JPH11304801A - 間接抗原固定化による自己抗体検出方法 - Google Patents

間接抗原固定化による自己抗体検出方法

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JPH11304801A
JPH11304801A JP10743998A JP10743998A JPH11304801A JP H11304801 A JPH11304801 A JP H11304801A JP 10743998 A JP10743998 A JP 10743998A JP 10743998 A JP10743998 A JP 10743998A JP H11304801 A JPH11304801 A JP H11304801A
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Koji Igarashi
浩二 五十嵐
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に調製し得る抗原が使用可能で、仮に抗原
の純度が低くとも検出感度が低下することがなく、しか
も抗原の方向性を制御することが可能で結果として抗原
の使用量を低減し得る自己抗体等の抗体の検出方法等を
提供する。 【解決手段】抗体を介して水不溶性担体に結合させた抗
原を用いることを特徴とする、抗体の免疫学的検出方法
及び抗体を介して水不溶性担体に結合させた抗原を含
む、抗体を免疫学的に検出するための試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗体を介して水不
溶性担体に結合させた抗原を用いることを特徴とする、
自己抗体に代表される抗体の免疫学的検出方法等に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自己抗体は自己の構成成分に対して自己
の抗体産生細胞が産生した抗体であり、自己体内の細胞
や組織と免疫反応を生じて自己免疫疾患を生じる。自己
抗体を検出して自己免疫疾患を診断するための手段の一
つとして診断抗原抗体反応を利用する免疫学的検出方法
が知られている。
【0003】従来の免疫学的検出方法は、血液等の体液
中に存在する自己抗体を、例えば抗原を担体に物理的に
直接吸着し又は抗原を各種官能基を含むスぺーサーを介
して担体に化学的に結合させ、試料を混合し、抗原に結
合した自己抗体をアイソトープや酵素等で標識したプロ
テインA又は抗ヒトイムノグロブリン抗体にて検出する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法で
は(1)多量の抗原が必要となるが、自己免疫疾患等を
診断するための自己抗体の検出に必要な抗原はヒト由来
であるため、これをヒト組織からの精製したり組換え微
生物を用いて調製するのは煩雑で試薬コストが高くな
る、(2)使用する抗原の純度が低く不純物が共存して
いると、該不純物に対する自己抗体が結合することがあ
り、結果的に目的とする自己抗体等の検出感度が低下す
る、(3)抗原を担体へ物理的に吸着したり各種官能基
を含むスペーサーを介して化学的に結合させる際に抗原
の方向性を制御することが困難であるため、吸着し又は
結合した抗原のエピトープ(抗体結合部位)が免疫反応
に関与し得ない状態となってしまい、結合に用いた抗原
量と実際に自己抗体との免疫反応に関与する抗原量が一
致せず、結果的に大量の抗原を使用しなければならな
い、という課題がある。ここで第3番目の課題は、第1
番目の課題と関連する。即ち上記したようにヒト由来の
抗原は調製が煩雑で試薬コストが高いが、従来の方法で
はこのような高価なヒト由来抗原を大量に使用しなけれ
ばならないのである。 そこで本発明の目的は、容易に
調製し得る抗原が使用可能で、仮に抗原の純度が低くと
も検出感度が低下することがなく、しかも抗原の方向性
を制御することが可能で結果として抗原の使用量を低減
し得る抗体の検出方法等を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に成された本発明の免疫学的検出方法は、抗体を介して
水不溶性担体に結合させた抗原を用いることを特徴とす
る、抗体の免疫学的検出方法である。また本発明は、か
かる抗体の免疫学的検出方法に使用される、抗体を介し
