JPH11295673A - 光変調器 - Google Patents

光変調器

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JPH11295673A
JPH11295673A JP9928298A JP9928298A JPH11295673A JP H11295673 A JPH11295673 A JP H11295673A JP 9928298 A JP9928298 A JP 9928298A JP 9928298 A JP9928298 A JP 9928298A JP H11295673 A JPH11295673 A JP H11295673A
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JP
Japan
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optical modulator
refractive index
ingaasp
layer
compensator
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Application number
JP9928298A
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English (en)
Inventor
Shoichi Kakimoto
昇一 柿本
Kazuhisa Takagi
和久 高木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率補償器部の動作電圧が光変調器部の電
源電圧にマッチングすることが可能な光変調器を提供す
る。 【解決手段】外部から入力される光を量子閉じ込めシュ
タルク効果を用いて変調する光変調器部202と、光変
調器部202で変調された光を、プラズマ効果を利用し
てチャーピングを抑制して、外部に出力する屈折率補償
器部203とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光変調器に関し、特
に、光通信に光源用として使用するものに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光通信に光源用として使用する従来の光
変調器には、光変調を行わせる際に生じるチャーピング
を抑制するため、電気光学効果を利用した屈折率補償器
が備えられている。
【0003】図2は、このような従来の光変調器を用い
た外部変調器付きレーザの一例の構成を示す断面図であ
る。図において、1は基板であり、この同一の基板1上
に、光変調器の光変調器部202、及び光変調器の屈折
率補償器部203が、半導体レーザ部201とともに集
積化されて形成されている。
【0004】基板1は、n−InPからなり下クラッド
層を構成している。そして基板1は半導体レーザ部20
1の光軸方向に、半導体レーザ部201が形成された領
域(以下、半導体レーザ部領域という)、光変調器部2
02が形成された領域(以下、光変調器部領域とい
う)、屈折率補償器部203が形成された領域(以下、
屈折率補償器部領域という)の3つの領域に分かれてい
る。
【0005】基板1上には、半導体レーザ部領域に、異
なる組成を持つInGaAsP/InGaAsPのMQ
W(Multiple Quantum Well :多重量子井戸)構造を有
する第1MQW層101が、光変調器部領域に、該In
GaAsP/InGaAsP第1MQW層101に連続
するように、該InGaAsP/InGaAsP第1M
QW層101で発生したレーザ光を吸収なく透過させる
ようなMQW構造を有するInGaAsP/InGaA
sP第2MQW層102が、そして、光屈折率補償器部
領域に、該InGaAsP/InGaAsP第2MQW
層102に連続するようにアンドープInGaAsPガ
イド層5が、それぞれ配設されている。
【0006】そして、これらInGaAsP/InGa
AsP第1MQW層101、InGaAsP/InGa
AsP第2MQW層102、及びInGaAsPガイド
層5上に、上クラッド層を構成するp−InPクラッド
層2が配設されている。そして、該p−InPクラッド
層2上には、半導体レーザ部領域にp+ −InGaAs
第1コンタクト層3が、光変調器部領域にp+ −InG
aAs第2コンタクト層4が、屈折率補償器部領域にp
+ −InGaAs第3コンタクト層6が、それぞれ配設
