JPH11304864A - 巻線機器の監視装置および監視方法 - Google Patents

巻線機器の監視装置および監視方法

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JPH11304864A
JPH11304864A JP10982098A JP10982098A JPH11304864A JP H11304864 A JPH11304864 A JP H11304864A JP 10982098 A JP10982098 A JP 10982098A JP 10982098 A JP10982098 A JP 10982098A JP H11304864 A JPH11304864 A JP H11304864A
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statistic
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current pulse
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JP10982098A
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Inventor
Keiichi Ito
恵一 伊藤
Kichiji Kaneda
吉治 兼田
Takao Tsurimoto
崇夫 釣本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)
  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な運転条件を設定しなくても巻線異常や
絶縁劣化を正確に監視することができる巻線機器の監視
装置および監視方法を提供する。 【解決手段】 巻線機器1の巻線2に印可される電流お
よび電圧を検出し、それらの値から巻線機器1の負荷を
計算する負荷測定手段201と、巻線2の温度を測定す
る温度測定手段202と、巻線2における運転中の部分
放電に起因する高周波電流パルスを測定する高周波電流
パルス測定手段203と、高周波電流パルスの統計量を
計算する統計量計算手段204と、負荷、温度および統
計量の3次元空間内の相関関係を示す面を算出する相関
関係計算手段205と、相関関係を示す面の特徴量を算
出する相関特徴量算出手段206と、特徴量から巻線機
器の巻線異常および絶縁劣化の判定をする異常劣化判定
手段207とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高電圧巻線機器
の巻線異常や絶縁劣化などを運転中の電気信号に基づい
て監視する巻線機器の監視装置および監視方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、巻線機器の信頼性を確保すると同
時に稼働率を向上させ、また保守費用を削減するため、
運転中に巻線機器の状態を監視する方法が用いられてい
る。巻線機器の異常や絶縁劣化を判定する方法として
は、運転中に発生する部分放電に起因する高周波電流を
巻線機器の電源線路に接続したキャパシタンス、アンテ
ナ、変流器などで測定する方法が用いられる。
【0003】一般に、巻線機器で発生する部分放電は運
転状態により変化することが知られている。巻線機器の
運転中に部分放電を測定する方法としては、例えば、特
公平8−2590175号公報に示された方法がある。
この中で示されている回転電機の監視方法では、まず負
荷の測定が行われ、また電源線路からの部分放電の測定
が行われ、両者の相関関係から巻線異常および絶縁劣化
を監視している。そしてこの中にはさらに、回転電機に
おいて、固定子巻線外部に劣化や損傷もしくは巻線固定
力の低下があると、急激な負荷電流の変化に伴って部分
放電が頻繁に発生することが示されている。
【0004】また、G.C.Stoneらは、「DEVELOPMENT OF
AN AUTOMATIC CONTINUOUS ON-LINEPARTIAL DISCHARGE M
ONITOR FOR GENERARORS」(4th International Conferen
ceon Generator and Motor Partial Discharge Testin
g, Texas, May 1996)の中で次のように述べている。す
なわち、水車発電機において、運転中の負荷上昇による
固定子巻線の温度上昇に伴い、電源線路からの部分放電
の量が低下することを述べている。そして、部分放電の
量が低下する原因としては、高温時には劣化した樹脂部
