JPH11306363A - 画像入力装置及び画像入力方法 - Google Patents

画像入力装置及び画像入力方法

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JPH11306363A
JPH11306363A JP10158925A JP15892598A JPH11306363A JP H11306363 A JPH11306363 A JP H11306363A JP 10158925 A JP10158925 A JP 10158925A JP 15892598 A JP15892598 A JP 15892598A JP H11306363 A JPH11306363 A JP H11306363A
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sensor
disturbance
signal
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Norihiko Murata
憲彦 村田
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貴史 北口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】移動しながら物体を撮影する条件のもとで、計
算コストが少なくかつ撮影した対象物の姿勢検出を高精
度で実現する。 【解決手段】撮像手段2の重力方向に対する姿勢を加速
度センサ411で検出し、撮像手段2の重力回りの回転
角を、磁気方位を検知する磁気センサ412で検出し
て、移動して撮像する撮像手段2の姿勢情報を検知し
て、撮像手段2で撮影した被写体の3次元形状を簡単な
計算で精度良く復元する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続する複数枚
の画像から撮影したときカメラ等の撮像手段の姿勢と位
置及び撮影した対象物の3次元形状を復元する画像入力
装置及び画像入力方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】対象物の3次元形状を復元する研究は、
自律移動ロボットの視覚をはじめとして様々な分野で進
められている。特に近年は電子技術の飛躍的な進歩によ
る計算機や電子機器の普及が急速に進み、手軽に3次元
情報の立体表示が楽しめるようになった。それに対して
実世界の対象物や情景の3次元情報入力技術の発展が期
待されている。
【0003】対象物までの距離や形状を測定する方法
は、対象物に光波や超音波を照射する能動的な方法とス
テレオ画像法に代表される受動的な方法がある。能動的
方法は、光や電波,音波の波動を対象に照射し、対象か
らの反射波の伝播時間を計測することにより対象までの
距離を求める方法やカメラと位置関係が既知の光源から
特定のパターンを持ったスリット光やスポット光等を対
象物に照射し、その歪みを観測して対象物の形状を求め
る光投影法などがある。能動的方法は一般に装置の小型
化に問題がある反面、高速かつ高精度に距離を測定でき
るという特徴がある。一方、受動的方法は多眼立体視と
運動立体視に大別される。多眼立体視は互いの位置と姿
勢が既知である複数のカメラを用いて対象物を撮影した
画像から各画像間の特徴点または領域の対応付けを行
い、三角測量の原理で被写体の3次元形状を計算する方
法である。しかし画像に重畳されたノイズ等により対応
付けの誤差が存在したり、視差が十分にとれない場合
に、大きな距離測定誤差を生じやすいという問題点があ
る。運動立体視は1台のカメラを移動させながらある対
象物を撮影し、連続する画像間の対応付けを行い、カメ
ラの位置と姿勢及び被写体の3次元形状を計算する方法
で行なわれる。この方法も多眼立体視と同様の問題点が
あるほか、多眼立体視とは異なり画像間のカメラの位置
と姿勢情報が未知であり、一般に複雑な非線形方程式を
反復演算で解く必要がる。そのため、計算量が膨大であ
り、その解も不安定になりやすい。
【0004】この受動的方法の問題点に対し、画像以外
に距離や加速度,角速度,磁気など画像以外のセンサを
併用して、小さな計算コストで3次元形状復元を図る方
法が特開平7−181024号公報や特開平9−817
90号公報,特開平9−187038号公報等に開示さ
れている。特開平7−181024号公報に示された方
法は、撮像装置に加速度センサや角速度センサなどの移
動量検出部を設置し、移動量検出部で得られたカメラの
移動量を並進運動成分(基線長)と回転成分に分解し、
対応点探索結果より対象物の3次元形状を復元してい
る。また、特開平9−81790号公報に示された方法
は、撮影装置の動きを角速度センサ及び加速度センサに
より検出し、異なる視点からの光軸が任意の点で交わる
ように光軸方向を補正して特徴点の消失を防ぎながら3
次元復元を高速に行うようにしている。特開平9−18
7038号公報に示された方法は、複数の視点位置から
物体の一部が重複するように物体を撮影し、レンズ位置
信号とカメラ位置信号より撮像パラメータを求め、撮像
パラメータと各画像データを用いてシャッターを押すた
びに物体の距離分布を求め、距離分布より3次元モデル
を形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−18102
4号公報に示された方法は、移動量検出部の設置により
異なる視点間のカメラの相対的な位置と姿勢を求めるこ
とにより高速化と装置の小型化が可能になるが、移動量
計算時に機械的な角速度センサ等のセンサ信号を積分す
る必要があるため、経時的に移動量の誤差成分が蓄積さ
れるという問題がある。また、特開平9−81790号
公報に示された方法は、対象物とカメラの距離があらか
じめ設定されているため、特定の撮影条件のもとでのみ
3次元形状を復元することができる。さらに、光軸の向
きを変えるための駆動機構が必要であるため、装置の構
造が複雑になってしまう。特開平9−187038号公
報に示された方法は、カメラ位置は加速度センサ又は振
動ジャイロの出力信号を積分することにより求められる
