JPH11303798A - 遠心式流体機械 - Google Patents

遠心式流体機械

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JPH11303798A
JPH11303798A JP11098998A JP11098998A JPH11303798A JP H11303798 A JPH11303798 A JP H11303798A JP 11098998 A JP11098998 A JP 11098998A JP 11098998 A JP11098998 A JP 11098998A JP H11303798 A JPH11303798 A JP H11303798A
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JP
Japan
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pressure
volute
fluid machine
silencer
centrifugal fluid
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JP11098998A
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Inventor
Masao Teraoka
正夫 寺岡
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、小型で、低コストであり、騒
音を軽減すると共に、エネルギーロスを伴わずに流体圧
を調整できる。 【解決手段】 ボリュート11の両端に流体の流入口1
3と流出口とが設けられたハウジング3と、流入口13
に配置されたインペラ5と、ボリュート11の圧力を受
けて移動する受圧部材21と、受圧部材21と連動して
開閉操作され流入口13の開口面積を調整する弁体25
とを有し、ボリュート11の圧力が上昇するほど流入口
13の面積が狭くなるように弁体25を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両の
機械式過給機に用いられる遠心式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】「ホリデーオート」(平成6年3月10
日 モーターマガジン社発行)に図5のような過給シス
テム201が記載されている。
【0003】この過給システム201では、エンジン2
03によって遠心式コンプレッサ205が回転駆動され
ると、エアフィルタ207からスロットルバルブ209
を介して吸入された吸気はコンプレッサ205で加圧さ
れ、インタークーラー211によって冷却された後、吸
気マニホールド213に送られてエンジン203を過給
する。
【0004】コンプレッサ205による過給圧は、その
上流側と下流側の間に配置された過給圧コントロールバ
ルブ215によってコントロールされる。又、コンプレ
ッサ205の上流側とインタークーラー211の下流側
とを連結するバイパス流路217にはブローオフバルブ
219(バイパスバルブ)が配置されており、過給圧が
過大になると吸気の一部をコンプレッサ205の上流側
に戻し、エンジン203を保護する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3は遠心式コンプレ
ッサの吸入口側と吐出口側との圧力比(P)と流量
(Q)の変化を示す特性グラフであり、グラフ301、
302、303はそれぞれ駆動馬力(W1、W2、W
3)を変えたときの特性グラフである。これらの駆動馬
力はW3、W2、W1の順に大きくなる。
【0006】しかし、例えば、駆動馬力W2(グラフ3
02)で駆動されている遠心式コンプレッサの圧力比
(P)と流量(Q)が、上記のような過給圧調整によっ
て、圧力比P1と流量Q1からそれぞれ駆動馬力W1
(グラフ301)上のP2とQ2になったとすると、圧
力比はP1からP2に減少するが流量は(Q2−Q1)
分だけ増加することになり吸気を逃がしたことに伴い、
駆動馬力(W1−W2)だけのエネルギーロスが生じた
ことになる。
【0007】又、図4は遠心式コンプレッサの圧力比
(P)と回転数(N)の変化を示すグラフ304であ
る。又、グラフ305は圧力比(P)がP1を超えた範
囲で上記の過給圧調整を行った特性である。
【0008】グラフ305のように、過給圧調整によっ
て圧力比(P)の伸びは低下するが、吸気を逃がすこと
によって流量Qが増加するから、それに伴い回転数
(N)がグラフ304の破線部分に沿って上昇し、駆動
馬力(W)が増加する。
【0009】このように、吸気を逃がして過給圧を調整