分が膨張し絶縁層内部の欠陥を圧縮することが予想され
ている。
【0005】さらにまた、伊藤らは、「タービン発電機
の運転中絶縁診断装置の開発 −運転状態による部分放
電・ノイズの特性変化−」(平成9年電気学会電力・エ
ネルギー部門大会)の中で、タービン発電機において
も、負荷と温度の上昇に伴い運転中に部分放電が低下す
ることを報告している。
【0006】また、J.K. Nelsonらは、「Partial Disch
arge Characterization of Machineby the Transfer of
Reactive Power」(IEEE Annual Report CEIDP, San Fr
ancisco, Oct. 1996)の中で、水車発電機の運転中、部
分放電において力率の変化に伴い大きさが変化するとと
もに電源電圧位相に対する部分放電の発生位相が変化す
ることを報告している。これは力率の変化により巻線に
鎖交する磁界と電流との位相差が変化するためと考えら
れている。さらに回転電機の固定子巻線では、固定子外
側の巻線外表面における電界緩和部の異常や汚損により
部分放電が発生する。このような放電は負荷変化や温度
変化にあまり依存しないと予想されている。
【0007】上述のような従来の方法において、物理的
には負荷および力率の変化は巻線に働く電磁力の変化に
対応しており、一方、温度の変化は熱応力の変化に対応
している。これら電磁力の変化と熱応力の変化が部分放
電の発生源となって巻線異常や絶縁劣化の状態を変化さ
せている。電磁力と熱応力は物理的に独立であるので、
部分放電特性の変化から巻線異常や絶縁劣化の種類を想
定することは比較的容易である。したがって、負荷、力
率、温度のそれぞれを個別に変化させて部分放電を測定
すれば巻線異常や絶縁劣化の形態を推定することができ
る。
【0008】ところが、巻線機器における通常の運転で
は力率はほぼ一定であり、負荷の変化と温度の変化は連
動している。そして、通常どちらか一方のみを自由に変
化させることは困難である。一方、急激な負荷変化時な
ど特殊な条件下では絶縁物周辺の温度変化は時間的に遅
れる。そのため、はじめに負荷変化による部分放電の変
化を測定し、その後に温度変化による部分放電の変化を
測定することは不可能ではない。しかしながら、このよ
うな特殊な運転条件は機種や動作環境などの外的な要因
により実施できないことが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
では、起動停止や比較的穏やかな負荷変動のような通常
の運転における部分放電測定のみによって巻線異常や絶
縁劣化の形態を十分に推定することができなかった。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、特殊な運転条件を設定しなくて
も巻線異常や絶縁劣化を正確に監視することができる巻
線機器の監視装置および監視方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る巻線機器
の監視装置は、巻線機器の巻線に流れる電流および印加
電圧を検出し、それらの値から巻線機器の負荷を計算す
る負荷測定手段と、巻線の温度を測定する温度測定手段
と、巻線における運転中の部分放電に起因する高周波電
流パルスを測定する高周波電流パルス測定手段と、高周
波電流パルス測定手段の測定結果より高周波電流パルス
の統計量を計算する統計量計算手段と、負荷、温度およ
び統計量の3次元空間内の相関関係を示す面を算出する
相関関係計算手段と、相関関係を示す面の特徴量を算出
する相関特徴量算出手段と、特徴量から巻線機器の巻線
異常および絶縁劣化の判定をする異常劣化判定手段とを
備えている。
【0012】また、高周波電流パルスの極性を判別する
極性判別手段を有し、統計量計算手段および相関特徴量
算出手段は、高周波電流パルスの極性に基づいて、統計
量および特徴量を極性毎に求める。
【0013】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の平均傾度およびその方向である。
【0014】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の最大傾度点での傾度およびその方向
である。
【0015】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の最大傾度点の位置である。
【0016】また、特徴量を経時的に記憶する記憶手段
を有し、異常劣化判定手段は、特徴量の経時変化から巻
線機器の巻線異常および絶縁劣化の判定をする。
