JPH11315893A - コリオリ運動歯車装置及びアクチュエータ - Google Patents

コリオリ運動歯車装置及びアクチュエータ

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JPH11315893A
JPH11315893A JP10125759A JP12575998A JPH11315893A JP H11315893 A JPH11315893 A JP H11315893A JP 10125759 A JP10125759 A JP 10125759A JP 12575998 A JP12575998 A JP 12575998A JP H11315893 A JPH11315893 A JP H11315893A
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JP
Japan
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gear
input shaft
gear device
coriolis motion
output shaft
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JP10125759A
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Ichiro Kamimura
一郎 上村
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NAMU KK
Namu Co Ltd Japan
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NAMU KK
Namu Co Ltd Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コリオリ運動歯車装置を用いた電動アクチュ
エータの、小型化、低コスト化を図る。 【解決手段】 中空モータの出力軸8とコリオリ運動歯
車装置の入力軸1との連結手段として、コレットチャッ
ク14を用いる。そして、コリオリ運動歯車装置の入力軸
1の端部と動力源の出力軸8の端部とを軸方向に重ね合
わせて連結する。該連結部分における軸方向の距離を短
縮することができるので、電動アクチュエータの減速機
にコリオリ運動歯車装置を用いることにより得られる小
型化の恩恵を、最大限に発揮することができる。また、
コレットチャック14は、環状の入力軸1に、軸方向の切
り込みを複数設けることによって形成することができる
ので、製造コストを低く抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ運動歯車
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者はバックラッシの設定が不要で
かつ大減速比を得る事が可能な変速装置を発明し、特公
平7-56324 号公報にその詳細を開示している。この変速
装置は、内部に用いられている歯車がいわゆるコリオリ
運動をすることから、以下の説明ではコリオリ歯車装置
と称す。
【0003】図10には、本発明者によるコリオリ歯車装
置の要部断面が示されている。コリオリ歯車装置は、入
力軸1と出力軸2との間を、第1〜第4歯車A1 〜A4
で連結し、これらの歯車によって減速を行うものであ
る。この第1〜第4歯車は傘歯車である。第1歯車A1
はハウジング6に一体的に固定されている。また、第2
歯車A2 および第3歯車A3 は1つの回転体3に設けら
れ、回転体3は入力軸1の傾斜部1aで軸支されてい
る。このように回転体3を傾斜支持すると、入力軸1の
回転に伴って回転体3にコリオリ運動を発生させること
ができる。また、各歯車の歯にコロ4およびコロとの内
接面5を用い、歯同士のかみ合い時に生ずる摺動をコロ
4の回転で吸収している。したがって、バックラッシの
設定をなくし、かつ、歯同士に意図的に予圧を付与して
も、歯同士のかみ合いによる発熱を回避することが可能
