JPH11322301A - 水素及び/または酸素の製造方法、水素及び/または酸素の生成用触媒 - Google Patents

水素及び/または酸素の製造方法、水素及び/または酸素の生成用触媒

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JPH11322301A
JPH11322301A JP10151234A JP15123498A JPH11322301A JP H11322301 A JPH11322301 A JP H11322301A JP 10151234 A JP10151234 A JP 10151234A JP 15123498 A JP15123498 A JP 15123498A JP H11322301 A JPH11322301 A JP H11322301A
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oxide
oxygen
hydrogen
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water
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JP10151234A
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Kiyoaki Shinohara
清晃 篠原
Akira Tanaka
彰 田中
Kazunari Doumen
一成 堂免
Yukikazu Hara
亨和 原
Junko Nomura
淳子 野村
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法よりも簡単に水を分解して水素及び/
または酸素を製造する方法と、それに用いて好適な触媒
を提供すること。 【解決手段】 水または水溶液に遷移金属酸化物を加え
て撹拌することにより、水素と酸素の少なくともどちら
か一方を生成させる水素及び/または酸素の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を分解して水素
と酸素の少なくともどちらか一方を生成させる水素及び
/または酸素の製造方法と、それに用いて好適な触媒に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】水を分解して水素と酸素を生成させる方
法としては、電気エネルギーを用いた水の電気分解法や
光エネルギーを用いた光触媒による水の分解方法がよく
知られている。水の電気分解は、電解質を溶かした水溶
液(電解液)中に二つの電極を設置してその電極間に電
圧を印加することにより、電極表面において電解液との
間に電荷の移動が行なわれる電極反応(陽極:酸化反
応、陰極:還元反応)を引き起こさせるものである。
【0003】そして、これにより、水が酸化されて酸素
が、還元されて水素がそれぞれ生成されることとなる。
例えば、電解液として硫酸ナトリウム(電解質)の3%
水溶液を、陽極、陰極として直径5mmの炭素棒をそれ
ぞれ用いて、電流値が500mAとなるように直流電源
電圧を制御して2電極間に印加することにより水を分解
させると、陽極からは酸素が陰極からは水素の発生が認
められる。
【0004】一方、光触媒による水の分解方法では、光
半導体である光触媒に光エネルギーを与えて伝導帯にエ
レクトロン(電子)を荷電子帯にホール(正孔)を生成
させ、このエレクトロンとホールを水の還元反応と水の
酸化反応にそれぞれ消費させることにより、水素と酸素
を得るものである。光エネルギーの付与により水を分解
して水素または酸素を生成させる光触媒物質としては、
例えばTiO2、4Nb617、KSr2Nb310等の物
質が知られている。
【0005】この光触媒を水中または水溶液中に入れ
て、それぞれの光触媒物質に固有のバンドギャップ以上
の光を光触媒に照射すると、水が分解されて水素および
酸素の生成がおこる。例えば、バンドギャップが約3e
Vのチタニアの場合には、水に懸濁させたチタニアに波
長400nm以下の紫外光を照射すると水素及び酸素の
発生が認められる。
【0006】なお、かかる光触媒においては、光励起に
より生成したエレクトロンとホールが再結合したり、欠
