JPH11309627A - 粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法 - Google Patents
粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法Info
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- JPH11309627A JPH11309627A JP12016298A JP12016298A JPH11309627A JP H11309627 A JPH11309627 A JP H11309627A JP 12016298 A JP12016298 A JP 12016298A JP 12016298 A JP12016298 A JP 12016298A JP H11309627 A JPH11309627 A JP H11309627A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電性粉末が混入された加工液を使用する放
電加工機に関し、粉末の比重や濃度に影響されず、また
カーボンスラッジに影響されない粉末混入放電加工機に
おける粉末濃度測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 放電電極あるいは被加工物を駆動する手
段を持ち、放電電極と被加工物に対し放電パルスを印加
するための放電電源を具備し、放電パルス中の異常パル
スを検出およびカウントする手段を持つ粉末混入放電加
工機における粉末濃度測定方法において、全放電パルス
中の異常放電パルスの発生割合を求め、あらかじめ測定
および記憶した相関データと前記異常放電パルスの発生
割合を比較することにより粉末混入濃度の測定を行う。
電加工機に関し、粉末の比重や濃度に影響されず、また
カーボンスラッジに影響されない粉末混入放電加工機に
おける粉末濃度測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 放電電極あるいは被加工物を駆動する手
段を持ち、放電電極と被加工物に対し放電パルスを印加
するための放電電源を具備し、放電パルス中の異常パル
スを検出およびカウントする手段を持つ粉末混入放電加
工機における粉末濃度測定方法において、全放電パルス
中の異常放電パルスの発生割合を求め、あらかじめ測定
および記憶した相関データと前記異常放電パルスの発生
割合を比較することにより粉末混入濃度の測定を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性粉末が混入さ
れた加工液を使用する粉末混入放電加工機における粉末
濃度測定法に関する。
れた加工液を使用する粉末混入放電加工機における粉末
濃度測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粉末混入放電加工機において、放
電ギャップは粉末濃度により著しく影響されることが分
かっている。この特性は特開平8-252725号に開示されて
おり、また図4に一例を示す様に導電性粉末の濃度によ
って放電ギャップは2倍以上異なるものとなる。
電ギャップは粉末濃度により著しく影響されることが分
かっている。この特性は特開平8-252725号に開示されて
おり、また図4に一例を示す様に導電性粉末の濃度によ
って放電ギャップは2倍以上異なるものとなる。
【0003】また放電加工では加工時間を短縮させるた
めに、粗加工条件から仕上げ加工条件へと加工条件を自
動的に切り替えながら加工を行い、最終的には仕上げ加
工条件での面粗さにて、かつ必要な精度寸法内に加工を
終了させる必要がある。この場合放電ギャップは加工条
件を自動的に切り替えるために必要な値であり、加工条
件を決定する時に測定された放電ギャップは、その後の
加工において同一の値をとる必要がある。
めに、粗加工条件から仕上げ加工条件へと加工条件を自
動的に切り替えながら加工を行い、最終的には仕上げ加
工条件での面粗さにて、かつ必要な精度寸法内に加工を
終了させる必要がある。この場合放電ギャップは加工条
件を自動的に切り替えるために必要な値であり、加工条