が、各センサの出力信号を積分処理することにより、経
時的に移動量の誤差成分が蓄積されるという問題があ
る。
【0006】この発明はかかる問題を解消し、移動しな
がら物体を撮影する条件のもとで、計算コストが少なく
かつ撮影した対象物の姿勢検出を高精度で実現すること
ができる画像入力装置及び画像入力方法を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る画像入力
装置は、撮像手段と対応検出手段と運動検出手段及び3
次元演算手段を有し、撮像手段は被写体の画像を入力
し、対応検出手段は撮像手段を移動して撮像したとき
に、撮像手段から得られた複数枚の画像間の対応点を求
め、運動検出手段は姿勢算出手段と並進成分算出手段を
有し、姿勢算出手段は撮像手段を移動して撮像すると
き、撮像手段の姿勢情報を検出するものであり、撮像手
段の各視点における重力方向に対する姿勢を検出する加
速度センサと、磁気方位を検知して撮像手段の重力回り
の回転角を検出する磁気センサと撮像手段の回転角速度
を検知する角速度センサのいずれか一方又は双方を有
し、並進成分算出手段は姿勢算出手段で算出した撮像手
段の姿勢情報と対応検出手段で検出した画像間の対応点
から撮像手段の並進運動成分を算出し、3次元演算手段
は入力した画像情報と算出した撮像手段の姿勢情報と並
進運動成分及び特徴点の対応付け結果から被写体の3次
元形状を計算して復元することを特徴とする。
【0008】この発明に係る画像入力方法は、撮像手段
を移動して複数の視点で被写体の画像を入力し、各視点
における撮像手段の重力方向に対する姿勢を加速度セン
サで検出し、撮像手段の重力回りの回転角を、磁気方位
を検知する磁気センサあるいは撮像手段の回転角速度を
検知する角速度センサ又は磁気センサと角速度センサの
両方で検出し、撮像手段の重力方向に対する姿勢と重力
回りの回転角から撮像手段の姿勢情報を算出し、撮像手
段から得られた複数枚の画像間の対応点を求め、撮像手
段の姿勢情報と画像間の対応点から撮像手段の並進運動
成分を算出し、入力した画像情報と算出した撮像手段の
姿勢情報と並進運動成分及び特徴点の対応付け結果から
被写体の3次元形状を計算して復元することを特徴とす
る。
【0009】上記加速度センサと磁気センサのいずれか
一方又は双方の出力信号の乱れを検出する乱れ信号検出
手段を有することが望ましい。そして、加速度センサの
出力信号の乱れを検出したときに、加速度センサの出力
信号から算出した姿勢情報を磁気センサで求めた姿勢情
報又は磁気センサで求めた姿勢情報と角速度センサで求
めた姿勢情報で補償する。また、乱れ信号検出手段で磁
気センサの出力信号の乱れを検出したときに、磁気セン
サの出力信号から算出した姿勢情報を加速度センサで求
めた姿勢情報又は加速度センサで求めた姿勢情報と角速
度センサで求めた姿勢情報で補償したり、乱れ信号検出
手段で加速度センサと磁気センサの出力信号の乱れを検
出したときに、加速度センサと磁気センサの出力信号か
ら算出した姿勢情報を角速度センサで求めた姿勢情報で
補償する。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の画像入力装置は撮像手
段と対応検出手段と運動検出手段と3次元演算手段及び
記憶手段を有する。撮像手段は被写体を撮影し、その画
像情報を電気信号に変換する。対応検出手段は撮像手段
を移動しながら連続的に撮影した画像間の特徴点の対応
付けを行う。運動検出手段は撮像手段を移動して撮影し
ているときに、撮像手段の姿勢情報を算出し、算出した
姿勢情報と撮影した画像間の特徴点の対応付け結果から
撮像手段の位置情報である並進成分を算出するものであ
り、センサ部と前処理手段と姿勢算出手段と視線ベクト
ル算出手段と並進成分算出手段及び乱れ信号検出手段を
有する。センサ部には撮像手段の重力方向に対する姿勢
を検出する3軸加速度センサと撮像手段の重力回りの回
転角を磁気方位を検知する3軸磁気センサ及び撮像手段
の回転角速度を検知する3軸角速度センサを有する。3
次元演算手段は運動検出手段から出力される姿勢情報と
並進成分及び対応検出手段の対応付け結果より三角測量
の原理で被写体の3次元構造を算出する。記憶手段は得
られた姿勢情報と並進成分と被写体の3次元形状及び各
画像を記録する。
【0011】撮像手段で撮影している画像取込み開始を
指令すると、運動検出手段の姿勢算出手段は画像と加速
度信号及び磁気信号あるいは角速度信号を取り込み、撮
像手段の姿勢の初期値を検出する。そののち画像取り込
み停止が指令されるまで、一定時間間隔ごとに画像撮影
と姿勢算出を行う。この姿勢算出を行なうときに、乱れ
信号検出手段が3軸加速度センサの信号に乱れを検出し
た場合、姿勢算出手段は加速度センサの出力信号から算
出した姿勢情報を磁気センサの出力信号で求めた姿勢情
報と角速度センサの出力信号で求めた姿勢情報で補償す
る。そして各時刻における画像及び姿勢情報と加速度信
号の乱れ検出の有無を示す検出結果を記憶手段に格納す
る。画像取込み停止が指令が出されると、対応検出手段
は記憶手段に格納された時系列の画像情報より対応付け
を行い、視線ベクトル算出手段は対応付け結果と姿勢情
報により各時刻における対応点のワールド座標系を基準
とした視線ベクトルを算出する。並進成分算出手段は対
応点の視線ベクトル群より並進成分を求める。3次元演
算手段は並進成分と姿勢情報より、三角測量の原理で被
写体の3次元形状復元を行う。
【0012】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。図に示すように、画像入力装置1は撮像
手段2と焦点距離検出手段3と運動検出手段4と対応検
出手段5と3次元演算手段6及び記憶手段7を有する。
撮像手段2はレンズとCCD等の画像センサとサンプル
・ホールド回路等より構成され、被写体を撮影し、その
画像情報を電気信号に変換する。焦点距離検出手段3
は、撮像手段2のレンズの位置に応じて焦点距離を求め
て符号化して出力する。運動検出手段4は撮像手段2を
移動して撮影しているときに、撮像手段2の姿勢情報と
位置情報である並進成分を算出する。対応検出手段5は
