JPH11318500A - 甜菜粗汁を清浄する処理方法 - Google Patents

甜菜粗汁を清浄する処理方法

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JPH11318500A
JPH11318500A JP10142091A JP14209198A JPH11318500A JP H11318500 A JPH11318500 A JP H11318500A JP 10142091 A JP10142091 A JP 10142091A JP 14209198 A JP14209198 A JP 14209198A JP H11318500 A JPH11318500 A JP H11318500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ケーキおよび炭酸ガスの量を低減すると共
に省エネルギー、低コストで、従来の炭酸法と同等以上
の白糖品質を維持向上できる甜菜粗汁の清浄処理方法を
提供する。 【解決手段】 製糖工程において甜菜粗汁を清浄する処
理方法であって、甜菜粗汁をマグネシアで接触処理した
後濾過し、該濾過汁に石灰乳を添加して石灰処理し、か
つ炭酸飽充することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製糖工程において
甜菜粗汁を清浄する処理方法に関し、さらに詳しくは、
マグネシアを用いて甜菜粗汁を清浄する処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】砂糖の工業的製造は、原料として主に甜
菜(ビート、アカザ科)または甘蔗(サトウキビ、イネ
科)に基礎をおいている。甜菜は主に、ヨーロッパ、ロ
シアおよびアメリカ合衆国などの寒帯から亜寒帯地域に
おいて栽培されており、日本では北海道において栽培さ
れている。一方、甘蔗は主に、ブラジル、インド、キュ
ーバ、タイ、オーストラリアなどの亜熱帯から熱帯地域
において栽培されており、日本では沖縄、鹿児島をはじ
めとるする地域で栽培されている。このように、甜菜と
甘蔗は、植物起源を異にし、また生育環境も異なること
から、砂糖以外に含まれる成分の組成が大きく異なって
いる。
【0003】甜菜浸出汁は、タンパク態窒素、アミノ酸
態窒素、ベタインなどの植物塩基酸態窒素からなる含窒
素非糖物質、サポニン、有機酸、主としてペクチン質な
どのコロイド等からなる不純物を多量に含むことを特徴
とする。その組成は、甘蔗圧搾汁や精製糖工業における
洗糖溶液とは大きく異なる(表1)。なお、主として甜
菜浸出汁は耕地白糖に、甘蔗圧搾汁は原料糖に、洗糖溶
液は精製糖にそれぞれ清浄工程を経て結晶化される。
【0004】
【表1】 糖液 甜菜浸出汁 甘蔗圧搾汁 洗糖溶液 固形分(%) 12〜17 14〜20 63〜68 純糖率(%) 87〜90 80〜88 99以上 不純物(=100 −純糖率) (%) 10〜13 12〜20 1以下 還元糖/固形分(%) 0.4 〜1.1 4.0 〜8.0 約0.2 灰分/固形分(%) 2.5 〜3.5 1.0 〜4.0 0.1〜0.2 また、甜菜には、含まれている窒素化合物による嗜好的
に好ましくないにおいがある。そのため、甜菜から白糖
製品を製造する上でいかにこのにおいを取り除くかとい
うことも清浄工程の上で重要である。
【0005】甜菜浸出汁または甘蔗圧搾汁を製糖工場で
清浄する処理方法としては、ともに石灰を使用した清浄
方法が広く用いられている。甜菜の場合、甜菜の浸出汁
固形分当たりCaO換算で約11重量%(甜菜に対しC
aO換算で約2.0 重量%)の石灰乳を使用し、炭酸飽充
するのに対し、甘蔗の場合、甘蔗の圧搾汁固形分当たり
CaO換算で約0.1〜0.6重量%(甘蔗に対しCa
O換算で約0.03〜0.10重量%)の石灰乳を添加
し、清浄処理をおこなっている。
【0006】この石灰乳の添加量の差は、原料の差にも
よるが、得られる耕地白糖と原料糖という製品の差によ
るところが大きい。そのため甜菜の場合、甘蔗に比較し
て使用される石灰乳の量が多く、それに伴って排出され
る量の排ケーキの量が多くなる。さらに、石灰を多く使
用するので、石灰製造の際に生じる炭酸ガスの量も、一
部は炭酸飽充で使用されるとはいえ、膨大な量になると
ともに消費するエネルギーも多くなる。
【0007】甜菜浸出汁の清浄方法については、これま
で多くの方法が提案されてきたが、実用化されているの
は、炭酸法、イオン交換樹脂法およびその他の吸着剤に
よる方法である。しかし、現段階では、後二者を採用す
る場合においても、あらかじめ必ず炭酸法で処理するこ
とが必要となる。
【0008】炭酸法は、現在最も普通に世界的に採用さ
れている甜菜の清浄方法であり、具体的には前石灰処理
後、主石灰処理をし、次に第一炭酸飽充そして第二炭酸
飽充を行う。以下、炭酸法について詳しく述べる。
【0009】まず、収穫した甜菜をスライサーで裁断
し、浸出塔で浸出して甜菜浸出汁を得る。この甜菜浸出
汁について炭酸法をおこなう。炭酸法で使用する石灰乳
は、石灰を水もしくは通常、一部製糖工程中で生じる甘
水を利用し、溶解、懸濁させてつくる。石灰は、通常製
糖工場内のライムキルンで、コークスを燃料として、石
灰石を1000℃以上の高温で焼成しつくられる。その
ため、焼成時に多量の熱エネルギーを要する。また、こ
の過程で、石灰石の熱分解により、生石灰とともに炭酸
ガスが生成する。この発生した大量の炭酸ガスを水洗
し、その一部をポンプで吸引して炭酸飽充工程に送る。
しかし浸出汁に対する石灰量が多量であるため、これを
中和する炭酸ガスの量が大量に必要なことから、大容量
のポンプを必要とする。一例として、甜菜3000トン
/日の処理工場では、200KWのポンプを使用してい
る。
【0010】なお、現在石灰を焼成再生し、繰り返し使
用することは、技術上および経済性の問題からおこなわ
れていない。その結果として、清浄処理に使用した石灰
乳が浸出汁中の不純物を吸着して炭酸カルシウムとな
り、大量の排ケーキとなる。この排ケーキは産業廃棄物
となり、その処理が大きな問題となっている。この大量
の排ケーキは、甜菜糖工場の場合、前にも述べた理由か
ら白糖製品当たり、水分50%換算として約45重量%
となり、精製糖工場の約15倍量にも相当する。浸出さ
れてきた甜菜粗汁のpHは、約6であり、この甜菜粗汁
は、前石灰処理槽で、温度40〜60℃に加熱され、甜