て水不溶性担体に結合させた抗原を含む、抗体を免疫学
的に検出するための試薬である。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0006】本発明は、抗体を介して水不溶性担体に結
合させた抗原を使用することに特徴を有する。水不溶性
担体は従来の免疫学的検出方法で使用されている多種多
様のもののうち、抗体を直接的又は間接的に結合する表
面を提供するものを制限なく使用することができる。例
えばスチレン等の熱可塑性樹脂で製造された、粒子状又
は板状のものを例示できるが、例えば適当な反応容器の
内壁自体を水不溶性担体として本発明を実施することも
可能である。また、その表面自体は抗体を直接的又は間
接的に結合し得ない場合には、例えば適当な樹脂を用い
て担体表面を被覆しても良い。
【0007】水不溶性担体の大きさに制限はなく、例え
ば粒子径が数百μm程度の比較的小さいものから粒子径
が1cm程度の比較的大きなものまで、任意に選択する
ことができる。
【0008】水不溶性担体は、懸濁可能であっても懸濁
不能であっても特に制限はないが、後述するいわゆる2
ステップ法により本発明を実施しようとする場合には水
に対する比重の大きい、懸濁不能のものを使用すること
が好ましい。また例えば、熱可塑性樹脂の内部に鉄やフ
ェライト等の磁性物質を練り込んだ粒子状の水不溶性担
体のように、外部から磁力を作用させることにより試料
と効率的に混合させ得るものであっても良い。
【0009】抗原は水不溶性担体に抗体を介して結合さ
せる。ここで、検出しようとする抗体と免疫反応する抗
原は抗体との免疫反応により結合されるが、該抗体自体
は水不溶性担体に直接化学的に結合され或いは直接物理
的に吸着されていても良いし、更に第2の抗体(該抗体
に対する抗体)を介する等して間接的に結合していても
良い。間接的に結合させる例としては前述の第2の抗体
を使用すること以外に、例えばアビジン・ビオチンや相
補的核酸等の、結合ペアを使用することもできる。後者
の例としては、例えば抗原と結合する抗体にアビジンや
相補的核酸の一方を化学的に結合しておき、水不溶性担
体にはビオチンや相補的核酸の他方を化学的に結合して
おくことが例示できる。
【0010】水不溶性担体は、抗原を結合させるに先立
っていわゆるブロッキング処理を行うことが好ましい。
ブロッキング処理には、牛血清アルブミン(BSA)
等、検出しようとする抗体と特異的に結合しない蛋白質
等を用いることができるが、従来から実施されているブ
ロッキング処理の内容を参照して適宜実施することがで
きる。
【0011】水不溶性担体に直接的又は間接的に結合さ
れる、検出しようとする抗体と免疫反応する抗原に対す
る抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体
のいずれでも良いが、検出しょうとする抗体と免疫反応
する抗原の方向性を制御し、抗原のエピトープ(抗体結
合部位)が免疫反応に好都合な状態とするためにはモノ
クローナル抗体を使用することが好ましい。ポリクロー
ナル抗体であっても抗原の一部分からなるペプチド等を
用いて精製操作を行えば遜色なく使用できるが、モノク
ローナル抗体の場合には祖精製操作のみで使用できるか
らである。なお、モノクローナル抗体や高度に精製され
たポリクローナル抗体は抗原の単一のエピトープと結合
するため、特にエピトープが少ない抗原を用いた場合は
検出しようとする抗体のうちモノクローナル抗体等と同
一のエピトープと反応するものが検出されない場合が生
じ得る。そこで、使用する抗原のエピトープが少ないと
考えられる場合には、2種類以上のモノクローナル抗体
等を混合して用いることが好ましい。なお、後述するよ
うに遺伝子組換えにより自然界に存在する抗原のアミノ
酸一次構造と比較して一以上のアミノ酸残基が挿入され
た抗原を使用する場合、該挿入されるアミノ酸残基をも
ってエピトープを形成させ、この追加されたエピトープ
に対するモノクローナル抗体等を介して水不溶性担体に
結合させれば、上述のような危惧は生じ得ないこととな
り、特に好ましい。
【0012】抗体を介して水不溶性担体に結合させる抗
原は、検出しようとする抗体と特異的に免疫反応するも
のであって、2以上のエピトープ(抗体結合部位)を有
する抗原である。本発明の検出方法の対象となる抗体と
しては例えば甲状腺刺激ホルモンレセプターやグルタミ
