JPH11317618A - フェーズドアレイ空中線放熱方式 - Google Patents
フェーズドアレイ空中線放熱方式Info
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- JPH11317618A JPH11317618A JP13610598A JP13610598A JPH11317618A JP H11317618 A JPH11317618 A JP H11317618A JP 13610598 A JP13610598 A JP 13610598A JP 13610598 A JP13610598 A JP 13610598A JP H11317618 A JPH11317618 A JP H11317618A
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- array surface
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フェーズドアレイ空中線におけるモジュール
の発熱による形成ビーム指向方向変動の抑圧。 【解決手段】 フェーズドアレイ空中線1にはアレイ面
2に配列するアンテナ素子を励振する位相制御用の信号
を送出するモジュール3がアンテナ素子に対応して配列
され、これらモジュール3の発熱によってビーム形成の
ための位相量が変動し、ビーム指向方向に誤差を生ず
る。本発明はモジュール3のそれぞれに密着してそれら
の発熱をアレイ面両端に移動させるヒートパイプ内包の
左右1対の金属プレート4をモジュール3の各段ごとに
配置し金属プレート4の両端部はヒートシンク5を結合
しさらにヒートシンク5を回転数可変可能なブロワ6で
冷却し、アレイ面2におけるモジュール3の発熱による
温度分布がアレイ面中心に対し水平,垂直方向何れも対
称性を有するようにしてモジュール3の発熱による影響
を抑圧する。
の発熱による形成ビーム指向方向変動の抑圧。 【解決手段】 フェーズドアレイ空中線1にはアレイ面
2に配列するアンテナ素子を励振する位相制御用の信号
を送出するモジュール3がアンテナ素子に対応して配列
され、これらモジュール3の発熱によってビーム形成の
ための位相量が変動し、ビーム指向方向に誤差を生ず
る。本発明はモジュール3のそれぞれに密着してそれら
の発熱をアレイ面両端に移動させるヒートパイプ内包の
左右1対の金属プレート4をモジュール3の各段ごとに
配置し金属プレート4の両端部はヒートシンク5を結合
しさらにヒートシンク5を回転数可変可能なブロワ6で
冷却し、アレイ面2におけるモジュール3の発熱による
温度分布がアレイ面中心に対し水平,垂直方向何れも対
称性を有するようにしてモジュール3の発熱による影響
を抑圧する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェーズドアレイ空
中線放熱方式に関し、特にアレイアンテナの各アンテナ
素子に給電する信号の位相をアンテナ素子対応のモジュ
ールにより電子的に変えて形成ビームの走査を可能とす
るフェーズドアレイ空中線において、モジュールの発熱
でもたらされるアレイ面での温度分布パタンの示す温度
傾斜の、アレイ面中心に対する左右、上下方向の対称性
の確保に基づいてビーム指向方向の変動を抑圧すること
を可能としたフェーズドアレイ空中線放熱方式に関す
る。
中線放熱方式に関し、特にアレイアンテナの各アンテナ
素子に給電する信号の位相をアンテナ素子対応のモジュ
ールにより電子的に変えて形成ビームの走査を可能とす
るフェーズドアレイ空中線において、モジュールの発熱
でもたらされるアレイ面での温度分布パタンの示す温度
傾斜の、アレイ面中心に対する左右、上下方向の対称性
の確保に基づいてビーム指向方向の変動を抑圧すること
を可能としたフェーズドアレイ空中線放熱方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アレイアンテナの各アンテナ素子に給電
する信号の位相をアンテナ素子対応のモジュールで設定
制御してビームを形成し走査する電子走査式のフェーズ
ドアレイ空中線は、各種のレーダ装置や通信装置等で多
用されている。アレイアンテナを構成する、通常マトリ
ックス状に所定のアンテナ素子配列領域に配列したアン
テナ素子と、これら各アンテナ素子に対応して配設され
るモジュールとは、互いに近接してアンテナ面を形成す
る取付構造体に取り付けられる。アンテナ素子を配列し
たアレイ面は、配列モジュールの発熱によって温度分布
を生ずるが、その分布パタンには温度傾斜勾配を生じ、
また、このような温度傾斜をもたらすモジュールの発熱
は、それぞれのモジュールが提供すべき位相量に上昇温
度対応の変動をきたし、このため形成ビームの指向角に
誤差を与えることとなる。このような背景から、配列モ
ジュールによる発熱を冷却して形成ビームの指向角の変
動を抑止しようとする手段が講じられてきた。
する信号の位相をアンテナ素子対応のモジュールで設定
制御してビームを形成し走査する電子走査式のフェーズ
ドアレイ空中線は、各種のレーダ装置や通信装置等で多
用されている。アレイアンテナを構成する、通常マトリ
ックス状に所定のアンテナ素子配列領域に配列したアン
テナ素子と、これら各アンテナ素子に対応して配設され
るモジュールとは、互いに近接してアンテナ面を形成す
る取付構造体に取り付けられる。アンテナ素子を配列し
たアレイ面は、配列モジュールの発熱によって温度分布
を生ずるが、その分布パタンには温度傾斜勾配を生じ、
また、このような温度傾斜をもたらすモジュールの発熱
は、それぞれのモジュールが提供すべき位相量に上昇温
度対応の変動をきたし、このため形成ビームの指向角に
誤差を与えることとなる。このような背景から、配列モ
ジュールによる発熱を冷却して形成ビームの指向角の変
動を抑止しようとする手段が講じられてきた。
【0003】図9は、従来のフェーズドアレイ空中線放
熱方式の第一例の構成を示す正面図である。図9に示す
フェーズドアレイ空中線放熱方式は、モジュールを空冷
式で冷却する構成を有し、フェーズドアレイ空中線1
は、図示しないアレイ素子をアンテナ素子配列領域21
にマトリックス状に配列するアレイ面2と、アレイ面2
に配列したアレイ素子に隣接して近接後方にアレイ素子
対応でマトリックス状に配設される複数のモジュール3
と、これら複数のモジュール3の発熱を冷却するための
送風を行うためアレイ面2の垂直方向の上方と下方と
に、それぞれ所定の冷却効果に基づいて予め設定する数
を並置したブロワ6a及び同6bとを備える。
熱方式の第一例の構成を示す正面図である。図9に示す
フェーズドアレイ空中線放熱方式は、モジュールを空冷
式で冷却する構成を有し、フェーズドアレイ空中線1
は、図示しないアレイ素子をアンテナ素子配列領域21
にマトリックス状に配列するアレイ面2と、アレイ面2
に配列したアレイ素子に隣接して近接後方にアレイ素子
対応でマトリックス状に配設される複数のモジュール3
と、これら複数のモジュール3の発熱を冷却するための
送風を行うためアレイ面2の垂直方向の上方と下方と
に、それぞれ所定の冷却効果に基づいて予め設定する数
を並置したブロワ6a及び同6bとを備える。
【0004】図9に示す空冷式の冷却処理では、図示し
ない冷却機から提供される冷気をブロワ6aと6bとに
よって、風向W2 に示す如くアレイ面2の後方のモジュ
ール3の下方から上方へと流通せしめてモジュール3を
冷却するものである。この流通方向は、送風効率を配慮
し常時下から上に向けた方向が採られる。このような冷
却処理による冷却の下で得られるアレイ面の温度分布パ
タン、即ち配列モジュールの発熱に対する冷却結果の分
布パタンは、図11に示す如く、水平方向では図11の
(b)に示す如く、図11の(a)に示すアレイ面中心
O、従ってモジュールの配列中心に対して水平方向の左
右が直線的且つ対称的に低下する温度傾斜を有するもの
となっている。この場合、アレイ面中心Oで最高温度を
示すことは、モジュール3の配列中心でもあり周囲がす
べてモジュールであるアレイ面中心Oと、周囲が空気に
囲まれた左右両端とでは、同じ冷却状態におかれても放
熱度合が異なってアレイ中心に近づくほど直線的に増大