されており、p+ −InGaAs第1コンタクト層3と
+ −InGaAs第2コンタクト層4とは第1溝15
で、p+ −InGaAs第2コンタクト層4とp+ −I
nGaAs第3コンタクト層6とは第2溝16で、それ
ぞれ分離されている。ここで、第1溝15は半導体レー
ザ部201と光変調器部202とを、第2溝16は光変
調器部202と屈折率補償器部203とを、それぞれ電
気的に分離するためのものである。
【0007】そして、p+ −InGaAs第1コンタク
ト層3上に第1p側電極12が、p+ −InGaAs第
2コンタクト層4上に第2p側電極13が、p+ −In
GaAs第2コンタクト層6上に第3p側電極17が、
それぞれ配設され、基板1の下面にn側電極11が配設
されている。
【0008】次に、以上のように構成された外部変調器
付き半導体レーザの動作を説明する。半導体レーザ部2
01では、第1p側電極12とn側電極11との間に順
方向の電圧を印加すると、InGaAsP/InGaA
sP第1MQW層101が、例えば、1.55μmの波
長のレーザ光を発生する。
【0009】この発生したレーザ光は、光変調器部20
2のInGaAsP/InGaAsP第2MQW層10
2に入射する。
【0010】光変調器部202では、第2p側電極13
とn側電極11との間に電圧が印加されないときは、こ
のInGaAsP/InGaAsP第2MQW層102
に入射したレーザ光を透過せしめる。一方、第2p側電
極13とn側電極11との間に−2V程度の電圧が印加
されると、量子閉じ込めシュタルク効果によりInGa
AsP/InGaAsP第2MQW層102のバンドギ
ャップエネルギーが減少して、該InGaAsP/In
GaAsP第2MQW層102を通過するレーザ光を+
数dB減衰せしめる。従って、この第2p側電極13と
n側電極11との間に印加される逆バイアス電圧に変調
信号を重畳させると、InGaAsP/InGaAsP
第2MQW層102を通過するレーザ光の強度が変調信
号に応じて変化し、それにより変調される(光変調)。
ここで、光変調器部202は、量子閉じ込めシュタルク
効果を用いるため動作電圧が低く、しかも量子閉じ込め
シュタルク効果を用いる場合には逆バイアスで使用する
ため電流が流れず、応答速度が速い。そのため、寄生容
量を低減することにより、10Gbit/s(10GH
z)の光変調を容易にかけることができる。
【0011】しかし、第2p側電極13とn側電極11
との間に−の電圧を印加しているため、それにより、I
nGaAsP/InGaAsP第2MQW層102の吸
収率が増大すると、クラマース・クローニッヒの関係か
ら屈折率が0.001程度大きくなる。そして、屈折率
が変化すると、InGaAsP/InGaAsP第2M
QW層102を通過するレーザ光の位相が変化してその
スペクトル線幅が広がる。これを波長チャーピング(以
下、単にチャーピングという)という。従って、InG
aAsP/InGaAsP第2MQW層102を通過し
たレーザ光は、光変調されるとともに、チャーピングを
有するものとなる。
【0012】ここで、光ファイバは一般に波長分散(波
長により光の伝搬する速度が異なる現象)を有するた
め、このようなチャーピングを有するレーザ光信号を、
そのまま光ファイバに入射せしめて伝送すると、チャー
ピングにより伝送距離が制限されてしまう。そこで、こ
のチャーピングを屈折率補償器部203で抑制するよう
にしている。
【0013】InGaAsP/InGaAsP第2MQ
W層102を通過したレーザ光は、屈折率補償器203
のInGaAsPガイド層5に入射する。
【0014】屈折率補償器203では、第3p側電極1
7とn側電極11との間に逆バイアス電圧が印加される
と、InGaAsPガイド層5は、電気光学効果により
屈折率が減少する。従って、上記逆バイアス電圧を、光
変調器部202の第2p側電極13とn側電極11との
間の逆バイアス電圧と同じタイミングで印加すると、I
nGaAsP/InGaAsP第1MQW層101から
出射されたレーザ光は、InGaAsP/InGaAs
P第2MQW層102で屈折率増大の効果を受け、In
GaAsPガイド層5で屈折率減少の効果を受けること
なる。従って両方の効果が同じ大きさになるように設定
しておけば、光変調器部202と屈折率補償器部203
とを合わせた光変調器においては、チャーピングは生ぜ
ず、屈折率補償器部203のInGaAsPガイド層5
から光ファイバに入射せしめられた光変調されたレーザ
光は、光ファイバによる伝送距離が光ファイバの損失の