すると、エネルギーロスが生じ、エンジンの燃費が低下
する。
【0010】これに加えて、周知のように、過給システ
ムにはコンプレッサの騒音の問題がある。
【0011】従来、吸気効率を悪化させないでコンプレ
ッサの騒音を軽減するには、大きな空間が必要であり、
それだけ装置が大型になるから、コンプレッサ205の
ような車載機器には不利である。
【0012】しかし、装置を大型化せずに騒音を軽減す
るには、構造が複雑で高価なサイレンサーが必要であ
る。
【0013】そこで、この発明は、構造簡単、小型、低
コストであり、エネルギーロスを伴わずに流体圧調整が
可能であり、又、騒音が軽減される遠心式流体機械の提
供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の遠心式流体機
械は、流体の移動方向に直角な断面積が一側に向かって
変化するボリュートの両端に流体の流入口と流出口とが
設けられたハウジングと、ハウジングの内部に回転自在
に配置されたインペラと、ボリュート前後の流路を囲む
空間内に配置されたサイレンサーとを備えたことを特徴
とする。
【0015】このように、本発明の遠心式流体機械で
は、ボリュート前後の流路を囲む空間内にサイレンサー
を配置したことによって、騒音が軽減される。
【0016】このボリュート前後の流路は、吸気が気中
振動している範囲であり、ここにサイレンサーを配置し
たことによって大気中へ騒音が放射されにくくなるか
ら、本発明の遠心式流体機械は騒音の軽減効果が高い。
【0017】又、遠心式流体機械の場合、ボリュート前
後の流路を囲む空間は流体の取り入れ口より広くなるか
ら、本発明の遠心式流体機械はこの空間内にサイレンサ
ーを配置したことによってスペースを有効に利用してお
り、従って、大型化を伴わずに騒音を軽減することがで
きる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載の遠心式
流体機械であって、インペラが、エンジンの回転駆動力
によって駆動され、吸気を加圧してエンジンを過給する
ことを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。
【0019】この構成は、本発明の遠心式流体機械をエ
ンジンの回転力で駆動する機械式過給機に用いたもので
あり、上記のように、スペースを有効に利用し小型に構
成できることによってパッケージサイズを大きく変更し
ないですむから、車載用に好適である。
【0020】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載の遠心式流体機械であって、サイレンサーが、ボリ
ュートの圧力を受けて移動する受圧部材と、流入口の内
部に配置され、受圧部材と連動して開閉し流入口の面積
を調整する弁体とを有し、ボリュートの圧力が上昇する
ほど流入口の面積が狭くなるように弁体を回転させるこ
とを特徴とし、請求項1又は請求項2の構成と同等の効
果を得る。
【0021】これに加えて、例えば、ボリュートの圧力
を受圧部材の一側に導き、他側に大気圧を導けば、ボリ
ュートの圧力が上昇し大気圧との差圧が大きくなると、
この差圧によって受圧部材が移動し、これに連動して弁
体が回転し、流入口の開口面積を狭くする。
【0022】又、ボリュートの圧力が下降して大気圧と
の差圧が小さくなると、受圧部材が元の方向に戻り、弁
体を反対方向に回転させて流入口の開口面積を広くす
る。
【0023】このように、ボリュートの圧力変化に応じ
て弁体が回転し、ボリュートの圧力が上昇し流体の流量
が増加して騒音が大きくなると、流入口が狭くなり、騒
音が低減される。
【0024】又、このようにボリュートの圧力が上昇す
るほど流入口が狭くなって流体の流量が減少するから、
例えば、請求項2のように車両などの過給機に用いた場
合、ボリュートの圧力上昇に伴って過給圧が調整され、
この過給圧調整によってエンジンが過大な過給圧から保
護される。
【0025】又、従来例と異なって、このサイレンサー
による流体圧調整は吸気のバイパスを伴わないからエネ
ルギーロスが発生しない。従って、エンジンの燃費低下
が防止される。
【0026】又、外部からの操作エネルギを投入するこ
となく弁体と受圧部材などで構成したサイレンサーは、
構造が簡単で低コストであると共に、弁体を流入口の内
部に配置したことによってスペースを有効に利用してい
るから、サイレンサーと遠心式流体機械とをそれだけ小
型に構成することができる。
【0027】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
記載の遠心式流体機械であって、サイレンサーが、ボリ
ュートの圧力を受けて変位する受圧部材と、流出口の内