することによる。
ない冷却機から提供される冷気をブロワ6aと6bとに
よって、風向W2 に示す如くアレイ面2の後方のモジュ
ール3の下方から上方へと流通せしめてモジュール3を
冷却するものである。この流通方向は、送風効率を配慮
し常時下から上に向けた方向が採られる。このような冷
却処理による冷却の下で得られるアレイ面の温度分布パ
タン、即ち配列モジュールの発熱に対する冷却結果の分
布パタンは、図11に示す如く、水平方向では図11の
(b)に示す如く、図11の(a)に示すアレイ面中心
O、従ってモジュールの配列中心に対して水平方向の左
右が直線的且つ対称的に低下する温度傾斜を有するもの
となっている。この場合、アレイ面中心Oで最高温度を
示すことは、モジュール3の配列中心でもあり周囲がす
べてモジュールであるアレイ面中心Oと、周囲が空気に
囲まれた左右両端とでは、同じ冷却状態におかれても放
熱度合が異なってアレイ中心に近づくほど直線的に増大
することによる。
【0005】また、垂直方向では、図11の(c)に示
す如く、アレイ面での温度傾斜は、垂直方向の下方から
上方に向かう程高温となる温度傾斜を呈する。このよう
な温度傾斜は、ブロワによる冷却風の流通がアレイ面の
下方から上方へと略垂直に行われるので、流通する冷却
風が上に行く程発熱による影響を増大しつつ受け、冷却
効果がアレイ面の下方から上方に向かって線形に慚減し
ていくことによる。
す如く、アレイ面での温度傾斜は、垂直方向の下方から
上方に向かう程高温となる温度傾斜を呈する。このよう
な温度傾斜は、ブロワによる冷却風の流通がアレイ面の
下方から上方へと略垂直に行われるので、流通する冷却
風が上に行く程発熱による影響を増大しつつ受け、冷却
効果がアレイ面の下方から上方に向かって線形に慚減し
ていくことによる。
【0006】かくして、空冷方式を採用する従来のフェ
ーズドアレイ空中線にあっては、水平方向での温度分布
パタンはアレイ中心を頂点として左右対称な温度傾斜、
また垂直方向ではアレイ垂直下方から垂直上方へ、ある
傾きで増大する温度傾斜を呈することとなる。なお、上
述した温度傾斜の度合は、フェーズドアレイ空中線の設
計諸元、選定部品の種類、運用環境並びに条件等の各条
件に対応して一義的に決定される値となる。ところで、
上述した水平方向と垂直方向の温度傾斜のうち、アレイ
面中心に対して左右対称な水平方向の温度傾斜の影響
は、アレイアンテナによる合成ビームの指向方向には、
上昇温度対応のモジュール位相変化が、後述して詳述す
る如く、ビームの単一指向性形成を阻害する程甚だしい
もので無い限り、影響を与えないで済むが、中心に対し
て上下非対称な垂直方向の温度傾斜の影響は、合成ビー
ムの指向方向に無条件に影響を与えてビーム角誤差を生
ずることが避けられない。
ーズドアレイ空中線にあっては、水平方向での温度分布
パタンはアレイ中心を頂点として左右対称な温度傾斜、
また垂直方向ではアレイ垂直下方から垂直上方へ、ある
傾きで増大する温度傾斜を呈することとなる。なお、上
述した温度傾斜の度合は、フェーズドアレイ空中線の設
計諸元、選定部品の種類、運用環境並びに条件等の各条
件に対応して一義的に決定される値となる。ところで、
上述した水平方向と垂直方向の温度傾斜のうち、アレイ
面中心に対して左右対称な水平方向の温度傾斜の影響
は、アレイアンテナによる合成ビームの指向方向には、
上昇温度対応のモジュール位相変化が、後述して詳述す
る如く、ビームの単一指向性形成を阻害する程甚だしい
もので無い限り、影響を与えないで済むが、中心に対し
て上下非対称な垂直方向の温度傾斜の影響は、合成ビー
ムの指向方向に無条件に影響を与えてビーム角誤差を生
ずることが避けられない。
【0007】図10は、従来のフェーズドアレイ空中線
放熱方式の第二例の構成を示す正面図である。図10に
示すフェーズドアレイ空中線放熱方式は、モジュールを
液冷式で冷却する構成を有し、フェーズドアレイ空中線
1のアレイ面2の後方には、図示しないモジュールに、
例えば後方から密接して冷却パイプ11の蛇管111を
配設し、この蛇管111内を2重矢印で示す方向に冷却
液を還流させる。このような冷却液の還流は、還流後の
温度上昇した冷却液を熱交換により冷却して送出する熱
交換機14と、熱交換機14の送出する冷却液をろ過す
るフィルタ15と、蛇管111を含む冷却パイプ11
と、冷却後の冷却液を一時蓄積する冷却液タンク12
と、冷却液タンク12の冷却液を熱交換機14に圧送す
るポンプ13とを備えて行われ、かくして行われる冷却
液の還流によってモジュールの発熱に対する冷却が確保
される。
放熱方式の第二例の構成を示す正面図である。図10に
示すフェーズドアレイ空中線放熱方式は、モジュールを
液冷式で冷却する構成を有し、フェーズドアレイ空中線
1のアレイ面2の後方には、図示しないモジュールに、
例えば後方から密接して冷却パイプ11の蛇管111を
配設し、この蛇管111内を2重矢印で示す方向に冷却
液を還流させる。このような冷却液の還流は、還流後の
温度上昇した冷却液を熱交換により冷却して送出する熱
交換機14と、熱交換機14の送出する冷却液をろ過す
るフィルタ15と、蛇管111を含む冷却パイプ11
と、冷却後の冷却液を一時蓄積する冷却液タンク12
と、冷却液タンク12の冷却液を熱交換機14に圧送す
るポンプ13とを備えて行われ、かくして行われる冷却
液の還流によってモジュールの発熱に対する冷却が確保
される。
【0008】上述した冷却液の還流は、冷却液を上方か
ら下方に冷却パイプで流しているが、この冷却液は下方
から上方に流すことも可能である。この場合のアレイ面
の温度分布にも、水平方向は左右の対称性を有するが、
垂直方向は冷却液の上下方向の流通による、空冷式の場
合に準じた、上下非対称な垂直方向の温度傾斜が現れる
ことは前述した空冷式の場合と同様である。
ら下方に冷却パイプで流しているが、この冷却液は下方
から上方に流すことも可能である。この場合のアレイ面
の温度分布にも、水平方向は左右の対称性を有するが、
垂直方向は冷却液の上下方向の流通による、空冷式の場
合に準じた、上下非対称な垂直方向の温度傾斜が現れる
ことは前述した空冷式の場合と同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の空冷式
及び液冷式いずれの冷却方式による冷却処理を施すフェ
ーズドアレイ空中線放熱方式であっても、アレイ面の垂
直方向の温度分布パタンは、アレイ中心から上下非対称
な温度傾斜を有するものとなり、これによってアンテナ
各素子に印加すべき信号の位相量の変化が、形成すべき
ビームの指向方向に誤差をもたらすという問題点があ
る。
及び液冷式いずれの冷却方式による冷却処理を施すフェ
ーズドアレイ空中線放熱方式であっても、アレイ面の垂
直方向の温度分布パタンは、アレイ中心から上下非対称
な温度傾斜を有するものとなり、これによってアンテナ
各素子に印加すべき信号の位相量の変化が、形成すべき
ビームの指向方向に誤差をもたらすという問題点があ
る。
【0010】また、液冷式によって冷却処理を行う場合
には、冷却パイプの引き回しを考慮して垂直方向の上下
非対称な温度傾斜の生起を回避することも可能ではある
が、機械的構成を主体とするシステム構成の複雑化と重
量の増大を招き、保守性の低下も避けられない。さら
に、覆域増大等を考慮して回転可能なフェーズドアレイ
構成とする場合には、冷却液を流通可能とする特殊な回
転機構が必要となるという問題点がある。
には、冷却パイプの引き回しを考慮して垂直方向の上下
非対称な温度傾斜の生起を回避することも可能ではある
が、機械的構成を主体とするシステム構成の複雑化と重
量の増大を招き、保守性の低下も避けられない。さら
に、覆域増大等を考慮して回転可能なフェーズドアレイ
構成とする場合には、冷却液を流通可能とする特殊な回
転機構が必要となるという問題点がある。
【0011】上述した問題点を、更に詳述すれば次のと
おりである。図8は、アレイ面の温度分布がアレイ面中
心に対して非対称な温度傾斜を有する場合のビーム指向
角に対する影響の説明図である。図8は、アレイ配列中
心に垂直方向が指向中心となるようにビームを形成する
場合を例とし、水平方向の配列アレイを対称とし、且つ