件を決定する時に測定された放電ギャップは、その後の
加工において同一の値をとる必要がある。
【0004】加工条件を決定する時に測定された放電ギ
ャップと実際の加工時の放電ギャップが同一でない場
合、仕上げ加工条件まで加工しても、設定された面粗さ
や精度寸法が得られないという問題が発生する。このた
め、粉末混入放電加工機においては放電ギャップを加工
条件決定時の値と同一とするために、粉末濃度を基準濃
度に一定に保つ必要がある。
ャップと実際の加工時の放電ギャップが同一でない場
合、仕上げ加工条件まで加工しても、設定された面粗さ
や精度寸法が得られないという問題が発生する。このた
め、粉末混入放電加工機においては放電ギャップを加工
条件決定時の値と同一とするために、粉末濃度を基準濃
度に一定に保つ必要がある。
【0005】粉末濃度は、粉末の沈澱あるいは被加工物
や放電電極の取り出し時に付着して加工槽外に持ち出さ
れることにより変化する。このため粉末濃度を一定に保
つためには、粉末濃度を測定し適宜粉末を追加する必要
がある。従来の粉末濃度測定方法としては、比重測定に
よる方法、表面張力を利用する方法、透過光強度により
測定する方法、溶液を一端沈澱させ沈澱体積から粉末濃
度を測定する方法などが考案されていた。また放電電極
と被加工物との間に基準球を接触させることにより直接
放電ギャップを測定する方法なども考案されている。
や放電電極の取り出し時に付着して加工槽外に持ち出さ
れることにより変化する。このため粉末濃度を一定に保
つためには、粉末濃度を測定し適宜粉末を追加する必要
がある。従来の粉末濃度測定方法としては、比重測定に
よる方法、表面張力を利用する方法、透過光強度により
測定する方法、溶液を一端沈澱させ沈澱体積から粉末濃
度を測定する方法などが考案されていた。また放電電極
と被加工物との間に基準球を接触させることにより直接
放電ギャップを測定する方法なども考案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法による濃度測定は以下の問題を内在しており、必ずし
も十分な方法ではなかった。
法による濃度測定は以下の問題を内在しており、必ずし
も十分な方法ではなかった。
【0007】従来の比重測定による方法は、粉末混入後
の液体を規定体積サンプルし、その重量を測定すること
により混入した粉末濃度を測定するものである。しかし
ながらこの方法は混入する粉末粒子の比重がある程度大
きく、混入量が多いときには利用可能であるが、粉末粒
子の比重が軽くまた混入量が少ない場合、例えばカーボ
ン粉末を2g/L混入する場合には、放電加工液の生産ロッ
トによる比重ばらつき、加工液温度による比重変化によ
りほとんど粉末濃度の測定が不可能となる。
の液体を規定体積サンプルし、その重量を測定すること
により混入した粉末濃度を測定するものである。しかし
ながらこの方法は混入する粉末粒子の比重がある程度大
きく、混入量が多いときには利用可能であるが、粉末粒
子の比重が軽くまた混入量が少ない場合、例えばカーボ
ン粉末を2g/L混入する場合には、放電加工液の生産ロッ
トによる比重ばらつき、加工液温度による比重変化によ
りほとんど粉末濃度の測定が不可能となる。
【0008】また粉末の比重がある程度高い場合でも、
加工液をサンプルする容器あるいは配管などに粉末分が
吸着することにより重量誤差が多く発生するため、粉末
濃度の自動測定は困難であり、作業者が手動操作により
粉末濃度の測定を実施している状況である。
加工液をサンプルする容器あるいは配管などに粉末分が
吸着することにより重量誤差が多く発生するため、粉末
濃度の自動測定は困難であり、作業者が手動操作により
粉末濃度の測定を実施している状況である。
【0009】従来の表面張力による濃度測定法では、放
電によって加工液中に発生するカーボンスラッジによる
張力変化が大きく、放電時間がある程度以上継続した粉
末混入加工液の場合、表面張力と放電ギャップの関係が
変化するため実用上問題が多い。従来の透過光強度によ
り濃度測定を行う方法では、光入出力部の汚れにより出
力値が変化するという問題があり、定期的な光入出力部
の清掃が必要である。またこの測定方法でも放電によっ
