分離されている少なくとも2
個の水酸基を含むポリオールとの混合物から構成された
有効量の製品に、該容器を抗菌的に被覆するのに十分な
期間接触させる段階を含む方法を提供する。
【0064】更に別の態様において本発明は、ヒトまた
は動物の医療行為で用いるためのラテックス医療用品を
抗菌的に被覆する方法であって、医療用品を、化学式Rn
SiX4 -nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、nは0
〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは
独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれ
ぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である)と、
3個以下の介在原子によって分離されている少なくとも
2個の水酸基を含むポリオールとの混合物から構成され
た有効量の製品に、該用品を抗菌的に被覆するのに十分
な期間接触させる段階を含む方法を提供する。この方法
のさらなる態様において、この医療用品は外科用手袋で
ある。
【0065】本発明の更に別の態様は、コンクリートパ
イプ、歯ブラシ、櫛、ヘアーブラシ、義歯、歯列矯正用
固定装置、温泉またはプールのフィルター、空気フィル
ター、HVAC空調システム、キャビンの空調システム、大
理石製品、彫像、人目にさらされる美術品、HDPプラス
チックカバー、シリコンまたはテフロン(TEFLON:登録
商標)被覆されたガラス繊維製物品、ドライビット(Dryv
itt)仕上げ、スタッコ仕上げ、混合綿、バイオ-フィル
ム、バイオ-接着剤、単層の屋根、屋根板、及びガラス
繊維強化製品からなる群より選択される基質を抗菌的に
処理する方法であって、基質を、化学式RnSiX4-nで表さ
れる抗菌性オルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、
好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水
分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独
立して加水分解可能な官能基である)と、3個以下の介
在原子によって分離されている少なくとも2個の水酸基
を含むポリオールとの混合物から構成された有効量の製
品に、該基質を抗菌的に処理するのに十分な期間接触さ
せる段階を含む方法を提供する。
【0066】さらにまたもう一つの態様において本発明
は、消毒用アルコール、花の保存料、または防水剤溶液
を含む製品の抗菌性を高める方法であって、製品を、化
学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシラン(式中、
nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれ
のRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か
つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基であ
る)と、及び3個以下の介在原子によって分離されてい
る少なくとも2個の水酸基を含むポリオールとの混合物
から構成された有効量の製品に、該製品の抗菌性を高め
るのに十分な期間混合する段階を含む方法も提供する。
【0067】本発明は、水-安定性および/または可溶
性のオルガノシラン化合物、製品及び組成物、それらの
使用方法、並びにその化合物、製品、及び組成物を用い
て調製された物品を提供する。特に本発明は、一般式Rn
SiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中、nは
0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、Rは独立して
加水分解不可能な有機官能基であって例えばこれらに限
定するわけではないが、アルキル基、芳香族、有機置換
基、またはそれらの組み合せであり、かつXはハロゲ
ン、例えばこれらに限定するわけではないがCl、Br、も
しくはIであるか、またはXは水酸基、例えばメトキシ基
もしくはエトキシ基のようなアルコキシ基、アセトキ
基、または置換されていないか置換されているアシル基
である、多様なオルガノシランを安定化するのに有用で
ある。このようなオルガノシランでは、Xは種々の水酸
基含有分子と反応しやすい。
【0068】更に進んだ態様において、本発明は約0.00
1重量%〜約20重量%の加水分解可能な基を含むオルガ
ノシランと、約0.01〜約20.0重量等量、好ましくは約0.
1〜約5重量等量の本発明のポリオール安定化剤とを用い
る。この調製物は、例えばグルコース、スクロース、グ
ルクロン酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ポリヌクレ
オチドのような水溶性の安定化剤が好ましい。また、安
定化剤が十分に水-溶解性でない場合には、非水性溶媒
中でその安定化剤とオルガノシランとを混合することに
よってより高い安定性が達成できる。このような別法の
調製液では、残っている溶媒(例えばメタノール)を蒸
留、凍結-乾燥、エバポレート、または有機溶媒を除去
したり蒸発させたりするための当技術分野で既知の他の
方法によって遊離させる。本発明のポリオールは、それ
自体では水にほとんど溶解しないため、オルガノシラン
安定化効果はオルガノシランを例えば炭水化物と水中で
混合し、続いて濾過することによってさらに高めること
ができる。こうして濾過物を安定化できるのと同時に、
抗菌活性のような望ましい性質をさらに発現させること
ができる。オルガノシランが抗菌性薬剤でない場合に
は、化合物の存在を示すスペクトルの証拠がその化合物
が存在することを証明するのに有用である。これらの方
法により、その溶液で表面の処理を行うとその表面をオ
ルガノシランで被覆することができる安定で透明なオル
ガノシランの溶液が提供される。
【0069】この溶液は数日間〜数週間といった長い期
間安定である。20%までのシロキサンの水性シロキサン
ストック溶液は本明細書に開示されたポリオールによっ
て安定化することができるが、本明細書に開示された安
定化剤の安定化効果がストック溶液で必要とされる高い
シロキサン濃度によってほとんど攻撃されない場合、作
用するシロキサン濃度が0.001〜5%のシロキサンとなっ
てしまうことも認識されると思われる。
【0070】本発明の溶液はある好ましい態様におい
て、産業上の使用及び家庭での使用の際に、毒性および
/または可燃性の有機溶媒を用いることなく、表面にさ
まざまなオルガノシランカップリング試薬を適用するの
に有用である。当業者は上記の調製段階が単に指針に過
ぎないこと、また当業者であれば過度の実験を行うこと
なく本発明の基本的かつ新規な特徴を逸脱せずにオルガ
ノシランとポリオールとを接触または混合するためのパ
ラメータを変えたり、また反応物および出発物質の導入
順序を変えたりしてこの組成物を調製できることが認識
されると思われる。 シラン類 本発明は、一般式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン
(式中、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、
Rは加水分解不可能な有機官能基(アルキル基、芳香族、
有機置換基またはそれらの組み合せ)であり、かつXは水
酸基、アルコキシ基、好ましくはメトキシ基もしくはエ
トキシ基、ハロゲン、好ましくはCl、Br、もしくはI、
アセトキシ基、アシル基もしくは置換されたアシル基、
または加水分解しやすい、および/もしくは環境の害を
うけやすい加水分解可能なポリマーもしくは他の部分で
ある)を安定化するのに有用である。
【0071】本発明を実施するにあたって用いられるオ
ルガノシランは、水溶性である必要はなく、水溶性でな
いことがしばしばある。本発明で利用するために選択さ
れるオルガノシランは、安定化剤及び調製方法を変える
ことによって、安定化剤により水に可溶化される。
【0072】非常に多くの技術的に知られたオルガノシ
ランは、水-安定化された化合物、製品及び組成物を生
成する本発明の安定化段階に適当である。米国特許第5,
411,585号、第5,064,613号、第5,145,592号、及び「DC
シランカップリング試薬の手引き(A Guide to DC Sila
ne Coupling Agent)」 (Dow Corning, 1990)と題され
た刊行物には、たくさんの適当なオルガノシランが開示
されている。これらの文献の内容は、適当なオルガノシ
ランを教示するための参照として本明細書にその全体が
組み入れられる。これらのオルガノシランは、本発明に
かかる水-安定化オルガノシラン化合物、製品及び組成
物を含む製剤をするために適当である。また米国特許第
4,390,712号の記載は、水性溶媒中におけるシロキサン
の合成について教示するための参照として本明細書に組
み入れられる。本発明の開示により当業者には、米国特
許第4,390,712号の水性シロキサン合成法が、本明細書
で定義したようなポリオール安定化剤の存在下でシロキ
サンの合成を行うことによって効果的に修飾され、それ
によって4,390,712号特許で記されている水性溶媒中で
のシロキサン形成速度が大きいという利点を備えたま
ま、安定化されたシロキサン-水組成物が形成されるこ
とが認識されると思われる。したがって本発明の更なる
態様は、化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン(式
中、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それ
ぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であ
り、かつそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基
である)を、3個以下の介在原子によって分離されてい
る少なくとも2個の水酸基を含むポリオールが、その反
応物から形成されるオルガノシランを安定化させるのに
十分な有効量で存在する水性溶液中において、出発物質
から作成するための方法である。
【0073】本発明の化合物、製品および組成物、なら
びに方法で用いられる好ましいシランには、次の化学式
で表されるシランが含まれる: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- または (R1)3SiR2N+C5H5Y- 式中、それぞれのR1は独立して、ハロゲン[Cl、Br、
I、F]またはR6Oであり、R6はH、1個〜約6個の炭素原
子を含み不飽和もしくは飽和のアルキル基であって、好
ましくは1個〜約2個の炭素原子、より好ましくは1個
の炭素原子のアルキル基、またはアセチル-もしくは置
換されたアシル基を含む他のアシル基であるか、または
R6Oは水の溶解度とは関係なく水酸化されたポリマー、
水酸化された液体、もしくは水酸化された固体に由来す
るか、またはR6O-はポリエーテルから誘導することがで
きるものであって、限定するわけではないが例えばポリ
エチレングリコール、もしくは例えばポリ(プロピレン
グリコール)トリオール(グリセロールプロポキシレー
ト)のようなポリプロピレングリコールであり、R2は、
置換されていなくてもよいし置換されていてもよいベン
ジル基、または置換されていなくてもよいし置換されて
いてもよい1個〜約3個の炭素原子を含むアルキル基で
あり、好ましくは1個から22個の炭素原子を含むアル
キル基であり、R3及びR4は独立して、1〜4個の炭素原
子を含む低級アルコキシ基、好ましくは2個の炭素原子
を含むアルコキシ基であって、例えばCH2CH2OH、CH2CH
(OH)CH3であるか、1個〜約22個の炭素原子を含むア
ルキル基、好ましくは1個〜約10個の炭素原子を含む
アルキル基、最も好ましくは1個〜2個の炭素原子を含
むアルキル基であるか、またはR3及びR4は共に、モルフ
ォリンまたは環状もしくはその他のヘテロ環状で、不飽
和もしくは飽和の、下記の化学式で示される5〜7員環
を形成するものでもよい: -R3-(R7)k-R4- 式中、kは0〜2の整数であり、R7は環が飽和の場合、
CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NCH2
CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキ
ル)、N(アリール)、N(ベンジル)であって、R7は環が不
飽和の場合、N、N+H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+
(ベンジル)、N-CH2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-