説明の便を図ってそれぞれ同位相で励振される場合を例
とし、従って配列アンテナ素子の垂直方向が形成ビーム
の指向方向となる場合を例としている。図8の(a)に
示す如く、横軸で示すアレイ面位置に水平方向配列アン
テナ素子が配列中心のアンテナ素子の0を中心として等
間隔で右方向にはアンテナ素子1,2,3,……,n−
1,n個、また左方向にはn個のアンテナ素子−1,−
2,−3,……,−n+1,−nが配列されて同位相で
励振されるものとし、これらアレイ素子に対応するモジ
ュールの発熱に対して冷却を施した結果、アレイ面の温
度分布パタンは、図8の(a)のアレイ面温度分布t2
で示す如く、アレイ素子配列中心に対して左右非対称な
右肩上がりの直線的温度傾斜のアンテナ素子温度を呈す
るものとなったとする。
おりである。図8は、アレイ面の温度分布がアレイ面中
心に対して非対称な温度傾斜を有する場合のビーム指向
角に対する影響の説明図である。図8は、アレイ配列中
心に垂直方向が指向中心となるようにビームを形成する
場合を例とし、水平方向の配列アレイを対称とし、且つ
説明の便を図ってそれぞれ同位相で励振される場合を例
とし、従って配列アンテナ素子の垂直方向が形成ビーム
の指向方向となる場合を例としている。図8の(a)に
示す如く、横軸で示すアレイ面位置に水平方向配列アン
テナ素子が配列中心のアンテナ素子の0を中心として等
間隔で右方向にはアンテナ素子1,2,3,……,n−
1,n個、また左方向にはn個のアンテナ素子−1,−
2,−3,……,−n+1,−nが配列されて同位相で
励振されるものとし、これらアレイ素子に対応するモジ
ュールの発熱に対して冷却を施した結果、アレイ面の温
度分布パタンは、図8の(a)のアレイ面温度分布t2
で示す如く、アレイ素子配列中心に対して左右非対称な
右肩上がりの直線的温度傾斜のアンテナ素子温度を呈す
るものとなったとする。
【0012】このようなアレイ面温度分布t2 をもたら
すモジュールの位相分布は、元来一様であるべきもの
が、図8の(b)に示す如く、上昇温度対応の図8の
(a)と同じ傾向のアレイ面位相分布p2 という左右非
対称なものとなる。このような位相変動を受けたアンテ
ナ素子の放射電波による等位相面は、図8の(c)に示
す如く、図8の(b)のアレイ面位相分布p2 に対応し
て右肩上がりの等位相面f2 として表現される。さて、
このような等位相面f2 を持つアンテナ素子ごとの放射
電波によって空間的に合成される放射ビームは、位相変
動が無い場合はアレイ面中心に垂直なY軸方向となるの
に対し、この場合は左右非対称な等位相面f2 に垂直な
方向となって図8の(c)に示すΔθの指向角誤差を含
むものとなる。
すモジュールの位相分布は、元来一様であるべきもの
が、図8の(b)に示す如く、上昇温度対応の図8の
(a)と同じ傾向のアレイ面位相分布p2 という左右非
対称なものとなる。このような位相変動を受けたアンテ
ナ素子の放射電波による等位相面は、図8の(c)に示
す如く、図8の(b)のアレイ面位相分布p2 に対応し
て右肩上がりの等位相面f2 として表現される。さて、
このような等位相面f2 を持つアンテナ素子ごとの放射
電波によって空間的に合成される放射ビームは、位相変
動が無い場合はアレイ面中心に垂直なY軸方向となるの
に対し、この場合は左右非対称な等位相面f2 に垂直な
方向となって図8の(c)に示すΔθの指向角誤差を含
むものとなる。
【0013】図8の(d)に示すアレイ指向性パタンd
2 は、このようなビーム放射方向のずれ量Δθに対する
中心角度のずれを含むものとなる。配列アレイから、合
成放射電波が平面波と見做し得る十分遠方の受信点で
は、モジュールの温度上昇によって、このようなビーム
指向角の誤差がもたらされるのである。
2 は、このようなビーム放射方向のずれ量Δθに対する
中心角度のずれを含むものとなる。配列アレイから、合
成放射電波が平面波と見做し得る十分遠方の受信点で
は、モジュールの温度上昇によって、このようなビーム
指向角の誤差がもたらされるのである。
【0014】本発明の目的は、上述した問題点を解決
し、アレイ面における水平方向並びに垂直方向の温度分
布パタンにおける温度傾斜が、水平方向にあってはアレ
イ面中心に対して左右の対称性を有し、垂直方向にあっ
てはアレイ面中心に対して上下の対称性を有するか、も
しくは温度傾斜の無い同一の温度分布パタンを確保しう
る冷却手段を備えた簡素な構成のフェーズドアレイ空中
線放熱方式を提供することにある。
し、アレイ面における水平方向並びに垂直方向の温度分
布パタンにおける温度傾斜が、水平方向にあってはアレ
イ面中心に対して左右の対称性を有し、垂直方向にあっ
てはアレイ面中心に対して上下の対称性を有するか、も
しくは温度傾斜の無い同一の温度分布パタンを確保しう
る冷却手段を備えた簡素な構成のフェーズドアレイ空中
線放熱方式を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明は次の手段構成を有する。即ち、本発明の
フェーズドアレイ空中線放熱方式は、アレイ面に配設し
た配列アンテナ素子を制御位相で励振すべく配列アンテ
ナ素子の近傍にアンテナ素子のそれぞれに対応して水平
及び垂直方向に配設した複数のモジュールの温度上昇に
よる位相変動によってもたらされるビーム指向角の変動
を、前記複数のモジュールの発熱を、アレイ面上での発
熱による温度分布パタンで表現し、アレイ面上でのアレ
イ面中心から水平方向の左右及び垂直方向の上下に生起
する前記温度分布パタンの対称性を確保するようにして
複数のモジュールの発熱を冷却し放熱せしめることによ
り抑圧することを特徴とするフェーズドアレイ空中線放
熱方式であって、次に示す(イ)ないし(ニ)の各構成
を備える。 (イ)水平方向に配列したモジュールに密着してモジュ
ールの配設中心から水平方向左右に1対ずつ水平方向の
配列モジュール段ごとに配設され、内部に熱の移動路と
してのU字形管状の第1のヒートパイプを、水平方向の
アレイ側端に近い方が開放端となるように配設して成る
板状の熱良導体部材による複数の金属プレート (ロ)前記複数の金属プレートに形成した第1のヒート
パイプの開放端に嵌入可能な外径の開放端を有する熱良
導体部材で形成した金属製のU字形管状のパイプであっ
て、前記第1のヒートパイプに嵌入して長楕円形状の閉
管を形成し、該閉管を複数のモジュールによる発熱をア
レイ左右の側端方向に移動せしめるヒートパイプとする
第2のヒートパイプ (ハ)前記第2のヒートパイプを密着内包するチェンバ
を内設し、前記第2のヒートパイプを嵌入結合した前記
第1のヒートパイプを有する前記金属プレートとの密着
結合を可能として前記金属プレート並びに前記第1及び
第2のヒートパイプを介して移動する前記モジュールの
発熱を吸収すべく水平方向の配列モジュール段ごとに左
右に1対ずつ配設される複数のヒートシンク (ニ)前記複数のヒートシンクのそれぞれの吸収した熱
を冷却すべく、水平方向の配列モジュール段毎に左右に
1対ずつ配設して前記複数のヒートシンクのそれぞれに
対する冷却風を送風して冷却し、且つ回転数可変として
前記ヒートシンクに対する冷却効果可変可能な複数のブ
ロワ
ため、本発明は次の手段構成を有する。即ち、本発明の
フェーズドアレイ空中線放熱方式は、アレイ面に配設し
た配列アンテナ素子を制御位相で励振すべく配列アンテ
ナ素子の近傍にアンテナ素子のそれぞれに対応して水平
及び垂直方向に配設した複数のモジュールの温度上昇に
よる位相変動によってもたらされるビーム指向角の変動
を、前記複数のモジュールの発熱を、アレイ面上での発
熱による温度分布パタンで表現し、アレイ面上でのアレ
イ面中心から水平方向の左右及び垂直方向の上下に生起
する前記温度分布パタンの対称性を確保するようにして
複数のモジュールの発熱を冷却し放熱せしめることによ
り抑圧することを特徴とするフェーズドアレイ空中線放
熱方式であって、次に示す(イ)ないし(ニ)の各構成
を備える。 (イ)水平方向に配列したモジュールに密着してモジュ
ールの配設中心から水平方向左右に1対ずつ水平方向の
配列モジュール段ごとに配設され、内部に熱の移動路と
してのU字形管状の第1のヒートパイプを、水平方向の
