JPH1130583A - 偏光解析装置 - Google Patents

偏光解析装置

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JPH1130583A
JPH1130583A JP9199253A JP19925397A JPH1130583A JP H1130583 A JPH1130583 A JP H1130583A JP 9199253 A JP9199253 A JP 9199253A JP 19925397 A JP19925397 A JP 19925397A JP H1130583 A JPH1130583 A JP H1130583A
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light
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linearly polarized
polarized light
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JP9199253A
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Inventor
Kiwa Sugiyama
喜和 杉山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い測定時間で高精度の測定が可能な偏光解
析装置。 【解決手段】 所定の偏光状態を有する光を試料に照射
し、試料から射出された光から検光子(4)を介して取
り出された直線偏光を検出する。検光子(4)は、入射
光の中心軸線(AX0)に対して所定の角度で傾いた軸
線(AX1)に沿って直線偏光を取り出すように構成さ
れ、中心軸線(AX0)を中心として検光子(4)を回
転させたときの上記傾いた軸線(AX1)の方向変化と
直線偏光の強度変化とに基づいて試料の偏光特性を測定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光解析装置に関
し、特に所定の偏光状態の光を試料に照射しその反射光
または透過光の偏光状態を解析することによって試料の
偏光特性を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、試料の偏光特性の解析には、
エリプソメーターのような偏光解析装置が広く用いられ
ている。この種の偏光解析装置には様々なタイプがある
が、一般に広く用いられているタイプの偏光解析装置で
は、偏光子を介して形成した所定偏光状態の光を試料に
入射させ、その透過光または反射光を回転する検光子を
介して検出器で受光し、回転検光子を透過した直線偏光
の強度を検出する。そして、検光子の回転角と各回転角
における検出器の出力とに基づいて、試料からの光の偏
光状態を解析し、ひいては試料の偏光特性を測定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような回転検光
子型の従来の偏光解析装置において測定時間を短縮する
には、検光子を速く回転させながらその回転角をたとえ
ばエンコーダで正確にモニターするとともに、各回転角
における光強度を迅速にサンプリングする必要がある。
検光子の回転速度を大きくすること自体はそれほど難し
くないが、高速回転する検光子の回転角を正確にモニタ
ーすること、および各回転角における光強度を迅速にサ
ンプリングすることには困難が伴う。特に、光強度のサ
ンプリングに際しては、検出器からの出力信号をアンプ
で増幅し、増幅した信号をデジタル化して保存するとい
う作業が必要である。このため、光強度のサンプリング
の速度を向上させることには自ずと限界がある。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、短い測定時間で高精度の測定が可能な偏光解
析装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、所定の偏光状態を有する光を試
料に照射するための照射系と、前記所定の偏光状態の光
に対して前記試料から射出された光から直線偏光を取り
出すための検光子と、該検光子を介して取り出された直
線偏光を検出するための検出器とを備えた偏光解析装置
において、前記検光子は、該検光子への入射光の中心軸
