JP2001510197A - 水安定化オルガノシラン化合物およびその使用 - Google Patents

水安定化オルガノシラン化合物およびその使用

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ホアキン バークナー
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Abstract

(57)【要約】 本組成物は、オルガノシランを有機炭酸塩と混合することによって形成された。水溶性オルガノシラン化合物について開示する。水に安定性の組成物が有機炭酸塩とオルガノシラン組成物と水から形成された。基質を、本発明の生成物、化合物、または組成物と、該基質を処理するのに十分な期間、混合または接触させることにより基質を処理する方法について開示する。処理された基質は本発明に係る生成物、化合物、または組成物に結合されている。基質を染色および処理する方法、食料品を抗菌的に処理する方法、液体容器を抗菌的に被覆する方法、およびラテックス医療用品を抗菌的に被覆する方法についても開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、オルガノシラン化合物、製品、及びそれらを用いる方法に関する。
具体的には、本発明は、さまざまな基質を処理するための水安定性のオルガノシ
ラン化合物、製品及び組成物、その化合物、製品及び組成物で処理された物品、
並びにその化合物、製品及び組成物を用いて処理を行う方法を提供する。
【0002】 背景 一般式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中、nが0〜3の整数、 より一般的には0〜2(nが3である場合、オルガノシランは単に二量化されるだけ である)であり、Rが、限定するわけではないが例えばアルキル基、芳香族置換基
、有機置換基、またはそれらの組み合せなどの加水分解可能な有機官能基であり
、Xがメトキシ基および/またはエトキシ基のようなアルコキシ基であるオルガ ノシランは、商業的にかかわる期間を経て例えば水に不安定なオルガノシランに
なるような自己縮合反応を起こす傾向がある。またXは例えばCl、Br、またはIな
どのハロゲンであってもよく、HCl、HBr、またはHIとして遊離していても同様で
ある。このようなオルガノシラン類では、X部分は水性溶媒中にある種々の水酸 基含有分子と反応することにより、メタノール、エタノール、HCl、HBr、HI、H2 O、酢酸、または非置換型もしくは置換型のカルボン酸を遊離させ、水酸化され ているが縮合しやすい化合物を形成する。
【0003】 オルガノシランRnSiX4-nにおいて、式中、nが0〜2の整数である場合、最初の2
個のX基を水で加水分解すると-Si(OH)2-ユニットを有する化合物が生成される。
この-Si(OH)2-ユニットを有する化合物は、部分構造HO-Si-(O-Si)mm-O-Si-O-Si-
O-Si-OHを有する線状および/または環状のオリゴマーになるように水酸基部分 を介して自己縮合できる。なおmmはオリゴマーが形成されるような整数である。
この場合RSiX3は、第三のX基が加水分解してシラントリオール(RSi(OH)3)を生成
し、これがSi(OH)ユニットの線状および/または環状の自己-縮合反応を起こす ことにより不溶性の有機ケイ素ポリマーが生成される。この水誘導性の自己-縮 合反応により、ほとんどのオルガノシランRnSiX4-n(式中、nは包括的に0〜2であ
る)の水中での貯蔵が一般的に妨げられる。特定のpH範囲で非常に希釈された溶 液中で安定化することのできるいくつかのオルガノシランは別として、ほとんど
のオルガノシランの水溶液を用いる際には、新たに調製された溶液を用いること
が必要である。
【0004】 このような望ましくない自己-縮合反応が起こりやすいオルガノシランの商業 的に関連する一例として、抗菌性のDow Corning 5700(Dow Corning Corporation
, Midland, MI)がある。この文献には、塩化3-(トリメトキシシリル)プロピル- ジメチルオクタデシルアンモニウムとしてのDow Corning 5700の活性成分につい
て記述されている。しかしながら水性媒体中では、正確な活性成分は塩化3-(ト リハイドロキシシリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムである可能
性が高いと考えられている。それにも関わらず、ドウコーニング(Dow Corning)5
700は、繊維やファブリックなどの広く多様な天然の基質及び合成の基質に結合 して耐久性のある表面またはファブリック被膜を形成させることのできる能力を
有する水活性化抗菌性統合システムである。塩化3-(トリメトキシシリル)プロピ
ル-ジメチルオクタデシルアンモニウムは、ジメチルオクタデシルアミンを3-ク ロロプロピルトリメトキシシランを用いて4級化することによって調製される。
【0005】 この分子のC18炭化水素鎖の第4級アンモニウム部位は長期作用型の抗菌特性を
持っており、イオン結合および/または静電気的相互作用によって、まず基質の
表面に会合する。好ましくは処理が施された表面は、共有結合したオクタデシル
アンモニウムイオンで永久的に被膜されるようになり、それにより、その表面に
接触するように到来した細菌を駆除することのできる耐久性の高い、長期作用型
の抗菌性被膜が提供される。
【0006】 残念なことに上述したように、水中のオルガノシラン、例えば塩化3-(トリメ トキシシリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムと水の活性化混合物
は、一般的には不安定で自己-縮合を起こしやすい。例えば塩化3-(トリメトキシ
シリル)プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムと水の混合物は、わずか4 時間から8時間で効果を失い始める。この点においても、また水中の同様のシラ ン製剤においてもゲルの形成は同じくらい短い時間で起こり始める。水性溶媒中
でのこのようなオルガノシランの制限については、米国特許第5,411,585号に詳 細に記載されており、その内容は参照として本明細書に組み入れられる。さらに
このような製品は、水にシランを添加する際の攪拌困難性がよくしられている。
【0007】 先行技術にかかる抗菌性薬物としての第4級アンモニウムシリコン化合物の使 用は周知であり、それは様々な米国特許、例えば第3,560,385号、第3,794,736号
、第3,814,739号に教示されており、これらの米国特許の内容は、参照として本 明細書に組み入れられる。これらの化合物が確かな抗菌特性を持っており、その
性質により該化合物がさまざまな表面、基質、装置及び応用品に貴重であり非常
に有用となることについても教示されている(例えば米国特許第3,730,701号、第
3,794,736号、第3,860,709号、第4,282,366号、第4,504,541号、第4,615,937号 、第4,692,374号、第4,408,996号、及び第4,414,268号を参照のこと。なおこれ らの内容は参照として本明細書に組み入れられる)。これらの第4級アンモニウム
シリコン化合物は多くの表面を殺菌したり消毒したりするために用いられている
が、それらの使用は、その化合物を供給するために用いた溶媒系の結果としてし
ばしば毒性となるため、溶媒溶液が必要であるため(例えばDow Corning抗菌性薬
剤5700は49%をこえるメタノールを含んでいる)、安定な期間が短いため(水性シ
ラン溶液の安定性はほんの数時間から数週間で変化する)、そして水への溶解度 が小さいために今でも制限を受けている。例えば塩化3-(トリメトキシシリル)プ
ロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムは水に不溶性ではないものの水に不 安定であると同時に、水に溶解することは困難であり、ゆっくりと溶ける前に塊
を形成する傾向にある。それは塩化3-(トリメトキシシリル)プロピル-ジメチル オクタデシルアンモニウムが50%のメタノール中で運搬され、過度に毒性および
可燃性を有するためである。また、多くの他の抗菌性オルガノシラン、特に第4 級アンモニウムシリコン化合物は、身体的健康を害することにかかわる問題、例
えば皮膚と目の両方に接触するのを防止するために予防措置をとらなくてはなら
ないという問題や、周辺領域に偶然にもまき散らしてしまうこと、可燃性がある
こと、及び他の物品や表面にこのような抗菌性薬剤を導入するためにさらなる製
造段階が必要となり、結果として製造コストが非常に高くなってしまうことにか
かわる問題も持っている。
【0008】 したがって、貯蔵寿命が長く水-安定性のオルガノシラン化合物、製品及び組 成物に対する必要性が存在し、それによって適用するにあたって、オルガノシラ
ンの活性部分が選択された適用に対して機能的に作用する。また、水-安定性の オルガノシラン化合物、製品及び組成物に対する必要性も存在し、それは本質的
に非毒性、非可燃性、均一の分散性、及び使用する際に簡便でかつ経済的である
【0009】 本質的に非毒性または低毒性で、不燃性で、均一に分散可能で、使用が簡単且
つ経済的で、水でさらに希釈したとき水中で安定である高濃縮オルガノシラン組
成物の必要性も存在する。
【0010】 本願において、本発明者らは少なくとも1つの炭酸塩基を有する化合物はオル ガノシラン水溶液を安定させるという所見を開示する。本発明による有用な炭酸
塩の典型的な例は炭酸プロピレンである。
【0011】 発明の簡単な概要 本発明は、水-安定性のオルガノシラン化合物、製品(即ち、特定の反応を進行
させて形成した化合物または組成物)及び組成物、それらの使用方法、並びにそ の化合物、製品、及び組成物を用いて調製された物品を提供することによってこ
れらの要求を満たす。
【0012】 具体的には、本発明は、化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、
式中、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解
不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基 であるオルガノシラン(以下「目的のオルガノシラン」)と、有機炭酸塩、好まし
くは炭酸プロピレンと混合することにより形成される製品を提供する。したがっ
て、少なくとも2個の水酸基を有するアルコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖類 、多糖類を含む炭水化物、例えばグラフト型及びブロック型炭水化物共重合体、
部分的にアルキル化、部分的にアシル化または部分的にアセチル化された炭水化
物などの修飾された炭水化物、炭水化物の酸化生成物(例えば、グルクロン酸、 ムチン酸)、還元された炭水化物、及び置換された炭水化物(例えば、ヌクレオシ
ド、ヌクレオチド、核酸)が本発明に係る有用な全てのポリオールである。
【0013】 したがって一つの態様において本発明は、本発明の製品または本発明の組成物
と水とを含む水-安定性の組成物を提供する。
【0014】 別の態様において本発明は、担体と、有効量の本発明の製品または化合物とを
含む、基質を処理するための組成物を提供する。
【0015】 さらに別の態様において、本発明は、基質を、本発明の製品、化合物または組
成物の十分な量と、該基質を処理するのに十分な期間混合する段階を含む、基質
を処理する方法を提供する。
【0016】 さらに別の態様において、本発明は基質中に組み入れることによって基質を処
理する組成物を提供する。
【0017】 さらに別の態様において、本発明はポリマー骨格に組み入れることによって基
質を処理する組成物を提供する。
【0018】 さらに別の態様において、本発明は、容易に水で希釈されて、水に安定な組成
物となる濃縮溶液としての組成物を提供する。
【0019】 さらに別の態様において、本発明は、本発明が含む化合物の合成生成物である
濃縮溶液としての組成物を提供する。
【0020】 別の態様において本発明は、本発明の製品、化合物または組成物に付着させた
またはその中に分散させた処理の施された基質を提供する。
【0021】 また本発明は、基質を染色し処理を行う方法であって、基質を染色するのに適
当な水溶性染料と、目的のオルガノシランおよび有機炭酸塩の混合物から構成さ
れる製品とを含む水性組成物に、該基質を接触させる段階を含む方法を提供する
【0022】 本発明の更に別の態様は、コンクリートパイプ、歯ブラシ、食料品、液体容器
、ラテックス医療用品、手袋、靴、櫛、ヘアーブラシ、義歯、歯列矯正用固定装
置、温泉またはプールのフィルター、空気フィルター、HNAC空調システム、キャ