アレイ側端に近い方が開放端となるように配設して成る
板状の熱良導体部材による複数の金属プレート (ロ)前記複数の金属プレートに形成した第1のヒート
パイプの開放端に嵌入可能な外径の開放端を有する熱良
導体部材で形成した金属製のU字形管状のパイプであっ
て、前記第1のヒートパイプに嵌入して長楕円形状の閉
管を形成し、該閉管を複数のモジュールによる発熱をア
レイ左右の側端方向に移動せしめるヒートパイプとする
第2のヒートパイプ (ハ)前記第2のヒートパイプを密着内包するチェンバ
を内設し、前記第2のヒートパイプを嵌入結合した前記
第1のヒートパイプを有する前記金属プレートとの密着
結合を可能として前記金属プレート並びに前記第1及び
第2のヒートパイプを介して移動する前記モジュールの
発熱を吸収すべく水平方向の配列モジュール段ごとに左
右に1対ずつ配設される複数のヒートシンク (ニ)前記複数のヒートシンクのそれぞれの吸収した熱
を冷却すべく、水平方向の配列モジュール段毎に左右に
1対ずつ配設して前記複数のヒートシンクのそれぞれに
対する冷却風を送風して冷却し、且つ回転数可変として
前記ヒートシンクに対する冷却効果可変可能な複数のブ
ロワ
【0016】また、本発明のフェーズドアレイ空中線放
熱方式は、前記金属プレートが、水平方向に上下に2分
した上方プレートと下方プレートとを対面結合して形成
するものであり、且つ前記第1のヒートパイプは、前記
上方プレートと下方プレートのそれぞれの結合面上に穿
設した、断面が半円状の溝状空間としての半U字形構造
を相接合してU字形管状に形成する構成を有する。
熱方式は、前記金属プレートが、水平方向に上下に2分
した上方プレートと下方プレートとを対面結合して形成
するものであり、且つ前記第1のヒートパイプは、前記
上方プレートと下方プレートのそれぞれの結合面上に穿
設した、断面が半円状の溝状空間としての半U字形構造
を相接合してU字形管状に形成する構成を有する。
【0017】また、本発明のフェーズドアレイ空中線放
熱方式は、アレイ面での温度分布パタンの示す温度傾斜
のアレイ面中心に対する対称性が、水平方向にあって
は、アレイ面中心を最高温度としてアレイ面の左右方向
両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で直線
的且つ対称的に低下する温度低下特性を有するものとし
た構成を有する。
熱方式は、アレイ面での温度分布パタンの示す温度傾斜
のアレイ面中心に対する対称性が、水平方向にあって
は、アレイ面中心を最高温度としてアレイ面の左右方向
両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で直線
的且つ対称的に低下する温度低下特性を有するものとし
た構成を有する。
【0018】また、本発明のフェーズドアレイ空中線放
熱方式は、アレイ面での温度分布パタンの示す温度傾斜
のアレイ面中心に対する対称性が、垂直方向にあって
は、前記複数のブロワのそれぞれの回転数調節に基づい
て、アレイ面中心を最高温度として、アレイ面の垂直方
向両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で直
線的且つ対称的に低下するか、もしくは傾斜を持たない
一定状態の対称性を有するものとした構成を有する。
熱方式は、アレイ面での温度分布パタンの示す温度傾斜
のアレイ面中心に対する対称性が、垂直方向にあって
は、前記複数のブロワのそれぞれの回転数調節に基づい
て、アレイ面中心を最高温度として、アレイ面の垂直方
向両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で直
線的且つ対称的に低下するか、もしくは傾斜を持たない
一定状態の対称性を有するものとした構成を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】フェーズドアレイ空中線では、ア
レイ面に配列したアンテナ素子のそれぞれにモジュール
から供給する信号の位相を適宜設定して所望の指向性を
有するビームを指向合成している。モジュールは、アン
テナ素子のそれぞれに対応してアンテナ素子の近傍に複
数配列され、それぞれ設定された位相を有する信号を送
出することによりアンテナアレイによるビーム合成を行
っているが、この場合、各モジュールの発熱によって、
モジュール配列面、従ってアレイ素子を配列したアレイ
面には温度分布が生起する。アレイ面に温度分布を生起
せしめるモジュール群による発熱は、各モジュールの設
定位相量、即ち各アンテナ素子に印加される信号の位相
量に変化を与えることになり、この位相量の変化は、温
度分布パタンの内容如何によっては、具体的には、アレ
イ面中心に対する左右及び上下方向の温度傾斜が非対称
の場合は、アレイ面上に形成すべきビームの指向角に誤
差をもたらす。モジュールの発熱による、このような影
響を抑圧するため、フェーズドアレイ空中線には、前述
した空冷式もしくは液冷式いずれかを利用する冷却処理
が施されている。
レイ面に配列したアンテナ素子のそれぞれにモジュール
から供給する信号の位相を適宜設定して所望の指向性を
有するビームを指向合成している。モジュールは、アン
テナ素子のそれぞれに対応してアンテナ素子の近傍に複
数配列され、それぞれ設定された位相を有する信号を送
出することによりアンテナアレイによるビーム合成を行
っているが、この場合、各モジュールの発熱によって、
モジュール配列面、従ってアレイ素子を配列したアレイ
面には温度分布が生起する。アレイ面に温度分布を生起
せしめるモジュール群による発熱は、各モジュールの設
定位相量、即ち各アンテナ素子に印加される信号の位相
量に変化を与えることになり、この位相量の変化は、温
度分布パタンの内容如何によっては、具体的には、アレ
イ面中心に対する左右及び上下方向の温度傾斜が非対称
の場合は、アレイ面上に形成すべきビームの指向角に誤
差をもたらす。モジュールの発熱による、このような影
響を抑圧するため、フェーズドアレイ空中線には、前述
した空冷式もしくは液冷式いずれかを利用する冷却処理
が施されている。
【0020】ブロワによってアレイ面の垂直方向の下方
から上方に向けて冷気を送風する空冷式にあっては、水
平方向でのアレイ面中心に対する左右の温度傾斜の対称
性は確保されるものの、垂直方向でのアレイ面中心に対
する上下の温度傾斜は非対称となり、ビームの指向角に
誤差を発生させることとなる。一方、冷却配管中に冷却
液を循環させる液冷式にあっても、アンテナ面に対して
冷却液を上下方向(上から下もしくは上から上)で流す
のが一般的であるため、垂直方向でのアレイ面中心に対
する温度傾斜の対称性は得られず、また対称性を確保し
ようとして冷却配管の引き回しを工夫すると構成が複雑
化し重量増大を招き保守性も低下する。また、アレイア
ンテナに回転機能を付与する場合には特殊な回転機構が
必要となるという問題点があった。
から上方に向けて冷気を送風する空冷式にあっては、水
平方向でのアレイ面中心に対する左右の温度傾斜の対称
性は確保されるものの、垂直方向でのアレイ面中心に対
する上下の温度傾斜は非対称となり、ビームの指向角に
誤差を発生させることとなる。一方、冷却配管中に冷却
液を循環させる液冷式にあっても、アンテナ面に対して
冷却液を上下方向(上から下もしくは上から上)で流す
のが一般的であるため、垂直方向でのアレイ面中心に対
する温度傾斜の対称性は得られず、また対称性を確保し
ようとして冷却配管の引き回しを工夫すると構成が複雑
化し重量増大を招き保守性も低下する。また、アレイア
ンテナに回転機能を付与する場合には特殊な回転機構が
必要となるという問題点があった。
【0021】本願発明では、空冷式と水冷式とを適宜組
み合わせて、モジュールの発熱によるビーム指向角度に
対する影響を、モジュールの発熱によるアレイ面の温度
分布パタンのアレイ中心に対する水平方向及び垂直方向
の対称性の有無を評価尺度として捉え、アレイ面の垂直
方向でも温度分布パタンの温度傾斜が対称性を有する
か、もしくは温度傾斜を生じない冷却を施すことが可能
な簡素な構成のフェーズドアレイ空中線を実現してい
る。
み合わせて、モジュールの発熱によるビーム指向角度に
対する影響を、モジュールの発熱によるアレイ面の温度