みによって制限され、その伝送距離が延長される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光変調器では、通常、InGaAsPガイド層5の
厚さは、InGaAsP/InGaAsP第1MQW層
101とInGaAsP/InGaAsP第2MQW層
102との光結合を考慮して約1μmに設定されてい
る。ここで、III −V族化合物半導体の電気光学効果係
数は1×10-12 m/V程度(Amnon Yariv 著Optical
Electronics, 3rd Edition, Holt, Rinehartand Wilso
n, 1985 )であるので、光変調器部202のInGaA
sP/InGaAsP第2MQW層102の長さと、屈
折率補償器部203のInGaAsPガイド層5の長さ
とを同程度にすると、屈折率補償器部203のInGa
AsPガイド層5の屈折率を−0.001程度変化させ
るには屈折率補償器部203の第3p側電極17とn側
電極11との間に−300V程度の電圧を印加する必要
がある。
【0016】仮に、ガイド層5を、InGaAsPに代
えて、電気光学効果が大きく一般的に電気光学材料とし
て使用されるLiNbO3 で構成したとしても、電気光
学効果係数は約30×10-12 m/Vであるので(上記
文献参照)、屈折率補償器部203の第3p側電極17
とn側電極11との間に−30V程度の電圧を印加する
必要がある。従って、光変調器部202と屈折率補償器
部203とでは1桁大きさの異なる電源が必要になる。
【0017】以上のように、従来の光変調器では、屈折
率補償器部203が電気光学効果を利用してチャーピン
グを抑制するものであるため、該屈折率補償器部203
の動作電圧が30V以上となり、光変調器部202の電
源電圧(動作電圧2〜3V)にマッチングしないという
問題があった。
【0018】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたもので、屈折率補償器部の動作電圧が光変調器
部の電源電圧にマッチングすることが可能な光変調器を
提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係
る光変調器は、外部から入力される光を変調し、かつこ
の変調が該変調を行う部分の屈折率の変化によるチャー
ピングを伴うものである光変調器部と、該光変調器部で
変調された光を、キャリアの注入により屈折率が変化す
る効果を利用してチャーピングを抑制して、外部に出力
する屈折率補償器部とを備えたものである。
【0020】本発明(請求項2)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項1)において、上記光変調器部が、
上記入力される光を、量子閉じ込めシュタルク効果を用
いて変調するものとしたものである。
【0021】本発明(請求項3)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項2)において、上記屈折率補償器部
が、その界面方向に隣接する両方の層との間でダブルヘ
テロ接合を形成し、上記光変調器部で変調された光を通
過せしめて外部に出力するガイド層を有してなり、かつ
該ダブルヘテロ接合に順方向電圧を印加してキャリアを
注入することにより、該ガイド層の屈折率変化が生じ、
該生じた屈折率変化により、該ガイド層を通過する光が
チャーピングを抑制されるように構成されてなるものと
したものである。
【0022】本発明(請求項4)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項3)において、上記屈折率補償器部
は、上記ガイド層が、上記順方向電圧によって該ガイド
層に注入されるキャリアの再結合を促進するキラーセン
タを含んでなるものであるとしたものである。
【0023】本発明(請求項5)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項1ないし4のいずれか)において、
上記屈折率補償器部が、半導体で構成されてなるものと
したものである。
【0024】本発明(請求項6)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項5)において、上記光変調器部が、
半導体で構成されてなり、上記屈折率補償器部が、上記
光変調器部を構成する半導体の材料と略同一の材料で構
成されてなるものとしたものである。
【0025】本発明(請求項7)に係る光変調器は、上