ビンの空調システム、大理石製品、彫像、人目にさらされる美術品、PE、PPまた
はポリエステルプラスチックカバー、シリコンまたはテフロン(TEFLON:登録商 標)被覆されたガラス繊維製物品、ドライビット(Dryvitt)仕上げ、スタッコ仕上
げ、混合綿、バイオ-フィルム、バイオ-接着剤、単層の屋根、屋根板、及びガラ
ス繊維強化製品からなる群より選択される基質を抗菌的に処理する方法であって
、基質を、目的の抗菌性オルガノシランと有機炭酸塩との混合物から構成される
有効量の製品と接触させる段階を含む方法を提供する。
【0023】 また更に本発明は、消毒用アルコール、花の保存料、または防水剤溶液を含む
製品の抗菌性を高める方法であって、製品を、目的の抗菌性オルガノシランと有
機炭酸塩との混合物から構成される有効量の製品と混合する段階を含む方法を提
供する。
【0024】 本発明の別の態様は、目的のオルガノシランを、有機炭酸塩が存在する水性溶
液中において、出発物質から合成する方法である。
【0025】 本発明のその他の利点は、以下の説明に部分的に列挙されており、その説明か
ら部分的に明白となると思われ、本発明の方法で実施することによって習得する
こともできる。本発明の利点は、添付の請求の範囲で特に指摘される要素及び組
み合せを含む手段によって認識されるものであり、得られるものである。前述し
た概略の説明も後述の詳細な説明も共に、例示及び説明にすぎず、請求の範囲の
ように本発明を限定しないことを理解すべきである。
【0026】 発明の詳細な開示 本発明は、本発明の好ましい態様についての以下の詳細な説明を参照すること
によって容易に理解することができる。
【0027】 本発明の化合物、製品、組成物、および方法を開示しかつ説明する前に、本明
細書で用いられる用語は、特定の態様を説明する目的のみのものであって、それ
に限定されるものではないことを理解すべきである。ある単語の定義によりカバ
ーされる事項は、いくつかの場合において、他の単語になりうることもまた理解
されることである。
【0028】 本明細書を通して刊行物が引用されているが、それらの刊行物の記載全体は、
本明細書に参照として組み入れられる。
【0029】 本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、分枝していてもよいし分枝
していなくてもよいが、例えばメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n-プロピル、
イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、オクチル、デシル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどの、1〜24個の炭素原子を 含む飽和の炭化水素官能基を意味する。
【0030】 本明細書で用いられる「アルキルアルコール」とは、1個またはそれ以上の水 酸基部位が結合しているアルキルを意味し、例えば、これらに限定するわけでは
ないが、-CH2CH2OH、CH2CH(OH)CH3、CH2OH、CH2CH2CH2OH、CH2CH2CH(OH)CH3、CH 2 CH2CH(OH)CH2OH、またはCH2CH(OH)CH(OH)CH3である。
【0031】 本明細書で用いられる「アルコキシ」という用語は、1個の末端がエーテル結 合によって結合したアルキル基を意味し、即ち「アルコキシ」基は、Rが上記で 定義したようなアルキルである場合、-ORと定義することができうる。
【0032】 本明細書において使用される「グリコール」とは、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコールまたはヘキシ
レングリコールを含むがこれらに限定されないグリコール化合物を意味する。
【0033】 本明細書において使用される「ポリグリコール」とは、ポリエチレングリコー
ルまたはポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されないグリコー
ルのポリマー形態をとる化合物または部分をいう。ポリグリコールは、例えば、
エチレングリコールおよびプロピレングリコールのブロックおよびコポリマーも
含む。本発明に有用なポリグリコールは約10,000g/モル以下の平均分子量を有 してもよい。
【0034】 「ポリアルキルエーテル」とは、複数のエーテル結合によって結合された、ま
たは複数のエーテル結合を有するアルキルまたはアルキルアルコールを指す。本
発明に有用なポリアルキルエーテルは約10,000g/モル以下の平均分子量を有し てもよい。
【0035】 本明細書で用いられる「アルキルグリコール」とは、エーテル結合によりグリ
コールに結合されたアルキルを指す。アルキルグリコールの一つの例として、ブ
チルグリコールが含まれるがこれに限定はされない。
【0036】 本明細書で用いられる「アルキルポリグリコール」とは、エーテル結合により
ポリグリコールに結合されたアルキルを意味する。本発明に有用なアルキルポリ
グリコール化合物は、最大約10,000g/molの平均分子量を有する。
【0037】 本明細書で用いられる「任意の」または「選択的に」とは、それに続いて記載
された事象または状況が起こってもよいし起こらなくてもよいこと、およびその
記載には該事象または状況が起こっている例と起こらなかった例とが含まれるこ
とを意味する。例えば、「選択的に置換された低級アルキル」という語句は、低
級アルキル基が置換されていてもよいし置換されていなくてもよいこと、および
その記載には置換されていない低級アルキル基と置換が起こっている低級アルキ
ル基との両方が含まれることを意味する。
【0038】 本明細書で提供された化合物、製品、または組成物の「有効量」という用語は
、望ましい結果を得るための化合物、製品、または組成物の十分な量を意味する
。以下に指摘するように、必要とされる正確な量は基質ごとに異なり、それは用
いられる特定の化合物、製品または組成物、投与の形態などに応じて変わる。特
に量または濃度は通常ある範囲をもって効果をあらわすことから、このように正
確な「有効量」を特定することは、必ずしも可能ではない。しかしながら適切な
有効量は、最適化の問題として日常的に行われている実験だけを用いて決定する
ことができると考えられる。
【0039】 「環状の」という用語は、不飽和であっても飽和であってもよいが、1個また はそれ以上の閉じた環を有する全ての脂肪族または芳香族の炭化水素を指すのに
用いられる。好ましくは環状化合物は5〜7個の原子、好ましくは6個の炭素原子 を含む環を有する。このような環は3つのクラスに分類される:即ち、脂環式、 芳香族(「アレン」)、及びヘテロ環である。また、環状の化合物または部分に関
して用いる場合、「不飽和」という用語は、少なくとも一つの二重結合もしくは
三重結合を有するような該化合物もしくは部分を意味するか、または芳香族の化
合物または部分を構成する化合物または部分を意味する。さらに「飽和」という
用語は、環の中に二重結合または三重結合を有していない化合物または部分を意
味しており、即ちこの場合は、原子、特に炭素原子の全ての有効な原子価結合が
別の原子に結合している。
【0040】 「ヘテロ環状」という用語は、これらに限定するわけではないが、O、N、また
はSなどのヘテロ原子で、環の一個またはそれ以上の炭素原子が置換されている ような環状の化合物または部分を意味する。
【0041】 本明細書では、「アリール」および「芳香族」という用語は交換可能に用いら
れ、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどを特徴とする単
環または多重(多)環構造を有する分子である化合物または部分を意味する。アリ
ールまたは芳香族の例には、フェニル、ベンジル、ナフチル、ベンジリジン、キ
シリル、スチレン、スチリル、フェネチル、フェニレン、ベンゼントリールなど
があるがこれらに限定されるわけではない。
【0042】 本明細書では、「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」という用語は交換
可能に用いられ、これらに限定するわけではないが、O、N、またはSなどのヘテ ロ原子で、環の一個またはそれ以上の炭素原子が置換されているようなアリール
を意味する。
【0043】 本明細書において使用される「環状アルコール」という用語は、1つ以上のヒ ドロキシ部分で置換された環状分子を意味する。例には、フェノールおよびシク
ロヘキサノールが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】 本明細書で用いられるように、特にアルキル及びアルコキシに関しては、「低
級」という用語は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する部
分を意味する。
【0045】 本明細書で用いられるように、「適当な」という用語は、その状況の目的のた
めに本明細書で提供されたような化合物、製品、または組成物と相溶性の部分を
指すために用いられる。この状況の目的のための適当な点は、単に日常的な実験
のみを用いて当業者によって決定することができる。
【0046】 本明細書で用いたように「置換された」とは一般的に、除去して、別の部分で
置き換えられた水素原子または他の原子を有する炭素または適当なヘテロ原子を
指すために用いられる。一つの態様において、ハロゲン、水酸基、及び窒素が基
礎となる炭化水素の水素の置換体は、請求の範囲に記載された構造として本発明
の範囲に含まれると考えられる。また「置換された」とは、本発明の基礎となる
化合物、製品または組成物の基本的かつ新規な有用性を変化させることのない置
換を意味する。「置換されていない」とは、言及している原子が、その原子に結
合したさらに別の部位またはその原子に変わって置換された別の部位を持ってい
ない構造を意味する。
【0047】 本明細書で用いられる「分枝した」とは一般的に、炭素鎖のバックボーンであ
る、例えばアルキル基またはアルコキシ基を有する部分であって、そのバックボ
ーンが1個またはそれ以上の下位の炭素鎖を含む枝を有しているものを意味する 。例えば、イソブチル、t-ブチル、イソプロピル、CH2CH2C(CH3)(H)CH2CH3、CH2 C(CH2CH3)(H)CH2CH3、CH2CH2C(CH3)CH3、及びCH2CH2C(CH3)3はすべて分枝した部
分であると考えられる。さらに本明細書に記載されている、部分の「分枝した」
変異体とは、本発明の基礎となる化合物、製品または組成物の基本的かつ新規な
有用性を変化させない変異体を意味するものとする。「分枝していない」とは、
炭素鎖が何ら枝を有しておらず、即ち炭素鎖が一本の直線状に延びている構造を
意味する。
【0048】 本明細書において使用される「アシル」という用語は、式RCO(式中、Rは有機 分子である)の有機酸誘導部分を意味する。Cの遊離原子価は他の基または原子に
結合するために使用される。
【0049】 本明細書において使用される「アシルオキシ」という用語は、式RCOX(式中、R
は有機分子であり、Xはヒドロキシではなく、別の基または原子に結合される酸 素である)の有機酸誘導部分を指す。
【0050】 本明細書で用いられる「ペルフルオロ」または「ペルフルオロ-アナログ」と は、炭素に結合した水素原子がF原子で置き換えられている炭化水素を意味する 。好ましくは、必須ではないが、ペルフルオロアナログでは、H原子の全てでな ければほとんどがF原子で置き換えられている。「フルオロ」アナログは、炭素 に結合している少なくとも一つの水素原子がF原子で置き換えられている炭化水 素を示すものとする。
【0051】 本明細書で用いられる「基質」とは、本発明の化合物、好ましくは「使用」の
項で下記に列挙されているような化合物、実施例に記載されているような化合物
、および添付の請求の範囲で特定されているような化合物を用いて処理すること
のできる物品、製品、または表面を意味する。適当な基質は一般的に、酸素原子
の負に荷電した表面、即ち本発明の化合物、製品、または組成物に静電気で、イ
オン結合で、もしくは共有結合で付着もしくは結合することのできる表面をむし
ろ持っていることに特徴がある。付着または結合は好ましくは、本発明の化合物
、製品、または組成物のオルガノシラン部位のシリコン原子で起こるが、このよ
うな結合は必要条件ではない。「基質」はまた、本発明の化合物および/または
組成物を組み入れることによって処理される材料を意味する。本発明の場合の組
み入れは、混和および混合する段階を含み、材料の一部、すなわちポリマー骨格
およびセメントとなることによって組み入れることを含む。したがって本明細書
で用いられる「付着」という用語は、基質への化合物、製品または組成物の、イ
オン結合、共有結合、静電気的結合、または他の化学的結合を意味する。
