JPH11299497A - 耐微生物腐食性の評価方法 - Google Patents

耐微生物腐食性の評価方法

Info

Publication number
JPH11299497A
JPH11299497A JP11534098A JP11534098A JPH11299497A JP H11299497 A JPH11299497 A JP H11299497A JP 11534098 A JP11534098 A JP 11534098A JP 11534098 A JP11534098 A JP 11534098A JP H11299497 A JPH11299497 A JP H11299497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion
potential
metal material
microbial
iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11534098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuko Yao
泰子 八尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP11534098A priority Critical patent/JPH11299497A/ja
Publication of JPH11299497A publication Critical patent/JPH11299497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実環境に近い条件下で、金属材料の耐微生物
腐食性を迅速に評価する方法を提供する。 【解決手段】 微生物が存在する水中環境下における金
属材料の耐微生物腐食性を評価する方法において、鉄イ
オン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2
500ppm以下であり、微生物腐食に関与する細菌を
含有する溶液を試験溶液として用い、試験溶液中の金属
材料の腐食電位の経時変化を計測するか、孔食電位およ
び腐食すき間再不動態化電位を計測するか、すき間腐食
試験を行ない、腐食電位および腐食電流の経時変化を計
測することを特徴とする耐微生物腐食性の評価方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広く自然環境で、
あるいは冷却水、排水、工業用水、地下水などを取り扱
う装置・設備に使用する金属材料の耐食性試験に係り、
特に海水および淡水等の微生物が存在する水中環境下で
使用される金属材料の耐食性を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水中環境で使用される金属材料には、例
えばステンレス鋼があり、使用時においては、ステンレ
ス鋼の局部腐食、つまり孔食やすき間腐食が問題にな
る。耐食性の評価方法としては、孔食では塩化第二鉄試
験法や孔食電位測定法があり、すき間腐食では3.5%
NaCl溶液を用いた腐食すき間再不動態電位測定法が
ある。また、微生物腐食に対する試験法としては、酸化
酵素を用いて微生物の代謝作用の影響を人工的に再現し
た耐食性試験法(特開平6−78794号公報、特開平
8−68774号公報)や水系に浸漬させた金属材料の
腐食電位上昇をりん酸塩を含有する水中で増幅する腐食
モニタリング方法(特開平6−201637号公報)、
微生物要因を考慮した比較的小規模な腐食試験装置(特
開平5−264497号公報)、さらに、微生物堆積物
中と水中とにおけるpH、溶存酸素量、腐食電位を比較
した水系の金属腐食予知方法(特開平2−290987
号公報)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属材料の耐食
性評価方法では、微生物活動の影響が考慮されておら
ず、微生物の存在する実環境とは異なる条件下での耐食
性試験である。また、これまでに報告されている微生物
腐食試験法は、腐食部位から採取した水を用いて長期間
浸漬試験したり、微生物の代謝作用を酵素で代替すると
いうものであり、これらは、微生物を用いたかつ迅速な
試験法とはいえない。そこで、微生物を用いた迅速な試
験を行なう目的で、微生物腐食と疑われる腐食部位から
頻繁に検出される細菌を培養して、その菌体を用いて耐
微生物腐食性試験を行なう方法が考えられている。
【0004】しかしながら、従来の耐食性評価方法に微
