JPH1129360A - セラミック可塑性練り土の製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用いた排ガスフィルタ - Google Patents
セラミック可塑性練り土の製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用いた排ガスフィルタInfo
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- JPH1129360A JPH1129360A JP9184815A JP18481597A JPH1129360A JP H1129360 A JPH1129360 A JP H1129360A JP 9184815 A JP9184815 A JP 9184815A JP 18481597 A JP18481597 A JP 18481597A JP H1129360 A JPH1129360 A JP H1129360A
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- exhaust gas
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- aluminum titanate
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- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 均一に混練され、有機系結合剤が完全に溶解
されたセラミック可塑性練り土により排ガスフィルタを
作製する。 【解決手段】 −200mmHg以下の真空の状態下
で、1〜30℃の温度域で、10〜400時間エージン
グしてチタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを
含有するセラミック可塑性練り土を得る。そして、この
セラミック可塑性練り土により排ガスフィルタ41を作
製する。
されたセラミック可塑性練り土により排ガスフィルタを
作製する。 【解決手段】 −200mmHg以下の真空の状態下
で、1〜30℃の温度域で、10〜400時間エージン
グしてチタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを
含有するセラミック可塑性練り土を得る。そして、この
セラミック可塑性練り土により排ガスフィルタ41を作
製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンを搭載したバスやトラック及びフォークリフト等の排
ガスに含まれる炭素質微粒子を濾過するのに好適な排ガ
スフィルタに関するものであり、特に、該排ガスフィル
タの材料として用いられているセラミック可塑性練り土
に関するものである。
ンを搭載したバスやトラック及びフォークリフト等の排
ガスに含まれる炭素質微粒子を濾過するのに好適な排ガ
スフィルタに関するものであり、特に、該排ガスフィル
タの材料として用いられているセラミック可塑性練り土
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大都市圏におけるNOXや浮遊粒
子状物質による大気汚染の悪化が進んでいる。このうち
大気中の浮遊粒子状物質については、ディーゼルエンジ
ンから排出される炭素質微粒子が全体の30〜40%を
占めると言われている。しかも、その中には多環芳香族
炭化水素等の変異原性や発癌性のある成分が含まれてお
り、大きな社会問題となっている。
子状物質による大気汚染の悪化が進んでいる。このうち
大気中の浮遊粒子状物質については、ディーゼルエンジ
ンから排出される炭素質微粒子が全体の30〜40%を
占めると言われている。しかも、その中には多環芳香族
炭化水素等の変異原性や発癌性のある成分が含まれてお
り、大きな社会問題となっている。
【0003】そこで、この炭素質微粒子対策のうち最も
効果が期待されるものとして、エンジンの排気系中で炭
素質微粒子を捕集した後、自己再生を行う排ガス浄化シ
ステムがある。この排ガス浄化システムは、主として排
ガス中の炭素質微粒子を濾過して捕獲する排ガスフィル
タと、捕獲した炭素質微粒子を燃焼除去する再生装置と
から成っている。そして、再生方法には、例えば電気ヒ
ータ方式、バーナ方式、熱風方式、逆洗方式等がある
が、どの方法にも一長一短がある。
効果が期待されるものとして、エンジンの排気系中で炭
素質微粒子を捕集した後、自己再生を行う排ガス浄化シ
ステムがある。この排ガス浄化システムは、主として排
ガス中の炭素質微粒子を濾過して捕獲する排ガスフィル
タと、捕獲した炭素質微粒子を燃焼除去する再生装置と
から成っている。そして、再生方法には、例えば電気ヒ
ータ方式、バーナ方式、熱風方式、逆洗方式等がある
が、どの方法にも一長一短がある。
【0004】この種の排ガスフィルタの主流となってい
