JPH11296303A - 透明導電性積層体及びこれを用いたタッチパネル - Google Patents

透明導電性積層体及びこれを用いたタッチパネル

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JPH11296303A
JPH11296303A JP9434798A JP9434798A JPH11296303A JP H11296303 A JPH11296303 A JP H11296303A JP 9434798 A JP9434798 A JP 9434798A JP 9434798 A JP9434798 A JP 9434798A JP H11296303 A JPH11296303 A JP H11296303A
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transparent
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JP9434798A
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Masaaki Kikkai
正彰 吉開
Masato Koyama
正人 小山
Yoshihiro Sakai
祥浩 坂井
Akira Suzuki
彰 鈴木
Akiyoshi Nakajima
明美 中島
Yuichiro Harada
祐一郎 原田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニュートンリングを発生することのないタッ
チパネルを作製し得る透明導電性積層体と、これを用い
たタッチパネルを提供する。 【解決手段】 片表面に微細な凹凸処理(11a)を施
した透明なプラスチックフィルム基板(11)の該片表
面上に透明導電層(12)を積層して成ることを特徴と
する透明導電性積層体(1)である。また、このような
透明導電性積層体(1)と、もう1枚の透明導電性積層
体(2)とを、それらの透明導電層(12,22)同士
がスペーサー(3)を介して所定の間隔を保って対向す
るよう重ね合わせて成ることを特徴とするタッチパネル
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性積層体
とこれを用いたタッチパネルに関する。さらに詳しく
は、タッチパネルに用いた際に、互いに対向せしめられ
た2枚の透明導電性積層体の透明導電層の間にニュート
ンリングを発生させることのない透明導電性積層体及び
これを用いたタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネルは、近年キーボードに代わ
る新しい入力素子として用いられている。また、タッチ
パネルを用いると、切符の自動販売機や銀行の現金払い
出し機のように、従来は複雑であった取り扱いが簡単と
なり、しかも画面対話方式が採用できるなど、新たな用
途としても用いられている。
【0003】このようなタッチパネルの構造は、相対向
する2枚の透明電極をスペーサー等である程度の間隔を
開けて重ね合わせ、それぞれの透明電極の外周部の所定
の位置に外部電気回路と接続するための金属からなる電
極を設けたものである。スペーサーは、信号を入力しな
い通常時において透明導電層同士が接触しないようにす
るためのもので、一方の透明導電層上に所定の間隔で形
成される幅200〜350μm、高さ20〜100μm
程度の大きさの主にエポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂
系等の絶縁性の印刷物で構成されている。従って、通常
は、スペーサーの高さにより透明導電層間の間隔が定ま
る。タッチパネルを使用する際は、外部より指・プラス
チックペンなどを用いて透明電極同士を接触させ、接触
による電流の変化から接触場所を読み出すことにより入
力信号を得る。
【0004】タッチパネルの透明電極としては、ガラス
板や透明プラスチックフィルム基板上に酸化インジウム
−錫(ITO)などの透明導電層を積層した透明導電性
積層体がよく用いられている。ガラス板を用いた透明電
極は、重い・割れやすい・曲げることが出来ない等の理
由で最近は敬遠されつつあり、透明プラスチックフィル
ム基板を用いた透明導電性積層体が注目されつつある。
しかしながら、透明プラスチックフィルム基板を用いた
透明導電性積層体に関しても様々な問題点があり、これ
までにもそれらの問題点の解決が図られてきた。
【0005】まず、透明プラスチックフィルム基板は、
ガラス板に比べて表面が著しく柔らかいため、プラスチ
ックペンなどで入力を行うと表面が傷つけられ、最終的