【0052】 本明細書で用いられる「抗菌性を高める」とは、本発明の化合物、製品、また
は組成物の利用方法を意味し、好ましくはオルガノシランが抗菌活性を持ってい
て、他の成分、表面活性剤、充填剤、湿潤剤、顔料、染料、抗移動剤(antimigra
nts)などと一緒にすることによって、その他の成分に基づいた当初の目的を果た
すことができるとともに、特別な用途の際にも抗菌保護作用を提供することがで
きる組成物または溶液が生成される利用方法である。「高める」という用語は、
そのような活性が既に存在しない組成物または溶液に抗菌活性を添加すること、
または本来抗菌活性を有する元の組成物もしくは溶液において抗菌活性を増強さ
せることを意味する。
【0053】 本明細書で用いられる「加水分解可能な」とは、水性溶媒または他の適当な溶
媒中でその部分が加水分解すること(即ち、分子または部分が二個またはそれ以 上の新しい分子または部分に分解すること)が可能であるか、または加水分解し やすいことを意味する。逆に、「加水分解不可能な」とは、水性溶媒または他の
適当な溶媒中で加水分解しやすくない部分または加水分解できない部分を意味す
る。
【0054】 本明細書で用いられる「カチオン性」とは、正に荷電した化合物、イオンまた
は部分を指すのに用いられる。また「アニオン性」とは、負に荷電した化合物、
イオンまたは部分を指すのに用いられる。さらに「一価」及び「二価」とは、そ
れぞれ1または2の価数を有する部分を指すのに用いられる。本明細書で用いられ
る「塩」という用語は、「酸の水素イオンのすべてまたは一部を、塩基の1個ま たはそれ以上のカチオンと交換することによって形成される化合物」と一般的に
定義される意味で用いられることを意味する。例えば[American Heritage Dicti
onary, Definition of "Salt" (1981)]を参照のこと。したがって本発明にとっ て適当な塩は、部分の水素イオンを、K+、Na+、Ca2+、Mg2+などのカチオンと交 換することによって形成されると考えられる。さらに、塩を生成する他の適当な
方法は本明細書を通して記載されており、それは本発明の請求の範囲内に含まれ
る。本発明の目的にとっては、塩を形成するために用いられるカチオンの特定の
同一性は、塩が形成されるアニオンの化学構造よりも重要度が低い。
【0055】 本明細書で用いられる「食料品」とは、肉類、フルーツ及び野菜などの腐敗し
やすい食品または腐敗しやすくない食品を意味し、また穀物や乳製品などの他の
食品を意味する。好ましい態様において、本明細書で言及する食料品は、腐敗し
やすかったり、細菌や他の病原菌にさらされて損傷をうけやすかったりする食料
品である。また、「消費製品」とは、食料品、飲物、経口投与の医薬品、または
ヒトもしくは動物に何らかの手段で体内に導入される他の製品を指すことを意味
する。
【0056】 本明細書で用いられる「抗菌性の」という用語は、細菌、ウイルス、原生動物
、カビ、または損傷や感染を生じさせる可能性のあるその他の微生物などの微生
物の生育、拡張、形成またはその他の生気を抑制したり減少させたりすることの
できる記載された化合物、製品、組成物または物品の性質を指す一般的な意味で
用いられる。
【0057】 本明細書で用いられる「医療用品」という用語は、医療患者(ヒトまたは動物)
、医療介護従事者、体液、もしくは病院、クリニック、医者の事務所などと一般
的に関連して起こる汚染や感染のその他の原因と接触しているか、またはそれら
と接触することになる適当な基質を指すのに用いられる。
【0058】 本明細書で用いられる「安定化剤」という用語は、炭酸塩を指すのに用いられ
る。このような化合物は本発明のオルガノシランを、得られる化合物及び製品の
自己-縮合またはその他の不活性化を抑制することにより、安定化できることが 判明しており、輸送、水による希釈、および水中における安定化を単純化する。
【0059】 これらの定義を踏まえて本発明は、化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン
であって、式中、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立し
て加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立して加水分解可 能な官能基であるオルガノシランと、有機炭酸塩との混合物から形成される製品
を提供する。
【0060】 より好ましくは、上述した産物において、nは0〜2の整数、好ましくは1であり
、それぞれのRは独立して、アルキル基、好ましくは分枝していてもよいし分枝 していなくてもよく、置換されていてもよいし置換されていなくてもよい1〜22 個の炭素原子を含むアルキル基、より好ましくは1〜6個の炭素原子または10〜20
個の炭素原子を含むアルキル基、最も好ましくは1〜4個の炭素原子または14〜18
個の炭素原子を含むアルキル基であるか、または同じ炭素長、分枝、および置換
のアルキルアルコール基であるか、またはベンジル基やフェニル基などの芳香族
官能基であって、それぞれのXは独立して水酸基、アルコキシ基、ハロゲン(例え
ばCl、Br、I、またはFであるがこれらに限定されるわけではない)、アセチル基 、アセトキシ基、アシル基、アシルオキシ基、水酸化された固体状もしくは液体
状の重合部分、ポリグリコールまたはポリアルキルエーテルであり、かつ本発明
に係る炭酸塩安定化剤は、下記の式IaおよびIbによってあらわされる: (式中、各Rは、独立に、 炭素原子数1〜24のアルキル、 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコール、ペンチルグリ
コール、ヘキシルグリコール、炭素原子数2〜24のアルキルグリコール、 各々炭素原子数3〜8の環サイズで、さらにヘテロ環に任意の数および組み合わせ
のN、O、Sを炭素原子の代わりに有する芳香族、ヘテロ芳香族、飽和および不飽 和脂環式分子、 アルキルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エ
チレンとプロピレングリコールのブロックおよびコポリマー並びに エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコール、ペンチルグリ
コール、ヘキシルグリコール、炭素原子数2〜24のアルキルグリコールのブロッ クおよびコポリマー、 炭素原子3〜24のアルキルトリオール、炭素原子4〜24のアルキルテトロールおよ
び炭素原子5〜24のアルキルペントールおよび炭素原子数6〜24のアルキルヘキソ
ール 各々炭素原子数3〜8の環サイズで、さらにヘテロ環に任意の数および組み合わせ
のN、O、Sを炭素原子の代わりに有し、環状アルコール上に1〜6個の水酸基を有 し、環上にxが0から3の整数である(R3)x(R3は、独立に、炭素原子数1〜24の(OH) y (式中、yは0〜6の整数である)置換アルキルである)による置換を有する芳香族 アルコール、ヘテロ芳香族アルコール、飽和および不飽和脂環式アルコールであ
る)。
【0061】 炭酸塩の分子量は約10,000グラム/モル平均分子量以下である。
【0062】 本発明の更に別の態様において、本発明は、オルガノシランが次の化学式II、
III、IV、またはVで表される、前記の製品を提供する: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、それぞれのR1は独立して、ハロゲンまたはR6Oであり、R6はH、1〜約24個 の炭素原子を含むアルキル基、アセチル基、アセトキシ基、アシル基、アシルオ
キシ基、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール
、ポリプロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコールのブロック及
び共重合体、もしくは下記の1〜24個の炭素を含むアルキルモノエーテル:プロ ピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、エチレン及びプロピレングリコールのブロック及び共重合体;
または1〜24個の炭素を含む炭酸と、下記の少なくとも一つとのブロック及び共 重合体のモノエステル:プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン及びプロピレングリコー
ル;ソルビタンエステルおよびそのエーテル;オクチルフェノールおよびノニル
フェノール並びにそれらのエーテルのような、1〜24個の炭素を含むアルキルに よって置換されたフェノール性化合物であり; R35は、R6、H、ハロゲン(例えばCl、Br、F、またはI)、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2
C3H5O2R2、C4H5O2R2、NaO(CH3O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2であり; R36及びR37は独立して、R35、ハロゲン、H、1〜約4個の炭素原子、より好ましく
は1〜2個の炭素原子を含むアルキル基、イソブチル基、フェニル基、またはn-オ
クチル基であり; R2は、R6、ベンジル基、ビニル基またはアルキル基であり; R3及びR4は独立して、R35、1〜24個の炭素原子、好ましくは1〜約10個の炭素原 子を含むアルキルアルコール、アルコキシ基、アルキル基、より好ましくは1〜4
個の炭素原子を含むアルキル基、またはより好ましくは1〜2個の炭素原子を含む
アルキルであり; R3及びR4は共に、モルフォリンまたは環状もしくはヘテロ環状で、不飽和または
飽和の、下記の化学式VIで示される5〜7員環を形成する: -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数、好ましくは0〜1、最も好ましくは1であり、 R7は環が飽和である場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NC
H2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリール)、N(ベン
ジル)であって、それぞれのR8、R9、及びR10は独立して、ベンジル基、R37、好 ましくは1〜4個の炭素原子を含むポリグリコール、好ましくは1〜4個の炭素原子
を含むアルキルアルコール、好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基、
または1〜24個の炭素原子、好ましくは1〜約10個の炭素原子を含むアルキル基で
あり、かつ上記に記載した「アルキル」とは1〜3個の炭素原子を含み、「アリー
ル」とは最も好ましくはフェニルまたはベンジルであり、R7は環が不飽和である
場合、CH、N、N+H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベンジル)、N-CH2-N、N+H
-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、またはN+(ベンジル)-CH2-Nであって、アルキル、
アリール、またはベンジルは上記に記載したとおりであり、環は1〜24個の炭素 原子を含むアルキル、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含むアルキル、最も 好ましくは1〜3個の炭素原子を含むアルキル、エステル、アルデヒド、カルボン
酸(好ましくは、アセトキシ、アセチル、アシル、アシルオキシ、またはペルフ ルオロカルボン酸)、アミド、チオナミド、ニトロ、アミン、またはハライド、 最も好ましくはCl、Br、またはIである。または、式VIによって示される環は、 独立に、R3またはR4である。式VIの環構造の一部である式IIもしくはIIIの窒素 はCHもしくはCH2によって置換されるか、または正電荷を除去することによって 水素もしくは炭素原子数1〜約24のアルキル置換基で飽和される。この環は、構 造の任意の1つの水素を除去し、水素を失った原子にIIまたはIIIの窒素を結合す
ることによって構造IIまたはIIIの窒素に結合される。 R5は低級アルキルアルコール、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1 〜4個の炭素原子を有する低級アルキルアルコール、CH2C6H5、例えばポリエチレ
ングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、1〜22個の炭 素原子を含むアルキル基、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含むアルキル基 、最も好ましくは1〜6個の炭素原子を含むアルキル基、1〜22個の炭素原子を含 むアルコキシ基、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含むアルコキシ基、最も 好ましくは1〜6個の炭素原子を含むアルコキシ基、1〜22個の炭素原子を含むペ ルフルオロアルキル基、より好ましくは1〜10個の炭素原子を含むペルフルオロ アルキル基、最も好ましくは1〜6個の炭素原子を含むペルフルオロアルキル基、