記光変調器(請求項6)において、上記屈折率補償器部
と上記光変調器部とが同一基板上に形成されてなるもの
としたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1による光変調器を用いた外部変調器付きレー
ザの構成を示す断面図である。図において、外部変調器
付きレーザは、同一基板1に形成された半導体レーザ部
201,光変調器部202,及び屈折率補償器部203
で構成される。そして、光変調器部202と屈折率補償
器部203とが本実施の形態1による光変調器を構成す
る。ここで、以下、レーザ光を導波する層を挟む上下一
対のクラッド層を、説明の便宜上、それぞれ、n型の導
電型のものをn型クラッド層、p型の導電型のものをp
型クラッド層と記載する。
【0027】基板1は、n−InPからなり、半導体レ
ーザ部201の光軸方向に、半導体レーザ部領域、光変
調器部領域、及び屈折率補償器部領域の3つの領域に分
かれている。そして、基板1上の半導体レーザ部領域,
及び光変調器部領域には、半導体レーザ部領域に、異な
る組成を持つInGaAsP/InGaAsPのMQW
構造を有する第1MQW層101が、光変調器部領域
に、該InGaAsP/InGaAsP第1MQW層1
01に連続するように、該InGaAsP/InGaA
sP第1MQW層101で発生したレーザ光を吸収なく
透過させるようなMQW構造を有するInGaAsP/
InGaAsP第2MQW層102が、それぞれ配設さ
れている。ここで、基板1の半導体レーザ部領域,及び
光変調器部領域は第1n型クラッド層を構成している。
【0028】これらInGaAsP/InGaAsP第
1MQW層101、及びInGaAsP/InGaAs
P第2MQW層102上に、p−InP第1p型クラッ
ド層2が配設され、該p−InP第1p型クラッド層2
上には、半導体レーザ部領域にp+ −InGaAs第1
コンタクト層3が、光変調器部領域にp+ −InGaA
s第2コンタクト層4が、それぞれ配設され、p+ −I
nGaAs第1コンタクト層3とp+ −InGaAs第
2コンタクト層4とは第1溝15で分離されている。そ
して、p+ −InGaAs第1コンタクト層3上に第1
p側電極12が、p+ −InGaAs第2コンタクト層
4上に第2p側電極13が、それぞれ配設され、基板1
の下面に第1n側電極11が配設されている。
【0029】一方、基板1の屈折率補償器部領域の上面
は、半導体レーザ部領域及び光変調器部領域の上面より
一段低く形成され、該低く形成された上面にp+ −In
GaAs第3コンタクト層6が配設され、該p+ −In
GaAs第3コンタクト層6上には、端部に第3p側電
極17が配設され、他の部分にp−InP第2p型クラ
ッド層9が、該p−InP第2p型クラッド層9の上面
が基板1の半導体レーザ部領域及び光変調器部領域の上
面と同じ高さになるようにして、配設されている。
【0030】そして、p−InP第2p型クラッド層9
上に、InGaAsP/InGaAsP第2MQW層1
02に連続するようにInGaAsPガイド層5が配設
されている。このInGaAsPガイド層5は、通常の
n型又はp型の導電性を付与するための不純物はドープ
されていないが、後述するように所定濃度のキラーセン
タがドープされている。
【0031】そして、InGaAsPガイド層5上に、
n−InP第2n型クラッド層8が、該n−InP第2
n型クラッド層8の上面が半導体レーザ部領域及び光変
調器部領域のp−InP第1p型クラッド層2の上面と
同じ高さになるようにして、配設され、該n−InP第
2n型クラッド層8上に、n+ −InGaAs第4コン
タクト層7が配設されている。そして、n−InGaA
s第4コンタクト層7は、光変調器部領域のp+ −In
GaAs第2コンタクト層4とは第2溝16で分離され
ている。そして、n−InGaAs第4コンタクト層7
上に、第2n側電極14が配設されている。
【0032】ここで、InGaAsP/InGaAsP
第1MQW層101,InGaAsP/InGaAsP
第2MQW層102,及びInGaAsPガイド層5は
1μm程度の厚さに形成されている。
【0033】また、第1溝15は半導体レーザ部201
と光変調器部202とを、第2溝16は光変調器部20
2と屈折率補償器部203とを、それぞれ、電気的に分
離するためのものである。
【0034】次に、屈折率補償器部203の構成をさら
に詳しく説明する。屈折率補償器部203では、第3p
側電極17と第2n側電極14との間に順バイアス電圧
が印加されると、n−InP第2n型クラッド層8から