ン酸脱炭酸酵素に対する自己抗体が例示できるが、その
他にもHCVやHIV等、外来生のウイルスに対して産
生された抗HCV抗体や抗HIV抗体等の自己抗体以外
の抗体も対象とすることができ、各対象に応じて使用す
る抗原を適宜選択すれば良い。また抗原は、常に自然界
に存在するものである必要はなく、その部分ペプチドの
ように、少なくとも検出しようとする抗体との免疫反応
性において自然界に存在するものと同等のエピトープを
2以上有するものであれば制限はないが、抗原上に存在
する複数のエピトープに対する複数種類の自己抗体等を
漏れなく検出するためには、自然界に存在する抗原の全
てのエピトープを有する抗原を使用することが特に好ま
しい。
【0013】以上のように、本発明で使用する抗原は、
自然界に存在する抗原自体のほかに、例えば遺伝子組換
えにより製造された該抗原と同一の一次構造を有するも
の、該抗原の部分ペプチド等であれば良い。特に遺伝子
組換えの手法を用いることにより、自然界に存在する抗
原のアミノ酸一次構造と比較してその一以上のアミノ酸
残基が欠失している抗原、その一以上のアミノ酸残基が
置換されてる抗原、そして一以上のアミノ酸残基が挿入
された抗原等を容易に調製することが可能である。 抗
原が有する2以上のエピトープのうち、1のエピトープ
は水不溶性担体に直接又は間接的に結合された抗体との
免疫反応に関与し、残りのエピトープは検出しようとす
る抗体との免疫反応に関与する。従って、本発明の実施
に使用する抗原が2以上のエピトープを有しているか否
かは、抗原を水不溶性担体に抗体を介して結合した状態
で検出しようとする抗体のサンプル等を接触させること
で容易に判断することができる。
【0014】以下に、本発明の検出方法の具体的な操作
例を2ステップサンドイッチ法を例に説明する。以上に
説明したようにして水不溶性担体に結合させた抗原を、
まず検出しようとする抗体の含有が疑われる試料と混合
する。試料としては、血清等の生体液を例示できるが、
ヒト由来の生体液に制限されず、例えばヒト以外の動物
に由来する生体液であっても良い。この場合、抗原とし
ては該ヒト以外の動物に由来する生体液中に含有すると
予想される抗体と免疫反応し得る抗原を使用することは
言うまでもない。ここで、検出しようとする抗体と免疫
反応する抗原は、試料との混合に先立って水不溶性担体
に抗体を介して結合されていることが好ましいが、該混
合の際に水不溶性担体に抗体を介して結合するようにし
ても良い。後者の場合、水不溶性担体と抗原を別個に試
料に添加するか、両者を未結合状態で任意の容器中に凍
結乾燥封入した場合にはここに試料を添加することにな
る。 上記混合液を免疫反応が生じるのに適当な条件下
に保持する。該条件としては、例えば室温下で2〜3時
間放置することが例示できる。放置時間については、検
出しようとする抗体と水不溶性担体に結合された抗原間
の親和力により変動し、一般的に該親和力が高いほど短
い時間で良い。また水不溶性担体を運動させるなどして
混合液を攪拌し、免疫反応を促進することにより短時間
化することもできる。
【0015】保持を完了した混合液について、いわゆる
B/F分離を行う。ここで保持を完了するとは、必ずし
も免疫反応が平衡状態に達した状態を意味するわけでは
ない。免疫反応が平衡状態に達していなくとも、既知量
(既知濃度)の検出しようとする抗体を含有する標準液
と同一の温度・時間の保持を行えば、該抗体の定量には
支障がない。
【0016】B/F分離は、詳しくは抗体を介して水不
溶性担体に結合した抗原と免疫反応して結合した検出し
ようとする抗体と、該抗原とは結合していない抗体を分
離する操作である。該操作を容易に実施するためには、
水不溶性担体として水に非懸濁生の水不溶性担体を使用
し、混合液のうち液相成分、即ち水不溶性担体以外の成
分を吸引除去することが例示できる。これ以外にも、例
えば遠心分離操作を行って上清を除去したり、フィルタ
ーを使用して通過成分を除去したり、更には水不溶性担
体に磁性物質を練り込んでおき、磁石を使用して水不溶
性担体を混合液から分離するか又は磁石を使用して水不
溶性担体を容器の底部に固定し上清をデカンテーション
することも例示できる。
【0017】B/F分離操作を行って得られる、少なく
とも水不溶性担体、抗体、抗原及び検出しようとする抗
体を含む複合体に対し、酵素、化学発光物質、蛍光物又
は放射性同位元素等の検出可能な物質で標識された抗体