線に対して所定の角度で傾いた軸線に沿って前記直線偏
光を取り出すように構成され、前記中心軸線を中心とし
て前記検光子を回転させたときの前記傾いた軸線の方向
変化と前記直線偏光の強度変化とに基づいて、前記試料
の偏光特性を測定することを特徴とする偏光解析装置を
提供する。
【0006】本発明の好ましい態様によれば、前記検出
器は、前記中心軸線を中心として前記検光子を回転させ
たときに前記検光子を介して入射する前記直線偏光を受
けるように配置された複数の受光素子を有し、前記中心
軸線を中心として前記検光子を回転させたときの前記検
出器の各受光素子の出力に基づいて、前記試料の偏光特
性を測定する。この場合、前記検光子は、ウォラストン
プリズムを有し、該ウォラストンプリズムへの入射光を
互いに直交する方位を有する2つの直線偏光に分割し、
少なくとも一方の直線偏光を前記検出器へ導くように構
成されていることが好ましい。さらにこの場合、前記検
光子は、前記2つの直線偏光のうちの一方の直線偏光を
前記検出器へ導くとともに、他方の直線偏光の前記検出
器への伝搬を遮るように構成されていることが好まし
い。
【0007】本発明の別の好ましい態様によれば、前記
中心軸線を中心として前記検光子を回転させたときに前
記検光子を介した前記直線偏光が通過するように間隔を
隔てて配置された複数の光透過部を有する光透過手段
と、前記光透過手段の各光透過部を通過した前記直線偏
光を前記検出器上に集光するための集光レンズとをさら
に備え、前記中心軸線を中心として前記検光子を回転さ
せたときの前記検出器の出力タイミングと前記検出器の
出力信号とに基づいて、前記試料の偏光特性を測定す
る。この場合、前記光透過手段は、円周状に所定の間隔
を隔てて配置された複数の光透過部を有することが好ま
しい。
【0008】
【発明の実施の形態】回転検光子型の偏光解析装置の原
理については、ピー.エス.ホージおよびエフ.エイ
チ.ディルによる1973年のIBMジャーナルのリサ
ーチ・デヴェロープ(P.S. Hauge and F.H. Dill, IBM
Journal, Research, Develop(1973))や、川端による1
989年の第27巻第3号の光技術コンタクトのページ
135や、ダヴリュ.ブッドによる1962年の第1巻
第3号のアプライドオプティクスのページ201(W. B
udde, Applied Optics, Vol.1, No.3(1962), p201 )な
どを参照することができる。
【0009】以下、回転検光子型の偏光解析装置の一例
として、試料の表面に直線偏光を入射させその反射光の
偏光状態を解析することより試料表面の偏光特性を測定
する場合について説明する。このタイプの偏光解析装置
では、光源からの光が偏光子を介して直線偏光となり、
試料の表面に入射する。ここで、光の進む方向をz軸、
試料p偏光の方向をx軸、試料s偏光の方向をy軸と
し、偏光子の透過軸の方向すなわち直線偏光の方位をx
軸に対して45°に設定する。この場合、試料に入射す
る直線偏光の偏光状態を表すジョーンズベクトルAは、
次の式(1)で与えられる。
【数1】
【0010】このとき、試料表面に入射したx軸方向の
直線偏光(p偏光)およびy軸方向の直線偏光(s偏
光)は、試料表面で反射しても偏光状態が変化しない。
したがって、試料表面の反射作用を表すジョーンズ行列
Bは、次の式(2)で与えられる。
【数2】 ここで、ρは、p偏光の振幅反射率rpとs偏光の振幅
反射率rsとの比の絶対値、すなわち|rp/rs|で
ある。また、Δは、反射の際に発生するp偏光とs偏光
との位相差である。
【0011】式(1)および式(2)より、試料表面か
らの反射光の偏光状態を表すジョーンズベクトルCは、
次の式(3)で与えられる。
【数3】 式(3)のジョーンズベクトルCで表される偏光状態を
有する反射光から回転角θの検光子を介して取り出され
る直線偏光の強度I(θ)は、次の式(4)で与えられ
る。
【0012】
【数4】 ここで、検光子の回転角θは、検光子の透過軸がx軸と
重なるときにθ=0となるように初期状態が設定されて
いる。
【0013】式(4)を参照すると、定数項の係数
0 、 cos(2θ) の係数S1 、およびsin (2θ) の係数
2 は、式(5)〜(7)で表される。 S0 =(ρ2 +1)/2 (5) S1 =(ρ2 −1)/2 (6) S2 =ρ・cos(Δ) (7)
【0014】また、式(4)を参照すると、回転検光子