撮像手段2を移動しながら連続的に撮影した画像間の特
徴点の対応付けを行う。この対応付けには動画像におけ
る一般的な特徴追跡法、例えば動画像圧縮で使用されて
いるブロックマッチング等の相関法や時空間により画像
の速度場を求めて画像の動きベクトルを算出する方法等
が利用される。3次元演算手段6は運動検出手段4から
出力される姿勢情報と並進成分及び対応検出手段5の対
応付け結果より三角測量の原理で被写体の3次元構造を
算出する。記憶手段7は半導体メモリや磁気テープ等か
らなり、得られた姿勢情報と並進成分と被写体の3次元
形状及び各画像を記録する。
【0013】運動検出手段4は、図2,図3のブロック
図に示すように、センサ部41と前処理手段42と姿勢
算出手段43と視線ベクトル算出手段44及び並進成分
算出手段45を有する。センサ部41には、図2に示す
ように、撮像手段2の重力方向に対する姿勢を検出する
3軸加速度センサ411a,411b,411cと、撮
像手段2の重力回りの回転角を磁気方位を検知する3軸
磁気センサ412a,412b,412cを有したり、
図3に示すように、3軸加速度センサ411a,411
b,411cと3軸磁気センサ412a,412b,4
12c及び撮像手段2の回転角速度を検知する3軸角速
度センサ413a,413b,413cを有する。
【0014】上記のように構成した画像入力装置1の動
作を説明するにあたり、まず運動検出手段4で3軸加速
度センサ411a〜411cと3軸磁気センサ412a
〜412cの検出値から撮像手段2の姿勢情報と並進運
動成分を算出する動作と、3軸加速度センサ411a〜
411cと3軸角速度センサ413a〜413cの検出
値から撮像手段2の姿勢情報と並進運動成分を算出する
動作を説明する。
【0015】〔1〕3軸加速度センサ411a〜411
cと3軸磁気センサ412a〜412cの検出値を使用
した場合。図4に示すように、撮像手段2のxyz座標
系のz軸の正方向を光軸方向とし、x軸の正方向を画像
面21に対して右向き方向とし、y軸の正方向を画像面
21に対して下向き方向とし、図5に示すように、ワー
ルド座標系のY軸の正方向を重力加速度の向きとし、Z
軸の正方向を磁気の向きとし、X軸の正方向をXYZの
順に右手直交系をなす向きとする。また、簡単のために
撮像手段2の移動により生じる運動速度は無視でき、重
力加速度と磁場は直交し、かつ磁場は地磁気以外に存在
しないと仮定する。なお、厳密には地磁気の伏角が存在
し、地磁気と重力加速度とは直交しないが、伏角が既知
ならば地磁気の向きと重力加速度が直交する場合と同様
に計算できる。また、3軸で地磁気を検出すれば伏角が
未知でも姿勢情報を計算可能である。すなわち、X軸の
正方向を東向きにとり、Z軸の正方向を北向きにとる。
【0016】加速度センサ411aは重力加速度のx軸
成分を検出し、加速度センサ411bは重力加速度のy
軸成分を検出し、加速度センサ411cは重力加速度の
z軸成分を検出する。磁気センサ412a〜412cも
同様に地磁気のx軸成分とy軸成分及びz軸成分を検出
する。前処理手段42は3軸加速度センサ411a〜4
11cと3軸磁気センサ412a〜412cの出力信号
のフィルタリングや増幅等の信号処理やA/D変換を行
う。姿勢算出手段43は前処理手段42で処理したセン
サ信号より撮像手段2の姿勢情報を算出する。視線ベク
トル算出手段44は焦点距離検出手段3から出力された
焦点距離と姿勢算出手段43で算出した姿勢情報より、
対応検出手段5から出力される各時刻における対応点に
対してワールド座標系を基準とした視線ベクトルを算出
する。並進成分算出手段45は視線ベクトル算出手段4
4で算出した各時刻の対応点のワールド座標系を基準と
した視線ベクトル群より撮像手段2の並進成分を算出す
る。
【0017】この撮像手段2の並進成分を算出するとき
の動作を詳細に説明する。ワールド座標系に対する装置
座標系の姿勢をワールド座標系を基準とした下記(1)
式の回転行列で記述する。
【0018】
【数1】
【0019】(1)式において、α,β,γはそれぞれ
ワールド座標系を基準としたX軸とY軸とZ軸回りの回
転角であり、このとき画像入力装置1を次ぎの順に回転
させたことに相当する。すなわち、XYZ座標系とxy
z座標系が一致している状態から、画像入力装置1をZ
軸回りにγだけ回転してからX軸回りにαだけ回転し、
その後、Y軸回りにβだけ回転する。ここで重力加速度
ベクトルgvと地磁気ベクトルMvをワールド座標系にお
いて下記(2)式で表わし、加速度センサ411a〜4
11cと磁気センサ412a〜412cにより検出され
た装置座標系を基準とした加速度ベクトルavと地磁気
ベクトルmvをそれぞれ下記(3)式で表わすと、重力
加速度ベクトルgvと加速度ベクトルavの関係及び地磁
気ベクトルMvと地磁気ベクトルmvの関係は、回転ベク
トルRを用いて下記(4)式と(5)式で記述される。
【0020】
【数2】
【0021】(3)式において、Mは地磁気の絶対値、
φは地磁気の伏角である。(4)式よりX軸回りの回転
角αとZ軸回りの回転角γが下記(6)式と(7)式で
計算される。
【0022】
【数3】
【0023】また、X軸回りの回転角αとZ軸回りの回
転角γが既知である場合、(5)式により地磁気ベクト
ルmvからY軸回りの回転角βが下記(8)式と(9)
式で計算される。
【0024】
【数4】
【0025】姿勢算出手段43は以上の計算により回転
角α、β、γ及び回転行列Rを3軸加速度センサ411
a〜411c及び3軸磁気センサ412a〜412cの
検出値より算出する。
【0026】また、撮像手段2の光学系は、図4に示す
ように、焦点距離をfとする中心射影モデルであると仮
定すると、対象点Aの画像上の点B(x,y)に対する
単位視線ベクトルpは下記(10)式で求められる。
【0027】
【数5】
【0028】但し(10)式の単位視線ベクトルpは撮
像座標系を基準とした視線ベクトルである。例えば図6
に示すように、第1視点C1で撮像した時刻(t−1)
における対象点Aiの画像上の点B1(xt-1, I ,
t-1,i)と第2視点C2で撮像した時刻tにおける対象点
Aiの画像上の点B2(xt, I ,t,i)に対しては、下
