JPH11301626A - Smcの保管方法 - Google Patents

Smcの保管方法

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JPH11301626A
JPH11301626A JP11395798A JP11395798A JPH11301626A JP H11301626 A JPH11301626 A JP H11301626A JP 11395798 A JP11395798 A JP 11395798A JP 11395798 A JP11395798 A JP 11395798A JP H11301626 A JPH11301626 A JP H11301626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smc
bag
container
styrene monomer
film
Prior art date
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Application number
JP11395798A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Akagawa
充 赤川
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SMCをコンテナ内につづら折りして収納す
るSMCの保管方法において、SMC中のスチレンモノ
マーの揮発をより確実に防止すると共に、樹脂流出によ
るコンテナ内の汚染等の問題を解決する。 【構成】 スチレンモノマーの透過の少ないフィルム
2、3、4で構成された袋状物1をコンテナ10内に予
め配置し、SMCシート11を袋状物1内につづら折り
して収納した後、袋状物1を気密的に封止する。袋状物
1を構成するフィルムが、スチレンモノマー透過度20
0×10-3g−cm/cm3 −hr以下であることが好
ましく、袋状物1を構成するフィルムの少なくとも一部
がポリアミドであることが更に好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SMC(シートモ
ールディングコンパウンド)をコンテナ内につづら折り
にして収納するSMCの保管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SMCは、熱硬化性樹脂組成物(以下、
樹脂という)にガラスチョップドストランド等のガラス
繊維を強化材として含有させ、一対のセパレートフィル
ムに挟んで樹脂を増粘したシートからなり、その使用に
際しては、セパレートフィルムを剥がして金型に入れ、
加圧、加熱するだけで、成形品が得られるようにしたも
のである。
【0003】SMCは、そのシートをつづら折りにして
コンテナ内に収納し、その状態で成形工場に運ばれ、成
形工場でコンテナから引き出して所定形状に裁断しなが
ら使用される。セパレートフィルムはSMCシートの取
り扱いを容易にすると共に、コンテナ内に収容して保管
している間、あるいはコンテナ内から取り出して使用す
るまでの間、樹脂成分であるスチレンモノマーが揮発す
るのを防ぐ働きをなしている。
【0004】しかしながら、SMCシートの始端や終端
は製造ラインで切断された面であり、セパレートフィル
ムに挟まれた樹脂組成物が切断面で露出しているため、
そこからスチレンモノマーが揮発するばかりでなく、S
MCシートの両側端部のセパレートフィルムの隙間から
もスチレンモノマーが揮発したり、さらにはスチレンモ
ノマーがセパレートフィルムを透過してセパレートフィ
ルム表面から揮発したりするため、このセパレートフィ
ルムではスチレンモノマーの揮発を防止することに限界
があった。
【0005】このため、例えば特開平3−61513号
公報には、コンテナ内につづら折して収納されたSMC
の上をスチレンモノマー透過度の小さいアルミ蒸着シー
トで覆うと共に、このアルミ蒸着シートとコンテナとの
間の隙間を耐溶剤性を有する気体透過度の小さい隙間防
止部材にて閉塞することにより、樹脂中のスチレンモノ
マーの揮発を防止することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−61513号公報に記載された方法においても、コ
ンテナ自身の例えばコーナー部や底面部等に十分な気密
性がないと、その隙間からスチレンモノマーがコンテナ
外へ流出したり、あるいは運搬時のコンテナへの衝撃お
よびコンテナの繰り返しの使用によってコンテナが変形
して、隙間防止部材とコンテナ側面とのかみ合わせが悪
くなり、そのかみ合わせが悪くなった部分からスチレン
モノマーが流出することがあった。
【0007】このように、SMCの保管において、コン
テナの気密性が少しでも劣ると、空気等の気体がコンテ
ナ内外へ流出入し、SMCシートから揮発したスチレン
