JPH11319907A - 厚鋼板の製造設備および厚鋼板の製造方法 - Google Patents

厚鋼板の製造設備および厚鋼板の製造方法

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JPH11319907A
JPH11319907A JP10151940A JP15194098A JPH11319907A JP H11319907 A JPH11319907 A JP H11319907A JP 10151940 A JP10151940 A JP 10151940A JP 15194098 A JP15194098 A JP 15194098A JP H11319907 A JPH11319907 A JP H11319907A
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thick steel
cooling
thick
plate
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JP10151940A
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Hiroshi Kibe
洋 木部
Satoshi Kamioka
悟史 上岡
Shinji Mitao
真司 三田尾
Shogo Tomita
省吾 富田
Masayuki Horie
正之 堀江
Shosei Kamata
正誠 鎌田
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板長さが大きい場合における鋼板長手方向
のトップ部とボトム部の冷却開始温度差に基づく、長手
方向の材質の均一性を確保するとともに、大単重スラブ
の使用を可能として生産性、歩留まりの向上を図る厚鋼
板の製造設備およびそれを用いた厚鋼板の製造方法を実
現することを目的とする。 【解決手段】 厚板圧延機とこれに後続する制御冷却装
置とからなる厚鋼板製造設備において、該圧延機と該制
御冷却装置との間に、鋼板長さ測定装置と熱間切断機を
備えることを特徴とする厚鋼板の製造設備である。さら
に、本設備を用いて、熱間で仕上圧延した厚鋼板を、鋼
板の長手方向の温度差が所定の範囲に入るように切断
し、切断された各厚鋼板が一定の機械的性質を有するよ
うに厚鋼板ごとに制御冷却すること、または、各厚鋼板
ごとに異なる機械的性質を有するように厚鋼板ごとに冷
却条件を変えて制御冷却する製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は厚鋼板の製造設備お
よびそれを用いた厚鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚鋼板の製造においては、仕上圧延後の
厚鋼板を制御冷却することにより鋼材の高強度化、高靭
性化を図る加工熱処理が行われている。この方法によ
り、所定の強度を有する鋼材の必要な合金元素の量を低
減することが可能となるため、溶接性に優れ、かつ高強
度・高靭性の厚鋼板を効率よく製造することができる。
【0003】一般に、厚鋼板の制御冷却に用いられる制
御冷却装置は、例えば特公昭53−37809号公報に
開示されているような、図1に示す一斉冷却型の制御冷
却装置と、例えば特公昭62−41294号公報に開示
されているような、図2に示す通過型の制御冷却装置と
に大別される。
【0004】一斉冷却型の制御冷却装置は、冷却される
厚鋼板の全体が制御冷却装置の中に進んだ後に、厚鋼板
の全長にわたり一斉に冷却が開始されるものである。こ
のため、制御冷却の開始温度は厚鋼板の全ての部分でほ
ぼ同一となるため、その機械的性質の変動が小さいとい
う特長を有するが、圧延長が長い場合には冷却設備が厚
鋼板の長さ以上に長いことが必要となり、設備費の上昇
を招くとともに設備レイアウト上の制約も生じるという
問題点がある。
【0005】一方、通過型の制御冷却装置の場合は、冷
却される厚鋼板の先端部分が制御冷却装置の中に入る
と、冷却が順次開始されるものである。従って、冷却設
備の長さを厚鋼板の圧延長より短くすることができるの
で、設備がコンパクトで安価であるという特長がある。
しかし、厚鋼板の長手方向のトップ部とボトム部で冷却
開始温度が異なるため、長手方向の材質の均一性の確保
に課題がある。
【0006】そこで、通常は、冷却設備の長さに応じて