となる。この手法によると、入力軸1の回転運動が出力
軸2に伝達される際に、第1、第2歯車A1 ,A2 と、
第3、第4歯車A3 ,A4 とで、2段階の減速作用を受
けることになる。したがって、上記コリオリ運動歯車装
置を、例えばアクチュエータの減速機に用いれば、小
型、高精度かつ大出力のアクチュエータを得ることがで
きる。
【0004】さて、図11には、コリオリ運動歯車装置を
電動アクチュエータに組み込んだ例を示している。この
アクチュエータは、コリオリ運動歯車装置からなる減速
機と、動力源であるモータとを、ハウジング6で一体化
したものである。また、入力軸1、出力軸2は共に中空
軸であり、入力軸1を駆動する動力源として、中空モー
タ7を備えるものである。そして、中空モータ7の出力
軸8、コリオリ運動歯車装置の入力軸1および出力軸2
を貫通するボールねじ軸9を備える。さらに、出力軸2
で、ボールねじ軸9と螺合するナット10を駆動するもの
である。出力軸2によりナット10が駆動されると、該ナ
ット10に螺合するボールねじ軸9は、軸方向(図11の左
右方向)へと移動する。このボールねじ軸9の動作は、
例えば油圧アクチュエータのピストンロッドと同一ので
あることから、油圧アクチュエータに代えて、この電動
アクチュエータを用いることができる。
【0005】ところで、図11に示すアクチュエータは、
中空モータ7の出力軸8とコリオリ運動歯車装置の入力
軸1との連結手段として、出力軸8及び入力軸1の端部
に、いわゆるカービック(登録商標)カップリング等の
自己調芯機能を備える継手形状11を直接成形している。
この連結手段は高荷重の伝達に耐えるものでありなが
ら、出力軸8又は入力軸1とは別個の継手手段(フラン
ジ継手等)が不要であり、アクチュエータの軸方向(図
11の左右方向)の寸法の増加を、可能な限り抑えること
ができるという利点がある。したがって、電動アクチュ
エータは、減速機にコリオリ運動歯車装置を用いること
による小型化を、促進させることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11の
アクチュエータに用いられる連結手段は、その加工に特
殊な技術が必要なものであり、現状では加工コストの低
減が困難である。また、出力軸8及び入力軸1には、現
実的な寸法交差、組立誤差等に起因する互いの軸芯の位
置ずれが生じている。この位置ずれを、前記連結手段の
自己調芯機能によって無理に矯正することになり、出力
軸8及び入力軸1に無理な力をかけることとなった。よ
って、該力が出力軸8及び入力軸1を軸支するベアリン
グ12,13等に過度の負担をかけ、該ベアリング12,13等
の耐久性を低下させるおそれもあった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、コリオリ運動歯車装置
の入力軸と、該入力軸を駆動する動力源の出力軸とを連
結する連結手段の、小型化、低コスト化及び適切な自己
調芯機能の確保を図ることにある。また、本発明に係る
コリオリ運動歯車装置をアクチュエータの減速機に用い
ることにより、該アクチュエータの小型化及び低コスト
化を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る手段は、ハウジングに固定さ
れた歯数n1 の第1歯車と、出力軸に取付けられた歯数
4 の第4歯車と、入力軸との各軸芯を一致させて配置
し、歯数n2 の第2歯車および歯数n3 の第3歯車を一
体に設けた回転体を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、
第3歯車が第4歯車と噛み合うように前記入力軸の傾斜
部で軸支し、前記第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共
通球面の中心点と、前記第3、第4の歯車の各ピッチ円
を通る共通球面の中心点とが一致する点を原点とするX
Y座標のX軸上に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第