るのは、米国特許第4364761号公報に開示されて
いるようなセラミックモノリシック壁流型微粒子用フィ
ルタである。
るのは、米国特許第4364761号公報に開示されて
いるようなセラミックモノリシック壁流型微粒子用フィ
ルタである。
【0005】図3にセラミックモノリシック型フィルタ
の要部断面図を示す。図3において、ハニカムセラミッ
クスで構成された円柱状の本体11には、その軸方向に
沿って多孔質隔壁17で仕切られた多数のセル12,1
3が設けられている。セル12,13の片方の端部は、
閉塞剤14が交互に充填されて閉塞されている。したが
って、矢印で示すように排ガスが左側から右側に流れる
本図の排ガスフィルタにおいては、炭素質微粒子を含む
排ガスは流入側が開放されているセル13に流入し、多
孔質隔壁17を通過して流出側が開放されている隣接し
たセル12から流出する。このとき、炭素質微粒子は濾
過機能を有する多孔質隔壁17の表面に捕集され、清浄
な排ガスがセル12より排出される。
の要部断面図を示す。図3において、ハニカムセラミッ
クスで構成された円柱状の本体11には、その軸方向に
沿って多孔質隔壁17で仕切られた多数のセル12,1
3が設けられている。セル12,13の片方の端部は、
閉塞剤14が交互に充填されて閉塞されている。したが
って、矢印で示すように排ガスが左側から右側に流れる
本図の排ガスフィルタにおいては、炭素質微粒子を含む
排ガスは流入側が開放されているセル13に流入し、多
孔質隔壁17を通過して流出側が開放されている隣接し
たセル12から流出する。このとき、炭素質微粒子は濾
過機能を有する多孔質隔壁17の表面に捕集され、清浄
な排ガスがセル12より排出される。
【0006】従来より、この排ガスフィルタはコージェ
ライトや炭化珪素を主成分としたものが多く用いられて
おり、またその製造方法としては、主としてセラミック
粉末とメチルセルロース系結合剤から成るセラミック可
塑性練り土を、ハニカム成形用ダイスにより加圧しなが
ら押し出して、円柱状のハニカム成形体を得る方法が一
般的であった。
ライトや炭化珪素を主成分としたものが多く用いられて
おり、またその製造方法としては、主としてセラミック
粉末とメチルセルロース系結合剤から成るセラミック可
塑性練り土を、ハニカム成形用ダイスにより加圧しなが
ら押し出して、円柱状のハニカム成形体を得る方法が一
般的であった。
【0007】ハニカム成形用ダイスの要部の断面図を図
4に示す。図4において、ダイス本体21の一方側には
セラミック可塑性練り土の供給孔22が、他方側には、
この供給孔22と連通した出口側スリット23が形成さ
れている。
4に示す。図4において、ダイス本体21の一方側には
セラミック可塑性練り土の供給孔22が、他方側には、
この供給孔22と連通した出口側スリット23が形成さ
れている。
【0008】ここで、図3に示す排ガスフィルタの多孔
質隔壁17が1mm以下と極めて薄い場合、このような
多孔質隔壁17を成形するセラミック可塑性練り土の供
給孔22及び出口側スリット23の部分が極めて薄くな
るので、一般的にセラミック可塑性練り土は流動性に乏
しくなる。
質隔壁17が1mm以下と極めて薄い場合、このような
多孔質隔壁17を成形するセラミック可塑性練り土の供
給孔22及び出口側スリット23の部分が極めて薄くな
るので、一般的にセラミック可塑性練り土は流動性に乏
しくなる。
【0009】一方、セラミック可塑性練り土は、主とし
てセラミック粉末とメチルセルロース系結合剤との混合
物に適量の水を加えて、ニーダーや三本ロールミルで混
練することにより可塑性が付与されるが、水の量は一般
的にセラミック粉末100重量部に対して15〜35重
量部と少なく、極めて流動性が悪く、混合又は混練する
場合も均一に分散し難い問題点を有している。
てセラミック粉末とメチルセルロース系結合剤との混合
物に適量の水を加えて、ニーダーや三本ロールミルで混
練することにより可塑性が付与されるが、水の量は一般
的にセラミック粉末100重量部に対して15〜35重
量部と少なく、極めて流動性が悪く、混合又は混練する
場合も均一に分散し難い問題点を有している。
【0010】図5は、従来の技術により作製された排ガ
スフィルタを示す外観斜視図である。
スフィルタを示す外観斜視図である。
【0011】すなわち、セラミック粉末、メチルセルロ
ース系結合剤及び水が充分に混練されない場合には、局
部的に水分の少ない粉末塊が存在する。その為、ハニカ
ム成形用ダイスにより加圧しながら押し出して円柱状の
ハニカム成形体を作製する際、この粉末塊が薄いセラミ
ック可塑性練り土の供給孔22及び出口側スリット23
に目詰まりして良好なハニカム成形体を得ることが困難
となるものである。ここで、押し出し圧力を大きくして
粉末塊を強制的に押し出した場合には、粉末塊の部分が
膨れたりや変形して成形欠陥となり、また焼成時には亀
裂や膨れ等が発生する。これにより、図5に示すよう
に、得られた排ガスフィルタ31には、全体的に反りが
発生し、側面には亀裂32や膨れ33が発生する。