冷却される厚鋼板の圧延長を制限することにより、冷却
開始温度差を一定範囲内に抑え、鋼板のトップ部とボト
ム部の材質差の均一化を図っている。しかし、この解決
手段では、厚鋼板の圧延長を制約することより圧延素材
としてのスラブ単重も制約を受けることとなり、制御冷
却材の生産性や歩留まりを低下させる原因となってい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を鑑みてなされたものであり、制御冷却材の材質のばら
つきを抑えつつ、生産性、歩留まりを向上させることを
可能とする厚鋼板の製造設備および厚鋼板の製造方法を
実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手投】本発明者らは、かかる課
題の解決に向けて鋭意検討した結果、以下の厚鋼板の製
造設備及びそれを用いた厚鋼板の製造方法を発明するに
至った。まず、第1の発明は、厚板圧延機とこれに後続
する制御冷却装置とからなる厚鋼板製造設備において、
該圧延機と該制御冷却装置との間に、鋼板長さ測定装置
と熱間切断機を備えることを特徴とする厚鋼板の製造設
備である。本発明により、制御冷却に際して、製品長に
見合った長さの厚鋼板を制御冷却することができるた
め、鋼板のトップ部とボトム部の温度差を一定範囲内に
抑えて材質の均一化を図ることができ、従って圧延長の
制約緩和に伴うスラブの大単重化が可能となるので、厚
鋼板の生産性、歩留りが向上する。
【0009】第2の発明は、熱間で仕上圧延した厚鋼板
を、鋼板の長手方向の温度差が所定の範囲に入るように
切断し、切断された各厚鋼板が一定の機械的性質を有す
るように厚鋼板ごとに制御冷却することを特徴とする厚
鋼板の製造方法である。本発明により、所定の長さの製
品ごとに、その制御冷却開始温度を考慮した制御冷却条
件の選択が可能となり、一枚の大板から採取する複数の
鋼板の機械的性質を一定にすることができるので、製品
ロットの材質の均一化を図ることができる。
【0010】第3の発明は、熱間で仕上圧延した厚鋼板
を、鋼板の長手方向の温度差が所定の範囲に入るように
切断し、切断された各厚鋼板が各厚鋼板ごとに異なる機
械的性質を有するように厚鋼板ごとに冷却条件を変えて
制御冷却することを特徴とする厚鋼板の製造方法であ
る。本発明により、一枚の大板から、異なる機械的性質
(強度)を有する製品を作り分けをすることができるの
で、製品ロットが小さい最近の傾向に対しても大単重の
スラブを使用することができ、生産性及び製品歩留りの
向上効果が大きい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、熱間圧延機の出側に、
鋼板の長さ測定装置と熱間切断機と制御冷却装置が設置
されていることを特徴とする厚鋼板の製造設備、及び熱
間圧延機によって圧延された厚鋼板を、熱間で切断し、
切断後の鋼板をそれぞれの材質の要求に見合った条件で
制御冷却することを特徴とする厚鋼板の製造方法であ
る。
【0012】従来、制御冷却した厚鋼板は、熱間圧延ま
ま又は制御圧延ままの鋼板に比べて、強度、靭性に著し
く優れることから、圧延能率や歩留まりが多少低下して
も、総合的に十分メリットが得られていた。しかしなが
ら、近年、コスト低減競争が激しくなり、かかる材質的
に大きな優位性を有する制御冷却材においても、熱間圧
延まま又は制御圧延ままの厚鋼板に匹敵する生産性、歩
留まりが要求されるようになってきた。
【0013】ところが、上述したように、設備的に利点
のある通過冷却型の制御冷却装置では、鋼板のトップ部
から順次水冷されるため、その間厚鋼板の長手方向に冷
却開始の時間差、すなわち冷却開始温度差が生じる。
【0014】このため、厚鋼板のトップ部とボトム部の
冷却開始温度差を一定範囲内に抑えるためには、制御冷
却される鋼板の長さを短く制限するか、または鋼板の長
手方向の冷却開始温度の低下を防止すべく冷却装置内で
の鋼板の搬送速度を増加させる方法がある。
【0015】しかし、鋼板の冷却速度を加速度的に増加
させる方法は、理論的には可能であるが、実際の厚鋼板
の製造において搬送速度、冷却速度を的確に制御するの
は容易ではない。
【0016】従って、厚鋼板のトップ部とボトム部の冷
却開始温度差を一定範囲内に抑えるために、圧延長の制
限を設ける方法が一般的に採用されてきたが、この方法
は圧延素材としてのスラブの大きさ(単重)も制限する
こととなる。例えば、図3は厚鋼板の鋼板長さと鋼板の