【0017】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの最大値である。
【0018】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの積分値である。
【0019】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの平均パルス数である。
【0020】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの開始位相である。
【0021】また、この発明に係る巻線機器の監視方法
は、巻線機器の巻線に流れる電流および印加電圧を検出
し、それらの値から巻線機器の負荷を計算する負荷測定
工程と、巻線の温度を測定する温度測定工程と、巻線に
おける運転中の部分放電に起因する高周波電流パルスを
測定する高周波電流パルス測定工程と、高周波電流パル
ス測定工程の測定結果より高周波電流パルスの統計量を
計算する統計量計算工程と、負荷、温度および統計量の
3次元空間内の相関関係を示す面を算出する相関関係計
算工程と、相関関係を示す面の特徴量を算出する相関特
徴量算出工程と、特徴量から巻線機器の巻線異常および
絶縁劣化の判定をする異常劣化判定工程とを備えてい
る。
【0022】また、高周波電流パルスの極性を判別する
極性判別工程を有し、統計量および特徴量は、各極性毎
に求められる。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
巻線機器の監視装置の概略構成図である。また、図2は
運転中の巻線機器における負荷と温度の関係を示す図で
ある。さらに、図3は巻線機器の負荷電流と温度と放電
に基づく高周波電流パルスの統計量からなる3次元空間
内の相関関係を表す相関面形状の一例を示す図である。
図1において、1は巻線機器である発電機である。発電
機1は巻線である固定子巻線2としてU、V、W相の三
相の巻線を有している。この固定子巻線2にはU、V、
W相からなる母線3が接続されている。
【0024】発電機1の固定子巻線2には、中性点付近
に変流器4が設置されている。変流器4は、発電機1の
負荷電流を取り出す。変流器4には、さらにA/D変換
器51が接続され、そしてA/D変換器51の出力は、
演算装置6に入力されている。A/D変換器51は、変
流器4が検出した負荷電流をデジタル信号に変換して演
算装置6に入力する。
【0025】一方、固定子巻線2に接続された母線3に
は、変成器7が接続されている。変成器7は、発電機1
に加えられる電圧を取り出す。変成器7には、さらにA
/D変換器52が接続され、そしてA/D変換器52の
出力は、演算装置6に入力されている。A/D変換器5
2は、変成器7が取り出した電圧をデジタル信号に変換
し演算装置6に入力する。そして、演算装置6の内部の
負荷計算部61にて、上述の負荷電流とこの電圧の積が
計算され、発電機1の負荷が算出される。変流器4、A
/D変換器51、変成器7、A/D変換器52および負
荷計算部61は、発電機1の負荷を測定する負荷測定手
段201を構成している。負荷は、所定の測定時間内
に、所定のタイミングをもって多数サンプリングされ、
演算装置6内の図示しないメモリに記憶される。所定の
測定時間内には、起動や停止および比較的穏やかな負荷
変動が発生し、種々の運転条件に対応するデータがサン
プリングされる。
【0026】また、発電機1には、固定子巻線2に隣接
して複数の白金抵抗体81、82、83が設置されてい
る。これら複数の白金抵抗体81,82,83は、切り
替え器9を介して温度計10に接続されている。温度計
10には、さらにA/D変換器53が接続され、そして
A/D変換器53の出力は、演算装置6に入力されてい
る。白金抵抗体81,82,83および温度計10は、
固定子巻線2の各々の相の温度を測定する。測定された
温度は、A/D変換器53によりデジタル信号に変換さ
れた後に演算装置6に入力される。そして、演算装置6
の温度計算部62によって、最大値、最小値および平均
値が求められる。白金抵抗体81,82,83、切り替
え器9、温度計10、A/D変換器53および温度計算
部62は、発電機1の温度を測定する温度測定手段20
2を構成している。温度は、所定の測定時間内に、所定
のタイミングをもって多数サンプリングされ、演算装置
6内の図示しないメモリに記憶される。
【0027】さらにまた、固定子巻線2に接続される電
源線路である母線3の各U、V、W相には、高周波特性
が良く部分放電が発生しない固体コンデンサである結合
コンデンサ111,112,113が接続されている。
これらの結合コンデンサ111,112,113は、そ