生物の培養技術をそのまま組み入れると、例えば、Si
lverman 9K培地を用いた場合には、微生物の
栄養源を含む溶液で培養することになる。すなわち、例
えば鉄酸化細菌の場合は、栄養源である2価鉄イオンを
含む溶液で培養することになる。このように2価鉄イオ
ンが存在する条件はすでに腐食が開始し、鉄イオンが溶
出した条件に相当することになるので、腐食が開始する
以前の鉄イオン濃度が低い実環境とは一致しない。ま
た、上述したような鉄酸化細菌培養用溶液、例えばSi
lverman9K培地では、硫酸イオン濃度が200
00ppmを越えており、実環境とそぐわない。硫酸イ
オン濃度が高くなると、孔食電位等を上昇させ、さら
に、天谷らが報告しているように(第114回腐食防食
シンポジウム資料、1997)、Clイオン濃度に対す
る比率が上がることによって、腐食の選択溶解特性が変
化する原因となり、実環境における微生物腐食現象を再
現することができない。
【0005】また、天然海水に各種金属材料を浸漬し、
微生物による表面皮膜の形成を電位測定を行なうことに
よって解析する研究が報告されている(Motoda S. et a
l. Corrosion Science. Vol. 31, pp 515-520,1990)
が、電位の上昇に10日から15日間要しており、耐微
生物腐食性を迅速に評価するには限界がある。
【0006】上述したように、従来の耐微生物腐食性試
験法や従来の耐食性試験法に微生物腐食に関与する細菌
を単に付加した試験法は、実環境とは異なる条件下で行
なわれるものであり、しかも耐微生物腐食性を迅速に評
価することは不可能であった。そこで本発明は、実環境
に近い条件下で、金属材料の耐微生物腐食性を迅速に評
価する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、微生物が存在する水中環境下における金
属材料の耐微生物腐食性を評価する方法において、鉄イ
オン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2
500ppm以下であり、微生物腐食に関与する細菌を
含有する溶液を試験溶液として用いることを特徴とする
耐微生物腐食性の評価方法を提供する。
【0008】前記微生物腐食に関与する細菌は、鉄イオ
ン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が25
00ppm以下である溶液中で前培養した後、前記前培
養した微生物腐食に関与する細菌を、鉄イオン濃度が6
0ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2500ppm
以下である溶液中で培養した細菌であることが好まし
い。
【0009】前記微生物腐食に関与する細菌は、硫酸塩
還元細菌、鉄細菌、鉄酸化細菌、および硫黄酸化細菌か
ら選択された少なくとも1種とすることができる。前記
金属材料の耐微生物腐食性は、前記試験溶液中における
前記金属材料の腐食電位の経時変化を計測し、前記腐食
電位の変化に基づいて評価することができる。
【0010】また、前記金属材料の耐微生物腐食性は、
前記試験溶液中における前記金属材料の腐食電位を計測
して第1の電位を得、前記試験溶液中における前記金属
材料の孔食電位および腐食すき間再不動態化電位の少な
くとも一方を計測して第2の電位を得、前記第1の電位
と前記第2の電位とを比較し、その大小関係に基づいて
評価することができる。
【0011】さらに、前記金属材料の耐微生物腐食性
は、前記金属材料としてすき間を形成した金属材料の試
験片を用いてすき間腐食試験を行ない、前記試験溶液中
における前記試験片の腐食電位および腐食電流の経時変
化を計測し、それらの変化に基づいて評価することがで
きる。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。冷却水、
排水、工業用水、地下水などを取り扱う配管、塔槽類な
どでステンレス鋼の微生物腐食事例が数多く報告されて
いるが、腐食形態は局部腐食であり、非常に大きい腐食
速度になっているものもある。
【0013】なお、微生物が存在する自然海水環境中な
どにおけるステンレスの腐食については、腐食電位が異
常に高くなる貴化現象が生じ、それによってステンレス
の局部腐食生起が加速されることが報告されている。腐
食電位貴化は、微生物の作用によると報告されている
が、そのメカニズムには不明な点が多い。
【0014】本発明者らは、ステンレス鋼の腐食部位か
ら頻繁に検出される鉄酸化細菌を用いて、ステンレス鋼