N、N+(アリール)-CH2-N、またはN+(ベンジル)-CH2-Nで
あり、R8、R9、及びR10は独立して、ベンジル基、ポリ
エーテル、1〜4個の炭素原子を含む低級アルキルアル
コール、1〜4個の炭素原子を含む低級アルコキシ基、
または1〜約22個の炭素原子を含むアルキル基、好ま
しくは1〜10個の炭素原子を含むアルキル基である。
R5はCH2C6H5、CH2CH2OH、CH2CH(OH)CH3、例えばポリエ
チレングリコール:-(CH2CH2O)aH、ポリプロピレングリ
コール:-(CH2CH(CH3)O)aH、またはアルキル化されたポ
リオキシエチレン:-(CH2CH2O)aBのようなポリエーテル
(式中、Bは1個〜22個の炭素原子を含み、置換されて
いないかまたは置換されているアルキル基であり、それ
ぞれのaは独立して、1〜12の整数、より好ましくは
約1〜約5の整数である)であるか、またはR5は1〜約
22個の炭素原子、好ましくは約12個〜約20個の炭
素原子、更に好ましくは14個〜約18個の炭素原子を
含むアルキル基またはペルフルオロアルキル基であり、
Y-は、ハロゲン(例えばCl、Br、Iなど)、アセテート、
サルフェート、トシレートもしくは例えばアセテートの
ようなカルボン酸、ポリカルボン酸塩、例えばトリフル
オロ酢酸及びペルフルオロアルキルカルボン酸のような
官能基を付与したカルボン酸、または他のアルキル及び
アリールスルホン酸塩であって、トリフルオロメチルス
ルホン酸及びペルフルオロアルキルスルホン酸塩、リン
酸及びホスホン酸塩、ボレート及びボロネート塩、もし
くは他の適当なアニオン性の部分などを含む他のアルキ
ル及びアリールスルホン酸塩である。
【0074】好ましいオルガノシランには次のものが含
まれるが、これらに限定するわけではない:塩化3-(ト
リメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアン
モニウム、塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジメ
チルジ(デシル)アンモニウム、3-クロロプロピルトリ
メトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ペ
ルフルオロオクチルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si(CH
2)3N+(CH3)2C18H37Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C18H
37Br-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C10H21)2CH3Cl-、(CH3O)3Si
(CH2)3N+(C10H21)2CH3Br-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)3Cl
-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C8H17Cl-、(CH3O)3Si(CH2)
3N+(CH3)2C10H21Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C12H25C
l-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C14H29Cl-、(CH3O)3Si(CH
2)3N+(CH3)2C16H33Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C20H
41Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C4H9)3Cl-、(CH3O)3Si(CH2)
3N+(C2H5)3Cl-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C18H27C
l-、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)6CF3、(CH3O)3Si(CH2)
3NHC(O)(CF2)8CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)10C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)12CF3、(CH3O)3Si(C
H2)3NHC(O)(CF2)14CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)16
CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHSO2(CF2)7CF3、(CH3O)3Si(CH2)
3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)6CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N
+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)8CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH
3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)10CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2
(CH2)3NHC(O)(CH2)12CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH
2)3NHC(O)(CH2)14CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3
NHC(O)(CH2)16CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC
(O)(CF2)6CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)
(CF2)8CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(C
F2)10CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)
12CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)14C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)16C
F3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)7CF3
(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)9CF3、(CH
3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)11CF3、(CH3O)3
Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)13CF3、(CH3O)3Si(C
H2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)15CF3、(CH3O)3Si(CH2)3
N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)16CF3、アミノエチルアミノ
プロピルトリメトキシシラン:NH2(CH2)2NH(CH2)3Si(OC
H3)3、3-アミノプロピルトリメトキシシラン:NH2(C
H2)3Si(OCH3)3、3-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン:NH2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、3-クロロプロピルトリメ
トキシシラン:Cl(CH2)3Si(OCH3)3、3-クロロプロピル
トリエトキシシラン:Cl(CH2)3Si(OCH2CH3)3、3-クロ
ロプロピルトリクロロシラン:Cl(CH2)3SiCl3、3-グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン:C3H5O2(CH2)3Si
(OCH3)3、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン:C3H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、3-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン:C4H5O2(CH2)3Si(OCH3)3
3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:C4H5O
2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、メチルジクロロシラン:CH3SiHC
l2、シラン-修飾メラミン: Dow Corning Q1-6106、ホ
スホン酸ナトリウム(トリハイドロキシシリル)プロピル
メチル:NaO(CH3O)P(O)(CH2)3Si(OH)3、トリクロロシラ
ン、SiHCl3、n-2-ビニルベンジルアミノ-エチル-3-
アミノプロピルトリメトキシシランHCL: Dow Corning
Z-6032、ビニルトリアセトキシシラン:H2C=CHSi(OCOC
H3)3、ビニルトリメトキシシラン:H2C=CHSi(OCH3)3
ビニルトリエトキシシラン:H2C=CHSi(OCH2CH3)3、ビニ
ルトリクロロシラン:H2C=CHSiCl3、ジメチルジクロロ
シラン:(CH3)2SiCl2、ジメチルジメトキシシラン:(CH
3)2Si(OCH3)2、ジフェニルジクロロシラン:(C6H5)2SiC
l2、エチルトリクロロシラン:(C2H5)SiCl3、エチルト
リメトキシシラン:(C2H5)Si(OCH3)3、エチルトリエト
キシシラン:(C2H5)Si(OCH2CH3)3、イソブチルトリメト
キシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、メチル
トリクロロシラン:CH3SiCl3、メチルトリメトキシシラ
ン:CH3Si(OCH3)3、フェニルトリクロロシラン:C6H5Si
Cl3、フェニルトリメトキシシラン:C6H5Si(OCH3)3、n
-プロピルトリクロロシラン:C3H7SiCl3、n-プロピル
トリメトキシシラン:C3H7Si(OCH3)3、四塩化シリコ
ン:SiCl4、ClCH2C6H4CH2CH2SiCl3n、ClCH2C6H4CH2CH2S
i(OCH3)3、ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH2CH3)3、デシルトリ
クロロシラン、ジクロロメチル(4-メトキシフェネチ
ル)シラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、[3-
(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3-
(ジメトキシメチルシリル)-1-プロパンチオール、ジメ
トキシメチルビニルシラン、3-[トリス(トリメチルシ
リルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート、トリク
ロロ[4-(クロロメチル)フェニル]シラン、メチルビ
ス(トリメチルシリルオキシ)ビニルシラン、メチルトリ
プロポキシシラン、及びトリクロロシクロペンチルシラ
ン。
【0075】本発明のある特定の態様において、即ちUV
保護剤としてオルガノシランを使用する場合、例えば日
焼けローションではパラ-アミノ安息香酸が活性成分で
ある。本発明のこの態様において、オルガノシランは次
の化合物から選択される:(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COO
H、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC
6H4COOC2H5、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC3H7、(CH3O)3S
i(CH2)3NHC6H4COOC4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C
6H5、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3O)3Si
