JPH11309208A - 血液用遠心ポンプ - Google Patents

血液用遠心ポンプ

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JPH11309208A
JPH11309208A JP10116832A JP11683298A JPH11309208A JP H11309208 A JPH11309208 A JP H11309208A JP 10116832 A JP10116832 A JP 10116832A JP 11683298 A JP11683298 A JP 11683298A JP H11309208 A JPH11309208 A JP H11309208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
pump
annular
centrifugal pump
vane
Prior art date
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Pending
Application number
JP10116832A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Suzuki
克征 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】血液の破壊要因であるキャビテーションの発生
を無くし、血液中の血球や血小板のごとき有用な細胞の
破壊や機能の低下を少なくすることを可能とする液体ポ
ンプ装置を提供する。 【解決手段】液体の流入口と流出口を有するケーシング
によりポンプ室を形成し、該ポンプ室内に流入口から流
入した液体に回転遠心力を与えるための羽根車を有する
血液用遠心ポンプにおいて、該羽根車は回転のための駆
動手段および放射状に延在する多数のベーンと環状翼を
有し、該環状翼は該ベーンの流入口側の上辺と下辺の間
に位置し、かつ該環状翼は底面が回転軸と垂直方向にな
す角度を有することを特徴とする血液用遠心ポンプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液輸送用のポン
プ、さらには使い捨てタイプの血液輸送用遠心ポンプに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】心臓、循環系の手術や術後、心臓疾患の
治療としてなどに血液を搬送するポンプ装置としては、
米国特許第459822号明細書、特公昭57−231
14号公報に記載されたもの等が数多く提案されてい
る。これらは、いずれも内部に設けられた回転体の遠心
力によって血液を送り出すポンプである。
【0003】前者は、一般的なオープン型の多翼ベーン
の回転によって遠心力を発生し、後者は、複数の円錐状
ローテータ間の摩擦力を利用して、遠心力を発生するも
のである。オープン型の多翼ベーンによる血液ポンプで
は、ベーン間を血液が流れる際にうず流や逆流が生じ、
流れの乱れが発生しやすいため、赤血球の破壊(溶血)
や血小板の機能低下などが生じやすく、長時間の使用に
適さないという問題がある。
【0004】また、複数の円錐状ローテータ間の摩擦力
を利用した血液ポンプでは、同サイズのベーン型のポン
プに比べてポンプ効率が悪く、同等の揚程を発生するた
めには、かなり高い回転数を必要とする。このため、回
転軸のシール部分に局所的な発熱が生じ、その周囲の血
液が変性、凝固するなどという欠点がある。
【0005】さらに、内部に設けられた回転体の遠心力
によって血液を送り出す血液ポンプは、キャビテーショ
ンが発生すると、血液中の血球や血小板のごとき有用な
細胞の破壊や機能の低下を生じさせるなどの問題点があ
り、これらを解決していくことが重要な課題とされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、血液の破壊
要因であるキャビテーションの発生を無くし、血液中の
血球や血小板のごとき有用な細胞の破壊や機能の低下を
極力少なくすることを可能とする液体ポンプ装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、環状翼を有し、かつ環
状翼は底面が回転軸と垂直方向になす角度を有すること
が、血液細胞の破壊や機能の低下を抑えるのに有用であ
ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は以下のような構成から
なる。 (1)液体の流入口と流出口を有するケーシングにより
ポンプ室を形成し、該ポンプ室内に流入口から流入した
液体に回転遠心力を与えるための羽根車を有する血液用
遠心ポンプにおいて、該羽根車は回転のための駆動手段
および放射状に延在する多数のベーンと環状翼を有し、
該環状翼は該ベーンの流入口側の上辺と下辺の間に位置
し、かつ該環状翼は底面が回転軸と垂直方向になす角度
を有することを特徴とする血液用遠心ポンプ (2)環状翼が回転軸との間に隙間部を有し、かつベー
ンの下辺から上辺の軸方向に血液を通過させる構成を有
する(1)記載の血液用遠心ポンプ (3)環状翼が放射方向にその厚みが段階的に増加する
構成を有する(1)または(2)に記載の血液用遠心ポ
ンプ
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体例を説明する。図1は、本発明における血液用遠心ポ
ンプの構成例における断面側面図を示す。図中、符号1
はポンプ室、2は羽根車、3は血液流入口、4は血液流
出口、5は羽根車側マグネット、6はモーター側マグネ
ット、7はモーター軸の回転をモーター側マグネットに
伝えるためのマグネットホルダー、8はモーター、9は
モーターに固定された遠心ポンプ部を装着脱着するため
の遠心ポンプ取付金具を示す。モーター8の回転がモー
ター側のマグネット6により羽根車側マグネットに磁気
により伝達され、羽根車2に回転を与える。血液流入口
4からポンプ室1に吸引された血液が、羽根2の回転に
より遠心力を得て血液流出口4より駆出される。
【0010】図2および図3は、本発明における血液用
遠心ポンプの羽根車の構成例における断面側面図を示
す。10はベーン、11はベーン上辺、12はベーン下
辺、13は環状翼、14は環状翼上面、15は環状翼底
面、16は環状翼隙間部、17は環状翼内周部、18は