分布パタンのアレイ中心に対する水平方向及び垂直方向
の対称性の有無を評価尺度として捉え、アレイ面の垂直
方向でも温度分布パタンの温度傾斜が対称性を有する
か、もしくは温度傾斜を生じない冷却を施すことが可能
な簡素な構成のフェーズドアレイ空中線を実現してい
る。
【0022】図1に示す如く、水平方向の冷却として
は、モジュール3の水平方向の配列段ごとに、アレイ面
中心から水平方向左右にヒートパイプを内設した金属プ
レート4を配設し、この金属プレート4の左右端にはそ
れぞれ、熱吸収部材としてのヒートシンク5を、金属プ
レート4の内設する第1のヒートパイプ、並びに、この
第1のヒートパイプと結合する第2のヒートパイプで構
成するヒートパイプとの密接結合を確保する状態で結合
し、かくしてヒートパイプを含む金属プレート4とヒー
トシンク5とにより液冷式の冷却(放熱)処理を確保し
ている。金属プレート4に対応して配設されるヒートシ
ンク5のそれぞれは、回転数変更設定可能な、従って冷
却効果変更設定可能な空冷式の冷却効果を実現するブロ
ワ6によって、垂直方向の温度分布が一様で温度傾斜が
生じないか、もしくはアレイ面中心に対して上下対称性
を有する温度傾斜を有する温度分布となるように適宜冷
却される。
は、モジュール3の水平方向の配列段ごとに、アレイ面
中心から水平方向左右にヒートパイプを内設した金属プ
レート4を配設し、この金属プレート4の左右端にはそ
れぞれ、熱吸収部材としてのヒートシンク5を、金属プ
レート4の内設する第1のヒートパイプ、並びに、この
第1のヒートパイプと結合する第2のヒートパイプで構
成するヒートパイプとの密接結合を確保する状態で結合
し、かくしてヒートパイプを含む金属プレート4とヒー
トシンク5とにより液冷式の冷却(放熱)処理を確保し
ている。金属プレート4に対応して配設されるヒートシ
ンク5のそれぞれは、回転数変更設定可能な、従って冷
却効果変更設定可能な空冷式の冷却効果を実現するブロ
ワ6によって、垂直方向の温度分布が一様で温度傾斜が
生じないか、もしくはアレイ面中心に対して上下対称性
を有する温度傾斜を有する温度分布となるように適宜冷
却される。
【0023】このようにして、アレイ面上には、水平及
び垂直何れの方向においても、ビーム指向角度誤差の生
起を招くような非対称的温度傾斜を有する温度分布パタ
ンの発生を簡素な構成で抑止することを基本的な発明の
実施の形態としている。
び垂直何れの方向においても、ビーム指向角度誤差の生
起を招くような非対称的温度傾斜を有する温度分布パタ
ンの発生を簡素な構成で抑止することを基本的な発明の
実施の形態としている。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示す正
面図、図2は本発明の一実施例の構成を示す側面図であ
る。図1及び図2に示す実施例の構成は、フェーズドア
レイ空中線1と、図示しないアレイ素子をマトリックス
状にアンテナ素子配列領域21に配列するアレイ面2
と、アレイ面2に配列するアレイ素子のそれぞれに対応
してマトリックス状に配列されたモジュール3と、モジ
ュール3の発熱をアレイ面2の左右両側端部に移動させ
る左右1対ずつモジュールの配列に対応して配設した熱
移動体としての金属プレート4と、アレイ面2の左右両
側端部に配設されて金属プレート4によってもたらされ
る移動熱を吸収する熱吸収部材としてのヒートシンク5
と、ヒートシンク5の吸収した熱を放熱させる回転数変
更設定可能なブロワ6と、ブロワ6に対する冷却風の送
風路としてのエアダクト9と、冷却機10とを備える。
て説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示す正
面図、図2は本発明の一実施例の構成を示す側面図であ
る。図1及び図2に示す実施例の構成は、フェーズドア
レイ空中線1と、図示しないアレイ素子をマトリックス
状にアンテナ素子配列領域21に配列するアレイ面2
と、アレイ面2に配列するアレイ素子のそれぞれに対応
してマトリックス状に配列されたモジュール3と、モジ
ュール3の発熱をアレイ面2の左右両側端部に移動させ
る左右1対ずつモジュールの配列に対応して配設した熱
移動体としての金属プレート4と、アレイ面2の左右両
側端部に配設されて金属プレート4によってもたらされ
る移動熱を吸収する熱吸収部材としてのヒートシンク5
と、ヒートシンク5の吸収した熱を放熱させる回転数変
更設定可能なブロワ6と、ブロワ6に対する冷却風の送
風路としてのエアダクト9と、冷却機10とを備える。
【0025】上述した構成内容のうち、ヒートパイプを
含む金属プレート4とヒートシンク5とにより液冷式の
冷却効果を確保し、またブロワ6と冷却機10とにより
冷却効果可変な空冷式の冷却効果を確保している。尚、
冷却機10は、システム設計諸元に基づいて配置の必要
の有無が予め決定される。
含む金属プレート4とヒートシンク5とにより液冷式の
冷却効果を確保し、またブロワ6と冷却機10とにより
冷却効果可変な空冷式の冷却効果を確保している。尚、
冷却機10は、システム設計諸元に基づいて配置の必要
の有無が予め決定される。
【0026】図3は、金属プレート4及びヒートシンク
の結合状態を示す斜視図で、金属プレート4と結合する
ヒートシンク5とを併記して示す。金属プレート4は、
横断面が矩形の熱良導体の金属製のプレート状に構成さ
れ、且つ水平方向の配列モジュールの1/2ずつに密着
し、内部に第1のヒートパイプであるU字形管状のヒー
トパイプ(A)7を設けてある。金属プレート4は、対
面結合する上方プレート41及び下方プレート42から
成り、ヒートパイプ(A)7は、これら上方プレート4
1と下方プレート42の対向する面に、それぞれ上半分
と下半分が断面が半円状の溝状凹部を穿設して1/2ず
つ形成され、上方プレート41と下方プレート42とを
合体してU字形管状の第1のヒートパイプであるヒート
パイプ(A)7となる。ヒートシンク5は、複数の長方
体形状の熱吸収部材を並列係合して構成され、内部には
ヒートパイプ(A)7と共にヒートパイプを構成する図
示しない第2のヒートパイプを内包する後述するチェン
バが配設される。
の結合状態を示す斜視図で、金属プレート4と結合する
ヒートシンク5とを併記して示す。金属プレート4は、
横断面が矩形の熱良導体の金属製のプレート状に構成さ
れ、且つ水平方向の配列モジュールの1/2ずつに密着
し、内部に第1のヒートパイプであるU字形管状のヒー
トパイプ(A)7を設けてある。金属プレート4は、対
面結合する上方プレート41及び下方プレート42から
成り、ヒートパイプ(A)7は、これら上方プレート4
1と下方プレート42の対向する面に、それぞれ上半分
と下半分が断面が半円状の溝状凹部を穿設して1/2ず
つ形成され、上方プレート41と下方プレート42とを
合体してU字形管状の第1のヒートパイプであるヒート
パイプ(A)7となる。ヒートシンク5は、複数の長方
体形状の熱吸収部材を並列係合して構成され、内部には
ヒートパイプ(A)7と共にヒートパイプを構成する図
示しない第2のヒートパイプを内包する後述するチェン
バが配設される。
【0027】図4は、図3の金属プレート4とヒートシ
ンク5のそれぞれの内設するヒートパイプの構成を示す
部分平面図(a)及び部分側面図(b)である。金属プ
レート4には、第1のヒートパイプとしてのヒートパイ
プ(A)7が、ヒートシンク5との結合端側を開端とし
て形成される。第1のヒートパイプであるヒートパイプ
(A)7の開放端には、第2のヒートパイプとしてのU
字形管状のヒートパイプ(B)8が嵌入され、従ってヒ
ートパイプ(B)8の外径は、この嵌入を可能とする寸
法に設定される。ヒートパイプ(B)8は、複数の単位
体の熱吸収部材を並列配置して構成するヒートシンク5
に形成した内包空間としてのチェンバ41に密接内包さ
れ、かくしてヒートパイプ(A)7とヒートパイプ
(B)8とにより、全体として平面的には長楕円形状の
閉管の熱移動体としてのヒートパイプが形成される。こ
うして形成されるヒートパイプには、ヒートパイプ
(A)7とヒートパイプ(B)8の嵌入結合時に、ヒー
トシンク5に対する密接内包を阻害しないヒートパイプ
