JPH11302667A - ガス化方法 - Google Patents

ガス化方法

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JPH11302667A
JPH11302667A JP11641098A JP11641098A JPH11302667A JP H11302667 A JPH11302667 A JP H11302667A JP 11641098 A JP11641098 A JP 11641098A JP 11641098 A JP11641098 A JP 11641098A JP H11302667 A JPH11302667 A JP H11302667A
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gasification
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carbon
nickel
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JP11641098A
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Kenjiro Miyashita
健二郎 宮下
Masakazu Sasaki
正和 佐々木
Hideo Taniguchi
秀士 谷口
Kunio Hiroya
邦雄 廣谷
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Toyo Engineering Corp
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Toyo Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水中のニッケル−シアン錯体の生成を抑制
し、スチームストリッピング法によりシアンを除去す
る。 【解決手段】 ガス化反応工程1に原料と硫黄の混合物
を、硫黄含量が0.5〜2.0重量%となるように供給し、ガ
ス化する。粗ガスは、冷却・カーボン洗浄工程2で洗浄
するが、排水中には硫化ニッケル等が優先的に生成さ
れ、ニッケル−シアン錯体の生成が抑制される。シアン
はスチームストリッピング工程5においてHCNとして
放散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケルおよび
硫黄を含む原料のガス化方法に関するものであり、更に
詳しくは石炭あるいは石油精製により得られる重油、常
圧残渣油、減圧残渣油またはアスファルトを含む重質油
等を部分酸化法によりガス化する際に、冷却・カーボン
洗浄工程で発生する排水中のニッケル−シアン錯体の生
成を抑制できるガス化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】水
素、炭素、窒素、硫黄および重金属であるニッケル、バ
ナジウム、鉄等を含む石炭や、重質油、常圧残渣油、減
圧残渣油、アスファルト等の石油精製残渣油を原料と
し、空気分離装置より供給される酸素および外部から供
給されるスチームとともに高温でガス化が行われるガス
化工程において、原料中の組成によっては、水素、一酸
化炭素、二酸化炭素、メタンの他に、副生成物として硫
化水素、硫化カルボニル、シアン化水素、アンモニアが
生成される。
【0003】ガス化工程で生成される硫化水素がシアン
化水素に対して相対的に多量含まれるときには、重金属
の中で特にニッケルおよび鉄はカルボニルを生成する
が、つぎの冷却・カーボン洗浄工程において、硫化水素
の存在により、その大部分はニッケルあるいは鉄の硫化
物に転換し、カーボンスラリーと共に排出する。
【0004】排水中のニッケルあるいは鉄の硫化物は沈
殿分離可能であり、ニッケル等が沈殿除去された排水中
において、シアンとアンモニアはイオンの状態で存在す
る。しかし、最終的な排水処理工程へ供給される前に、
通常の前処理方法、例えばスチームストリッピングによ
って、シアンイオンはシアン化水素として、アンモニア
イオンはアンモニアガスとして、排水中から環境上安全
な程度(シアン含有排水は、シアンの総量規制により放