には透明プラスチックフィルム基板自身が破れてしまう
という問題点があった。そこで、現在では、透明プラス
チックフィルム基板の表面をハードコート処理したもの
を用いるのが一般的となっている。
【0006】しかしまた、プラスチックフィルム基板の
透明導電層を積層する側の面においても、透明プラスチ
ックフィルム基板と透明導電層の密着性が悪く、ペン入
力などにより透明導電層がプラスチックフィルム基板か
ら剥がれるなどの問題点があった。そこで、透明導電層
と透明プラスチックフィルム基板の間に両者の密着性を
向上させる層を設けるという改良が行われた。例えば、
特開昭64−9729号公報には、密着性改良のための
層として水性ポリエステル層や酸化珪素薄膜層を用いた
例が開示されている。
【0007】更にまた、プラスチックフィルム基板を用
いた透明導電性積層体をタッチパネルの上側電極部材
(図1及び図2中に参照番号“1”で示す。)として用
いると、プラスチックフィルム基板自身のたわみにより
上側電極部材と下側電極部材(図1中“2”、図2中
“4”で示す。)との間隔が不均一になり、この間隔が
狭い場合(約50μm)は、両電極部材が互いに接触す
る部分が発生する。そして、そのような接触部分を中心
として間隔が連続的に変化する部分が生じるため、光学
干渉縞(ニュートンリング)が発生するという問題があ
った。
【0008】このようなニュートンリング発生の問題を
解決するため、従来は次のような手段が採られてきた。 霞度がHAZE値(ヘーズ値)で10%以上のハード
コート加工したフィルムを用いてニュートンリングが発
生しても肉眼では見えにくいようにする。 HAZE値が5%以下のクリアハードコート加工した
フィルムを用いる場合、上側電極部材と下側電極部材の
間隔を広くし(0.1mm以上)、両者の接触部分をな
くして、ニュートンリングの発生を防ぐ。 特開平7−37466号公報記載のようにスペーサー
の数を増やして透明導電層同士が接触する部分をなく
す。
【0009】ところが、の手法を用いた場合、本質的
にニュートンリングの問題を解決したわけではなく、見
えにくいとはいえ実際にはニュートンリングが認めら
れ、またHAZE値が大きいために画像がぼやけるなど
の問題があった。また、の手法では、画像自体が遠く
に見える、間隔が離れているために実際に入力を行う際
に入力圧を大きくしなくてはならない、間隔が広いため
に上側電極部材と下側電極部材が別々に見え、外観上安
っぽく見える等の問題があった。の手法を用いても、
上下の透明導電層の間に多数のスペーサー(絶縁物)を
挟むことになるので、透明導電層同士を接触させて信号
を入力する際に大きな力を加えなくてはならず、そのた
め、入力信号の誤作動を生じたり、透明導電層にダメー
ジを与え、耐久性が低下するなどの問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、少なくとも一方の電極部材として
透明プラスチックフィルム基板から成る透明導電性積層
体を用いるタッチパネルにおいて、上側電極部材と下側
電極部材の間隔を小さくしても、ニュートンリングを発
生することのないタッチパネルを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、2枚の透明導電性積
層体を重ね合わせたタッチパネルにおいて、少なくとも
一方の基板が透明プラスチックフィルムである場合、2
枚の透明導電性積層体の透明導電層間の間隔が50μm
以下の如く狭い場合でも、少なくとも一方の基板の表面
に微細な凹凸加工をしておき、その凹凸加工面上に透明
導電層を積層した透明導電性積体を用いると、透明導電
層同士の接触を防ぐことが出来、これによりニュートン
リングの発生を抑えることが出来、また、凹凸のピーク
の高さが0.1〜100μmで、なおかつ、2枚の透明
導電性積層体の透明導電層間の間隔の平均値以下である
場合には、表面欠陥等を生じないことを見いだした。
【0012】また、透明プラスチックフィルム基板の凹
凸加工面上に透明導電層を積層すると、入力の際に要す
る力が小さくて済むために透明導電層にかかる力が小さ
くなり、結果的に耐久性が向上し、誤作動が生じなくな
ること、及び、力がかかっていない通常の状態では2枚
の透明導電性積層体の透明導電層同士が接触している部
分は点であり、電圧降下を引き起こす程の抵抗変化は生
じないため、入力の誤作動などの不良が起こらないこと
を見いだし本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、片表面に微細な凹凸
処理を施した透明なプラスチックフィルム基板の該片表
面上に透明導電層を積層して成ることを特徴とする透明
導電性積層体である。上記透明なプラスチックフィルム