(B)8の位置に配設した吸入孔(図示せず)を介し
て、蒸気等の熱移動媒体が封入される。
ンク5のそれぞれの内設するヒートパイプの構成を示す
部分平面図(a)及び部分側面図(b)である。金属プ
レート4には、第1のヒートパイプとしてのヒートパイ
プ(A)7が、ヒートシンク5との結合端側を開端とし
て形成される。第1のヒートパイプであるヒートパイプ
(A)7の開放端には、第2のヒートパイプとしてのU
字形管状のヒートパイプ(B)8が嵌入され、従ってヒ
ートパイプ(B)8の外径は、この嵌入を可能とする寸
法に設定される。ヒートパイプ(B)8は、複数の単位
体の熱吸収部材を並列配置して構成するヒートシンク5
に形成した内包空間としてのチェンバ41に密接内包さ
れ、かくしてヒートパイプ(A)7とヒートパイプ
(B)8とにより、全体として平面的には長楕円形状の
閉管の熱移動体としてのヒートパイプが形成される。こ
うして形成されるヒートパイプには、ヒートパイプ
(A)7とヒートパイプ(B)8の嵌入結合時に、ヒー
トシンク5に対する密接内包を阻害しないヒートパイプ
(B)8の位置に配設した吸入孔(図示せず)を介し
て、蒸気等の熱移動媒体が封入される。
【0028】次に、本実施例の動作について説明する。
水平方向の配列段ごとのモジュール3で発生した熱は、
左右1対の金属プレート4に内設した第1のヒートパイ
プであるヒートパイプ(A)7と、第1のヒートパイプ
と嵌入結合した第2のヒートパイプであるヒートパイプ
(B)8とで構成するヒートパイプに伝導する。ヒート
パイプの内封蒸気は、ヒートシンク5とブロワ6とによ
って冷却されて液化し、再びモジュール3の発熱で蒸発
して気化することを繰り返しつつモジュール3を冷却す
る。ヒートシンク5を冷却するブロワ6には、図2に示
すように冷却機10からエアダクト9を介して冷却風C
が風向W1 で供給される。この場合、同一配列段のモジ
ュール3に対しては、水平方向の左右それぞれブロワ6
により同一の冷却効果が与えられる。
水平方向の配列段ごとのモジュール3で発生した熱は、
左右1対の金属プレート4に内設した第1のヒートパイ
プであるヒートパイプ(A)7と、第1のヒートパイプ
と嵌入結合した第2のヒートパイプであるヒートパイプ
(B)8とで構成するヒートパイプに伝導する。ヒート
パイプの内封蒸気は、ヒートシンク5とブロワ6とによ
って冷却されて液化し、再びモジュール3の発熱で蒸発
して気化することを繰り返しつつモジュール3を冷却す
る。ヒートシンク5を冷却するブロワ6には、図2に示
すように冷却機10からエアダクト9を介して冷却風C
が風向W1 で供給される。この場合、同一配列段のモジ
ュール3に対しては、水平方向の左右それぞれブロワ6
により同一の冷却効果が与えられる。
【0029】このように、アレイ面の水平方向では、ア
レイ面の中心に対して左右方向で対称的に略同一な冷却
効果が得られる冷却処理が施されるので、冷却による放
熱の下でアレイ面に現れる温度分布の示す温度傾斜も、
アレイ中心に対して左右対称とすることができる。一
方、アレイ面の垂直方向の温度傾斜について言えば、原
則的にはアレイ面中心に対して上下非対称となる。この
ことは、水平方向に対しては液冷式で左右同等な冷却効
果を得ることにより温度傾斜の対称性が得られるもの
の、垂直方向にあっては、モジュールの発熱が常時下方
から上方に向かって上昇する温度傾斜を形成することに
よって上下方向の非対称性が生起せしめられることによ
る。
レイ面の中心に対して左右方向で対称的に略同一な冷却
効果が得られる冷却処理が施されるので、冷却による放
熱の下でアレイ面に現れる温度分布の示す温度傾斜も、
アレイ中心に対して左右対称とすることができる。一
方、アレイ面の垂直方向の温度傾斜について言えば、原
則的にはアレイ面中心に対して上下非対称となる。この
ことは、水平方向に対しては液冷式で左右同等な冷却効
果を得ることにより温度傾斜の対称性が得られるもの
の、垂直方向にあっては、モジュールの発熱が常時下方
から上方に向かって上昇する温度傾斜を形成することに
よって上下方向の非対称性が生起せしめられることによ
る。
【0030】このような垂直方向におけるアレイ中心点
上下方向の温度傾斜の非対称性を排除するため、本実施
例においては、配列モジュールごとに対応した各段のブ
ロワ6の回転数を上下方向で変化せしめ、アレイ面の垂
直方向にあっても、アレイ面中心に対する上下方向での
温度傾斜の対称性を確保するか、もしくは上下方向同一
の傾斜のない温度分布を確保する空冷式の冷却処理を行
っている。
上下方向の温度傾斜の非対称性を排除するため、本実施
例においては、配列モジュールごとに対応した各段のブ
ロワ6の回転数を上下方向で変化せしめ、アレイ面の垂
直方向にあっても、アレイ面中心に対する上下方向での
温度傾斜の対称性を確保するか、もしくは上下方向同一
の傾斜のない温度分布を確保する空冷式の冷却処理を行
っている。
【0031】図5は、本実施例におけるアレイ面の温度
分布の一例を示す図である。図5では、アレイ面の水平
方向及び垂直方向いずれの方向においても、それぞれア
レイ面中心Oに対して、アレイ面中心Oを最高温度とし
て、図5の(b)と(c)に示す如く、左右と上下方向
それぞれに対称的、且つ直線的に低下する温度傾斜を有
する温度分布パタンを確保していることを示す。上述し
た温度傾斜の対称性に代えて、温度傾斜を持たない、即
ち、アレイ面中心の上下方向で一様な温度分布パタン
(温度傾斜ゼロ)として、形成するビームの指向角度誤
差を生じないようにすることもでき、温度傾斜対称性と
温度傾斜ゼロとの何れを選択するかは、構成するフェー
ズドアレイ空中線の構成規模、設計諸元、運用目的及び
過去の運用実績、運用環境、操作性等の評価尺度に基づ
いて任意に設定することができる。
分布の一例を示す図である。図5では、アレイ面の水平
方向及び垂直方向いずれの方向においても、それぞれア
レイ面中心Oに対して、アレイ面中心Oを最高温度とし
て、図5の(b)と(c)に示す如く、左右と上下方向
それぞれに対称的、且つ直線的に低下する温度傾斜を有
する温度分布パタンを確保していることを示す。上述し
た温度傾斜の対称性に代えて、温度傾斜を持たない、即
ち、アレイ面中心の上下方向で一様な温度分布パタン
(温度傾斜ゼロ)として、形成するビームの指向角度誤
差を生じないようにすることもでき、温度傾斜対称性と
温度傾斜ゼロとの何れを選択するかは、構成するフェー
ズドアレイ空中線の構成規模、設計諸元、運用目的及び
過去の運用実績、運用環境、操作性等の評価尺度に基づ
いて任意に設定することができる。
【0032】図6は、アレイ面の温度分布が一定な場合
のビーム指向角に対する温度影響の説明図である。図6
は前述した図8と同様な運用条件を前提とし、図6の
(a)には、水平方向に配列したモジュールによるアン
テナ各素子に対する温度パタンとしてのアレイ面温度分
布t1 が水平方向の左右で同じであり、従って図6の
(b)に示す如く、アレイ面位相分布p1 も水平方向の
左右で同じ値となり、これに基づいて各アンテナ素子の
放射電波の形成する等位相面f1 も図6の(c)に示す
如く水平方向で左右同一な位相状態を保つ。図6の
(c)に示す左右同一な位相状態で形成されるアレイ指
向性パタンd1は、図6の(d)に示すようにアレイ素
子配列面の中心に垂直な方向をメインローブの中心方向
とし、全体として温度上昇による影響は現れない。
のビーム指向角に対する温度影響の説明図である。図6
は前述した図8と同様な運用条件を前提とし、図6の
(a)には、水平方向に配列したモジュールによるアン
テナ各素子に対する温度パタンとしてのアレイ面温度分
布t1 が水平方向の左右で同じであり、従って図6の
(b)に示す如く、アレイ面位相分布p1 も水平方向の
左右で同じ値となり、これに基づいて各アンテナ素子の
放射電波の形成する等位相面f1 も図6の(c)に示す
如く水平方向で左右同一な位相状態を保つ。図6の
(c)に示す左右同一な位相状態で形成されるアレイ指
向性パタンd1は、図6の(d)に示すようにアレイ素
子配列面の中心に垂直な方向をメインローブの中心方向
とし、全体として温度上昇による影響は現れない。
【0033】図7は、アレイ面の温度分布が、アレイ面