記(11)式と(12)式で単位視線ベクトルpt-1,i,
と単位視線ベクトルpt,i が算出される。
【0029】
【数6】
【0030】この撮像座標系を基準とした時刻(t−
1)の単位視線ベクトルpt-1,iと時刻(t)の単位視
線ベクトルpt,iをワールド座標系を基準とした視線ベ
クトルに変換するには、時刻(t−1)及び時刻(t)
における姿勢情報すなわち(1)式の回転行列Rt-1
回転行列Rtを必要とする。この回転行列Rt-1と回転行
列Rtは姿勢算出手段43により求められるため、視線
ベクトル算出手段44は撮像座標系を基準とした単位視
線ベクトルpt-1,iと単位視線ベクトルpt,iを(13)
式と(14)式でワールド座標系を基準とした視線ベク
トルPt-1,iと視線ベクトルPtに変換する。
【0031】
【数7】
【0032】並進成分算出手段45は、視線ベクトル算
出手段44で算出した各時刻の対応点のワールド座標系
を基準とした視線ベクトル群より、撮像手段2の並進成
分を算出する。例えば図6において、視線ベクトルP
t-1, Iと視線ベクトルPtが対応関係にあるとすると、視
線ベクトルPt-1,iと視線ベクトルPt及び並進成分を示
す単位ベクトルbの3つのベクトルは同一平面上に存在
し、下記(15)式のスカラ3重積で表される。
【0033】
【数8】
【0034】この(15)式を満たすベクトルbが並進
運動ベクトルであるが、通常、画像のノイズ等の影響に
より(15)式は全ての対応点の組に対しては成立しな
い。そこでN組の対応点がある場合、下記(16)式で
スカラ3重積を最小化するベクトルbを求めれば良い。
【0035】
【数9】
【0036】〔2〕3軸加速度センサ411a〜411
cと3軸角速度センサ413a〜413cの検出値を使
用した場合。撮像手段2のxyz座標系は、図4に示す
ように、z軸の正方向を光軸方向とし、x軸の正方向を
画像面21に対して右向き方向とし、y軸の正方向を画
像面21に対して下向き方向とし、ワールド座標系は、
図7に示すように、Y軸の正方向を重力加速度の向きと
する。姿勢算出手段43で3軸加速度センサ411a〜
411cと3軸角速度センサ413a〜413cの検出
値から回転角α、β、γ及び回転行列Rを算出するため
に、ワールド座標系に対する撮像手段2の装置座標系の
姿勢をワールド座標系を基準とした(1)式の回転行列
Rで記述する。また、重力加速度ベクトルgvをワール
ド座標系において(2)式で表わし、加速度センサ41
1a〜411cにより検出された装置座標系を基準とし
た加速度ベクトルavを(3)式で表わすと、重力加速
度ベクトルgvと加速度ベクトルavの関係は(4)式で
記述される。この(4)式よりX軸回りの回転角αとZ
軸回りの回転角γが(6)式と(7)式で計算される。
ここで時刻t=0においてβ=0と初期化し、図7に示
すように、ワールド座標系のX軸を時刻t=0における
装置座標系のx軸の水平面に対する正射影とし、ワール
ド座標系のZ軸を時刻t=0における装置座標系のz軸
の水平面に対する正射影として定義する。
【0037】一方、3軸角速度センサ413a〜413
cで求めた角速度ベクトルqvを下記(17)式とする
と、X軸回りの回転角αとY軸回りの回転角β及びZ軸
回りの回転角γの時間的な変化は下記(18)式と(1
9)式及び(20)式で表わせる。
【0038】
【数10】
【0039】上記(18)式と(19)式及び(20)
式を積分することにより、下記(21)式と(22)式
及び(23)式で時刻tにおける回転角α、β、γを得
ることができる。
【0040】
【数11】
【0041】上記(21)〜(23)式でα0、γ0はそ
れぞれ時刻t=0で3軸加速度センサ413a〜413
cで求めたα、γの値としβ0=0とする。この計算に
より、α、β、γ及び回転行列Rを、3軸加速度センサ
411a〜411cと3軸角速度センサ413a〜41
3cの検出値より算出することができる。そして、この
場合も視線ベクトル算出手段44と並進成分算出手段4
5は、前記(10)式〜(16)式に基づき撮像手段2
の並進成分を算出する。
【0042】なお、上記運動検出手段4の動作説明では
3軸加速度センサ411a〜411cと3軸磁気センサ
412a〜412cを使用した場合と、3軸加速度セン
サ411a〜411cと3軸角速度センサ413a〜4
13cを使用した場合について説明したが、411a〜
411cと3軸磁気センサ412a〜412c及び3軸
角速度センサ413a〜413cを同時に使用しても良
い。
【0043】次ぎに、対応検出手段5で連続的に撮影し
た画像間の特徴点の対応付けを行う動作の一例として、
時間的に隣合う2枚の画像において、相互相関によるブ
ロックマッチングにより対応点を検出する方法について
説明する。例えば図6に示すように第1視点C1で時刻
(t−1)に撮像した画像面I1におけるi番目の特徴
点PI(xi0,yi0)と、第2視点C2で時刻tに撮像し
た画像面I2におけるi番目の特徴点Pi(xi0+dx,
i0+dy)の対応付けを、第8図に示すように(2N
+1)と(2P+1)の相関窓51を用いたブロックマ
ッチングで行う場合、下記(24)式で計算される相関
相互相関値Siを最大に点を順次対応点として選ぶ。
【0044】
【数12】
【0045】(24)式でIt-1(x,y)は時刻(t
−1)の画像面I1の点(x,y)における濃度、It
(x,y)は時刻tの画像面I2の点(x,y)におけ
る濃度、MIt-1(x,y)は時刻(t−1)の画像面
I1の点(x,y)を中心とする(2N+1),(2P
+1)の相関窓51における平均濃度、MIt(x,
y)は時刻tの画像面I2の点(x,y)を中心とする
(2N+1),(2P+1)の相関窓51における平均
濃度を示し、Kは定数である。
【0046】上記のように構成された画像入力装置1の
動作を図9のフローチャートを参照して説明する。撮像
手段2で撮影している画像取込み開始を指令すると(ス
テップS1)、運動検出手段4の姿勢算出手段43はそ
の時刻をt=0に初期化し、画像と加速度信号及び磁気
信号あるいは角速度信号を取り込み、撮像手段2の姿勢