基板の凹凸処理面上に積層した透明導電層の表面の凹凸
のピークの高さは0.1μm以上100μm以下、単位
長さ当りピーク数は20〜200個/cmであることが
推奨される。また、上記透明導電性積層体の霞度は、H
AZE値で0.5〜5%であることが望ましい。
【0014】更にまた、本発明は、上記の如き構成を有
する本発明の透明導電性積層体と、透明な基板の片表面
に透明導電層を積層して成るもう1枚の透明導電性積層
体とを、それらの透明導電層同士がスペーサーを介して
所定の間隔を保って対向するよう重ね合わせて成ること
を特徴とするタッチパネルである。その場合、上記スペ
ーサーを介して形成される所定の間隔の平均値が、前記
本発明の透明導電性積層体の透明導電層の表面の凹凸の
ピークの高さ以上であることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面をも参照しつゝ本発明
を具体的に説明する。図1は、本発明に係る透明導電性
積層体を用いたタッチパネルの一実施例を示す拡大断面
模式図、図2は、もう一つの実施例を示す拡大断面模式
図である。
【0016】図1において、1は本発明に係る透明導電
性積層体であり、透明なプラスチックフィルム基板11
の片表面に微細な凹凸処理11aが施され、この凹凸処
理面11a上に透明導電層12が積層されて成るもので
ある。本実施例においては、このフィルム状の透明導電
性積層体1が、指やプラスチックペンで押さえて入力を
行う上側電極部材を構成する。2は下側電極部材を構成
するもう1枚の透明導電性積層体であり、透明なプラス
チック基板21の片表面上に透明導電層22が積層され
て成るものである。このプラスチック基板21は、その
両面とも凹凸処理は施されておらず、従来品と同様に、
平滑な表面に透明導電層22が積層されている。プラス
チック基板21は、通常はフィルム状ではなく、押され
てもへこまないようないくぶん厚手の硬質プラスチック
が用いられる。但し、下側電極部材2としても上側電極
部材1と同様に本発明に係る透明導電性積層体を用いる
ことを妨げるものではない。3はスペーサーであり、上
側の透明導電性積層体1の透明導電層12と下側の透明
導電性積層体2の透明導電層22とが、このスペーサー
3を挟んで所定の間隔を保って互いに向き合うように配
置される。図2は、図1中の下側の透明導電性積層体2
の代わりに、ガラス基板41の表面に透明導電層42を
積層して成る透明導電性積層体4を用いたタッチパネル
である。
【0017】上記の如く、本発明に係る透明導電性積層
体1は、透明プラスチックフィルム基板11の片表面に
微細な凹凸処理11aが施され、この凹凸処理面11a
上に透明導電層12が積層されて成るものであり、この
透明導電性積層体1をタッチパネルの少なくとも上側電
極部材として使用するものである。この場合、透明プラ
スチックフィルム基板11の表面に凹凸処理11aが施
されていないと、下側透明導電性積層体2又は4とを組
み合わせてタッチパネルを形成した場合、上側の透明導
電性積層体1自身に充分な強度がないために下側透明導
電性積層体2又は4と接触している部分と接触していな
い部分が発生する。この接触している部分と接触してい
ない部分との間には間隔が連続的に変化する部分が存在
し、この部分においてニュートンリングが発生する。
【0018】一方、2枚の透明導電性積層体のうちの少
なくとも片側の積層体の基板の表面に凹凸処理が施され
ていると、その上に積層された透明導電層の表面にも凹
凸状態が形成され、そのため、他方の透明導電層と部分
的に接触する個所が生じても、その接触部分は、凹凸面
におけるピーク部であり、点接触となるものであるか
ら、全体的には間隔が一定となり、ニュートンリングは
発生しない。
【0019】なお、タッチパネルにおいて指やプラスチ
ックペンで押さえる上側電極部材としては本発明に係る
透明導電性積層体1を用い、その基板11としては透明
プラスチックフィルムが用いられるが、下側電極部材と
しての透明導電性積層体2又は4は必ずしも本発明に係
る透明導電性積層体である必要はなく、その基板の材質
も透明プラスチックフィルム21であったり、透明な板
ガラス41であったり、使用目的に応じて最適なものを
使用できる。
【0020】而して、本発明に係る透明導電性積層体1
の透明プラスチックフィルム基板11の材料としては、
透明性の高いものであれば特に制限はないが、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、
ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリアミド等を好適に用いる
ことができる。また、該フィルム基板の厚みについても
