JPH11298988A - マイクロフォンの指向特性を制御する装置 - Google Patents
マイクロフォンの指向特性を制御する装置Info
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Abstract
るマイクロフォンの制御方法及び装置に関する。 【解決手段】 騒音下で話者の音声を抽出するマイクロ
フォンの指向特性を制御する装置において、直線的で等
間隔に配置され、且つ平面音波を入力する複数のマイク
ロフォンMIC1、2、3と、複数のマイクロフォンの
出力信号を処理して各マイクロフォンに入力する平面音
波の位相の相違に基づいて話者の方向に感度がピークと
なり且つ騒音の到来する方向に感度がディップとなるよ
うにマイクロフォンの指向特性を制御するマイクロフォ
ン回路10とを具備する。
Description
音声認識装置に設けられるマイクロフォンの制御方法及
び装置に関する。
章を認識するものであり、音声認識装置に対する音声の
入力には認識率の向上のためにヘッドセットのマイクロ
フォンが使用される。近年、自動車にも音声認識装置が
搭載され、例えば、の音声ダイアル等に使用するために
種々の開発が行われている。このハンズフリー電話シス
テムでは、運転手がヘッドセットを付けると、運転に支
障があるので、一定の場所に固定されたマイクロフォン
が使用される。
イクロフォンには話者と固定マイクロフォンとの間に一
定の距離が生じるため自動車の走行時に発生する車室内
の騒音が入って来て音声認識装置の認識率の向上が困難
になるという問題がある。この問題の解決方法として指
向特性のあるマイクロフォンが使用されるが、必ずしも
必要な指向性が得られず、特に、話者に対して感度がピ
ークとなり、車室内の騒音に対して感度がディップとな
る条件のマイクロフォンを得ることができない。
れた信号をデジタル的に信号処理することにより、ノイ
ズの除去する方法もあるが、高性能なCPU(中央演算
装置)を必要とするため、コスト的に実現段階で問題が
発生する。したがって、本発明は、上記問題点に鑑み、
騒音到来方向に感度がディップとなり、話者方向に感度
がピークとなるように指向特性を制御してS/Nを改善
しつつ低廉なコストを実現できるマイクロフォン指向特
性の制御方法及び装置を提供することを目的とする。
解決するために、騒音下で話者の音声を抽出するマイク
ロフォンの指向特性を制御する装置において、直線的で
等間隔に配置され、且つ平面音波を入力する複数のマイ
クロフォンと、前記複数のマイクロフォンの出力信号を
処理して各マイクロフォンに入力する平面音波の位相の
相違に基づいて話者の方向に感度がピークとなり且つ騒
音の到来する方向に感度がディップとなるようにマイク
ロフォンの指向特性を制御するマイクロフォン回路とを
具備することを特徴とするマイクロフォンの指向特性を
制御する装置を提供する。具体的には、前記マイクロフ
ォン回路は、3つのマイクロフォンのうち2つの左右マ
イクロフォンの出力信号の差を取ることにより、前記2
つの左右マイクロフォン間の中央の対称軸で8の字型で
正負極を有する8の字型指向特性を形成する差動増幅器
と、前記差動増幅器により得られた結果を積分して前記
差動増幅器により得られる低周波数での指向特性の低下
を回復する積分器と、前記積分器の出力信号と前記3つ
のマイクロフォンのうち1つの中央マイクロフォンの出
力信号を加算して前記差動増幅器で得られる前記8の字
型の正負極の指向特性の一方の極を消去して他方の極を
強調して指向特性を鋭くする加算器とを備える。この手
段により、音声認識に使用される周波数の範囲で指向特
性を先鋭化することが可能になった。複数のマイクロフ
ォンの取り付け位置、各マイクロフォンの利得制御によ
り、話者に対して感度がピークになり、騒音に対して感
度がディップとなるように、指向特性の制御が可能にな
る。これにより、S/Nが改善され、音声認識率が向上
する。
ロフォン指向特性の制御方法及び装置は、前述のよう
に、自動車に使用される音声認識装置に適用され、例え
ば、周波数範囲300Hzから5kHzまでの音放射に
関して、複数の、例えば、2〜3個のマイクロフォンを
等間隔に直線配置にして、話者方向に対しては感度をピ
ークにし自動車の床方向に対しては感度をディップにす
る指向特性を有することにより、1個のマイクロフォン
の使用と比較して、以下のように、S/Nの改善を行
う。
指向特性例を説明する図である。本図に示す如く、距離
dだけ離れた2つのマイクロフォンMIC1及びMIC
2が直線上に配置され、角度θ方向から平面波が到来し
ているとする。2つのマイクロフォンMIC1及びMI
C2の間の中心位置Oを基準点(注目点)、各マイクロ
フォンMIC1及びMIC2の音圧は、次式(1)のよ
うに、示される。Rは距離、またk=(ω/c)は波長