陥にトラップされたりして効率が悪いので、助触媒とし
て白金を担持させることがよくある。実際、白金を担持
させたチタニアを用いて純水を分解させると、白金を担
持させないチタニアを用いた場合と比較して、水素と酸
素を発生させる効率が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、水を分解
して水素と酸素を生成させる従来の方法では、水に電気
エネルギーや光エネルギーを付与する必要があり、その
ため、装置コストや製造コストが高くつくという問題点
があった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、従来法よりも簡単に水を分解して水素及び/
または酸素を製造する方法と、それに用いて好適な触媒
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「水または水溶液に遷移金属酸化物を加えて撹拌する
ことにより、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生
成させる水素及び/または酸素の製造方法(請求項
1)」を提供する。また、本発明は第二に「前記遷移金
属酸化物が酸化ニッケルまたは酸化ニッケルを含む混合
酸化物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
(請求項2)」を提供する。
【0009】また、本発明は第三に「前記遷移金属酸化
物が酸化コバルトまたは酸化コバルトを含む混合酸化物
であることを特徴とする請求項1記載の製造方法(請求
項3)」を提供する。また、本発明は第四に「前記遷移
金属酸化物が酸化鉄または酸化鉄を含む混合酸化物であ
ることを特徴とする請求項1記載の製造方法(請求項
4)」を提供する。
【0010】また、本発明は第五に「前記遷移金属酸化
物が酸化イリジウムまたは酸化イリジウムを含む混合酸
化物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
(請求項5)」を提供する。また、本発明は第六に「前
記遷移金属酸化物が酸化ルテニウムまたは酸化ルテニウ
ムを含む混合酸化物であることを特徴とする請求項1記
載の製造方法(請求項6)」を提供する。
【0011】また、本発明は第七に「前記遷移金属酸化
物が酸化銅または酸化銅を含む混合酸化物であることを
特徴とする請求項1記載の製造方法(請求項7)」を提
供する。また、本発明は第八に「水または水溶液に加え
て撹拌することにより、水素と酸素の少なくともどちら
か一方を生成する機能を有する遷移金属酸化物からなる
触媒(請求項8)」を提供する。
【0012】また、本発明は第九に「前記遷移金属酸化
物が酸化ニッケルまたは酸化ニッケルを含む混合酸化物
であることを特徴とする請求項8記載の触媒(請求項
9)」を提供する。また、本発明は第十に「前記遷移金
属酸化物が酸化コバルトまたは酸化コバルトを含む混合
酸化物であることを特徴とする請求項8記載の触媒(請
求項10)」を提供する。
【0013】また、本発明は第十一に「前記遷移金属酸
化物が酸化鉄または酸化鉄を含む混合酸化物であること
を特徴とする請求項8記載の触媒(請求項11)」を提
供する。また、本発明は第十二に「前記遷移金属酸化物
が酸化イリジウムまたは酸化イリジウムを含む混合酸化
物であることを特徴とする請求項8記載の触媒(請求項
12)」を提供する。
【0014】また、本発明は第十三に「前記遷移金属酸
化物が酸化ルテニウムまたは酸化ルテニウムを含む混合
酸化物であることを特徴とする請求項8記載の触媒(請
求項13)」を提供する。また、本発明は第十四に「前
記遷移金属酸化物が酸化銅または酸化銅を含む混合酸化
物であることを特徴とする請求項8記載の触媒(請求項
14)」を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、電気エネルギーや
光エネルギーを用いずに水を分解する方法について鋭意
研究した結果、遷移金属酸化物を水中または水溶液中に
いれて撹拌することにより、水を分解して水素及び/ま
たは酸素を生成させることができることを見いだして、
本発明(請求項1〜14)をなすにいたった。
【0016】即ち、本発明にかかる水の分解は、従来の