の初期値α0、β0、γ0を検出する(ステップS2)。
初期値α0、γ0は重力加速度信号の検知により行い、β
0は磁気信号から求めたり、角速度信号を利用する場合
には「0」に初期化する。そして画像取込み停止が指令
されるまで一定時間間隔ごとに画像撮影と姿勢算出手段
43による姿勢検出を行い、各時刻における画像と姿勢
情報を記憶手段7に格納する(ステップS3,S4,S
5)。画像取込み停止が指令が出されると、対応検出手
段5は記憶手段7に格納された時系列の画像情報より対
応付けを行い(ステップS6)、対応付け結果と姿勢情
報により視線ベクトル算出手段44は各時刻における対
応点のワールド座標系を基準とした視線ベクトルを算出
する(ステップS7)。並進成分算出手段45は対応点
の視線ベクトル群より(16)式の計算で並進成分bを
求める(ステップS8)。3次元演算手段6は並進成分
bと姿勢情報より、三角測量の原理で被写体の3次元形
状復元を行う(ステップS9)。
【0047】上記のようにして撮像手段2で撮像した画
像と加速度信号及び磁気信号あるいは角速度信号で3次
元形状復元を行なっているときに、回転角α,γは
(6)式と(7)式から求められるが、撮影時に生じる
加速度は重力加速度に比較して無視できるほど小さく、
磁場は地磁気以外に存在せず(2)式と(3)式との間
に下記(25)式と(26)式の関係が成立しているこ
とを前提として計算されている。
【0048】
【数13】
【0049】そのため、撮影時に生じる加速度が一時的
に大きくなったり、他の電気製品からの磁場の影響を受
ける場合には、正確な姿勢情報を計算することができな
い。そこで、図10のブロック図に示すように運動検出
手段4に乱れ信号検出手段46を設け、乱れ信号検出手
段46により、重力加速度以外の加速度成分の発生と地
磁気以外の磁場の発生を検出する。例えば3軸加速度セ
ンサ411a〜411cと3軸磁気センサ412a〜4
12cのそれぞれの基準電圧値と感度は記憶手段7に格
納されており既知である。そこで3軸加速度センサ41
1a〜411cと3軸磁気センサ412a〜412cの
出力電圧値と記憶手段7に格納された基準電圧値と感度
より、3軸加速度センサ411a〜411cと3軸磁気
センサ412a〜412cの検出した加速度及び磁気の
絶対値を算出する。算出した加速度の絶対値と重力加速
度の絶対値との差があらかじめ定めたしきい値、例えば
0.1g以上の場合は、重力加速度以外の加速度成分ま
たは外乱が含まれると判断し、姿勢算出手段43に加速
度センサ信号の乱れを通知する。また,算出した磁気の
絶対値と地磁気の絶対値との差がしきい値、例えば0.
1M以上の場合は、地磁気以外の磁気成分または外乱が
含まれると判断し、姿勢算出手段43に磁気センサ信号
の乱れを通知する。
【0050】この乱れ信号検出手段46により、重力加
速度以外の加速度成分の発生と地磁気以外の磁場の発生
を検出しながら3次元形状復元を復元するときの動作を
図11のフローチャートを参照して説明する。撮像手段
2で撮影している画像取込み開始を指令すると(ステッ
プS11)、運動検出手段4の姿勢算出手段43はその
時刻をt=0に初期化し、画像と加速度信号及び磁気信
号あるいは角速度信号を取り込み、撮像手段2の姿勢の
初期値α0、β0、γ0を検出する(ステップS12)。
初期値α0、γ0は重力加速度信号の検知により行い、β
0は磁気信号から求めたり、角速度信号を利用する場合
には「0」に初期化する。この撮影中に加速度信号の乱
れが検出されると初期値α0、γ0の正確な値が出ないの
で、撮影開始時の撮像手段2の扱いには注意する必要が
ある。また、磁気信号の乱れが検出された場合にはβ0
=0と初期化し、以後の姿勢情報算出には加速度信号と
角速度信号のみ使用するようにする。その後は画像取り
込み停止が指令されるまで、一定時間間隔ごとに画像撮
影、姿勢算出を行い、各時刻における画像及び姿勢情報
を記憶手段7に格納する。また、加速度信号と磁気信号
の乱れ検出結果をも記憶手段7に格納し、姿勢算出結果
に誤差が発生した個所を、後で利用者が確認できるよう
にする(ステップS13,S14,S15)。画像取込
み停止が指令が出されると、対応検出手段5は記憶手段
7に格納された時系列の画像情報より対応付けを行い
(ステップS16)、対応付け結果と姿勢情報により視
線ベクトル算出手段44は各時刻における対応点のワー
ルド座標系を基準とした視線ベクトルを算出する(ステ
ップS17)。並進成分算出手段45は対応点の視線ベ
クトル群より(16)式の計算で並進成分bを求める
(ステップS18)。3次元演算手段6は並進成分bと
姿勢情報より、三角測量の原理で被写体の3次元形状復
元を行う(ステップS19)。
【0051】このように加速度センサ信号と磁気センサ
信号の乱れを検知することにより、撮像手段2の運動を
正確に検出できるとともに信頼性の高い3次元形状復元
を行なうことができる。また、加速度センサ信号と磁気
センサ信号の乱れを検知した箇所を記憶することによ
り、利用者が姿勢検出誤差が生じた箇所を知ることがで
き、使用勝手を高めることができる。
【0052】次ぎに上記のように乱れ信号検出手段46
で加速度センサ信号の乱れを検出したときに、加速度セ
ンサ信号による姿勢検出結果を、磁気センサ信号及び角
速度センサ信号による姿勢検出結果で補償するときの動
作を図12のフローチャートを参照して説明する。撮像
手段2で撮影している画像取込み開始を指令すると(ス
テップS21)、運動検出手段4の姿勢算出手段43は
その時刻をt=0に初期化し、画像と加速度信号及び磁
気信号あるいは角速度信号を取り込み、撮像手段2の姿
勢の初期値α0、β0、γ0を検出する(ステップS2
2)。初期値α0、γ0は重力加速度信号の検知により行
い、β0は磁気信号から求めたり、角速度信号を利用す
る場合には「0」に初期化する。また、磁気信号の乱れ
が検出された場合にはβ0=0と初期化し、以後の姿勢
情報算出には加速度信号と角速度信号のみ使用するよう
にする。その後は画像取り込み停止が指令されるまで、
一定時間間隔ごとに画像撮影、姿勢算出を行う(ステッ
プS23,S24)。この姿勢算出を行なうときに、乱
れ信号検出手段46が3軸加速度センサ411a〜41