定数である(cは音速)。
式(2)のように、全体の出力とする場合を考える。こ
こで、マイクロフォンMIC1とMIC2の感度の大き
さは特に指定しないで両者は等しいとする。
ようになる。
る図である。本図に示すkdは、d=4cm、c=34
0m/sとすると、次式(4)で示される。
の値は下記表1のようになる。
に、単純加算の場合、周波数f=1500Hz以上では
指向特性が強い楕円になるが、周波数f=1500Hz
未満の低周波では一方向の指向特性が弱い円になり一方
向の指向特性を強くすることが困難である。2つのマイクロフォンの出力の差 マイクロフォンMC2の出力からマイクロフォンMC1
の出力の差を全体の出力とする場合を考える。この場合
の指向性関数Dは、次式(5)で与えられる。
る図である。本図に示すように、上記式(5)は8の字
型で対称軸に対して正負極の指向特性を有するが、指向
特性の大きさは低い周波数域では、周波数に比例して小
さくなる。それゆえ、2つのマイクロフォンの出力差を
取る方式では、その後に積分器が不可欠となる。1/j
ωτの利得の積分器を用いると、指向性関数Dは次式
(6)のようになる。
下にビームフォーマを考えるときの基本要素といえる。一方に位相器を付加した2つのマイクロフォンの出力の
和 図4は、指向性形成のブロックダイヤグラム1であっ
て、2つのマイクロフォンの出力の和を取る方式に位相
器を付加した構成例を示す図である。本図に示す如く、
マイクロフォン回路10ではマイクロフォンMIC2の
出力にAll Pass(全域通過)の遅延回路を付加してその
出力とマイクロフォンMIC1の出力との和が取られ
る。この場合の指向特性関数Dは次式(7)、(8)で
示される。
d=4cm、τ=135μsecとして、式(8)の各
周波数の数値計算結果例を説明する図である。図5、図
6に示す如く、本方式では、低周波数で、特定方向への
指向性は実現不可能である。構成が簡単であるが、|D
|=2cos{(kd/2)cosθ+tan-1ωτ}
の形であるから低い周波数でのある特定方向への指向特
性を大きく取れない欠点がある。この方式により、広い
周波数範囲で、図5(d)のような指向特性を実現する
には、AllPassによる位相推移でなく、各周波数に対し
て、それぞれ適切な位相推移を与える必要がある。
ォンの出力の差に積分器の付加 図7は、指向性形成のブロックダイヤグラム2であっ
て、図5、6に式(6)を基本として位相推移を付加し
た構成例を示す図である。本図のマイクロフォン回路1
0より得られる指向特性Dは、次式(9)、(10)で
示される。
れているτをτ=CRとして示す。図8、図9は、図7
の指向特性について、d=6cm、CR=63μse
c、τ=87μsecとして、式(10)の各周波数で
の数値計算結果例を説明する図である。CRの値は、θ
=45°で、Dがディップを有するように設定してい
る。
osθ−tan-1ωCR〕の形は、cos〔(kd/
2)cosθ+tan-1ωτ〕よりは、低周波数で良好
な指向性が得やすい。2つのマイクロフォンの出力の差の特性に正値を加算 図10は指向性形成のブロックダイヤグラム3を示す図
である。式(6)は、図3に示すように、原点を中心と
する対称軸に対して横8の字の指向性を有するので、図
4、図7の位相器を使わずに、本図に示すマイクロフォ
ン回路10では、8の字のマイナス(負)側を正値で打
ち消し、プラス(正)側を強調したビームフォーマが考
えられる。
る。
いて、d=6cm、τ=120μsecとして、式(1
1)の各周波数での数値計算結果例を説明する図であ
る。なお、τの値は、θ=45°でDがディップを有す
るように設定している。本図により、図10の本方式
は、本方式を含めて、図4、図7との3通りの方式中
で、低い周波数からかなり高い周波数まで最も良好な指
向性が実現可能であることがわかる。
からかなり高い周波数まで、広範囲に良好な指向特性が
得られるから、これについて以下に詳細に検討を行う。
図13は3マイクロフォン直線配置積分方式を採用する
基本構成を説明する図である。本図に示すように、3つ
のマイクロフォンが等間隔に直線配置され、マイクロフ
ォン回路10では、それぞれの出力は積分器、加算器を
用いて、合成して所望の出力が得られる。後述するよう
に、利得を適当に調整することにより感度のディップ点
は任意に設定できる。なお、LPF(低域通過フィル
タ)は、後述するように、高い周波数での指向特性の劣
化を補償するものである。説明の都合上、LPFを用い
ない場合について、再度、詳しく述べる。図13でLP
Fを用いない場合の指向性関数Dは、次式(12)のよ
うになる。
は、指向性関数Dは次式(13)のようになる。
ある。τ=c/dとすると、θに対する式(13)の指
向性関数|D|の分布は本図に示すようになる。図15