(標識抗体)を接触させる。標識抗体は検出しようとす
る抗体に特異的に反応し得る抗体で有れば特に制限はな
い。例えばヒトの抗体を検出しようとする場合には抗原
を結合するための抗体としてヒト以外の動物に由来する
抗体を使用する一方で、標識抗体として抗ヒト抗体を使
用することができる。標識抗体として特定のイムノグロ
ブリンクラスに特異的な抗体を使用した場合には、イム
ノグロブリンクラスごとに検出しようとする抗体を定量
等できる。
【0018】標識抗体を添加した後、標識抗体と検出し
ようとする抗体の間で免疫反応が生じるのに適当な条件
下に保持する。該条件としても、例えば室温下で2〜3
時間放置することが例示できる。放置時間については、
検出しようとする抗体と標識抗体間の親和力により変動
し、一般的に該親和力が高いほど短い時間で良い。また
水不溶性担体を運動させるなどして混合液を攪拌し、免
疫反応を促進することにより短時間化することもでき
る。
【0019】保持の完了後、再度B/F分離を行う。こ
こで保持を完了するとは、前記同様、必ずしも免疫反応
が平衡状態に達した状態を意味するわけではない。免疫
反応が平衡状態に達していなくとも、既知量(既知濃
度)の検出しようとする抗体を含有する標準液と同一の
温度・時間の保持を行えば、該抗体の定量には支障がな
い。このB/F分離操作により、検出しようとする抗体
を介して水不溶性担体に結合した標識抗体と未結合の標
識抗体を分離し、結合した標識抗体量又は未結合の標識
抗体量のいずれかを、抗体に結合した標識を測定するこ
とで測定する。
【0020】検出結果を、既知量(既知濃度)の検出し
ようとする抗体を含有する標準液について同一条件下で
同一操作を行った結果に基づき作成される標準曲線と比
較することにより、試料中に検出しようとする抗体が存
在しているか、更には存在している抗体の量(濃度)を
知ることができる。
【0021】以上に説明した具体的操作例はB/F分離
を2回行う、いわゆる2ステップサンドイッチ法につい
て説明したものである。本発明は該方法にのみ制限され
るものではなく、例えばいわゆる1ステップサンドイッ
チ法や競合法を行っても良い。 1ステップサンドイッ
チ法においては、前記した例における最初のB/F分離
操作を省略した例と、同様に最初のB/F分離操作を省
略しつつ、更には試料と水不溶性担体を混合する際に標
識抗体も同時に混合する例を例示することができる。い
ずれの場合にも全操作に要する時間を2ステップサンド
イッチ法の場合と比較して短縮できるとう利点がある。
ただし、試料には通常、検出しようとする抗体以外の抗
体が大量に含まれていることが多く、標識抗体がこれら
抗体と免疫反応して失われるため、前記2ステップサン
ドイッチ法の場合と比較して大量の標識抗体が必要にな
る。
【0022】競合法においては、上記1ステップ又は2
ステップサンドイッチ法における標識抗体に代えて検出
しようとする抗体と特異的に結合し得る、標識された抗
原を使用する。この場合には検出しようとする抗体をイ
ムノグロブリンクラス別に検出することはできず、ま
た、試料中の検出しようとする抗体のイムノグロブリン
クラスにより抗原との結合価が違うことから、該クラス
の存在比率(濃度比率)が異なる試料では、たとえ抗体
としての量(濃度)が同一の試料であっても検出結果が
異なってしまうものの、単に検出しようとする抗体の存
在を検出するうえでは有用である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
るために実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0024】実施例1 水不溶性担体に抗グルタミン酸脱炭酸酵素モノクローナ
ル抗体を添加し、該抗体を水不溶性担体表面に物理的に
結合させた。該結合に当たっては、合計12個の水不溶
性担体(粒子径約1.5mm、エチレンビニルアルコー
ル製、内部にフェライトを練り込んだ粒子)を使用し、
100ng/担体となる量のモノクローナル抗体を添加
した。なおこの水不溶性担体については、1個当たり約
200ngの蛋白質を物理的に吸着可能であることを予
備実験により確認した。
【0025】抗体の結合後、水不溶性担体を市販のブロ
ッキング剤(ブロックエース、大日本製薬(株)製)を
含む溶液中に添加し、ブロッキング処理した。
【0026】水不溶性担体の12個(抗体量にして1.