れぞれ検出器121,122,123に接続されてい
る。検出器121,122,123には、さらにA/D
変換器54,55,56が接続され、それぞれのA/D
変換器の出力は、演算装置6に入力されている。
【0028】結合コンデンサ111,112,113
は、各U、V、W相の放電による高周波電流パルスを取
り出し、検出器121,122,123に与える。そし
て各々の検出器121,122,123の出力は、A/
D変換器54、55、56によりデジタル信号に変換さ
れて演算装置6に入力される。演算装置6に入力された
デジタル信号は、まず電磁雑音除去部63で電磁雑音が
除去され、一方、極性判別部64で高周波電流パルスの
極性が判別される。結合コンデンサ111,112,1
13、検出器121,122,123、A/D変換器5
4、55、56および電磁雑音除去部63は、母線3の
放電に基づく高周波電流パルスを測定する高周波電流パ
ルス測定手段203を構成している。また、極性判別部
64は、高周波電流パルスの極性を判別する極性判別手
段209を構成している。
【0029】電磁雑音除去部63および極性判別部64
の出力は、さらに演算装置6内の統計量計算部65に入
力される。統計量計算部65は、電磁雑音除去部63お
よび極性判別部64の出力に基づいて、高周波電流パル
スの最大値、積分値、平均パルス数および開始位相等の
統計量を計算する。統計量計算部65は、高周波電流パ
ルスの統計量を求める統計量計算手段204を構成して
いる。これらの統計量は、所定の測定時間内に、所定の
タイミングをもって多数サンプリングされ、演算装置6
内の図示しないメモリに各極性毎に記憶される。
【0030】演算装置6の相関計算部66は、メモリに
記憶された、多数の負荷、温度およびいずれかの統計量
から3次元空間内の相関関係を示す面を算出する。相関
計算部66は、負荷、温度および統計量の3次元空間内
の相関関係を示す面を算出する相関関係計算手段205
を構成している。
【0031】そしてさらに、相関特徴量計算部67は、
この相関関係を示す面の平均傾度とその方向、最大傾度
点での傾度とその方向および最大傾度点の位置などの特
徴量を計算する。相関特徴量計算部67は、相関関係を
示す面の特徴量を算出する相関特徴量算出手段206を
構成している。
【0032】この特徴量は、異常劣化判定部68で予め
図示しないメモリに設定されているデータと比較され
て、所定の範囲を越えているか否かが判定される。異常
劣化判定部68は、特徴量から巻線機器の巻線異常およ
び絶縁劣化の判定をする異常劣化判定手段207を構成
している。異常劣化判定部68の判定は、表示装置14
にて表示されるとともに、記憶装置13に記録される。
表示装置14および記憶装置13は、外部機器として演
算装置6に接続されている。記憶装置13は、特徴量を
経時的に記憶する記憶手段208を構成している。
【0033】尚、異常劣化判定部68および表示装置1
4は、必要に応じて記憶装置13に記録した過去の特徴
量の計算結果を読み出し、経時変化として所定の範囲を
越えているか否かを判断し表示する機能も有している。
【0034】図2は運転中の発電機1の負荷15と温度
16の関係を示す図である。縦軸に温度16、横軸に負
荷15を表している。準定常状態における負荷15と温
度16の関係は、線17に示されるように直線的な相関
関係である。負荷変動が一定速度で変化し、かつ巻線温
度の変化速度より早い発電機1においては、負荷と温度
の関係を示す線は、負荷上昇過程においては、図2に斜
線で示す18の領域内に存在する。一方、負荷下降過程
においては、図2に格子で示す19の領域内に存在す
る。尚、図2中の複数の破線は、種々の負荷変動の例を
示す。
【0035】温度が最大および最低を保ったまま負荷変
動することを示す実線21は、言うなれば、急激な負荷
変化を示しており、特殊な運転状態でしか現れない。そ
して、負荷15の変化に相当する電磁力の変化と、温度
16の変化に相当する熱応力の変化とが、実際に独立し
て変化するのは実線21上である。しかしながら、この
負荷15と温度16の関係を示す図2を3次元グラフの
底面として、この上に多数の異なる運転状態での放電の
統計量を記録すれば、通常運転に現れる変化領域18お
よび19において、電磁力に対する放電の統計量の変化
および熱応力に対する放電の統計量の変化を知ることが
できる。
【0036】図3は運転中の発電機1の各運転状態にお
ける負荷15と温度16と放電の統計量22の一例を示
したものである。ここで使用する放電の統計量として
は、想定される巻線異常や絶縁劣化に起因する放電源
が、電磁力や熱応力により変化する種々の要因から、状
態監視する上でデータ量と計算量が少ない以下のものを