を透過する直線偏光の強度I(θ)は、検光子の回転角
θに対して正弦波状に変化することがわかる。したがっ
て、式(4)の強度I(θ)をθに関してフーリエ変換
することにより、定数項の係数S0 、 cos(2θ) の係数
1 およびsin (2θ) の係数S2 が求まる。そして、求
められた係数S0 〜S2 より、p偏光とs偏光との振幅
反射率の比ρおよび反射におけるp偏光とs偏光との位
相差Δを、次の式(8)および(9)にしたがってそれ
ぞれ求めることができる。
【0015】 ρ={(S0 +S1 )/(S0 −S1 )}1/2 (8) cos(Δ) =S2 /{(S0 +S1 )(S0 −S1 )}1/2 (9) このように、回転検光子型の偏光解析装置では、検光子
の回転角θに対する光強度I(θ)に基づいて、試料か
らの光の偏光状態を解析し、ひいては振幅反射率の比ρ
や位相差Δのような試料の偏光特性を測定することがで
きる。
【0016】上述のような動作原理を有する偏光解析装
置において、従来技術では回転検光子としてグラントム
ソンプリズム等を用いていたが、本発明では回転検光子
としてたとえばウォラストンプリズムを用いている。換
言すれば、従来技術では検光子への入射光の中心軸線に
沿って直線偏光を取り出していたが、本発明では検光子
への入射光の中心軸線に対して所定の角度で傾いた軸線
に沿って直線偏光を取り出す構成を採用している。した
がって、検光子を回転させたときの上記傾いた軸線の方
向変化に基づいて、エンコーダなどの計測手段でモニタ
ーすることなく、検光子の回転角を検知することができ
る。
【0017】具体的には、従来技術では1つの受光素子
からなる検出器を用いていたが、本発明では検出器の構
成として回転検光子を介して入射する直線偏光を受ける
ように配置された複数の受光素子を有する構成を採用す
ることができる。この構成の場合、直線偏光を受ける受
光素子の位置と検光子の回転角とが対応するので、検出
器の各受光素子の出力に基づいて検光子の回転角を検知
することができる。また、検出器の各受光素子について
それぞれ独立に且つ並列に信号処理を行うことができ
る。したがって、検光子を高速で回転させても、検出器
の各受光素子の出力に基づいて、検光子の回転角を高精
度にモニターするとともに、各回転角における光強度の
サンプリングを迅速に行うことができる。その結果、本
発明の偏光解析装置では、短い測定時間で高精度の測定
が可能となる。
【0018】また、本発明の別の具体的態様によれば、
回転検光子を介した直線偏光が通過するようにたとえば
円周状に間隔を隔てて配置された複数の光透過部を設
け、各光透過部を通過した直線偏光を検出器上に集光す
る構成を採用することもできる。この構成の場合、直線
偏光が通過する光透過部の位置と検光子の回転角とが対
応するので、検光子を回転させたときの検出器の出力タ
イミングに基づいて検光子の回転角を検知することがで
きる。したがって、検光子を高速で回転させても、検出
器の出力タイミングに基づいて、検光子の回転角を高精
度にモニターすることができる。
【0019】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例にかかる偏
光解析装置の全体構成を概略的に示す図である。また、
図2は、図1の偏光解析装置の要部構成を示す拡大図で
ある。図1および図2において、光の進む方向(図中水
平方向)をz軸、試料p偏光の方向(紙面に垂直な方
向)をx軸、試料s偏光の方向(図中鉛直方向)をy軸
としている。
【0020】図1の偏光解析装置は、測定光を供給する
ための光源1を備えている。光源1からの光は、偏光子
2を介して所定の偏光状態を有する光10となり、試料
3に入射する。図2においてさらに明瞭に示すように、
試料3を透過した光または試料3で反射された光11
は、ウォラストンプリズムからなる検光子4に入射す
る。複屈折性の結晶からなるウォラストンプリズム4に
入射した光11は、互いに直交する偏光方位を有する2
つの直線偏光に分割される。そして、一方の直線偏光1
2は軸線AX1に沿って集光レンズ5に入射し、他方の
直線偏光13はウォラストンプリズム4の射出面に取り
付けられた遮蔽板6によって集光レンズ5への伝搬が遮
られる。
【0021】軸線AX1に沿ってウォラストンプリズム
4から射出された直線偏光12は、集光レンズ5を介し
て、検出器7に達する。検出器7は、図3に示すよう
に、円周状に配置された複数の受光素子7aから構成さ