はωに対する2sin〔(kd/2)cosθ〕/ωτ
の変化を説明する図である。ωに対する2sin〔(k
d/2)cosθ〕/ωτの変化を各θにおいて調べる
と、本図に示すようになる。ただし、ここではτの値は
θ=0°で|D|が零となるように設定している。
°で2sin〔(kd/2)cosθ〕/ωτは1で式
(12)は0となる。そして、周波数が1kHz弱まで
は、各θに対する値はf=0のときとほぼ同じであるか
ら、その指向特性は図14のようになる。図16は指向
特性の劣化の概要を説明する図である。しかし、さら
に、上記周波数1kHzよりも高くなると、|D|の分
布は、概略、図16(a)のように劣化する。
周波数4kHz以上になると、図16(b)のように、
さらに指向特性が劣化する。したがって、dを大きくす
るほど、高い周波数の指向特性は劣化が生じ易くなる。
次にLPFを用いて、高い周波数での指向特性を補償す
ることを考える。図14の目標とする指向特性を高い周
波数で実現するには、各θでの2sin〔(kd/2)
cosθ〕/ωτの値をθ=0のときの値にそろえるこ
とが必要である。そこで、ここでは、図13に示す如く
LPFを設けて、高い周波数での2sin〔(kd/
2)cosθ〕/ωτの値の大きさの低下を、LPFの
共振特性によるピーキングで補償する考えを取る。
ようになる。
の大きさの拡大を利用して、指向特性の補償が行われ
る。しかしながら、図14の3)d=8cmの場合は、
周波数約4kHz以上では、本方法をもってしても、補
償は不可能である。図17は式(14)の振幅特性を説
明する図である。LPFを用いた場合は、本図に示すよ
うに、指向性関数Dは次式(15)のようになる。
速)次の関係の式(16)のように、
を計算した結果は、前述の図11、図12に掲げてい
る。ただし、θ=45°でディップをもたせるためにτ
=120μsecとしている。
LPFを用い周波数での特性改善を図った計算結果例を
説明する図である。本図(a)から(g)の結果から、
LPFによる特性改善がよく分かる。ここに、LPFに
おいて、f0 =6800Hz、Q=20、d=6cm、
τ=120μsecである。次に、d=4cmとして、
θ=0°でディップを与える場合を取り上げる。式(1
6)からτ≒120μsecと求まる。この場合のLP
Fを用いて高周波補償を施した。
数値計算結果例を説明する図である。本図に示すよう
に、d=6cmからd=4cmに変更したことによっ
て、かなり高い周波数まで良好な指向特性が得られてい
る。図22は、d=6cm、θ=45°ディップ又はd
=4cm、θ=0°ディップの場合に図13の基本的構
成を具体化したマイクロフォン回路10の構成例を示す
図である。ただし、図13の基本構成の各経路に−1を
乗じた形となっている。本図に示すマイクロフォン回路
10は、マイクロフォンMC2とMC3とからの出力信
号を入力してこれらの差を形成する差動増幅器11と、
差動増幅器11の出力に接続されて高周波補償を行うL
PF12と、LPF12に接続されて積分を行う積分器
13と、積分13の出力とマイクロフォンMC1の出力
とを加算する加算器14とからなる。図22に示される
差動増幅器11、LPF12、積分器13、加算器14
を形成する、トランジスタ、オペアンプの種類、抵抗、
コンデンサ等の値は一例である。ここで、d=6cm、
θ=45°でディップをもたせるものとして、τ=12
0μsecである(d=4cm、θ=0°でディップの
場合も本回路構成となる)。
そのまま使用すると、その構成には、2つの問題があっ
た。積分器13を構成するオペアンプ(OP)のオフセ
ットを取るための帰還抵抗は、理想に近い積分特性実現
のために高抵抗値を与えている。しかし、 それでも低周波(300Hz付近以下)では、理想
の積分特性を実際に得ることが相当に難しい。他方、帰
還抵抗大である。
差(差動増幅器11を構成するOP1に積分特性をもた
せた場合は、直流差動誤差)によっても、積分器13の
出力に大きな直流誤差を生ずる。 以上の問題点の解決方法として、図22の回路図に示す
ように、積分器13の帰還抵抗の中間点と接地間を交流
点に短絡するにしてある。ただし、RC2、RC3に比べ
て、短絡用容量(インピーダンス)は十分に小さくする
必要がある。
路の動作を説明する。図23は図22の差動増幅回路1
1を説明する図である。本図の点Pにおいて、次式(1
7)、(18)が成立する。
0)が成立する。
と、次式(21)が成立する。
する図である。本図に、安定な動作が期待できる多重帰
還形LPFが示される。ここで、CB4とCB5の容量分割
回路を用いることによって、従来、困難であったQの高
Q化が実現できる。本構成の場合、有限GB積の影響は
無視できない。図24において、次式(22)が成立す
る。
3)が成立する。