電気分解法や光触媒を用いた水の分解とは異なり、触媒
である遷移金属酸化物を水中または水溶液中にいれて撹
拌するだけで(触媒に光を照射しなくても)水を分解し
て水素及び/または酸素(水素と酸素の少なくともどち
らか一方)を生成させることができる。従って、本発明
(請求項1〜14)によれば、従来法よりも簡単に(装
置コストや製造コストが高くつくことなく)水を分解し
て水素及び/または酸素を製造することができる。
【0017】本発明にかかる遷移金属酸化物は、単純酸
化物又はそれらの混合物からなる酸化物であり、水中ま
たは水溶液中にいれて撹拌することにより、水を分解し
て水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する触媒
物質である。本発明にかかる遷移金属酸化物(触媒)が
水を酸化したり還元させたりするメカニズムはよくわか
らないが、水中または水溶液中に懸濁させて撹拌するこ
とにより、水を分解して水素及び/または酸素を発生さ
せる実験的事実がある(後述の実施例参照)。
【0018】本発明にかかる遷移金属酸化物としては、
例えば、酸化ニッケルもしくは酸化ニッケルを含む混合
酸化物、酸化コバルトもしくは酸化コバルトを含む混合
酸化物、酸化鉄もしくは酸化鉄を含む混合酸化物、酸化
イリジウムもしくは酸化イリジウムを含む混合酸化物、
酸化ルテニウムもしくは酸化ルテニウムを含む混合酸化
物、酸化銅もしくは酸化銅を含む混合酸化物が効率よく
水素及び/または酸素を発生させる上で好ましい(請求
項2〜7,9〜14)。
【0019】本発明にかかる遷移金属酸化物の製造方法
は特に限定されるものではなく、例えば、塩類(炭酸塩
や硝酸塩等)の焼成による方法、ゾルゲル法等の湿式
法、または気相法により製造することができる。本発明
にかかる遷移金属酸化物(触媒)の形状としては、表面
積の大きい微粒子(微粒子サイズ0.1〜10μm)とするこ
とが好ましく、特に好ましい微粒子サイズは0.1〜1μm
である。
【0020】かかる微粒子サイズの触媒は、前記方法に
より製造した遷移金属酸化物をボールミル、遊星ミル、
または乳鉢により粉砕して微粒子化することにより得る
ことができる。本発明にかかる遷移金属酸化物(触媒)
は、助触媒であるPtやNiOによる担持等の修飾を行
っても一向に差し支えない。
【0021】本発明にかかる水分解反応を行う際に使用
する水は純水に限らず、溶質が溶けている水溶液を使用
してもよい。例えば、水に塩類(炭酸塩、炭酸水素塩、
酢酸塩等)、金属イオン(銀イオン等)、アルコール
類、有機物が溶けていても良い。 本発明にかかる水の
分解方法によれば、触媒である遷移金属酸化物を水中ま
たは水溶液中にいれて撹拌するだけで(触媒に光を照射
しなくても)水を分解して水素及び/または酸素(水素
と酸素の少なくともどちらか一方)を生成させることが
できるが、触媒への光照射を併用してもよい。
【0022】即ち、光触媒のように光を照射しても構わ
ない。或いは、撹拌以外に光エネルギーや他のエネルギ
ーを同時に与えてもいっこうに構わない。以下、実施例
により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0023】
【実施例1】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化ニッケル(NiO)を用意した。なお、
酸化ニッケルとしては和光純薬製、純度99.9%の試薬を
使用した。
【0024】本実施例では、閉鎖循環系触媒反応装置を
使用し、反応容器内の純水に微粒子状(粒径10μm以
下)の酸化ニッケル(NiO)を加えて撹拌することによ
り、純水を分解して水素と酸素の両方を生成させた。即
ち、微粒子状の酸化ニッケル0.1gを反応容器内の純
水300ml中に入れて、マグネチックスターラーで攪
拌しながら水分解実験を行った。この際、反応容器をア
ルミ箔で覆うことにより、外部からの光を遮断した状態
で水分解実験を行った。
【0025】そして、生成した水素、酸素の検出及び定
量測定をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュラ
ーシーブ5A)により行った。測定の結果、水素及び酸
素が定常的に生成され、触媒活性は水素:1.3μmol/
h、酸素:0.5μmol/hであることが判った。