流することが水質汚濁防止法で禁じられている。)にま
で放散分離除去が可能である。また、ニッケルについて
は排水処理工程で化学処理し、水酸化物として除去する
ことが可能である。
【0005】しかし、原料中の組成によっては(例え
ば、硫黄含有量が少ない原料)、ガス化工程で生成され
るシアン化水素が硫化水素に対して相対的に多量含まれ
るので、このような組成の原料を使用するときには、排
水中のニッケルは硫化ニッケルを生成するよりも優先的
にニッケル−シアン錯体を生成する。
【0006】ニッケル−シアン錯体は、アンモニアを含
むことによりpHがアルカリ性に保持されている排水中
では、ニッケルシアネートイオンとして非常に安定に存
在しているため、最終的な排水処理工程へ供給される前
において、スチームストリッピング法ではシアンを除去
することが困難である。
【0007】この発明は、冷却・カーボン洗浄工程後の
排水中におけるニッケル−シアン錯体の生成を抑制する
ことにより、後工程における処理をより簡便にすること
ができるガス化方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、ガス化
工程後の排水中にニッケル−シアン錯体が安定に含有さ
れている場合、常法であるスチームストリッピング法を
適用しても充分に除去できないという点に着目して研究
を重ねた結果、冷却・カーボン洗浄工程おいて沈殿分離
可能な硫化ニッケルあるいは他の硫黄化合物を優先的に
生成させることにより、ニッケル−シアン錯体の生成を
抑制し、環境上まったく安全な程度にまでシアン含有量
を低減できる、スチームストリッピング法を適用した効
率的な工業的方法を確立したものである。
【0009】即ちこの発明は、ニッケル含有量が10〜
100重量ppmおよび硫黄含有量が0.1〜1.0重量
%の原料を、ガス化工程、冷却・カーボン洗浄工程、脱
硫工程、カーボン回収工程およびシアンスチームストリ
ッピング工程から構成される部分酸化法によりガス化す
るに際し、ガス化工程へ供給される原料に、ガス化工程
で生成される硫化水素がシアン化水素に対して相対的に
多量含まれるようにできる量の硫黄を混合することを特
徴とするガス化方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明のガス化方法を適用する
原料(以下、「ガス化原料」という)は、ニッケル含有
量が10〜100重量ppmおよび硫黄含有量が0.1〜
1.0重量%のものである。この範囲外の化石原料、例
えばニッケルの含有量100重量ppmおよび硫黄の含有
量が2.0重量%の場合には、ニッケル−シアン錯体の
生成量は非常に少ないので、この発明の効果を得ること
ができない。このようなガス化原料としては、石炭ある
いは石油精製により得られる重油、常圧残渣油、減圧残
渣油またはアスファルトであり、ガス化反応で生成され
るシアン化水素が硫化水素に対して相対的に多量含まれ
るものを挙げることができる。
【0011】この発明は、ガス化原料に対して、ガス化
工程、冷却・カーボン洗浄工程、脱硫工程、カーボン回
収工程およびシアンスチームストリッピング工程を適用
する際に、ガス化工程へ供給されるガス化原料に所定量
の硫黄を混合することを要件とするものであるが、かか
る要件を充足する限りにおいては、他の構成について当
業者により通常なされる改変はこの発明に含まれる。以
下、この発明のガス化方法の実施形態を図面に基づいて
説明する。図1は、ガス化方法の一実施形態のプロセス
フローを示す概念図である。
【0012】石油精製により得られた減圧残渣油等のガ
ス化原料は、ライン11から約50重量%の量をガス化
反応工程1へ供給し、約50重量%の量をカーボン回収
工程4において回収されるカーボンに流動性を持たせる
ため、ライン11からライン24を介してカーボン回収
工程4へ供給する。このとき、ガス化反応工程1へ供給
するガス化原料に硫黄を混合する。
【0013】硫黄の混合量は、ガス化工程で生成される
硫化水素がシアン化水素に対して相対的に多量含まれる
ようにできる量であり、例えば、ガス化原料と硫黄の混
合物中において、好ましくは0.5〜2.0重量%とな
る量であり、特に好ましくは1.0〜2.0重量%とな
る量である。混合物中の硫黄の含有量が0.5重量%以
上のときは、冷却・カーボン洗浄工程の排水中における