(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6
H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH
2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+
(CH2CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOH、(CH3O)3S
i(CH2)3NCH3C6H4COOCH3、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC
2H5、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC3H7、(CH3O)3Si(C
H2)3NCH3C6H4COOC4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2
C6H5、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3O)
3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)
3NCH3C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3
C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4C
OOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H
4COOHY-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH3Y-、(CH3
O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC2H5Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N
+(CH3)2C6H4COOC3H7Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4C
OOC4H9Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H
5Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4NH2Y-
(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(C
H3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y-
(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y
-Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH
3)3Y-Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOH、(CH3O)3Si(C
H2)3NC2H5C6H4COOCH3、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC4
H9、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC3H7、(CH3O)3Si(C
H2)3NC2H5C6H4COOC4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC
H2C6H5、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH
3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si
(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3O)3Si(C
H2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3
NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N
+(C2H5)2C6H4COOHY-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4CO
OCH3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC2H5Y-、(CH
3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC3H7Y-、(CH3O)3Si(CH2)
3N+(C2H5)2C6H4COOC4H9Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C
6H4COOCH2C6H5Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH
2C6H4N2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N
(CH3)2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N
(CH2CH3)2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H
4N+(CH3)3Y-Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C
6H4N+(CH2CH3)3Y-Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOH、
(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH3、(CH3CH2O)3Si(CH2)3
NHC6H4COOC2H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC3H7、(C
H3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
HC6H4COOCH2C6H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H
4NH2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N(CH3)2
(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3
CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3CH
2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3CH2
O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOH、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H
4COOCH3、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC2H5、(CH3CH
2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC3H7、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH
3C6H4COOC4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C
6H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3
CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3CH2O)
3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3CH2O)3S
i(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si
(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3CH2O)3S
i(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOHY-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH
3)2C6H4COOCH3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COO
C2H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC3H7Y-
(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC4H9Y-、(CH3CH2O)
3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH
2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4NH2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3
N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)
3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si
(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-Y-、(CH3CH
2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y
-Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOH、(CH3CH2O)3Si
(CH2)3NC2H5C6H4COOCH3、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4
COOC2H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC3H7、(CH3C
H2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
C2H5C6H4COOCH2C6H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COO
CH2C6H4NH2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N
(CH3)2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N(CH2
CH3)2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(C
H3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(CH
2CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOHY-
(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH3Y-、(CH3CH2O)
3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC2H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)
3N+(C2H5)2C6H4COOC3H7Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C
2H5)2C6H4COOC4H9Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H
4COOCH2C6H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC
H2C6H4NH2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2
C6H4N(CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC
H2C6H4N(CH2CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H