1〜22個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルスルホン酸塩、より好ましくは1
〜10個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルスルホン酸塩、最も好ましくは1 〜6個の炭素原子を含むペルフルオロアルキルスルホン酸塩、もしくはペルフル オロアルキルカルボン酸塩であるか、または上述した化学式VIの5〜7員環であり
、かつY-は、化学式II、III、IVまたはVの化合物の塩を形成するのに適当なアニ
オン性の部分である。
【0063】 本発明は、炭酸塩とともに混合された水および目的のオルガノシランを含む水
安定性の組成物を提供する。
【0064】 本発明は、担体と本明細書に記載したような、目的のオルガノシラン及び炭酸
塩の有効量を含む、基質を処理するための組成物を提供する。担体は水でもよく
、またはさらに別の態様において、担体は水ではないものである。
【0065】 さらに本発明はまた、下記の化学式II、III、IV、およびVに関して実質的に前
述したのと同じ化学式II、III、IV、またはVのオルガノシランと、上記の本発明
に係る炭酸塩安定化剤との混合物から得られる製品も提供する。 (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V)
【0066】 さらに本発明はまた、基質を処理する方法であって、基質を、上記に記載した
組成物の十分量と、該基質を処理するのに十分な期間接触させる段階を含む方法
を提供する。さらに別の態様において本発明は、基質を、上記に記載した化合物
の十分量と、該基質を処理するのに十分な期間接触させる段階を含む、基質を処
理する方法を提供する。
【0067】 また本発明は、上述したようなオルガノシランと炭酸塩とを接触させることに
よって生成した製品に付着させた、処理された基質を提供する。また本発明は、
上述したようなオルガノシランと炭酸塩とを接触させることによって生成された
化合物に付着させた、処理された基質を提供する。
【0068】 さらにもう一つの態様において、本発明は基質を染色し処理する方法であって
、基質を、その基質を染色するのに適当な水溶性染料と、オルガノシランと有機
炭酸塩との混合物から構成された製品とを含む水性(即ち実質的に水溶性の)組成
物に、該基質を染色し処理するのに十分な期間接触させる段階を含む方法を提供
する。
【0069】 本発明の更に別の態様は、コンクリートパイプ、食料品、液体容器、手袋、シ
ャワーカーテン、シャワードア、ラテックス医療用品、歯ブラシ、櫛、ヘアーブ
ラシ、義歯、歯列矯正用固定装置、温泉またはプールのフィルター、空気フィル
ター、HVAC空調システム、キャビンの空調システム、大理石製品、彫像、人目に
さらされる美術品、PP、PE、またはポリエステルプラスチックカバー、シリコン
またはテフロン(TEFLON:登録商標)被覆されたガラス繊維製物品、ドライビット
(Dryvitt)仕上げ、スタッコ仕上げ、混合綿、バイオ-フィルム、バイオ-接着剤 、単層の屋根、屋根板、及びガラス繊維強化製品からなる群より選択される基質
を抗菌的に処理する方法であって、基質を、目的の抗菌性オルガノシランと、有
機炭酸塩との混合物から構成された有効量の製品に接触させる段階を含む方法を
提供する。
【0070】 本発明のさらにまたもう一つの態様は、、消毒用アルコール、花の保存料、ま
たは防水剤溶液を含む製品の抗菌性を高める方法であって、製品を、目的の抗菌
性オルガノシランと、有機炭酸塩との混合物から構成された有効量の製品に混合
する段階を含む方法も提供する。
【0071】 本発明は、水-安定性および可溶性のオルガノシラン化合物、製品及び組成物 、それらの使用方法、並びにその化合物、製品、及び組成物を用いて調製された
物品を提供する。特に本発明は、一般式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであ
って、式中、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、Rは独立して加水分解不可
能な有機官能基であって例えばこれらに限定するわけではないが、アルキル基、
芳香族、有機置換基、またはそれらの組み合せであり、かつXはハロゲン、例え ばこれらに限定するわけではないがCl、Br、もしくはIであるか、またはXは水酸
基、例えばメトキシ基もしくはエトキシ基のようなアルコキシ基、アセトキ基、
または置換されていないか置換されているアシル基またはアシルオキシである、
多様なオルガノシランを安定化するのに有用である。このようなオルガノシラン
では、Xは種々の水酸基含有分子と反応しやすい。
【0072】 更に進んだ態様において、本発明は炭酸塩を溶媒として用いる。このシランお
よび炭酸塩の混合物は安定である。この炭酸塩シラン混合物は、メタノール混合
物より可燃性が低いことが多く、多くのメタノール中のシランよりも水に溶解し
やすい。
【0073】 また、安定化剤が十分に水-溶解性でない場合には、非水性溶媒中でその安定 化剤とオルガノシランとを混合することによってより高い安定性が達成できる。
このような別法の調製液では、残っている溶媒(例えばメタノール)を蒸留、凍結
-乾燥、エバポレート、または有機溶媒を除去したり蒸発させたりするための当 技術分野で既知の他の方法によって遊離させる。本発明の炭酸塩は、それ自体で
は水にほとんど溶解しないため、水中でのオルガノシラン安定化効果はオルガノ
シランを例えば炭水化物と水中で混合し、続いて濾過することによってさらに高
めることができる。
【0074】 この溶液は数日間〜数週間といった長い期間安定である。45%までのシランの
水性シランストック溶液は本明細書に開示された炭酸塩によって安定化すること
ができるが、本明細書に開示された安定化剤の安定化効果がストック溶液で必要
とされる高いシラン濃度によってほとんど攻撃されない場合、作用するシラン濃
度が0.001〜10%のシランとなってしまうことも認識されると思われる。本発明 の溶液の安定性には酸性pHが好ましいようであるが、必要なわけではない。
【0075】 本発明の溶液はある好ましい態様において、産業上の使用及び家庭での使用の
際に、毒性および/または可燃性の有機溶媒を用いることなく、表面にさまざま
なオルガノシランカップリング試薬を適用するのに有用である。当業者は上記の
調製段階が単に指針に過ぎないこと、また当業者であれば過度の実験を行うこと
なく本発明の基本的かつ新規な特徴を逸脱せずにオルガノシランとポリオールと
を接触または混合するためのパラメータを変えたり、また反応物および出発物質
の導入順序を変えたりしてこの組成物を調製できることが認識されると思われる
【0076】 シラン類 本発明は、一般式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、
好ましくは0〜2であり、Rは加水分解不可能な有機官能基(アルキル基、芳香族、
有機置換基またはそれらの組み合せ)であり、かつXは水酸基、アルコキシ基、好
ましくはメトキシ基もしくはエトキシ基、ハロゲン、好ましくはCl、Br、もしく
はI、アセトキシ基、アシル基もしくは置換されたアシル基、アシルオキシ基、 または加水分解しやすい、および/もしくは環境の害をうけやすい加水分解可能
なポリマーもしくは他の部分である)を安定化するのに有用である。
【0077】 本発明を実施するにあたって用いられるオルガノシランは、水溶性である必要
はなく、水溶性でないことがしばしばある。本発明で利用するために選択される
オルガノシランは、安定化剤及び調製方法を変えることによって、安定化剤によ
り水に可溶化される。
【0078】 非常に多くの技術的に知られたオルガノシランは、水-安定化された化合物、 製品及び組成物を生成する本発明の安定化段階に適当である。米国特許第5,411,
585号、第5,064,613号、第5,145,592号、及び「DCシランカップリング試薬の手 引き(A Guide to DC Silane Coupling Agent)」 (Dow Corning, 1990)と題され た刊行物には、たくさんの適当なオルガノシランが開示されている。これらの文
献の内容は、適当なオルガノシランを教示するための参照として本明細書にその
全体が組み入れられる。これらのオルガノシランは、本発明にかかる水-安定化 オルガノシラン化合物、製品及び組成物を含む製剤をするために適当である。ま
た米国特許第4,390,712号の記載は、水性溶媒中におけるシロキサンの合成につ いて教示するための参照として本明細書に組み入れられる。本発明の開示により
当業者には、米国特許第4,390,712号の水性シロキサン合成法が、本明細書で定 義したような炭酸塩安定化剤の存在下でシロキサンの合成を行うことによって効
果的に修飾され、それによって4,390,712号特許で記されている水性溶媒中での シロキサン形成速度が大きいという利点を備えたまま、安定化されたシロキサン
-水組成物が形成されることが認識されると思われる。したがって本発明の更な る態様は、化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシラン(式中、nは0〜3の整数、好
ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であ り、かつそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である)を、炭酸塩がその
反応物から形成されるオルガノシランを安定化するために十分な有効量で存在す
る水性溶液中において、出発物質から作成するための方法である。本願において
、本発明者らは少なくとも1つの炭酸塩基を有する化合物はオルガノシラン水溶 液を安定させるという所見を開示する。本発明に係る有用な炭酸塩の典型的な例
は有機炭酸塩を有する炭酸プロピレンである。
【0079】 本発明の化合物、製品および組成物、ならびに方法で用いられる好ましいシラ
ンには、次の化学式で表されるシランが含まれる: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- または (R1)3SiR2N+C5H5Y- 式中、それぞれのR1は独立して、ハロゲン[Cl、Br、I、F]またはR6Oであり、R 6 はH、1個〜約6個の炭素原子を含み不飽和もしくは飽和のアルキル基であって、
好ましくは1個〜約2個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子のアルキル基 、またはアセチル-もしくは置換されたアシル基を含む他のアシル基およびアシ ルオキシ基であるか、またはR6Oは水の溶解度とは関係なく水酸化されたポリマ ー、水酸化された液体、もしくは水酸化された固体に由来するか、またはR6O-は
ポリグリコールから誘導することができるものであって、限定するわけではない
が例えばポリエチレングリコール、もしくは例えばポリ(プロピレングリコール)
トリオール(グリセロールプロポキシレート)のようなポリプロピレングリコール
であり、 R2は、置換されていなくてもよいし置換されていてもよいベンジル基、または置
換されていなくてもよいし置換されていてもよい1個〜約3個の炭素原子を含むア
ルキル基であり、好ましくは1個から3個の炭素原子を含むアルキル基であり、 R3及びR4は独立して、1〜4個の炭素原子を含む低級アルコキシ基、好ましくは2 個の炭素原子を含むアルコキシ基であって、例えばCH2CH2OH、CH2CH(OH)CH3であ
るか、1個〜約22個の炭素原子を含むアルキル基、好ましくは1個〜約10個の炭素
原子を含むアルキル基、最も好ましくは1個〜2個の炭素原子を含むアルキル基で
あるか、またはR3及びR4は共に、モルフォリンまたは環状もしくはその他のヘテ
ロ環状で、不飽和もしくは飽和の、下記の化学式で示される5〜7員環を形成する
ものでもよい: -R3-(R7)k-R4- 式中、kは0〜2の整数であり、R7は環が飽和の場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2 CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NCH2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキ ル)、N(アリール)、N(ベンジル)であって、R7は環が不飽和の場合、N、N+H、N+(
