JPH11317174A - ガスによるイオン源絶縁フランジのクリーニング方法とクリーニング機構 - Google Patents

ガスによるイオン源絶縁フランジのクリーニング方法とクリーニング機構

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JPH11317174A
JPH11317174A JP15830298A JP15830298A JPH11317174A JP H11317174 A JPH11317174 A JP H11317174A JP 15830298 A JP15830298 A JP 15830298A JP 15830298 A JP15830298 A JP 15830298A JP H11317174 A JPH11317174 A JP H11317174A
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cleaning
insulating flange
gas
ion source
cleaning gas
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JP15830298A
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Yoshiaki Tatsumi
良昭 辰巳
Kinya Miyashita
欣也 宮下
Masanori Kishida
政則 岸田
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SOZO KAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】絶縁フランジを取り外しクリーニングする作業
はイオン注入機の稼働率を下げて運転コストを引き上
げ、砒素等の毒物を作業者が吸う危険性や作業中に毒物
が空中飛散して環境汚染を引き起こすことを防止する。 【解決手段】絶縁フランジ2がイオン注入機に装着され
たままの状態で、三弗化塩素ClF3等のクリーニング
ガスを直接イオン源部に導入して絶縁フランジ内表面の
汚れ3を安全でかつ短時間のうちに蒸気圧の高い弗化物
や塩化物にして蒸発気化させる。イオン源マウンテイン
グフランジ10にクリーニングガス導入管6とガス分散
室7、シェード8、ヒーター9を取り付けてクリーニン
グガスと絶縁フランジ内表面汚れ3を効率良く反応させ
て、気化蒸気の形で排出させる。この時絶縁フランジ2
の両端に直流電圧を印加してその絶縁抵抗値をモニター
して、クリーニングガスの使用量を必要最小限なものに
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
のために使用されるイオン注入機の稼働率を上げること
とクリーニング作業の安全性向上及び環境対策の技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造工程では多くのイオン注入
工程があり、最先端のデイバイスでは二十回近いイオン
注入工程を経るものもある。それゆえイオン注入機の稼
働率がデイバイスのコストに直接反映されることにな
る。
【0003】半導体製造で使用されるイオン注入元素
は、ボロンB、リンP、砒素Asが一般的で特殊なもの
として、アンチモンSb、シリコンSi、水素H、酸素
O等がある。これらのうち比較的蒸気圧の低いボロン
B、リンP、砒素As、アンチモンSb、シリコンSi
については、イオン化されて引き出された元素以外の余
剰分が低温部分に堆積することとなる。
【0004】注入元素のイオン化をおこなうイオン源の
イオン化室4にはイオン注入される元素の何倍もの元素
が、ハロゲン化物や水素化物の気体の形で導入される
か、注入元素の固体そのものを加熱気化させる方法によ
って導入される。これらの導入元素のうちイオン化され
て実際に注入される元素は一部に過ぎず、蒸発された固
体元素のかなりの部分とハロゲン化物や水素化物から分
解されて注入されなかった固体元素はイオン化室4より
漏れ出し、イオン源ハウジング1の内部や絶縁フランジ
2の内部等の低温部分に固体元素の形で凝集堆積する。
又一部は真空ポンプ排気と共に排出されるが排気配管内
部やポンプ内部に堆積する。
【0005】特に固体元素を蒸発させる場合は、蒸発さ
れた元素の内イオン化されない元素がイオン源ハウジン
グ部内部の低温部に多量に凝集堆積する。
【0006】イオン化元素以外の物質としては、イオン