4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-Y-、および(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-Y-。 安定化剤 本明細書に記載されたとおり本発明の好ましい安定化剤
は、好ましくは少なくとも2個の水酸基を含み、その少
なくとも2個の水酸基のうちの少なくとも2個が3個以
下の介在原子によって分離されている。即ち、(HO-A-B-
OH、ここでA及びBは何らかの一つまたは二つの原子であ
る)。このような安定化剤は上記に記載したオルガノシ
ラン RnSiX4-n の水性溶液を安定化することができ、そ
れは一般的に、nが0〜2の整数である場合、また水に
溶解することまたは水誘導性の自己-縮合反応(及び重合
化反応)を最小化したり抑制したりすることが望まれる
場合に、このような全ての溶液を安定化するために有用
である。とりわけ好ましい安定化剤は、限定するわけで
はないがグルコースなどの単糖類、限定するわけではな
いがスクロースなどの二糖類、多糖類、ポリヌクレオチ
ド、及びアルコールであり、これらにおいては少なくと
も2個の隣接する水酸基が、その安定化剤に存在する3
個以下の介在原子によって分離されている。 使用方法 本発明の化合物、製品及び組成物は、多くの目的に対し
て有用である。このような目的には、好ましい出発物質
である上記に記載した一般式のオルガノシランについて
知られている使用方法が含まれる。好ましい態様におい
て、本明細書に記載されている水-安定化されたオルガ
ノシラン化合物、製品及び組成物は、例えば1)充填剤
や顔料などの表面の処理、2)染料などの被膜への添
加、または3)それぞれのポリマーを形成する前の有機
モノマー(例えばアクリル酸など)への添加物としてとい
った応用にふさわしい。
【0076】したがって、表面が結合する抗菌性薬剤と
しての塩化3-(トリメトキシシリル)プロピル-ジメチル
オクタデシルアンモニウムのような以前のオルガノシラ
ン第4級アンモニウム化合物の他に、有機官能基のシラ
ンの数多くの他の使用方法が企画される。それは例え
ば、表面や粒子(顔料または充填剤)の処理を含む被膜形
成応用法において、プライマーにおいて、ペイント、イ
ンク、染料及び接着剤において、ならびにシリコン樹脂
合成の反応性の中間体として本発明の化合物、製品及び
組成物を使用する方法などである。
【0077】本発明は、とりわけ農業製品、クリーニン
グ用組成物、抗菌性のスポンジ、抗菌性の漂白剤、ペイ
ント、プラスチック、またはコンクリートのための抗菌
性の充填剤、及び細菌感染が問題となる家畜小屋などの
コンクリート構造を処理する目的で調製すべく用いるこ
とができる。
【0078】さまざまな態様で、本発明の溶液の化合
物、製品及び組成物を用いて処理可能な表面と基質に
は、織物、カーペット、カーペットの裏張り、室内装
飾、布、スポンジ、プラスチック、金属、外科用包帯、
石造りのもの、シリカ、砂、アルミナ、塩酸アルミニウ
ム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、木材、ガラスビー
ズ、容器、タイル、床、カーテン、海洋産物、テント、
バックパック、屋根、板張り、垣根、トリム、断熱材、
壁板、ゴミ容器、屋外装置、水精製システム、及び土な
どが含まれるが、これらに限定されるわけではない。さ
らに本発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理可能
な物品には、空気フィルター及びそれを製造するために
用いた材料、水槽のフィルター、緩衝パッド、室内装飾
用の合成繊維の詰め物、繊維ガラス製のダクトボード、
肌着類及び上着類の服飾品、ポリウレタンフォーム及び
ポリエチレンフォーム、サンドバッグ、防水シート、化
粧品、ローション、クリーム、軟膏、殺菌性消毒剤、木
の防腐剤、プラスチック、接着剤、ペイント、パルプ、
紙、冷却水、ならびに洗濯の添加剤及び食品ではないも
ので即ち一般的には食品が接触する表面などが含まれる
が、これらに限定されるわけではない。
【0079】上記に記載した基質、混合物及び応用品で
は、処理には通常、処理されるべき物品を本発明の水-
安定化オルガノシラン溶液、即ち水性溶液中にオルガノ
シラン-安定化剤誘導性の化合物を含有する溶液と、そ
の物品に活性なオルガノシランの成分(またはその部分)
が永久的に結合するのに十分な期間接触させる段階また
は混合する段階が関与している。通常処理は、接触させ
るとほとんど直ちに始まるが、好ましくは約15秒〜約
48時間必要であり、より好ましくは約1分〜約24時
間必要で、更に好ましくは約5分間〜2時間、最も好ま
しくは約30分間である。適用するためのより一般的な
指針は次のとおりである。即ち、大きな物を浸漬する際
には、溶液中に1〜2分間沈め、続いてその物を乾燥す
るままにするか、乾燥させる。しかしながらある種のも
のは、非常に短い浸漬時間、混合時間または接触時間で
効果が得られ、例えばファブリックは1分あたり40ヤ
ードまたはそれ以上までの速度でその組成物の水性浴を
通過させるとよい。浸漬を終えたあとで過剰の溶液は、
そっと拭き取るか、またはすすぎ流せばよい。また、そ
の溶液を基質にスプレーしてもよい。さらに本発明の組
成物は、強度の高い固体混合物にしてもよく、また後で
乾燥させた粉末状に形成してもよい。この乾燥粉末はそ
の後、必要に応じてスプレー装置で利用することができ
る。また更に、この溶液は基質にこすりつけてもよく、
またスポンジや布などを用いて適用してもよい。そのう
え本発明の溶液は顔料や充填剤に添加して、数分間(2
〜3分間)それらとともに撹拌することもできる。さら
にこの溶液は、使用する前に乳化剤やこの他の既にある
配合剤に添加してもよい。またこの溶液は押し出される
ファイバーを冷却するスプレー冷却剤に添加したり、冷
却剤と一緒にしたり、または冷却剤として用いることも
可能である。しかしながら当業者は、非常にたくさんの
この他の使用方法及び適用形態が本発明にかかるこの安
定化されたオルガノシラン化合物、製品及び組成物から
容易に明らかになること、また過度の実験を行うことな
く特定の基質、物品、または他の応用のための効果的な
適用法及び処理時間を決定できることが認識されると思
われる。さらにこの組成物は、織物工場で知られている
ような詰め物段階でも用いることができる。
【0080】また、本発明の化合物、製品または組成物
を用いて表面または布を処理した後で、その表面または
布を任意で加熱することにより、その化合物、製品、ま
たは組成物のその表面または基質への結合性を更に高め
ることができる。
【0081】本発明の水-安定性のオルガノシラン化合
物、製品及び組成物はしたがって、毒性の有機溶媒を用
いることなくさまざまな基質を処理できる点で効果的で
あり、また、更に調製することなく使用可能な活性化オ
ルガノシラン化合物を安全に長期間保存できるようにな
っている。さらに本明細書に記載した安定化剤は基質へ
のオルガノシランの結合性を妨害することがない。その
うえ本発明は、いくつかの水に不溶のオルガノシランを
溶かすための一般的に適用可能な段階も提供する。
【0082】オルガノシランRnSiX4-nが調製、溶解、保
存、供給、それに水中での何らかの方法で用いられる場
合の適用法も明らかであると思われる。さらにまた、水
にさらされるとシラノールの望ましくない自己-縮合反
応またはタイミングの合わない自己-縮合反応が起こり
有害となる可能性が生じる場合に、その他の溶媒中でオ
ルガノシランRnSiX4-nを適用したり、または他の媒体
(固体、ポリマー混合物、充填剤、顔料、染料または乳
化剤)と混合してオルガノシランRnSiX4-nを適用したり
することも明らかであると思われる。
【0083】さらにこの安定化されている化合物及び方
法は、例えばイオン系または非イオン系の表面活性剤及
び洗剤の使用法のように、オルガノシランについて技術
的に知られたさまざまな安定化方法に加えて、またはそ
のような安定化方法と組み合わせて用いることができ
る。
【0084】また本発明の化合物、製品及び組成物は、
部分的に加水分解された安定化剤/オルガノシラン複合
体の濃度が高く、そのために表面のOH基への水素結合が
増強されるため、湿潤性および/または被覆性を改善さ
せることができると考えられている。
【0085】さらに本発明の化合物、製品及び組成物
は、ほとんどの繊維製品(織られているもの及び織られ
ていないもの)及びヤーン(合成糸及び天然糸)にオルガ
ノシラン抗菌性薬剤を導入する際に用いることができ
る。この方法によれば耐久性に優れた品物を提供できる
とともに、段階自体に追加の製造段階が必要でなく、ま
た製造コストを増加させることがない。
【0086】染色段階で本発明の化合物、製品及び組成
物を導入すると、オルガノシランの性質である結合性及
び抗菌性保護作用を備えた内蔵型の抗菌性薬剤を有する
繊維材料が得られる。この導入方法によれば、1)この
製造方法に追加の段階を加えず、装置を何ら変形する必
要がなく、かつ、2)続いて繊維製品を製造する際に抗
菌性の特徴及びその効力を失わないと考えられている。
染色段階で本発明の水-安定性の化合物、製品及び組成
物を導入すると、オルガノシラン抗菌性薬剤は染色剤に
よって影響を受けず残ったままとなるだけでなく、最終
製品である繊維商品も優れた染色性を示す。
【0087】本発明の水-安定性の化合物、製品及び組
成物は、以前の不安定性、不溶性のためにいくつかのオ
ルガノ薬剤の使用が阻止されたり、少なくとも妨げられ
たり、または制限されたりする場合の数多くの応用時に
有用である。例えば、以下はその例である。
【0088】取り除いた(摘みとった/収穫した)後の食
料となる農作物(例えば、野菜、果物、または穀物のよ
うな腐敗しやすい作物)を本発明の化合物、製品及び組
成物を用いて処理すると、その農作物の外表面に抗菌性
保護作用が付与される。このような保護作用は、その食
物に結合した抗菌性被膜から抗菌性薬剤が拡散、移動、
または浸出することなく起こり、長い期間安全で、非毒
性の抗菌性保護作用を提供すると考えられている。この
方法には、普通の洗浄段階/水のスプレー段階の際かそ
の後、または漂白段階の際かその後の、すすぎのサイク
ルで果物及び野菜を処理する段階が関与する。処理プラ
ントで果物や野菜を清浄する間に微生物を最初に除去す
ることが好ましい。当業者がわかっているように、土、
生育時に用いた化学物質、傷つける細菌、及び他の外来
の物質を除去するために最初に機械が用いられる。これ
らの機械はまた、その産物を清浄するための水の高圧ス
プレーも用いている。この清浄を行ったあとで、生のま
まの食物または他の穀物材料は、湯通し(即ち、その食
物を190〜210度(F)の湯に浸すか、またはスチー
ムにあてる)などの次の段階のために調製される。
【0089】微生物は、果物や野菜が収穫されるまで設
備を整えて生産することによってコントロールされる。
しかしながら一旦収穫されると、酵母、カビ、及び細菌
などの微生物は増殖し始め、その食物の風味を失わせ、
色や組織を変化させる。損傷から食物を守るためにはた
くさんの方法が用いられており、微生物の生育を抑え、
悪化を遅らせるための冷蔵庫などがある。残念ながらこ
のような既知の方法は、生のままの食物を保存し、大部
分が数週間ももたない。本発明の化合物、製品及び組成
物は、長い期間これらのものを保存することができる。
例えば、この組成物、製品、または化合物は、食物のた
めに噴霧器で給水する現存の水ラインに添加してもよ
く、それはこのような噴霧器が用いられる場合に行われ
る。別の方法では、抗菌性保護作用を付与するのに必要
な浸漬時間がわずか数秒であるような、簡単な浸漬方法
が用いられる。水性溶液(0.1〜1体積%)中の低濃度によ
り0.1〜1%の組成物が満足のゆく結果を与える。さらに
本明細書に記載されている方法はまた、死んだ鳥肉につ
いた病原菌や、他の感染されやすい肉及び魚にいる病原
菌もコントロールできる。
【0090】乳児のミルク/ジュース用のびん、乳首、
おしゃぶり及びおもちゃを工場で本発明の化合物、製品
及び組成物を用いて処理し、結合した表面から薬剤を浸
出させると、長く保たれ、安全/無毒性の抗菌性保護作
用を提供することができる。このような物品を処理する
ことにより、細菌の混入によって生じる臭いを減少させ
ることもできる。上記に記載したような浸漬方法をこれ
らの物品を処理するために用いてもよい。
【0091】今日まで先人はこれらの物品の汚染の問題
を解決するために、石鹸、洗剤、及び表面クリーナーを
用いてきた。しかしながらこれらの処理法、また他の同
様の処理法はほとんどの部分で不適当であり、繰り返し
処理をする必要があった。さらにこれらの処理法は、微
生物の広範囲のスペクトルコントロールを提供する能力
に限界があることがわかっている。したがって本発明の
化合物、製品及び組成物をこれらの物品を処理するため
に用いることにより、その物品に有効量の本発明の製品
及び化合物を被覆でき、それによって細菌の生長及び混