ース系結合剤及び水が充分に混練されない場合には、局
部的に水分の少ない粉末塊が存在する。その為、ハニカ
ム成形用ダイスにより加圧しながら押し出して円柱状の
ハニカム成形体を作製する際、この粉末塊が薄いセラミ
ック可塑性練り土の供給孔22及び出口側スリット23
に目詰まりして良好なハニカム成形体を得ることが困難
となるものである。ここで、押し出し圧力を大きくして
粉末塊を強制的に押し出した場合には、粉末塊の部分が
膨れたりや変形して成形欠陥となり、また焼成時には亀
裂や膨れ等が発生する。これにより、図5に示すよう
に、得られた排ガスフィルタ31には、全体的に反りが
発生し、側面には亀裂32や膨れ33が発生する。
【0012】そこで、このような課題を解決するものと
して、例えば特開平1−259904号公報には、セラ
ミック粉末と成形用のバインダー及び分散剤及び分散溶
媒からなる混合物を混練物とし、該混練物をフィルタに
通過させた後、ハニカム成形用ダイスにより押し出し成
形することを特徴とするハニカム成形体の製造方法が開
示されている。
して、例えば特開平1−259904号公報には、セラ
ミック粉末と成形用のバインダー及び分散剤及び分散溶
媒からなる混合物を混練物とし、該混練物をフィルタに
通過させた後、ハニカム成形用ダイスにより押し出し成
形することを特徴とするハニカム成形体の製造方法が開
示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ディーゼルエ
ンジンの排気系に装着される排ガスフィルタには、表面
や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等がなく、
寸法精度に優れていることが要求される。また、こうし
た要求を満足する為、排ガスフィルタの製造に用いるセ
ラミック可塑性練り土は、セラミック粉末と有機系結合
剤及び水等が均一に混練され、有機系結合剤が水に完全
に溶解していることが必要とされている。
ンジンの排気系に装着される排ガスフィルタには、表面
や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等がなく、
寸法精度に優れていることが要求される。また、こうし
た要求を満足する為、排ガスフィルタの製造に用いるセ
ラミック可塑性練り土は、セラミック粉末と有機系結合
剤及び水等が均一に混練され、有機系結合剤が水に完全
に溶解していることが必要とされている。
【0014】しかしながら、従来の排ガスフィルタの製
造に用いられているセラミック可塑性練り土では、充分
な混練を実施したり或いは混練物をフィルタに通過させ
ても、なお混練が不均一で、また有機系結合剤の未溶解
部分が残る。その為、押し出し成形時にハニカム成形用
ダイスに目詰まりが発生し、膨れや変形等の成形欠陥が
ない良好なハニカム成形体が得られないという問題点を
有している。
造に用いられているセラミック可塑性練り土では、充分
な混練を実施したり或いは混練物をフィルタに通過させ
ても、なお混練が不均一で、また有機系結合剤の未溶解
部分が残る。その為、押し出し成形時にハニカム成形用
ダイスに目詰まりが発生し、膨れや変形等の成形欠陥が
ない良好なハニカム成形体が得られないという問題点を
有している。
【0015】また、従来の排ガスフィルタでは、このよ
うなセラミック可塑性練り土の混練不均一性と有機系結
合剤の未溶解部分に起因して、焼成時に表面や内部の亀
裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発生する為、寸法
精度に乏しいという問題点を有している。
うなセラミック可塑性練り土の混練不均一性と有機系結
合剤の未溶解部分に起因して、焼成時に表面や内部の亀
裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発生する為、寸法
精度に乏しいという問題点を有している。
【0016】そこで、本発明は、均一に混練され、有機
系結合剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土の
製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用
いた排ガスフィルタ提供することを目的とする。
系結合剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土の
製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用
いた排ガスフィルタ提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明によるセラミック可塑性練り土の製造方法
は、−200mmHg以下の真空の状態下で、1〜30
℃の温度域で、10〜400時間エージングしてチタン
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土を得るものである。