(24)の通りになる。
きる範囲とするならば、次式(25)のように簡略化さ
れる。
な積分回路13を説明する図である。本図の積分回路1
3において、本来、C’は電界コンデンサの大きな容量
を用い、交流的には零インピーダンスを目標としてい
る。しかしながら、ここで、この容量C’の影響を、以
下に、調査する。有限GB積を無視して、点Pの電流の
連続性を取ると、次式(27)、(28)が成立する。
は、次式(30):
説明する図である。本図のP点において、次式(3
1)、(32)が成立する。
立する。
式(35)、(36)が成立する。
いる。このように、複数のマイクロフォンとアナログ回
路を用いることで、低コストで所望のマイクロフォンの
指向特性を得ることが可能になる。ビームフォーマの尖鋭化 基本的考え方 図27は自由空間内の半分に指向特性をもつマルチマイ
クロフォンのシステムとして3マイクロフォン直線配置
積分方式の例を示す図である。本図に示すマイクロフォ
ン回路10では、自由空間内の半分に指向特性を有する
マルチマイクロフォンのシステム、例えば、図13(図
27に再掲)の指向特性にsin(kdcosθ)、つ
まり横8の字を掛けることにより、さらにビームを鋭く
することを考えた。なお、低い周波数ではsin(kd
cosθ)の値が小さくなるから、指向特性が小さくな
る。したがって、その後には積分器を用いて増幅させる
ことが必要となる。
なる。
示す図である。本図に示すように、式(37)の指向特
性が示される。式(37)をさらに展開すると次式(3
8)となる。
値となるマイクロフォン配置を考え、この結果に基づく
次式(39)を示す。
マイクロフォンの配置を示す図である。本図に示すよう
に、式(39)を完全に満足するように5つのマイクロ
フォンの直列配置が行われる。尖鋭化したビームの3マイクロフォンによる実現 しかし、図30のようにマイクロフォンを5つも使用す
ることは望ましくない。そこで、 〔1〕マイクロフォンMIC2とMIC3を右にdだけ
移動して3マイクロフォンを実現する; 〔2〕マイクロフォンMIC2とMIC3を左にdだけ
移動して3マイクロフォンを実現する; 〔3〕マイクロフォンMIC5を右にdだけ、MIC4
を左にdだけ移動して3マイクロフォンを実現する;こ
とを考えることにした。
鋭化した指向特性を実現する図である。本図に示すマイ
クロフォン回路10により得られる指向特性は次式(4
0)のようになる。
1)のようになる。
である。図32は〔3〕のマイクロフォン配置で尖鋭化
した指向特性を実現する図である。本図に示すマイクロ
フォン回路10により得られる指向特性は次式(42)
のようになる。
3)のようになる。
ていることが分かる。以上、3通りの3マイクロフォン
化を考えたが、その中で〔3〕の場合について、さらに
検討していく。なお、実際には、図32の出力には、さ
らなる積分回路を必要となる。図33、図34は〔3〕
の場合の指向特性を示す図である。ただし、d=2.5
cm、τ=30μsecとする。本図に示すように、f
=2000Hz以上から、指向特性の鋭さが減少し始め
る。そこで、式(43)に注目し、cos(kd/2c
osθ)、1/ωτsin(kd/2)cosθの周波
数に対する変化を調べる。
cosθ、1/ωτsin(kd/2cosθ)の数値
計算結果を示す図である。図35(b)から、式(4
3)の1/ωτsin(kd/2cosθ)によって、
周波数が低いときは、指向特性が鋭くなることが分か
る。また、図35(b)の各大きさの周波数に対する減
少は、f=4000Hzくらいまでは少ない。しかし、
それ以上の周波数では、指向特性鈍化の原因となる。
(kd/2cosθ)は図35(a)に示すごとく、か
なり低い周波数から減少し始めている。また、高い周波
数で、左側に指向特性が表れ始めているのも、cos
(kd/2cosθ)が減少することにある。図36、
図37は図32で、d=2.5cmから2cmに変更し
た指向特性を示す図である。本図に示すように、f=5
000Hzまで良好な指向特性の鋭さが維持され、かな
り高い周波数まで尖鋭化が実現される。ただし、τ=3
0μsecである。
加してビームを鋭くした構成例を示す図である。式(4
3)を参照すると、図38に示すマイクロフォン回路1
0により得られる指向性関数Dは次式(44)のごとく
表される。
する。
なマイクロフォン回路10の構成例を示す図である。本
図に示す回路素子値は、図22のおおよその参考とし
て、設定されている。本図において、回路素子間には、
次の条件(46)を必要とする。
て、図39の回路において、次式(47)が成立する。
式(47)は次式(48)、(49)のようになる。
力に対する伝送|V0 /ViM|、|V0 /ViL|、|V
0 /ViR|の大きさのシミュレーション結果をそれぞれ