1、第2歯車の噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い
点とを該XY座標の同一象限若しくは異なる象限上に置
いてなるコリオリ運動歯車装置であって、前記入力軸の
端部に、動力源の出力軸を把持するコレットチャックを
成形し、該コレットチャックをクランプ手段で挟持する
連結手段を備えることを特徴とする。
【0009】上記構成によると、入力軸の回転運動が出
力軸に伝達される際に、第1、第2歯車A1 ,A2 と、
第3、第4歯車A3 ,A4 とで、2段階の減速作用を有
するコリオリ運動歯車装置の、入力軸の端部に設けたコ
レットチャックで、前記動力源の出力軸を把持すると、
前記コリオリ運動歯車装置の入力軸端部と前記動力源の
出力軸端部とを軸方向に重ね合わせることになり、軸方
向の距離を短縮することができる。また、該重合部分で
あるコレットチャックをクランプ手段で締付けることに
より、前記重合部分に生ずる摩擦力を利用して、前記動
力源の出力軸から前記コリオリ運動歯車装置の入力軸端
部へと回転運動を伝達する。
【0010】また、本発明の請求項2に係る手段による
と、前記クランプ手段はバランスウエイトを備えるもの
とする。前記コリオリ運動歯車装置の入力軸は、前記回
転体を軸支する部分が傾斜部として形成されている。し
たがって、前記入力軸及び前記回転体は、動的バラン
ス、又は、静的バランス、動的バランスのいずれも損な
うことになる。そこで、該バランスを取り戻すためのバ
ランスウェイトを前記クランプ手段に設けることにより
バランス調整を行う。
【0011】さらに、本発明の請求項3に係る手段によ
ると、前記入力軸の端部に形成したコレットチャックに
代えて、前記動力源の出力軸端部に、前記入力軸を把持
するコレットチャックを形成することも可能である。こ
の構成によっても、前記コリオリ運動歯車装置の入力軸
端部と前記動力源の出力軸端部とを軸方向に重ね合わせ
ることとなり、しかも、前記動力源の出力軸端部に設け
たコレットチャックをクランプ手段で締付けることによ
り、請求項1の構成と同様に、前記重合部分に生ずる摩
擦力を利用して、前記の出力軸から前記コリオリ運動歯
車装置の入力軸端部へと回転運動を伝達する。
【0012】加えて、本発明の請求項4に係るアクチュ
エータは、請求項1ないし3のいずれか1項記載のコリ
オリ運動歯車装置を備えることを特徴とする。したがっ
て、動力源とコリオリ運動歯車装置との連結は、前記連
結手段によって、その軸方向の距離を短縮するようにな
される。また、コリオリ運動歯車装置の入力軸に伝達さ
れた回転運動は、該コリオリ運動歯車装置によって減速
され、該コリオリ運動歯車装置の出力軸から出力され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、従来例と同一部分若
しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい
説明は省略する。また、以下の説明で挙げられる各種変
形例においても、同一部分若しくは相当する部分につい
ては同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0014】ここで、本発明の実施の形態に係るコリオ
リ運動歯車装置の原理について、図10、図12、図13に基
づき説明する。図10に示すように、コリオリ運動歯車装
置は、歯数の異なる4つの歯車として、第1〜第4歯車
1 〜A4 を有している。各歯車は傘歯車である。この
うち第1歯車A1 は、ハウジング6に一体的に固定さ
れ、回転をしない固定歯車である。第2歯車A2 、第3
歯車A3 は、入力軸1によって軸支される回転体3に形
成されている。また、第4歯車A4 は出力軸2に設けら
れ、ハウジング6により回転自在に支持されている。そ
して、第1歯車A 1 と第2歯車A2 、第3歯車A3 と第
4歯車A4 とが夫々かみ合っている。
【0015】回転体3は、入力軸1の軸線に対して所定
の角度をなす傾斜部1aによって支持されている。入力
軸1自体も、ハウジング6によって回動自在に支持され