使用する。これにより高速かつ低コストに信頼性の高い
判定結果が得られる。 (1)最大値 :所定時間内の高周波電流パルスの最大
値、 (2)積分値 :高周波電流パルスの大きさを所定の時
間積分したもの (3)パルス数:高周波電流パルスの平均パルス数 (4)開始位相:高周波電流パルスの放電開始位相(パ
ルス性高周波電流パルスが各電源半周期に初めて発生す
る開始位相)。
【0037】図3より電磁力に対する放電の統計量の変
化と熱応力に対する放電の統計量の変化を明らかでき
る。つまり、負荷15と温度16と放電の統計量22と
の相関を示す相関面形状の傾度と向きを計算すると、巻
線異常や絶縁劣化の種類を推定できる。具体的には、相
関面形状の傾度が電磁力増加に対応する負荷増加の方向
に大きいならば、巻線外部表面の損傷や巻線固定力の低
下などが予想される。一方、相関面形状の傾度が熱応力
の低下に対応する温度低下の方向に大きいならば、巻線
絶縁層内部の欠陥などが予想される。さらに、相関面形
状の傾度が小さいときは異常や劣化がないか、もしくは
固定子外側の巻線外表面における電界緩和部の異常や汚
損などが予想される。
【0038】さらにまた、巻線異常や絶縁劣化の進行の
程度は放電の統計量の変化率が大きい位置(最大傾度点
の位置)の温度と負荷の大きさ、またはその経時変化に
より明らかにできる。電磁力がより小さい低負荷や熱応
力が大きくなる高温で統計量の変化率が大きい場合は異
常や劣化が進行していると予想できる。
【0039】このような構成の巻線機器の監視装置にお
いては、発電機1の負荷と温度と放電に基づく高周波電
流パルスの統計量とを測定し、これら3者からなる3次
元空間内の相関関係を示す相関面形状から巻線機器の巻
線異常および絶縁劣化を監視している。そのため、発電
機1の起動停止や負荷変動の下で放電を測定すると、電
磁力の変化または熱応力の変化にともなう部分放電の統
計量の変化が把握でき、巻線機器の巻線異常および絶縁
劣化を十分にまた正確に監視することが可能になる。
【0040】また、極性判別部64を有し、放電の統計
量、相関面形状、特徴量および特徴量が所定の範囲を越
えているか否かは、各極性毎に求められる。そのため、
放電発生場所に局所的な電界の集中や異なる材料の間隙
が存在するか否かを判定することが可能になり、より詳
細な異常や劣化の監視が可能となる。
【0041】また、特徴量を経時的に記憶する記憶装置
13を有し、異常劣化判定部68は、特徴量の経時変化
が所定の変化量を越えているか否かを巻線機器の巻線異
常および絶縁劣化の有無として表示する。そのため、異
常や劣化の進行の程度をより確実に知ることが可能にな
るとともに寿命予測が可能となる。
【0042】尚、上述の特徴量を相関面形状の平均傾度
およびその方向とした場合には、より少ない運転条件か
ら得られた放電の統計量から簡便に相関関係の特徴量が
抽出でき、運転条件の変化の少ないベース負荷用電力機
器も監視することが可能になる。また、特徴量を相関面
形状の最大傾度点での傾度およびその方向とした場合に
は、統計量の変化幅が小さくても確実に相関関係の特徴
量が抽出でき、より高感度に巻線異常や絶縁劣化を監視
することができる。さらにまた、特徴量を相関面形状の
最大傾度点の位置とした場合には、放電の統計量が最も
大きく変化する電磁力と温度が分かり、異常や劣化の進
行の程度を知ることが可能になる。
【0043】尚、この発明はこの実施の形態のみ限定さ
れず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施でき
る。例えば、本実施の形態においては、母線3に接続さ
れた結合コンデンサ111,112,113により放電
による高周波電流パルスが検出されたが、固定子巻線2
に隣接した白金抵抗体81,82,83のリード線に誘
起される高周波電流パルスが検出されてもよい。
【0044】
【発明の効果】この発明に係る巻線機器の監視装置は、
巻線機器の巻線に流れる電流および印加電圧を検出し、
それらの値から巻線機器の負荷を計算する負荷測定手段
と、巻線の温度を測定する温度測定手段と、巻線におけ
る運転中の部分放電に起因する高周波電流パルスを測定
する高周波電流パルス測定手段と、高周波電流パルス測
定手段の測定結果より高周波電流パルスの統計量を計算
する統計量計算手段と、負荷、温度および統計量の3次
元空間内の相関関係を示す面を算出する相関関係計算手
段と、相関関係を示す面の特徴量を算出する相関特徴量
算出手段と、特徴量から巻線機器の巻線異常および絶縁
劣化の判定をする異常劣化判定手段とを備えている。そ
のため、特殊な運転条件を設定しなくても巻線異常や絶
縁劣化を正確に監視することができる。