示す図である。なお、オペアンプはTL−061であ
る。f=300Hz以上では、ほぼ目標の特性が得られ
ている。実際には、利得水準を20から30dBダウン
となるように回路素子値を設定してもよい。
下の低域で積分特性の劣化は、積分回路の電界コンデン
サのインピーダンスによる。しかし、特に問題とはなら
ない。5マイクロフォンによるビームの尖鋭化 前述した自由空間の半分に感度を有する指向特性に、1
−cos(kdcosθ)を掛け算すると、以下に説明
するように、その指向特性はより尖鋭化する。しかし、
この場合は、5マイクロフォンの入力となる。
を掛け算した指向性関数Dは次式(50)のようにな
る。
ようになる。
る5つのマイクロフォンの直線配置を示す図である。本
図に示すように、5つのマイクロフォンが等間隔で直線
に配置され、マイクロフォン回路10の構成が形成され
る。図44、図45は図43で、d=2cm、τ=12
0μsecとした指向特性を示す図である。本図に示す
ように、指向特性は3マイクロフォンよりも尖鋭化され
る。
(kdcosθ)を掛け算した指向性関数Dは次式(5
2)のようになる。
ようになる。
5つのマイクロフォンの直線配置を示す図である。本図
に示すように、5つのマイクロフォンが等間隔で直線に
配置され、マイクロフォン回路10の構成が形成され
る。図47、図48は図46で、d=2cm、τ=50
μsec、CR=30μsecとした指向特性を示す図
である。本図に示すように、指向特性は3マイクロフォ
ンよりも尖鋭化される。
マイクロフォンを自動車に配置する例を示す図である。
本図に示すように、自動車において話者の前方に位置
し、垂直に対して、例えば、45°の角度をなすAピラ
ー(前方のピラー)に直線配置の複数の(マルチ)マイ
クロフォンを取り付ける場合には、複数のマイクロフォ
ンの高さを話者の口元の高さに合わせ、マルチマイクロ
フォンの指向特性のピークを方向を135°とし、マル
チマイクロフォンの指向特性のディップ方向を自動車の
床方向の45°方向とする。自動車ごとに、マイクロフ
ォンの指向特性を最適化することで、音声認識装置に入
力される音声のS/Nを確保できる。
クロフォンに対する利得の制御により指向特性のディッ
プを制御する例を示す図である。本図(a)に示すよう
に、マイクロフォン1、2、3が直線配置されて、それ
ぞれに利得G1、G2、G3の初期値が設定され、本図
(b)の左側に示す下方向にディップが向いているとす
る。この場合、利得G2を初期値よりも小さくすると、
本図(b)の右側示すように、ディップの向きが上方向
に移動する。このようにして、話者の口元の位置に合わ
せて、マイクロフォンの指向特性のディップ位置を変え
ることで、話者が変わっても、音声認識装置に入力され
る音声のS/Nレベルを保持でき、安定した音声認識処
理が行える。
ンの配置の別の例を示す図である。本図に示すように、
自動車の運転に使用するルームミラーの裏側に複数のマ
イクロフォンを取り付けてもよい。このようにして、複
数のマイクロフォンの取付けスペースの制約を拡大でき
る。また、車内側から見た場合のマイクロフォンの取付
けによる内装へのデザイン的影響を軽減できる。
は無指向特性であってもよい。
認識に使用される周波数の範囲でマイクロフォンの指向
特性を尖鋭化することが可能になり、さらに、話者に対
して感度がピークになり、騒音に対して感度がディップ
となるように指向特性を制御することが可能になった。
の指向特性例を説明する図である。
る。
る。
て、2つのマイクロフォンの出力の和を取る方式に位相
器を付加した構成例を示す図である。
35μsecとして、式(8)の各周波数の数値計算結
果例を説明する図である。
35μsecとして、式(8)の各周波数の数値計算結
果例を説明する図である。
て、図5、6に式(6)を基本として位相推移を付加し
た構成例を示す図である。
63μsec、τ=87μsecとして、式(10)の
各周波数での数値計算結果例を説明する図である。
63μsec、τ=87μsecとして、式(10)の
各周波数での数値計算結果例を説明する図である。
図である。
=120μsecとして、式(11)の各周波数での数
値計算結果例を説明する図である。
=120μsecとして、式(11)の各周波数での数
値計算結果例を説明する図である。
る基本構成を説明する図である。
θ〕/ωτの変化を説明する図である。
の特性改善を図った計算結果例を説明する図である。
の特性改善を図った計算結果例を説明する図である。
明する図である。
明する図である。
cm、θ=0°ディップの場合に図13の基本的構成を
具体化したマイクロフォン回路10の構成例を示す図で
ある。
る。
る。
13を説明する図である。
イクロフォンのシステムとして3マイクロフォン直線配
置積分方式の例を示す図である。
ォンの配置を示す図である。