部に配置され、受圧部材と連動して開閉し流出口の面積
を調整する弁体とを有し、ボリュートの圧力が上昇する
ほど流出口の面積が狭くなるように弁体を回転させるこ
とを特徴とする。
【0028】この構成は、請求項1又は請求項2の遠心
式流体機械において、サイレンサーの弁体を流出口の内
部に配置したものであり、請求項3の構成と同等の効果
を得る。
【0029】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
記載の遠心式流体機械であって、受圧部材が、ボリュー
ト側に連通するシリンダの内部で、ボリュートの圧力を
受けて移動するピストンであることを特徴とし、請求項
3又は請求項4の構成と同等の効果を得る。
【0030】請求項6の発明は、請求項3又は請求項4
記載の遠心式流体機械であって、受圧部材が、ボリュー
ト側に連通するケーシングの内部で、ボリュートの圧力
を受けて変位するダイヤフラムであることを特徴とし、
請求項3又は請求項4の構成と同等の効果を得る。
【0031】これに加えて、ケーシングに気密状態、あ
るいは、液密状態で固定されるダイヤフラムを受圧部材
にしたことにより、流体の洩れが防止されるから、遠心
式流体機械の効率がそれだけ向上する。
【0032】請求項7の発明は、請求項5又は請求項6
記載の遠心式流体機械であって、ボリュートの圧力に抗
してピストン、又は、ダイヤフラムを押し戻すリターン
スプリングを設けたことを特徴とし、請求項5又は請求
項6の構成と同等の効果を得る。
【0033】これに加えて、リターンスプリングを設け
たことにより、流体圧と騒音の変化に対するピストンや
ダイヤフラムの戻りが速くなり、これらの変化に対する
流体圧調整機能及び騒音軽減機能のレスポンスが向上す
る。
【0034】請求項8の発明は、請求項7記載の遠心式
流体機械であって、リターンスプリングが、シリンダ、
又は、ケーシングに設けられ、ボリュートの圧力を受け
たときの、ピストンの移動、又は、ダイヤフラムの変位
によって圧縮される流体圧ばねであることを特徴とし、
請求項7の構成と同等の効果を得る。
【0035】これに加えて、特に、受圧部材にピストン
を用いた場合、ピストンの背後に流体圧ばね(流体の密
閉空間)を設けたことにより、流体の洩れが防止され、
遠心式流体機械の効率が向上する。
【0036】
【発明の実施の形態】図1と図3、4によって本発明の
第1実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、
2、3、5、7の特徴を備えている。又、符号のない部
材等は図示されていない。
【0037】図1は遠心式のエアコンプレッサ1(第1
実施形態の遠心式流体機械)を示しており、このエアコ
ンプレッサ1は車両の機械式過給機に用いられている。
【0038】この機械式過給機は入力プーリと増速機構
とエアコンプレッサ1とから構成されている。
【0039】エアコンプレッサ1は、コンプレッサハウ
ジング3(ハウジング)、インペラ5、インペラシャフ
ト7、サイレンサー9などから構成されている。
【0040】コンプレッサハウジング3は、ボリュート
11と、その両端に設けられた吸入口13(流入口)と
吐出口(流出口)とから構成されており、ボリュート1
1は断面積が吸気の移動方向に向かって広くなってい
る。
【0041】吸入口13には上流側の吸気流路が連結さ
れており、この上流側吸気流路にはエアフィルタとスロ
ットルバルブがこの順に配置されている。又、吐出口に
は下流側の吸気流路が連結されており、この下流側吸気
流路はインタークーラーを介してエンジンの吸気マニホ
ールドに連結されている。
【0042】インペラ5は吸入口13に配置されてお
り、ナット15によってインペラシャフト7に固定され
ている。インペラシャフト7は増速機構の出力側に連結
されている。又、インペラシャフト7とコンプレッサハ
ウジング3との間にはシール17が配置され、エアコン
プレッサ1からの吸気洩れと増速機構側からのオイル洩
れを防止している。
【0043】入力プーリはベルトを介してクランクシャ
フト側のプーリに連結されている。入力プーリに入力す
るエンジンの駆動力は増速機構によって増速され、イン
ペラシャフト7を介してインペラ5を回転させ、エアコ
ンプレッサ1を駆動する。
【0044】インペラ5が回転すると、上流側吸気流路
のエアフィルタとスロットルバルブとを介して吸気が吸
入口13に流入し、流入した吸気はインペラ5の遠心力
によってボリュート11で加圧され、吐出口から下流側
吸気流路のインタークーラーを通って冷却され、吸気マ
ニホールドに送られてエンジンを過給する。
【0045】サイレンサー9は、シリンダ19、ピスト
ン21(受圧部材)、リターンスプリング23、開閉弁