菜当たりCaO換算で約0.2重量%の石灰乳が添加さ
れ、約pH11となって溢流し、主石灰添加槽へ移る。
【0011】甜菜粗汁のコロイドは、pHと大いに関連
し、約pH11に、これらコロイドの凝固沈殿の最適点
がある。さらに石灰乳を加えることにより、一旦沈殿し
たコロイドは、再び解膠しがちであるが、前石灰添加槽
内で槽内を何段にも仕切り、甜菜粗汁のpHを徐々に上
昇させることにより、沈殿は充分に脱水されて水和度の
小さいものとなるため、次に主石灰添加時にpHが極度
に高くなっても解膠し難くなる。
【0012】このように前石灰添加槽内で槽内を何段に
も仕切り、甜菜粗汁のpHを徐々に上昇させる方法を、
段階式前石灰添加と称する。従来の主石灰添加の前段階
として、段階式前石灰添加を用いることにより、第一炭
酸飽充汁の濾過性も良くなる。さらに、第一炭酸飽充汁
を、粗汁に対し100%量を前石灰添加槽に戻すことに
より、前石灰処理、主石灰処理を含め石灰全量で、甜菜
当たりCaO換算で合計約2.0重量%の石灰乳(甜菜
の粗汁固形分当たり、CaO換算で11重量%に相当す
る)の使用量で、連続濾過作業に適した沈殿が得られ
る。なおこの際、石灰は石灰乳の形で添加されるため、
石灰乳添加と同時に多量の水が粗汁に添加されることに
なり、その分蒸発エネルギーが多く必要となる。ただ
し、一部は工程で生じる甘水が使用されるため、その分
の蒸発エネルギーは除外されることになる。
【0013】次に、主石灰処理として、40〜60℃の
前石灰添加汁を85〜90℃まで加熱し、これに甜菜当
たりCaO換算で約1.8重量%の石灰乳を加えて十分
混合し、10〜20分間放置する。この際の石灰処理汁
のpHは、約12.5である。
【0014】この主石灰添加槽から出てくる約pH1
2.5の石灰処理汁を、90〜93℃まで加熱し、第一
炭酸飽充槽で、前石灰処理と同じ約pH11になるよう
炭酸飽充する。次に、この飽充液を濾過工程へ送る。
【0015】濾過工程へ送られた飽充汁は、通常シック
ナーへ送られ、清澄汁(又は上澄汁ともいう)とマッド
に分離される。マッドは、真空回転濾過機により濾過
し、その濾液と清澄汁をあわせて、第一濾過汁となる。
この第一濾過汁を100〜102℃になるまで加熱し、
次にこの第一濾過汁を第二炭酸飽充槽へ送る。
【0016】第二炭酸飽充の目的は、糖汁中の可溶性石
灰量を最少にすることであり、炭酸飽充することで飽充
液のpHを9.0〜9.3とする。
【0017】このように炭酸法で清浄処理された飽充汁
は、濾過後、通常イオン交換樹脂工程に送られる。イオ
ン交換樹脂法の代表的なものが、冷脱塩法であり、炭酸
法で処理した清浄汁を、10〜15℃まで冷却し、H型
の強酸性カチオン交換樹脂に通液後、OH型の弱塩基性
アニオン交換樹脂に通液する。
【0018】このようにして、炭酸法およびイオン交換
樹脂により清浄された糖汁は、結晶缶で濃縮され、結
晶、分離工程を経て、甜菜を原料とする白糖製品とな
る。
【0019】上記した甜菜糖工業における甜菜粗汁の清
浄方法すなわち、炭酸法については最適な処理条件につ
いて、常に改良が進められてきており、例えばイオン交
換樹脂と組合せる方法などを用い品質や収率面で向上が
なされてきた。
【0020】しかしながら、近年自然保護、環境汚染防
止の観点から、特に低公害、省エネルギー、さらには廃
棄物の削減、温室効果防止のために二酸化炭素の排出削
減などの問題が世界的に大きく採りあげられている。こ
れらの観点に伴い、製糖工業を取りまく環境も厳しさを
増し、製糖工場においても当然これらの問題に対処して
いかなければならない。特に、甜菜糖工業の場合、現在
多くの工場で実施されている炭酸法によって生じる大量
の炭酸カルシウムを主体とする排ケーキの廃棄処理が大
きな問題となっており、また廃棄処理にかかる経済的費
用も問題となっている。
【0021】さらには、炭酸法で使用する石灰は、通常
製糖工場内で石灰石を1000℃以上の高温で焼成しつ
くられるため、多量の熱エネルギーを要し、しかもその
過程で発生する大量の二酸化炭素を炭酸飽充工程に送る
ため大容量のポンプを必要とする。さらには、発生した
二酸化炭素の一部は炭酸飽充に使用されるとはいえ、大
量の二酸化炭素を大気圏へ放出することは、地球温暖化
防止の観点から改善が必要である。
【0022】炭酸法の上記した問題を解決しようとする
試みとして、マグネシアを用いた糖液の清浄方法が知ら
れている(例えば特開昭56−169599号公報、特
開昭57−79900号公報および特開昭61−274
787号公報)。また、甜菜浸出汁のマグネシアによる
処理方法については、特開昭57−79900号に、甜
菜粗汁をマグネシアで処理した場合、純糖率、灰分の面
で効果的に処理できることが記載されている。
【0023】しかし、甜菜粗汁を単にマグネシアで清浄
するだけの処理方法では、後工程で悪影響を及ぼす甜菜
粗汁中に含まれている還元糖が、マグネシア処理によっ
てほとんど分解出来ない。耕地白糖を製造する甜菜粗汁
では、原料糖を製造する甘蔗圧搾汁と異なって、残留還
元糖の問題は大きい。この残留還元糖は、元来甜菜に含
まれている含窒素非糖物質と共に、清浄工程以後の濃
縮、煎糖・結晶化工程においてメイラード反応を起こす
ため、生成した着色物質によって白糖製品の品質が低下
してしまう。このため、残存する還元糖は、白糖製品、
特にグラニュー糖としての品質価値を大きく損なう。
【0024】さらに、前にも述べたように甜菜には、含
窒素非糖物質、サポニン、有機酸、主としてペクチン質
からなるコロイドなどの不純物を多量に含むことから、
甜菜をマグネシアで処理する場合、原料糖(洗糖)を処
理する精製糖工場におけるマグネシア処理よりも、多量
の高価なマグネシアを用いる必要がある。このため、甜
菜粗汁を、マグネシアのみを用いて処理することは、還
元糖以外の清浄の面からは効果的であるが、マグネシア
が繰り返し使用できることを考慮しても得策ではない。
【0025】なお、甜菜糖工業においては、「甜菜粗汁
を清浄する処理」とは、精製糖工業と異なり、一般的に
は純糖率の上昇、色価の減少、灰分および還元糖の除去
を含む処理であることを意味し、最終的にこの一つのど
れかが欠けても本来の清浄効果を達したとは言い難い。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、甜
菜から白糖を製造する工程において、清浄処理の結果排