1cの信号に乱れを検出しない場合(ステップS2
5)、姿勢算出手段43は加速度センサ信号を用いて
(6)式と(7)式より回転角α、γを求め、磁気セン
サ信号を用いて(9)式より回転角βを求めたり、角速
度センサ信号を用いて(19)式と(22)式より回転
角βを求める(ステップS26)。また、乱れ信号検出
手段46が3軸加速度センサ411a〜411cの信号
に乱れを検出した場合(ステップS25)、姿勢算出手
段43は、まず角速度センサ信号を用いて(21)式と
(23)式より回転角α、γを求める。次ぎに、磁気セ
ンサ信号と上記で求めた回転角αを用いて(9)式で回
転角βを求めたり、角速度センサ信号を用いて(22)
式より回転角βを求める(ステップS27)。そして、
各時刻における画像及び姿勢情報と加速度信号の乱れ検
出の有無を示す検出結果を記憶手段7に格納する(ステ
ップS28)。画像取込み停止が指令が出されると(ス
テップS23)、対応検出手段5は記憶手段7に格納さ
れた時系列の画像情報より対応付けを行い(ステップS
29)、対応付け結果と姿勢情報により視線ベクトル算
出手段44は各時刻における対応点のワールド座標系を
基準とした視線ベクトルを算出する(ステップS3
0)。並進成分算出手段45は対応点の視線ベクトル群
より(16)式の計算で並進成分bを求める(ステップ
S31)。3次元演算手段6は並進成分bと姿勢情報よ
り、三角測量の原理で被写体の3次元形状復元を行う
(ステップS32)。
【0053】このように加速度センサ信号の乱れが検知
されると、加速度センサ信号による姿勢検出結果を、磁
気センサ信号及び角速度センサ信号による姿勢検出結果
で補償することにより姿勢検出誤差を低減することがで
きる。
【0054】次ぎに上記のように乱れ信号検出手段46
で磁気センサ信号の乱れを検出したときに、磁気センサ
信号による姿勢検出結果を角速度センサ信号による姿勢
検出結果で補償するときの動作を図13のフローチャー
トを参照して説明する。撮像手段2で撮影している画像
取込み開始を指令すると(ステップS41)、運動検出
手段4の姿勢算出手段43はその時刻をt=0に初期化
し、画像と加速度信号及び磁気信号あるいは角速度信号
を取り込み、撮像手段2の姿勢の初期値α0、β0、γ0
を検出する(ステップS42)。初期値α0、γ0は重力
加速度信号の検知により行い、β0は磁気信号から求め
たり、角速度信号を利用する場合には「0」に初期化す
る。また、磁気信号の乱れが検出された場合にはβ0
0と初期化し、以後の姿勢情報算出には加速度信号と角
速度信号のみ使用するようにする。その後は画像取り込
み停止が指令されるまで、一定時間間隔ごとに画像撮
影、姿勢算出を行う(ステップS43,S44)。この
姿勢算出を行なうときに、乱れ信号検出手段46が3軸
磁気センサ412a〜412cの信号に乱れを検出しな
い場合(ステップS45)、姿勢算出手段43は加速度
センサ信号を用いて(6)式と(7)式より回転角α、
γを求め、磁気センサ信号を用いて(9)式より回転角
βを求めたり、角速度センサ信号を用いて(22)式よ
り回転角βを求める(ステップS46)。また、乱れ信
号検出手段46が3軸磁気センサ412a〜412cの
信号に乱れを検出した場合(ステップS45)、加速度
センサ信号を用いて(6)式と(7)式より回転角α、
γを求め、角速度センサ信号を用いて(19)式と(2
2)式より回転角βを求める(ステップS47)。そし
て、各時刻における画像及び姿勢情報と加速度信号の乱
れ検出の有無を示す検出結果を記憶手段7に格納する
(ステップS48)。画像取込み停止が指令が出される
と(ステップS43)、対応検出手段5は記憶手段7に
格納された時系列の画像情報より対応付けを行い(ステ
ップS49)、対応付け結果と姿勢情報により視線ベク
トル算出手段44は各時刻における対応点のワールド座
標系を基準とした視線ベクトルを算出する(ステップS
50)。並進成分算出手段45は対応点の視線ベクトル
群より(16)式の計算で並進成分bを求める(ステッ
プS51)。3次元演算手段6は並進成分bと姿勢情報
より、三角測量の原理で被写体の3次元形状復元を行う
(ステップS52)。
【0055】このように磁気センサ信号の乱れが検知さ
れると、磁気センサ信号による姿勢検出結果を角速度セ
ンサ信号による姿勢検出結果で補償することにより姿勢
検出誤差を低減することができる。
【0056】次ぎに加速度センサ信号と磁気センサ信号
の乱れが検知されたときに、加速度センサ信号と磁気セ
ンサ信号による姿勢検出結果を角速度センサ信号による
姿勢検出結果で補償するときの動作を図14のフローチ
ャートを参照して説明する。撮像手段2で撮影している
画像取込み開始を指令すると(ステップS61)、運動
検出手段4の姿勢算出手段43はその時刻をt=0に初
期化し、画像と加速度信号及び磁気信号又は角速度信号
を取り込み、撮像手段2の姿勢の初期値α0、β0、γ0
を検出する(ステップS62)。初期値α0、γ0は重力
加速度信号の検知により行い、β0は磁気信号から求め
たり、角速度信号を利用する場合には「0」に初期化す
る。また、磁気信号の乱れが検出された場合にはβ0
0と初期化し、以後の姿勢情報算出には加速度信号と角
速度信号のみ使用するようにする。その後は画像取り込
み停止が指令されるまで、一定時間間隔ごとに画像撮
影、姿勢算出を行う(ステップS63,S64)。この
姿勢算出を行なうときに、乱れ信号検出手段46が3軸
加速度センサ411a〜411cと3軸磁気センサ41
2a〜412cの信号に乱れを検出しない場合(ステッ
プS65)、姿勢算出手段43は加速度センサ信号を用
いて(6)式と(7)式より回転角α、γを求め、磁気
センサ信号を用いて(9)式より回転角βを求めたり、
角速度センサ信号を用いて(19)式と(22)式より
回転角βを求める(ステップS66)。また、乱れ信号
検出手段46が3軸加速度センサ411a〜411cと
3軸磁気センサ412a〜412cの信号のうち3軸加
速度センサ411a〜411cの信号に乱れを検出した
場合(ステップS65)、姿勢算出手段43は、まず角
速度センサ信号を用いて(21)式と(23)式より回