の腐食挙動に与える影響を鋭意検討したところ、微生物
によって腐食電位が高くなるという現象を再現すること
ができた。すなわち、鉄酸化細菌の培養に通常使用され
ているSilverman 9K培地の組成よりも、鉄
イオン濃度および硫酸イオン濃度を低減して、実環境に
近い組成の溶液を用いることによって、ステンレスの腐
食電位が高くなる微生物腐食特有の現象を極めて短期間
で再現することが初めて可能となった。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、鉄イオ
ン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が25
00ppm以下であり、微生物腐食に関与する細菌を含
有する溶液を試験溶液として用いて、この溶液中に金属
材料を浸漬してその耐微生物腐食性を評価するものであ
る。
【0016】試験溶液中の鉄イオン濃度が60ppmを
越える場合、あるいは硫酸イオン濃度が2500ppm
を越えると、鉄イオンまたは硫酸イオンが腐食挙動に与
える影響が大きくなるので、実環境に近い腐食の再現が
困難である。
【0017】なお、試験溶液中における鉄イオン濃度
は、10ppm以下であることが好ましく、全く含有さ
れないことがより好ましい。また、試験溶液中における
硫酸イオン濃度は、1000ppm以下であることが好
ましく、100ppm以下であることがより好ましい。
【0018】試験溶液中に含有される微生物腐食に関与
する細菌としては、硫酸塩還元菌、鉄細菌、鉄酸化細
菌、および硫黄酸化細菌等が挙げられる。硫酸塩還元菌
としては、例えばDesulfovibrio sp
p.,Desulfotomaculum spp.が
挙げられ、鉄細菌としては、例えばGallionel
la,Leptothrix,Sphaerotilu
s等が挙げられる。また、鉄酸化細菌としては、例えば
Thiobacillus ferrooxidans
が挙げられ、硫黄酸化細菌としては、例えば、Thio
bacillusthiooxidansが挙げられ
る。
【0019】こうした細菌は、試験溶液中、1×106
cell/ml〜5×106 cells/ml程度含有
されていることが望まれる。1×106 cell/ml
未満の場合には、細菌の腐食挙動に与える影響が小さく
なることによって迅速な評価が困難となり、一方5×1
6 cells/mlを越えると、細菌数を増やしても
5×106 cells/ml以上に腐食挙動に影響を与
えることはない。
【0020】本発明において微生物腐食に関与する細菌
は、鉄イオン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン
濃度が2500ppm以下である溶液中で前培養した
後、鉄イオン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン
濃度が2500ppm以下である溶液中で培養して用い
られる。鉄イオン濃度や硫酸イオン濃度を上述のように
規定することによって実環境に近い条件とすることがで
き、こうした溶液中で培養された細菌は、細菌体内の鉄
イオン濃度や硫酸イオン濃度が実環境と近くなる点で有
利である。
【0021】本発明の方法においては、上述したような
特定の試験溶液中に金属材料を浸漬し、金属材料の電気
化学計測を行なうことによって、その耐微生物腐食性を
評価する。試験条件は、試験溶液中に含有される細菌の
種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、
鉄酸化細菌を用いる場合には、10℃〜40℃程度の温
度で、pHは0.5〜7.0程度とすることが好まし
く、至適温度は30℃であり、至適pHは2〜5であ
る。また金属材料としては、例えば、サンプルサイズ1
0×10×6(t)mmの試験片を用いることができ
る。
【0022】電気化学計測としては、例えば、試験溶液
中における金属材料の腐食電位の経時変化を計測し、そ
の変化に基づいて金属材料の耐微生物腐食性を評価する
ことができる。腐食電位の経時変化の計測は、例えば飽
和甘こう電極を照合電極として電位差計を用いて行なわ
れる。
【0023】微生物腐食に関与する細菌を含有しない以
外は、前述の試験溶液と同様の組成の比較溶液(対照溶
液)を用意して、比較溶液中にも同様の金属材料を浸漬
し、腐食電位の経時変化を測定する。これを対照系とし
て、試験溶液中における金属材料(評価系)の腐食電位
の経時変化と比較し、評価系の腐食電位が上昇傾向にあ