出される膨大な量の排ケーキおよび炭酸ガスの量を低減
することを目的とし、さらには省エネルギー、低コスト
な処理方法を提供するとともに従来の炭酸法と同等以上
の白糖品質を維持向上することを目的とする。
【0027】本発明はさらに、マグネシアを用いた甜菜
粗汁を清浄する処理を改良することを目的とする。
【0028】本発明はまた、今後ますます重要になって
くる「地球にやさしい製糖法」(廃棄物削減、温室効果
ガス排出削減、省エネルギー、低公害など)を提供する
ことを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、甜菜から
白糖を製造する工程における甜菜粗汁の清浄処理方法に
関して鋭意試験検討を重ねた結果、甜菜粗汁のマグネシ
ア処理と、石灰処理および炭酸飽充との組合せを使用す
ると、従来の炭酸法と同等以上の品質の維持向上を図る
ことが可能であり、かつ排出される膨大な量の排ケーキ
および炭酸ガスの量を低減することが可能であり、かつ
省エネルギーであることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0030】すなわち本発明は、製糖工程において甜菜
粗汁を清浄する処理方法であって、甜菜粗汁をマグネシ
アで接触処理した後濾過し、該濾過汁に石灰乳を添加し
て石灰処理し、かつ炭酸飽充することを特徴とする方法
を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明において、甜菜粗汁とは、
収穫した甜菜をスライサーで裁断し、浸出した糖汁(甜
菜浸出液)をいう。
【0032】本発明の甜菜粗汁の清浄処理方法において
は、まず上記甜菜粗汁をマグネシアで接触処理する。
【0033】本発明において使用するマグネシア(Mg
O)は、マグネシア形成可能のマグネシウム化合物、た
とえば、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基
性炭酸マグネシウムなどを350〜650℃、好ましく
は450〜550℃の比較的低温で30分から数時間焼
成することによって得られるものが好ましい。このよう
にして得られるマグネシア中に不純物として、酸化アル
ミニウム、酸化カルシウム、珪酸塩などが含有されてい
ても、糖液の清浄効果、再生効果に悪影響を及ぼすこと
はない。なお、使用されるマグネシアは、粉末の状態で
使用し、通常その98%以上が目開き150μmの篩網
をパスし、さらに平均44μmパスの粒径であることが
好ましい。
【0034】本発明において使用するマグネシアは、任
意にパーライトおよび/または珪藻土を混合して、粉末
の状態で粗汁に添加するすることができる。パーライト
および/または珪藻土は、マグネシアと好ましくは等量
以上、より好ましくは2〜5倍(重量)の範囲で添加さ
れる。なお、パーライトおよび珪藻土は、食品製造にお
いて通常使用される濾過助剤として知られているものが
いずれも使用できる。パーライトは、平均粒径が通常2
〜20μm、好ましくは4〜15μmであり、珪藻土
は、平均粒径が通常5〜100μm、好ましくは15〜
20μmである。甜菜粗汁をマグネシアで接触処理する
際のマグネシア(MgO)の添加量については、添加す
るマグネシアの量が少なすぎては期待する清浄効果が得
られず、また処理の結果、粗汁の純糖率の上昇が0.5
以下では清浄の処理工程としての意味が小さい。一方、
添加するマグネシアの量が多すぎると、十分な清浄効果
は得られるものの不経済となり好ましくない。そこで、
マグネシア(MgO)を甜菜粗汁の粗汁固形分当たり、
好ましくは2.0重量%以上、より好ましくは3.0重
量%以上で、かつ好ましくは8.0重量%以下、より好
ましくは6.0重量%以下の量で添加することにより、
期待する処理結果を得ることが出来る。なお、この際の
添加量は、後述する後工程の石灰乳の添加量とも関連
し、また甜菜粗汁は、収穫時期や収穫してから製糖され
るまでの放置時間によってその品質が異なるため、適
宜、甜菜粗汁の品質によってマグネシアの量を増減する
ことが好ましい。なおこの場合、純糖率、色価の面で
は、従来の炭酸法と同等以上の清浄効果を得ることが可
能である。
【0035】次に、甜菜粗汁をマグネシアで接触処理す
る際の接触温度ついては、脱色性すなわち色価の減少
率、処理後の濾過汁のマグネシウムイオン量および還元
糖量を考慮すると、好ましくは60℃以上、より好まし
くは65℃以上で、かつ好ましくは90℃以下、より好
ましくは85℃以下である。
【0036】また、甜菜粗汁をマグネシアで接触処理す
る際の接触時間については、30分から1時間程度が好
ましく、これより短い場合十分な清浄効果が期待出来
ず、またこれより長い場合、製糖工程上の処理能力の問
題から好ましくない。また、特に温度が約80〜90℃
と高い温度でマグネシア接触処理をおこなう場合には、
再着色を起こす可能性があるため、接触時間を短い方に
選択することが好ましい。なお、甜菜粗汁をマグネシア
で接触処理した際の接触時間と還元糖の量の関係につい
ては、接触時間の差による還元糖量の差は比較的小さ
い。しかしながら、接触時間が同じ場合、マグネシアで
接触処理する際の温度が高くなるほど還元糖はわずかに
減少している。
【0037】甜菜粗汁に存在する不純物であるコロイド
は、pHと大いに関連し、約pH11に凝固沈殿の最適
点がある。前記した従来の炭酸法では、この点を考慮し
つつ前石灰処理、主石灰処理で工程操作を行い、最終的
に粗汁のpHは約12.5になり、その後、pH9.0
〜9.3になるまで炭酸飽充を行っている。これに対
し、甜菜粗汁に、上記量のマグネシアを添加すると、粗
汁のpHは、約10.0〜10.7であり、従来の炭酸
法に比較してpHはかなり低い。また、マグネシア接触
処理による甜菜粗汁の脱色機構は、従来の炭酸法とかな
り異なるものであると推定される。
【0038】このようにして甜菜粗汁をマグネシアで接
触処理すると、清浄剤として添加したマグネシア(Mg
O)の量は、従来の炭酸法の石灰乳添加量の約半量(粗
汁固形分当たり約6.0重量%)で、従来の炭酸法と同
等以上の純糖率、灰分などの除去率(還元糖を除く)が
得られ、色価については、粗汁固形分当たり4.0重量
%で、従来の炭酸法と同等以上の脱色効果を得ることが
可能である。
【0039】甜菜粗汁をマグネシアで接触処理した後、
濾過する。濾過の方法は特に限定されず、製糖の分野に