環状翼外周部、19は内側ハブ部を示す。環状翼13は
ベーン上辺11とベーン下辺12の間に位置し、環状翼
底面15は回転軸と垂直方向になす角度を有することを
特徴とし、また、前記環状翼13は内側ハブ部19との
間に距離を保ち、環状翼隙間部16を有する。
【0011】本発明における血液用遠心ポンプの羽根車
の実施例では、環状翼13の環状翼内周部17から放射
方向にその厚みを段階的に増加し、環状翼外周部に至る
ことを特徴とする。
【0012】
【実施例】本発明の血液用遠心ポンプについて、図1、
図2、図3に示すようなものを実施例として製作した。
羽根車はポリプロピレン樹脂にて製作した。製作した血
液用遠心ポンプの特性を評価した。なお、本実施例は、
環状翼底面15と回転軸と垂直方向になす角度が10°
である。また、環状翼内周部17の厚さは1.5mm、
環状翼外周部18の厚さは3.5mmである。
【0013】比較例として、オープン羽根タイプの東洋
紡績社製NP−80血液ポンプを用いた。図4および図
5は比較例血液用遠心ポンプの羽根車の構成例における
断面側面図を示す。
【0014】キャビテーションの測定 実施例および比較例の各血液用遠心ポンプを被送液とし
て、ヘマトクリット値41%の血液を用いて、流量5L
/min、血液流入口の圧力が−7mmHg、血液吐出
口の圧力が493mmHgとなるように設定し、その状
態で、6時間連続運転した後、ポンプ内に発生した空気
の量を測定した。
【0015】その結果、比較例では6時間後にポンプ内
の空気を採取すると、0.1〜0.2cc程度に達し、
キャビテーションの発生を認めた。実施例では、6時間
後にポンプ内に空気の存在が無いことを確認し、キャビ
テーションの発生は認められなかった。
【0016】溶血率の測定 実施例および比較例の各血液用遠心ポンプを被送液とし
て、ヘマトクリット値41%の血液1.55Lを用い、
血液吐出口圧と血液流入口圧の差圧が500mmHg、
5L/minの条件で運転させ、経時的な溶血率(血液
中のフリーヘモグロビン濃度をいう)を測定した。図6
は、本発明の実施例および比較例における溶血量の経時
変化を示す。
【0017】図6より明らかなように、本発明に係る実
施例の血液用遠心ポンプは、比較例の血液ポンプより低
い溶血特性を有することが確認された。
【0018】ポンプと特性の測定 実施例および比較例の各血液用遠心ポンプを被送液とし
て水を用い、ポンプ特性を測定した。なお、測定は回転
数、ポンプ流量を変えることにより行った。図7は本発
明の実施例におけるポンプ特性、図8は比較例における
ポンプ特性である。
【0019】図7および図8から明らかなように、本発
明に係る実施例の血液用遠心ポンプは、少ない回転で同
揚程を得るポンプ特性を発揮した。
【0020】以上のように、本発明に係る血液用遠心ポ
ンプにおいては、血液流入口3から導入された血液は、
回転体の内側ハブ部19を通過し、さらに放射状に延在
する多数ベーン10を通過して遠心力が付与され、血液
流出口4から導出される。この際、環状翼13を有し、
しかも底面15と回転軸と垂直方向になす角度を有すこ
とにより、ベーン10間を血液が流れる際うず流や逆
流、流れの乱れの発生を少なくし、ポンプ効率を高める
ことで、少ない回転で同等の揚程を発生させる。また、
環状翼隙間部16を有することでベーン下辺12からベ
ーン上辺11の軸方向に血液を通過させ、キャビテーシ
ョンの発生をなくし、血液中の血球や血小板のごとき有
用な細胞の破壊や機能の低下を極力少なくすることを可
能とする。
【0021】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の血液用
遠心ポンプは、環状翼を有し、かつ該環状翼は回転軸と
垂直方向になす角度を有するので、少ない回転で揚程が
得られる。したがって、キャビテーションの発生が少な
く、搬送する血液中の細胞の破壊や機能の低下を抑制す
る優れたポンプ特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の血液用遠心ポンプの構成例における
断面側面図を示す。
【図2】 本発明の血液用遠心ポンプの羽根車の構成例
における断面側面図を示す。
【図3】 図2における線A−A’からの側面図を示
す。
【図4】 比較例の血液用遠心ポンプの羽根車の構成例
における断面側面図を示す。
【図5】 図4における線A−A’からの側面図を示
す。
【図6】 本発明の実施例および比較例における溶血量
の経時変化を示す。
【図7】 本発明の実施例におけるポンプ特性を示す。
【図8】 比較例におけるポンプ特性を示す。
【符号の説明】
1 ポンプ室 2 羽根車 3 血液流入口 4 血液流出口 5 羽根車側マグネット 6 モーター側マグネット 7 モーター軸の回転をモーター側マグネットに伝える
ためのマグネットホルダー 8 モーター 9 モーターに固定された遠心ポンプ部を装着脱着する
ための遠心ポンプ取付金具 10 ベーン 11 ベーン上辺 12 ベーン下辺 13 環状翼 14 環状翼上面 15 環状翼底面 16 環状翼隙間部 17 環状翼内周部 18 環状翼外周部 19 内側ハブ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の流入口と流出口を有するケーシン
    グによりポンプ室を形成し、該ポンプ室内に流入口から
    流入した液体に回転遠心力を与えるための羽根車を有す
    る血液用遠心ポンプにおいて、該羽根車は回転のための
    駆動手段および放射状に延在する多数のベーンと環状翼
    を有し、該環状翼は該ベーンの流入口側の上辺と下辺の
    間に位置し、かつ該環状翼は底面が回転軸と垂直方向に
    なす角度を有することを特徴とする血液用遠心ポンプ。
  2. 【請求項2】 環状翼が回転軸との間に隙間部を有し、
    かつベーンの下辺から上辺の軸方向に血液を通過させる
    構成を有する請求項1記載の血液用遠心ポンプ。
  3. 【請求項3】 環状翼が放射方向にその厚みが段階的に
    増加する構成を有する請求項1または2に記載の血液用
    遠心ポンプ。
JP10116832A 1998-04-27 1998-04-27 血液用遠心ポンプ Pending JPH11309208A (ja)

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