ニッケル−シアン錯体の生成を抑制することができ、
2.0重量%以下のときは、前記作用をなすと共に、脱
硫工程において脱硫に要する負担を軽減できる。
【0014】ガス化原料に混合する硫黄源は特に限定さ
れるものではないが、資源を有効利用する観点から、脱
硫工程3で濃縮除去する硫化水素を含む酸性ガスをライ
ン17から抜き出し、ライン18から供給することが好
ましい。また、脱硫工程3で濃縮除去される酸性ガスの
みでは混合物中の硫黄含有量を適正量に調整することが
困難である場合のほか、運転当初において脱硫工程3か
ら酸性ガスを供給できない場合は、外部から、固体、液
体または気体状の硫黄または硫黄化合物を供給すること
ができる。
【0015】このようにしてガス化原料及び硫黄が供給
されたガス化反応工程1には、ライン12から約380
〜400℃のスチームを供給し、ライン13から外部の
空気分離装置から分離された約160〜230℃に加熱
された酸素を供給する。さらに、カーボン回収工程4か
ら抜出されたカーボンオイル(カーボンとガス化原料と
の混合物)をカーボン回収のため、ライン23からライ
ン11を介してガス化反応工程1へ供給する。
【0016】ガス化反応工程1において、温度1300
〜1400℃、圧力60〜80Kg/cm2−Gの条件下で部
分酸化反応を行う。この部分酸化反応によりガス化した
粗ガスを約200〜250℃まで排熱回収した後、ライ
ン14から冷却・カーボン洗浄工程2へ供給する。この
ときの粗ガスには、硫化水素がシアン化水素に対して相
対的に多量含まれている。
【0017】冷却・カーボン洗浄工程2において、ガス
化された粗ガスは約130〜140℃で一旦カーボン除
去のために水洗されて冷却され、約40〜50℃で粗ガ
ス中のカーボンを完全に除去するために水洗され、粗ガ
スとカーボンスラリーに分離する。このカーボンスラリ
ー中においては、硫化ニッケルあるいは他の硫黄化合物
が優先的に生成しており、ニッケル−シアン錯体の生成
が大幅に抑制されている。このようにして冷却・カーボ
ン洗浄工程2で粗ガス中のカーボンが完全に除去された
硫化水素等を含む粗ガスを、ライン15から脱硫工程3
へ供給する。
【0018】脱硫工程3において、二酸化炭素で飽和に
された吸収液により硫黄化合物が選択的に吸収除去され
る。吸収除去されたガスは、硫化水素に加えて吸収液に
由来する多量の二酸化炭素を含んでいる。このため、必
要に応じて設けられた濃縮工程で、硫化水素を20重量
%程度にまで濃縮することができる。濃縮された酸性ガ
スはライン17から排出するが、大部分はガス化反応工
程1へ供給する硫黄源として、ライン18からライン1
1へ循環する。残りの酸性ガスは系外の硫黄回収工程に
供給してもよいし、燃焼炉で処理してもよい。脱硫工程
3で脱硫された粗ガスは、ライン16から他の処理工程
へ供給する。
【0019】冷却・カーボン洗浄工程2において生じた
カーボンスラリーは加圧状態にあるため、減圧して常圧
に戻した後、ライン19からカーボン回収工程4へ供給
する。このカーボンスラリーは、カーボンの他に、硫化
水素(H2S)、アンモニア(NH3)、シアン化水素
(HCN)等の溶存ガスと硫化ニッケルおよび硫化鉄等
の重金属を含んでいる。
【0020】硫化ニッケルおよび硫化鉄等の一部の重金
属分と回収カーボンは、ライン24から供給したガス化
原料と混合して流動性を付与し、ライン23からライン
11を介してガス化反応工程1へ循環する。
【0021】カーボン回収工程4でカーボン等が回収除
去されたスラリー中には、残部の硫化ニッケル、硫化鉄
等の重金属、NH3、HCN、H2S、CO2、CO、H2
が溶存している。硫化ニッケル、硫化鉄等の重金属化合
物は、カーボン回収工程4内の沈殿工程でガス化原料中
に含まれる重金属の約80重量%が沈殿除去される。
【0022】カーボン回収工程4からライン20へ排出
された排水には、ガス化原料中の重金属の約20重量%
とNH3、HCN、H2S、CO2、CO、H2が溶存して
いる。この排水は、排水処理工程で処理される前に溶存
しているガスをスチームにより放散処理するため、シア
ンスチームストリッピング工程5に供給し、約1.0〜
1.5Kg/cm2、約100〜110℃の条件下、主として
HCN、NH3の大部分を除去して、ライン22から放
散する。