【0045】また、高周波電流パルスの極性を判別する
極性判別手段を有し、統計量計算手段および相関特徴量
算出手段は、高周波電流パルスの極性に基づいて、統計
量および特徴量を極性毎に求める。そのため、より詳細
な巻線異常や絶縁劣化の監視が可能となる。
【0046】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の平均傾度およびその方向である。そ
のため、より少ない運転条件から得られた放電の統計量
から簡便に相関関係の特徴量が抽出でき、運転条件の変
化の少ないベース負荷用電力機器も監視することが可能
になる。
【0047】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の最大傾度点での傾度およびその方向
である。そのため、統計量の変化幅が小さくても確実に
相関関係の特徴量が抽出でき、より高感度に巻線異常や
絶縁劣化を監視することができる。
【0048】また、相関特徴量算出手段の算出する特徴
量は、相関面形状の最大傾度点の位置である。そのた
め、放電の統計量が最も大きく変化する電磁力と温度が
分かり、異常や劣化の進行の程度を知ることが可能にな
る。
【0049】また、特徴量を経時的に記憶する記憶手段
を有し、異常劣化判定手段は、特徴量の経時変化から巻
線機器の巻線異常および絶縁劣化の判定をする。そのた
め、異常や劣化の進行の程度をより確実に知ることが可
能になるとともに寿命予測が可能となる。
【0050】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの最大値である。そのため、最も
進行した異常や劣化から発生する放電を監視できるとと
もに、電磁力および熱応力による放電源の物理的状態変
化を高感度に検出できる。
【0051】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの積分値である。そのため、放電
による発生エネルギーが大きい異常や劣化を監視できる
とともに、異常や劣化の広がりの程度を知ることができ
る。さらに少ない記憶容量と簡便な演算処理で放電の統
計量を算出することができる。
【0052】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの平均パルス数である。そのた
め、異常や劣化の広がりの程度を知ることができる。さ
らに少ない記憶量と簡便な演算処理で放電の統計量を算
出することができる。
【0053】また、統計量計算手段の算出する統計量
は、高周波電流パルスの開始位相である。そのため、複
数の異常や劣化の中で最も放電が開始しやすいものを選
択的に監視できる。
【0054】また、この発明に係る巻線機器の監視方法
は、巻線機器の巻線に流れる電流および印加電圧を検出
し、それらの値から巻線機器の負荷を計算する負荷測定
工程と、巻線の温度を測定する温度測定工程と、巻線に
おける運転中の部分放電に起因する高周波電流パルスを
測定する高周波電流パルス測定工程と、高周波電流パル
ス測定工程の測定結果より高周波電流パルスの統計量を
計算する統計量計算工程と、負荷、温度および統計量の
3次元空間内の相関関係を示す面を算出する相関関係計
算工程と、相関関係を示す面の特徴量を算出する相関特
徴量算出工程と、特徴量から巻線機器の巻線異常および
絶縁劣化の判定をする異常劣化判定工程とを備えてい
る。そのため、巻線機器の運転中に、巻線機器の巻線異
常や絶縁劣化を正確に監視することができる。
【0055】また、高周波電流パルスの極性を判別する
極性判別工程を有し、統計量および特徴量は、各極性毎
に求められる。そのため、より詳細な巻線異常や絶縁劣
化の監視をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の巻線機器の監視装置の概略構成図
である。
【図2】 運転中の巻線機器における負荷と温度の関係
を示す図である。
【図3】 巻線機器の負荷電流と温度と放電に基づく高
周波電流の統計量からなる3次元空間内の相関関係を表
す相関面形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 発電機(巻線機器)、2 固定子巻線(巻線)、2
01 負荷測定手段、202 温度測定手段、203
高周波電流パルス測定手段、204 統計量計算手段、
205 相関関係計算手段、206 相関特徴量算出手
段、207 異常劣化判定手段、208 記憶手段、2
09 極性判別手段。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線機器の巻線に流れる電流および印加