て加工液中に発生するカーボンスラッジにより、出力値
が大きく変動するという問題がある。
電によって加工液中に発生するカーボンスラッジによる
張力変化が大きく、放電時間がある程度以上継続した粉
末混入加工液の場合、表面張力と放電ギャップの関係が
変化するため実用上問題が多い。従来の透過光強度によ
り濃度測定を行う方法では、光入出力部の汚れにより出
力値が変化するという問題があり、定期的な光入出力部
の清掃が必要である。またこの測定方法でも放電によっ
て加工液中に発生するカーボンスラッジにより、出力値
が大きく変動するという問題がある。
【0010】従来の溶液を一端沈澱させ沈澱体積から粉
末濃度を測定する方法では、沈澱に24時間程度もの時間
がかかるという問題がある。また加工を中断し、放電電
極と被加工物との間に既知の直径を持つ硬球を接触さ
せ、加工中断前のZ軸位置と硬球接触時のZ軸位置の差分
からさらに既知の硬球直径を減算することにより放電ギ
ャップを求める方法も考案されたが、加工を途中で中断
する必要があり、また硬球を放電電極と被加工物間に接
触させる場合、直径1〜20μmの粉末が放電電極と硬球間
に残るため正確な測定は不可能であった。
末濃度を測定する方法では、沈澱に24時間程度もの時間
がかかるという問題がある。また加工を中断し、放電電
極と被加工物との間に既知の直径を持つ硬球を接触さ
せ、加工中断前のZ軸位置と硬球接触時のZ軸位置の差分
からさらに既知の硬球直径を減算することにより放電ギ
ャップを求める方法も考案されたが、加工を途中で中断
する必要があり、また硬球を放電電極と被加工物間に接
触させる場合、直径1〜20μmの粉末が放電電極と硬球間
に残るため正確な測定は不可能であった。
【0011】本発明は、上述のような問題を解決するた
めになされたものであり、本発明の目的は、粉末の比重
または濃度に影響されず、カーボンスラッジに影響され
ない粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法を提
供する事にある。
めになされたものであり、本発明の目的は、粉末の比重
または濃度に影響されず、カーボンスラッジに影響され
ない粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法を提
供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、放電電極と被
加工物とのうちの少なくとも一方の位置を駆動制御する
駆動制御手段と、前記放電電極及び前記被加工物に対し
て放電パルスを印加するときの電源となる放電電源と、
を備える粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法
に関し、本発明の上記目的は、放電パルス中の異常パル
スを検出してカウントする積算ステップと、前記積算ス
テップでのカウント結果に基づいて、所定期間のすべて
の放電パルスにおける前記異常パルスの発生割合をもと
め、予め測定及び記憶した粉末濃度に対する異常パルス
発生割合の相関データと前記求めた異常放電パルスの発
生割合とを比較する事により粉末混入濃度を求める比較
ステップと、を具備する事により達成される。
加工物とのうちの少なくとも一方の位置を駆動制御する
駆動制御手段と、前記放電電極及び前記被加工物に対し
て放電パルスを印加するときの電源となる放電電源と、
を備える粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法
に関し、本発明の上記目的は、放電パルス中の異常パル
スを検出してカウントする積算ステップと、前記積算ス
テップでのカウント結果に基づいて、所定期間のすべて
の放電パルスにおける前記異常パルスの発生割合をもと
め、予め測定及び記憶した粉末濃度に対する異常パルス
発生割合の相関データと前記求めた異常放電パルスの発
生割合とを比較する事により粉末混入濃度を求める比較
ステップと、を具備する事により達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1、2、
3を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