モノマーがコンテナ外へ流出し、それに伴い更にスチレ
ンモノマーの揮発が促進される。そして、スチレンモノ
マーがコンテナ外へ流出すると大気汚染の問題が生じる
ばかりでなく、SMCシートからスチレンモノマーが揮
発することにより、その成形品の光沢がなくなる等の品
質低下の問題を有していた。
【0008】また、上記方法では、SMCシートの始端
や終端の切断面、およびSMCシートの両側端面、さら
にはセパレートフィルムが破損した箇所から樹脂が流出
すると、樹脂がコンテナ内に残留したりコンテナ内を汚
染したりするので、繰り返してコンテナを使用するとき
に洗浄が必要であったり、またコンテナのライフサイク
ルが短くなったりする問題を有していた。
【0009】したがって本発明の目的は、SMCをコン
テナ内につづら折りして収納するSMCの保管方法にお
いて、SMC中のスチレンモノマーの揮発をより確実に
防止すると共に、樹脂流出によるコンテナ内の汚染等の
問題も解決できるようにしたSMCの保管方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のSMCの保管方法は、SMCシートをつづ
ら折りにしてコンテナ内に収納するSMCの保管方法に
おいて、スチレンモノマーの透過の少ないフィルムで構
成された袋状物を前記コンテナ内に予め配置し、前記S
MCシートを前記袋状物内につづら折りして収納した
後、前記袋状物を気密的に封止することを特徴とする。
【0011】本発明によれば、SMCをスチレンモノマ
ーの透過の少ないフィルムで構成された袋状物内につづ
ら折りして収納し、袋状物を気密的に封止するようにし
たので、コンテナ自身の例えばコーナー部や底面部等に
十分な気密性がなくても、あるいは繰り返しの使用によ
ってコンテナが変形しても、スチレンモノマーの揮発を
袋状物によって防止することができる。また、SMCシ
ートの始端や終端の切断面、およびSMCシートの両側
端面、さらにはセパレートフィルムが破損した箇所から
樹脂が流出しても、袋状物によってコンテナ内の汚染を
防止することができる。
【0012】本発明の実施に際して、前記袋状物を構成
するフィルムは、スチレンモノマー透過度200×10
-3g−cm/cm3 −hr以下とされることが好まし
い。また、前記袋状物を構成するフィルムの少なくとも
一部がポリアミドであることが好ましい。これによっ
て、スチレンモノマーの揮発をより確実に防止すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、コンテナ内につづら折
りされるSMCを袋状物で包んで気密化することを特徴
とする。前記コンテナは、特に限定されないが、例えば
木製、プラスチック製、金属製またはこれらの組み合わ
せからなるものが通常使用できる。本発明は、従来の方
法とは異なり、コンテナ内に設置したスチレンモノマー
の透過の少ない耐溶剤性の袋状物でつづら折りSMCを
気密化することで、袋状物からSMCの架橋剤成分であ
るスチレンモノマーの流出を防止するため、コンテナ自
体は気密性や耐溶剤性を必ずしも必要としない。したが
って気密性のない安価なコンテナを使用することも可能
となり、経済的に有利となる。しかし、高気密のコンテ
ナであれば、袋状物と共にSMCを密閉することができ
るので、コンテナ外へのスチレンモノマーの流出をより
完全に防止することができる。
【0014】コンテナ内に設置する袋状物は、袋状物の
外へスチレンモノマーが流出することを防止し、かつS
MCからスチレンモノマーが揮発するのを抑え、また樹
脂が袋状物の外へ流出することを防止する役割をなす。
このため袋状物は、SMCを被包し密封しているこ
と、袋状物を構成するフィルムがスチレンモノマーお
よび気体の透過が少ないこと、SMCを収納した時に
破損しないこと、スチレンモノマーの耐溶剤性を有す
ることが好ましい。
【0015】袋状物によるSMCの気密化は、袋状物が
SMCを被包することによって得られ、この被包するた
めの袋状物の形状は、SMCを収納時に引っ掛かること
なく容易に収納することができるようにコンテナの形状
に適合したものが好ましい。例えば、コンテナの底面に
位置する袋状物の部分はコンテナ底部の形状に合わせて
折り目をつけたり、コンテナのコーナー部に適合するよ
うに袋状物に折り目をつけておくことが好ましい。
【0016】さらに、袋状物がつづら折りSMCとの余
剰空間を少なくするようできるだけつづら折りSMCの
形状や寸法に合わせた袋状物でSMCを被包すると、つ
づら折りSMCからのスチレンモノマーの揮発を効率的
に抑制できる。また、コンテナに設置する袋状物は、一
枚に限定されることはなく、数枚の袋状物を重ねあわせ
て所望の袋状物にすることができる。
【0017】前記袋状物は、SMCを気密化するため
に、SMCをつづら折り収納後に密封することが必要で
あり、この密封により袋状物の隙間をなくし袋状物の外