25(弁体)、リンク機構27などから構成されてい
る。
【0046】シリンダ19は連通路29を介してコンプ
レッサハウジング3のボリュート11に連通している。
【0047】ピストン21はシリンダ19の内部でボリ
ュート11の圧力を受け、その裏側に大気圧を受ける。
【0048】リターンスプリング23はシリンダ19の
内部でボリュート11の圧力に抗して、大気圧と同方向
に、ピストン21を押し返す。
【0049】このように、ピストン21にはリターンス
プリング23の付勢力と大気圧の和と、ボリュート11
の圧力との差圧が掛かる。
【0050】開閉弁25は吸入口13に揺動自在に配置
されており、吸入口13の開口面積を調整する。
【0051】リンク機構27はピストン21の軸31と
開閉弁25とを連結し、これらを連動させている。
【0052】シリンダ19にはピストン21のストッパ
部33が設けられており、開閉弁25の最大開度を規制
している。
【0053】エアコンプレッサ1が駆動されボリュート
11の圧力が上昇すると、上記の差圧によってピストン
21が移動し、リンク機構27を介して開閉弁25を矢
印35の方向に揺動させ、吸入口13の開口面積を狭め
る。
【0054】又、ボリュート11の圧力が降下すると、
差圧の変化によりピストン21が押し戻されて、開閉弁
25が反対方向に揺動し、吸入口13の開口面積が広く
なる。
【0055】ピストン21の受圧面積と、リターンスプ
リング23の付勢力と大気圧との和とのバランスは、例
えば、ボリュート11の圧力が図4の圧力比P1に対応
する値を超えると、サイレンサー9が作動して吸入口1
3の開口面積を狭めるように設定されている。
【0056】エアコンプレッサ1の騒音は、ボリュート
11の圧力が上昇し吸気の流量が増加するほど大きくな
るが、ボリュート11の圧力上昇に伴ってサイレンサー
9がこのように吸入口13を狭くするから、吸気流量が
減って発生する騒音が減少すると共に、吸入口13の開
口面積が減って騒音の放射量が減少するから、騒音が効
果的に低減される。
【0057】又、ボリュート11の圧力が上昇して吸入
口13が狭くなると、吸気流量と共に(圧力比)過給圧
が減少するから、エアコンプレッサ1の特性は、図4に
おいて、圧力比がP1以下の範囲ではグラフ304の実
線部分になる。又、圧力比がP1を超えると、このよう
なサイレンサー9の過給圧調整によって、圧力比(P)
の上昇(流量の増加)が鈍化し、エアコンプレッサ1の
特性はグラフ305のようになる。
【0058】また、図4における圧力比がP1以上の場
合には図3に示すように圧力比がP1からP3に移行す
ると共に流量は(Q1−Q3)分減少する。従って駆動
馬力はW2からW3に移行し、エネルギーロスが生じな
い。
【0059】このように、ボリュート11の圧力上昇に
伴って吸気流量が減少し、過給圧が調整されるから、エ
ンジンは過大な過給圧から保護される。
【0060】又、上記のように、サイレンサー9による
過給圧調整は、図5の従来例と異なって、吸気をバイパ
スさせて行うものではない。
【0061】このように、エンジンの燃費を低下させず
に、過給圧を調整することができる。
【0062】こうして、エアコンプレッサ1が構成され
ている。
【0063】エアコンプレッサ1は、上記のように、ボ
リュート11の圧力が上昇して騒音が大きくなると、ピ
ストン21と連動する開閉弁25によって吸入口13の
開口面積を狭くし、騒音を効果的に軽減する。
【0064】又、吸入口13は吸気が気中振動している
範囲中にあり、ここにサイレンサー9の開閉弁25を配
置したことによって大気中への騒音放射が更に低減され
るから、騒音の軽減効果が高い。
【0065】又、遠心式流体機械であるエアコンプレッ
サ1には、ボリュート11前後の流路を囲む空間内に上
流の吸気流路より広い空間が生じており、この空間内に
サイレンサー9を配置したことによってスペースが有効
に利用されている。
【0066】従って、サイレンサー9は大きな変更を加
えずにエアコンプレッサ1に組み込むことが可能であ
り、エアコンプレッサ1はサイレンサー9を組み込んで
も大型化が避けられる。
【0067】又、スペースの有効利用によってこのよう
に小型に構成されたエアコンプレッサ1は、パッケージ
サイズを大きく変更しないですむから、この実施形態の
ように車両の過給機に用いた場合特に有利である。
【0068】又、サイレンサー9には、騒音の軽減機能
に加えて、過給圧の調整機能があり、この過給圧調整機
能によってエンジンを過大な過給圧から保護する。
【0069】又、開閉弁25とシリンダ19とピストン
21などで構成したサイレンサー9は、構造が簡単で低
コストである。
【0070】又、リターンスプリング23を用いたこと
により、ボリュート11の圧力変化に対するピストン2