粉末混入放電加工機を示す全体構成図であり、図1にも
とづいてその構成を説明する。なお図1では、本実施の形
態と直接関係ないため、粉末混入加工液の攪拌装置、NC
制御装置、XY軸駆動制御装置、スラッジ回収装置などは
省略している。本粉末混入放電加工機では、図示しないN
C制御装置より与えられる電気条件に従って放電電源1
をパルス制御することにより、放電電極5と被加工物4の
間隙に放電パルスを発生させる。加工液タンク2は導電
性粉末が混入された放電加工液3を貯留させるためのタ
ンクであり、内部に電極5及び被加工物4を浸堰させる。
位置制御用モーター6は電極5を駆動制御するモーター
である。
3を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
粉末混入放電加工機を示す全体構成図であり、図1にも
とづいてその構成を説明する。なお図1では、本実施の形
態と直接関係ないため、粉末混入加工液の攪拌装置、NC
制御装置、XY軸駆動制御装置、スラッジ回収装置などは
省略している。本粉末混入放電加工機では、図示しないN
C制御装置より与えられる電気条件に従って放電電源1
をパルス制御することにより、放電電極5と被加工物4の
間隙に放電パルスを発生させる。加工液タンク2は導電
性粉末が混入された放電加工液3を貯留させるためのタ
ンクであり、内部に電極5及び被加工物4を浸堰させる。
位置制御用モーター6は電極5を駆動制御するモーター
である。
【0014】パルス検出手段8は、放電電極5と被加工
物4の間隙に発生する放電電圧を測定し、その電圧波形
形状から異常パルス(漏れ電流パルスおよびパルス割れ
パルス)を検出する。積算手段9は、全パルス数と検出し
た異常パルスとの比=異常パルス発生割合12を求め、求
めた異常パルス発生割合12を比較手段10に対し出力す
る。比較手段10は、あらかじめ測定して相関データ記憶
手段13に記憶している粉末濃度と異常パルス発生割合の
相関データ11と異常パルス発生割合12とを比較すること
により、現在の粉末濃度14を求める。次に図2、3を参照
して次に本発明の実施の形態の動作に関して説明する。
放電電極5として例えば50mm×50mmの底面積を持つCu電
極を使用し、被加工物としてSKD61を使用し、仕上げ加
工条件にて加工を行う。
物4の間隙に発生する放電電圧を測定し、その電圧波形
形状から異常パルス(漏れ電流パルスおよびパルス割れ
パルス)を検出する。積算手段9は、全パルス数と検出し
た異常パルスとの比=異常パルス発生割合12を求め、求
めた異常パルス発生割合12を比較手段10に対し出力す
る。比較手段10は、あらかじめ測定して相関データ記憶
手段13に記憶している粉末濃度と異常パルス発生割合の
相関データ11と異常パルス発生割合12とを比較すること
により、現在の粉末濃度14を求める。次に図2、3を参照
して次に本発明の実施の形態の動作に関して説明する。
放電電極5として例えば50mm×50mmの底面積を持つCu電
極を使用し、被加工物としてSKD61を使用し、仕上げ加
工条件にて加工を行う。
【0015】仕上げ加工条件はおおよそ電圧160V、ピー
ク電流3A、オン時間15マイクロsec、オフ時間15マイク
ロsec程度である。またジャンプ動作も適宜行う。この
ときの電圧波形及び電流波形を観察すると、おおよそ図
3(a)、(b)、(c)に分類される。図3(a)に示す電圧波形及
び電流波形は正常なパルスであり、放電遅延時間T1の期
間には電源電圧が表れ、また放電開始後は電気条件にお
いて設定された放電電流が放電継続時間T2の期間に表れ
る。図3(b)に示す波形は漏れ電流パルスであり、間隙の
状態が絶縁不良であり、導電性を持つため電圧印加と同
時にわずかな電流が流れる。このため放電遅延時間T1内
に表れる電圧は電源電圧よりも低くなる。
ク電流3A、オン時間15マイクロsec、オフ時間15マイク
ロsec程度である。またジャンプ動作も適宜行う。この
ときの電圧波形及び電流波形を観察すると、おおよそ図
3(a)、(b)、(c)に分類される。図3(a)に示す電圧波形及
び電流波形は正常なパルスであり、放電遅延時間T1の期
間には電源電圧が表れ、また放電開始後は電気条件にお