は電子が、p−InP第2p型クラッド層9からは正孔
が、それぞれ、InGaAsPガイド層5に注入され
る。
【0035】Trans IECE Jpn,vol.E 68, pp.518-520,
1985 によれば、注入された電子及び正孔によりInG
aAsPガイド層5の屈折率は変化する(プラズマ効
果)。そして、一般に正孔の質量は電子の質量より約1
桁大きいので、屈折率の変化は主に注入された電子の濃
度Nに比例し、屈折率変化δn は上記文献によれば、式 δn =−e2 N/( 2mC ω2 n) によって与えられる。ここでeは電子の電荷、mC は電
子の有効質量、ωは通過するレーザ光の角周波数、nは
屈折率である。
【0036】そして、本実施の形態1について、具体的
に数値を当てはめると、電子の電荷eはe=4.8×1
-10 esu、電子の有効質量mC はmC =0.054
o(mo :電子の質量=9.11×10-28 g)、I
nGaAsPガイド層5の屈折率nはn=3.5であ
り、また、InGaAsP/InGaAsP第1MQW
層101は、例えば、波長1.55μmのレーザ光を発
生するので、このレーザ光の角周波数ωはω=6×10
4 /sとなる。
【0037】また、光変調器部202のInGaAsP
/InGaAsP第2MQW層102は、従来の技術で
述べたように、動作時に屈折率が約0.001変化する
ので、屈折率補償器部203のInGaAsPガイド層
5の屈折率をδn =−0.001変化せしめる必要があ
る。
【0038】これらの数値を上式に代入して必要な電子
の濃度Nを求めると、N=5×1017/cm3 となる。
通常、p−InP/InGaAsP/n−InPからな
るダブルヘテロ接合でこの程度の電子注入を行うには、
動作電圧は、2Vもあれば十分である。
【0039】ただし、InGaAsPガイド層5に正孔
と電子が注入されると異常分散による屈折率変化が生じ
る。この場合、その波長に相当するエネルギーがInG
aAsPガイド層5のバンドギャップエネルギーに相当
するレーザ光に対しては、プラズマ効果による屈折率変
化と異常分散による屈折率変化は同程度となるが、その
波長に相当するエネルギーがInGaAsPガイド層5
のバンドギャップエネルギーよりも小さいレーザ光に対
しては、異常分散による屈折率変化の効果はプラズマ効
果に比べて小さなものとなる。屈折率補償器部203の
InGaAsPガイド層5は、当然、入射するレーザ光
に対して透明となるように(入射するレーザ光の波長に
相当するエネルギーよりバンドギャップエネルギーの方
が大きくなるように)設定されるので、この条件は当然
成立する。従って、本実施の形態1では、屈折率補償器
部203を2V程度の動作電圧で動作させれば、光変調
器部202の屈折率変化を補償することができる。
【0040】また、屈折率補償器部203は、順バイア
スで動作させるので動作速度が問題となる。すなわち、
電子濃度がN=5×1017/cm3 となるようキャリア
(電子)を注入すると、キャリア寿命は、20nsec
程度となるので、屈折率補償器部203は、0.05G
Hz程度までしか応答できない。この応答速度を高める
には、キャリアの再結合を促進するキラーセンタ、例え
ば、Cu又はFe、O2 などをInGaAsPガイド層
5にドープすればよく、上記応答速度を10GHz程度
までに高めるには、このキラーセンタの濃度を1×10
20/cm3 程度とすればよい。そこで、本実施の形態1
では、InGaAsPガイド層5に、上記キラーセンタ
が1×1020/cm3 程度の濃度となるようドープされ
ている。一方、キラーセンタをドープした場合、キャリ
ア寿命が短くなるため、キャリアを、キラーセンタをド
ープしない場合の20倍の濃度、すなわち、1×1019
/cm3 程度となるよう注入する必要があるが、この場
合でも、屈折率補償器部203の動作電圧は2V程度で
十分である。
【0041】次に、以上のように構成された外部変調器
付きレーザの動作を説明する。この外部変調器付きレー
ザを動作させるには、まず、半導体レーザ部201の第
1p側電極12,及び第1n側電極11を、これら電極
間に所定の順バイアス電圧が印加されるよう専用の電源
に接続する。また、光変調器部202の第2p側電極1
3と屈折率補償器部203の第2n側電極14とを共通
に接続するとともに、光変調器部202の第1n側電極
11と屈折率補償器部203の第3p側電極17とを共
通に接続し、それぞれ共通に接続された電極の対(1
3,14)、(11,17)同士の間に−2Vのバイア