1の戻りが速くなり、騒音の音圧変化と過給圧の変化に
対する調整機能のレスポンスが向上する。
【0071】次に、図2乃至図4によって本発明の第2
実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、
4、5、7の特徴を備えている。又、符号のない部材等
は図示されていない。
【0072】なお、図2及び第2実施形態の説明におい
て、第1実施形態と同機能の部材には同一の符号を与え
て引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。
【0073】図2は遠心式のエアコンプレッサ37(第
2実施形態の遠心式流体機械)を示しており、このエア
コンプレッサ37は、エアコンプレッサ1と同様に、車
両の機械式過給機に用いられている。
【0074】この機械式過給機は入力プーリと増速機構
とエアコンプレッサ37とから構成されている。
【0075】エアコンプレッサ37は、コンプレッサハ
ウジング3、インペラ5、インペラシャフト7、サイレ
ンサー39などから構成されている。
【0076】コンプレッサハウジング3は、ボリュート
11と、その両端に設けられた吸入口13と吐出口41
(流出口)とから構成されている。
【0077】吐出口41には下流側の吸気流路が連結さ
れており、この下流側吸気流路はインタークーラーを介
してエンジンの吸気マニホールドに連結されている。
【0078】入力プーリを回転させるエンジンの駆動力
は増速機構で増速され、インペラ5を回転させてエアコ
ンプレッサ37を駆動する。
【0079】エアコンプレッサ37は吸入口13から吸
入した吸気を加圧し、吐出口41を介して吸気マニホー
ルドに送り、エンジンを過給する。
【0080】サイレンサー39は、シリンダ19、ピス
トン21、リターンスプリング23、開閉弁25、リン
ク機構24などから構成されている。
【0081】開閉弁25は吐出口41に揺動自在に配置
されており、吐出口41の開口面積を調整する。
【0082】リンク機構24はピストン21の軸31と
開閉弁25とを連結し、これらを連動させている。
【0083】エアコンプレッサ37が駆動されボリュー
ト11の圧力が上昇すると、ボリュート11の圧力と、
リターンスプリング23の付勢力及び大気圧の和との差
圧によってピストン21が移動し、リンク機構24を介
して吐出口41の開口面積を狭める方向(矢印43)に
開閉弁25を揺動させる。
【0084】又、ボリュート11の圧力が降下すると、
差圧の変化によってピストン21が押し戻され、開閉弁
25が反対方向に揺動して、吐出口41の開口面積が広
くなる。
【0085】このように、ボリュート11の圧力上昇に
伴ってサイレンサー39が吐出口41を狭くするから、
吸気流量が増加するほど大きくなるエアコンプレッサ3
7の騒音は効果的に低減される。
【0086】更に、ボリュート11の圧力が上昇するほ
ど吐出口41が狭くなることによって、エアコンプレッ
サ37の特性は、図4において、圧力比がP1以下の範
囲ではグラフ304の実線部分になり、圧力比がP1を
超えるとサイレンサー39の過給圧調整によってグラフ
305のようになり、圧力比(P)の上昇と流量の増加
が鈍化する。
【0087】このように、ボリュート11の圧力上昇に
伴って吸気流量が減少し、過給圧が調整されるから、エ
ンジンは過大な過給圧から保護される。
【0088】又、サイレンサー39の過給圧調整は吸気
をバイパスさせて行うものではなく、図5の従来例と異
なって、過給圧調整に伴うエネルギーロス(駆動馬力W
1−W2)が発生しないから、エンジンの燃費を低下さ
せずに過給圧を調整することが可能である。
【0089】こうして、エアコンプレッサ37が構成さ
れている。
【0090】エアコンプレッサ37は、上記のように、
ボリュート11の圧力が上昇して騒音が大きくなると、
サイレンサー39によって吐出口41の開口面積を狭く
し、騒音を効果的に軽減する。
【0091】又、吸気が気中振動している範囲中の吐出
口41にサイレンサー39の開閉弁25を配置したこと
によって大気中への騒音放射が更に低減されるから、騒
音の軽減効果が高い。
【0092】又、エアコンプレッサ37はボリュート1
1前後の流路を囲む空間内に生じた広い空間内にサイレ
ンサー39を配置したことによってスペースを有効に利
用しており、従って、サイレンサー39は大きな変更を
加えずにエアコンプレッサ37に組み込むことが可能で
あり、エアコンプレッサ37はサイレンサー39を組み
込んでも大型化が避けられる。
【0093】又、小型に構成されたエアコンプレッサ3
7は、パッケージサイズを大きく変更しないですむか
ら、この実施形態のように車両の過給機に用いた場合特
に有利である。