【0026】
【実施例2】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化コバルト(Co3O4)を用意した。な
お、酸化コバルトとしては関東化学製のもの(試薬一
級)を使用した。
【0027】本実施例では、閉鎖循環系触媒反応装置を
使用し、反応容器内の純水に微粒子状(粒径10μm以
下)の酸化コバルトを加えて撹拌することにより、純水
を分解して水素と酸素の両方を生成させた。即ち、微粒
子状の酸化コバルト0.1gを反応容器内の純水300m
l中に入れて、マグネチックスターラーで攪拌しながら
水分解実験を行った。この際、反応容器をアルミ箔で覆
うことにより、外部からの光を遮断した状態で水分解実
験を行った。
【0028】そして、生成した水素、酸素の検出及び定
量測定をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュラ
ーシーブ5A)により行った。測定の結果、水素及び酸
素が定常的に生成され、触媒活性は水素:1.8μmol/
h、酸素:0.7μmol/hであることが判った。
【0029】
【実施例3】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化鉄(Fe2O3)と酸化ニッケル(NiO)の
混合酸化物を以下のようにして製造した。
【0030】即ち、酸化鉄:3gと酸化ニッケル:3g
をそれぞれ秤量して、白金ルツボに入れ、空気中で80
0℃、2時間の熱処理を行った後、乳鉢で10μm以下
に粉砕することにより微粒子状とした。得られた微粒子
を粉末X線回折により測定したところ、Fe2O3とNiOの混
合酸化物であった。
【0031】本実施例では、閉鎖循環系触媒反応装置を
使用し、反応容器内の純水に微粒子状(粒径10μm以
下)の触媒(Fe2O3とNiOの混合酸化物)を加えて撹拌す
ることにより、純水を分解して水素と酸素の両方を生成
させた。即ち、微粒子状の触媒(Fe2O3とNiOの混合酸化
物)0.5gを反応容器内の純水300ml中に入れて、
マグネチックスターラーで攪拌しながら水分解実験を行
った。この際、反応容器をアルミ箔で覆うことにより、
外部からの光を遮断した状態で水分解実験を行った。
【0032】そして、生成した水素、酸素の検出及び定
量測定をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュラ
ーシーブ5A)により行った。測定の結果、水素及び酸
素が定常的に生成され、触媒活性は水素:2.3μmol/
h、酸素:1.1μmol/hであることが判った。
【0033】
【実施例4】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化鉄(Fe3O4)と酸化アルミニウム(Al2
O3)との混合物試料を錯体重合法を用いて以下の手順で
調整して製造した。 (1)200mlビーカーにエチレングリコール100ml、無水
クエン酸80gを入れ、このビーカーをホットプレートに
より120℃に加熱して、攪拌しながら無水クエン酸を
エチレングリコールに溶解させて溶液を作製した。 (2)溶液が透き通ったら、塩化鉄(FeCl3)0.015mol
と塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)0.03molを
溶液中に加えた後、ビーカーをホットプレートにより1
50℃に加熱して溶液を攪拌した。 (3)その後、エチレングリコールがポリマー化して粘
度が上昇し、攪拌子が回転しなくなったら、ビーカーを
ホットプレートからマントルヒーターに移して約350
℃に加熱し、ビーカー中の溶媒や有機物を分解、除去し
た。 (4)さらに1050℃、24hrの熱処理を窒素雰囲気下で3
回行って試料とした。
【0034】以上の調整により得られた試料(触媒物
質)のXRD測定を行ったところ、Fe3O4とAl2O3の混合
物であることが確認された。本実施例では、閉鎖循環系
触媒反応装置を使用し、反応容器内の純水に微粒子状
(粒径10μm以下)の触媒(酸化鉄Fe3O4と酸化アルミニ
ウムAl2O3の混合物)を加えて撹拌することにより、純
水を分解して水素と酸素の両方を生成させた。
【0035】即ち、微粒子状の触媒(酸化鉄Fe3O4と酸