特に制限はないが、フィルムの強度・ハンドリング性か
ら25〜250μmが好ましい。また、これらの透明プ
ラスチックフィルム基板の透明導電層を積層しない側の
面は、指等で押されるため、表面保護のためのハードコ
ート層を設けることが推奨される。
【0021】本発明における透明プラスチックフィルム
基板の片表面の凹凸処理の方法としては、例えば、フィ
ラー(粒子)を含む透明樹脂を塗布する方法や、フィル
ム上に樹脂層を形成する際に表面を凹凸処理したロール
に圧着し、転写させる方法などが挙げられる。最も好ま
しい方法は、上記の二つの方法を組み合わせる方法であ
る。
【0022】すなわち、フィラーを含む樹脂を塗布する
場合、表面欠陥の原因となることを防ぐため、加えるフ
ィラーの径は必然的に小さいものに限られる。しかしま
た、フィラーの径が小さすぎると、塗布された樹脂中に
フィラーが埋まってしまい、凹凸層として有効に働くフ
ィラーが少なくなるから、ニュートンリングを防ぐため
にはフィラーを多く加える必要を生じ、そのために霞度
が高くなり、画像がぼやけてしまう可能性がある。
【0023】また、フィルム上に樹脂層を形成する際
に、表面を凹凸処理したロールに圧着・転写させる方法
では、ロールに圧着、転写直後にはフィルム表面に凹凸
樹脂層が形成されていたとしても、樹脂自身、硬化まで
の間にある程度の流動性を持つ期間があるため、時間の
経過と共に全体がレベリングされてしまう可能性があ
る。その結果、単位面積当たりのピークの数が少なくな
ってしまう。また、レベリングにより、表面の凹凸のピ
ークの形状が緩やかなものとなってしまうので、力のか
からない通常の状態ではニュートンリングは認められな
いものの、力がかかった状態でニュートンリングが認め
られることがある。従って、透明プラスチックフィルム
基板の片表面に凹凸処理をする方法としては上記の二つ
の方法を組み合わせることが好ましい。つまり、フィラ
ーを加えた樹脂を、表面に凹凸模様を有するロールで透
明プラスチックフィルム基板の片表面に塗布することが
好ましい。表面のなだらかに凹凸処理された樹脂面上に
フィラーによる小突起を突出させることにより、必要な
フィラーの大きさ・量を抑えることが出来、表面欠陥の
少ない鮮明な画像を得ることが出来る。
【0024】凹凸処理の仕方に関しては、通常の梨地処
理などの方法を用いることが出来るが、ここでは三本リ
バースコート法によりフィラーを含んだ樹脂を凹凸模様
状にコートする場合について詳しく説明する。三本リバ
ースコート法では、通常、公知の方法によりフィラーを
含ませた塗布しようとする樹脂をコートロールと呼ばれ
るロールでかきあげ、ドクターロールと呼ばれるロール
をコートロールに接触させ、コートロール上にある樹脂
を均一化すると共に、両者の間隔を調整することにより
塗布する厚みを調整する。コートロール上に均一に、し
かも所望の厚みの樹脂層を形成した後に、バックアップ
ロールと呼ばれるロールで透明プラスチックフィルム基
板をコートロールに接触させ、コートロール上の樹脂を
転写させ、乾燥または紫外線等により、硬化させる。こ
こで、コートロールの表面に、例えば梨地模様などの凹
凸処理を施しておくことにより、梨地様の凹凸面を有す
る樹脂層をフィルム基板上に塗布することが出来る。
【0025】この場合の凹凸処理は、当該処理面上に透
明導電層が積層されたとき、その透明導電層の表面の凹
凸のピークの高さが0.1μm以上100μm以下であ
り、かつ、単位長さ当りのピーク数が20個/cm以上
となるようになされていなくてはならない。ピークの高
さが0.1μmより小さい場合や、ピークの数が20個
/cmよりも少ない場合には、凹凸加工をしていない場
合と同様にニュートンリングが発生するために好ましく
ない。ハンドリング性、及び、ピークが大きくなると表
面欠陥の原因となりかねないことを考慮し、ピークの大
きさは100μmを超えないことが好ましい。また、ピ
ークの数に関して特に上限があるわけではないが、ピー
クの数が増えると後に述べる霞度(HAZE値)が上昇
するため、通常は1000個/1cm以下とする。ま
た、透明導電層を積層後の透明導電性積層体の霞度は、
HAZE値で5%以下でなくてはならない。霞度がこの
値を範囲を超えると、散乱されて透過する光の割合が多
くなり、解像度の悪い画面となってしまうために好まし
くない。また、先に述べたように表面に凹凸処理を施し
ているため霞度が0.1%を下回ることは一般的にはな
い。
【0026】透明導電層としては、例えば、酸化インジ
ウム−錫(ITO)、酸化錫、銀、銅等の無機薄膜層が
挙げられるが、ITOが主に用いられている。透明導電
層の膜厚は、10〜200nmが一般的であり、表面抵
抗値としては、100〜1000Ω/cm2 が一般的で