【0094】又、サイレンサー39には、騒音の軽減機
能に加えて、過給圧の調整機能があり、この過給圧調整
機能によってエンジンを過大な過給圧から保護する。
【0095】又、開閉弁25とシリンダ19とピストン
21などで構成したサイレンサー39は、構造が簡単で
低コストである。
【0096】又、リターンスプリング23を用いたこと
により、ボリュート11の圧力変化に対するピストン2
1の戻りが速くなり、騒音の音圧変化と過給圧の変化に
対する調整機能のレスポンスが向上する。
【0097】なお、本発明の遠心式流体機械は、請求項
6のように、受圧部材にダイヤフラムを用いて構成して
もよい。
【0098】又、請求項8のように、ピストンやダイヤ
フラムの背面に空気ばねのような流体圧ばねを設け、こ
れをリターンスプリングにしてもよい。
【0099】又、本発明の遠心式流体機械において、イ
ンペラの回転駆動源はエンジンに限らず、例えば、電動
モータでもよい。
【0100】又、本発明の遠心式流体機械は、エンジン
の過給機に用いる場合、エンジンの回転力で駆動される
機械式過給機に限らず、エンジンの排気タービンで駆動
されるターボチャージャでもよい。
【0101】又、本発明の遠心式流体機械は、各実施形
態のようにインペラに回転力を与えて流体を圧縮し高温
にする圧縮機のような用途の他に、加圧された流体を膨
張させて回転力を取り出し流体を冷却する膨張機に用い
てもよい。
【0102】
【発明の効果】請求項1の遠心式流体機械は、ボリュー
ト前後の流路を囲む空間内にサイレンサーを配置したこ
とによって、騒音が軽減される。
【0103】又、吸気が気中振動しているボリュート前
後の流路にサイレンサーを配置したことによって大気中
へ騒音が放射されにくくなるから、騒音の軽減効果が高
い。
【0104】又、ボリュート前後の流路を囲む空間内に
生じる広い空間内にサイレンサーを配置したことによっ
てスペースを有効に利用しているから、大型化せずに騒
音を軽減できる。
【0105】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、スペースの利用効率が高く大型化
しない本発明の遠心式流体機械は、パッケージサイズを
大きく変更しないですむから、車両などの過給機に用い
た場合特に有利である。
【0106】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の構成と同等の効果を得ると共に、ボリュートの圧力変
化を受ける受圧部材と連動する弁体によって流入口の面
積を調整するサイレンサーにより、ボリュートの圧力が
上昇するほど流入口を狭くして騒音を低減する。
【0107】又、車両などの過給機に用いた場合、この
サイレンサーの流量調整機能によって、エンジンが過大
な過給圧から保護される。
【0108】又、この流量調整は、吸気をバイパスさせ
る従来例と異なって、エネルギーロスが発生せず、燃費
の低下が防止される。
【0109】又、外部からの操作エネルギーを投入する
ことなく弁体と受圧部材などで構成したサイレンサー
は、構造が簡単で低コストであり、弁体を流入口の内部
に配置したことによってスペースを有効に利用したか
ら、サイレンサーと遠心式流体機械とを小型に構成でき
る。
【0110】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
の遠心式流体機械において、サイレンサーの弁体を流出
口の内部に配置したことにより、請求項3の構成と同等
の効果を得る。
【0111】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
の構成と同等の効果を得る。
【0112】請求項6の発明は、請求項3又は請求項4
の構成と同等の効果を得ると共に、受圧部材をダイヤフ
ラムにしたことにより、流体の洩れが防止され、遠心式
流体機械の効率がそれだけ向上する。
【0113】請求項7の発明は、請求項5又は請求項6
の構成と同等の効果を得ると共に、リターンスプリング
を設けたことにより、流体圧と騒音の変化に対するピス
トンやダイヤフラムの戻りが速くなり、これらの変化に
対する流体圧調整及び騒音軽減のレスポンスが向上す
る。
【0114】請求項8の発明は、請求項7の構成と同等
の効果を得ると共に、ピストンの背後に流体圧ばね(流
体の密閉空間)を設けたことにより、流体の洩れが防止
され、遠心式流体機械の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】遠心式流体機械の圧力比(P)と流量(Q)の
変化を示す特性グラフである。
【図4】遠心式流体機械の圧力比(P)と回転数(N)
の変化を示す特性グラフである。
【図5】従来例のシステム図である。
【符号の説明】