アルキル)、N+(アリール)、N+(ベンジル)、N-CH2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-
CH2-N、N+(アリール)-CH2-N、またはN+(ベンジル)-CH2-Nであり、R8、R9、及びR 10 は独立して、ベンジル基、ポリグリコール、1〜4個の炭素原子を含む低級アル
キルアルコール、1〜4個の炭素原子を含む低級アルコキシ基、または1〜約22個 の炭素原子を含むアルキル基、好ましくは1〜10個の炭素原子を含むアルキル基 である。R5はCH2C6H5、CH2CH2OH、CH2CH(OH)CH3、例えばポリエチレングリコー ル:-(CH2CH2O)aH、ポリプロピレングリコール:-(CH2CH(CH3)O)aH、またはアル
キル化されたポリオキシエチレン:-(CH2CH2O)aBのようなポリグリコール式中、
Bは1個〜22個の炭素原子を含み、置換されていないかまたは置換されているアル
キル基であり、それぞれのaは独立して、1〜12の整数、より好ましくは約1〜約5
の整数である)であるか、またはR5は1〜約22個の炭素原子、好ましくは約12個〜
約20個の炭素原子、更に好ましくは14個〜約18個の炭素原子を含むアルキル基ま
たはペルフルオロアルキル基であり、 Y-は、ハロゲン(例えばCl、Br、Iなど)、アセテート、サルフェート、トシレー トもしくは例えばアセテートのようなカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルコ
ラート、例えばトリフルオロ酢酸塩及びペルフルオロアルキルカルボン酸塩のよ
うな官能基を付与したカルボン酸塩、または他のアルキル及びアリールスルホン
酸塩であって、トリフルオロメチルスルホン酸塩及び陰イオン酸化金属、ペルフ
ルオロアルキルスルホン酸塩、リン酸及びホスホン酸塩、ボレート及びボロネー
ト塩、ベンゾエートもしくは他の適当なアニオン性の部分などを含む他のアルキ
ル及びアリールスルホン酸塩であり、式Vによって示される環は、独立に、R3ま たはR4であり、式IIまたはIIIの窒素はCHまたはCH2によって置換される。この環
は、構造の任意の1つの水素を除去し、水素を失った原子にIIまたはIIIの窒素を
結合することによって構造IIまたはIIIの窒素に結合される。
【0080】 好ましいオルガノシランには次のものが含まれるが、これらに限定するわけで
はない: 塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウム、 塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルジ(デシル)アンモニウム、 3-クロロプロピルトリメトキシシラン、 オクタデシルトリメトキシシラン、 ペルフルオロオクチルトリエトキシシラン、 アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン:NH2(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3 )3、 3-アミノプロピルトリメトキシシラン:NH2(CH2)3Si(OCH3)3、 3-アミノプロピルトリエトキシシラン:NH2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、 3-クロロプロピルトリメトキシシラン:Cl(CH2)3Si(OCH3)3、 3-クロロプロピルトリエトキシシラン:Cl(CH2)3Si(OCH2CH3)3、 3-クロロプロピルトリクロロシラン:Cl(CH2)3SiCl3、 3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:C3H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、 3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン:C3H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、 3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン:C4H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、 3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン:C4H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、 メチルジクロロシラン:CH3SiHCl2、 シラン-修飾メラミン: Dow Corning Q1-6106、 ホスホン酸ナトリウム(トリハイドロキシシリル)プロピルメチル:NaO(CH3O)P
(O)(CH2)3Si(OH)3、トリクロロシラン、SiHCl3、 n-2-ビニルベンジルアミノ-エチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン HCL
: Dow Corning Z-6032、 ビニルトリアセトキシシラン:H2C=CHSi(OCOCH3)3、 ビニルトリメトキシシラン:H2C=CHSi(OCH3)3、 ビニルトリエトキシシラン:H2C=CHSi(OCH2CH3)3、 ビニルトリクロロシラン:H2C=CHSiCl3、 ジメチルジクロロシラン:(CH3)2SiCl2、 ジメチルジメトキシシラン:(CH3)2Si(OCH3)2、 ジフェニルジクロロシラン:(C6H5)2SiCl2、 エチルトリクロロシラン:(C2H5)SiCl3、 エチルトリメトキシシラン:(C2H5)Si(OCH3)3、 エチルトリエトキシシラン:(C2H5)Si(OCH2CH3)3、 イソブチルトリメトキシシラン、 n-オクチルトリエトキシシラン、 メチルフェニルジクロロシラン:CH3(C6H5)SiCl2、 メチルトリクロロシラン:CH3SiCl3、 メチルトリメトキシシラン:CH3Si(OCH3)3、 フェニルトリクロロシラン:C6H5SiCl3、 フェニルトリメトキシシラン:C6H5Si(OCH3)3、 n-プロピルトリクロロシラン:C3H7SiCl3、 n-プロピルトリメトキシシラン:C3H7Si(OCH3)3、 四塩化シリコン:SiCl4、 ClCH2C6H4CH2CH2SiCl3n、 ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH3)3、 ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH2CH3)3、 デシルトリクロロシラン、 ジクロロメチル(4-メトキシフェネチル)シラン、 ジエトキシメチルフェニルシラン、 [3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、 3-(ジメトキシメチルシリル)-1-プロパンチオール、 ジメトキシメチルビニルシラン、 3-[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート、 トリクロロ[4-(クロロメチル)フェニル]シラン、 メチルビス(トリメチルシリルオキシ)ビニルシラン、 メチルトリプロポキシシラン、及び トリクロロシクロペンチルシラン。
【0081】 本発明のある特定の態様において、即ちUV保護剤としてオルガノシランを使用
する場合、例えば日焼けローションではパラ-アミノ安息香酸、ケイ皮酸、安息 香酸、およびベンゾフェノンが活性成分である。シロキサンに結合したこれらの
化合物およびそのアルキル誘導体は、本発明の一部である。例として以下のもの
があげられる:
【0082】 安定化剤 (式中、各Rは、独立に、 炭素原子数1〜24のアルキル、 エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコール、ペンチルグリ
コール、ヘキシルグリコール、炭素原子数2〜24のアルキルグリコール、 各々炭素原子数3〜8の環サイズで、さらにヘテロ環に任意の数および組み合わせ
のN、O、Sを炭素原子の代わりに有する芳香族、ヘテロ芳香族、飽和および不飽 和脂環式分子、 アルキルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エ
チレンとプロピレングリコールのブロックおよびコポリマー並びに エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルグリコール、ペンチルグリ
コール、ヘキシルグリコール、炭素原子数2〜24のアルキルグリコールのブロッ クおよびコポリマー、 炭素原子3〜24のアルキルトリオール、炭素原子4〜24のアルキルテトロールおよ
び炭素原子5〜24のアルキルペントールおよび炭素原子数6〜24のアルキルヘキソ
ール 各々炭素原子数3〜8の環サイズで、さらにヘテロ環に任意の数および組み合わせ
のN、O、Sを炭素原子の代わりに有し、環状アルコール上に1〜6個の水酸基を有 し、環上にxが0から3の整数である(R3)x(R3は、独立に、炭素原子数1〜24の(OH) y (式中、yは0〜6の整数である)置換アルキルである)による置換を有する芳香族 アルコール、ヘテロ芳香族アルコール、飽和および不飽和脂環式アルコールであ
る)。
【0083】 炭酸塩の分子量は約10,000グラム/モル平均分子量以下である。
【0084】 用途 本発明の化合物、製品及び組成物は、多くの目的に対して有用である。このよ
うな目的には、好ましい出発物質である上記に記載した一般式のオルガノシラン
について知られている使用方法が含まれる。好ましい態様において、本明細書に
記載されている水-安定化されたオルガノシラン化合物、製品及び組成物は、例 えば1)充填剤や顔料などの表面の処理、2)染料などの被膜への添加、または3)そ
れぞれのポリマーを形成する前の有機モノマー(例えばアクリル酸など)への添加
物として、4)最終製品への加工の前段階としてポリマーに添加、または5)ポリエ
ステルまたはコンクリートなどのポリマーまたは基質の骨格への組み入れといっ
た適用にふさわしい。
【0085】 したがって、表面が結合する抗菌性薬剤としての塩化3-(トリメトキシシリル)
プロピル-ジメチルオクタデシルアンモニウムのような以前のオルガノシラン第4
級アンモニウム化合物の他に、有機官能基のシランの数多くの他の使用方法が企
画される。それは例えば、表面や粒子(顔料または充填剤)の処理を含む被膜形成
応用法において、プライマーにおいて、ペイント、インク、染料及び接着剤にお
いて、ならびにシリコン樹脂合成の反応性の中間体として本発明の化合物、製品
及び組成物を使用する方法などである。
【0086】 本発明は、とりわけ農業製品、クリーニング用組成物、抗菌性のスポンジ、抗
菌性の漂白剤、ペイント、プラスチック、またはコンクリートのための抗菌性の
充填剤、及び細菌感染が問題となる家畜小屋などのコンクリート構造を処理する
目的で調製すべく用いることができる。
【0087】 さまざまな態様で、本発明の溶液の化合物、製品及び組成物を用いて処理可能
な表面と基質には、織物、カーペット、カーペットの裏張り、室内装飾、布、ス
ポンジ、プラスチック、金属、外科用包帯、石造りのもの、シリカ、砂、アルミ
ナ、塩酸アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、木材、ガラスビーズ、
容器、タイル、床、カーテン、海洋産物、テント、バックパック、屋根、板張り
、垣根、トリム、断熱材、壁板、ゴミ容器、屋外装置、水精製システム、及び土
などが含まれるが、これらに限定されるわけではない。さらに本発明の化合物、
製品及び組成物を用いて処理可能な物品には、空気フィルター及びそれを製造す
るために用いた材料、水槽のフィルター、緩衝パッド、室内装飾用の合成繊維の
詰め物、繊維ガラス製のダクトボード、肌着類及び上着類の服飾品、ポリウレタ
ンフォーム及びポリエチレンフォーム、サンドバッグ、防水シート、化粧品、ロ
ーション、クリーム、軟膏、殺菌性消毒剤、木の防腐剤、プラスチック、接着剤
、ペイント、パルプ、紙、冷却水、ならびに洗濯の添加剤及び食品ではないもの
で即ち一般的には食品が接触する表面などが含まれるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0088】 上記に記載した基質、混合物及び応用品では、処理には通常、処理されるべき
物品を本発明の水-安定化オルガノシラン溶液、即ち水性溶液中にオルガノシラ ン-安定化剤誘導性の化合物を含有する溶液と、その物品に活性なオルガノシラ ンの成分(またはその部分)が永久的に結合するのに十分な期間接触させる段階ま
たは混合する段階が関与している。他の態様において、本発明に係るオルガノシ