ある。透明導電層の成膜方法としては、真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、等々の従来
の公知の技術を使用することが出来る。スパッタリング
法においては、材料に酸化インジウム−錫(ITO)を
用いても、インジウム錫合金を使用してもよい。また、
透明プラスチックフィルム基板と透明導電層の密着性を
向上させるための中間層を設けてもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、評価項目、評価方法に関しては以下のように
して行った。 (a) 表面凹凸の評価(ピークの検出):フィルム状透明
導電性積層体の透明導電層の表面の凹凸の評価をJIS
−B−0601に基づき行った。具体的には、触針式表
面粗さ計〔(株)小坂研究所製ET−30K、触針の
径:0.5μm〕を用いてカットオフ値0.8mmの条
件でフィルムの任意の方向に2.5mm走査させ、その
際に得られたピークの高さ及びその数から、ピークの平
均高さ及び1cm区間当たりのピークの数を求めた。 (b) 光線透過率及び霞度:JIS−K−7105に基づ
き行った。詳しくは、日本電色(株)製NDH−100
Hを用いて評価した。 (c) 表面抵抗:四端子法により行った。詳しくは、三菱
油化(株)製ロレスタSPを用い、温度23℃、相対湿
度50%の条件下で測定した。 (d) アンチニュートンリング性(ニュートンリングの有
無):2枚のフィルム状透明導電性積層体をそれらの透
明導電層同士が向き合うように厚さ40μmのスペーサ
ーを介して重ね合わせた擬似タッチパネル素子を作製
し、これをポリカーボネート板(3mm厚み)上に押し
つけてニュートンリングの有無を目視により判定した。 (e) 画像の鮮明性:上記アンチニュートンリング性を評
価した擬似タッチパネル素子を用い、その素子を携帯型
情報端末〔シャープ(株)製ザウルスPI−4000〕
の表示画面上に置き、5mm角の大きさのひらがなを表
示した。文字表示面より3m離れた位置から視力両眼
1.0の者が表示された文字を認識できるか否かにより
判定した。
【0028】実施例1 厚み188μmの片面ハードコート付きポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム(尾池工業製ハードコ
ートPETフィルムBタイプ)のハードコート加工を施
していない側の面上に、平均粒子径2μmのシリカ粉末
〔東芝シリコーン(株)製XC99−501〕を重量比
で20%分散させたメラミン系樹脂〔大日本インキ
(株)製SF−C−329〕を三本リバース法により塗
布し、80℃で三分間乾燥し、厚み5μmの塗布膜を得
た。詳しくは、コートロールの表面に梨地様の凹凸処理
をしておき、上記PETフィルムに樹脂をコートする際
に梨地様の模様が同時に転写されるようにした。このよ
うにして作製した透明プラスチックフィルム基板を「透
明プラスチックフィルム基板P1 」(以下同様)とす
る。
【0029】この透明プラスチックフィルム基板P1
梨地様の凹凸処理面上に、DCマグネトロンスパッタリ
ング法によりITO薄膜層を表面抵抗が400Ω/cm
2 となるように形成し、フィルム状透明導電性積層体を
得た。このスパッタリング処理を更に詳しく説明する
と、真空槽を0.13Paまで排気した後にアルゴンガ
スを0.4Paまで導入し、更に全圧が0.41Paに
なるように導入した後、酸化錫を20重量%含む酸化イ
ンジウム−錫ターゲットを用いて前記PETフィルムの
片面に透明導電層を形成した。このようにして得たフィ
ルム状透明導電性積層体を「フィルム状透明導電性積層
体A」(以下同様)とする。上記フィルム状透明導電性
積層体Aの表面凹凸、光線透過率、霞度、表面抵抗を前
記の方法で評価した。結果を表1にまとめて示す。
【0030】次に、上記フィルム状透明導電性積層体A
を2枚、それらの透明導電層同士が厚さ40μmのスペ
ーサーを介して向き合うようにして重ね合わせた疑似タ
ッチパネル素子を作製した。この疑似タッチパネル素子
のアンチニュートンリング性を前記の方法で評価した。
その結果、ニュートンリングの発生は認められなかっ
た。また、画像の鮮明さを評価したところ、鮮明な画像
が得られた。結果を表2にまとめて示す。
【0031】実施例2 メラミン系樹脂に分散させるシリカ粉末の量を40重量
%とした以外は、実施例1と同様にして透明プラスチッ
クフィルム基板P2 を作製した。また、透明プラスチッ
クフィルム基板P2 を用いて実施例1と同様にして透明
導電層を形成し、フィルム状透明導電性積層体Bを得
た。このフィルム状透明導電性積層体Bの表面凹凸、光
線透過率、霞度を評価した。結果を表1にまとめて示