転角α、γを求める。次ぎに、磁気センサ信号と上記で
求めた回転角αを用いて(9)式で回転角βを求めた
り、角速度センサ信号を用いて(19)式と(22)式
より回転角βを求める(ステップS67)。また、乱れ
信号検出手段46が3軸加速度センサ411a〜411
cと3軸磁気センサ412a〜412cの信号のうち3
軸磁気センサ412a〜412cの信号に乱れを検出し
た場合(ステップS65)、加速度センサ信号を用いて
(6)式と(7)式より回転角α、γを求め、角速度セ
ンサ信号を用いて(22)式より回転角βを求める(ス
テップS67)。さらに、乱れ信号検出手段46が3軸
加速度センサ411a〜411cと3軸磁気センサ41
2a〜412cの両方の信号に乱れを検出した場合(ス
テップS65)、3軸角速度センサ413a〜413c
の信号を用い、(18)式〜(23)式より回転角α、
β、γを算出する(ステップS68)。そして、各時刻
における画像及び姿勢情報と加速度信号の乱れ検出の有
無を示す検出結果を記憶手段7に格納する(ステップS
69)。画像取込み停止が指令が出されると(ステップ
S63)、対応検出手段5は記憶手段7に格納された時
系列の画像情報より対応付けを行い(ステップS7
0)、対応付け結果と姿勢情報により視線ベクトル算出
手段44は各時刻における対応点のワールド座標系を基
準とした視線ベクトルを算出する(ステップS71)。
並進成分算出手段45は対応点の視線ベクトル群より
(16)式の計算で並進成分bを求める(ステップS7
2)。3次元演算手段6は並進成分bと姿勢情報より、
三角測量の原理で被写体の3次元形状復元を行う(ステ
ップS73)。
【0057】このように加速度センサ信号と磁気センサ
信号の乱れが検知されたときに、加速度センサ信号と磁
気センサ信号による姿勢検出結果を角速度センサ信号に
よる姿勢検出結果で補償するから、姿勢検出誤差を低減
することができる。
【0058】上記実施例は、撮影した画像と算出した姿
勢情報を記憶手段7にまとめて格納し、そののち対応検
出と並進運動検出及び3次元形状算出をオフライン処理
する方式で説明したが、上記処理を実時間処理しても良
い。また、撮像手段2が固定焦点である場合には、焦点
距離検出手段3を省いても良い。さらに、撮影した画像
と算出した姿勢情報と3次元形状情報等を記憶手段7に
記憶するのではなく、ネットワークなどに転送しても良
い。また、加速度信号や磁気信号が乱れた時刻において
角速度センサ信号で姿勢情報の補償を行なう場合につい
て説明したが、信号の乱れる前の時刻における姿勢に角
速度信号で検出した微小時刻における角度変化、即ち
(21)式〜(23)式のdα、dβ、dγに相当する
分を加えるなど、別の補償法をとっても良い。
【0059】〔具体例1〕実際に撮像手段2で対象物を
撮影して撮像手段2の運動を検出した結果を図15から
図19に示す。図15は加速度センサ信号により算出し
た回転角αの値と実際の回転角を示し、図16は角速度
センサ信号により算出した回転角αの値と実際の回転角
を示し、図17は加速度センサ信号の乱れた時刻におい
て、角速度センサ信号で求めた回転角αで補償した結果
と実際の回転角を示す。また、図18は磁気センサ信号
により算出した回転角βの値と実際の回転角を示し、図
19は磁気センサ信号の乱れた時刻において、角速度セ
ンサ信号で求めた回転角βで補償した結果と実際の回転
角を示す。図15〜図17に示すように、撮像手段2が
回転開始したり停止するときに撮像手段2に加える加速
度が大きくなり、加速度センサ信号により算出した回転
角αの検出誤差が大きくなったが、角速度センサ信号で
求めた回転角αで補償することにより姿勢検出の誤差を
大幅に低減することができた。また、図18、図19に
示すように、撮像手段2の周囲にあるモータ等から生じ
る磁場の影響を角速度センサ信号で求めた回転角βで補
償することにより姿勢検出誤差を大幅に低減することが
できた。さらに、対象物を連続撮影した結果、対象物の
3次元形状を精度良く復元することができた。
【0060】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、撮像手
段の重力方向に対する姿勢を加速度センサで検出し、撮
像手段の重力回りの回転角を、磁気方位を検知する磁気
センサあるいは撮像手段の回転角速度を検知する角速度
センサのいずれか一方又は双方で検出して、移動して撮
像する撮像手段の姿勢情報を検知するようにしたから、
撮像手段の姿勢を高精度に求めることができ、撮像手段
で撮影した被写体の3次元形状を簡単な計算で精度良く
復元することができる。
【0061】また、加速度センサ信号と磁気センサ信号
の乱れを検知することにより、撮像手段の運動と3次元
形状復元の信頼性を高めることができる。また、信号の
乱れを検知した箇所を記憶することにより、利用者が姿
勢検出誤差が生じた箇所を知ることができ、利用者の便
宜を図ることができる。
【0062】また、加速度センサ信号の乱れを検知した
ときに、加速度センサ信号による姿勢検出結果を、磁気
センサ信号や角速度センサ信号による姿勢検出結果で補
償することにより、撮像手段の姿勢検出誤差を低減する
ことができ、3次元形状を精度良く復元することができ
る。
【0063】さらに、磁気センサ信号の乱れを検知した
ときに、磁気センサ信号による姿勢検出結果を角速度セ
ンサ信号による姿勢検出結果で補償することにより、撮
像手段の姿勢検出誤差を低減することができ、3次元形
状を精度良く復元することができる。
【0064】また、加速度センサ信号と磁気センサ信号
の乱れを検知したときに、加速度センサ信号と磁気セン
サ信号による姿勢検出結果を角速度センサ信号による姿
勢検出結果で補償することにより、撮像手段の姿勢検出
誤差をより低減することができ、3次元形状を精度良く
復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】運動検出手段の構成を示すブロック図である。
【図3】運動検出手段の他の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】撮像手段の装置座標系を示す説明図である。