る場合には、金属材料が微生物による腐食傾向にあると
評価する。
【0024】また、異なる金属材料について、耐微生物
腐食性を比較することも可能である。この場合には、同
様の組成の試験溶液中にそれぞれ金属材料を浸漬して、
腐食電位の経時変化を測定する。平衡に達した際の腐食
電位の上昇した値が大きい金属材料ほど、微生物腐食感
受性が大きいと評価する。
【0025】あるいは、上述したような腐食電位を第1
の電位として、孔食電位および腐食すき間再不動態化電
位の少なくとも1つの電位を計測して第2の電位とし、
第1の電位と第2の電位とを比較して、その大小関係に
よって金属材料の耐微生物腐食性を評価することもでき
る。
【0026】この場合、腐食電位が安定した値を第1の
電位とする。孔食電位の計測は、JIS−G0577に
準拠して行なうことができ、腐食すき間再不動態化電位
の計測は、ポテンシオスタット(定電位電解装置)を用
いて往復分極試験(JIS G0580)などにより測
定することができる。孔食電位およびすき間再不動態化
電位は、腐食電位が安定した後に計測することが、局部
腐食が発生し得る電位が正確に求められるために好まし
い。
【0027】こうして計測された第2の電位よりも第1
の電位の方が高い場合、すなわち、孔食電位および腐食
すき間再不動態化電位の少なくとも1つの電位よりも、
腐食電位が高い場合には、微生物が存在する環境下で局
部腐食が発生する可能性が高いと評価する。
【0028】またさらに、金属材料としてすき間を形成
した試験片を用いてすき間腐食試験を行ない、腐食電位
と腐食電流とを計測してその変化に基づいて金属材料の
耐微生物腐食性を評価することもできる。すき間を形成
した試験片としては、例えば、金属−金属のすき間形成
を形成したサンプルサイズ20×50×6(t)mmの
金属材料や溶接部を有する金属材料が挙げられる。溶接
部を有する金属材料の場合には、溶接部を中心に、酸化
被膜を形成した部分を例えば10×50×6(t)mm
採取する。
【0029】微生物腐食に関与する細菌を含有しない以
外は、前述の試験溶液と同様の組成の比較溶液(対照溶
液)を用意して、比較溶液中にも同様の試験片を浸漬
し、腐食電位および腐食電流の経時変化を計測する。こ
れを対照系として、試験溶液中における試験片(評価
系)の腐食電位および腐食電流の経時変化と比較し、評
価系の腐食電位が下降する傾向にある場合、あるいは腐
食電流値が増大する場合には、試験片が微生物腐食感受
性を有すると評価する。
【0030】また、腐食電位が低下して腐食電流が流れ
始めた時点を腐食開始点とした腐食開始までの時間を計
測し、この腐食開始までの時間に基づいて金属材料間の
耐微生物腐食性を比較することもできる。さらに、腐食
電流量から腐食量を計測し、この腐食量に基づいて、金
属材料間の耐微生物腐食性を比較することも可能であ
る。すなわち、いくつかの金属材料を比較した場合に
は、腐食開始までの時間が短い場合、または腐食量の値
が大きい場合に微生物腐食感受性が大きいと評価する。
【0031】本発明の方法を用いてその耐微生物腐食性
を評価し得る金属材料としては、例えば、SUS30
4、SUS340、およびSUS316等のステンレス
鋼が挙げられるが、これに限定されるものではなく、炭
素鋼や銅、銅合金といった任意の金属材料の耐微生物腐
食性を、本発明の方法を用いることによって評価するこ
とができる。
【0032】本発明の方法では、鉄イオン濃度および硫
酸イオン濃度を所定の値以下に規定し、さらに微生物腐
食に関与する細菌を含有する試験溶液を用いているの
で、実環境に近い条件とすることができ、しかも迅速に
金属材料の耐微生物腐食性を評価することが可能となっ
た。
【0033】また、本発明では、鉄イオン濃度および硫
酸イオン濃度が所定の値以下の溶液中で、微生物腐食に
関与する細菌を培養するので、細菌体内の鉄イオン濃度
および硫酸イオン濃度も低くなった実環境に近い細菌を
得ることができる。こうした細菌は、本発明の耐微生物
腐食性評価方法に好適に用いられる。
【0034】
【実施例】以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)まず、鉄酸化細菌の培養に通常使用される
5%FeSO4 を含むSilverman9K培地で、
鉄酸化細菌としてのThiobacillus fer
rooxiansを3日間培養した。次いで、培養後の
鉄酸化細菌の10分の1を、下記表1に示す組成の試験
培地中に添加して3日間馴養し、この間に鉄酸化細菌中
に蓄積された鉄イオンを自ら代謝し、鉄イオン濃度が0