おいて慣用の濾過法が使用できる。例えば真空回転濾過
機、加圧式濾過機、圧搾濾過機等が使用される。前述し
たように、マグネシア接触処理後の甜菜粗汁の濾過性は
良好であり、前記接触処理におけるマグネシアの添加量
が粗汁固形分当たり2.0重量%以上では、従来の炭酸
法よりも濾過性は良好である。
【0040】また、濾過により分離した使用後のマグネ
シア(またはこれとパーライトおよび/または珪藻土の
混合物)は、500℃前後で焼成再生し、この再生マグ
ネシアを繰り返し粗汁と接触処理に使用することが可能
である。このため、マグネシア由来の排ケーキ量を著し
く減少させることが出来る。しかも、この再生不能とな
ったマグネシアは、従来の炭酸法における炭酸カルシウ
ムの排ケーキと異なり、優れた有用肥料として活用でき
る。
【0041】上記したように甜菜粗汁をマグネシア接触
処理すると、従来の炭酸法と比較して、脱色性や、純糖
率の上昇については優れているが、還元糖がほとんど分
解されずに残存している。このままでは、これらの還元
糖の一部は、甜菜粗汁に含まれている含窒素非糖物質と
メイラード反応を起こし、清浄工程以後の蒸発、煎糖工
程において極めて大きな着色の原因になり、白糖製品の
歩留低下につながる。さらにこれらの着色物質は残存す
る還元糖とともに白糖製品、特にグラニュー糖の品質低
下につながる。このため、製品としての価値が大きく損
なわれる。
【0042】また、上記マグネシア接触処理法では、甜
菜粗汁中のカルシウムイオンは除去されるが、マグネシ
ウムイオンは、マグネシアの添加量が甜菜粗汁固形分当
たり約7重量%以下では、ほとんど除去されない。マグ
ネシウムイオンは、甜菜粗汁に元来含まれているものが
主体であり、一部マグネシアを添加することによって溶
存した両方を意味する。なお、甜菜粗汁に添加するマグ
ネシア量が少ない場合、マグネシアの一部が溶解する。
マグネシウムイオンは、グラニュー糖製品の品質保持・
向上や後工程の多重効用蒸発缶で濃縮する際の缶内スケ
ール防止および、イオン交換樹脂の負荷となるために、
除去が必要である。
【0043】このように、マグネシア接触処理だけで
は、甜菜粗汁中の還元糖の除去およびマグネシウムイオ
ンの除去が十分に出来ないので、甜菜糖工業において甜
菜を処理する上で本来の清浄効果を達したとはいえな
い。
【0044】そこで本発明の方法においては次に、マグ
ネシア接触処理後の濾過汁を石灰処理する。ここで石灰
処理は、従来の炭酸法に比べわずかな量の石灰乳を前記
濾過汁に添加することにより行うことができる。
【0045】本発明において石灰乳とは、石灰(生石灰
または消石灰)を水または通常製糖工程中で生ずる甘水
を利用して溶解、懸濁させたものであり、石灰は市販さ
れている消石灰を使用してもよい。なお、本発明におけ
る石灰の使用量は、従来の炭酸法に比べ少量であること
から、市販されている消石灰を使用することが好まし
い。
【0046】すなわち本発明においては、マグネシアで
接触処理後の濾過汁に、濾過汁固形分当たりCaO換算
で好ましくは1.0重量%以上、より好ましくは2.0
重量%以上で、かつ好ましくは5.0重量%以下、より
好ましくは4.0重量%以下の石灰乳を添加して、石灰
処理する。
【0047】石灰処理の手法自体は、従来の炭酸法に準
じた手法を使用することができる。石灰処理は、例えば
87℃〜100℃で、10分間〜1時間行う。
【0048】次に、石灰処理した後の石灰処理汁を炭酸
飽充する。炭酸飽充で使用する炭酸ガスは、従来の炭酸
法で使用されているものと同様のものが使用できる。ま
たボイラー燃焼ガスなどを使用することができる。ま
た、炭酸飽充の手法も、従来の炭酸法と同様の手法が使
用できる。例えば炭酸飽充は、石灰処理濾過汁のpHが
約11になるまで行い、濾過後、さらに炭酸飽充をpH
が約9.0になるまで行う。
【0049】石灰処理および炭酸飽充処理を終了した糖
汁は、上記と同様に濾過される。かくして得られた糖汁
では、還元糖がほぼ完全に分解されている。マグネシア
接触処理のみでほとんど分解されずに残存した還元糖
は、少量の石灰乳添加で従来の炭酸法と比較しても同等
に除去され、還元糖を甜菜粗汁固形分当たり0.2%以
下に減少させることができる。
【0050】本発明の方法においては、還元糖が除去さ
れるとともに、濾過汁に溶存しているマグネシウムイオ
ンも除去される。マグネシアを用いた従来の甜菜粗汁の
清浄処理法では、後でマグネシウムイオンを取り除くた
めの大規模なイオン交換樹脂が必要であったが、本発明
においては、そのような大規模なイオン交換処理は必要
ない。所望ならば、軟化用または脱塩用イオン交換樹脂
を用いた小規模のイオン交換処理を行うこともできる。
【0051】本発明における方法で処理した場合、排出
される排ケーキの量は炭酸法に比べ、約5分の1〜4分
の1となる。すなわち、従来の炭酸法においては、排出
される排ケーキが白糖製品当たり水分50%換算として
約45%を生じるが、本発明における方法で処理した場
合、白糖製品トン当たり水分50%換算として約10%
に減少する。
【0052】さらに、マグネシアは焼成によって再生さ
れ、繰り返し使用できるという利点を有する。例えば焼
成マグネシアに、新品のマグネシアおよびパーライト
を、それぞれ甜菜粗汁に対し粗汁固形分当たり0.6重
量%および0.2重量%の量で補充し、補充分に相当す
る排ケーキを系外に引き抜くオーバーフロー方式でリサ
イクルケーキ量を一定に保って10サイクルの繰り返し
使用を行なった場合、各サイクル毎のマグネシア接触処
理汁は安定した品質のマグネシア接触処理汁であった。
なお、パーライトの補充量が新品のマグネシアの補充量
より大幅に少ないのは、リサイクルで蓄積される不溶性
の灰分がパーライトの代替の役割をするためと考えられ
る。また、濾過性の面でも、この補充量で問題はなかっ
た。
【0053】このように、マグネシアは焼成によって繰
り返し使用できるので、本発明の方法においては、マグ
ネシア由来の排ケーキを著しく減少させることが出来
る。
【0054】例えば新品のマグネシアとパーライトの補
充量を前記リサイクルの条件と同様に、それぞれ甜菜粗
汁に対し粗汁固形分当たり0.6重量%および0.2重
量%とし、その後の石灰乳添加量をCaO換算で2.0
重量%とすると、工程から系外に排出されるマグネシア
と石灰の排ケーキの総重量は、排ケーキ水分を従来の炭
酸法と同じ30%〜50%として、従来の炭酸法の約5