入を阻止することができる。用いた物品は1〜2分間ほ
ど水中に沈めることによって(例えば、浸漬することに
よって)被覆することができ、その後その処理済みの表
面を室温で乾燥させることができる。続いてその物品
は、過剰の抗菌性薬剤についてすすがれる。清浄段階及
び滅菌段階を行うことは、物品を「被覆する」のに先だ
ってその物品の表面にある微生物を除去する点で好まし
い段階である。さらに本発明の化合物、製品及び組成物
の好ましい濃度は体積%で10%またはそれ以上であり、
その濃度が長く耐久性のある保護作用を得るべく用いら
れる。
【0092】本発明の化合物、製品及び組成物を用いて
手術の前、または手術中に外科用手袋を処理すると、接
触したところの微生物を殺すことができる。処理を行っ
た手袋は、安全で無毒の抗菌性保護機能を備えた長くも
つ抗菌活性を提供する。外科用手袋は好ましくは、1%
W/Vに希釈された実施例1の溶液に、少なくとも30秒
間浸漬することによって処理される。この方法は医者が
利用することが可能であり、必要であれば汚染を過度に
恐れることなく同じ手袋を再利用できる(それらを取り
外さないのと同じ)。
【0093】さらに当業者は、本発明の化合物、製品及
び組成物の開示を基礎とした、非常にたくさんの他の最
終利用法を実行することができると思われる。例えば、
次の利用法、応用法及び基質が考えられる。 1.本発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理され
たコンクリート、コンクリート製の水道管、雨水管及び
下水管。接触したところの微生物を殺すため、及びコン
クリートとその被覆の劣化を防止することのできる長期
間の抗菌性保護作用を提供する薬剤。 2.歯ブラシ、櫛、ヘアーブラシ、義歯及び歯列矯正用
固定装置。 3.適合する他の抗菌性薬剤がないような厳しい条件に
あう温泉およびプールのフィルター、並びに例えばエア
コンのフィルター、HVACに応用するフィルター及びキャ
ビンの空気フィルターのような空気フィルターの保護。 4.本発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理した
大理石製品(ビルの幕面、墓、床)。 5.消毒用アルコール。 6.彫像及び人目にさらされる美術品。 7.ごみ捨て用地、水の容器および一般的には土の保護
用の、HDP、高密度ポリエステル繊維プラスチックカバ
ー。 8.液状添加物(花瓶にいれた植物及び切花のための花
用水の保存料として)。 9.アクリル製裏板壁の被膜などのシリコンまたはテフ
ロン(TEFLON(登録商標))被覆されたガラス繊維。 10.ドライビット(Dryvitt)仕上げ及びスタッコ(Sta
cco)仕上げ。 11.本発明の化合物、製品及び組成物で処理された防
水布。 12.ピッキング機(picking machine)が綿をロールま
たはラップにする前もしくは後に混合綿を処理する方
法。 13.食物の包装及び容器。 14.バイオ-フィルム及び接着剤(テープ及びシリコン
ウェーハー)。 15.単層の屋根及び屋根板。 16.ガラス繊維強化製品。 17.移植の抗菌処理。 18.移植臓器または軟骨の抗菌処理。 19.代替骨のような人工の移植物の抗菌処理。 20.皮膚移植であって、人工の皮膚、人工でない皮
膚、またはその両方の混合皮膚の抗菌処理。 21.受け入れる器官による拒絶反応を減少させるため
の移植物の処理。 22.皮膚移植の処理。 23.望ましくない堆積物、特に人工移植物における堆
積物を減少させる移植物の処理。 24.生まれつきの骨を臓器でない移植物に取り付ける
ことを促進する処理。 25.低温殺菌及び栄養減少のない消費のための液体の
保存。 26.シロキサンを安定化する水に不溶性の物質を導入
しない皮膚のトリートメント。 27.活性の領域に付いたシロキサンの加水分解に基づ
いて時間を合わせた薬物の輸送。 28.開放して殺菌する喉のトローチ錠。 29.堆積物の形成を抑制したり、遅くしたりするコン
タクトレンズの処理。 30.細菌の生長を妨げるコンタクトレンズの処理。 31.市販されるポリマーを抗菌的に活性化させるか、
および/またはその表面での細菌の生長による損傷を防
止するためにそのポリマーへ導入すること。この市販さ
れるポリマーの例としては、ポリエステル、ポリアミド
(ナイロン)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアル
コール、ポリホルムアルデヒドが挙げられる。 32.上記の28及び29項において記載されたような
結果を、長期間、追加の表面処理を施すことなく達成す
るためにコンタクトレンズに導入すること。 33.表面処理を別に行わなくとも抗菌性の特徴を有す
る食品容器を提供するためにポリエステルに導入するこ
と。 34.表面処理を別に行わなくとも抗菌性の特徴を有す
る食品容器を提供するためにポリプロピレンまたはポリ
エチレンに導入すること。 35.表面で生長する微生物の影響を減少させるため
に、CD-Romにシロキサンを導入すること。 36.材料が黄色になったり弱くなったりするエージン
グを防止するための紙(新聞紙、本、書類)の処理。 37.動物の檻、即ち、鳥、ハムスター、ブタ、モルモ
ット、ウマ、畜牛、ラット及びマウスの檻における効果
的なクリーニング及び臭いの抑制。 38.クリーナーによって低い蒸気圧で宇宙飛行士を刺
激することなく、ただし高い活性を残して宇宙船内の消
毒を行うこと。 39.クリーンルーム、即ちマイクロプロセッサー産業
で用いられるクリーンルームにおいて、微生物の有害な
効果の減少のために適用すること、並びにダストのバイ
ンダー及び静電気の阻止剤として利用すること。 40.ダスト及びその他の大気中にある汚染物質による
損傷を防止するために回路板上に非導電性の層を適用す
ること。 41.ポリマー、皮膚、革、及び木に対する耐久性があ
って、刺激のないUV-プロテクターを適用すること。 42.UV-プロテクターは、例えば日焼けローションに
配合してもよいし、または例えば、ダッシュボード及び
車のタイヤなどのポリマーを保護する潤滑剤とともに配
合してもよい。 43.レンズ、写真、フィルム及びフィルムを現像する
際に用いられる溶液のような写真製品を細菌から保護す
ること。 44.レンズ、写真、フィルム及びフィルムを現像する
際に用いられる溶液などの写真製品を、静電気およびほ
こりから保護すること。 45.レンズ、写真、フィルム及びフィルムを現像する
際に用いられる溶液などの写真製品を、着色およびひっ
かき傷から保護すること。 46.マイクロチップの保護被膜。 47.マイクロチップを設計したり製造したりする際に
おける自己集合した層の利用。 48.マイクロチップのワイヤー形成の際の自己集合し
た層の利用。 49.分子プロセッサーを製造する際の自己集合した層
の利用。 50.布に抗菌活性を付与するためのドライヤーシート
への添加。 51.傷がふさがり回復する際及び傷感染の予防におけ
る補助。 52.例えば爪みがきに添加することによる爪のカビの
処理。
【0094】本明細書に開示されたものの観点から、本
発明の組成物が作用の機構、即ち、シロキサンのシラノ
ールへの加水分解が起こってもよいし起こらなくてもよ
いし、ポリオールとシラノールが反応する可能性があっ
てもよいし、また、ポリオールとの相互作用、例えば水
素結合によってシロキサンが単に安定化されるに過ぎな
くてもよいという機構とは無関係に有用であることは当
業者に高く評価されると思われる。組成物がオルガノシ
ランを含むと言われているところではオルガノシランの
混合物も意図されていて、それによって包含されている
ことも理解できると思われる。
【0095】特に好ましい態様において本発明は、移植
して利用する皮膚および/または他の組織(骨、柔軟組
織)を、細菌の汚染を減少させるべく処理するために用
いられる。この組成物は、歯の抗菌治療の際にこのよう
な組成物の有するカリエスと戦う性質を高めるためにこ
の技術で知られた歯磨き剤で役に立ちそうである。
【0096】他の好ましい態様においてこの組成物は紙
製品を保護するため、例えばこの技術で既知のカーワッ
クス配合剤のようなジュラルミン金属仕上げを生成する
ため、塗料のひっかき傷を防止するため、及びほこりの
蓄積に対処する保護剤として用いられる。
【0097】上述した水-安定化抗菌性化合物、製品、
組成物、及び方法の好ましい態様は次の実施例に列挙さ
れている。本発明の他の特徴は、次の実施例より明らか
となると思われる。次の実施例は例示の目的のみのため
であって、本発明の制限とは解釈されない。
【0098】
【実施例】実施例1.一つの態様において本発明は、グ
ルコースとシリル化された第4級アンモニウム塩を含む
水-安定性の組成物を提供する。この混合物を適用する
と、グルコースは部分的にほとんど遊離し、その生成物
は加水分解される。しかしながらこのような遊離は本発
明の実施可能性にとって必須ではない。それが起こって
も起こらなくても、本発明の化合物、製品及び組成物の
だいたいの効力が減少することはない。その代わり、グ
ルコース(または本発明の安定化剤のうちの他のいずれ
か)が開放されるという気まぐれは、請求の範囲に記載
された発明の驚くべき利用性及び効果が広がる一つの可
能性として提供される。オルガノシランが基質に結合す
る場合に安定化剤が開放されるにちがいないことは明ら
かではない。
【0099】グルコース安定化塩化3-(トリメトキシシ
リル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムは、
シロキサンの濃度が10%W/Wまでの水中で安定である。
当業者は、他のオルガノシロキサンの安定性が種々であ
り、用いた特定の安定化剤に依存することが認識される
と思われる。ある場合にはシロキサンとグルコースを、
任意で作用濃度よりも高い最終濃度にシロキサンがなる
ように混合し、続いて所望の活性濃度まで水で希釈す
る。 実施例2.シロキサンの安定化がスクロースを用いて混
合することにより達成されるような組成物は、グルコー
スを用いた安定化について実施例1で記載された組成物
と類似である。 実施例3.一連のポリオールについて、[塩化3-(トリ
メトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモ
ニウム]と3-クロロプロピルトリメチルシランの混合
物であるDow Corning 5772の水性溶液を安定化する能力
についてテストし、種々の時間にわたって安定化される
程度をモニターした。概してほとんどの濃度のシロキサ
ンが、安定化剤のない場合に一晩で濁ってくる。したが
って水性シロキサンが安定化剤の存在下で一晩安定なま
まである場合には、ポリオールは本発明による少なくと
も最小の利用性を備えていると考えられる。しかしなが
ら当業者は、実施可能性及び商業上の応用性では、安定
な組成物がより良好に達する期間が長いことが認識され
ると思われる。したがって既知の濃度の安定化剤の溶液
のストックは脱イオン水中で調製される。既知の量のそ
の溶液、ある場合には追加の脱イオン水、及びシロキサ
ンをバイアル中で混合した。このバイアルをパラフィル
ムを用いて封止し、環境温度で保存した。抗菌的に活性
なシロキサンの割合は、Dow Corning 5772の重量に0.72
をかけて、全ての材料(ポリオール、Dow Corning5772、
脱イオン水)の合計で割ることによって計算した。本発
明者らは、少なくとも10%またはもっと低いシロキサ
ン濃度、約1〜20%のポリオールが水性溶液を安定化す
る際に有効であることを見いだした。 実施例4.0.94%〜19%のスクロースを用いた5%のシ
ロキサン溶液は、少なくとも7週間の間透明のままであ
った。約5%の活性なシロキサンで他のサンプルは少な
くとも8カ月間透明のままであった。 実施例5.0.94%〜19%のマンニトールを用いた5%の
シロキサン溶液は7週間の間透明のままであった。高濃
度のマンニトールでは、マンニトールは完全に溶けない
がシロキサンの安定化剤としてはそのまま活性がある。 実施例6.0.94%〜19%のグルコースを用いた5%のシ
ロキサン溶液は少なくとも8週間の間透明のままであっ
た。 実施例7.0.85%〜17%のL-アスコルビン酸を用いた1
0%のシロキサン溶液は少なくとも5週間の間透明のま
まであり、2日後には18%と同じくらいのシロキサンを
用いた溶液が0.79%と同じくらいのL-アスコルビン酸
を用いて透明のままであった。 実施例8.9%のシロキサン、4.1%〜18%のグリオキサ
ールを用いた水性溶液は、少なくとも3週間透明のまま
であった。 実施例9.重合性のポリオールの場合には、本発明者ら
は5%のシロキサン、0.097%の寒天溶液が少なくとも1
週間安定であることを見いだした。寒天では高く評価さ
れるように、寒天の溶解が完全となるようにストックの
寒天溶液を暖める必要があり、それはその後、シロキサ
ンと混合する過程の前またはその過程の最中に冷却され
る。得られた溶液は冷却した場合、粘調な液体であるか
固体である。 実施例10.酸化された糖の場合には、本発明者らは9.