れている。したがって、集光レンズ5を介して集光され
た直線偏光12は、検出器7の複数の受光素子のうちの
1つの受光素子上にスポット光を形成する。ここで、ウ
ォラストンプリズム4は、入射光11の中心軸線AX0
を中心として回転可能に構成されている。また、軸線A
X1は中心軸線AX0に対して所定の角度だけ傾いてい
る。そして、中心軸線AX0を中心としてウォラストン
プリズム4を回転させると、検出器7上に形成されるス
ポット光が円を描いて各受光素子上を移動するように構
成されている。
【0022】したがって、中心軸線AX0を中心として
ウォラストンプリズム4を回転させると、ウォラストン
プリズム4の回転角に対応して、検出器7上に形成され
るスポット光の位置が、ひいてはスポット光を受光する
素子の位置が変化する。換言すれば、検出器7において
スポット光を受光した素子の位置に基づいて、すなわち
検出器7の各受光素子の出力に基づいて、エンコーダの
ような他の計測手段を用いることなく、ウォラストンプ
リズム4の回転角を高精度に検出することができる。
【0023】こうして、検出器7の各受光素子の出力に
基づいて、検光子であるウォラストンプリズム4の各回
転角θにおける直線偏光12の強度I(θ)を得ること
ができる。したがって、本発明の作用説明において詳述
したように、得られた光強度I(θ)をθに関してフー
リエ変換することにより、たとえばp偏光とs偏光との
振幅反射率の比ρや反射におけるp偏光とs偏光との位
相差Δのような試料3の偏光特性を測定することができ
る。
【0024】以上のように、第1実施例の構成では、検
出器7において直線偏光12を受光する素子の位置とウ
ォラストンプリズム4の回転角とが対応している。した
がって、エンコーダなどの計測手段でモニターすること
なく、検出器7の各受光素子の出力に基づいてウォラス
トンプリズム4の回転角を検知することができる。ま
た、検出器が1つの受光素子から構成されている従来技
術では、検光子の各回転角に応じて信号処理を順次行う
ので、検光子の回転速度を上げることが困難であった。
しかしながら、第1実施例の構成では、検出器7の各受
光素子についてそれぞれ独立に且つ並列に信号処理を行
うことができる。したがって、ウォラストンプリズム4
を高速で回転させても、検出器7の各受光素子の出力に
基づいて、ウォラストンプリズム4の回転角を高精度に
モニターするとともに、各回転角における光強度のサン
プリングを迅速に行うことができる。
【0025】また、上述のように、光強度のサンプリン
グに際して信号処理を並列に行うので、ウォラストンプ
リズム4を高速回転させることができる。したがって、
ウォラストンプリズム4を複数回回転させた後に光強度
のサンプリングを行うようにしても、測定時間をそれほ
ど要することなく、測定データの平均化をすることがで
き、さらに高い精度の測定を行うことが可能となる。
【0026】さらに、検出器7のレスポンスに比べて十
分大きい速度でウォラストンプリズム4を連続回転させ
れば、円周状に配置された受光素子上を移動するスポッ
ト光の残像効果により、各受光素子にとっては1つの円
形の光領域が形成されるのと等価な状態になる。その結
果、各受光素子からの出力信号が時間的に定常状態にな
り、各受光素子のレスポンスに比べて十分大きい時間間
隔を隔てて光強度をサンプリングすれば、受光素子のレ
スポンスの影響を受けることなく信号を随時サンプリン
グすることができる。このとき、光強度のサンプリング
に際してウォラストンプリズム4を連続回転させている
ので、ウォラストンプリズム4の回転ムラなどの影響を
受けることなく、測定データの平均化をすることがで
き、さらに高い精度の測定を行うことが可能となる。
【0027】さらに、ウォラストンプリズム4を連続回
転させて残像効果を利用する場合、各受光素子への入射
光の光量が不足するときには、検出器7を構成する受光
素子の数を少なくし、各受光素子の受光面を大きくして
各受光素子が光を受ける時間を長くすることによって測
定を可能にすることができる。この場合、受光素子のレ
スポンスに比べて十分大きい速度でウォラストンプリズ
ム4を連続回転させると、i番目の受光素子で検出され
る光強度Ii は、次の式(10)で表される。
【0028】
【数5】 ここで、θi は、図4に示すように、x軸を基準とした
i番目の受光素子の角度位置である。また、2εは、図
4に示すように、各受光素子の円弧状に延びる受光面の
拡がり角(円の中心Oと各受光素子の一端とを結ぶ線