ラン-炭酸塩の混合物は、水で希釈することなしに直接使用可能であり、または 本発明にしたがって水以外の溶媒で希釈して使用することが可能である。通常処
理は、接触させると直ちに始まるが、好ましくは約15秒〜約48時間必要である。
効率的なシラン表面処理および組み入れの多くの例および指針が、例えば「シラ
ンカップリング剤の適用(Applying A Silane Coupling Agent)」(49ページ 、ゲレストカタログ(Gelest Catalog)、ゲレスト社(Gelest,Inc.)製、ペンシル
バニア州タチータウン、1995年)に記載されている。適用するためのより一般的 な指針は次のとおりである。即ち、大きな物を浸漬する際には、溶液中に1〜2分
間沈め、続いてその物を乾燥するままにするか、乾燥させる。しかしながらある
種のものは、非常に短い浸漬時間、混合時間または接触時間で効果が得られ、例
えばファブリックは1分あたり40ヤードまたはそれ以上までの速度でその組成物 の水性浴を通過させるとよい。浸漬を終えたあとで過剰の溶液は、そっと拭き取
るか、またはすすぎ流せばよい。また、その溶液を基質にスプレーしてもよい。
さらに本発明の組成物は、強度の高い固体混合物にしてもよく、また後で乾燥さ
せた粉末状に形成してもよい。この乾燥粉末はその後、必要に応じてスプレー装
置で利用することができる。また更に、この溶液は基質にこすりつけてもよく、
またスポンジや布などを用いて適用してもよい。そのうえ本発明の溶液は顔料や
充填剤に添加して、数分間(2〜3分間)それらとともに攪拌することもできる。さ
らにこの溶液は、使用する前に乳化剤やこの他の既にある配合剤に添加してもよ
い。またこの溶液は押し出されるファイバーを冷却するスプレー冷却剤に添加し
たり、冷却剤と一緒にしたり、または冷却剤として用いることも可能である。し
かしながら当業者は、非常にたくさんのこの他の使用方法及び適用形態が本発明
にかかるこの安定化されたオルガノシラン化合物、製品及び組成物から容易に明
らかになること、また過度の実験を行うことなく特定の基質、物品、または他の
応用のための効果的な適用法及び処理時間を決定できることが認識されると思わ
れる。さらにこの組成物は、織物工場で知られているような詰め物段階でも用い
ることができる。
【0089】 また、本発明の化合物、製品または組成物を用いて表面または布を処理した後
で、その表面または布を任意で加熱することにより、その化合物、製品、または
組成物のその表面または基質への結合性を更に高めることができる。
【0090】 本発明の水-安定性のオルガノシラン化合物、製品及び組成物はしたがって、 毒性の有機溶媒を用いることなくさまざまな基質を処理できる点で効果的であり
、また、更に調製することなく使用可能な活性化オルガノシラノール化合物を安
全に長期間保存できるようになっている。さらに本明細書に記載した安定化段階
は基質へのオルガノシラン(または少なくともその中心、即ちその操作可能な部 分)の結合性を妨害することがない。そのうえ本発明は、いくつかの水に不溶の オルガノシランを溶かすための一般的に適用可能な段階も提供する。
【0091】 オルガノシランRnSiX4-nが調製、溶解、保存、供給、それに水中での何らかの
方法で用いられる場合の適用法も明らかであると思われる。さらにまた、水にさ
らされるとシラノールの望ましくない自己-縮合反応またはタイミングの合わな い自己-縮合反応が起こり有害となる可能性が生じる場合に、その他の溶媒中で オルガノシランRnSiX4-nを適用したり、または他の媒体(固体、ポリマー混合物 、充填剤、顔料、染料または乳化剤)と混合してオルガノシランRnSiX4-nを適用 したりすることも明らかであると思われる。
【0092】 さらにこの安定化されている化合物及び方法は、例えばイオン系または非イオ
ン系の表面活性剤及び洗剤の使用法のように、オルガノシランについて技術的に
知られたさまざまな安定化方法に加えて、またはそのような安定化方法と組み合
わせて用いることができる。
【0093】 さらに本発明の化合物、製品及び組成物は、ほとんどの繊維製品(織られてい るもの及び織られていないもの)及びヤーン(合成糸及び天然糸)にオルガノシラ ン抗菌性薬剤を導入する際に用いることができる。この方法によれば耐久性に優
れた品物を提供できるとともに、段階自体に追加の製造段階が必要でなく、また
製造コストを増加させることがない。
【0094】 さらに、当技術分野で周知であるように、ある種の部類のオルガノシランは、
水および他の液体をはじくことができる特性を有する。従って、本発明の一態様
は基質が汚れに対して抵抗性となるように基質を処理する方法を目的とする。
【0095】 染色段階で本発明の化合物、生成物及び組成物を導入すると、オルガノシラン
の性質を備えた内蔵型の抗菌性活性または他の望ましい特性を有する繊維材料が
得られる。この導入方法によれば、1)この製造方法に追加の段階を加えず、装置
を何ら変形する必要がなく、かつ、2)続いて繊維製品を製造する際に抗菌性の特
徴及びその効力を失わないと考えられている。染色段階で本発明の水-安定性の 化合物、製品及び組成物を導入すると、オルガノシラン抗菌性薬剤は染色剤によ
って影響を受けず残ったままとなるだけでなく、最終製品である繊維商品も優れ
た染色性を示す。
【0096】 本発明の水-安定性の化合物、製品及び組成物は、以前の不安定性、不溶性の ためにいくつかのオルガノ薬剤の使用が阻止されたり、少なくとも妨げられたり
、または制限されたりする場合の数多くの応用時に有用である。例えば、以下は
その例である。
【0097】 取り除いた(摘みとった/収穫した)後の食料となる農作物(例えば、野菜、果 物、または穀物のような腐敗しやすい作物)を本発明の化合物、製品及び組成物 を用いて処理すると、その農作物の外表面に抗菌性保護作用が付与される。この
ような保護作用は、その食物に結合した抗菌性被膜から抗菌性薬剤が拡散、移動
、または浸出することなく起こり、長い期間安全で、非毒性の抗菌性保護作用を
提供すると考えられている。この方法には、普通の洗浄段階/水のスプレー段階
の際かその後、または漂白段階の際かその後の、すすぎのサイクルで果物及び野
菜を処理する段階が関与する。処理プラントで果物や野菜を清浄する間に微生物
を最初に除去することが好ましい。当業者がわかっているように、土、生育時に
用いた化学物質、傷つける細菌、及び他の外来の物質を除去するために最初に機
械が用いられる。これらの機械はまた、その産物を清浄するための水の高圧スプ
レーも用いている。この清浄を行ったあとで、生のままの食物または他の穀物材
料は、湯通し(即ち、その食物を190〜210度(F)の湯に浸すか、またはスチームに
あてる)などの次の段階のために調製される。
【0098】 微生物は、果物や野菜が収穫されるまで設備を整えて生産することによってコ
ントロールされる。しかしながら一旦収穫されると、酵母、カビ、及び細菌など
の微生物は増殖し始め、その食物の風味を失わせ、色や組織を変化させる。損傷
から食物を守るためにはたくさんの方法が用いられており、微生物の生育を抑え
、悪化を遅らせるための冷蔵庫などがある。残念ながらこのような既知の方法は
、生のままの食物を保存し、大部分が数週間ももたない。本発明の化合物、製品
及び組成物は、長い期間これらのものを保存することができる。例えば、この組
成物、製品、または化合物は、食物のために噴霧器で給水する現存の水ラインに
添加してもよく、それはこのような噴霧器が用いられる場合に行われる。別の方
法では、抗菌性保護作用を付与するのに必要な浸漬時間がわずか数秒であるよう
な、簡単な浸漬方法が用いられる。水性溶液(0.1〜1体積%)中の低濃度により0.
1〜1%の組成物が満足のゆく結果を与える。さらに本明細書に記載されている方
法はまた、死んだ鳥肉についた病原菌や、他の感染されやすい肉及び魚にいる病
原菌もコントロールできる。
【0099】 乳児のミルク/ジュース用のびん、乳首、おしゃぶり及びおもちゃを工場で本
発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理し、結合した表面から薬剤を浸出さ
せると、長く保たれ、安全/無毒性の抗菌性保護作用を提供することができる。
このような物品を処理することにより、細菌の混入によって生じる臭いを減少さ
せることもできる。上記に記載したような浸漬方法をこれらの物品を処理するた
めに用いてもよい。
【0100】 今日まで先人はこれらの物品の汚染の問題を解決するために、石鹸、洗剤、及
び表面クリーナーを用いてきた。しかしながらこれらの処理法、また他の同様の
処理法はほとんどの部分で不適当であり、繰り返し処理をする必要があった。さ
らにこれらの処理法は、微生物の広範囲のスペクトルコントロールを提供する能
力に限界があることがわかっている。したがって本発明の化合物、製品及び組成
物をこれらの物品を処理するために用いることにより、その物品に有効量の本発
明の製品及び化合物を被覆でき、それによって細菌の生長及び混入を阻止するこ
とができる。用いた物品は1〜2分間ほど水中に沈めることによって(例えば、浸 漬することによって)被覆することができ、その後その処理済みの表面を室温で 乾燥させることができる。続いてその物品は、過剰の抗菌性薬剤についてすすが
れる。清浄段階及び滅菌段階を行うことは、物品を「被覆する」のに先だってそ
の物品の表面にある微生物を除去する点で好ましい段階である。さらに本発明の
水中の化合物、製品及び組成物の濃度は重量%で10%またはそれより少なく、そ
の濃度が長く耐久性のある保護作用を得るべく用いられる。
【0101】 本発明の化合物、製品及び組成物を用いて手術の前、または手術中に外科用手
袋を処理すると、接触したところの微生物を殺すことができる。処理を行った手
袋は、手袋の表面から抗菌剤を拡散または到達させず、安全で無毒の抗菌性保護
機能を備えた長くもつ抗菌活性を提供する。外科用手袋は好ましくは、1%W/Vに
希釈された実施例1の溶液に、少なくとも30秒間浸漬することによって処理され る。この方法は医者が利用することが可能であり、必要であれば汚染を過度に恐
れることなく同じ手袋を再利用できる(それらを取り外さないのと同じ)。集合体
に組み入れることによってポリマーおよびコンクリートなどの他の材料を処理す
ることにより、該表面は劣化、臭気および有害と思われる汚染から防護される。
日焼け防止をポリマーに組み入れることおよび/または表面に日焼け防止を適用
することによって、製品の寿命が延長され、製品および皮膚の損傷が軽減される
【0102】 さらに、当業者は、本発明の化合物、製品および組成物に関する開示内容に基
づいて、数多くの他の最終用途を実施することができると考えられる。全ての用
途が水溶液を必要とするわけではなく、非水性環境を必要する用途もあり、そう
した適用は共に本発明の範囲内である。さらに、本発明に係るシラン化合物の抗
菌特性は可能な多数の特性の1つにすぎない。本発明に係るシラン混合物はしば しばさらなる利益を提供する。
【0103】 例えば、次の利用法、応用法及び基質が考えられる。 1.本発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理されたコンクリート、コンクリ
ート製の水道管、雨水管及び下水管。接触したところの微生物を殺すため、及び
コンクリートとその被覆の劣化を防止することのできる長期間の抗菌性保護作用
を提供する薬剤。 2.歯ブラシ、櫛、ヘアーブラシ、義歯及び歯列矯正用固定装置。 3.適合する他の抗菌性薬剤がないような厳しい条件にあう温泉およびプールのフ
ィルター、並びに例えばエアコンのフィルター、HVACに応用するフィルター及び
キャビンの空気フィルターのような空気フィルターの保護。 4.本発明の化合物、製品及び組成物を用いて処理した大理石製品(ビルの幕面、 墓、床)。 5.消毒用アルコール。 6.彫像及び人目にさらされる美術品。 7.ごみ捨て用地、水の容器および一般的には土の保護用の、HDP、高密度ポリエ ステル繊維プラスチックカバー。 8.液状添加物(花瓶にいれた植物及び切花のための花用水の保存料として)。 9.アクリル製裏板壁の被膜などのシリコンまたはテフロン(TEFLON(登録商標))被
覆されたガラス繊維。 10.ドライビット(Dryvitt)仕上げ及びスタッコ(Stacco)仕上げ。 11.本発明の化合物、製品及び組成物で処理された防水布。 12.ピッキング機(picking machine)が綿をロールまたはラップにする前もしくは
後に混合綿を処理する方法。 13.食物の包装及び容器。 14.バイオ-フィルム及び接着剤(テープ及びシリコンウェーハー)。 15.単層の屋根及び屋根板。 16.ガラス繊維強化製品。
【0104】 上述した水-安定化抗菌性化合物、製品、組成物、及び方法の好ましい態様は 次の実施例に列挙されている。本発明の他の特徴は、次の実施例より明らかとな