7%のシロキサン、0.9%のD-グルクロノ-6,3-ラクトン
の水性溶液が少なくとも4週間安定であることを見いだ
した。 実施例11.タンニン酸シロキサン溶液は有意の度合に
安定化されなかった。この結果は、タンニン酸に含まれ
る、例えば酸化生成物の不純物がその安定化剤としての
作用を阻害したらしいことを示していると考えられる。
また、タンニン酸によって得られた安定化が限られてい
ることは、安定化剤の少なくとも2個の隣接する(3個
以下の原子によって分離された)水酸基が非芳香族であ
ると好ましいことを示していると考えられる。 実施例12.本発明によるとシロキサンとポリオールの
混合物を含むたくさんの組成物は、広く異なる範囲に応
用するために企画することができる。本発明の安定化剤
が、シンプルな糖やより大きな複合炭水化物のような非
毒性で生物に受け入れられる物質を含んでいるため、シ
ャンプー、ハンドクリーム及び顔のクリームのような組
成物、また食物と接触する組成物がすべて許容される応
用法である。これらのタイプの応用法について当業者に
既知の組成物がたくさんあり、当業者はそれらに本明細
書を適用することができるため、ここではそれらの組成
物の種々の成分について詳しい説明は行わない。したが
って、シャンプー、ハンド-ローション、歯磨き、及び
他の生物学的材料が接触するこの技術で知られた組成物
は、本発明にかかる組成物を含んでいてもよい。しかし
ながらこのような生物学的に接触する組成物が唯一有用
な組成物というわけではない。当業者に既知の他の組成
物、例えばカーワックス、家具みがき、靴みがき、革の
トリートメント組成物、またはガラスのトリートメント
組成物は、本発明にかかる組成物を含有することによっ
て改良される。
【0100】前述した実施例から当業者は、本明細書に
開示した安定化剤を、安定化効果があるとわかっている
最小濃度で用いればよく、そしてそれらが溶解したまま
になる最大濃度まで用いることができることが認識され
ると思われる。ある量の固体の安定化剤が存在している
場合でも、心身に有害な影響を与えることは予想されな
い(高濃度のマンニトールが用いられている上記の実験
を参照のこと)が、シロキサン安定化の点からみると、
安定化剤の濃度が上昇してもシロキサンの安定化が同程
度に増強されないところに減少させる折り返し点が到達
していると予想される。
【0101】本発明の範囲または精神を逸脱することな
く本発明において種々の修飾及び改変を加えられること
が、当業者には明らかであると思われる。本発明の他の
態様は、本明細書に開示された本発明の説明及び実用法
を考慮することにより当業者に明らかとなると思われ
る。本明細書の説明及び実施例は、請求の範囲によって
示されている本発明の真の範囲及び精神を伴った例示に
すぎないと解釈されるものとする。
【0102】
【発明の効果】加水分解不可能な有機官能基を有するこ
とは任意であるが、一個またはそれ以上の加水分解可能
な官能基を有するオルガノシランを、少なくとも2個の
水酸基を含みその少なくとも2個の水酸基のいずれかが
2個以下の介在原子によって分離されているポリオール
と混合することによって、本組成物が形成された。水安
定性のオルガノシラン化合物および水安定性の組成物
は、ポリオールとオルガノシランから、または化合物と
水から作成された。本発明により、基質を、本発明の製
品、化合物、または組成物と、該基質を処理するのに十
分な期間、混合または接触させることによって、基質を
処理する方法が提供され、また、本発明の製品、化合
物、または組成物に付着させた処理された基質、基質を
染色及び処理する方法、食料品を抗菌的に処理する方
法、液体容器を抗菌的に被覆する方法、ラテックス医療
用品を抗菌的に被覆する方法、ならびに安定化剤の存在
下で、シロキサンを作成する方法も提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 25/08 A01N 25/08 25/10 25/10 25/34 25/34 Z 55/00 55/00 B A23L 3/3463 A23L 3/3463 A61L 2/16 A61L 2/16 Z (71)出願人 598059712 4405 International Bo ulevard, Suite B109, Norcross, GA, U.S. A. (72)発明者 ヨークヒム バークナー アメリカ合衆国 ジョージア州 シミルナ カリブルブルック ウェイ 522 (72)発明者 ティモシー シー. モセス アメリカ合衆国 ジョージア州 ストック ブリッジ フェアビュー ロード 2145

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)化学式RnSiX4-nで表されるオルガノ
    シランであって、式中、nは0〜3の整数であり、Rは
    独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれ
    ぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、オル
    ガノシランと b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちの少なくとも2個
    が3個以下の介在原子によって分離されているポリオー
    ルとの混合物を含む組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物において、nは0
    〜2の整数であり、それぞれのRは独立してアルキル
    基、アルキルアルコール基、または芳香族官能基であ
    り、それぞれのXは独立して水酸基、アルコキシ基、ハ
    ロゲン、アセチル基、アセトキシ基、アシル基、水酸化
    された固体状もしくは液体状の重合部分、ポリエーテル
    またはポリアルキルエーテルであり、ポリオールはグル
    コース、スクロース、フルクトース、マンニトール、ア
    スコルビン酸であって、かつ選択的に酸化防止剤、アデ
    ノシン、グルクロン酸、グルクロン、デキストラン、水
    性グリオキサル、フコース、セルロース、部分的に加水
    分解されたセルロース、可溶性デンプン、デンプン-ア
    クリル酸グラフト共重合体、ヌクレオシド、ヌクレオチ
    ド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含
    む、組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオールが炭水化物である、請求項2
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 炭水化物が、単糖類、二糖類、オリゴ糖
    類、多糖類、修飾された炭水化物、グラフト型及びブロ
    ック型炭水化物共重合体、部分的にアルキル化、アシル
    化またはアセチル化された炭水化物、炭水化物の酸化生
    成物、還元された炭水化物、並びに置換された炭水化物
    からなる群より選択される、請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 置換された炭水化物が、ヌクレオシド、
    ヌクレオチド、及び核酸からなる群より選択される、請
    求項3記載の組成物。
  6. 【請求項6】 炭水化物が、D型またはL型のいずれか
    の鏡像異性体であり、天然または非天然のケトースまた
    はアルドースである、請求項3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 アルドースまたはケトースが、グルコー
    ス、フコース、フルクトース、ポリマー、酸化生成物、
    還元生成物、またはそれらの水溶性置換誘導体である、
    請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 オルガノシランが、以下の化学式II、II
    I、IV、またはVである、請求項1記載の組成物: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、 各R1は独立して、ハロゲンまたはR6Oであり、R6はH、1
    〜約22個の炭素原子を含むアルキル基、アセチル基、
    アセトキシ基、アシル基、プロピレングリコール、エチ
    レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
    レングリコール、エチレン及びプロピレングリコールの
    ブロック及び共重合体、またはプロピレングリコール、
    エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
    ロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコー
    ルのブロック及び共重合体の1〜22個の炭素を含むア
    ルキルモノエーテル、または1〜22個の炭素を含むカ
    ルボン酸とプロピレングリコール、エチレングリコー
    ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
    ル、エチレン及びプロピレングリコールのブロック及び
    共重合体のモノエステル、オクチルフェノール、ノニル
    フェノール、ならびにソルビタンエーテルである。R35
    は、H、ハロゲン、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2、C3H5O2R2、C
    4H5O2R2、NaO(CH3O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2であ
    り、 R36及びR37は独立して、ハロゲン、H、1〜約22個の
    炭素原子を含むアルキル基、アクリル基、ビニル基、ア
    セチレン基、ベンジル基、スチリル基、プロピニル基、
    イソブチル基、フェニル基、またはn-オクチル基であ
    り、 R2は、ベンジル基、ビニル基または1〜約22個の炭素
    原子を含むアルキル基であり、 R3及びR4は独立して、低級アルキルアルコール、1〜4
    個の炭素原子を含む低級アルコキシ基、1〜約22個の
    炭素原子を含むアルキル基であるか、またはR3及びR4
    共に、モルフォリンまたは環状もしくはヘテロ環状で、
    不飽和もしくは飽和の化学式VIで示される5〜7員環を
    形成する。 -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数であり、 R7は環が飽和である場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2C
    H2NH2、NCH2CH2NH3 +、NCH2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N
    +(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリール)、N(ベンジ
    ル)であって、それぞれR8、R9、及びR10は独立して、ベ
    ンジル基、ポリエーテル、1〜4個の炭素原子を含む低
    級アルキルアルコール、1〜4個の炭素原子を含む低級
    アルコキシ基、または1〜約22個の炭素原子を含むア
    ルキル基であり、R7は環が不飽和である場合、CH、N、N
    +H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベンジル)、N-CH
    2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、N+(アリール)-C
    H2-N、またはN+(ベンジル)-CH2-Nであって、環は1〜2
    2個の炭素原子を含むアルキル、エステル、アルデヒ
    ド、カルボン酸、アミド、チオナミド、ニトロ、アミ
    ン、またはハライドで置換されていなくてもよいし置換
    されていてもよい。R5は低級アルキルアルコール、CH2C
    6H5、ポリエーテル、アルキル基、アルコキシ基、ペル
    フルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルスルホン
    酸、またはペルフルオロアルキルカルボン酸であって、
    アルキル基、アルコキシ基、ペルフルオロアルキル基、
    ペルフルオロアルキルスルホン酸、またはペルフルオロ
    アルキルカルボン酸は1〜約22個の炭素原子を含む
    か、または上述した化学式VIの5〜7員環であり、かつ
    Y-は、化学式II、III、IVまたはVの化合物の塩を形成す
    るのに適当なアニオン性の部分である。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の組成物と水とを含む、水
    安定性組成物。
  10. 【請求項10】 オルガノシランは塩化3-(トリメトキ
    シシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウム
    であり、かつポリオールはグルコース、スクロース、フ
    ルクトース、マンニトール、アスコルビン酸であって、
    選択的に酸化防止剤、アデノシン、グルクロン酸、グル
    クロン、デキストロース、セルロース、部分的に加水分
    解されたセルロース、可溶性デンプン、デンプン-アク
    リル酸グラフト共重合体、ヌクレオシド、ヌクレオチ
    ド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含
    む、請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 担体と、有効量の請求項1記載の組成
    物とを含む、基質を処理するための組成物。
  12. 【請求項12】 担体が水以外である、請求項11記載
    の組成物。
  13. 【請求項13】 オルガノシランが塩化3-(トリメトキ
    シシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウ
    ム、塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルメチルジ(デ
    シル)アンモニウム、3-クロロプロピルトリメチルシラ
    ン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、オクタデ
    シルトリメトキシシラン、またはペルフルオロオクチル
    トリエトキシシランであり、ポリオールがアルドース、
    ケトース、ポリマー、酸化生成物、還元生成物、それら
    の置換生成物または重合性の置換生成物である、請求項
    1記載の組成物。
  14. 【請求項14】 オルガノシランが以下の化学式で表さ
    れる、請求項1記載の組成物:(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)
    2C18H37Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C18H37Br-、(CH3
    O)3Si(CH2)3N+(C10H21)2CH3Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C
    10H21)2CH3Br-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)3Cl-、(CH3O)3
    Si(CH2)3N+(CH3)2C8H17Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C
    10H21Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C12H25Cl-、(CH3O)
    3Si(CH2)3N+(CH3)2C14H29Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)
    2C16H33Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C20H41Cl-、(CH3
    O)3Si(CH2)3N+(C4H9)3Cl-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)3C
    l-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C18H27Cl-、(CH3O)3Si
    (CH2)3NHC(O)(CF2)6CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)8
    CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)10CF3、(CH3O)3Si(CH
    2)3NHC(O)(CF2)12CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)14C
    F3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC(O)(CF2)16CF3、(CH3O)3Si(C
    H2)3NHSO2(CF2)7CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3N
    HC(O)(CH2)6CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC
    (O)(CH2)8CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)
    (CH2)10CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH
    2)12CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)