化アルミニウムAl2O3の混合物)0.1gを反応容器内の純
水200ml中に入れて、マグネチックスターラーで撹拌し
ながら水分解実験を行った。この際、反応容器をアルミ
箔で覆うことにより、外部からの光を遮断した状態で水
分解実験を行った。そして、生成した水素、酸素の検出
及び定量をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュ
ラーシーブ5A)により行った。
【0036】測定の結果、水素、酸素が定常的に生成さ
れ、触媒活性は水素:1.68μmol/h、酸素:0.97μmol/h
であることが判った。
【0037】
【実施例5】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化イリジウム(IrO2)を用意した。な
お、酸化イリジウムとしてはアルドリッチ社製、純度9
9.9%の試薬を使用した。
【0038】本実施例では、閉鎖循環系触媒反応装置を
使用し、反応容器内の純水に微粒子状(粒径10μm以
下)の酸化イリジウム(IrO2)を加えて撹拌することによ
り、純水を分解して水素と酸素の両方を生成させた。即
ち、微粒子状の酸化イリジウム0.1gを反応容器内の純水
200ml中に入れて、マグネチックスターラーで撹拌しな
がら水分解実験を行った。この際、反応容器をアルミ箔
で覆うことにより、外部からの光を遮断した状態で水分
解実験を行った。
【0039】そして、生成した水素、酸素の検出及び定
量をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュラーシ
ーブ5A)により行った。測定の結果、水素、酸素が定
常的に生成され、触媒活性は水素:0.22μmol/h、酸
素:0.07μmol/hであることが判った。
【0040】
【実施例6】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化ルテニウム(RuO2)を用意した。な
お、酸化ルテニウムとしてはアルドリッチ社製、純度9
9.9%の試薬を使用した。
【0041】本実施例では、閉鎖循環系触媒反応装置を
使用し、反応容器内の純水に微粒子状(粒径10μm以
下)の酸化ルテニウム(RuO2)を加えて撹拌することによ
り、純水を分解して水素と酸素の両方を生成させた。即
ち、微粒子状の酸化ルテニウム0.1gを反応容器内の純水
200ml中に入れて、マグネチックスターラーで撹拌しな
がら水分解実験を行った。この際、反応容器をアルミ箔
で覆うことにより、外部からの光を遮断した状態で水分
解実験を行った。
【0042】そして、生成した水素、酸素の検出及び定
量をガスクロマトグラフィー(カラム:モレキュラーシ
ーブ5A)により行った。測定の結果、水素、酸素が定
常的に生成され、触媒活性は水素:0.1μmol/h、酸素:
0.05μmol/hであることが判った。
【0043】
【実施例7】水または水溶液に加えて撹拌することによ
り、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する機
能を有する遷移金属酸化物からなる本実施例にかかる触
媒物質として酸化銅(I)(Cu2O)を以下の手順で製造
した。 (1)CuSO4・5H2O、12.5gを純水50mlに溶解した。 (2)ロシェル塩(C4H4OKNaO6・4H2O)18.75gを純水50m
lに溶解した。 (3)(1)、(2)によりそれぞれ作製した試料溶液
を混合してから、水酸化ナトリウム(純水50ml中に37.5
gを溶解したもの)を加えた後、加熱、沸騰させてフェ
ーリング溶液を作製した。 (4)アルゴン雰囲気下において、(3)により作製し
たフェーリング溶液に攪拌しながらD-グルコース(純
水25ml中に2.13g溶解したもの)を加えた。 (5)(4)により生成した沈殿を濾別、水洗してから
乾燥して試料とした。
【0044】以上の調整により得られた試料(触媒物
質)のXRD測定を行ったところ、目的物である酸化銅
(I)(Cu2O)であることが確認された。本実施例では、
閉鎖循環系触媒反応装置を使用し、反応容器内の純水に
微粒子状(粒径10μm以下)の触媒(酸化銅(I))を
加えて撹拌することにより、純水を分解して水素と酸素
の両方を生成させた。
【0045】即ち、微粒子状の触媒(酸化銅(I))0.