トップ部とボトム部の冷却開始温度差の関係を示した図
である。
【0017】ここで冷却は、長さ20mの通過型制御冷
却装置を用いて、種々の長さを有する板厚15mmの厚
鋼板を用いて、目標冷却開始温度800℃から冷却速度
12℃/sで制御冷却した。鋼板の長さが50mの場合
には、鋼板のボトム部は、目標の800℃から60℃以
上も低下した温度から冷却が開始されることになる。
【0018】従って、一般的に、材質の均一性が維持で
きると考えられる鋼板のトップ部とボトム部の冷却開始
温度差を30℃以内に抑えるためには、鋼板の長さを2
0m以内にしなければならないことがわかる。通常の鋼
板の最大圧延長は、40m〜50m程度であることを考
えると、この制約によって、制御冷却材の圧延長さの制
約、すなわちスラブ単重が制約され、生産性、歩留りが
著しく低下することになる。
【0019】ところで、一般に、制御冷却材の材質は、
冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度で制御される。
図4は厚鋼板の代表的な鋼(フェライト−パーライト
鋼)における連続冷却変態曲線(CCT曲線)に、鋼板
の製造温度履歴を重ねた模式図である。制御冷却材のト
ップ部とボトム部の温度履歴は、図4中の曲線(a)及
び(b)で表される。鋼板長さが大きくなり、図3で示
した大きな冷却開始温度差があった場合には、曲線
(a)と(b)の差も拡大され、鋼板の長手方向の材質
の不均一性も助長されることになる。
【0020】そこで、発明者らは、既存の厚板の圧延ラ
インの制約を考慮しつつ、スラブ単重を可能な限り大き
くして生産性を高位に維持しながら、制御冷却材のトッ
プ部とボトム部の材質を均一化するためには、仕上圧延
機と制御冷却装置の間に、鋼板長さ測定装置と熱間切断
機を配置する構成を考案した。
【0021】本発明に係る設備の構成においては、圧延
後の鋼板は、トップ部とボトム部の材質の不均一性が問
題とされない長さに切断した後に制御冷却を開始するも
のである。すなわち、まず切断した小板鋼板の最初の1
枚が制御冷却されるが、この時の温度履歴は図4中の曲
線(a)で示される。次に、切断された2枚目の小板鋼
板を制御冷却する。
【0022】この場合に、冷却開始温度は、最初に制御
冷却した鋼板より低下しているが、図4中の曲線(c)
に示すように、冷却速度を高めることにより、冷却開始
温度が低下しても制御冷却中に生成するフエライトの生
成温度を低下させると共にベイナイト分率を確保して、
冷却後の機械的特性を曲線(a)の場合とほぼ同様に維
持することができる。切断された3枚目以降の小板鋼板
についても同様に、制御冷却開始温度の低下を冷却速度
の増加により相殺して、一定の機械的性質を得ることが
可能となる。
【0023】従って、この発明によれば、圧延長の長い
大板の鋼板の機械的性質の変動を抑えることができると
ともに、複数の小板鋼板間の機械的性質の変動も最小に
することが可能となるため、製品ロットとして安定した
材質を維持することができることになる。
【0024】図5は、この発明の実施の形態の一例を示
す構成図である。図中の、1は熱間圧延機、2は熱間切
断機、3は制御冷却装置、4はホットレベラーをそれぞ
れ示す。
【0025】熱間切断機2の方式は、圧延ピッチに影響
を及ばさなければ、特に限定するものではなく、走間型
のローリングカッター式切断機や通常のシアー型の剪断
機でもよい。また、熱間切断機2を設置する位置は、熱
間圧延機1と制御冷却装置3の中間であれば、特に限定
するものではない。
【0026】また、製品の歩留りを向上させるために
も、本熱間切断機には鋼板長さ測定装置を併せて備える
ことが必要があるが、鋼板長さ測定装置を設置する位置
については特に限定しない。例えば、走間型の切断機で
あれば、切断に際して鋼板を一旦停止する必要がなく設
置位置の制約を設ける必要がないからである。
【0027】制御冷却装置3は水スプレーや噴流により
厚鋼板を水冷する装置であり、冷却方式は特に問わな
い。また、熱間切断機2と冷却装置3の間にホットレベ
ラー4等の形状矯正装置を設置してもよい。
【0028】切断鋼板の長さは、製品の長さを考慮しつ
つ、冷却装置の長さ、冷却速度、冷却水量等の冷却条件
に応じて、トップ部とボトム部の冷却開始温度差が、材
質の均一性を維持するのに必要な値になるように設定す
れば良い。また、切断する鋼板の枚数は特に限定しない
が、切断枚数が増えるにしたがって、2枚目以降の小板