分の1〜7分の1となる。
【0055】さらに、繰り返し使用し、再生能力の低下
したマグネシア由来の排ケーキ(すなわち、系外にオー
バーフローされた排ケーキ)はマグネシア肥料として有
効に使用が可能である。よって、従来の炭酸法によって
排出されるライムケーキに比べて、その処理に要する費
用が大幅に低減できる。
【0056】さらには、本発明による甜菜粗汁を清浄す
る処理方法では、処理後の糖汁のにおいが従来の炭酸法
より優れている。すなわち、甜菜特有のにおいが少な
い。
【0057】また、本発明の方法において、炭酸飽充の
操作も、石灰乳の使用量が約5分の1〜4分の1となる
ので消石灰を購入し、また炭酸ガスはボイラーの燃焼ガ
スを使用することも可能であり、この場合工程の簡略化
につながる。
【0058】従来の炭酸法では、多量の石灰乳の添加に
より甜菜粗汁が希釈され、結果的に多量の濃縮用の熱エ
ネルギーを必要とするが、本発明の方法では、原則とし
てマグネシアを粉末の形で粗汁に添加するため、希釈に
ともなう濃縮用の熱エネルギーを必要としない。また従
来の炭酸法では通常石灰を溶解するのに甘水を使用して
いるが、マグネシア接触処理では不要である。甜菜糖工
場で発生する甘水の低減が可能な場合、その分濃縮用の
水分蒸発熱エネルギーが節減できる。ただし、この場合
には、甜菜の浸出工程を含めた製糖工程全体の甘水バラ
ンスをあらかじめ考慮しなければならない。
【0059】また、従来の炭酸法に使用する石灰乳は、
通常製糖工場内で1000℃以上の高温で石灰岩から焼
成された石灰を甘水に溶解して使用するため多量の熱エ
ネルギーを要するが、本発明において使用するマグネシ
アは、500℃前後の温度で再生焼成が可能なため、従
来法に比べて熱エネルギーを約10〜20%節減するこ
とが可能である。したがって、従来の炭酸法における石
灰焼成炉と、本発明の方法で使用するマグネシアおよび
石灰の焼成炉に同種の燃料を使用する場合には、温室効
果の原因となる炭酸ガスの排出量も約15%削減可能で
ある。
【0060】さらに、従来の炭酸法の石灰焼成炉の燃料
としてはコークスを使用しているが、本発明の方法にお
いてマグネシア焼成炉の燃料として灯油を使用すれば、
焼成に伴って発生する炭酸ガスの排出量は、約35〜4
5%の削減が可能である。
【0061】本発明の方法は、上記したように、甜菜粗
汁のマグネシアでの接触処理、濾過、石灰処理および炭
酸飽充の順序で行うことが必要である。順序を逆にし
て、まず甜菜粗汁に石灰乳を添加しさらに炭酸飽充処理
後、該処理濾過汁をマグネシアで接触処理した場合、石
灰乳の使用量が従来の炭酸法より少ないので不純物の除
去が十分に行われず、濾過性が極めて悪く、もしくは全
く濾過することができない。よって、このような逆の順
序でマグネシア接触処理と石灰処理および炭酸飽充とを
組合わせても、実用化不可能であり工程上問題がある。
また、後の濾過性を上げるために、マグネシア接触処理
前の石灰処理において石灰乳の添加量を多くすれば、従
来の炭酸法に比べて排ケーキ量は削減されない。
【0062】以上述べたように、甜菜粗汁のマグネシア
での接触処理、濾過、石灰処理および炭酸飽充をこの順
序で組合せた本発明の清浄処理方法を使用すれば、「地
球にやさしい製糖法」(廃棄物削減、温室効果ガス排出
削減、省エネルギー、低公害など)を提供することがで
きる。
【0063】本発明を、以下の実施例においてさらに詳
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0064】
【実施例】以下においては、各項目の分析は、「製糖便
覧」(精糖技術研究会編、1962年6月30日発行、朝倉
書店)記載のビート糖の分析方法に準じて測定した。固
形分量(refBx)はレフブリックス計にて、見掛純
糖率(A.pty)は、ドライレッド処理後、自動検糖
計にて、還元糖量(R.S.)はオフナー法にて、pH
はpHメーター計にて、色価(A.I.)は濾液をpH
7.0に調整し、分光光度計にて、CaOまたはMgO
の量はEDTA法にて、灰分(Ash)は硫酸灰分法に
て測定した値である。
【0065】また、濾過性については、糖汁仕込み量を
一定量(300ml)とし、一定条件(圧力;2Kg/
cm2 、温度;75℃、ろ紙;Whatman No.
54、有効径4.4cm、濾過面積;15.2cm2
テストろ過器;C.S.R.社の T est Filt
er)で加圧濾過をおこない、表2に以下に示す評価基
準にて濾過性の結果を判断した。なお、従来の炭酸法に
おける、粗汁固形分当たりCaO 12%添加による炭
酸飽充汁の濾過性を基準として、これを「普通」と評価
した。
【0066】
【表2】評価基準 濾過性 1 濾過不能 2 非常に悪い 3 悪い 4 普通 5 良好6 非常に良好 なお、以下では、特に記載しない限り%は、重量%であ
る。
【0067】検討例1.マグネシア処理の際のマグネシ
ア添加量の検討 北海道の甜菜糖工場における現場の新鮮な甜菜粗汁各5
00gを温度75℃に加熱し、スターラーで撹拌しつ
つ、これに、粉末酸化マグネシウム(食品添加物規格、
MgO含量97.2%、MgOの平均粒径が一次粒子と
して、0.1〜0.3μmで、その98%以上が二次粒
子として、44μmパスの粒度のもの)およびパーライ
ト(食品添加物規格、平均粒径15μm)を十分に混合
したものを添加した。粉末酸化マグネシウムの添加量
は、粗汁固形分当たりそれぞれ2,4,7,10および
15%であり、パーライトの添加量は粉末酸化マグネシ
ウムの2倍重量であった。混合物を温度75℃で30分
間接触撹拌した。
【0068】このマグネシア接触処理汁を、濾過性を評
価しながら濾過した後、急冷し、分析に供した。その分
析結果を以下の表3に示す。
【0069】また、上記と同一の甜菜粗汁を従来の炭酸
法で処理した場合の分析も同時に行い、表3に併記し
た。すなわち、甜菜粗汁500gに、従来の炭酸法と同
じく、粗汁固形分当たりCaOとして12%の石灰乳
(商品名 試薬特級 水酸化カルシウム、和光純薬
(株)製)を徐々に添加し、87〜90℃で10分間接
触撹拌し、その後攪拌を続けながら同温度にて炭酸ガス
ボンベを用いてpH11.3になるまで約20分間炭酸
飽充をおこなった。炭酸飽充終了後、同温度で5分間エ
ージングした後、濾過性を評価しながら濾過し、さらに
濾過汁を90〜93℃に加熱し、同温度で10分間攪拌
した後、再び炭酸ガスボンベを用いてpH9.0〜9.