向特性を実現する図である。
向特性を実現する図である。
1/ωτsin(kd/2cosθ)の数値計算結果を
示す図である。
した指向特性を示す図である。
した指向特性を示す図である。
ムを鋭くした構成例を示す図である。
フォン回路10の構成例を示す図である。
ViM|、|V0 /ViL|、|V0/ViR|の大きさのシ
ミュレーション結果をそれぞれ示す図である。
ViM|、|V0 /ViL|、|V0/ViR|の大きさのシ
ミュレーション結果をそれぞれ示す図である。
ViM|、|V0 /ViL|、|V0/ViR|の大きさのシ
ミュレーション結果をそれぞれ示す図である。
クロフォンの直線配置を示す図である。
とした指向特性を示す図である。
とした指向特性を示す図である。
クロフォンの直線配置を示す図である。
CR=30μsecとした指向特性を示す図である。
CR=30μsecとした指向特性を示す図である。
ンを自動車に配置する例を示す図である。
対する利得の制御により指向特性のディップを制御する
例を示す図である。
の例を示す図である。
Claims (30)
- 【請求項1】 騒音下で話者の音声を抽出するマイクロ
フォンの指向特性を制御する装置において、 直線的で等間隔に配置され、且つ平面音波を入力する複
数のマイクロフォンと、 前記複数のマイクロフォンの出力信号を処理して各マイ
クロフォンに入力する平面音波の位相の相違に基づいて
話者の方向に感度がピークとなり且つ騒音の到来する方
向に感度がディップとなるようにマイクロフォンの指向
特性を制御するマイクロフォン回路とを具備することを
特徴とするマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項2】 前記マイクロフォン回路は前記複数のマ
イクロフォンから出力される信号のうち音声認識処理の
対象となる周波数帯域の信号のみを処理することを特徴
とする、請求項1に記載のマイクロフォンの指向特性を
制御する装置。 - 【請求項3】 前記周波数帯域は300Hz〜5kHz
であることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロフ
ォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項4】 前記マイクロフォン回路は、2つのマイ
クロフォンの出力信号の差を取ることにより、2つのマ
イクロフォン間の中央の対称軸で8の字型の正負極を有
する8の字型指向特性を形成するとき、その出力信号の
差に対して積分処理を加えることを特徴とする、請求項
1に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項5】 積分処理が加えれる前記8の字型指向特
性Dは、 D=(−2/ωτ)sin(kd/2cosθ) ここにk=ω/c、ω;角周波数、c;音速、d;マイ
クロフォンの間隔、θ;平面音波の入力角度、τ;積分
定数、で表現されることを特徴とする、請求項4に記載
のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項6】 前記マイクロフォン回路は、2つのマイ
クロフォンの出力信号の差を取ることにより、2つのマ
イクロフォンの中央の対称軸で8の字型の正負極を有す
る8の字型指向特性を形成するとき、その出力信号の差
に位相推移を付加することを特徴とする、請求項1に記
載のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項7】 位相推移が付加される前記8の字型指向
特性Dは、 D=(−2/ωτ)sin(kd/2cosθ−tan
-1ωCR) ここに、CR;遅延定数、で表現されることを特徴とす
る、請求項5に記載のマイクロフォンの指向特性を制御
する装置。 - 【請求項8】 前記マイクロフォン回路は、3つのマイ
クロフォンのうち2つの左右マイクロフォンの出力信号
の差を取ることにより、前記2つの左右マイクロフォン
間の中央の対称軸で8の字型で正負極を有する8の字型
指向特性を形成する差動増幅器と、 前記差動増幅器により得られた結果を積分して前記差動
増幅器により得られる低周波数での指向特性の低下を回
復する積分器と、 前記積分器の出力信号と前記3つのマイクロフォンのう
ち1つの中央マイクロフォンの出力信号を加算して前記
差動増幅器で得られる前記8の字型の正負極の指向特性
の一方の極を消去して他方の極を強調して指向特性を鋭
くする加算器とを備えることを特徴とする、請求項1に
記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項9】 前記差動増幅器と前記積分器との間に低
域通過フィルタを設け、前記差動増幅器により得られた
指向特性の高周波数の補償を行うことを特徴とする、請