ると思われる。次の実施例は例示の目的のみのためであって、本発明の制限とは
解釈されない。
【0105】 以下の実施例のシランはダウコーニング(Dow Corning)5772またはダウコーニ
ング(Dow Corning)5772と同様の組成物のシランである。共に集合的にシラン濃
縮物と呼ばれる。水溶液を生成し、安定化されていないシランで予想されるより
も長時間にわたって、該水溶液がシランの沈殿を形成しないでいる場合には、溶
液または混合物は安定であると考えられる。シラン自体が水に不溶性である場合
には、水溶液の形成は本発明の範囲内の利点である。
【0106】 実施例1 20.049gのシラン濃縮液と20.788gの炭酸エチレンを含有する混合物の水希釈液
は25.9重量%混合水溶液で安定であった。41.4重量%では水で希釈した混合物は
不安的であると思われた。
【0107】 以下の表には混合物の例とそれらの安定性を掲載する。記入されている数値は
総混合物の重量パーセント単位である。濃縮溶液を調製し、次いで水で適宜希釈
した。A)24.694gのシラン濃縮物、11.596gのグリコールエーテルDB、13.593gの 炭酸プロピレン。B)25.028gのシラン濃縮物、5.895gのグリコールエーテルDB、1
9.379gの炭酸プロピレン。
【0108】 実施例2 以下の表は混合物の例とそれらの安定性を掲載する。記入されている数値は総
混合物の重量パーセント単位である。50重量パーセントのシラン濃縮物と50重量
パーセントの炭酸プロピレンの溶液を調製し、次いで表に従って水で希釈した。
【0109】 実施例3 54.109gのジメチルオクタデシルアミン、53.871gの3−クロロプロピルトリメ トキシシランおよび14.960gの炭酸プロピレンをフラスコ内で加熱しながら撹拌 した。温度を130〜135℃に維持し、混合物が黒化し始めたら、温度を125℃に低 下させた。21時間後、混合物を滴定することにより、アミン含量が1.3%、アン モニウム含量が72.0%であることが明らかになった。室温にしたとき、生成物は
淡褐色の柔らかい固形物となった。
【0110】 これまでの実施例の反応生成物を水に溶解して安定なシラン混合水溶液を調製
した。
【0111】 実施例4 これまでの実施例の試料2を、35日後に、さらに4部の水で希釈して、白色の繊
維布に塗布した。乾燥後、布を手で洗い、流水で20回洗浄した。試料を再度乾燥
させ、ダウ コーニング試験方法(Dow Corning Test Method)0923に従い試験
した。この試験方法では、布試料をエーレンマイヤーフラスコ中に接種した栄養
溶液と共に入れる。この実験では、手順をわずかに改良し、混合物は1時間では なく24時間振とうし、使用した生物はクレブシエラ・ニューモニエ(klebsiella pneumoniae)ではなくアスペルギルス・ニガー(aspergillus niger)であった 。ゼロ時と実験終了時の生物数を計数することによって低下率を求める。この実
施例で見いだされた低下率は99.98%であった。 本発明の範囲または精神を逸脱することなく本発明において種々の修飾及び改
変を加えられることが、当業者には明らかであると思われる。本発明の他の態様
は、本明細書に開示された本発明の説明及び実用法を考慮することにより当業者
に明らかとなると思われる。本明細書の説明及び実施例は、請求の範囲によって
示されている本発明の真の範囲及び精神を伴った例示にすぎないと解釈されるも
のとする。
【0112】 本明細書に記載の実施例および態様は例示的な目的のためだけであること、お
よびそれらを鑑みて様々な修飾もしくは変更が当業者には想起され、それらも本
出願の精神および見解ならびに請求の範囲内に含まれるものであることを理解す
べきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN, CU,CZ,EE,GE,HR,HU,ID,IL,I S,JP,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV ,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO, SG,SI,SK,SL,TR,TT,UA,UZ,V N,YU (72)発明者 モーゼ ティモシー シー. アメリカ合衆国 ジョージア州 ストック ブリッジ フェアビュー ロード 1245 Fターム(参考) 4C058 AA01 BB07 CC05 DD07 JJ08 JJ30 4H011 AA02 BA04 BB16 BC03 BC12 CA03 CB11 CD02 DA14 DG05 4H049 VN01 VP01 VP02 VQ35 VQ36 VQ37 VQ55 VR21 VR43 VU01 VU02 VU03 VU06 VU31 VV20 VW02

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中
    、nは0〜3の整数であり、Rは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつ
    それぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、オルガノシランと b)有機炭酸塩 との混合物を含む組成物。
  2. 【請求項2】 nは0〜2の整数であり、オルガノシランの化学構造式の各Rは
    独立してアルキル基、アルキルアルコール基、または芳香族官能基であり、それ
    ぞれのXは独立して水酸基、アルコキシ基、ハロゲン、アセチル基、アセトキシ 基、アシル基、アシルオキシ基、水酸化された固体状もしくは液体状の重合部分
    、ポリグリコールまたはポリアルキルエーテルであり、有機炭酸塩は以下の式で
    表される、請求項1記載の組成物: 式中、炭酸塩の化学構造式のRは独立して、 アルキル、グリコール、アルキルグリコール、環状分子、またはヘテロ環状分
    子であるか; アルキルアルコール、ポリグリコール、アルキルグリコール、環状アルコール
    、ヘテロ環状アルコール、またはポリアルキルエーテルであって;該環状アルコ
    ールまたはヘテロ環状アルコールは選択的に、アルキルまたはアルキルアルコー
    ルによって置換される。
  3. 【請求項3】 オルガノシランが次の化学式II、III、IV、またはVで表され
    る、請求項1記載の組成物: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、 それぞれのR1は独立して、ハロゲンまたはR6Oであり、R6は以下のものからなる 群より選択される: H、アルキル基、アセチル基、アセトキシ基、アシル基、アシルオキシ基、グリ コール、ポリグリコール、アルキルグリコール、アルキルポリグリコール、また
    は1〜24個の炭素を含む炭酸と、グリコールまたはポリグリコールを結合するこ とにより形成されたモノエステル、約1〜24個の炭素を含むアルキルによって置 換されたフェノール性化合物およびそのエーテル、ソルビタンエステルおよびそ
    のエーテル、ならびにポリアルキルエーテル; R35は、R6、H、ハロゲン、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2、C3H5O2R2、C4H5O2R2、NaO(CH 3 O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2であり; R36及びR37は独立して、R35、ハロゲン、H、1〜約4個の炭素原子を含むアルキル
    基、イソブチル基、フェニル基、またはn-オクチル基であり; R2は、R6、ベンジル基、ビニル基またはアルキル基であり; R3及びR4は独立して、R35、アルキルアルコール、アルコキシ基、アルキル基、 もしくは環状分子であり;または R3及びR4は共に、モルフォリン、環状分子、またはヘテロ環状分子であり; R5はアルキルアルコール、R35、CH2C6H5、ポリグリコール、アルキル基、アルコ
    キシ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、もしく
    はペルフルオロアルキルカルボン酸塩であり、かつ Y-は、化学式I、II、III、またはIVの化合物の塩を形成するのに適当なアニオン
    性の部分である。
  4. 【請求項4】 R3及びR4は共に、モルフォリン、環状分子、またはヘテロ環
    状分子で、不飽和または飽和の、下記の化学式VIで示される5〜7員環を形成する
    、請求項3記載の組成物: -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数であり、 R7は環が飽和である場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NC
    H2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリール)、N(ベン
    ジル)であって、それぞれのR8、R9、及びR10は独立して、ベンジル基、R37、ポ リグリコール、アルキルアルコール、アルコキシ基、またはアルキル基であり、
    R7は環が不飽和である場合、CH、N、N+H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベ ンジル)、N-CH2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、N+(アリール)-CH2-N、ま たはN+(ベンジル)-CH2-Nであって、この環は置換されていないか、またはアルキ
    ル、エステル、アルデヒド、炭酸塩、アミド、チオナミド、ニトロ、アミン、も
    しくはハライドで置換されており、選択的に、式VIの環は独立してCHまたはCH2 で置き換えられた式IIまたはIIIの環窒素を有するR3またはR4を表し、 R5は請求項3のようであるか、または上述した化学式VIの5〜7員環である。
  5. 【請求項5】 R5が請求項4に記載した化学式VIの5〜7員環である、請求項3
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の組成物と水とを含む、水安定性組成物。
  7. 【請求項7】 オルガノシランが塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジメ
    チルオクタデシルアンモニウムである、請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 担体と、有効量の請求項1記載の組成物とを含む、基質を処 理するための組成物。
  9. 【請求項9】 担体が水以外である、請求項7記載の組成物。
  10. 【請求項10】 オルガノシランが塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルジ
    メチルオクタデシルアンモニウム、塩化3-(トリメトキシシリル)プロピルメチル
    ジ(デシル)アンモニウム、3-クロロプロピルトリメチルシラン、3-クロロプロピ
    ルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、またはペルフルオロ
    オクチルトリエトキシシランである、請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 オルガノシランが以下の化学式で表される、請求項1記載 の組成物:
  12. 【請求項12】 オルガノシランが、NH2(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、NH2(CH 2 )3Si(OCH3)3、NH2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、Cl(CH2)3Si(OCH3)3、Cl(CH2)3Si(OCH2C
    H3)3、Cl(CH2)3SiCl3、C3H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、C3H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4 H5O2(CH2)3Si(OCH3)3、C4H5O2(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3SiHCl2、NaO(CH3O)P(O)(
    CH2)3Si(OH)3、SiHCl3、n-2-ビニルベンジルアミノ-エチル-3-アミノプロピルト
    リメトキシシランHCl、H2C=CHSi(OCOCH3)3、H2C=CHSi(OCH3)3、H2C=CHSi(OCH 2 CH3)3、H2C=CHSiCl3、(CH3)2SiCl2、(CH3)2Si(OCH3)2、(C6H5)2SiCl2、(C2H5)