いて設定された放電電流が放電継続時間T2の期間に表れ
る。図3(b)に示す波形は漏れ電流パルスであり、間隙の
状態が絶縁不良であり、導電性を持つため電圧印加と同
時にわずかな電流が流れる。このため放電遅延時間T1内
に表れる電圧は電源電圧よりも低くなる。
【0016】図3(c)に示す波形はパルス割れパルスであ
る。パルス割れとは、放電電流が発生しても放電電流が
放電継続時間T2の期間いっぱいまでは持続せず電流が遮
断されてしまうパルスをいう。また遮断された後に電圧
が上昇するため図示する様に再度放電が発生する場合も
ある。これらの電圧波形をパルス検出手段8により検出
し、正常パルスと異常パルス(漏れ電流パルスとパルス
割れパルス)に分類する。次に積算手段9は、パルス検
出手段8にて得られた正常パルス及び異常パルスの所定
期間における発生数をそれぞれ計数して異常パルス発生
割合12(=異常パルス数/全パルス数)をもとめる。
る。パルス割れとは、放電電流が発生しても放電電流が
放電継続時間T2の期間いっぱいまでは持続せず電流が遮
断されてしまうパルスをいう。また遮断された後に電圧
が上昇するため図示する様に再度放電が発生する場合も
ある。これらの電圧波形をパルス検出手段8により検出
し、正常パルスと異常パルス(漏れ電流パルスとパルス
割れパルス)に分類する。次に積算手段9は、パルス検
出手段8にて得られた正常パルス及び異常パルスの所定
期間における発生数をそれぞれ計数して異常パルス発生
割合12(=異常パルス数/全パルス数)をもとめる。
【0017】一方、粉末濃度と異常パルスの発生割合に
は図2に示す関係があることが実験により明らかとなっ
ている。すなわち粉末濃度が上昇すれば、異常パルスの
発生割合が減少する。また粉末濃度が減少すれば異常パ
ルスの発生割合が増加する。このような特性が得られる
原因は、パルス割れおよび漏れ電流パルスは間隙に発生
する寄生静電容量により発生するピークの高い電流が原
因であり、粉末濃度を増加させることにより放電ギャッ
プが拡大すると寄生静電容量が減少し、この結果前記異
常パルスが減少するという放電特性のためである。この
ため、放電の結果発生するカーボンスラッジの多少に関
わらず、異常パルス発生割合を求めることでほぼ放電ギ
ャップに対応した粉末濃度を測定することができる。
は図2に示す関係があることが実験により明らかとなっ
ている。すなわち粉末濃度が上昇すれば、異常パルスの
発生割合が減少する。また粉末濃度が減少すれば異常パ
ルスの発生割合が増加する。このような特性が得られる
原因は、パルス割れおよび漏れ電流パルスは間隙に発生
する寄生静電容量により発生するピークの高い電流が原
因であり、粉末濃度を増加させることにより放電ギャッ
プが拡大すると寄生静電容量が減少し、この結果前記異
常パルスが減少するという放電特性のためである。この
ため、放電の結果発生するカーボンスラッジの多少に関
わらず、異常パルス発生割合を求めることでほぼ放電ギ
ャップに対応した粉末濃度を測定することができる。
【0018】そこで、図2に示す粉末濃度と異常パルス
の発生割合の相関関係をあらかじめ相関データ11として
測定して相関データ記憶手段13に記憶しておき、積算
手段9により求まった異常パルス発生割合12と相関デー
タ11を比較手段10により比較することにより粉末濃度14
をもとめる。電圧検出手段8における正常パルスと異常
パルスの判別を行う具体的方法を次に説明する。先ず実
際の電圧波形と基準電圧V1、V2とを比較し、放電遅延時
間T1内の電圧が基準電圧V1以上であり、かつ放電継続時
間T2内の電圧が基準電圧V2以下であれば正常パルスと判
断し、また 放電遅延時間T1内の電圧が基準電圧V1以
下、あるいは放電継続時間T2内の電圧が基準電圧V2以上
であれば、異常パルスと判断する。あるいは電圧波形を
A/D変換し波形パターンとして記憶し、あらかじめ記憶
した正常波形パターンと比較する事により判断しても良
い。
の発生割合の相関関係をあらかじめ相関データ11として
測定して相関データ記憶手段13に記憶しておき、積算
手段9により求まった異常パルス発生割合12と相関デー
タ11を比較手段10により比較することにより粉末濃度14
をもとめる。電圧検出手段8における正常パルスと異常