【0023】シアンスチームストリッピング工程5で上
記のガスが除去された排水は、主としてニッケル、NH
3および微量の鉄とHCNを含み、ライン21から排水
処理設備へ供給する。ニッケル、鉄は化学的排水処理工
程において苛性ソーダでpH9.5〜11に調整され、
それぞれ水酸化ニッケル、水酸化鉄として除去する。一
方、少量のHCN、NH3を含む排水は生物学的排水処
理工程にて処理し、最終的に系外へ放流する。
【0024】
【実施例】以下、この発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、この発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0025】実施例1 ガス化原料として石油精製により得られた下記組成の減
圧残渣油を用い、図1に示すプロセスフローにより、下
記の方法によって処理した。
【0026】 (成 分) (含有量) C 86.70重量% H 12.10重量% S 0.17重量% N 0.51重量% O 0.50重量% 灰分 0.02重量% ニッケル 75.10重量% バナジウム 0.90重量% 鉄 5.60重量%。
【0027】ガス化原料の50重量%の流量を部分酸化
法によるガス化のためにガス化反応工程1へ供給し、5
0重量%の流量をカーボン回収工程4へ供給した。
【0028】ガス化反応工程1には、ライン12から約
400℃のスチームを供給し、ライン13から約230
℃の酸素を供給した。また、脱硫工程3で濃縮されたH
2Sを含む酸性ガスを、ガス化原料100Kgに対して
0.83Kg相当となるようにガス化反応工程1に供給し
た。なお、運転当初においては、外部から硫黄を前記と
同量だけガス化反応工程1に供給した。ガス化反応工程
1において、温度1300〜1400℃、圧力60〜8
0Kg/cm2−Gの条件下で部分酸化反応を行った。
【0029】ガス化反応工程1の入口においては、重金
属が当初の3重量倍、硫黄が1重量%の組成となるよう
に調整した。それぞれの成分を以下に示す。
【0030】 (成 分) (含有量) C 86.07重量% H 11.88重量% S 1.00重量% N 0.51重量% O 0.49重量% 灰分 0.06重量% ニッケル 225.30重量% バナジウム 2.70重量% 鉄 16.80重量%。
【0031】ガス化反応工程1においてガス化された粗
ガスは、約200℃まで排熱回収した後、ライン14か
ら冷却・カーボン除去工程2に供給した。なお、ガス化
反応工程1出口のガス中には、ガス化原料の約1.0重
量%の未反応カーボンが含まれていた。
【0032】冷却・カーボン除去工程2において、粗ガ
スは約140℃でカーボン除去のため洗浄して45℃ま
で冷却した後、さらに水洗した。洗浄水は、スラリー中
のカーボンが1.0重量%になる量を使用した。洗浄水
は、カーボン回収工程4内での再生水を使用したため、
ガス化原料中の重金属の約1.1重量倍が含まれてい
た。従って、カーボンスラリー中の重金属は、ガス化反
応工程1からのガス化原料中の約3重量倍の重金属との
和である約4.1重量倍の重金属が含まれていた。
【0033】冷却・カーボン洗浄工程2から排出したカ
ーボンスラリーは、ライン19からカーボン回収工程4
に供給した。カーボンスラリー中には、ニッケルが硫化
ニッケルを生成するに充分なH2Sが含まれていたた
め、硫化ニッケル等を優先的に生成できた。カーボンス
ラリーに含まれるガス化原料中の重金属の4.1重量倍
に相当する重金属のうち、2.0重量倍に相当する重金
属は、カーボンオイル循環流に含ませた状態で、ライン
23からガス化反応工程1へ循環した。
【0034】カーボンオイル循環流はガス化原料の50
重量%であり、実際の重金属の濃度は、5重量倍に濃縮
されていた。従って、ガス化原料に対する2.1重量倍
の重金属が、カーボンを除去して再使用した洗浄水中に
含まれる。
【0035】ガス化原料中の重金属の1.3重量倍の重
金属を含む排水のうち、ガス化反応工程1に供給したス
チームおよび反応により生成する余剰の水は、シアンス
チームストリッピング工程5と排水処理工程で処理し
た。洗浄水として循環再使用した水とシアンスチームス
トリッピング工程5へ供給した水の重量比率は110:
20であった。シアンスチームストリッピング工程5へ