かそれに近い状態にする。その後、この培養液から遠心
分離機で鉄酸化細菌を回収した。ここで用いた各培地の
組成を下記表1にまとめる。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示されるように、試験培地は、鉄イ
オンを含有せず、硫酸イオン濃度は100ppmとSi
lverman9K培地の20000ppmより低いの
で、実環境に近い組成である。
【0037】また、上述したような試験培地を500m
l収容したガラスセルを2つ用意し、一方のガラスセル
には前述の鉄酸化細菌を添加して評価系(a1 )とし、
他方には鉄酸化細菌を添加せずに対照系(b1 )とし
た。なお、評価系の溶液中には5×106 cells/
mlの濃度で鉄酸化細菌が含有されている。
【0038】こうして準備された各溶液中に0.8ml
/リットルで空気をそれぞれ吹き込み、試験材としての
SUS304ステンレス鋼を浸漬した。なお、ここで用
いた試験材は、溶接熱履歴によるCr欠乏域の生成(鋭
敏化)を想定して650℃で2時間の熱処理を予め施し
ておいた。その後、各溶液中に浸漬した試験片の腐食電
位の経時変化を電位差計を用いて測定した。
【0039】図1のグラフには、各溶液中に浸漬したS
US304試験片の腐食電位の経時変化を示す。図1に
示すように、鉄酸化細菌を添加しない場合(対照系b
1 )では、SUS304の腐食電位は−100mV v
s S.C.E.(照合電極として飽和甘こう電極を基
準とする)に安定している。これに対して、鉄酸化細菌
を添加した場合(評価系a1 )では、SUS304の腐
食電位は、220mV vs S.C.E.まで上昇し
ている。このように、微生物によって腐食電位が高くな
り、貴化することがわかった。
【0040】また、試験材としてSUS430およびS
US316ステンレス鋼を用いる以外は、前述と同様に
して試験溶液および対照系の溶液にそれぞれ浸漬し、腐
食電位の経時変化を測定した。各試験材について得られ
た結果を、図2および図3のグラフにそれぞれ示す。
【0041】なお、図2および図3のグラフ中、曲線a
2 およびa3 は鉄酸化細菌を添加したもの(評価系)で
あり、曲線b2 およびb3 は鉄酸化細菌を添加しなかっ
たもの(対照系)についての結果である。前述の試験材
としてSUS304を用いた結果を含めて評価する。
【0042】図1〜図3に示されるように、いずれの鋼
種についても、鉄酸化細菌を添加したもの(曲線a1
2 、a3 )は、鉄酸化細菌を添加しないもの(曲線b
1 、b2 、b3 )よりも腐食電位が上昇しており、微生
物腐食の発生する傾向を示している。
【0043】さらに、それぞれの鋼種について、腐食電
位の上昇した値を計測したところ、SUS304で35
0mV、SUS430で400mV、SUS316で2
00mVであった。腐食電位の上昇した値が大きい金属
材料が微生物腐食感受性が大きいと評価することがで
き、これら3種類の鋼材の微生物腐食の傾向を下記表2
に示すように評価する。
【0044】
【表2】
【0045】一方、同種の鋼材(SUS304、SUS
340、SUS316)を実海水に1年間浸漬し、微生
物腐食の発生を調査して微生物腐食の傾向を調べ、得ら
れた結果を表2に併記した。
【0046】表2に示すように、本発明の耐微生物腐食
性評価方法を用いた各種鋼材の評価結果は、実海水中で
1年間という長期間の試験結果とよく一致しており、実
環境中での各種鋼材の耐微生物腐食性を極めて短期間で
評価することができることが確認された。具体的には、
本発明による評価方法では、腐食電位は長くても48時
間程度、短い場合には3時間程度で安定値に達してお
り、迅速に耐微生物腐食を評価することができる。
【0047】本実施例においては、鉄イオン濃度が60
ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2500ppm以
下であり、微生物腐食に関与する細菌を含有する試験溶
液中における金属材料の腐食電位の経時変化を計測する
ことによって、金属材料の耐微生物腐食性を評価する方
法を説明した。
【0048】微生物腐食に関与する細菌を含有しない以
外は前述の試験溶液と同様の対照溶液における金属材料
の腐食電位の経時変化と比較して、試験溶液中における
金属材料の腐食電位が上昇する傾向にあれば、金属材料
が微生物による腐食感受性を有していると評価する。
【0049】また、いくつかの金属材料を比較した場合
には、対照系と比べて腐食電位の上昇した値が大きい金
属材料ほど微生物腐食感受性が大きいと評価する。いず