ている。入力軸1が回転すると、傾斜部1aが首を振る
ような運動をし、これに軸支される回転体3は、あたか
も停止寸前のこまのように首振り運動をする。この回転
体3の動きをコリオリ運動という。そして、回転体3は
コリオリ運動をすることにより、第2歯車A2 を第1歯
車A1 に、また、第3歯車A3 を第4歯車A4に夫々か
み合わせていく(図12(a),(b)参照)。すると、
第2歯車A2 は、1周期のコリオリ運動(入力軸1の1
回転)当り、第1歯車A1 との歯数差に相当する分だけ
第1歯車A1 に対して回転する。すなわち、第1歯車A
1 と、第2歯車A2 との間で、1段階の減速がなされ
る。
【0016】ここで、第1歯車A1 の歯数を 100、第2
歯車A2 の歯数を 101とした場合を考える。入力軸1が
1回正回転すると、第1歯車A1 に対して第2歯車A2
は1/100 だけ正回転する。また、第1歯車A1 の歯数を
100、第2歯車A2 の歯数を99とすると、第1歯車A1
に対して第2歯車A2 は1/100 だけ逆回転する。第2歯
車A2 の運動は、第3歯車A3 に直接伝わり、第3歯車
3 と第4歯車A4 との間でも、同様のかみ合いを行
う。よって、第3歯車A3 と第4歯車A4 との間でも、
1段階の減速がなされる。すなわち、入力軸1の回転運
動が出力軸2に伝達される際に、第1、第2歯車A1
2 と、第3、第4歯車A3 ,A4 とで、2段階の減速
作用を受けることになる。
【0017】上記コリオリ運動歯車装置の減速比をR
(入力軸1が1回転したときの出力軸2の回転数)とす
ると、 R=1−(n4 ×n2 )/(n3 ×n1 ) ……(i) ここで、 n1 :第1歯車A1 の歯数 n2 :第2歯車A2 の歯数 n3 :第3歯車A3 の歯数 n4 :第4歯車A4 の歯数 で求めることができる。ここで、n1 =1000,n2 =10
01,n3 =1000,n4 =999とすると、減速比R=1/ 10
0万(正回転)となる。このように、コリオリ運動歯車
装置は、僅か4枚の歯車で大きな減速比を得ることがで
きるものである。
【0018】また、第2歯車A2 、第3歯車A3 がコリ
オリ運動をしながら、第1歯車A1、第4歯車A4 とか
み合う際には、各かみ合い面には摺動を生ずる。この摺
動により発生する騒音、振動および発熱による焼き付き
を防止する為に、図10および図13に示すように、各歯車
の歯には、コロ4およびコロとの内接面5を採用してい
る。具体的には、図13に示すように第1歯車A1 (第4
歯車A4 )に形成されたコロとの内接面5にコロ4を浮
遊支持し、半円筒状の凸歯を形成している。また、第2
歯車A2 (第3歯車A3 )にもコロとの内接面5を形成
し、半円溝状の凹歯を形成する。そして、回転体3が矢
印Bで示す方向にコリオリ運動を行うと、第2歯車A2
(第3歯車A3 )は矢印Cで示す方向に移動し、各凹歯
と凸歯とをかみ合わせていく。そして、各凹歯と凸歯と
の間に生ずる摺動を、コロ4の回転で吸収している。
(以上、NIKKEI MECHANICAL 1996.10.28 no.492 第12項
から第13項より一部抜粋。)したがって、バックラッシ
の設定を不要とするばかりか、各歯車間に予圧を付与し
て、精密なかみ合わせを行うことができる。
【0019】尚、前述のごとく、第1歯車A1 の歯数と
第2歯車A2 の歯数差が1の場合には、コリオリ運動が
1周期進むと、第1歯車A1 と第2歯車A2 との間で、
かみ合う歯は1つずれる。また、同歯数差が2の場合
は、コリオリ運動が1周期進むと、第1歯車A1 と第2
歯車A2 との間で、かみ合う歯は2つずれる。同様にし
て、歯数差がnの場合には、かみ合う歯はn個ずれるこ
とになる。このことは、第3、第4歯車A3 ,A4 の関
係においても同じである。
【0020】続いて、図10に示すコリオリ運動歯車装置
の歯形を求める手法について、以下に説明する。ここ
で、図10に示すコリオリ運動歯車装置の各傘歯車の歯形
を求める手法を示す展開図を図6に、その要部拡大図を
図7に示す。尚、各傘歯車A1,A2 ,A3 ,A4 は摸