2μg)に対し、動物細胞で発現し精製した組換えグル
タミン酸脱炭酸酵素(アミノ酸一次構造は自然界に存在
するものと同一)を12.5〜200ngの範囲で添加
し、抗原を予めモノクローナル抗体を介して水不溶性担
体に結合させた。
【0027】検出は、市販の自動免疫測定装置(AIA
−1200、東ソー(株)製)を用いて2ステップサン
ドイッチ法により行った。具体的な操作は、12個の水
不溶性担体を入れた磁力透過性の反応容器(容量約1.
2ml)に、20倍に希釈したヒト由来の血清試料10
0μlを添加して37℃で20分間保持した。その際、
反応容器の下部においた磁石を運動させることで粒子を
運動させ、ゆるやかに混合液を攪拌した。
【0028】保持を完了後、B/F分離操作を行い、反
応容器にアルカリ性ホスファターゼを結合した抗ヒトイ
ムノグロブリンG抗体(標識抗体)を添加し、37℃で
20分間保持した。その際、前記同様に反応容器の下部
においた磁石を運動させることで粒子を運動させ、ゆる
やかに混合液を攪拌した。
【0029】再度B/F分離操作を行った後、アルカリ
性フォスファターゼの基質である4メチルウンベリフェ
リルりん酸塩を添加し、4メチルウンベリフェロンの生
成速度(nM/秒)を蛍光測定した。
【0030】グルタミン酸脱炭酸酵素に対する自己抗体
の存在が陽性と判断された患者からの血清を試料として
検出を行った結果を図1に示す。
【0031】図1から、12.5〜200ngのグルタ
ミン酸脱炭酸酵素をモノクローナル抗体を介して結合し
た水不溶性担体を用いた例では、使用した抗原量に依存
した標識からのシグナルが検出されることが分かる。そ
して、200ngのグルタミン酸脱炭酸酵素を結合させ
れば、グルタミン脱炭酸酵素に対する自己抗体の検出に
は十分であることが分かる。
【0032】実施例2 グルタミン酸脱炭酸酵素を200ng結合した水不溶性
担体(合計12個)を用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い、グルタミン酸脱炭酸酵素を化学的に直接結合
した水不溶性担体を用いた場合の結果と比較した。なお
試料は8人の患者(うち一人は健常ヒトであり、他は市
販の臨床検査キット(Cosmic社製)を用いて検査
した結果、グルタミン脱炭酸酵素に対する自己抗体を有
していることが確認された患者である)から得られたの
血清試料である。
【0033】グルタミン酸脱炭酸酵素を直接化学的に結
合した例では、本発明の検出方法において使用した量の
4.5倍(900ng、水不溶性担体1個当たり75n
g)のグルタミン酸脱炭酸酵素を使用した。結果を図2
に示す。
【0034】図2に示された通り、両者の検出結果は良
好に相関した。もっともグルタミン酸脱炭酸酵素を水不
溶性担体に化学的に結合した例では、本発明の検出方法
に比較して4.5倍もの大量の抗原を使用しているにも
かかわらず、その反応性は約1/2であった。
【0035】このように、実施例1の結果と実施例2の
結果を勘案すると、本発明の検出方法によれば抗原を水
不溶性担体に直接結合する方法に比較して約1/5〜1
/20程度の抗原を使用することにより、ほぼ同一の検
出感度を有する検出を実現可能であることが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の検出方法では、抗体を介して抗
原を水不溶性担体に結合するため、抗原の方向性を制御
した状態で検出しよとする抗体との免疫反応に供するこ
とができる。この結果、抗原を物理的吸着や化学的結合