パルスの判別を行う具体的方法を次に説明する。先ず実
際の電圧波形と基準電圧V1、V2とを比較し、放電遅延時
間T1内の電圧が基準電圧V1以上であり、かつ放電継続時
間T2内の電圧が基準電圧V2以下であれば正常パルスと判
断し、また 放電遅延時間T1内の電圧が基準電圧V1以
下、あるいは放電継続時間T2内の電圧が基準電圧V2以上
であれば、異常パルスと判断する。あるいは電圧波形を
A/D変換し波形パターンとして記憶し、あらかじめ記憶
した正常波形パターンと比較する事により判断しても良
い。
【0019】この異常パルス発生割合と粉末濃度との相
関データ11は、放電電極の面積、材質、形状、または放
電電気条件(電流、オン時間、オフ時間、間隙制御の送
り速度、ジャンプ制御の周期、量、)などにより異なる
ものとなる。このため粉末濃度の測定は、基準となる相
関データ11を測定したときと同じ条件下にて行う必要が
ある。また相関データ11の測定は、粉末を混入すること
により放電ギャップが拡大する電気条件すなわち仕上げ
加工条件を用いる必要がある。本実施例では50mm×50mm
の底面積を持つCu電極、被加工物としてSKD61を使用
し、仕上げ加工条件(放電電圧160V ピーク電流3A オ
ン時間15マイクロsec オフ時間15マイクロsec)にて加
工を行う場合を例としたが、本発明は前記条件を満たせ
ばこの電極サイズ、材質及び仕上げ加工条件に限定され
るものではない。
関データ11は、放電電極の面積、材質、形状、または放
電電気条件(電流、オン時間、オフ時間、間隙制御の送
り速度、ジャンプ制御の周期、量、)などにより異なる
ものとなる。このため粉末濃度の測定は、基準となる相
関データ11を測定したときと同じ条件下にて行う必要が
ある。また相関データ11の測定は、粉末を混入すること
により放電ギャップが拡大する電気条件すなわち仕上げ
加工条件を用いる必要がある。本実施例では50mm×50mm
の底面積を持つCu電極、被加工物としてSKD61を使用
し、仕上げ加工条件(放電電圧160V ピーク電流3A オ
ン時間15マイクロsec オフ時間15マイクロsec)にて加
工を行う場合を例としたが、本発明は前記条件を満たせ
ばこの電極サイズ、材質及び仕上げ加工条件に限定され
るものではない。
【0020】図1に示す実施の形態は放電加工機全体を
使用した粉末濃度測定方法であるが、本発明はこれに限
定されるものではなく上述の実施の形態の構成要素を備
えた専用濃度測定機を製作し、これを粉末混入放電加工
機に搭載することにより、粉末濃度を自動かつオンライ
ンで測定することが可能となる。またこのような濃度測
定機を備えることにより、濃度測定に使用する被加工物
とは別の被加工物を粉末混入放電加工機が加工している
時でも濃度測定可能である。上述の実施の形態では粉末
濃度の測定を目的としているが、粉末濃度と放電ギャッ
プ間には図4に示す関係があるため、粉末濃度を測定す
ることは放電ギャップを求めることと同義であり、同様
の方法により実施可能である。
使用した粉末濃度測定方法であるが、本発明はこれに限
定されるものではなく上述の実施の形態の構成要素を備
えた専用濃度測定機を製作し、これを粉末混入放電加工
機に搭載することにより、粉末濃度を自動かつオンライ
ンで測定することが可能となる。またこのような濃度測
定機を備えることにより、濃度測定に使用する被加工物
とは別の被加工物を粉末混入放電加工機が加工している
時でも濃度測定可能である。上述の実施の形態では粉末
濃度の測定を目的としているが、粉末濃度と放電ギャッ
プ間には図4に示す関係があるため、粉末濃度を測定す
ることは放電ギャップを求めることと同義であり、同様
の方法により実施可能である。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、異常放電
パルスの発生割合に基づいて濃度測定するため、粉末の
比重や加工液の比重変化に影響されないで粉末の濃度を
測定することができ、加工液の表面張力の変化にも影響
されないで粉末の濃度を測定することができる。また、
本発明によれば粉末を長時間かけて沈澱させる必要もな
いため、現時点での粉末濃度を測定することができる。