供給した排水は、ガス化原料中の重金属の20重量%を
含んでおり、その形態は硫化ニッケル、硫化鉄であっ
た。
【0036】残存する重金属は、カーボン回収工程4内
の沈降分離設備で80重量%を沈殿分離し、シアンスチ
ームストリッピング工程5で処理した後、排水処理工程
で残部の重金属20重量%を処理した。重金属は硫化ニ
ッケル、硫化鉄の形態で、シアンはHCNの形態で、そ
れぞれシアンスチームストリッピング工程5へ供給した
ため、1.5Kg/cm2、約110℃の条件下で容易に分解
し、H2S、HCNとして放散分離可能であった。放散
されたガス組成は、NH383容量%、CO212容量
%、H2S2.5容量%、HCN2.5容量%と微量の
CO、H2であり、必要に応じて補助燃料として利用す
るか、フレアにて燃やすことにより処理した。
【0037】排水処理工程へ供給する排水は、主として
ニッケル15重量ppm、NH3250重量ppm、微量の鉄
とHCNを含んでいるが、排水処理工程で規制値以内に
充分処理できた。
【0038】比較例1 実施例1と同様のガス化原料を用い、図1に示すプロセ
スフローにより、実施例1に準じて処理した。ただし、
脱硫工程3からのH2Sを含む酸性ガスの循環を行わな
いため、ガス化反応工程1入口でのガス化原料の組成
は、重金属に関しては7.2重量倍、硫黄に関しては
0.17重量%であった。それぞれの成分を以下に示
す。
【0039】 (成 分) (含有量) C 86.72 重量% H 11.975重量% S 0.17 重量% N 0.50 重量% O 0.495重量% 灰分 0.14 重量% ニッケル 540.70 重量% バナジウム 2.70 重量% 鉄 16.80 重量%。
【0040】ガス化反応工程1の出口ガスは、ガス化原
料の約1.0重量%の未反応のカーボンを含んでいた。
【0041】冷却・カーボン洗浄工程2において、洗浄
水はスラリー中のカーボンが1.0重量%となる量を使
用した。洗浄水はカーボン回収工程4内での再生水を使
用したため、ガス化原料中の重金属の約5.5重量倍が
含まれていた。従って、スラリー中の重金属は、ガス化
反応工程1からのガス化原料中の約7.2重量倍の重金
属との和である約12.7重量倍の重金属が含まれてい
た。冷却・カーボン洗浄工程2から排出したスラリー中
には、ニッケルが硫化ニッケルを生成するに充分なH2
Sが含まれていなかったため、優先的にニッケル−シア
ン錯体が生成した。
【0042】スラリー中の12.7重量倍に相当する重
金属のうち、6.2重量倍に相当する重金属はカーボン
オイル循環流に含ませてガス化反応工程1へ循環した。
カーボンオイル循環流は、ガス化原料の50重量%であ
り、実際の重金属の濃度は13.4倍に濃縮されてい
た。
【0043】ガス化原料に対する6.6重量倍の重金属
がカーボンを除去して再使用した洗浄水中に含まれる
が、ガス化原料中のニッケルは、アルカリ領域では非常
に安定なニッケル−シアン錯体[Ni(CO)42-
生成しているため、カーボン回収工程4内で沈殿分離さ
れなかった。
【0044】ガス化原料中の重金属の6.6重量倍の重
金属を含む排水のうち、ガス化反応工程1へ供給したス
チームおよび反応により生成した余剰の水は、シアンス
チームストリッピング工程5と排水処理工程で処理し
た。洗浄水として循環再使用した水とシアンスチームス
トリッピング工程5へ供給した水の比率は550:10
0であった。
【0045】シアンスチームストリッピング工程5へ供
給した排水は、ガス化原料中の重金属の100重量%を
含んでおり、その形態はニッケル−シアン錯体、硫化鉄
であった。重金属はニッケル−シアン錯体、硫化鉄の形
態で、シアンはニッケル−シアン錯体の形態で、それぞ
れシアンスチームストリッピング工程5へ供給したた
め、アルカリ領域における1.5Kg/cm2、約110℃の
条件下では全く分離除去できなかった。
【0046】残存する重金属は、シアンスチームストリ
ッピング工程5で処理した後、排水処理工程においてす
べてを処理した。排水処理工程へ供給した処理水には、
主としてニッケル−シアン錯体75重量ppm(ニッケル
として)、NH3が250重量ppmおよび微量の鉄とが含
まれていたが、排水処理工程での化学処理および生物学
的処理の双方とも処理することは困難であった。