へのスチレンモノマーの流出または袋状物の内外への空
気などの気体の流出を防止し、さらにつづら折りSMC
からのスチレンモノマーの揮発を抑制する。
【0018】袋状物を密封するためには、例えば、予め
綴じ代、または綴じ部とそれに適合した綴じ蓋等を設け
ておき、その部分を封着または被覆する。袋状物の封着
または被覆の方法としては、綴じ代等をヒートシール、
インパルスシール、超音波接合、高周波接合等の熱接合
による方法で封着したり、糊や接着剤によって封着した
り、チャックを設け封着したり、粘着テープで封着した
り、あるいは綴じ代または綴じ蓋で綴じ部を完全に被覆
したりする方法がある。これらの方法のうち、インパル
スシール等の熱接合によって封着を行うことが、袋状物
が隙間なく完全に封着されるので最も好ましい。
【0019】またSMCシートを一部取り出し、一時使
用を中止して残りのSMCを保存するような場合におい
て、再度SMCを密封させるためにチャックでの封着、
テープでの封着、綴じ代または綴じ蓋で綴じ部を被覆し
たりする方法を用いることができる。なお、これらの密
封方法は、SMCの使用方法や使用条件に合わせて適
宜、選択することができる。
【0020】袋状物の外へのスチレンモノマーの流出ま
たは空気等の気体の流出入は、前述したように袋状物を
密封することによって防止されるが、袋状物を構成する
フィルムのなかにはスチレンモノマーを透過しやすいフ
ィルムもあるため、袋状物のスチレンモノマーの流出を
効果的に防止するためは、スチレンモノマーの透過が少
ないものを用いることが必要である。また、袋状物を構
成するフィルムとしては、スチレンモノマーの透過が少
ないだけでなく、空気等の気体の透過が少ないものを用
いることが好ましい。
【0021】袋状物を構成するフィルムのスチレンモノ
マーの透過性や気体の透過性は、後述するように、それ
ぞれスチレンモノマー透過度、気体透過度として表わす
ことができ、これらの値が小さいものほど透過は少な
い。
【0022】ここでスチレンモノマー透過度は、スチレ
ンモノマーがフィルムを透過することによる袋状物外へ
のスチレンモノマーの流出を表す指標として用い、スチ
レンモノマー透過度の小さいフィルムを用いるとスチレ
ンモノマーの透過が抑制される。スチレンモノマー透過
度は、袋状物を構成するフィルムの少なくとも一層が
「米国科学技術者協会第53回全国大会」のビクスラー
(Bixler)ミカエルス(Michaels)予稿
集第32号の文献(Bixler Michaels, AmericanInstitu
te of Chemical Engineers, 53rd National Meeting, P
reprint No.32d,1964 )に記載の方法で測定して、スチ
レンモノマー透過度が200×10-3g−cm/cm3
−hr以下であることが好ましい。さらにスチレンモノ
マー透過度が50×10-3g−cm/cm3 −hr以下
であるとよりスチレンモノマーの透過を防止することが
可能である。
【0023】スチレンモノマー透過度は下記数式1のP
によって表され、その方法は、厚みを測定したフィルム
を23℃のカップ装置内にて液状スチレンモノマーと接
触させ、空気流をフィルム上に導きカップ重量と時間の
プロットをとる。そして定常状態到達後にQ値を測定し
てP値を得る。
【0024】
【数1】P=QL/A(g−cm/cm3 −hr) 上記式中、Q=重量損失(g/hr)、L=フィルムの
厚み(cm)、A=試験フィルムの面積(cm3 )であ
る。
【0025】気体透過度は、気体がフィルムを透過する
ことによる袋状物の外内に空気等の気体の流出入、つま
り袋状物の気密性を表わす指標として用い、気体透過度
の小さいフィルムを用いると袋状物の気密性が良好にな
る。
【0026】気体透過度は、袋状物を構成するフィルム
が、例えばASTMD1434−58で測定して酸素透
過度が100(24℃drycc/m2 hratm)以
下であることが好ましい。さらに50(24℃dryc
c/m2 hratm)以下であると気体の透過が少なく
特に好ましい。
【0027】スチレンモノマーや気体の透過度はフィル
ムの厚さや材質等で決まり、通常はフィルムの厚さが厚
いほど透過度が小さくなるため、所望の透過度となるよ
うにフィルムの素材に合わせてフィルムの厚さを適宜設
定する。なお、フィルムの厚さは、20μm未満では透
過度が高くなると共に破損しやすくなり、200μmを
超えると割高になると共に取扱い性が悪くなるため、2
0〜200μmとすることが好ましく、40〜80μm
とすることが最も好ましい。
【0028】袋状物を構成するフィルムの材質として
は、例えばプラスチック製(セロファンや防湿セロファ
ンなどの高分子フィルムを含む)、金属製等のフィルム
が挙げられ、なかでもプラスチック製のフィルムは、一
般的に引張り強度等の耐久性があるため、袋状物を構成
するフィルムの少なくとも一部または一層にプラスチッ