す。次に、フィルム状透明導電性積層体Bを2枚用いて
実施例1と同様にして疑似タッチパネル素子を作製し
た。そのアンチニュートンリング性を評価したところ、
ニュートンリングの発生は認められなかった。また、画
像の鮮明さを評価したところ、鮮明な画像が得られた。
結果を表2にまとめて示す。
【0032】実施例3 厚み188μmの片面ハードコート付きポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム(尾池工業製ハードコ
ートPETフィルムBタイプ)のハードコート加工を施
していない側の面上に実施例1と同様にして透明導電層
を形成してフィルム状透明導電性積層体Cを得た。この
フィルム状透明導電性積層体Cの表面凹凸、光線透過
率、霞度、表面抵抗を評価した。結果を表1にまとめて
示す。次に、このフィルム状透明導電性積層体C及び前
記フィルム状透明導電性積層体Aを用いて実施例1と同
様にして疑似タッチパネルを作製した。この疑似タッチ
パネルのアンチニュートンリング性を評価したところ、
ニュートンリングの発生は認められなかった。また、画
像の鮮明さを評価したところ鮮明な画像が得られた。結
果を表2にまとめて示す。
【0033】実施例4 分散させるシリカ粉末の平均粒子径を10μmとした
〔東芝シリコーン(株)製XC99−301〕以外は実
施例1と同様にしてフィルム状透明導電性積層体Dを得
た。このフィルム状透明導電性積層体Dの表面凹凸、光
線透過率、霞度、表面抵抗を評価した。結果を表1に合
わせて示す。次に、フィルム状透明導電性積層体Dを2
枚用いて実施例1と同様にして疑似タッチパネル素子を
作製した。そのアンチニュートンリング性を評価したと
ころ、ニュートンリングの発生は認められなかった。ま
た、画像の鮮明さを評価したところ鮮明な画像が得られ
た。結果を表2にまとめて示す。
【0034】実施例5 前記フィルム状透明導電性積層体D及びフィルム状透明
導電性積層体Cを用いて疑似タッチパネルを作製した。
この疑似タッチパネルのアンチニュートンリング性を実
施例1と同様にして評価したところ、ニュートンリング
の発生は認められなかった。また、画像の鮮明さを評価
したところ鮮明な画像が得られた。結果を表2にまとめ
て示す。
【0035】比較例1 実施例3において用いたフィルム状透明導電性積層体C
を2枚用いて疑似タッチパネル素子を作製した。この疑
似タッチパネル素子のアンチニュートンリング性を評価
したところ、ニュートンリングの発生が認められた。画
像の鮮明さを評価したところ、ニュートンリングの発生
が見られ、部分的に接触した部分もあり、画像は鮮明で
はなかった。結果を表2にまとめて示す。
【0036】比較例2 加えるシリカ粉末の量を80重量%とした以外は実施例
1と同様にしてフィルム状透明導電性積層体Eを得た。
このフィルム状透明導電性積層体Eの表面凹凸、光線透
過率、霞度、表面抵抗を評価した。結果を表1に合わせ
て示す。次に、フィルム状透明導電性積層体Eを2枚用
いて実施例1と同様にして疑似タッチパネル素子を作製
した。そのアンチニュートンリング性及び画像の鮮明さ
を評価したところ、ニュートンリングの発生は認められ
なかったものの、画像がぼやけてしまい鮮明な画像は得
られなかった。結果を表2にまとめて示す。
【0037】比較例3 加えるシリカ粉末の量を0.1重量%とした以外は実施
例1と同様にしてフィルム状透明導電性積層体Fを得
た。このフィルム状透明導電性積層体Fの表面凹凸、光
線透過率、霞度、表面抵抗を評価した。結果を表1に合
わせて示す。また、フィルム状透明導電性積層体Fを2
枚用いて実施例1と同様にして疑似タッチパネル素子を
作製した。そのアンチニュートンリング性及び画像の鮮
明さを評価したところ、鮮明な画像は得られたものの、
ニュートンリングの発生が認められた。結果を表2にま
とめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表面を凹凸処理した透明プラスチックフ
ィルム基板の凹凸面上に透明導電層を積層して成る本発
明に係るフィルム状透明導電性積層体は、タッチパネル
用フィルム状透明導電性積層体用として用いた場合、ニ
ュートンリングの発生が抑えられ、耐久性に優れ、しか
も画像の解像度が落ちない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る透明導電性積層体を用いたタッ
チパネルの一実施例を示す拡大断面模式図である。
【図2】 もう一つの実施例を示す拡大断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1───本発明に係る透明導電性積層体 11──透明プラスチックフィルム基板 11a─凹凸処理面 12──透明導電層 2───透明導電性積層体 21──透明プラスチック基板 22──透明導電層 3───スペーサー 4───透明導電性積層体 41──ガラス基板 42──透明導電層