式的にピッチ円錐で示している。
【0021】ここでは、第1傘歯車A1 、第2傘歯車A
2 の各ピッチ円を通る共通球面Cir1と、第3傘歯車A
3 、第4傘歯車A4 の各ピッチ円を通る共通球面Cir2と
を考える。そして、各共通球面の中心点を一致させ、該
一致点を点Oとする。そして、点Oを原点とするXY座
標を考える。このXY座標のX軸上に入力軸1(図10)
の軸芯を配置する。また、第1、第2傘歯車A1 ,A2
の噛み合い点をC1 、第3、第4傘歯車A3 ,A4 の噛
み合い点をC2 とする。そして、噛み合い点C1,C2
を、第1象限と第3象限若しくは第2象限と第4象限に
置く。
【0022】また、入力軸1の軸芯方向と傾斜部1a
(図10)とがなす角度をθ、第1歯車A1 の背円錐とピ
ッチ円錐の中心線とでなす角度をθ1 、第2傘歯車A2
の背円錐とピッチ円錐の中心線とでなす角度をθ2 とす
ると、θ1 +θ2 =θである。なお、θ1 ,θ2 のいず
れか一方の角度を零とすることも可能であり、この場合
は、前記角度を零とした方の傘歯車が冠歯車となる。同
様にして、第3、第4傘歯車A3 ,A4 の背円錐と各ピ
ッチ円錐の中心線とでなす角度は、第3傘歯車A 3 はθ
3 、第4傘歯車A4 はθ4 かつθ3 +θ4 =θである。
【0023】また、第1〜第4傘歯車の歯数を夫々n
1 ,n2 ,n3 ,n4 かつn1 ,n2の値、n3 ,n4
の値は互いに異なるものとする。ここで、第1〜第4傘
歯車A 1 〜A4 の各ピッチ円錐の頂点O1 ,O2 ,O
3 ,O4 から、各背円錐の頂点D 1 ,D2 ,D3 ,D4
までの距離D11 ,D22 ,D33 ,D44
を、ピッチ円半径とする円筒歯車ER1 ,ER2 ,ER
3 ,ER4 を考える。そして、このピッチ円上に形成さ
れるインボリュート歯形若しくは任意の歯形を想定し、
これを第1〜第4傘歯車A1 〜A4 の相当円筒歯車とす
る。ここで、該相当円筒歯車の相当歯数をZ1 ,Z2
3 ,Z4 とすると、 Z1 =n1 /Sinθ1 ……(ii) Z2 =n2 /Sinθ2 ……(iii ) Z3 =n3 /Sinθ3 ……(iv) Z4 =n4 /Sinθ4 ……(v) と表すことができる。
【0024】上記式(ii),(iii )で得られる関係を
有する相当円筒歯車において、インボリュート歯形若し
くは任意歯形を創成するカッターで、第1傘歯車A1
等高歯の歯形を創成し(なお、等高歯を創成すれば、必
然的に等歯厚歯にもなる)、さらに、第2傘歯車A2
該歯形を転写する。第3、第4傘歯車A3 ,A4 も同様
にして形成する。さらに、前記等高歯の歯形にかえて、
コロとの内接面5を形成すると、図10に示すものと同様
の歯形を得ることができる。図10は歯形としてコロ4お
よびコロとの内接面5を用いた場合を示している。な
お、ここで用いられるコロには、円筒コロ、針状コロの
いずれをも含むものとする。
【0025】以上のごとく、図10に示すコリオリ運動歯
車装置は、第1、第2傘歯車A1 ,A2 の噛み合い点C
1 と、第3、第4傘歯車A3 ,A4 の噛み合い点とC2
を第1象限と第3象限若しくは第2象限と第4象限に置
いた場合、すなわち互いに異なる象限上に置いた場合を
示したものであるが、この噛み合い点C1 ,C2 を、互
いに同一象限上に置くことも可能である。
【0026】また、図8には、図10に示すコリオリ運動
歯車装置の変形例として、前記噛み合い点C1 ,C2
互いに同一象限上に置いた場合の、歯車装置の要部断面
図を示している。尚、図8においては、図10に示すコリ
オリ運動歯車装置と相違する部分のみを示している。ま
た、図10に示す実施の形態と、同一部分若しくは相当す
る部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略す
る。
【0027】図8に示すように、第1傘歯車A1 はハウ
ジングの一部分(符号6で示す)に固定されている。ま
た、第4傘歯車A4 は出力軸2に取付けられている。回
転体3に設けられた第2、第3傘歯車A2 ,A3 は、回