クフィルムが含まれていることが好ましい。このプラス
チックフィルムのうち、スチレンモノマー透過度および
気体透過度が小さいものとして、ポリアミド、塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられ、この
なかでポリアミドフィルムは、強靭性がありかつ上記透
過性が優れているので最も好ましい。
【0029】フィルムは単一でも使用が可能であるが、
通常は金属とプラスチック、紙とプラスチック、種類の
異なるプラスチック等を用い、これらをラミネート、蒸
着、コーティング、ブレンド等の方法によって組み合わ
せたものを使用する。このように組み合わせて使用する
ことにより効率的に所望のフィルムが得られると共に、
SMCの保管において様々な機能を付与することができ
る。
【0030】例えば、種類の異なるプラスチックを組み
合わせたフィルムとして、ポリアミド/ポリエチレンの
ラミネート多層フィルム、あるいはポリアミド/ポリエ
チレンのポリマーブレンドフィルムを用いると、ポリア
ミドがスチレンモノマーの透過を防ぎ、またポリエチレ
ンがヒートシール性を有するのでフイルム同志の接合を
容易にする。
【0031】コンテナへのSMCシートの保管方法は、
例えばコンテナ内に予め袋状物を設置し、その後SMC
シートをつづら折りして、袋状物内にSMCシートを収
納した後、袋状物を封着または被覆してSMCを密閉
し、その後コンテナの上蓋を被せるか、または上蓋を被
せずにSMCを保管する。なお、上記つづら折り収納の
方法は特に限定せず、通常のつづら折り収納方法や、そ
の他様々なつづら折り収納方法を適用することができ
る。
【0032】図1、2には、本発明に用いられる袋状物
の一例が示されている。また、図3には、上記袋状物に
SMCシートをつづら折り収納し、気密的に封止した状
態が示されている。
【0033】図1に示すように、この袋状物1は、側面
部となるフィルム2と、底面部になるフィルム3と、綴
じ蓋となるフィルム4とで構成されている。そして、図
2に示すように、側面部となるフィルム2の両端を接合
して枠状にし、その下辺部5に、底面部となるフィルム
3を、例えばインパルスシール等の手段で接合して、上
面が開口された箱形にする。
【0034】図3に示すように、この状態で、袋状物1
をコンテナ10に収納し、綴じ蓋となるフィルム4を除
いた状態で、SMCシート11をつづら折り収納する。
その後、綴じ蓋となるフィルム4を上面に被せ、その周
縁部6を、側面部となるフィルム2の上縁部に、例えば
粘着テープ等で封着して、袋状物1内を気密的に封止す
る。
【0035】
【実施例】実施例1 図1〜3において、袋状物1を構成するフィルムとし
て、フィルム厚さ60μmの低密度ポリエチレン/ナイ
ロン6/低密度ポリエチレンの3層のラミネートフィル
ムを用い、側面部となるフィルム2と底面部になるフィ
ルム3をインパルスシールにより接合して袋状物1と
し、コンテナ10内に前記袋状物1を入れ、その後SM
Cシート11をつづら折り収納した。SMCシート11
を収納後に袋状物1の上面に綴じ蓋となるフィルム4を
被せ、粘着テープで接合部を封着させることにより、S
MCシート11を密閉し、常温にて放置してSMCを1
ヶ月間保管した。
【0036】なお、上記ラミネートフィルムは、スチレ
ンモノマー透過度200×10-3g−cm/cm3 −h
r以下であり、かつ、酸素透過度が50(24℃dry
cc/m2 hratm)以下である。
【0037】比較例1 袋状物1を構成するフィルムとして、スチレンモノマー
透過度が200×10 -3g−cm/cm3 −hrを超え
る、厚さ60μmの低密度ポリエチレンを用いた以外
は、実施例1と同様にしてSMCを保管した。
【0038】比較例2 SMCシート11を収納後、綴じ蓋となるフィルム4を
つづら折りSMCシート11の上部に載置し、綴じ部を
粘着テープで封着しない以外は、実施例1と同様にして
SMCを保管した。
【0039】比較例3 実施例1と同様のコンテナ10内に袋状物を用いずにS
MCをつづら折り収納したのち、このコンテナを外気温
にて放置してSMCを1ヶ月間保管した。
【0040】試験例 上記実施例品および比較例品についてスチレンモノマー
の揮発量を測定すると共に、サンプリングしたSMCを
プレス成形した成形品の光沢度を評価した。なお、スチ
レンモノマーの揮発量の測定方法および光沢度の評価方
法は以下の通りである。
【0041】まず、スチレンモノマーの揮発量の測定方
法は、コンテナ収納直後のSMCシートから20cm×
20cmのシート1枚をサンプリングして重量(W1)
を測定し、ここで、予めこのSMC中に含まれるスチレ
ンモノマーの理論重量(W0)を計算しておく。
【0042】次に、上記実施例品および比較例品の1ヶ
月間保管したものからサンプリングして重量(W2)を
測定する。この間SMCから揮発するものは、このSM
Cの場合スチレンモノマーのみであるから、W1−W2