    SiCl3、(C2H5)Si(OCH3)3、(C2H5)Si(OCH2CH3)3、イソブチルトリメトキシシラン
    、n-オクチルトリエトキシシラン、CH3(C6H5)SiCl2、CH3SiCl3、CH3Si(OCH3)3
    C6H5SiCl3、C6H5Si(OCH3)3、C3H7SiCl3、C3H7Si(OCH3)3、SiCl4、ClCH2C6H4CH2C
    H2SiCl3n、ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH3)3、ClCH2C6H4CH2CH2Si(OCH2CH3)3、デシル トリクロロシラン、ジクロロメチル(4-メチルフェネチル)シラン、ジエトキシメ
    チルフェニルシラン、[3-(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、3-
    (ジメトキシメチルシリル)-1-プロパンチオール、ジメトキシメチルビニルシラ ン、3-[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート、ト
    リクロロ[4-(クロロメチル)フェニル]シラン、メチルビス(トリメチルシリル オキシ)ビニルシラン、メチルトリプロポキシシラン、またはトリクロロシクロ ペンチルシランである請求項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 UV防止に有用な化合物に結合された請求項1記載のオルガ ノシランを含む組成物であって、該化合物がp−アミノ安息香酸、アミノ安息香 酸、サリチル酸、桂皮酸、安息香酸もしくはベンゾフェノンまたはこれらのアル
    キル誘導体であり、該化合物は選択的に、無水物形態または無水物の混合物の形
    態であて、該結合は該化合物および該オルガノシランから1つの原子または官能 基を除去し、該除去によって形成される遊離の原子価と結合を形成する結果であ
    る組成物。
  14. 【請求項14】 以下の化学式II、III、IV、またはVで表されるオルガノシ
    ランと、有機炭酸塩との混合物から構成される、請求項1記載の組成物: (R1)3SiR2N+(R3)(R4)(R5)Y- (II) (R1)3SiR2N(R3)(R4) (III) (R1)3SiR2R35 (IV) (R1)2Si(R36)(R37) (V) 式中、 それぞれのR1は独立して、ハロゲンまたはR6Oであり、R6は以下のものからなる 群より選択される: H、アルキル基、アセチル基、アセトキシ基、アシル基、アシルオキシ基、グリ コール、ポリグリコール、アルキルグリコール、アルキルポリグリコール、また
    は1〜24個の炭素を含む炭酸と、グリコールまたはポリグリコールを結合するこ とにより形成されたモノエステル、約1〜24個の炭素を含むアルキルによって置 換されたフェノール性化合物およびそのエーテル、ソルビタンエステルおよびそ
    のエーテル、ならびにポリアルキルエーテル; R35は、R6、H、ハロゲン、NH2(CH2)2NHR2、NH2R2、C3H5O2R2、C4H5O2R2、NaO(CH 3 O)P(O)R2、またはClCH2C6H4R2であり; R36及びR37は独立して、R35、ハロゲン、H、1〜約8個の炭素原子を含むアルキル
    基、アクリル基、ビニル基、アセチレン基、ベンジル基、スチリル基、プロピニ
    ル基、イソブチル基、フェニル基、またはn-オクチル基であり; R2は、ベンジル基、ビニル基またはアルキル基であり; R3及びR4は独立して、低級アルキルアルコール、1〜4個の炭素原子を含む低級ア
    ルコキシ基、1〜約24個の炭素原子を含むアルキル基であり;またはR3及びR4は 共に、モルフォリンまたは環状分子もしくはヘテロ環状分子を形成するものであ
    り; R5は低級アルキルアルコール、CH2C6H5、ポリグリコール、アルキル基、アルコ キシ基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、もしく
    はペルフルオロアルキルカルボン酸塩であり、かつ Y-は、化学式I、II、III、またはIVの化合物の塩を形成するのに適当なアニオン
    性の部分である。
  15. 【請求項15】 R3及びR4は共に、モルフォリン、環状分子、またはヘテロ
    環状分子で、不飽和または飽和の、下記の化学式VIで示される5〜7員環を形成す
    る請求項14記載の組成物: -R3-(R7)k-R4- (VI) 式中、kは0〜2の整数であり、 R7は環が飽和である場合、CH2、O、S、NH、NH2 +、NCH2CH2NH2、NCH2CH2NH3 +、NC
    H2CH2N(R8)(R9)、NCH2CH2N+(R8)(R9)(R10)、N(アルキル)、N(アリール)、N(ベン
    ジル)であって、それぞれのR8、R9、及びR10は独立して、ベンジル基、ポリエー
    テル、1〜4個の炭素原子を含む低級アルキルアルコール、1〜4個の炭素原子を含
    む低級アルコキシ基、または1〜約22個の炭素原子を含むアルキル基であり、R7 は環が不飽和である場合、CH、N、N+H、N+(アルキル)、N+(アリール)、N+(ベン ジル)、N-CH2-N、N+H-CH2-N、N+(アルキル)-CH2-N、N+(アリール)-CH2-N、また はN+(ベンジル)-CH2-Nであって、この環は置換されていないか、または1〜22個 の炭素原子を含むアルキル、エステル、アルデヒド、炭酸塩、アミド、チオナミ
    ド、ニトロ、アミン、またはハライドで置換されており、選択的に、式VIの環は
    独立してCHまたはCH2で置き換えられた式IIまたはIIIの環窒素を有するR3または
    R4を表し、 R5は請求項13のようであるか、または上述した化学式VIの5〜7員環である。
  16. 【請求項16】 R5が請求項14記載の化学式VIの5〜7員環である、請求項14
    記載の組成物。
  17. 【請求項17】 水性組成物である、請求項14記載の組成物。
  18. 【請求項18】 基質を十分な量の請求項1記載の組成物と、該基質を処理 するのに十分な期間接触させる段階を含む、基質の処理方法。
  19. 【請求項19】 基質を染色するのに適当な水溶性染料と以下のa)及びb)の
    混合物から構成される組成物とを含む水性組成物に接触させる段階を含む、基質
    の染色及び処理方法: a)化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中、nは0〜3の整数 であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、かつそれ ぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、オルガノシラン; b)有機炭酸塩。
  20. 【請求項20】 食料品を、以下のa)及びb)の混合物から構成される製品の
    有効量と接触させる段階を含む、食料品を抗菌的に処理する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  21. 【請求項21】 ヒトまたは動物の消費製品を収容するために用いられる液
    体容器を、以下のa)及びb)の混合物から構成される有効量の製品に接触させる段
    階を含む、容器を抗菌的に被覆する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  22. 【請求項22】 ヒトまたは動物の医療行為で用いるためのラテックス医療
    用品を、a)及びb)の混合物から構成される有効量の製品に接触させる段階を含む
    、ラテックス医療用品を抗菌的に被覆する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  23. 【請求項23】 医療用品が外科用手袋である、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 コンクリートパイプ、歯ブラシ、櫛、ヘアーブラシ、義歯
    、歯列矯正用固定装置、温泉またはプールのフィルター、空気フィルター、HVAC
    空調システム、キャビンの空調システム、大理石製品、彫像、人目にさらされる
    美術品、PE、PP、またはポリエステルプラスチックカバー、シリコンまたはテフ
    ロン(TEFLON(登録商標))被覆されたガラス繊維製物品、ドライビット(Dryvitt) 仕上げ、スタッコ仕上げ、混合綿、カーペット、バイオ-フィルム、バイオ-接着
    剤、単層の屋根、屋根板、紙製品、歯、皮膚、骨、軟骨、金属仕上げ、カー仕上
    げ、及びガラス繊維強化製品からなる群より選択される基質を抗菌的に処理する
    方法であって、該基質を、a)及びb)の混合物から構成される有効量の組成物に接
    触させる段階を含む方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  25. 【請求項25】 消毒用アルコール、花の保存料、または防水剤溶液を含む
    製品の抗菌性を高める方法であって、該製品を、a)及びb)の混合物から構成され
    る有効量の組成物と混合する段階を含む方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  26. 【請求項26】 基質が、a)及びb)の混合物から構成される有効量の組成物
    と接触する段階を含む、基質を処理することによって基質の汚れに対する抵抗性
    を付与する方法: a)化学式RnSiX4-nで表される抗菌性オルガノシランであって、式中、nは0〜3 の整数であり、それぞれのRは独立して加水分解不可能な有機官能基であり、か つそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基である、抗菌性オルガノシラン ; b)有機炭酸塩。
  27. 【請求項27】 化学式RnSiX4-nで表されるオルガノシランであって、式中
    、nは0〜3の整数、好ましくは0〜2であり、それぞれのRは独立して加水分解不可
    能な有機官能基であり、かつそれぞれのXは独立して加水分解可能な官能基であ る、オルガノシランの製造方法であって、有機炭酸塩が存在する水性溶液中にお
    いて該オルガノシラン合成出発物質を混合する段階を含む方法。
  28. 【請求項28】 約0.001%〜約26%のオルガノシランと、約0.001%〜約26
    %の炭酸エチレンと、約99.9%〜約48%の水とを含む水安定性組成物。
  29. 【請求項29】 約1.6%〜約56%のオルガノシラン溶液と、約44%〜約99 %の水とを含み、該オルガノシラン溶液が約49%のシラン濃縮液と、約32%のグ
    リコールエーテルDBと、約37%の炭酸プロピレンとを含む水安定性組成物。
  30. 【請求項30】 約1%〜約55%のオルガノシラン溶液と、約45%〜約99% の水とを含み、該オルガノシラン溶液が約50%のシラン濃縮液と、約12%のグリ
    コールエーテルDBと、約38%の炭酸プロピレンとを含む水安定性組成物。
  31. 【請求項31】 約7%〜約55%のオルガノシラン溶液と、約45%〜約93% の水とを含み、該オルガノシラン溶液が約0%〜約50%のシラン濃縮液と、約0%
    〜約50%の炭酸プロピレンとを含む組成物。
  32. 【請求項32】 オルガノシランと、炭酸プロピレンと、水とを含む組成物
  33. 【請求項33】 オルガノシランと、炭酸エチレンと、水とを含む組成物。
  34. 【請求項34】 式RnSiX4-n(式中、nは0〜3の整数で、好ましくは0〜2であ
    り;各Rは、独立に、加水分解不可能な有機官能基であり;各Xは、独立に、加水
    分解可能な基である)のオルガノシランを製造するための方法であって、有機炭 酸塩溶媒の存在下においてオルガノシラン合成出発物質を混合する段階を含む方
    法。
  35. 【請求項35】 オルガノシラン出発物質がシラン成分とアミンとを含む請
    求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 シラン成分が3−クロロプロピルトリメトキシシランであ り、アミンがジメチルオクタデシルアミンである請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 塩化ジデシル−N−メチル−3−(トリメトキシシリル)プロ
    パナミニウムが合成される請求項34記載の方法。
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