    14CH3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CH2)16C
    H3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)6CF3
    (CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)8CF3、(CH3
    O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)10CF3、(CH3O)3
    Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)12CF3、(CH3O)3Si
    (CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)14CF3、(CH3O)3Si(CH
    2)3N+(CH3)2(CH2)3NHC(O)(CF2)16CF3、(CH3O)3Si(CH2)3
    N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF2)7CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH
    3)2(CH2)3NHSO2(CF2)9CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(C
    H2)3NHSO2(CF2)11CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3
    NHSO2(CF2)13CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO
    2(CF2)15CF3、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2(CH2)3NHSO2(CF
    2)16CF3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOH、(CH3O)3Si(CH2)
    3NHC6H4COOCH3、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC2H5、(CH
    3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC3H7、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4CO
    OC4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H5、(CH3O)3Si
    (CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4CO
    OCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N
    (CH2CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3
    Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-
    (CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOH、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6
    H4COOCH3、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC2H5、(CH3O)3S
    i(CH2)3NCH3C6H4COOC3H7、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COO
    C4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H5、(CH3O)3Si
    (CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6
    H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2
    C6H4N(CH2CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N
    +(CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N+(CH2
    CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOHY-、(CH3O)
    3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C
    H3)2C6H4COOC2H5Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC
    3H7Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC4H9Y-、(CH
    3O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H5Y-、(CH3O)3Si(CH
    2)3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4NH2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N
    +(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N
    +(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y-、(CH3O)3Si(CH2)3
    N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-Y-、(CH3O)3Si(CH2)
    3N+(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-Y-、(CH3O)3Si
    (CH2)3NC2H5C6H4COOH、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH
    3、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC4H9、(CH3O)3Si(CH2)
    3NC2H5C6H4COOC3H7、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC
    4H9、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H5、(CH3O)3Si
    (CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5
    C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COO
    CH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C
    6H4N+(CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N
    +(CH2CH3)3Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOHY-
    (CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH3Y-、(CH3O)3Si(CH
    2)3N+(C2H5)2C6H4COOC2H5Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)
    2C6H4COOC3H7Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC4H
    9Y-、(CH3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H5Y-、(CH
    3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N2Y-、(CH3O)3Si
    (CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(CH3O)3Si
    (CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y-、(CH3O)3
    Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-Y-、(CH
    3O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y
    -Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOH、(CH3CH2O)3Si(CH
    2)3NHC6H4COOCH3、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC2H5
    (CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOC3H7、(CH3CH2O)3Si(CH2)
    3NHC6H4COOC4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C
    6H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3CH
    2O)3Si(CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3CH2O)3Si
    (CH2)3NHC6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3CH2O)3Si(C
    H2)3NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3
    NHC6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
    CH3C6H4COOH、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH3、(CH
    3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC2H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3
    NCH3C6H4COOC3H7、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOC
    4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H5、(CH3CH2
    O)3Si(CH2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH3CH2O)3Si(C
    H2)3NCH3C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
    CH3C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH
    3C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NCH3C
    6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C
    H3)2C6H4COOHY-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC
    H3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC2H5Y-、(CH
    3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC3H7Y-、(CH3CH2O)3Si
    (CH2)3N+(CH3)2C6H4COOC4H9Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
    +(CH3)2C6H4COOCH2C6H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)
    2C6H4COOCH2C6H4NH2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C6
    H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH3)2C
    6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(CH
    3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N
    +(CH3)2C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-Y-、(CH3CH2O)3Si
    (CH2)3NC2H5C6H4COOH、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4CO
    OCH3、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC2H5、(CH3CH
    2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOC3H7、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC
    2H5C6H4COOC4H9、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C
    6H5、(CH3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4NH2、(CH
    3CH2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2、(CH3CH2
    O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2、(CH3CH
    2O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(CH3)3Y-、(CH3CH2
    O)3Si(CH2)3NC2H5C6H4COOCH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-、(CH3C
    H2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOHY-、(CH3CH2O)3Si(C
    H2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH3Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2
    H5)2C6H4COOC2H5Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4
    COOC3H7Y-、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOC4H9Y
    -、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H5Y-、(C
    H3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4NH2Y-、(CH3
    CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N(CH3)2Y-、(C
    H3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N(CH2CH3)2Y
    -、(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COOCH2C6H4N+(C
    H3)3Y-Y-、または(CH3CH2O)3Si(CH2)3N+(C2H5)2C6H4COO
    CH2C6H4N+(CH2CH3)3Y-Y-。
  15. 【請求項15】 オルガノシランが、NH2(CH2)2NH(CH2)
    3Si(OCH3)3、NH2(CH2)3Si(OCH3)3、NH2(CH2)3Si(OCH2CH
    3)3、Cl(CH2)3Si(OCH3)3、Cl(CH2)3Si(OCH2CH3)3、Cl(C
    H2)3SiCl3、C3H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、C3H5O2(CH2)3Si(O
    CH2CH3)3、C4H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、C4H5O2(CH2)3Si(OC
    H2CH3)3、CH3SiHCl2、NaO(CH3O)P(O)(CH2)3Si(OH)3、Si
    HCl3、n-2-ビニルベンジルアミノ-エチル-3-アミノ
    プロピルトリメトキシシランHCl、H2C=CHSi(OCOC
    H3)3、H2C=CHSi(OCH3)3、H2C=CHSi(OCH2CH3)3、H2C=
    CHSiCl3、(CH3)2SiCl2、(CH3)2Si(OCH3)2、(C6H5)2SiCl