化室4に使用されるタングステンWやモリブデンMo、
セラミックスの構成元素が元素の状態や化合物の形で少
量ながらもイオン源ハウジング1の内部や絶縁フランジ
2の内部等に堆積する。
【0007】これらの堆積度合いは各元素や化合物に応
じて異なるが、一般傾向としては蒸発量が多いものほ
ど、導入量が多いものほど、蒸気圧の低いものほど堆積
がはなはだしい。半導体工程でもつとも多く使われるボ
ロンB、リンP、砒素Asのなかでは、固体蒸発源を使
用することが多い砒素Asが堆積度も激しい。そのため
に砒素Asの注入では、絶縁フランジ2の内表面の絶縁
破壊時間がもっとも短く、注入条件によっては数時間の
使用に耐えない場合もある。
【0008】絶縁破壊した絶縁フランジ2は、取り外し
てサンドブラスト等の機械的方法によって内表面の付着
物を剥離除去することが一般的に行われている。この剥
離除去作業は二つの問題を抱えている。一つ目は絶縁フ
ランジ2の取り外し交換によるイオン注入機の稼働率低
下の問題であり、もう一つは作業者の健康問題と環境汚
染問題である。
【0009】イオン注入機の稼働率低下は、絶縁フラン
ジ2を清掃のためにイオン注入機から取り外さなければ
ならないことによる。交換用の絶縁フランジを用意して
いる場合でもイオン注入機の停止が必要であり、真空引
きの時間を入れると交換作業時間は3時間を超え、装置
稼働率の低下をきたす。
【0010】作業者の健康問題と環境汚染問題は、絶縁
フランジ2の清掃作業そのものによるものである。サン
ドブラストによる作業は圧搾空気に混ぜられた砥粒によ
って付着汚れを打ち落とすために、注入元素である砒素
As、リンP、ボロンBやその酸化物がサンドブラスト
容器から漏れ出て空気中に飛散することが避けられな
い。その為にこれらの物質を作業者が吸う可能性が非常
に高く、さらには着衣等に付着して作業区域外に持ち出
されることとなる。
【0011】サンドペーパー等で汚れをこすり落とす場
合も、作業者による吸引や大気中への飛散と作業区域外
への持ち出しの可能性はサンドブラストの場合と全く同
じである。
【0012】これらの物質はいずれも極めて毒性が高
く、作業者に与える直接の危険性は計り知れない。例え
ば砒素を扱う作業者の肺ガンは無条件で労働災害に認定
されるほどである。作業者への危険性にとどまらず、微
量元素が空気中に飛散してわずかながらも徐々に環境汚
染を引き起こしていることも事実である。空気中に飛散
するという事実は、完全な環境対策の難しさを示してい
る。
【0013】これらの問題解決のために、特開平8−1
62433に示されるフッ化ハロゲンガスによるクリー
ニングが提案されているが、このクリーニング方法では
絶縁フランジ内表面の汚れ3に集中して最大効率でその
汚れを除去することができない。絶縁フランジ2の絶縁
を完全に回復するまでに多量のフッ化ハロゲンガスが消
費され、イオン源内部のさまざまな部品や排気管部品と
真空ポンプに影響を与えその寿命を短くすることとな
る。イオン源まわりの部分に限定されず分析マグネット
から加速管やイオンビーム管経路のすべての部品に悪影
響を与えその寿命を縮める。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】絶縁フランジ2の分解
清掃は、イオン注入機の稼働率を低下させるということ
にとどまらず、清掃作業そのものが環境汚染と清掃作業
者の健康問題を引き起こす。このことはイオン注入機の
運転者にとって負担となっている。分解作業をなくし簡
便かつ短時間で安全に絶縁フランジ2のクリーニングが
行えるようにすることが求められている。あるいは絶縁
フランジ2のクリーニング頻度を低下させること、さら
には絶縁フランジ2のクリーニング作業そのものをなく
すことが求められている。
【0015】
【課題を解決するための手段】絶縁フランジ2に付着す
る汚れの大半はイオン化する元の元素であり、一部はイ
オン化する元の元素の化合物である。これらの元素はフ
ッ素や塩素等のハロゲンと化合しやすく、そのハロゲン
化物の蒸気圧は元の元素よりもはるかに高い。したがっ
て汚れをハロゲン化物、特に弗化物や塩化物とすること
ができれば、真空中において容易に排出することが可能
である。
【0016】またイオン化室4の放電によって生成する
モリブデンMoやタングステンWやその化合物の汚れも
ハロゲン化物として排出することが可能である。
【0017】ボロンB、リンP、砒素Asやモリブデン
Mo、タングステンW等の汚れをハロゲン化物とするに