転体3の同一軸方向面(図8では回転体3の左側面)に
設けられている。入力軸1は出力軸2を中空として入力
軸1をその内部に貫通させている。また、入力軸1も中
空として、その中空内部を貫通路1bとして構成してい
る。
【0028】図9には、図8に示すコリオリ運動歯車装
置の展開図を示している。図9は、図10に示すコリオリ
運動歯車装置の展開図7に相当するものである。図8に
示すコリオリ運動歯車装置の歯形を求める手法は、図10
に示すコリオリ運動歯車装置と同様であり、図6に相当
する展開図の全体図と詳細な説明は省略する。展開図9
から明らかなように、図8のコリオリ運動歯車装置は、
第1、第2傘歯車A1,A2 の噛み合い点C1 と、第
3、第4傘歯車A3 ,A4 の噛み合い点C2 の双方が、
前記XY座標の第2象限(若しくは第3象限)に、すな
わち同一象限上にある。
【0029】図8に示すコリオリ運動歯車装置は、第1
〜第4傘歯車を回転体3の同一軸方向面に置くことによ
り、図10に示すコリオリ運動歯車装置に対して、歯車装
置の軸方向寸法を減少させることが可能となる。また、
入力軸1と同一方向に延びるように出力軸2を配置する
ことが容易となる。よって、4つの歯車のみによって大
減速比を得ることが可能なコリオリ歯車装置の適用範囲
を広げることができるという利点がある。又、図9、図
11に示すコリオリ運動歯車装置共に、はすば歯車として
構成することも可能である。この、はすば歯車への応用
については、本発明者は、特願平9-65410 号明細書にそ
の詳細を開示している。
【0030】以上のごとく、コリオリ運動歯車装置は、
各傘歯車A1 〜A4 の相当円筒歯車に基づき歯車の歯形
を決定することにより、該相当円筒歯車よりもピッチ円
径の小さな各傘歯車A1 〜A4 によって、相当円筒歯車
の噛み合い歯数と同等の噛み合い歯数を得ることができ
る。したがって、コリオリ運動歯車装置はその大きさの
割に大きなトルクを伝達することが可能であり、電動モ
ータ等を動力源とするアクチュエータに使用すれば、小
型、高精度かつ大出力のアクチュエータを構成すること
ができる。
【0031】ここで、本発明の実施の形態に係るコリオ
リ運動歯車装置を、電動アクチュエータの減速機として
使用した例を、図1に示す。このアクチュエータは、図
11に示すアクチュエータと同様に、減速機と動力源であ
るモータとを、ハウジング6で一体化したものである。
なお、図示は省略しているが、図11のアクチュエータと
同様に、入力軸1を駆動する動力源として、中空モータ
を備えている。
【0032】このアクチュエータは、中空モータの出力
軸8(点線で示す)とコリオリ運動歯車装置の入力軸1
との連結手段として、入力軸1の端部に、中空モータの
出力軸8を把持するためのコレットチャック14を成形し
ている。コレットチャック14は、環状の入力軸1に、軸
方向の切り込みを複数設けることによって形成する。ま
た、コレットチャック14の各爪14aを出力軸8の表面に
押し付けるためのクランプ手段として、クランプリング
15を備えている。このクランプリング15は、図3、図4
に示すように、略C字状のリング部15aと、厚肉部15b
とからなる。この厚肉部15bには、リング部15aの径を
縮小するためのねじ(図示省略)と螺合する雌ねじ部15
cと、該ねじの挿通穴15dと、該ねじの頭部を密着させ
る座部15eとが形成されている。
【0033】さて、コリオリ運動歯車装置の入力軸1
は、回転体3を傾斜部1aで支持している。この傾斜部
1aによって、入力軸1、回転体3等の動的バランス、
又は、静的バランス及び動的バランスのいずれも損なう
ことになる。そこで、本発明の実施の形態では、クラン
プリング15の肉厚部15bおよび該肉厚部に螺合するねじ
の重さを、該バランスを取り戻すためのバランスウェイ
トとして用いる。
【0034】すなわち、図1のコリオリ運動歯車装置に
おいて、入力軸1の軸芯に対し偏心量L1 の位置に、入
力軸1、回転体3等の重心が移動していると仮定した場
合、偏心質量U1 =W11 に起因する静的バランス、
動的バランス等の崩れを打ち消すように、クランプリン