れの場合も、極めて迅速に金属材料の耐微生物腐食性を
評価することが可能である。 (実施例2)まず、鉄酸化細菌の培養に通常使用される
Silverman9K培地で、鉄酸化細菌としてのT
hiobacillus ferrooxiansを3
日間培養した。次いで、培養後の鉄酸化細菌の10分の
1を、前述の表1に示す組成の試験培地中に添加して3
日間馴養した。この間に鉄酸化細菌中に蓄積された鉄イ
オンを自ら代謝し、鉄イオン濃度が0かそれに近い状態
にする。その後、この培養液から遠心分離機で鉄酸化細
菌を回収した。
【0050】また、上述したような試験培地を500m
l収容したガラスセルを4つ用意し、その溶液にClイ
オンを添加して、10000mg/リットルと1000
mg/リットルとの2種類のClイオン濃度の溶液を調
製した。それぞれのClイオン濃度のガラスセルの一方
には、前述の鉄酸化細菌を添加して評価系とし、他方に
は鉄酸化細菌を添加せずに対照系とした。なお、評価系
の溶液中には5×106 cells/mlの濃度で鉄酸
化細菌が含有されている。
【0051】こうして準備された各サンプル中に0.8
ml/リットルで空気をそれぞれ吹き込み、試験材とし
てのSUS304ステンレス鋼を浸漬した。なお、ここ
で用いた試験材は、溶接熱履歴によるCr欠乏域の生成
(鋭敏化)を想定して650℃で2時間の熱処理を予め
施しておいた。その後、各サンプル中に浸漬した試験片
の腐食電位の経時変化を電位差計により計測した。腐食
電位が安定した後、孔食電位をJIS G0577に準
拠して計測するとともに、腐食すき間不動態化電位をポ
テンシオスタットを用いて計測した。各溶液中に浸漬し
た金属材料の腐食電位、孔食電位、および腐食すき間不
動態化電位を下記表3にまとめる。
【0052】
【表3】
【0053】表3に示すように、鉄酸化細菌を添加しな
い対照系では、いずれのClイオン濃度においても孔食
電位および腐食すき間不動態化電位は、腐食電位より高
い値となっている。これに対して鉄酸化細菌を添加した
評価系では、孔食電位および腐食すき間不動態化電位
は、腐食電位より低くなっている。SUS304ステン
レス鋼の腐食電位が孔食やすき間腐食の局部腐食の生起
する臨界電位より高い電位域であるので、局部腐食が発
生する可能性の高いことが、この結果に示されている。
【0054】本実施例においては、鉄イオン濃度が60
ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2500ppm以
下であり、微生物鉄腐食に関与する細菌を含有する試験
溶液中における金属材料の腐食電位を測定して第1の電
位を得るとともに、この金属材料の孔食電位および腐食
すき間再不動態化電位の少なくとも一つを測定して第2
の電位を得、第1の電位と第2の電位とを比較し、その
大小関係に基づいて金属材料の耐微生物腐食性を評価す
る方法を説明した。
【0055】第1の電位である腐食電位が、第2の電
位、すなわち孔食電位および腐食すき間再不動態化電位
の少なくとも1つより高い場合、その金属材料は、微生
物が存在する環境下で局部腐食が発生する可能性が高い
と評価する。 (実施例3)まず、鉄酸化細菌の培養に通常使用される
Silverman9K培地で、鉄酸化細菌としてのT
hiobacillus ferrooxiansを3
日間培養した。次いで、培養後の鉄酸化細菌の10分の
1を、前述の表1に示す組成の試験培地中に添加して3
日間馴養した。この間に鉄酸化細菌中に蓄積された鉄イ
オンを自ら代謝し、鉄イオン濃度が0かそれに近い状態
にする。その後、この培養液から遠心分離機で鉄酸化細
菌を回収した。
【0056】また、上述したような試験培地を500m
l収容したガラスセルを2つ用意し、その溶液にClイ
オンを500ppmの濃度で添加して溶液を調製した。
一方のガラスセルには、前述の鉄酸化細菌を添加して評
価系とし、他方には鉄酸化細菌を添加せずに対照系とし
た。なお、評価系の溶液中には5×106 cells/
mlの濃度で鉄酸化細菌が含有されている。
【0057】こうして準備された各溶液中に0.8ml
/リットルで空気をそれぞれ吹き込み、試験材としての
すき間を形成した金属材料を浸漬してすき間腐食試験を
行ない、各溶液中に浸漬した試験片の腐食電位の経時変
化と腐食電流の経時変化とを測定した。
【0058】腐食電位の経時変化を図4のグラフに示
し、腐食電流の経時変化を図5のグラフに示す。図4の
グラフに示されるように、鉄酸化細菌を添加しない対照
系では、腐食電位は250mV vs S.C.E.