は、ハロゲン化合物ガスをプラズマ中で分解する方法が
一般的である。すなわち半導体工程で用いられるプラズ
マエッチングの手法を用いる。この方法の場合、第一に
狭い絶縁フランジ2の近傍にプラズマ生成のための電極
が必要でありスペースの問題からこの電極を設けること
が困難である。また、絶縁フランジ2の内表面を一様に
クリーニングするためには電極形状の決定に至るまでに
相当の試行錯誤が必要となる。電極設置ができた場合で
も、放電周波数の選択にかかわらずプラズマ放電のため
の真空圧力がイオン注入の真空圧力よりも高いので、ク
リーニング工程の前後で真空圧を変化、安定させるため
の時間が必要である。以上の理由からこの方法は実用化
されていない。
【0018】これに対して三弗化塩素ガスClF3、一
弗化塩素ガスClF、フッ素ガスF2、塩素ガスCl2
の場合は、プラズマを必要とせず室温の条件でもボロン
B、りんP、砒素AsやモリブデンMo、タングステン
Wと容易に反応してハロゲン化合物となる。これらのハ
ロゲン化合物はいずれも蒸気圧が高く、イオン注入機の
作動真空圧では気体となりポンプ排気によって容易に排
出される。他のハロゲン間化合物や他のハロゲンガスで
も良いがコスト面では不利となる。
【0019】これらのクリーニングガスは反応性が強い
ために、過剰に供給されるとイオン源部にあるさまざま
な部品や排気管、ポンプ等を腐食して部品寿命を短くす
る。部品の短寿命化を防ぐ目的で、クリーニングガスの
使用量を必要最小限とする必要がある。
【0020】このために絶縁フランジ内表面汚れ3にク
リーニングガスを均等に当てることと、他の部分への早
期拡散を防ぐためにガス分散室7とシェード8を設置す
る。これらの部品設置によって、イオン源部に導入され
たクリーニングガスは絶縁フランジ内表面の汚れ3と真
っ先に出会い、絶縁フランジ内表面の汚れ3をハロゲン
化物とすることに費やされることとなる。このため絶縁
フランジ部を通り過ぎる未反応のクリーニングガスは少
なく、イオン源部のほかの部品や排気管とポンプ等に与
えるクリーニングガス影響を少なくすることができる。
【0021】また絶縁フランジ内表面の汚れ3とクリー
ニングガスとの反応効率を高めるためにシェード8にヒ
ーター9を取り付けて絶縁フランジ内表面の汚れ3を間
接的に50℃から200℃に加熱する。こうすることに
よってクリーニング時間が短縮できる上に、クリーニン
グガスの使用量を下げることができる。クリーニングガ
スの使用量の低下は、イオン源部のほかの部品や排気管
とポンプ等に与えるクリーニングガス影響をさらに少な
くすることとなる。
【0022】さらに絶縁フランジ2のクリーニング終了
時を検出するためにイオン源ハウジング1とイオン源マ
ウンテイングプレート10との間に1000Vから20
00Vの直流電圧を印加して、クリーニング中は絶縁抵
抗値をモニターする。これは絶縁フランジ2の絶縁抵抗
を計測することと等価である。必要な絶縁抵抗値となっ
た時点でクリーニングガスの供給を止める機構を付加す
る。適切な時期でのクリーニング停止は、絶縁フランジ
内表面の汚れ3のみをクリーニングしてイオン源部のほ
かの部品や排気管とポンプ等への影響を非常に少なくす
ることができる。
【0023】以上三つの機構を採用することによって余
剰のクリーニングガス量を極端に下げることができる
が、それでもなお存在するクリーニングガスはイオン源
内部の汚れ全般と排気管とポンプ内に積もった汚れをハ
ロゲン化合物にすることに費やされるので、各部品の素
材そのものに与える影響はごくわずかなもとなる。
【0024】ガス導入管6、ガス分散室7、シェード8
の部品は未反応のクリーニングガスにさらされるのでハ
ステロイやインコネル等のハロゲン耐蝕材、もしくは不
導体化されたステンレス材を用いる。
【0025】クリーニングガスによる絶縁フランジ2の
クリーニングを実施した時に排出される生成物は砒素A
S、リンP、ボロンB、モリブデンMo、タングステン
Wとハロゲンとの間の化合物である。これらは三弗化ホ
ウ素BF3等のハロゲン化合物ガスを使用するイオン注
入装置に元々付加されている排気の除害装置で容易に除
害されるものである。したがって基本的には除害のため
に新たな設備を必要としない。
【0026】
【作用】クリーニングガスによる絶縁フランジ2のクリ
ーニングは、毒物の付着した絶縁フランジ2の取り外し
交換の作業をなくしてイオン注入機の運転者の作業負荷
を下げ、健康被害への恐れを大幅に低減する。
【0027】また取り外し交換そのものがなくなるので
交換作業時間と真空引きの時間が不要となり、イオン注