鋼板の制御冷却開始までの待ち時間が長くなり冷却開始
温度が低下するため、制御冷却の効果が得られる範囲内
で選択する必要がある。
【0029】なお、本発明の構成による場合、熱間切断
した複数枚の小板鋼板のすべてを、同じ機械的性質とな
るように冷却速度を変化させることのほか、複数枚の小
板鋼板が各々異なる機械的特性が得られるように冷却条
件を制御することも可能である。
【0030】例えば、引張強さ400MPa級の化学成
分を有する鋼を用いて、切断した一部の小板鋼板に制御
冷却を施し引張強さ490MPa級の高張力鋼を製造す
ると共に、他の小板鋼板は圧延ままの状態で引張強さ4
00MPa級鋼とすることもできる。
【0031】また、例えば、一部の小板鋼板は常温近く
まで冷却を施すいわゆる直接焼入れを行いその後オフラ
インで焼戻しを行って引張強さ590MPa級の高張力
鋼を製造し、他の小板鋼板は制御冷却ままで引張強さ4
90MPa級の高張力鋼を製造することも可能である。
【0032】更に、1枚目の小板鋼板を制御冷却してい
る間に、2枚目の小板鋼板を再度熱間圧延して、板厚の
異なる鋼板の製造をすることも可能である。この場合に
は、制御冷却の間の圧延の待機時間が少なくなるため、
生産性は更に向上する。
【0033】
【実施例1】図5に示すように配置された、熱間圧延
機、熱間切断機、制御冷却装置を用いて、圧延機によっ
て圧延された鋼板(大板)を、熱間切断機で2枚の小板
鋼板に切断した後、制御冷却装置により2枚の小板鋼板
を各々異なった条件で制御冷却した。ここで、熱間切断
機はシアー型の剪断機である。
【0034】供試材は、重量%で、C:0.12%、S
i:0.3%、Mn:1.3%を含有する鋼を、加熱炉
で1150℃加熱後、熱間圧延により板厚15mm、板
幅3000mm、板長40mの鋼板に圧延した後、熱間
切断機により板長20mの2枚の小板鋼板に切断、分割
した。
【0035】その後、引き続き2枚の小板鋼板を順次制
御冷却装置で冷却した。この時の冷却条件は、1枚目の
鋼板は800℃から500℃までを冷却速度12℃/s
で冷却し、2枚目の鋼板は740℃から500℃までを
冷却速度25℃/sで冷却した(本発明例1)。
【0036】比較例として、本発明例1と同じ組成を有
する鋼を同じ条件で圧延し、板厚15mm、板幅300
0mm、板長40mの鋼板とした後、引き続き800℃
から500℃まで、冷却速度12℃/sで冷却した場合
(比較例3)と、同じ組成の鋼で小さなスラブから板厚
15mm、板幅3000mm、板長20mの鋼板を圧延
し、引き続き800℃から500℃まで、冷却速度12
℃/sで冷却した場合(比較例4)の冷却後の鋼板の材
質を調べた。
【0037】図6として示す表1に、制御冷却後の鋼板
の引張試験結果を示す。本発明例1では、2枚の小板鋼
板ともほぼ同じ強度(引張強さ)が得られ、鋼板の長手
方向のばらつきも小さかった。この時のスラブ単重は1
4.34トンであり、製品歩留まりは97.9%であっ
た。
【0038】これに対し、比較例の場合、板長40mの
鋼板(比較例3)では、鋼板トップ部は強度は十分であ
ったが、ボトム部は制御冷却開始温度の低下により強度
が著しく低下した。また、板長20mの鋼板(比較例
4)は、強度は十分であり、強度のばらつきも小さかっ
たものの、スラブ単重が7.32トンと小さいため、本
発明例に比べ製品歩留まりが劣っている。
【0039】
【実施例2】図5に示すように配置された、熱間圧延
機、熱間切断機、制御冷却装置を用いて、圧延機によっ
て板厚30mmに圧延された鋼板を、熱間切断機で2枚
に切断した後、1枚の小板鋼板は制御冷却装置により引
き続き冷却し、他の1枚の小板鋼板はさらに圧延機で板
厚15mmに圧延した後、制御冷却した。ここで、熱間
切断機はローリングカッターを用いた。
【0040】供試材は、重量%で、C:0.13%、S
i:0.33%、Mn:1.35%、Nb:0.02%
を含有する鋼である。単重が16.77トンのスラブ
を、加熱炉で1150℃加熱後、熱間圧延により板厚3
0mm、板幅3200mm、板長22mの鋼板とした
後、熱間切断機により板長12mと10mの2枚の小板
鋼板に切断、分割した。
【0041】その後、板厚30mm、板長12mの鋼板
は、引き続き制御冷却装置で冷却した。この時の冷却条
件は、冷却開始温度800℃、冷却停止温度500℃、
冷却速度20℃/sであった。一方、板長10mの小板
鋼板は、引き続き圧延し、板厚15mm、板長20mに