3になるまで約5分間炭酸飽充を行った。炭酸飽充終了
後、同温度で5分間エージングし、濾過した後、急冷
し、分析に供した。
【0070】「マグネシアの添加量と見掛純糖率(A.pt
y)との関係」を図1に、「マグネシアの添加量と色価
(A.I.) との関係」を図2に示す。
【0071】
【表3】 上記表3の結果および図1から、見掛純糖率は、マグネ
シアの添加量が甜菜粗汁の粗汁固形分あたり約6重量%
において従来の炭酸法とほぼ同等であり、マグネシアの
添加量が多くなるにつれて上昇していることがわかる。
また上記表3の結果および図2から、色価についても同
様に、甜菜粗汁の粗汁固形分あたりマグネシアの添加量
が約4重量%において従来の炭酸法とほぼ同等であり、
それ以上の添加量では炭酸法に優る脱色を示した。
【0072】また上記表3の結果から、カルシウムイオ
ンは、従来の炭酸法と同等に除去されていることがわか
る。マグネシウムイオンについてはいずれも高く、甜菜
粗汁の粗汁固形分あたりマグネシアの添加量が7重量%
以上では原料の甜菜粗汁に比較すれば減少しているが、
従来の炭酸法に比べて非常に高い。
【0073】さらに、マグネシアの添加量に関わらず従
来の炭酸法に比較して還元糖の分解は少ないため、極め
て大きな着色の原因となる問題が残される。
【0074】検討例2.マグネシア処理の際の接触温度
と接触時間の検討 検討例1で使用したのと同様(同一工場、同一時期)の
甜菜粗汁各500gを、温度50、60、70、80お
よび90℃にそれぞれ加熱した。スターラーで撹拌しつ
つ、各設定温度の粗汁に対し、酸化マグネシウム(検討
例1と同様のもの)を粗汁固形分当たり4%と、酸化マ
グネシウムの2倍重量のパーライト(検討例1と同様の
もの)を充分混合したものを添加し、各設定温度で30
分間または60分間接触撹拌した。
【0075】このマグネシア接触処理汁を濾過した後、
急冷し、分析に供した。マグネシア接触処理の際の各接
触温度および時間における分析結果を表4に示す。
【0076】また、接触温度と色価との関係を図3に、
接触温度とマグネシウムイオン量との関係を図4に、接
触温度と還元糖の関係を図5に示す。
【0077】
【表4】 上記表4の結果、図3および図4から、マグネシア接触
処理する際の温度は、脱色性すなわち色価の減少率およ
びマグネシウムイオン量の低下から、60℃〜90℃が
好ましいことがわかった。また70℃においては、最も
脱色性がよかった。
【0078】さらに、マグネシア接触処理した際の接触
時間と還元糖の量の関係については、接触時間による還
元糖量の差はほとんどみられなかった。しかしながら、
マグネシアで接触処理する際の温度が高くなるほど、還
元糖量がわずかに減少するため、還元糖量の減少という
点からは、甜菜粗汁をマグネシアで接触処理する際の温
度は、約70℃以上が好ましいことがわかった。
【0079】見掛純糖率については、マグネシアで接触
処理する際の温度が70℃の時が最も高く、またマグネ
シウムイオン量は、温度が高くなるほど低くなってい
た。
【0080】また、マグネシア接触処理する際の接触時
間は、工場の実工程の操作を考慮しても30分から1時
間程度が、目的を達成するため適当であることがわかっ
た。検討例3.マグネシア接触処理後の石灰処理における石
灰乳添加量の検討 検討例1と同様(同一工場、同一時期)の甜菜粗汁各
2,500gを温度75℃に加熱した。スターラーで撹
拌しつつ、各粗汁に対し、酸化マグネシウム(検討例1
と同じもの)を粗汁固形分当たり4%および6%、およ
び酸化マグネシウムの2倍重量のパーライト(検討例1
と同じもの)を十分混合したものを添加し、温度75℃
で30分間接触処理させ、撹拌した。
【0081】このマグネシア接触処理汁を濾過した後、
急冷し、濾過汁の一部を分析に供して(マグネシア接触
処理濾過汁)、引き続き石灰処理を行った。
【0082】石灰処理は、上記マグネシア接触処理濾過
汁各500gを温度87〜90℃に加熱し、スターラー
で撹拌しつつ、水酸化カルシウムを、石灰乳の形で濾過
汁固形分当たりCaO換算で0.5%、2%、4%およ
び7%の量で添加し、温度87〜90℃で10分間撹拌
した。
【0083】次に、同温度で炭酸ガスボンベを使用し、
pHが10.7になるまで炭酸飽充をおこなった(この
場合、飽充時間は約10〜20分であった)。同温度で
10分間エージング後、濾過性を評価しながら濾過し
た。
【0084】次に、上記濾過汁をさらに90〜93℃に
加熱し、pH9.0〜9.3を目標に、再度炭酸飽充を
おこなった。これを濾過した後、急冷し、分析に供し
た。
【0085】マグネシア接触処理におけるマグネシア添
加量が4%の場合の結果を表5に、6%の場合の結果を
表6にそれぞれ示す。
【0086】また、石灰乳添加量を変えたときの、石灰
処理および炭酸飽充後の濾過汁の見掛純糖率、色価、還
元糖、灰分、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオ
ンの分析値の変化を、それぞれ図6〜11に示す。
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】 上記表5および6ならびに図8から、マグネシアで接触
処理した後の濾過汁に、濾過汁固形分当たりCaO換算
でほぼ1.0重量%以上の石灰乳の添加により、還元糖
がよく分解されていることがわかる。特に、粗汁固形分
当たりCaO換算で2.0重量%以上においては、還元
糖を0.1%以下(従来の炭酸法並みの量)まで除去す
ることが出来た。
【0089】また、上記表5および6ならびに図11か
ら、石灰乳の添加で、マグネシウムイオンの量も、マグ
ネシア接触処理濾過汁に比べ大幅に減少していることが
わかった。
【0090】実施例1 北海道の甜菜糖工場における現場の新鮮な甜菜粗汁20
00gを温度75℃に加熱した。スターラーで撹拌しつ
つ、これに、粉末酸化マグネシウム(上記検討例1で使
用したものと同じ)を、粗汁に対し粗汁固形分当たり4
%および酸化マグネシウムの2倍重量のパーライト(上
記検討例1で使用したものと同じ)を十分に混合したも
のを添加した。温度75℃で30分間接触撹拌後、濾過
性を評価しつつ濾過した。この濾過液を、マグネシア処
理汁と称する。
【0091】次に、上記マグネシア処理汁を石灰処理に
供した。石灰処理は、次のようにして行った:上記マグ
ネシア処理汁を温度87〜90℃に加熱し、スターラー
で撹拌しつつ、これに、水酸化カルシウムを石灰乳の形
でマグネシア処理汁固形分当たりCaO換算で3%の量
で添加し、温度87〜90℃で10分間撹拌した。この
処理液を、石灰処理汁と称する。
【0092】次に、温度87〜90℃にて炭酸ガスボン
ベを用いて、pHが10.7になるまで約15分間、上
記石灰処理汁に炭酸飽充を行い、同温度で10分間エー
ジング後、濾過性を評価しながら濾過した。この処理液
を、炭酸飽充処理汁と称する。
【0093】次に、上記炭酸飽充処理汁をさらに90〜
93℃に加熱し、pH9.0〜9.3を目標に、再度炭
酸飽充を行った。濾過後、急冷し分析に供した。この処
理液を、清浄汁(A)と称する。
【0094】各分析の結果を、表7に示す。
【0095】比較例1(従来の炭酸法) 実施例1と同一の甜菜粗汁2000gに、マグネシア接
触処理を行うことなく、粗汁固形分当たりCaOとして
12%の石灰乳を添加し、87〜90℃で10分間接触
撹拌した。その後、同温度にて炭酸ガスボンベを用いて
約pH11.3になるまで約20分間炭酸飽充をおこな
った。炭酸飽充終了後、同温度で5分間エージング後、
濾過性を評価しつつ濾過した。この濾過汁をさらに90
〜93℃に加熱し、同温度で10分間攪拌した。再び炭
酸ガスボンベを用いて約pH9.0〜9.3になるまで
約5分間炭酸飽充をおこなった。炭酸飽充終了後、同温
度で5分間エージングした。濾過した後、急冷し、分析
に供した。この処理液を、清浄汁(B)と称する。
【0096】各分析の結果を、表7に併記する。
【0097】
【表7】 上記表7からわかるように、甜菜粗汁をマグネシアで接
触処理後濾過し、該濾過汁に石灰乳を添加し、さらに炭
酸飽充し処理した場合、従来の炭酸法と同等の清浄汁を
得ることが出来、さらに色価については従来の炭酸法よ
り優れていた。試験例1 実施例1で得られた清浄汁(A)および比較例1で得ら
れた清浄汁(B)を用い、甜菜特有のにおいが除去され
ているかどうかについて、官能検査をおこなった。官能
検査は、次のようにして行った:各清浄汁をBx10.