(照合電極として飽和甘こう電極を基準とする)に安定
するが、鉄酸化細菌を添加した評価系では、3日目に腐
食電位が下降している。また、図5のグラフに示される
ように、対照系では腐食電流値に変化は生じないもの
の、評価系では3日目に腐食電流値が増大しており、す
き間腐食が生起していることを示している。このように
腐食電位が下降し、腐食電流値が急増していることか
ら、評価系では微生物によって局部腐食が生じる可能性
があると評価できる。
【0059】本実施例においては、鉄イオン濃度が60
ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2500ppm以
下であり、微生物腐食に関与する細菌を含有する試験溶
液中において、すき間を形成した金属材料の試験片を用
いてすき間腐食試験を行ない、試験片の腐食電位と腐食
電流の経時変化を計測することにより、金属材料の耐微
生物腐食性を評価する方法を説明した。
【0060】微生物腐食に関与する細菌を含有しない以
外は前述の試験溶液と同様の対照溶液における同様の金
属材料の腐食電位や腐食電流値の経時変化と比較して、
試験溶液中における金属材料の腐食電位が下降する傾向
にある場合、あるいは腐食電流値が増大する場合には、
その金属材料が微生物による腐食感受性を有していると
評価する。
【0061】また、腐食電位が低下し、腐食電流が流れ
始めたときを腐食開始点とした腐食開始までの時間を計
測し、この腐食開始までの時間に基づいて、金属材料間
の耐微生物腐食性を比較することも可能である。なお、
金属材料間の耐微生物腐食性の比較は、腐食電流量から
計測された腐食量に基づいて行なうこともできる。すな
わち、いくつかの金属材料を比較した場合には、腐食開
始までの時間が短い場合、また腐食量の値が大きいほど
微生物による腐食感受性が大きいと評価することができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
実環境に近い条件下で、金属材料の耐微生物腐食性を迅
速に評価する方法が提供される。本発明の評価方法を用
いることにより、微生物腐食が生じ得る全ての金属材料
について、その耐微生物腐食性を極めて迅速に評価する
ことが可能であり、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】SUS304試験片の腐食電位の経時変化を示
すグラフ図。
【図2】SUS340試験片の腐食電位の経時変化を示
すグラフ図。
【図3】SUS316試験片の腐食電位の経時変化を示
すグラフ図。
【図4】すき間腐食試験における腐食電位の経時変化を
示すグラフ図。
【図5】すき間腐食試験における腐食電流の経時変化を
示すグラフ図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 27/26 351 G01N 27/26 351D //(C12N 1/20 C12R 1:01)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物が存在する水中環境下における金
    属材料の耐微生物腐食性を評価する方法において、 鉄イオン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度
    が2500ppm以下であり、微生物腐食に関与する細
    菌を含有する溶液を試験溶液として用いることを特徴と
    する耐微生物腐食性の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物腐食に関与する細菌は、鉄イ
    オン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が2
    500ppm以下である溶液中で前培養した後、鉄イオ
    ン濃度が60ppm以下であり、硫酸イオン濃度が25
    00ppm以下である溶液中で培養した細菌であること
    を特徴とする請求項1に記載の耐微生物腐食性の評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記微生物腐食に関与する細菌は、硫酸
    塩還元細菌、鉄細菌、鉄酸化細菌、および硫黄酸化細菌
    から選択された少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の耐微生物腐食性の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記試験溶液中における前記金属材料の
    腐食電位の経時変化を計測し、前記腐食電位の変化に基
    づいて前記金属材料の耐微生物腐食性を評価することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐
    微生物腐食性の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記試験溶液中における前記金属材料の
    腐食電位を計測して第1の電位を得、前記試験溶液中に
    おける前記金属材料の孔食電位および腐食すき間再不動
    態化電位の少なくとも一方を計測して第2の電位を得、
    前記第1の電位と前記第2の電位とを比較し、その大小
    関係に基づいて前記金属材料の耐微生物腐食性を評価す
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の耐微生物腐食性の評価方法。
  6. 【請求項6】 前記金属材料としてすき間を形成した金
    属材料の試験片を用いてすき間腐食試験を行ない、前記
    試験溶液中における前記試験片の腐食電位および腐食電
    流の経時変化を計測し、それらの変化に基づいて前記金
    属材料の耐微生物腐食性を評価する請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の耐微生物腐食性の評価方法。
JP11534098A 1998-04-24 1998-04-24 耐微生物腐食性の評価方法 Pending JPH11299497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11534098A JPH11299497A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 耐微生物腐食性の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11534098A JPH11299497A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 耐微生物腐食性の評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11299497A true JPH11299497A (ja) 1999-11-02

Family

ID=14660128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11534098A Pending JPH11299497A (ja) 1998-04-24 1998-04-24 耐微生物腐食性の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11299497A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221483A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Nippon Steel Corp ステンレス鋼の耐食性の評価用試験液および評価方法
CN100374845C (zh) * 2005-09-01 2008-03-12 复旦大学 一种评价材料耐点蚀性能的方法
JP2008215852A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Nippon Steel Corp 鉄又は鉄を含む合金の耐食性の評価方法
CN108680488A (zh) * 2018-05-31 2018-10-19 北京市燃气集团有限责任公司 一种地库上方埋地燃气管道腐蚀检测方法