中心対称の温度傾斜を有する場合のビーム指向角に対す
る影響の説明図である。図7の場合も前述した図6及び
図8と同様な運用条件を前提とし、図7の(a)には水
平方向に配列したモジュール3によるアンテナ各素子に
対する温度パタンとしてのアレイ面温度分布t3 が、水
平方向でアレイ配列中心に対して左右対称であり、この
アレイ面温度分布t3 に対応するモジュール3の位相分
布パタンとしてのアレイ面位相分布p3 も、図7の
(b)に示す如く、アレイ配列中心に対して左右対称と
なる。
中心対称の温度傾斜を有する場合のビーム指向角に対す
る影響の説明図である。図7の場合も前述した図6及び
図8と同様な運用条件を前提とし、図7の(a)には水
平方向に配列したモジュール3によるアンテナ各素子に
対する温度パタンとしてのアレイ面温度分布t3 が、水
平方向でアレイ配列中心に対して左右対称であり、この
アレイ面温度分布t3 に対応するモジュール3の位相分
布パタンとしてのアレイ面位相分布p3 も、図7の
(b)に示す如く、アレイ配列中心に対して左右対称と
なる。
【0034】図7の(c)は、このような左右の対称性
を有するように冷却する場合のアレイ面位相分布を呈す
る各アンテナ素子の放射電波の形成する等位相面f3 を
示し、この等位相面f3 も左右対称性を有する。図7の
(d)は、右側のアンテナ素子0〜nで形成される指向
性パタンとしてのd4 と、左側のアンテナ素子0〜−n
で形成される指向性パタンとしてのd5とを併記して示
す。アンテナ素子0〜nによる指向性パタンd4 と、ア
ンテナ素子0〜−nによる指向性パタンd5 とを合成す
ることにより図7の(e)に示すアレイ指向性パタンd
3 が得られる。
を有するように冷却する場合のアレイ面位相分布を呈す
る各アンテナ素子の放射電波の形成する等位相面f3 を
示し、この等位相面f3 も左右対称性を有する。図7の
(d)は、右側のアンテナ素子0〜nで形成される指向
性パタンとしてのd4 と、左側のアンテナ素子0〜−n
で形成される指向性パタンとしてのd5とを併記して示
す。アンテナ素子0〜nによる指向性パタンd4 と、ア
ンテナ素子0〜−nによる指向性パタンd5 とを合成す
ることにより図7の(e)に示すアレイ指向性パタンd
3 が得られる。
【0035】上述したように、アレイ面の温度分布パタ
ンとして評価するモジュール3の温度分布パタンが、ア
レイ面中心に対して対称性を有するように冷却すれば、
アレイ面中心に対して同一の温度分布パタンの場合と同
様にビーム指向角を変動させないで済む。ところで、図
7に示す如くビーム放射方向に対して等位相面f3 が対
称性を有するように冷却し得たとしても、等位相面f3
の傾斜度が大きい場合、即ち、アレイ面位相分布p3 の
傾斜度が著しく大となるような、アレイ面温度分布t3
を示す高温度のモジュールの発熱がある場合には、図7
の(d)に示す2つの指向性パタンが傾斜の度合に応じ
て中心方向が互いに離隔し、極端な場合には図の(e)
に示すアレイ指向性パタンd3 が双峯特性の、いわゆる
スプリットビームとなる可能性も原理的には有り得る。
ンとして評価するモジュール3の温度分布パタンが、ア
レイ面中心に対して対称性を有するように冷却すれば、
アレイ面中心に対して同一の温度分布パタンの場合と同
様にビーム指向角を変動させないで済む。ところで、図
7に示す如くビーム放射方向に対して等位相面f3 が対
称性を有するように冷却し得たとしても、等位相面f3
の傾斜度が大きい場合、即ち、アレイ面位相分布p3 の
傾斜度が著しく大となるような、アレイ面温度分布t3
を示す高温度のモジュールの発熱がある場合には、図7
の(d)に示す2つの指向性パタンが傾斜の度合に応じ
て中心方向が互いに離隔し、極端な場合には図の(e)
に示すアレイ指向性パタンd3 が双峯特性の、いわゆる
スプリットビームとなる可能性も原理的には有り得る。
【0036】しかしながら、このような問題に対して
は、運用すべきフェーズドアレイ空中線の必要とする設
計諸元、運用条件等を予め考慮し、予め回避する熱設計
を採って実用的に差し支えないものとすることも容易に
実施して対応しうることは明らかである。
は、運用すべきフェーズドアレイ空中線の必要とする設
計諸元、運用条件等を予め考慮し、予め回避する熱設計
を採って実用的に差し支えないものとすることも容易に
実施して対応しうることは明らかである。
【0037】こうして、水平方向に対しては液冷式、垂
直方式に対しては冷却効果をモジュール配列段ごとに可
変とする空冷式を組み合わせた簡素な構成のモジュール
冷却方式とすることにより、アレイ面中心に対する水平
方向の左右でのモジュール発熱によるアレイ面の温度分
布パタンはアレイ面中心を最大とする対称性を有するも
のとし、アレイ面中心に対する垂直方向の上下でのモジ
ュール発熱によるアレイ面の温度分布はアレイ面中心を
最大とする対称性を有するか、もしくは上下方向で同一
な分布状態として、ビーム形成における指向角度に生ず
るモジュール発熱によってもたらされる角度誤差を根本
的に排除することができるフェーズドアレイ空中線放熱
方式を実現することができる。
直方式に対しては冷却効果をモジュール配列段ごとに可
変とする空冷式を組み合わせた簡素な構成のモジュール
冷却方式とすることにより、アレイ面中心に対する水平
方向の左右でのモジュール発熱によるアレイ面の温度分
布パタンはアレイ面中心を最大とする対称性を有するも
のとし、アレイ面中心に対する垂直方向の上下でのモジ
ュール発熱によるアレイ面の温度分布はアレイ面中心を
最大とする対称性を有するか、もしくは上下方向で同一
な分布状態として、ビーム形成における指向角度に生ず
るモジュール発熱によってもたらされる角度誤差を根本
的に排除することができるフェーズドアレイ空中線放熱
方式を実現することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、フェーズ
ドアレイ空中線のアレイ素子によるビーム形成に必要な
位相量を設定するアレイ素子対応の各モジュールの発熱
による影響を、アレイ面の温度分布パタンを評価尺度と
して捉え、アレイ面の水平方向では液冷式、垂直方向で
は空冷式とした冷却方式の組合せを基本とする簡素な構
成を備え、アレイ面の水平方向においてはアレイ面中心
に対して対照的な温度分布、垂直方向においてはアレイ
面中心に対して対称的もしくは一定の温度分布を形成す
ることにより、アンテナ素子に加わる信号の温度影響に
よってもたらされる位相変化をすべてアレイ面中心に対
して対称的に生起せしめることができ、フェーズドアレ
イ空中線におけるモジュール発熱に起因するアレイ面の
温度分布パタンの非対称性に起因する形成ビームの指向
角度誤差を根本的に排除し得る効果を有する。
ドアレイ空中線のアレイ素子によるビーム形成に必要な
位相量を設定するアレイ素子対応の各モジュールの発熱
による影響を、アレイ面の温度分布パタンを評価尺度と
して捉え、アレイ面の水平方向では液冷式、垂直方向で
は空冷式とした冷却方式の組合せを基本とする簡素な構
成を備え、アレイ面の水平方向においてはアレイ面中心
に対して対照的な温度分布、垂直方向においてはアレイ
面中心に対して対称的もしくは一定の温度分布を形成す
ることにより、アンテナ素子に加わる信号の温度影響に
よってもたらされる位相変化をすべてアレイ面中心に対
して対称的に生起せしめることができ、フェーズドアレ
イ空中線におけるモジュール発熱に起因するアレイ面の
温度分布パタンの非対称性に起因する形成ビームの指向
角度誤差を根本的に排除し得る効果を有する。
【図1】本発明の一実施例のフェーズドアレイ空中線放
熱方式の構成を示す正面図である。
熱方式の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施例のフェーズドアレイ空中線放
熱方式の構成を示す側面図である。
熱方式の構成を示す側面図である。
【図3】図1の金属プレート4及びヒートシンク5の結
合状態を示す斜視図である。
合状態を示す斜視図である。
【図4】図3の金属プレート4とヒートシンク5のそれ
ぞれの内設するヒートパイプの構成を示す部分平面図及
び部分側面図である。
ぞれの内設するヒートパイプの構成を示す部分平面図及