また、本発明によれば現在の粉末濃度を機械オペレータ
ーに通知することにより、機械オペレーターは適切な処
置、たとえば、導電性粉末の追加混入あるいは加工液の
フィルタリングによる粉末濃度の低減をすることができ
るため、放電ギャップ変動による加工時間が長引くある
いは加工面品質が光沢状にならない、などを未然に防止
することができる。すなわち本発明によれば製品品質を
安定化することができる。
パルスの発生割合に基づいて濃度測定するため、粉末の
比重や加工液の比重変化に影響されないで粉末の濃度を
測定することができ、加工液の表面張力の変化にも影響
されないで粉末の濃度を測定することができる。また、
本発明によれば粉末を長時間かけて沈澱させる必要もな
いため、現時点での粉末濃度を測定することができる。
また、本発明によれば現在の粉末濃度を機械オペレータ
ーに通知することにより、機械オペレーターは適切な処
置、たとえば、導電性粉末の追加混入あるいは加工液の
フィルタリングによる粉末濃度の低減をすることができ
るため、放電ギャップ変動による加工時間が長引くある
いは加工面品質が光沢状にならない、などを未然に防止
することができる。すなわち本発明によれば製品品質を
安定化することができる。
【図1】本発明の粉末濃度測定方法を用いた粉末混入放
電加工機を示すブロック図である。
電加工機を示すブロック図である。
【図2】異常パルス発生割合と粉末濃度の相関関係を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】正常パルスと異常パルスの電圧電流波形を示す
波形図である。
波形図である。
【図4】放電ギャップと粉末濃度の相関関係を示すグラ
フである。
フである。
1 放電電源 2 加工槽 3 粉末混入加工液 4 被加工物 5 放電電極 6 位置制御モーター 8 パルス検出手段 9 積算手段 10 比較手段 11 相関データ 12 異常パルス発生割合 13 相関データ記憶手段 14 粉末濃度
Claims (1)
- 【請求項1】 放電電極と被加工物とのうちの少なくと
も一方の位置を駆動制御する駆動制御手段と、前記放電
電極及び前記被加工物に対して放電パルスを印加すると
きの電源となる放電電源と、を備える粉末混入放電加工
機における粉末濃度測定方法において、放電パルス中の
異常パルスを検出してカウントする積算ステップと、前
記積算ステップでのカウント結果に基づいて、所定期間
のすべての放電パルスにおける前記異常パルスの発生割
合をもとめ、予め測定及び記憶した粉末濃度に対する異
常パルス発生割合の相関データと前記求めた異常放電パ
ルスの発生割合とを比較する事により粉末混入濃度を求
める比較ステップと、を具備したことを特徴とする粉末
混入放電加工機における粉末濃度測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12016298A JPH11309627A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12016298A JPH11309627A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11309627A true JPH11309627A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14779493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12016298A Pending JPH11309627A (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 粉末混入放電加工機における粉末濃度測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11309627A (ja) |
-
1998
- 1998-04-30 JP JP12016298A patent/JPH11309627A/ja active Pending
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