入機の稼動率を上げる。
【0025】交換作業がなくなるので、組み立て時のミ
ス作業による真空漏れ事故を防ぎ、絶縁フランジ2の予
備品の在庫も最小限に抑えることが可能である。
【0026】サンドブラスト等による汚れの剥離除去作
業をなくしてイオン注入機の運転コストを引き下げるの
はもちろんであるが、剥離除去作業者の健康被害問題と
剥離除去作業に伴う環境汚染問題を解決する。
【0027】その場クリーニングであるために、何ら準
備を必要とせずボタン操作一つで必要なときに必要な時
間だけ絶縁フランジ2のクリーニングが実施できる。こ
のことは、例えば処理ウエハーのロット切れ目で20分
間の待機時間ができたときに、イオン化動作であるアー
ク放電を中断してすぐに7分間のクリーニングを実施
し、3分間で真空度の安定を図り、残り10分間でイオ
ン注入ビームの安定を図るという操作が可能である。
【0028】この時絶縁フランジ2の絶縁を完全に回復
する必要はない。あくまで余剰な待機時間内で予防的な
クリーニングを実施するということで良い。こういう待
機時間での予防的な短時間クリーニングの積み重ねが絶
縁フランジ2の不意の絶縁破壊によるイオン注入機の停
止をなくすことにつながる。
【0029】また、例えば固体蒸発による砒素Asを長
時間注入する必要がある場合など、極めて少量のクリー
ニングガスを常時流し続けることによって、イオン注入
を実施しながらの同時クリーニングが可能となる。この
時はイオン源ハウジング1とイオン源マウンテイングフ
ランジ10の間の絶縁抵抗をモニターすることはできな
いが、あらかじめ条件出しを行って適正ガス量とヒータ
ー9の適性設定温度を決定すれば、絶縁フランジ以外の
部分へのクリーニングガス影響を最小限にして、イオン
注入を続けながら絶縁フランジ2の内表面を常に清浄に
保つことが可能になる。すなわち絶縁フランジ2の絶縁
破壊を防いでイオン注入を長時間継続することができ
る。
【0030】以上のクリーニング機構とクリーニング方
法は、イオン源のタイプを選ばない。もっとも多く使わ
れているフリーマン型イオン源とバーナス型イオン源に
適応できるのはもちろんであるが、ECRイオン源や高
周波イオン源においても本発明の機構と方法を用いてイ
オン源部の引き出し電圧用絶縁フランジ2をクリーニン
グする事ができる。
【0031】
【実施例1】イオン源をクリーニングガス導入管6、ガ
ス分散室7、シェード8、ヒーター9が取り付けられた
バーナス型イオン源に交換して、なおかつ洗浄済みの絶
縁フランジ2を装着して、固体蒸発源による砒素Asの
イオン注入を行った。加速電圧80KV、ビーム電流量
20μAで約15時間の運転で絶縁フランジ2の絶縁破
壊が起こり、イオン注入が継続できなくなった。
【0032】この状態でクリーニングガスClF3を毎
分0.8cc流した。イオン源ハウジング1とイオン源
マウンテイングプレート10との間の絶縁抵抗値が20
00MΩに達するまで40分要した。この時イオン源部
の真空度を間接的に示す排気管部の真空度は最大3.0
E−5Torrで、イオン注入中の真空度1.3E−5
Torrからわずかの上昇に過ぎなかった。40分後ク
リーニングガスを止め、真空排気を行って5.0E−6
Torrとなるまでに要した時間はわずか3分である。
【0033】再度、固体蒸発源を加熱して、砒素Asの
注入を前回と同じ条件で行った。ふたたび絶縁フランジ
2の絶縁破壊力が起こるまで約16時間要した。従来か
らおこなわれている絶縁フランジ2を予備品と交換する
方法では、再度固体蒸発ができる条件が整うまでの所用
時間は約3時間である。クリーニングガスによる絶縁フ
ランジ2の洗浄がイオン注入機の稼働率を上げることに
貢献することがわかる。
【0034】
【実施例2】砒素Asによって絶縁破壊した絶縁フラン
ジ内表面の汚れ3をヒーター9によって加熱しながらク
リーニングを行った。シェード8の温度を150℃にし
てクリーニングガスClF3を毎分0.8cc流した。
イオン源ハウジング1とイオン源マウンテイングプレー
ト10との間の絶縁抵抗値が2000MΩに達するまで
に要した時間は25分間である。この時の真空度は、最
大で3.3E−5Torrである。クリーニングガスを
止めた後の5.0E−6Torrまでの真空排気時間は
3分である。
【0035】再度、固体蒸発源を加熱して、砒素Asの
注入を同じ条件で行った。再び絶縁フランジ2の絶縁破
壊が起こるまで15時間20分の注入が可能であった。
絶縁フランジ内表面の汚れ3を加熱することによって、