0になるように蒸留水で希釈し、この希釈糖汁100m
lを300mlの三角フラスコに入れて、約40℃に加
温した。パネラー(a〜e)5名が、このフラスコを振
りながらフラスコの口に鼻を当てて、清浄汁(A)およ
び(B)について、表8に示す4段階の評価基準にした
がって評価をおこなった。
【0098】その結果を表9に示す。
【0099】
【表8】 評価段階 評価基準 0 甜菜特有のにおいが感じない。 1 甜菜特有のにおいがほとんど感じられない。 2 甜菜特有のにおいがやや感じられる。 3 甜菜特有のにおいが感じられる。
【0100】
【表9】 パネラー a b c d e 清浄汁(A) 1 1 1 1 1 清浄汁(B) 2 2 2 2 2 いずれのパネラーからも、実施例1で得られた清浄汁
(A)は清浄汁(B)に比べて、甜菜特有のにおいがほ
とんど感じられない、という共通した意見を得ることが
できた。よって本発明の方法は、品質の面で従来の炭酸
法より優れていることがわかった。
【0101】試験例2 実施例1で得られた清浄汁(A)および比較例1で得ら
れた清浄汁(B)を用い、甜菜特有のにおいが除去され
ているかどうかについて、官能検査をおこなった。官能
検査は、各清浄汁をBx10.0になるように蒸留水で
希釈し、この希釈糖汁100mlを300mlの三角フ
ラスコに入れて、約40℃に加温した。どちらの方法で
処理したサンプルであるかを明らかにせずに、パネラー
10名(a〜j)が清浄汁(A)および(B)のフラス
コを振りながらフラスコの口に鼻を当ててにおいをか
ぎ、においの少ないサンプルについて提示した。
【0102】その結果を表10に示す。
【0103】
【表10】 いずれのパネラーも、実施例1で得られた清浄汁(A)
のほうが、比較例1で得られた清浄汁(B)よりもにお
いが少ないという共通した意見であった。
【0104】参考例1 マグネシアのリサイクル試験 (1)北海道の甜菜糖工場における現場の新鮮な甜菜粗
汁3000gを温度75℃に加熱した。スターラーで攪
拌しつつ、この粗汁に、粉末酸化マグネシウム(検討例
1と同じもの)を甜菜粗汁に対し粗汁固形分当たり4%
および酸化マグネシウムの2倍重量のパーライト(検討
例1と同じもの)を十分に混合したものを添加した。温
度75℃で30分間接触攪拌した後、濾過し、粉末マグ
ネシアからなるスイート・ケーキと濾過汁とに分けた。
この濾過汁をマグネシア接触処理汁と称する。 (2)上記スイート・ケーキを熱水で洗糖し、脱糖処理
後、実験室電気炉で500℃、30分間焼成し、焼成マ
グネシアを得た。この焼成マグネシアを上記(1)の処
理に用いて、10回のマグネシアのリサイクル試験をお
こなった。ここで、1サイクルとは、甜菜粗汁に上記
(1)の処理をし、得られた濾過ケーキを上記(2)の
処理で再生して焼成マグネシアを得ることをいう。
【0105】なお、2サイクル目より、上記(2)のよ
うにして得た焼成マグネシア(リサイクルマグネシア)
を甜菜粗汁に添加した。その際に、新品のマグネシアお
よびパーライトを、それぞれ粗汁に対し粗汁固形分当た
り0.6%および0.2%の量で補充した。なお補充の
際、新品のマグネシアおよびパーライトの補充分に相当
する量を、添加するリサイクルマグネシアの量からあら
かじめ差し引いた。
【0106】また、甜菜粗汁は、経時変化による品質の
差が大きいため、毎朝工場でサンプリングした表11に
示す甜菜粗汁を各サイクル毎に使用した。分析結果を表
12に示す。
【0107】
【表11】
【0108】
【表12】 表12からわかるように、焼成マグネシアに新品のマグ
ネシアをそれぞれ甜菜粗汁に対し粗汁固形分当たり0.