1、37 エアコンプレッサ(遠心式流体機械) 3 コンプレッサハウジング(ハウジング) 5 インペラ 9、39 サイレンサー 11 ボリュート 13 吸入口(流入口) 19 シリンダ 21 ピストン(受圧部材) 23 リターンスプリング 25 開閉弁(弁体) 41 吐出口(流出口)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F04D 27/00 101 F04D 27/00 101E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の移動方向に直角な断面積が一側に
    向かって変化するボリュートの両端に流体の流入口と流
    出口とが設けられたハウジングと、ハウジングの内部に
    回転自在に配置されたインペラと、ボリュート前後の流
    路を囲む空間内に配置されたサイレンサーとを備えたこ
    とを特徴とする遠心式流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、インペラ
    が、エンジンの回転駆動力によって駆動され、吸気を加
    圧してエンジンを過給することを特徴とする遠心式流体
    機械。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、サイレンサーが、ボリュートの圧力を受けて移動す
    る受圧部材と、流入口の内部に配置され、受圧部材と連
    動して開閉し流入口の面積を調整する弁体とを有し、ボ
    リュートの圧力が上昇するほど流入口の面積が狭くなる
    ように弁体を回転させることを特徴とする遠心式流体機
    械。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、サイレンサーが、ボリュートの圧力を受けて変位す
    る受圧部材と、流出口の内部に配置され、受圧部材と連
    動して開閉し流出口の面積を調整する弁体とを有し、ボ
    リュートの圧力が上昇するほど流出口の面積が狭くなる
    ように弁体を回転させることを特徴とする遠心式流体機
    械。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載の発明であっ
    て、受圧部材が、ボリュート側に連通するシリンダの内
    部で、ボリュートの圧力を受けて移動するピストンであ
    ることを特徴とする遠心式流体機械。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4記載の発明であっ
    て、受圧部材が、ボリュート側に連通するケーシングの
    内部で、ボリュートの圧力を受けて変位するダイヤフラ
    ムであることを特徴とする遠心式流体機械。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6記載の発明であっ
    て、ボリュートの圧力に抗してピストン、又は、ダイヤ
    フラムを押し戻すリターンスプリングを設けたことを特
    徴とする遠心式流体機械。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明であって、リターン
    スプリングが、シリンダ、又は、ケーシングに設けら
    れ、ボリュートの圧力を受けたときの、ピストンの移
    動、又は、ダイヤフラムの変位によって圧縮される流体
    圧ばねであることを特徴とする遠心式流体機械。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519329A (ja) * 2000-01-07 2003-06-17 アーベーベー ターボ システムズ アクチエンゲゼルシャフト 排ガスターボチャージャのコンプレッサのための消音器
KR100813145B1 (ko) 2006-03-21 2008-03-17 주식회사 한국유체기계 원심압축기
JP2014098324A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Hks Co Ltd エンジンの過給装置
CN114352542A (zh) * 2021-12-28 2022-04-15 南洋泵业(青岛)有限公司 一种高压螺旋离心泵
US11460047B2 (en) 2018-08-07 2022-10-04 Ihi Corporation Throttle mechanism for centrifugal compressor and turbocharger

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