クリーニング時間を更に短縮させることができた。
【0036】
【実施例3】実施例1と同じ条件で砒素Asの注入をつ
づけると、通常20ないし25時間で引き出し電極の放
電がめだつようになる。実施例1と実施例2のクリーニ
ングを施しておくと60時間を経過しても引き出し電極
の放電は目立たない。クリーニングガスによる絶縁フラ
ンジ2のその場洗浄が、引き出し電極の分解清掃サイク
ルの長期化に貢献している。
【0037】
【実施例4】固体蒸発源による砒素Asの注入中に、ク
リーニングガスClF3を毎分0.02cc流し、シェ
ード8を150℃に保った。注入条件は実施例1と同じ
である。砒素Asの注入開始後、40時間を経てなお絶
縁フランジ2の絶縁破壊は起こっていない。クリーニン
グガスを流しながらイオン注入をつづけたがイオン注入
プロセスに何らの影響も与えない。固体蒸発源によるイ
オンの注入中にクリーニングガスを流して同時クリーニ
ングを実施することが極めて有効であることを立証して
いる。
【0038】
【実施例5】ガス源を用いた同時クリーニングのイオン
注入実験を、五弗化リンPF5で行った。クリーニング
ガスClF3を毎分0.02cc、PF5を毎分0.8
ccでリンPの注入実験を行った。加速電圧80KVで
ビーム電流量は20μAである。イオン注入条件にあた
えるクリーニングガスの影響は全くなかった。注入開始
後160時間を経て何ら問題は発生していない。
【0039】
【発明の効果】イオン注入機のイオン源部に装備されて
いる引き出し電圧用絶縁フランジ2の内表面の汚れを、
イオンハウジングを分解することなく安全で短時間に確
実に除去することができる。さらにイオン注入中のクリ
ーニングも可能であり、イオン注入機の稼働率を上げ運
転コスト低減が達成できる。また、清掃作業者の健康被
害と環境汚染の懸念が付きまとう絶縁フランジ内表面の
汚れ3の機械的方法による剥離除去作業そのものをなく
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングガス導入管6、ガス分散室7、シ
ェード8、及び絶縁フランジ2の内表面を間接的に加熱
するヒーター9を持ったイオン源部の断面図である。
【図2】イオン源ハウジング1とイオン源マウンテイン
グプレート10との間の絶縁抵抗、すなわち絶縁フラン
ジ2の絶縁抵抗を測るための回路を説明する。
【符号の説明】
1 イオン源ハウジング 2 絶縁フランジ 3 絶縁フランジ内表面の汚れ 4 イオン化室 5 引き出し電極 6 クリーニングガス導入管 7 ガス分散室 8 シェード 9 ヒーター 10 イオン源マウンテイングフランジ 11 絶縁抵抗を測るための直流電源 12 絶縁抵抗計 13 イオン引き出し電源 14 絶縁抵抗計とイオン引き出電源回路を切り替える
ためのスイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電によって作られたイオンを高電圧で加
    速して試料に注入するイオン注入装置において、蒸発さ
    れた固体試料の再凝集とイオン化室4の放電生成物の凝
    集による絶縁フランジ内表面の汚れ3を、以下の機構を
    用いて三フッ化塩素CLF3、一フッ化塩素ClF、フ
    ッ素F2、塩素Cl2のいずれかのクリーニングガスを
    流して除去するクリーニング方法。クリーニングガスの
    使用量を必要最小限にするために、ガス分散室7とシェ
    ード8によって絶縁フランジ内表面の汚れ3にクリーニ
    ングガスを均等に供給すると同時にガスの早期拡散を防
    ぐ機構、シェード8に取り付けられたヒーター9によっ
    て絶縁フランジ内表面の汚れ3を間接的に50℃から2
    00℃に暖めることによって反応効率を高める機構、イ
    オン源ハウジング1とイオン源マウンテイングフランジ
    10との間に1000Vから2000Vの直流電圧を印
    加して、その抵抗値の変化によって絶縁の回復状況をモ
    ニターする機構。
  2. 【請求項2】請求項1のクリーニングガス分散機構と早
    期拡散防止機構ならびに絶縁フランジ内表面加熱機構を
    併用して、極めて少量のクリーニングガスをイオン打ち
    込み運転中に導入して絶縁フランジ2の内表面を常時清
    浄にして、絶縁フランジ2の絶縁破壊によるイオン打ち
    込みの中断の可能性を排除したイオン注入機。
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