と、円の中心Oと各受光素子の他端とを結ぶ線とがなす
角度)である。
【0029】式(10)を参照すると、検出器7を構成す
る受光素子の数を少なくした影響により、係数S1 およ
びS2 に補正係数{ sin(2ε) /2ε}がかかってくる
ことがわかる。したがって、光強度Ii をθi に関して
フーリエ変換して得られた cos(2θi ) の係数S1'およ
びsin (2θi ) の係数S2'を補正係数{ sin(2ε) /2
ε}で割れば、検出器7を構成する受光素子の数を少な
くした影響を補正した正確な測定が可能となる。
【0030】なお、上述の第1実施例では、図2に示す
ように、遮蔽板6を用いて他方の直線偏光13の検出器
7への伝搬を遮っている。しかしながら、遮蔽板6を取
り外し、他方の直線偏光13を検出器7と同様の構成を
有する別の検出器で検出することもできる。また、遮蔽
板6を取り外し、他方の直線偏光13を検出器7で直線
偏光12と同様に検出することもできる。これらの構成
によれば、2つの直線偏光に基づいてより高精度の測定
が可能となる。また、上述の第1実施例では、検光子と
してウォラストンプリズム4を用いているが、入射光の
中心軸線に対して所定の角度で傾いた軸線に沿って直線
偏光を取り出すことのできる他の光学素子を用いること
もできる。
【0031】さらに、上述の第1実施例では、図3およ
び図4に示すように、受光素子が円周状に配置された検
出器を用いている。しかしながら、このような構成の検
出器に代えて、たとえばCCDなどのように画素が十分
小さい二次元撮像素子を用いることができる。この場
合、二次元撮像素子の撮像面上の光強度分布に基づい
て、検光子の回転角と各回転角における直線偏光の強度
を検出することができる。すなわち、検光子の各回転角
におけるスポット光の強度に基づく測定ばかりでなく、
検光子を連続回転させて残像効果により撮像面上に形成
される円形状の光領域の強度分布に基づく測定も同様に
可能となる。
【0032】図5は、本発明の第2実施例にかかる偏光
解析装置の要部構成を概略的に示す図である。図5に示
す要部構成以外の構成は、図1の第1実施例に示すとお
りである。第2実施例は、第1実施例と類似の構成を有
する。しかしながら、第2実施例では、回転検光子を介
した直線偏光が通過するように配置された複数の光透過
部を設け、各光透過部を通過した直線偏光を1つの受光
素子からなる検出器上に集光する点が第1実施例と基本
的に相違する。以下、第1実施例との相違点に着目し
て、第2実施例を説明する。
【0033】第2実施例において、ウォラストンプリズ
ム4から射出された直線偏光は、光透過板8に入射す
る。光透過板8は、図5に示すように、円周状に間隔を
隔てて配置された複数の開口部を有する。そして、ウォ
ラストンプリズム4を回転させると、光透過板8に入射
した直線偏光が円を描いて各開口部上を移動するように
構成されている。こうして、光透過板8の複数の開口部
のうちの1つの開口部を通過した直線偏光は、集光レン
ズ9を介して、1つの受光素子からなる検出器17上に
集光する。
【0034】したがって、ウォラストンプリズム4を回
転させると、ウォラストンプリズム4の回転角に対応し
て、直線偏光が通過する光透過板8の開口部の位置が、
ひいては検出器17の出力タイミングが変化する。換言
すれば、検出器17の出力タイミングに基づいて、エン
コーダのような他の計測手段を用いることなく、ウォラ
ストンプリズム4の回転角を高精度に検出することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検光子を高速で回転させても、検出器の各受光素子の出
力に基づいて、検光子の回転角を高精度にモニターする
とともに、各回転角における光強度のサンプリングを迅
速に行うことができる。その結果、本発明の偏光解析装
置では、短い測定時間で高精度の測定が可能となる。ま
た、本発明の別の局面によれば、検光子を高速で回転さ
せても、検出器の出力タイミングに基づいて、検光子の
回転角を高精度にモニターすることができるので、短い
測定時間で高精度の測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる偏光解析装置の全
体構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の偏光解析装置の要部構成を示す拡大図で
ある。