1gを反応容器内の純水200ml中に入れて、マグネチック
スターラーで撹拌しながら水分解実験を行った。この
際、反応容器をアルミ箔で覆うことにより、外部からの
光を遮断した状態で水分解実験を行った。そして、生成
した水素、酸素の検出及び定量をガスクロマトグラフィ
ー(カラム:モレキュラーシーブ5A)により行った。
【0046】測定の結果、水素、酸素が定常的に生成さ
れ、触媒活性は水素:4.7μmol/h、酸素:3.7μmol/hで
あることが判った。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明にかかる水の
分解は、従来の電気分解法や光触媒を用いた水の分解と
は異なり、触媒である遷移金属酸化物を水中または水溶
液中にいれて撹拌するだけで(触媒に光を照射しなくて
も)水を分解して水素及び/または酸素(水素と酸素の
少なくともどちらか一方)を生成させることができる。
【0048】従って、本発明(請求項1〜14)によれ
ば、従来法よりも簡単に(装置コストや製造コストが高
くつくことなく)水を分解して酸素及び/または水素を
製造することができる。本発明にかかる遷移金属酸化物
として酸化ニッケル(NiO)、酸化コバルト(Co3O4)、
酸化鉄(Fe2O3、Fe3O4)、酸化イリジウム(IrO2)、酸
化ルテニウム(RuO2)、酸化銅(Cu2O)またはこれらを
含む混合酸化物を用いれば、水中に縣濁し撹拌するだけ
で、定常的に水素及び/または酸素を生成することがで
きる。
【0049】即ち、本発明にかかる遷移金属酸化物とし
て、酸化ニッケルもしくは酸化ニッケルを含む混合酸化
物、酸化コバルトもしくは酸化コバルトを含む混合酸化
物、酸化鉄もしくは酸化鉄を含む混合酸化物、酸化イリ
ジウムもしくは酸化イリジウムを含む混合酸化物、酸化
ルテニウムもしくは酸化ルテニウムを含む混合酸化物、
酸化銅もしくは酸化銅を含む混合酸化物を用いると、一
層効率よく水素及び/または酸素を発生させることがで
きる。
【0050】本発明によれば、光照射をしなくても安定
して水を分解して、水素及び/または酸素を得ることが
できる。 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/75 B01J 23/74 311M 23/755 321M (72)発明者 原 亨和 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学資源化学研究所内 (72)発明者 野村 淳子 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学資源化学研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水または水溶液に遷移金属酸化物を加え
    て撹拌することにより、水素と酸素の少なくともどちら
    か一方を生成させる水素及び/または酸素の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属酸化物が酸化ニッケルまた
    は酸化ニッケルを含む混合酸化物であることを特徴とす
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属酸化物が酸化コバルトまた
    は酸化コバルトを含む混合酸化物であることを特徴とす
    る請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記遷移金属酸化物が酸化鉄または酸化
    鉄を含む混合酸化物であることを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記遷移金属酸化物が酸化イリジウムま
    たは酸化イリジウムを含む混合酸化物であることを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記遷移金属酸化物が酸化ルテニウムま
    たは酸化ルテニウムを含む混合酸化物であることを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記遷移金属酸化物が酸化銅または酸化
    銅を含む混合酸化物であることを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 水または水溶液に加えて撹拌することに
    より、水素と酸素の少なくともどちらか一方を生成する
    機能を有する遷移金属酸化物からなる触媒。
  9. 【請求項9】 前記遷移金属酸化物が酸化ニッケルまた
    は酸化ニッケルを含む混合酸化物であることを特徴とす
    る請求項8記載の触媒。
  10. 【請求項10】 前記遷移金属酸化物が酸化コバルトま
    たは酸化コバルトを含む混合酸化物であることを特徴と
    する請求項8記載の触媒。
  11. 【請求項11】 前記遷移金属酸化物が酸化鉄または酸
    化鉄を含む混合酸化物であることを特徴とする請求項8
    記載の触媒。
  12. 【請求項12】 前記遷移金属酸化物が酸化イリジウム
    または酸化イリジウムを含む混合酸化物であることを特
    徴とする請求項8記載の触媒。
  13. 【請求項13】 前記遷移金属酸化物が酸化ルテニウム
    または酸化ルテニウムを含む混合酸化物であることを特
    徴とする請求項8記載の触媒。
  14. 【請求項14】 前記遷移金属酸化物が酸化銅または酸
    化銅を含む混合酸化物であることを特徴とする請求項8
    記載の触媒。
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