ス電圧が印加されるよう専用の電源に接続する。そし
て、この−2Vのバイアス電圧には、例えば,10GH
zの変調信号が重畳される。従って、光変調器部202
の第2p側電極13と第1n側電極11との間には変調
信号が重畳された−2Vの逆バイアス電圧が、屈折率補
償器部203の第3p側電極17と第2n側電極14と
の間には光変調器部202の逆バイアス電圧と同一タイ
ミングで変化する2Vの順バイアス電圧が印加される。
【0042】次に、この状態で、半導体レーザ部201
の第1p側電極12と第1n側電極11との間に所定の
順バイアス電圧が印加されると、InGaAsP/In
GaAsP第1MQW層101は、波長1.55μmの
レーザ光を発生する。
【0043】この発生したレーザ光は、光変調器部20
2のInGaAsP/InGaAsP第2MQW層10
2に入射し、該InGaAsP/InGaAsP第2M
QW層102で、光変調と、該InGaAsP/InG
aAsP第2MQW層102の屈折率が0.001(平
均値)変化することによるチャーピングとを受ける。こ
の光変調及びチャーピングを受けたレーザ光は、屈折率
補償器部203のInGaAsPガイド層5に入射し、
該InGaAsPガイド層5で、該InGaAsPガイ
ド層5の屈折率がプラズマ効果で−0.001(平均
値)変化することによりチャーピングを相殺される。こ
こで、InGaAsPガイド層5の屈折率は、キラーセ
ンタの作用により、10GHzの変調信号に対応する順
バイアス電圧の変化にも十分追随することができる。そ
して、このチャーピングがないよう光変調されたレーザ
光が光ファイバ(図示せず)に入射せしめられる。
【0044】以上のように、本実施の形態1によれば、
屈折率補償器部203の動作電圧を光変調器部202の
電源電圧にマッチングさせることが可能となる。また、
屈折率補償器部203を高速で動作させることができ
る。
【0045】なお、上記の説明では、光変調器部202
の逆バイアス電圧と、屈折率補償基部203の順バイア
ス電圧とは、絶対値が同じになるようにしているが、光
変調器部202でレーザ光が受けるチャーピングを屈折
率補償器部203で相殺できればよく、その場合は絶対
値が異なっていてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、外部から入力される光を、その変調を行う部分の屈
折率の変化によるチャーピングを伴って変調する変調器
部を有する光変調器において、光変調器部で変調された
光を、プラズマ効果を利用してチャーピングを抑制し
て、外部に出力する屈折率補償器部を備えるようにした
ので、従来例のように電気光学効果を利用する場合に比
べて、屈折率補償器部の動作電圧を下げることができ
る。
【0047】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明において、光変調器部が、入力される光を、量子
閉じ込めシュタルク効果を用いて変調するものであるよ
うにしたので、光変調器部の動作電圧も低いものとな
り、屈折率補償器部の動作電圧を光変調器部の電源電圧
にマッチングさせることが可能となる。
【0048】また、請求項3の発明によれば、請求項2
の発明において、屈折率補償器部を、その界面方向に隣
接する両方の層との間でダブルヘテロ接合を形成し、光
変調器部で変調された光を通過せしめて外部に出力する
ガイド層を有し、かつダブルヘテロ接合に順方向電圧を
印加することにより、ガイド層を通過する光がチャーピ
ングを抑制されるように構成したので、ダブルヘテロ接
合を構成する材料を適宜選択することにより、入力され
る光とプラズマ効果を生じるキャリアとの双方の閉じ込
め構造を容易に実現することができ、その結果、屈折率
補償器部の動作電圧を光変調器部の電源電圧にマッチン
グさせることが可能な光変調器を容易に提供することが
できる。
【0049】また、請求項4の発明によれば、請求項3
の発明において、屈折率補償器部を、ガイド層が、順方
向電圧によって該ガイド層に注入されるキャリアの再結
合を促進するキラーセンタを含んでなるものとしたの
で、ガイド層に注入されるキャリアの寿命が短くなるた
め、屈折率補償器部の高速動作が可能となる。その結
果、光変調器部は元々高速動作可能なことから、キラー
センタの濃度を適宜選択することにより、光変調器を高
速動作可能なものとすることができる。
【0050】また、請求項5の発明によれば、請求項1
ないし4のいずれかの発明において、屈折率補償器部が
半導体で構成されてなるものとしたので、半導体材料を