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、硫黄含有量が少ない
ガス化原料を使用した部分酸化法によるガス化におい
て、発生する排水中におけるニッケル−シアン錯体の生
成を大幅に抑制することができる。従って、従来のスチ
ームストリッピング法により排水を処理することができ
るため、排水処理が容易となり、環境に悪影響及ぼすこ
ともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のプロセスフローを示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 ガス化反応工程 2 冷却・カーボン洗浄工程 3 脱硫工程 4 カーボン回収工程 5 シアンスチームストリッピング工程 11〜24 ライン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 (成 分) (含有量) C 86.70重量% H 12.10重量% S 0.17重量% N 0.51重量% O 0.50重量% 灰分 0.02重量% ニッケル 75.10重量ppm バナジウム 0.90重量ppm 鉄 5.60重量ppm
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 (成 分) (含有量) C 86.07重量% H 11.88重量% S 1.00重量% N 0.51重量% O 0.49重量% 灰分 0.05重量% ニッケル 225.30重量ppm バナジウム 2.70重量ppm 鉄 16.80重量ppm
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 (成 分) (含有量) C 86.72 重量% H 11.975重量% S 0.17 重量% N 0.50 重量% O 0.495重量% 灰分 0.14 重量% ニッケル 540.70 重量ppm バナジウム 2.70 重量ppm 鉄 16.80 重量ppm
フロントページの続き (72)発明者 廣谷 邦雄 千葉県千葉市花見川区幕張町5丁目417番 16号 幕張ファミールハイツ2棟1108号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル含有量が10〜100重量ppm
    および硫黄含有量が0.1〜1.0重量%の原料を、ガ
    ス化工程、冷却・カーボン洗浄工程、脱硫工程、カーボ
    ン回収工程およびシアンスチームストリッピング工程か
    ら構成される部分酸化法によりガス化するに際し、ガス
    化工程へ供給される原料に、ガス化工程で生成される硫
    化水素がシアン化水素に対して相対的に多量含まれるよ
    うにできる量の硫黄を混合することを特徴とするガス化
    方法。
  2. 【請求項2】 原料が、石炭あるいは石油精製により得
    られる重油、常圧残渣油、減圧残渣油またはアスファル
    トである請求項1記載のガス化方法。
  3. 【請求項3】 ガス化工程へ供給される原料と硫黄との
    混合物中における硫黄含有量が、0.5〜2.0重量%
    である請求項1又は2記載のガス化方法。
  4. 【請求項4】 原料に混合される硫黄が、脱硫工程で濃
    縮除去される硫化水素を含む酸性ガスあるいは外部から
    供給される硫黄含有物である請求項1〜3のいずれか1
    記載のガス化方法。
JP11641098A 1998-04-27 1998-04-27 ガス化方法 Pending JPH11302667A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11641098A JPH11302667A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 ガス化方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200034427A (ko) * 2018-09-21 2020-03-31 주식회사 포스코 황을 포함하는 연료로부터 합성가스를 생성하는 방법 및 장치

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