    電圧を検出し、それらの値から巻線機器の負荷を計算す
    る負荷測定手段と、 上記巻線の温度を測定する温度測定手段と、 上記巻線における運転中の部分放電に起因する高周波電
    流パルスを測定する高周波電流パルス測定手段と、 上記高周波電流パルス測定手段の測定結果より上記高周
    波電流パルスの統計量を計算する統計量計算手段と、 上記負荷、上記温度および上記統計量の3次元空間内の
    相関関係を示す面を算出する相関関係計算手段と、 上記相関関係を示す面の特徴量を算出する相関特徴量算
    出手段と、 上記特徴量から上記巻線機器の巻線異常および絶縁劣化
    の判定をする異常劣化判定手段とを備えたことを特徴と
    する巻線機器の監視装置。
  2. 【請求項2】 上記高周波電流パルスの極性を判別する
    極性判別手段を有し、上記統計量計算手段および上記相
    関特徴量算出手段は、該高周波電流パルスの極性に基づ
    いて、上記統計量および上記特徴量を極性毎に求めるこ
    とを特徴とする請求項1記載の巻線機器の監視装置。
  3. 【請求項3】 上記相関特徴量算出手段の算出する上記
    特徴量は、上記相関面形状の平均傾度およびその方向で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の巻線機器
    の監視装置。
  4. 【請求項4】 上記相関特徴量算出手段の算出する上記
    特徴量は、上記相関面形状の最大傾度点での傾度および
    その方向であることを特徴とする請求項1または2記載
    の巻線機器の監視装置。
  5. 【請求項5】 上記相関特徴量算出手段の算出する上記
    特徴量は、上記相関面形状の最大傾度点の位置であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の巻線機器の監視
    装置。
  6. 【請求項6】 上記特徴量を経時的に記憶する記憶手段
    を有し、異常劣化判定手段は、該特徴量の経時変化から
    上記巻線機器の巻線異常および絶縁劣化の判定をするこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の巻線機
    器の監視装置。
  7. 【請求項7】 上記統計量計算手段の算出する上記統計
    量は、上記高周波電流パルスの最大値であることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか記載の巻線機器の監視
    装置。
  8. 【請求項8】 上記統計量計算手段の算出する上記統計
    量は、上記高周波電流パルスの積分値であることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか記載の巻線機器の監視
    装置。
  9. 【請求項9】 上記統計量計算手段の算出する上記統計
    量は、上記高周波電流パルスの平均パルス数であること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の巻線機器
    の監視装置。
  10. 【請求項10】 上記統計量計算手段の算出する上記統
    計量は、上記高周波電流パルスの開始位相であることを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の巻線機器の
    監視装置。
  11. 【請求項11】 巻線機器の巻線に流れる電流および印
    加電圧を検出し、それらの値から巻線機器の負荷を計算
    する負荷測定工程と、 上記巻線の温度を測定する温度測定工程と、 上記巻線における運転中の部分放電に起因する高周波電
    流パルスを測定する高周波電流パルス測定工程と、 上記高周波電流パルス測定工程の測定結果より上記高周
    波電流パルスの統計量を計算する統計量計算工程と、 上記負荷、上記温度および上記統計量の3次元空間内の
    相関関係を示す面を算出する相関関係計算工程と、 上記相関関係を示す面の特徴量を算出する相関特徴量算
    出工程と、 上記特徴量から上記巻線機器の巻線異常および絶縁劣化
    の判定をする異常劣化判定工程とを備えたことを特徴と
    する巻線機器の監視方法。
  12. 【請求項12】 上記高周波電流パルスの極性を判別す
    る極性判別工程を有し、上記統計量および上記特徴量
    は、各極性毎に求められることを特徴とする請求項11
    記載の巻線機器の監視方法。
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