求項8に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装
置。 - 【請求項10】 前記低域通過フィルタの共振特性のピ
ークによって高周波の指向特性を補正することを特徴と
する、請求項8に記載のマイクロフォンの指向特性を制
御する装置。 - 【請求項11】 前記積分器に含まれるオペアンプの帰
還抵抗の中間点と接地との間を交流的に短絡することを
特徴とする、請求項8に記載のマイクロフォンの指向特
性を制御する装置。 - 【請求項12】 前記低域通過フィルタに含まれるオペ
アンプの容量帰還部を容量分割回路にすることを特徴と
する、請求項8に記載のマイクロフォンの指向特性を制
御する装置。 - 【請求項13】 前記差動増幅器から出力される前記8
の字型の正負極の指向特性Dは: D=−2jsin(kdcosθ) ここに、j;虚数、で表現されることを特徴とする、請
求項8に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装
置。 - 【請求項14】 前記積分器から出力される指向特性D
は: D=−(2/ωτ)sin(kdcosθ) で表現されることを特徴とする、請求項8に記載のマイ
クロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項15】 前記加算器から出力される指向特性D
は: D=1−(2/ωτ)sin(kdcosθ) で表現されることを特徴とする、請求項8に記載のマイ
クロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項16】 前記マイクロフォン回路は、1つの中
央マイクロフォン、これを挟む2つの左右マイクロフォ
ン、これらの外側に位置する2つの左右外側マイクロフ
ォンからなり、且つ各々に平面音波が入力される5つの
マイクロフォンの出力信号を処理して、8の字型で且つ
対称軸で正負極を有する第1の8の字型指向特性を形成
し、前記第1の8の字型の正負極の指向特性の一方の極
を消去して他方の極を強調し、さらに、消去、強調した
指向特性に第2の8の字型指向特性を掛けた新たな指向
特性を形成する、請求項1に記載のマイクロフォンの指
向特性を制御する装置。 - 【請求項17】 前記新たな指向特性Dは: D={1−(2/ωτ)sin(kdcosθ)}・s
in(kdcosθ) で表現されることを特徴とする、請求項16に記載のマ
イクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項18】 前記マイクロフォン回路は、前記新た
な指向特性に積分処理を行うことを特徴とする、請求項
16に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装
置。 - 【請求項19】 前記左マイクロフォンと前記中央マイ
クロフォンとの平面音波を共通にし、且つ前記右マイク
ロフォンと前記右外側マイクロフォンの平面音波を共通
にし、前記マイクロフォン回路は3つのマイクロフォン
の出力信号を処理して、前記新たな指向特性を近似的に
求めることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロ
フォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項20】 前記右マイクロフォンと前記中央マイ
クロフォンとの平面音波を共通にし、且つ前記左マイク
ロフォンと前記左外側マイクロフォンの平面音波を共通
にし、前記マイクロフォン回路は3つのマイクロフォン
の出力信号を処理して、前記新たな指向特性を近似的に
求めることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロ
フォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項21】 前記右外側マイクロフォンと前記右マ
イクロフォンとの平面音波を共通にし、且つ前記左外側
マイクロフォンと前記左マイクロフォンの平面音波を共
通にし、前記マイクロフォン回路は3つのマイクロフォ
ンの出力信号を処理して、前記新たな指向特性を近似的
に求めることを特徴とする、請求項16に記載のマイク
ロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項22】 前記マイクロフォン回路は1つの中央
マイクロフォンと2つの左右マイクロフォンからなる前
記3つのマイクロフォンのうち前記1つの中央のマイク
ロフォンの出力信号に利得2を掛け、前記2つの左右の
マイクロフォンの各々の出力信号に利得−1を掛け、こ
れらの結果を加算した第1の加算に対して第1の積分処