させた場合とは異なり、抗原のエピトープが免疫反応に
関与し得ない状態で結合されることがないため、結合に
供した抗原量と実際に抗体との免疫反応に関与する抗原
量が一致し、大量の抗原を使用する必要がない。
【0037】自己免疫疾患等を診断するための抗体の検
出に必要な抗原はヒト由来で調製が困難なために高価で
あるが、本発明によりその使用量を低減できれば試薬コ
ストを低減することが可能となる。また本発明の検出方
法では、使用する抗原が不純物と共存している状態であ
っても、抗体を介して結合する際に使用する抗体の免疫
学的な特異性によって選別され、その上で試料中の検出
されるべき抗体との免疫学的な特異性によって更に選別
される。この結果、検出されるべき抗体が該共存する不
純物に対して非特異的に結合するようなものであったと
しても、不純物が水不溶性担体に結合される可能性自体
が低減されてる本発明の検出方法においては検出感度の
低下が起こりにくいという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1の結果を示すものである。図中
縦軸は自己抗体の反応性(最終的に検出された、蛍光性
物質である4メチルウンベリフェロンの生成速度、nM
/秒)を、横軸はモノクローナル抗体を介して水不溶性
担体に結合されたグルタミン脱炭酸酵素の総量(ng)
をそれぞれ示す。
【図2】図2は実施例2の結果を示すものである。図中
縦軸は本発明の検出方法に従ってグルタミン酸脱炭酸酵
素をモノクローナル抗体を介して水不溶性担体に結合さ
せた場合の結果(蛍光性物質である4メチルウンベリフ
ェロンの生成速度、nM/秒)を、横軸はグルタミン酸
脱炭酸酵素を直接化学的に水不溶性担体に結合した場合
の結果をそれぞれ示す。図中、縦軸の目盛りスケールと
横軸の目盛りスケールは異なっており、両者の相関を示
す相関直線の方程式はy=2.1484x+3.550
6で、相関係数R=0.990である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗体を介して水不溶性担体に結合させた抗
    原を用いることを特徴とする、抗体の免疫学的検出方
    法。
  2. 【請求項2】前記抗原が検出されるべき抗体と特異的に
    反応する蛋白質又は該蛋白質を構成するアミノ酸残基の
    一以上が欠失し、一以上が他のアミノ酸残基に置換さ
    れ、若しくは一以上のアミノ酸残基が挿入された蛋白質
    である請求項1項記載の免疫学的検出方法。
  3. 【請求項3】前記抗原がペプチドであることを特徴とす
    る請求項1項記載の免疫学的検出方法。
  4. 【請求項4】前記抗原が遺伝子組換えにより製造された
    ものであることを特徴とする請求項1〜3項いずれかに
    記載の免疫学的検出方法。
  5. 【請求項5】前記抗原が甲状腺刺激ホルモンレセプター
    又はグルタミン酸脱炭酸酵素であることを特徴とする請
    求項1〜4項いずれかに記載の免疫学的検出方法。
  6. 【請求項6】検出されるべき抗体が自己抗体であること
    を特徴等とする請求項1項記載の免疫学的検出方法。
  7. 【請求項7】抗体を介して水不溶性担体に結合させた抗
    原を含む、抗体を免疫学的に検出するための試薬。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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