グ15の偏心質量U2 =W22 を決定する。なお、偏心
質量U2 は、クランプリング15の形状、材質等を変更す
ることによって調節する。なお、コレットチャック14に
対するクランプリング15の位置決め方法は、双方の所定
位置にマーキングを施し、該マーキングを目印として位
置決めを行うことによる。また、図示しないキー及びキ
ー溝をコレットチャック14及びクランプリング15に形成
することによって、位置決めを行うことも可能である。
【0035】上記構成をなす本発明の実施の形態から得
られる作用効果は、以下の通りである。まず、中空モー
タの出力軸8とコリオリ運動歯車装置の入力軸1との連
結手段として、入力軸1の端部に形成したコレットチャ
ック14を用いることにより、コリオリ運動歯車装置の入
力軸1の端部と動力源の出力軸8の端部とを軸方向に重
ね合わせ、該連結部分における軸方向の距離を短縮する
ことができる。したがって、電動アクチュエータの減速
機にコリオリ運動歯車装置を用いた場合には、コリオリ
運動歯車装置により得られる小型化の恩恵を、最大限に
発揮することができる。
【0036】また、クランプリング15でコレットチャッ
ク14を締めつけた後でも、各爪14aが適当に弾性変形
し、適切な自己調芯機能を持たせることができる。さら
に、各爪14aの弾性変形が、寸法交差、組立誤差等を伴
って連結する出力軸8及び入力軸1の軸芯の位置ずれを
打ち消すことになり、双方の軸に無理な力をかけること
がない。したがって、各軸を支持するベアリング等の耐
久性の低下を防止することができる。また、コレットチ
ャック14から出力軸8への連結は、各爪14aが出力軸8
に密着することにより生ずる摩擦力で行っているので、
例えば、スプライン係合手段等により動力伝達をする場
合には避けることができなかったバックラッシが、その
構造上発生しない。加えて、コレットチャック14は、環
状の入力軸1に、軸方向の切り込みを複数設けることに
よって形成することができるので、従来の自己調芯機能
を備える継手形状11(図11参照)に比して、その製造コ
ストを低く抑えることが容易である。
【0037】また、着脱自在なクランプリング15にバラ
ンスウェイトとしての機能を持たせることによって、入
力軸1、回転体3等の偏心重量U1 を打ち消すための調
整を、精密にかつ容易に行うことが可能となる。なお、
図2に示すように、入力軸1にバランスの荒取りのため
のバランスウェイト16を予め取付けておき、微調整をク
ランプリング15で行うことも可能である。
【0038】なお、上記実施の形態では、入力軸1及び
出力軸2が中空軸であるコリオリ運動歯車装置を例示し
て説明したが、図5に示すように、入力軸1、出力軸
2、動力源の出力軸8の夫々が中実軸の場合でも、同様
の作用効果を得ることができる。さらに、図示は省略す
るが、入力軸1の端部に形成したコレットチャック14に
代えて、動力源の出力軸8の端部に、入力軸1を把持す
るコレットチャックを形成し、クランプリング15で該コ
レットチャックを把持することによっても、上記各実施
の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
コリオリ運動歯車装置によると、コリオリ運動歯車装置
の入力軸と、該入力軸を駆動する動力源の出力軸とを連
結する連結手段の、小型化、低コスト化及び適切な自己
調芯機能の確保を図ることができる。
【0040】また、本発明の請求項2に係るコリオリ運
動歯車装置によると、前記連結手段のクランプ手段を交
換することにより、コリオリ運動歯車装置の静的バラン
ス、動的バランス等の調節を容易に、かつ、精密に行う
ことが可能となる。さらに、本発明の請求項3に係るコ
リオリ運動歯車装置によっても、請求項1,2に係るコ
リオリ運動歯車装置と同様の効果を得ることができる。
【0041】加えて、本発明の請求項4に係るアクチュ
エータによると、減速機にコリオリ運動歯車装置を用い
ることにより得られる小型化の恩恵を、最大限に発揮す
ることが可能となり、かつ、従来のコリオリ運動歯車装
置を用いるアクチュエータに比べ、より低コストのアク