    2、(C2H5)SiCl3、(C2H5)Si(OCH3)3、(C2H5)Si(OCH2CH3)
    3、イソブチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエ
    トキシシラン、CH3(C6H5)SiCl2、CH3SiCl3、CH3Si(OC
    H3)3、C6H5SiCl3、C6H5Si(OCH3)3、C3H7SiCl3、C3H7Si
    (OCH3)3、SiCl4、ClCH2C6H4CH2CH2SiCl3n、ClCH2C6H4CH
    2CH2Si(OCH3)3、ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH2CH3)3、デシル
    トリクロロシラン、ジクロロメチル(4-メチルフェネチ
    ル)シラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、[3-
    (ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3-
    (ジメトキシメチルシリル)-1-プロパンチオール、ジメ
    トキシメチルビニルシラン、3-[トリス(トリメチルシ
    リルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート、トリク
    ロロ[4-(クロロメチル)フェニル]シラン、メチルビ
    ス(トリメチルシリルオキシ)ビニルシラン、メチルトリ
    プロポキシシラン、またはトリクロロシクロペンチルシ
    ランである請求項1に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 化学式(R)nSi(X)4-n-y(R41)yで表され
    る化合物であって、式中、nは0〜3の整数、yは1〜
    4の整数、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有
    機官能基、それぞれのXは独立して加水分解可能な官能
    基であり、それぞれのR41は少なくとも2個の水酸基を
    含むポリオールであり、少なくとも2個の該水酸基のう
    ちいずれか2個が2個以下の介在原子によって分離され
    ており、かつR41が少なくとも2個の該水酸基のうちの
    少なくとも1個からの水素の除去によりSiに結合し、そ
    の結果少なくとも2個の水酸基の酸素のうち少なくとも
    1個がSiに結合されている、化合物。
  17. 【請求項17】 以下の化学式II、III、IV、またはVで
    表されるオルガノシランと、少なくとも2個の水酸基を
    含むポリオールであって少なくとも2個の該水酸基のう
    ちいずれか2個が2個以下の介在原子によって分離され
    ているポリオールとの混合物から構成される、請求項1
    記載の組成物: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、 それぞれのR1は独立して、ハロゲンまたはR6Oであり、R
    6はH、1〜約22個の炭素原子を含むアルキル基、アセ
    チル基、アセトキシ基、アシル基、プロピレングリコー
    ル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
    リプロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリ
    コールのブロック及び共重合体、またはプロピレングリ
    コール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
    ル、ポリプロピレングリコール、エチレン及びプロピレ
    ングリコールのブロック及び共重合体の1〜22個の炭
    素を含むアルキルモノエーテル、または1〜22個の炭
    素を含むカルボン酸とプロピレングリコール、エチレン
    グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
    グリコール、エチレン及びプロピレングリコールのブロ
    ック及び共重合体のモノエステル、オクチルフェノー
    ル、ノニルフェノール、及びソルビタンエーテルであ
    り、 R35は、H、ハロゲン、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2、C3H5O
    2R2、C4H5O2R2、NaO(CH3O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2
    であり、 R36及びR37は独立して、ハロゲン、H、1〜約8個の炭
    素原子を含むアルキル基、アクリル基、ビニル基、アセ
    チレン基、ベンジル基、スチリル基、プロピニル基、イ
    ソブチル基、フェニル基、またはn-オクチル基であ
    り、 R2は、ベンジル基、ビニル基または1〜約22個の炭素
    原子を含むアルキル基であり、 R3及びR4は独立して、低級アルキルアルコール、1〜4
    個の炭素原子を含む低級アルコキシ基、1〜約22個の
    炭素原子を含むアルキル基であるか、またはR3及びR4
    共に、モルフォリンまたは環状もしくはヘテロ環状で、
    不飽和もしくは飽和の化学式VIで示される5〜7員環を
    形成する: -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数であり、 R7は環が飽和である場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2C
    H2NH2、NCH2CH2NH3 +、NCH2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N
    +(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリール)、N(ベンジ
    ル)であって、それぞれR8、R9、及びR10は独立して、ベ
    ンジル基、ポリエーテル、1〜4個の炭素原子を含む低
    級アルキルアルコール、1〜4個の炭素原子を含む低級
    アルコキシ基、または1〜約22個の炭素原子を含むア
    ルキル基であり、R7は環が不飽和である場合、CH、N、N
    +H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベンジル)、N-CH
    2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、N+(アリール)-C
    H2-N、またはN+(ベンジル)-CH2-Nであって、該環は1〜
    22個の炭素原子を含むアルキル、エステル、アルデヒ
    ド、カルボン酸、アミド、チオナミド、ニトロ、アミ
    ン、またはハライドで置換されていなくても置換されて
    いてもよい R5は低級アルキルアルコール、CH2C6H5、ポリエーテ
    ル、アルキル基、アルコキシ基、ペルフルオロアルキル
    基、ペルフルオロアルキルスルホン酸、またはペルフル
    オロアルキルカルボン酸であって、アルキル基、アルコ
    キシ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキ
    ルスルホン酸、またはペルフルオロアルキルカルボン酸
    は1〜約22個の炭素原子を含むか、または上述した化
    学式VIの5〜7員環であり、かつY-は、化学式II、II
    I、IVまたはVの化合物の塩を形成するのに適当なアニオ
    ン性の部分である。
  18. 【請求項18】 水性組成物である、請求項17記載の
    組成物。
  19. 【請求項19】 基質を十分な量の請求項1記載の組成
    物と、該基質を処理するのに十分な期間接触させる段階
    を含む、基質の処理方法。
  20. 【請求項20】 基質を染色するのに適当な水溶性染料
    とa)及びb)の混合物から構成された組成物とを含む水
    性組成物に、該基質を染色し処理するのに十分な期間接
    触させる段階を含む、基質の染色及び処理方法: a)化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであっ
    て、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのRは独
    立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞ
    れのXは独立して加水分解可能な官能基である、オルガ
    ノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個以下の介在原子によって分離されている、ポリオー
    ル。
  21. 【請求項21】 食料品を、以下のa)及びb)の混合物
    から構成される製品の有効量と、該食料品を抗菌的に処
    理するのに十分な期間接触させる段階を含む、食料品を
    抗菌的に処理する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランで
    あって、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのR
    は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
    れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗
    菌性オルガノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個以下の介在原子によって分離されている、ポリオー
    ル。
  22. 【請求項22】 ヒトまたは動物の消費製品を収容する
    ために用いられる液体容器を、以下のa)及びb)の混合
    物から構成される有効量の製品に、該容器を抗菌的に被
    覆するのに十分な期間接触させる段階を含む、容器を抗
    菌的に被覆する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランで
    あって、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのR
    は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
    れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗
    菌性オルガノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個以下の介在原子によって分離されている、ポリオー
    ル。
  23. 【請求項23】 ヒトまたは動物の医療行為で用いるた
    めのラテックス医療用品を、a)及びb)の混合物から構
    成される有効量の製品に、該医療用品を抗菌的に被覆す
    るのに十分な期間接触させる段階を含む、ラテックス医
    療用品を抗菌的に被覆する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランで
    あって、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのR
    は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
    れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗
    菌性オルガノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個下の介在原子によって分離されている、ポリオール。
  24. 【請求項24】 医療用品が外科用手袋である、請求項
    22記載の方法。
  25. 【請求項25】 コンクリートパイプ、歯ブラシ、櫛、
    ヘアーブラシ、義歯、歯列矯正用固定装置、温泉または
    プールのフィルター、空気フィルター、HVAC空調システ
    ム、キャビンの空調システム、大理石製品、彫像、人目
    にさらされる美術品、HDPプラスチックカバー、シリコ
    ンまたはテフロン(TEFLON(登録商標))被覆されたガラ
    ス繊維製物品、ドライビット(Dryvitt)仕上げ、スタ
    ッコ仕上げ、混合綿、バイオ-フィルム、バイオ-接着
    剤、単層の屋根、屋根板、紙製品、歯、皮膚、骨、軟
    骨、金属仕上げ、カー仕上げ、及びガラス繊維強化製品
    からなる群より選択された基質を抗菌的に処理する方法
    であって、該基質を、a)及びb)の混合物から構成され
    る有効量の組成物に、該基質を抗菌的に処理するのに十
    分な期間接触させる段階を含む、基質を抗菌的に処理す
    る方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランで
    あって、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのR
    は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
    れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗
    菌性オルガノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個以下の介在原子によって分離されている、ポリオー
    ル。
  26. 【請求項26】 消毒用アルコール、花の保存料、また
    は防水剤溶液を含む製品の抗菌性を高める方法であっ
    て、該製品を、a)及びb)の混合物から構成される有効
    量の組成物と、該製品の抗菌性を高めるのに十分な期間
    混合する段階を含む、製品の抗菌性を高める方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランで
    あって、式中、nは0〜3の整数であり、それぞれのR
    は独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそ
    れぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗
    菌性オルガノシラン b)少なくとも2個の水酸基を含むポリオールであっ
    て、少なくとも2個の該水酸基のうちいずれか2個が2
    個下の介在原子によって分離されている、ポリオール。
  27. 【請求項27】 約0.001〜20%のシロキサンと、少な
    くとも2個の水酸基を含む約0.01〜20%のポリオールと
    を含む安定な組成物であって、少なくとも2個の該水酸
    基のうちいずれか2個が2個下の介在原子によって分離
    されている、組成物。
  28. 【請求項28】 0.1〜10%のシロキサンと、0.1%〜約
    5%の単糖類、二糖類、L-アスコルビン酸、水性グリオ
    キサール、D-グルクロノ-6,3-ラクトン、または0.001%
    〜ゲル化限界までの寒天からなる群より選択されるポリ
    オールとを含む、請求項27記載の組成物。
  29. 【請求項29】 ポリオールが、グルコース、スクロー
    ス、フルクトース、またはマンニトールである、請求項
    27記載の組成物。
  30. 【請求項30】 ポリオールの起源が、コーンシロッ
    プ、メープルシロップ、または蜂蜜である、請求項27
    記載の組成物。
  31. 【請求項31】 請求項27記載の組成物を含む、シャ
    ンプー、ハンド-ローション、日焼けローション、歯磨
    き、カーワックス、家具みがき、靴みがき、革のトリー
    トメント剤、またはガラスのトリートメント剤。
  32. 【請求項32】 化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシ
    ランであって、式中、nは0〜3の整数、好ましくは0
    〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な
    有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立して加水分
    解可能な官能基である、オルガノシランを生成する方法
    であって、3個以下の介在原子によって分離されている
    少なくとも2個の水酸基を含むポリオールが、オルガノ
    シラン合成出発物質から形成されるオルガノシランを安
    定化させるのに十分な有効量で存在する水性溶液中にお
    いて、該オルガノシラン合成出発物質を混合する段階を
    含む、方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060923A1 (fr) * 2000-02-21 2001-08-23 Daikin Industries, Ltd. Composition de resine permettant d'empecher la fixation d'organismes aquatiques ou de substances physiologiques
JP2008163012A (ja) * 2007-01-02 2008-07-17 Resource Development Llc 有機シラン第四級アンモニウム化合物と尿素のクラスレート及び使用方法
JP2009516683A (ja) * 2005-11-21 2009-04-23 リソース ディベラップメント エル.エル.シー. 皮膚障害の治療のためのオルガノシラン第4級化合物及び過酸化水素を含む治療組成物
CN114773898A (zh) * 2022-04-20 2022-07-22 济宁学院 硅烷水解液阻聚剂及其制备方法和应用

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