適宜選択することにより、容易に屈折率補償器部を構成
することができる。
【0051】また、請求項6の発明によれば、請求項5
の発明において、光変調器部が半導体で構成されてな
り、屈折率補償器部が光調器部を構成する半導体の材料
と略同一の材料で構成されてなるものとしたので、半導
体デバイスの製造プロセスを用いて容易に製造すること
ができる。
【0052】また、請求項7の発明によれば、請求項6
の発明において、屈折率補償器部と光変調器部とが同一
基板上に形成されてなるものとしたので、半導体デバイ
スの製造プロセスを用いて製造することがより容易とな
り、かつ集積度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による光変調器を用い
た外部変調器付きレーザの構成を示す断面図である。
【図2】 従来の光変調器を用いた外部変調器付きレー
ザの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板(第1n型クラッド層)、2 p−
InP第1p型クラッド層、3 p+ −InGaAs第
1コンタクト層、4 p+ −InGaAs第2コンタク
ト層、5 InGaAsPガイド層、6 p+ −InG
aAs第3コンタクト層、7 n+ −InGaAs第4
コンタクト層、8 n−InP第2n型クラッド層、9
p−InP第2p型クラッド層、11 第1n側電
極、12 第1p側電極、13 第2p側電極、14
第2n側電極、15 第1溝、16 第2溝、17 第
3p側電極、101 InGaAsP/InGaAsP
第1MQW層、102 InGaAsP/InGaAs
P第2MQW層、201 半導体レーザ部、202 光
変調器部、203 屈折率補償器部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から入力される光を変調し、かつこ
    の変調が該変調を行う部分の屈折率の変化によるチャー
    ピングを伴うものである光変調器部と、 該光変調器部で変調された光を、キャリアの注入により
    屈折率が変化する効果を利用してチャーピングを抑制し
    て、外部に出力する屈折率補償器部とを備えたことを特
    徴とする光変調器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光変調器において、 上記光変調器部は、上記入力される光を、量子閉じ込め
    シュタルク効果を用いて変調するものであることを特徴
    とする光変調器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光変調器において、 上記屈折率補償器部は、その界面方向に隣接する両方の
    層との間でダブルヘテロ接合を形成し、上記光変調器部
    で変調された光を通過せしめて外部に出力するガイド層
    を有してなり、 かつ該ダブルヘテロ接合に順方向電圧を印加してキャリ
    アを注入することにより、該ガイド層の屈折率変化が生
    じ、該生じた屈折率変化により、該ガイド層を通過する
    光がチャーピングを抑制されるように構成されてなるも
    のであることを特徴とする光変調器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光変調器において、 上記屈折率補償器部は、上記ガイド層が、上記順方向電
    圧によって該ガイド層に注入されるキャリアの再結合を
    促進するキラーセンタを含んでなるものであることを特
    徴とする光変調器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の光
    変調器において、 上記屈折率補償器部は、半導体で構成されてなることを
    特徴とする光変調器。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光変調器において、 上記光変調器部は、半導体で構成されてなり、 上記屈折率補償器部は、上記光変調器部を構成する半導
    体の材料と略同一の材料で構成されてなることを特徴と
    する光変調器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光変調器において、 上記屈折率補償器部と上記光変調器部とが同一基板上に
    形成されてなることを特徴とする光変調器。
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