チュエータを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、コリオリ運動歯車
装置を用いるアクチュエータの要部断面図である。
【図2】図1に示すアクチュエータの応用例に係るアク
チュエータの要部断面図である。
【図3】図1に示すアクチュエータの、コリオリ運動歯
車装置の入力軸と、その動力源の出力軸との連結手段に
用いられるクランプリングの、正面図及び一部断面図で
ある。
【図4】図3に示すクランプリングの縦断面図である。
【図5】図1に示すアクチュエータの別の応用例に係る
アクチュエータの要部断面図である。
【図6】図10に示されるコリオリ運動歯車装置の、各
傘歯車の歯形を求める手法を示す展開図である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【図8】図10とは異なるコリオリ運動歯車装置の要部
断面図である。
【図9】図8に示されるコリオリ運動歯車装置の、各傘
歯車の歯形を求める手法を示す展開図である。
【図10】本発明の実施の形態に用いられる、コリオリ
運動歯車装置の基本形状を示す要部断面図である。
【図11】従来の、コリオリ運動歯車装置を用いるアク
チュエータの、要部断面図である。
【図12】図10に示すコリオリ運動歯車装置の作動の
様子を示す概略断面図である。
【図13】図10に示すコリオリ運動歯車装置の作動の
様子を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 回転体 6 ハウジング 8 出力軸 14 コレットチャック 15 クランプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに固定された歯数n1 の第1
    歯車と、出力軸に取付けられた歯数n4 の第4歯車と、
    入力軸との各軸芯を一致させて配置し、歯数n2 の第2
    歯車および歯数n3 の第3歯車を一体に設けた回転体
    を、第2歯車が第1歯車と噛み合い、第3歯車が第4歯
    車と噛み合うように前記入力軸の傾斜部で軸支し、前記
    第1、第2歯車の各ピッチ円を通る共通球面の中心点
    と、前記第3、第4の歯車の各ピッチ円を通る共通球面
    の中心点とが一致する点を原点とするXY座標のX軸上
    に前記入力軸の軸芯を配置し、かつ、第1、第2歯車の
    噛み合い点と第4、第3歯車の噛み合い点とを該XY座
    標の同一象限若しくは異なる象限上に置いてなるコリオ
    リ運動歯車装置であって、前記入力軸の端部に、動力源
    の出力軸を把持するコレットチャックを成形し、該コレ
    ットチャックをクランプ手段で挟持する連結手段を備え
    ることを特徴とするコリオリ運動歯車装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプ手段はバランスウエイトを
    備えることを特徴とする請求項1記載のコリオリ運動歯
    車装置。
  3. 【請求項3】 前記入力軸の端部に形成したコレットチ
    ャックに代えて、前記動力源の出力軸端部に、前記入力
    軸を把持するコレットチャックを形成したことを特徴と
    する請求項1又は2記載のコリオリ運動歯車装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    コリオリ運動歯車装置を備えるアクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006082718A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Toyoda Mach Works Ltd 舵角比可変操舵装置
JP2006103392A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Ogino Kogyo Kk ホイールモータ

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