6%を補充することにより、10サイクルの繰り返し使
用を行なっても、各サイクル毎のマグネシア接触処理汁
は安定した品質のマグネシア接触処理汁であった。
【0109】このように、マグネシアは焼成によって繰
り返し使用できることから、マグネシア由来の排ケーキ
を著しく減少させることが出来る。
【0110】参考例2 (1)本発明の方法による清浄処理 北海道の甜菜糖工場における現場の新鮮な甜菜粗汁20
00gを温度75℃に加熱した。スターラーで撹拌しつ
つ、これに、粉末酸化マグネシウム(上記検討例1で使
用したものと同じ)を、粗汁に対し粗汁固形分当たり4
%および酸化マグネシウムの2倍重量のパーライト(上
記検討例1で使用したものと同じ)を十分に混合したも
のを添加した。温度75℃で30分間接触撹拌後、濾過
性を評価しつつ濾過した。
【0111】次に、上記濾過汁を石灰処理に供した。石
灰処理は、次のようにして行った:上記濾過汁を温度8
7〜90℃に加熱し、スターラーで撹拌しつつ、これ
に、水酸化カルシウムを石灰乳の形で濾過汁固形分当た
りCaO換算で3%の量で添加し、温度87〜90℃で
10分間撹拌した。次に、温度87〜90℃にて炭酸ガ
スボンベを用いて、pHが10.7になるまで約15分
間、上記石灰処理汁に炭酸飽充を行い、同温度で10分
間エージング後、濾過性を評価しながら濾過した。次
に、上記炭酸飽充処理汁をさらに90〜93℃に加熱
し、pH9.0〜9.3を目標に、再度炭酸飽充を行っ
た後、濾過した。かくして、清浄汁(C)を得た。 (2)従来の炭酸法による清浄処理 上記(1)と同一の甜菜粗汁2000gに、マグネシア
接触処理を行うことなく、粗汁固形分当たりCaOとし
て12%の石灰乳を添加し、87〜90℃で10分間接
触撹拌した。その後、同温度にて炭酸ガスボンベを用い
て約pH11.3になるまで約20分間炭酸飽充をおこ
なった。炭酸飽充終了後、同温度で5分間エージング
後、濾過した。濾過汁をさらに90〜93℃に加熱し、
同温度で10分間攪拌した。再び炭酸ガスボンベを用い
て約pH9.0〜9.3になるまで約5分間炭酸飽充を
おこなった。炭酸飽充終了後、同温度で5分間エージン
グした。これを濾過して、清浄汁(D)を得た。 (3)イオン交換処理 上記(1)で得た清浄汁(C)および上記(2)で得た
清浄汁(D)を、さらにイオン交換樹脂に、同じ条件で
通液した。イオン交換は、まず軟化用イオン交換樹脂3
0ml(Na形の強塩基性イオン交換樹脂、商品名 ア
ンバーレックス100−Na形、ローム アンド ハー
ス(株)製)に通液した(ここで得られた糖汁を、イオ
ン交換樹脂軟化汁と称する)後、脱色用イオン交換樹脂
40ml(Cl形強塩基性イオン交換樹脂、商品名 ダ
イヤイオン PA308−Cl形、三菱化学(株)製)
に通液する(ここで得られた糖汁を、イオン交換樹脂脱
色汁と称する)ことにより行った。各々のイオン交換樹
脂への通液条件は、どちらも同一であり、70℃、SV
=10で、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウ
ムイオンがリークするまで通液した。また、各々のイオ
ン交換樹脂は、新品を用いた。
【0112】それぞれの分析値を比較した。その結果
を、表13(清浄汁(C))および表14(清浄汁
(D))に示す。
【0113】さらに、それぞれの清浄汁(C)および
(D)を脱色用イオン交換樹脂に通液した処理汁につい
て、加熱した場合の着色程度を確認するため、それぞれ
の清浄汁を同時にオートクレーブにて120℃まで加熱
処理し(ここで得られた糖汁を、イオン交換樹脂加熱汁
とする)、その際の着色程度も比較した。なお、オート
クレーブが120℃に達するには約30分間を要し、到
達温度120℃でメインスイッチを切り、60℃に戻る
まで約120分間を要した。60℃に戻った時点でオー
トクレーブより取り出し急冷後分析した。その結果を、
表13および表14に併記する。
【0114】また、本発明の方法で得た清浄汁または従
来の炭酸法で得た清浄汁をイオン交換樹脂でさらに処理
した際の見掛純糖率の変化を図12に、また色価の変化
を図13に示す。
【0115】
【表13】
【0116】
【表14】 本発明における方法で処理した清浄汁をイオン交換樹脂
で処理した場合、純糖率、還元糖、灰分などの除去率
は、従来の炭酸法による清浄汁をイオン交換樹脂で処理
した場合と同等以上であり、色価においては、従来の炭
酸法よりもすぐれていた。また、加熱着色試験において
も、色価において従来の炭酸法以上の結果を得ることが
出来た。
【0117】
【本発明の効果】本発明によれば、甜菜粗汁の清浄処理
を、排ケーキおよび炭酸ガスの量を低減すると共に低コ
ストで行うことができ、しかも従来の炭酸法と同等以上
の白糖品質を維持向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 検討例1において、マグネシアの添加量と見
掛純糖率との関係を示す図である。
【図2】 検討例1において、マグネシアの添加量と色
価との関係を示す図である。
【図3】 検討例2において、接触温度と色価との関係
を示す図である。
【図4】 検討例2において、接触温度とマグネシウム
イオン量との関係を示す図である。
【図5】 検討例2において、接触温度と還元糖との関
係を示す図である。
【図6】 検討例3において、石灰乳添加量を変えたと
きの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁の純糖率の変化
を示す図である。
【図7】 検討例3において、石灰乳添加量を変えたと
きの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁の色価の変化を
示す図である。
【図8】 検討例3において、石灰乳添加量を変えたと
きの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁の還元糖の変化
を示す図である。
【図9】 検討例3において、石灰乳添加量を変えたと
きの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁の灰分の変化を
示す図である。
【図10】 検討例3において、石灰乳添加量を変えた
ときの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁のカルシウム
イオンの変化を示す図である。
【図11】 検討例3において、石灰乳添加量を変えた
ときの石灰処理および炭酸飽充後の濾過汁のマグネシウ
ムイオンの変化を示す図である。
【図12】 参考例2において、本発明の方法で得た清
浄汁と従来の炭酸法で得た清浄汁とをイオン交換樹脂で
さらに処理した場合の見掛純糖率の変化を示した図であ
る。
【図13】 参考例2において、本発明の方法で得た清
浄汁と従来の炭酸法で得た清浄汁とをイオン交換樹脂で
さらに処理した場合の色価の変化を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加賀 敏夫 千葉県千葉市美浜区真砂2−23−1−604 (72)発明者 森屋 和仁 北海道北見市北上101−15 (72)発明者 遠藤 亮 北海道北見市北上356−50 (72)発明者 石塚 忠義 北海道北見市北上101−15 (72)発明者 水谷 武雄 神奈川県横浜市神奈川区羽沢1194−33 (72)発明者 山田 幸蔵 神奈川県鎌倉市小袋谷2−5−1−405 (72)発明者 川上 昌之 神奈川県横浜市鶴見区駒岡4−12−47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製糖工程において甜菜粗汁を清浄する処
    理方法であって、甜菜粗汁をマグネシアで接触処理した
    後濾過し、該濾過汁に石灰乳を添加して石灰処理し、か
    つ炭酸飽充することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記マグネシア接触処理において、マグ
    ネシア添加量を甜菜粗汁固形分当たりのMgOで2.0
    〜8.0重量%とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記マグネシア接触処理において、マグ
    ネシア添加量を甜菜粗汁固形分当たりのMgOで3.0
    〜6.0重量%とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 マグネシア接触処理後の濾過汁に、濾過
    汁固形分当たりCaO換算で1.0〜5.0重量%の石
    灰乳を添加する請求項1〜3のいずれか1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 マグネシア接触処理後の濾過汁に、濾過
    汁固形分当たりCaO換算で2.0〜4.0重量%の石
    灰乳を添加する請求項4記載の方法。
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