が揮発したスチレンモノマー重量である。従って、下記
数式2によりコンテナ保管中のスチレンモノマーの揮発
量(%)を求めた。
【0043】
【数2】スチレンモノマー揮発重量(%)=(W1−W
2)÷W0×100 上記式中、W1は初期重量、W2は1ヶ月間保管後の重
量、W0はスチレンモノマーの理論重量である。
【0044】次に、SMCをプレス成形した成形品の光
沢度の試験方法は、上記実施例品および比較例品から採
取した20cm×20cmのSMCサンプル2枚を積み
重ねプレス成形を行う。プレス条件は上型140℃、下
型145℃にて100kg/cm2 の圧力で5分間成形
し、縦22cm、横22cm、厚み3mmの平板を作製
する。この角平板を、JIS−K7105の60度鏡面
光沢度の測定方法により測定し、10回の平均値から光
沢度を求めた。
【0045】これらの結果を表1に示す。表1に示され
るように、比較例1〜3ではスチレンモノマーの揮発量
が大きくそれにともないプレス成形した成形品に光沢度
が低くなるといった外観不良が生じている。しかし、実
施例1品によれば、スチレンモノマーの揮発はほとんど
確認されなかった。しかも、プレス成形した成形品に光
沢があり、外観不良は生じていない。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
つづら折りSMCを直接コンテナ内で保管せず、気密化
した袋状物内で保管するため、以下の効果が得られる。
【0048】袋状物により、スチレンモノマーの外部
流出が防止されるので、大気汚染が防止される。
【0049】袋状物によってつづら折りSMCが密閉
され余剰空間が少なくなるので、SMCからのスチレン
モノマーの揮発を抑制し、SMCの熟成環境を良好にし
て、成形品の外観のむらを少なくすることができる。
【0050】SMCシートの始端や終端の切断面、更
にセパレートフィルムの破損箇所等からの樹脂の流出が
あった場合でも、その樹脂がコンテナ内に残留したり、
直接コンテナを汚染したりすることがなく、効率的に繰
り返しコンテナを再使用することができる。
【0051】高気密のコンテナを用いる必要はなく、
コスト的に有利である。ただし、高気密のコンテナを用
いると、コンテナ外へのスチレンモノマーの流出がより
完全に防止される。
【0052】つづら折りSMCシートを使用する際、
途中で使用を中断し保存する場合であっても、袋状物で
SMCを再び密閉することができるので、上記効果を保
つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる袋状物の一例を示す展開図であ
る。
【図2】同袋状物の組立斜視図である。
【図3】本発明の方法により収納したSMC収納物の一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 袋状物 2 側面部となるフィルム 3 底面部となるフィルム 4 綴じ蓋となるフィルム 5 側面部となるフィルムの下辺部 6 綴じ蓋となるフィルムの周縁部 10 コンテナ 11 SMCシート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SMCシートをつづら折りにしてコンテナ
    内に収納するSMCの保管方法において、スチレンモノ
    マーの透過の少ないフィルムで構成された袋状物を前記
    コンテナ内に予め配置し、前記SMCシートを前記袋状
    物内につづら折りして収納した後、前記袋状物を気密的
    に封止することを特徴とするSMCの保管方法。
  2. 【請求項2】前記袋状物を構成するフィルムが、スチレ
    ンモノマー透過度200×10-3g−cm/cm3 −h
    r以下であることを特徴とする請求項1記載のSMCの
    保管方法。
  3. 【請求項3】前記袋状物を構成するフィルムの少なくと
    も一部がポリアミドであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のSMCの保管方法。
JP11395798A 1998-04-23 1998-04-23 Smcの保管方法 Pending JPH11301626A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6719211B2 (en) 2000-11-06 2004-04-13 Ngk Insulators, Ltd. Droplet ejecting apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6719211B2 (en) 2000-11-06 2004-04-13 Ngk Insulators, Ltd. Droplet ejecting apparatus

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