び部分側面図である。
【図5】本発明の一実施例のフェーズドアレイ空中線放
熱方式におけるアレイ面での温度分布の一例を示す図で
ある。
熱方式におけるアレイ面での温度分布の一例を示す図で
ある。
【図6】アレイ面での温度分布が一定な場合のビーム指
向角に対する温度影響の説明図である。
向角に対する温度影響の説明図である。
【図7】アレイ面の温度分布がアレイ面中心対称の温度
傾斜を有する場合のビーム指向角に対する温度影響の説
明図である。
傾斜を有する場合のビーム指向角に対する温度影響の説
明図である。
【図8】アレイ面の温度分布にアレイ面中心に対して非
対称な温度傾斜を有する場合のビーム指向角に対する温
度影響の説明図である。
対称な温度傾斜を有する場合のビーム指向角に対する温
度影響の説明図である。
【図9】従来のフェーズドアレイ空中線放熱方式の第一
例の構成を示す正面図である。
例の構成を示す正面図である。
【図10】従来のフェーズドアレイ空中線放熱方式の第
二例の構成を示す正面図である。
二例の構成を示す正面図である。
【図11】図9のフェーズドアレイ空中線放熱方式にお
けるアレイ面での温度分布を示す図である。
けるアレイ面での温度分布を示す図である。
1 フェーズドアレイ空中線 2 アレイ面 3 モジュール 4 金属プレート 5 ヒートシンク 6,6a,6b ブロワ 7 ヒートパイプ(A) 8 ヒートパイプ(B) 9 エアダクト 10 冷却機 11 冷却パイプ 12 冷却液タンク 13 ポンプ 14 熱交換機 15 フィルタ 21 アンテナ素子配列領域
Claims (4)
- 【請求項1】 次の(イ)ないし(ニ)に示す各構成を
備え、アレイ面に配設した配列アンテナ素子を制御位相
で励振すべく配列アンテナ素子の近傍にアンテナ素子の
それぞれに対応して水平及び垂直方向に配設した複数の
モジュールの温度上昇による位相変動によってもたらさ
れるビーム指向角の変動を、前記複数のモジュールの発
熱を、アレイ面上での発熱による温度分布パタンで表現
し、アレイ面上でのアレイ面中心から水平方向の左右及
び垂直方向の上下に生起する前記温度分布パタンの対称
性を確保するようにして複数のモジュールの発熱を冷却
し放熱せしめることにより抑圧することを特徴とするフ
ェーズドアレイ空中線放熱方式。 (イ)水平方向に配列したモジュールに密着してモジュ
ールの配設中心から水平方向左右に1対ずつ水平方向の
配列モジュール段ごとに配設され、内部に熱の移動路と
してのU字形管状の第1のヒートパイプを、水平方向の
アレイ側端に近い方が開放端となるように配設して成る
板状の熱良導体部材による複数の金属プレート (ロ)前記複数の金属プレートに形成した第1のヒート
パイプの開放端に嵌入可能な外径の開放端を有する熱良
導体部材で形成した金属製のU字形管状のパイプであっ
て、前記第1のヒートパイプに嵌入して長楕円形状の閉
管を形成し、該閉管を複数のモジュールによる発熱をア
レイ左右の側端方向に移動せしめるヒートパイプとする
第2のヒートパイプ (ハ)前記第2のヒートパイプを密着内包するチェンバ
を内設し、前記第2のヒートパイプを嵌入結合した前記
第1のヒートパイプを有する前記金属プレートとの密着
結合を可能として前記金属プレート並びに前記第1及び
第2のヒートパイプを介して移動する前記モジュールの
発熱を吸収すべく水平方向の配列モジュール段ごとに左
右に1対ずつ配設される複数のヒートシンク (ニ)前記複数のヒートシンクのそれぞれの吸収した熱
を冷却すべく、水平方向の配列モジュール段毎に左右に
1対ずつ配設して前記複数のヒートシンクのそれぞれに
対する冷却風を送風して冷却し、且つ回転数可変として
前記ヒートシンクに対する冷却効果可変可能な複数のブ
ロワ - 【請求項2】 前記金属プレートが、水平方向に上下に
2分した上方プレートと下方プレートとを対面結合して
形成するものであり、且つ前記第1のヒートパイプは、
前記上方プレートと下方プレートのそれぞれの結合面上
に穿設した、断面が半円状の溝状空間としての半U字形
構造を相接合してU字形管状に形成する構成を有するも
のであることを特徴とする請求項1記載のフェーズドア
レイ空中線放熱方式。 - 【請求項3】 アレイ面での温度分布パタンの示す温度
傾斜のアレイ面中心に対する対称性が、水平方向にあっ
ては、アレイ面中心を最高温度としてアレイ面の左右方
向両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で直
線的且つ対称的に低下する温度低下特性を有するもので
あることを特徴とする請求項1記載のフェーズドアレイ
空中線放熱方式。 - 【請求項4】 アレイ面での温度分布パタンの示す温度
傾斜のアレイ面中心に対する対称性が、垂直方向にあっ
ては、前記複数のブロワのそれぞれの回転数調節に基づ
いて、アレイ面中心を最高温度として、アレイ面の垂直
方向両端までそれぞれ所定の冷却効果に対応した傾斜で
直線的且つ対称的に低下するか、もしくは傾斜を持たな
い一定状態の対称性を有するものであることを特徴とす
る請求項1記載のフェーズドアレイ空中線放熱方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13610598A JPH11317618A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | フェーズドアレイ空中線放熱方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13610598A JPH11317618A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | フェーズドアレイ空中線放熱方式 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11317618A true JPH11317618A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=15167406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13610598A Pending JPH11317618A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | フェーズドアレイ空中線放熱方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11317618A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7017651B1 (en) * | 2000-09-13 | 2006-03-28 | Raytheon Company | Method and apparatus for temperature gradient control in an electronic system |
JP2020502926A (ja) * | 2016-12-30 | 2020-01-23 | シマンテック コーポレーションSymantec Corporation | 無線通信装置及び他の無線用途のためのアンテナシステム |
-
1998
- 1998-04-30 JP JP13610598A patent/JPH11317618A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7017651B1 (en) * | 2000-09-13 | 2006-03-28 | Raytheon Company | Method and apparatus for temperature gradient control in an electronic system |
JP2020502926A (ja) * | 2016-12-30 | 2020-01-23 | シマンテック コーポレーションSymantec Corporation | 無線通信装置及び他の無線用途のためのアンテナシステム |
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