圧延した後、740℃から500℃まで冷却速度40℃
/sで冷却した(本発明例2)。
【0042】比較例5として、発明例2と同じ組成を有
する鋼で、単重が9.29トンのスラブから、板厚30
mm、板幅3200mm、板長12mの鋼板を圧延した
後、引き続き800℃から500℃まで、冷却速度20
℃/sで冷却した。また、比較例6として、同じ組成の
鋼で単重7.78トンのスラブから、板厚15mm、板
幅3200mm、板長20mの鋼板を圧延し、引き続き
800℃から500℃まで、冷却速度12℃/sで冷却
した。
【0043】図7として示す表2に、制御冷却後の鋼板
の引張試験結果を示す。制御冷却後の鋼板の強度は、い
ずれの鋼板も圧延トップ部、ボトム部ともに、引張強さ
で595〜605MPaの範囲の値を示し、長手方向の
ばらつきは少なかった。しかし、製品歩留まりは本発明
例2が98.2%であったのに対し、比較例5は96.
8%、比較例6は96.2%となり、発明例に比べて製
品歩留まりが劣っている。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、設備費の点で利点のあ
る通過型制御冷却装置を用いた場合における板長の大き
い厚鋼板の長手方向の機械的性質の均一化を維持しつ
つ、スラブ単重を大きくすることができる。このため、
制御冷却材の生産性、歩留まりを向上させることが可能
となり、材質的に優れる制御冷却材を低コストで、か
つ、能率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一斉冷却型の制御冷却装置の構成を示す図であ
る。
【図2】通過型の制御冷却装置の構成を示す図である。
【図3】厚鋼板の鋼板長さと鋼板のトップ部とボトム部
の冷却開始温度差の関係を示した図である。
【図4】フェライト−パーライト鋼の連続冷却変態曲線
(CCT曲線)と鋼板の製造温度履歴の関係を模式的に
示す図である。
【図5】本発明の構成を示す図である。
【図6】実施例1の製造条件、鋼板の引張強さ、製品歩
留りを表1として示す図である。
【図7】実施例2の製造条件、鋼板の引張強さ、製品歩
留りを表2として示す図である。
【符号の説明】
1:熱間圧延機 2:熱間切断機 3:制御冷却装置 4:ホットレベラー 5:鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 省吾 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 堀江 正之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鎌田 正誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚板圧延機とこれに後続する制御冷却装
    置とからなる厚鋼板製造設備において、該圧延機と該制
    御冷却装置との間に、鋼板長さ測定装置と熱間切断機を
    備えることを特徴とする厚鋼板の製造設備。
  2. 【請求項2】 熱間で仕上圧延した厚鋼板を、鋼板の長
    手方向の温度差が所定の範囲に入るように切断し、切断
    された各厚鋼板が一定の機械的性質を有するように厚鋼
    板ごとに制御冷却することを特徴とする厚鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記切断された各厚鋼板が各厚鋼板ごと
    に異なる機械的性質を有するように厚鋼板ごとに冷却条
    件を変えて制御冷却することを特徴とする請求項2記載
    の厚鋼板の製造方法。
JP10151940A 1998-05-18 1998-05-18 厚鋼板の製造設備および厚鋼板の製造方法 Pending JPH11319907A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248383A (ja) * 2007-03-05 2008-10-16 Jfe Steel Kk 直接焼入れ型薄肉厚鋼板およびその製造方法

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JP2008248383A (ja) * 2007-03-05 2008-10-16 Jfe Steel Kk 直接焼入れ型薄肉厚鋼板およびその製造方法

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