【図5】ワールド座標系を示す説明図である。
【図6】第1視点と第2視点の視線ベクトルを示す説明
図である。
【図7】ワールド座標系と装置座標系の対応を示す説明
図である。
【図8】特徴点の対応付けを示す説明図である。
【図9】画像入力装置の3次元形状復元動作を示すフロ
ーチャートである。
【図10】乱れ検知手段を有する運動検出手段の構成を
示すブロック図である。
【図11】加速度センサ信号と磁気センサ信号の乱れ検
知動作を示すフローチャートである。
【図12】加速度センサ信号の乱れ補償動作を示すフロ
ーチャートである。
【図13】磁気センサ信号の乱れ補償動作を示すフロー
チャートである。
【図14】加速度センサ信号と磁気センサ信号の乱れ補
償動作を示すフローチャートである。
【図15】加速度センサ信号により算出した回転角と実
際の回転角を示す分布図である。
【図16】角速度センサ信号により算出した回転角と実
際の回転角を示す分布図である。
【図17】加速度センサ信号により算出した回転角を補
償した回転角と実際の回転角を示す分布図である。
【図18】磁気センサ信号により算出した回転角と実際
の回転角を示す分布図である。
【図19】磁気センサ信号により算出した回転角を補償
した回転角と実際の回転角を示す分布図である。
【符号の説明】
1 画像入力装置 2 撮像手段 3 焦点距離検出手段 4 運動検出手段 5 対応検出手段 6 3次元演算手段 7 記憶手段 41 センサ部 42 前処理手段 43 姿勢算出手段 44 視線ベクトル算出手段 45 並進成分算出手段 46 乱れ信号検出手段 411 加速度センサ 412 磁気センサ 413 角速度センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像手段と対応検出手段と運動検出手段
    及び3次元演算手段を有し、 撮像手段は被写体の画像を入力し、 対応検出手段は撮像手段を移動して撮像したときに、撮
    像手段から得られた複数枚の画像間の対応点を求め、 運動検出手段は姿勢算出手段と並進成分算出手段を有
    し、姿勢算出手段は撮像手段を移動して撮像するとき、
    撮像手段の姿勢情報を検出するものであり、撮像手段の
    各視点における重力方向に対する姿勢を検出する加速度
    センサと、磁気方位を検知して撮像手段の重力回りの回
    転角を検出する磁気センサと撮像手段の回転角速度を検
    知する角速度センサのいずれか一方又は双方を有し、並
    進成分算出手段は姿勢算出手段で算出した撮像手段の姿
    勢情報と対応検出手段で検出した画像間の対応点から撮
    像手段の並進運動成分を算出し、 3次元演算手段は入力した画像情報と算出した撮像手段
    の姿勢情報と並進運動成分及び特徴点の対応付け結果か
    ら被写体の3次元形状を計算して復元することを特徴と
    する画像入力装置。
  2. 【請求項2】 上記加速度センサと磁気センサのいずれ
    か一方、又は双方の出力信号の乱れを検出する乱れ信号
    検出手段を有する請求項1記載の画像入力装置。
  3. 【請求項3】 上記乱れ信号検出手段で加速度センサの
    出力信号の乱れを検出したときに、加速度センサの出力
    信号から算出した姿勢情報を磁気センサで求めた姿勢情
    報又は磁気センサで求めた姿勢情報と角速度センサで求
    めた姿勢情報で補償する請求項2記載の画像入力装置。
  4. 【請求項4】 上記乱れ信号検出手段で磁気センサの出
    力信号の乱れを検出したときに、磁気センサの出力信号
    から算出した姿勢情報を加速度センサで求めた姿勢情報
    又は加速度センサで求めた姿勢情報と角速度センサで求
    めた姿勢情報で補償する請求項2記載の画像入力装置。
  5. 【請求項5】 上記乱れ信号検出手段で加速度センサと
    磁気センサの出力信号の乱れを検出したときに、加速度
    センサと磁気センサの出力信号から算出した姿勢情報を
    角速度センサで求めた姿勢情報で補償する請求項2記載
    の画像入力装置。
  6. 【請求項6】 撮像手段を移動して複数の視点で被写体
    の画像を入力し、各視点における撮像手段の重力方向に
    対する姿勢を加速度センサで検出し、撮像手段の重力回
    りの回転角を、磁気方位を検知する磁気センサあるいは
    撮像手段の回転角速度を検知する角速度センサ又は磁気
    センサと角速度センサの両方で検出し、撮像手段の重力
    方向に対する姿勢と重力回りの回転角から撮像手段の姿
    勢情報を算出し、撮像手段から得られた複数枚の画像間
    の対応点を求め、撮像手段の姿勢情報と画像間の対応点
    から撮像手段の並進運動成分を算出し、入力した画像情
    報と算出した撮像手段の姿勢情報と並進運動成分及び特
    徴点の対応付け結果から被写体の3次元形状を計算して
    復元することを特徴とする画像入力方法。
  7. 【請求項7】 上記加速度センサと磁気センサのいずれ
    か一方又は双方の出力信号の乱れを検出する請求項6記
    載の画像入力方法。
  8. 【請求項8】 上記加速度センサの出力信号の乱れを検
    出したときに、加速度センサの出力信号から算出した姿
    勢情報を磁気センサで求めた姿勢情報又は磁気センサで
    求めた姿勢情報と角速度センサで求めた姿勢情報で補償
    する請求項6記載の画像入力方法。
  9. 【請求項9】 上記磁気センサの出力信号の乱れを検出
    したときに、磁気センサの出力信号から算出した姿勢情
    報を加速度センサで求めた姿勢情報又は加速度センサで
    求めた姿勢情報と角速度センサで求めた姿勢情報で補償
    する請求項6記載の画像入力方法。
  10. 【請求項10】 上記加速度センサと磁気センサの出力
    信号の乱れを検出したときに、加速度センサと磁気セン
    サの出力信号から算出した姿勢情報を角速度センサで求
    めた姿勢情報で補償する請求項6記載の画像入力方法。
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