理を行い、左のマイクロフォンの出力に利得1を掛け、
右のマイクロフォンに利得−1を掛け、これらの結果を
第1の積分結果に加算した第2の加算に対して第2の積
分を行うことを特徴とする、請求項21に記載のマイク
ロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項23】 前記新たな指向特性Dは: D={1−(2/ωτ)sin(kdcosθ)}・
{1−cos(kdcosθ)} で表現されることを特徴とする、請求項16に記載のマ
イクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項24】 前記新たな指向特性Dは: D=(−j4/ωτ)sin(kd/2cosθ−ta
n-1ωCR)・{1−cos(kd/2cosθ)} で表現されることを特徴とする、請求項16に記載のマ
イクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項25】 前記マイクロフォンの相互の間隔を狭
めることにより高周波数の指向特性を高めることを特徴
とする、請求項8、16及び21のいずれか1つに記載
のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項26】 前記マイクロフォンの相互の間隔を2
cmとすることを特徴とする、請求項25に記載のマイ
クロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項27】 自動車内の前記複数のマイクロフォン
の取付位置によって、マイクロフォンの指向特性のディ
ップ方向を特定することを特徴とする、請求項1に記載
のマイクロフォンの指向特性を制御する装置。 - 【請求項28】 前記マイクロフォン回路は、前記3つ
のマイクロフォンの利得を変えることにより、マイクロ
フォンの指向特性のディップの方向を可変にすることを
特徴とする、請求項8に記載のマイクロフォンの指向特
性を制御する装置。 - 【請求項29】 前記複数のマイクロフォンは自動車の
ルームミラーの裏に取り付けることを特徴とする、請求
項1に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装
置。 - 【請求項30】 前記複数のマイクロフォンの各々は無
指向性のマイクロフォンであることを特徴とする、請求
項1に記載のマイクロフォンの指向特性を制御する装
置。
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DE102010023615A1 (de) | 2009-06-23 | 2011-01-05 | FUJITSU LIMITED, Kawasaki-shi | Signalverarbeitungsvorrichtung und Signalverarbeitungsverfahren |
DE102010055476A1 (de) | 2009-12-28 | 2011-07-07 | Fujitsu Ltd., Kanagawa | Signalverarbeitungsgerät, Mikrofonarrayvorrichtung und Speichermedium, das ein Signalverarbeitungsprogramm speichert |
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US9283900B2 (en) | 1999-08-25 | 2016-03-15 | Magna Electronics Inc. | Accessory mounting system for a vehicle |
-
1998
- 1998-04-14 JP JP10288898A patent/JP3630553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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DE102010023615B4 (de) * | 2009-06-23 | 2014-01-02 | Fujitsu Limited | Signalverarbeitungsvorrichtung und Signalverarbeitungsverfahren |
US8638952B2 (en) | 2009-06-23 | 2014-01-28 | Fujitsu Limited | Signal processing apparatus and signal processing method |
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