RU2672193C1 (ru) * 2017-10-16 2018-11-12 Публичное акционерное общество "Транснефть" (ПАО "Транснефть") Способ оценки опасности биокоррозионных процессов подземных стальных сооружений
CN109337797A (zh) * 2018-11-23 2019-02-15 航天神舟生物科技集团有限公司 适用于微重力环境的材料微生物腐蚀试验装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221483A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Nippon Steel Corp ステンレス鋼の耐食性の評価用試験液および評価方法
JP4549547B2 (ja) * 2001-01-25 2010-09-22 新日鐵住金ステンレス株式会社 ステンレス鋼の耐食性の評価用試験液および評価方法
CN100374845C (zh) * 2005-09-01 2008-03-12 复旦大学 一种评价材料耐点蚀性能的方法
JP2008215852A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Nippon Steel Corp 鉄又は鉄を含む合金の耐食性の評価方法
RU2672193C1 (ru) * 2017-10-16 2018-11-12 Публичное акционерное общество "Транснефть" (ПАО "Транснефть") Способ оценки опасности биокоррозионных процессов подземных стальных сооружений
CN108680488A (zh) * 2018-05-31 2018-10-19 北京市燃气集团有限责任公司 一种地库上方埋地燃气管道腐蚀检测方法
CN108680488B (zh) * 2018-05-31 2021-10-15 北京市燃气集团有限责任公司 一种地库上方埋地燃气管道腐蚀检测方法
CN109337797A (zh) * 2018-11-23 2019-02-15 航天神舟生物科技集团有限公司 适用于微重力环境的材料微生物腐蚀试验装置
CN109337797B (zh) * 2018-11-23 2024-01-23 航天神舟生物科技集团有限公司 适用于微重力环境的材料微生物腐蚀试验装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Usher et al. Critical review: microbially influenced corrosion of buried carbon steel pipes
Franklin et al. Pitting corrosion by bacteria on carbon steel, determined by the scanning vibrating electrode technique
Gayosso et al. Microbial consortium influence upon steel corrosion rate, using polarisation resistance and electrochemical noise techniques
Linhardt Twenty years of experience with corrosion failures caused by manganese oxidizing microorganisms
Huttunen-Saarivirta et al. Ennoblement, corrosion, and biofouling in brackish seawater: comparison between six stainless steel grades
Chamritski et al. Effect of iron-oxidizing bacteria on pitting of stainless steel
Liu et al. Corrosion mechanism of nitrate reducing bacteria on X80 steel correlated to its intermediate metabolite nitrite
Wang et al. Rapid detection of nitrite based on nitrite-oxidizing bacteria biosensor and its application in surface water monitoring
JPH11299497A (ja) 耐微生物腐食性の評価方法
US6960288B2 (en) Method and device for detecting microbiologically induced corrosion
Cheng et al. Electrochemical investigation of the corrosion behavior of chromium-modified carbon steels in water
Pourbaix Significance of protection potential in pitting, intergranular corrosion and stress-corrosion cracking
Javed et al. Microbiologically influenced corrosion of stainless steel by sulfate reducing bacteria: A tale of caution
Dec et al. Corrosion behaviour of 2205 duplex stainless steel in pure cultures of sulphate reducing bacteria: SEM studies, electrochemical characterisation and biochemical analyses
Salgar-Chaparro et al. Corrosion of carbon steel by Shewanella chilikensis DC57 under thiosulphate and nitrate reducing conditions
Neville et al. Corrosion of stainless steels in marine conditions containing sulphate reducing bacteria
Machuca et al. Microbiologically influenced corrosion of high resistance alloys in seawater
Walch et al. Influence of hydrogen-producing bacteria on hydrogen uptake by steel
JP4549547B2 (ja) ステンレス鋼の耐食性の評価用試験液および評価方法
Dexter Microbiological effects
Hernández Gayosso et al. Evaluation of a biocide effect upon microbiologically influenced corrosion of mild steel
Compere et al. Behaviour of stainless steel in natural seawater
Dubey et al. A review of electrochemical techniques applied to microbiologically influenced corrosion in recent studies
Kurmakova et al. Corrosion of copper in a medium of bacteria sulfate reduction proceeding
JP4260330B2 (ja) 耐すきま腐食性に優れた淡水用ステンレス鋼