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】透明導電層としては、例えば、酸化インジ
ウム−錫(ITO)、酸化錫、銀、銅等の無機薄膜層が
挙げられるが、ITOが主に用いられている。透明導電
層の膜厚は、10〜200nmが一般的であり、表面抵
抗値としては、100〜1000Ω/□が一般的であ
る。透明導電層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、等々の従来の
公知の技術を使用することが出来る。スパッタリング法
においては、材料に酸化インジウム−錫(ITO)を用
いても、インジウム錫合金を使用してもよい。また、透
明プラスチックフィルム基板と透明導電層の密着性を向
上させるための中間層を設けてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】この透明プラスチックフィルム基板P1
梨地様の凹凸処理面上に、DCマグネトロンスパッタリ
ング法によりITO薄膜層を表面抵抗が400Ω/□と
なるように形成し、フィルム状透明導電性積層体を得
た。このスパッタリング処理を更に詳しく説明すると、
真空槽を0.13Paまで排気した後にアルゴンガスを
0.4Paまで導入し、更に全圧が0.41Paになる
ように導入した後、酸化錫を20重量%含む酸化インジ
ウム−錫ターゲットを用いて前記PETフィルムの片面
に透明導電層を形成した。このようにして得たフィルム
状透明導電性積層体を「フィルム状透明導電性積層体
A」(以下同様)とする。上記フィルム状透明導電性積
層体Aの表面凹凸、光線透過率、霞度、表面抵抗を前記
の方法で評価した。結果を表1にまとめて示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 彰 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 中島 明美 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 原田 祐一郎 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片表面に微細な凹凸処理(11a)を施
    した透明なプラスチックフィルム基板(11)の該片表
    面上に透明導電層(12)を積層して成ることを特徴と
    する透明導電性積層体(1)。
  2. 【請求項2】 上記透明なプラスチックフィルム基板
    (11)の凹凸処理面(11a)上に積層した透明導電
    層(12)の表面の凹凸のピークの高さが0.1μm以
    上100μm以下であり、単位長さ当りピーク数が20
    〜200個/cmであることを特徴とする請求項1に記
    載の透明導電性積層体(1)。
  3. 【請求項3】 霞度がHAZE値で0.5〜5%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体
    (1)。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の透
    明導電性積層体(1)と、透明な基板の片表面に透明導
    電層を積層して成るもう1枚の透明導電性積層体(2,
    4)とを、それらの透明導電層(12,22; 12,4
    2)同士がスペーサー(3)を介して所定の間隔を保っ
    て対向するよう重ね合わせて成ることを特徴とするタッ
    チパネル。
  5. 【請求項5】 上記スペーサー(3)を介して形成され
    る所定の間隔の平均値が、請求項1ないし3のいずれか
    に記載の透明導電性積層体の透明導電層(12)の表面
    の凹凸のピークの高さ以上であることを特徴とする請求
    項4に記載のタッチパネル。
JP9434798A 1998-04-07 1998-04-07 透明導電性積層体及びこれを用いたタッチパネル Pending JPH11296303A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002373056A (ja) * 2001-03-08 2002-12-26 Nippon Paper Industries Co Ltd ニュートンリング防止フィルム及びタッチパネル
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