【図3】図1の検出器7を構成する複数の受光素子の配
置を示す図である。
【図4】図1の検出器7において受光素子の数を少なく
した構成を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかる偏光解析装置の要
部構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 偏光子 3 試料 4 ウォラストンプリズム(検光子) 5 集光レンズ 6 遮蔽板 7、17 検出器 8 光透過板 9 集光レンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の偏光状態を有する光を試料に照射
    するための照射系と、前記所定の偏光状態の光に対して
    前記試料から射出された光から直線偏光を取り出すため
    の検光子と、該検光子を介して取り出された直線偏光を
    検出するための検出器とを備えた偏光解析装置におい
    て、 前記検光子は、該検光子への入射光の中心軸線に対して
    所定の角度で傾いた軸線に沿って前記直線偏光を取り出
    すように構成され、 前記中心軸線を中心として前記検光子を回転させたとき
    の前記傾いた軸線の方向変化と前記直線偏光の強度変化
    とに基づいて、前記試料の偏光特性を測定することを特
    徴とする偏光解析装置。
  2. 【請求項2】 前記検出器は、前記中心軸線を中心とし
    て前記検光子を回転させたときに前記検光子を介して入
    射する前記直線偏光を受けるように配置された複数の受
    光素子を有し、 前記中心軸線を中心として前記検光子を回転させたとき
    の前記検出器の各受光素子の出力に基づいて、前記試料
    の偏光特性を測定することを特徴とする請求項1に記載
    の偏光解析装置。
  3. 【請求項3】 前記検光子は、ウォラストンプリズムを
    有し、該ウォラストンプリズムへの入射光を互いに直交
    する方位を有する2つの直線偏光に分割し、少なくとも
    一方の直線偏光を前記検出器へ導くように構成されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の偏光解析装置。
  4. 【請求項4】 前記検光子は、前記2つの直線偏光のう
    ちの一方の直線偏光を前記検出器へ導くとともに、他方
    の直線偏光の前記検出器への伝搬を遮るように構成され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の偏光解析装
    置。
  5. 【請求項5】 前記検出器は、第1の検出器と、第2の
    検出器とを有し、 前記検光子は、前記2つの直線偏光のうちの一方の直線
    偏光を前記第1の検出器へ導くとともに、他方の直線偏
    光を前記第2の検出器へ導くように構成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の偏光解析装置。
  6. 【請求項6】 前記検出器は、円周状に配置された複数
    の受光素子を有することを特徴とする請求項2乃至5の
    いずれか1項に記載の偏光解析装置。
  7. 【請求項7】 前記検出器は、二次元的に配置された複
    数の受光素子を有することを特徴とする請求項2乃至5
    のいずれか1項に記載の偏光解析装置。
  8. 【請求項8】 前記中心軸線を中心として前記検光子を
    回転させたときに前記検光子を介した前記直線偏光が通
    過するように間隔を隔てて配置された複数の光透過部を
    有する光透過手段と、 前記光透過手段の各光透過部を通過した前記直線偏光を
    前記検出器上に集光するための集光レンズとをさらに備
    え、 前記中心軸線を中心として前記検光子を回転させたとき
    の前記検出器の出力タイミングと前記検出器の出力信号
    とに基づいて、前記試料の偏光特性を測定することを特
    徴とする請求項1に記載の偏光解析装置。
  9. 【請求項9】 前記光透過手段は、円周状に所定の間隔
    を隔てて配置された複数の光透過部を有することを特徴
    とする請求項8に記載の偏光解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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