に、本発明によるセラミック可塑性練り土の製造方法
は、−200mmHg以下の真空の状態下で、1〜30
℃の温度域で、10〜400時間エージングしてチタン
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土を得るものである。
【0018】これにより、均一に混練され、有機系結合
剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土が得ら
れ、膨れや変形等の成形欠陥のないハニカム成形体を製
造することができる。
剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土が得ら
れ、膨れや変形等の成形欠陥のないハニカム成形体を製
造することができる。
【0019】また、本発明によるセラミック可塑性練り
土は、チタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを
含有するセラミック可塑性練り土であって、−200m
mHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度域で、
10〜400時間エージングして熟成したものである。
土は、チタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを
含有するセラミック可塑性練り土であって、−200m
mHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度域で、
10〜400時間エージングして熟成したものである。
【0020】これにより、均一に混練され、有機系結合
剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土が得ら
れ、膨れや変形等の成形欠陥のないハニカム成形体を製
造することができる。
剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土が得ら
れ、膨れや変形等の成形欠陥のないハニカム成形体を製
造することができる。
【0021】そして、本発明による排ガスフィルタは、
軸方向に多数のハニカム状のセルが形成され、これらの
セルのいずれか一方側が閉塞剤により交互に閉塞されて
成る円柱状の排ガスフィルタであって、気孔形成剤を含
む前述のセラミック可塑性練り土により形成されたもの
である。
軸方向に多数のハニカム状のセルが形成され、これらの
セルのいずれか一方側が閉塞剤により交互に閉塞されて
成る円柱状の排ガスフィルタであって、気孔形成剤を含
む前述のセラミック可塑性練り土により形成されたもの
である。
【0022】これにより、膨れや変形等の成形欠陥がな
い良好なハニカム成形体の作製が可能になり、焼成時に
表面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発
生することなく、寸法精度に優れた排ガスフィルタが得
られる。
い良好なハニカム成形体の作製が可能になり、焼成時に
表面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発
生することなく、寸法精度に優れた排ガスフィルタが得
られる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、真空の状態下で、所定の温度域で、所定の時間エー
ジングしてチタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤
とを含有するセラミック可塑性練り土を得るセラミック
可塑性練り土の製造方法であり、均一に混練され、有機
系結合剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土を
得ることができるという作用を有する。
は、真空の状態下で、所定の温度域で、所定の時間エー
ジングしてチタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤
とを含有するセラミック可塑性練り土を得るセラミック
可塑性練り土の製造方法であり、均一に混練され、有機
系結合剤が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土を
得ることができるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項2に記載の発明は、−20
0mmHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度域
で、10〜400時間エージングしてチタン酸アルミニ
ウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラミック可塑
性練り土を得るセラミック可塑性練り土の製造方法であ
り、均一に混練され、有機系結合剤が完全に溶解された
セラミック可塑性練り土を得ることができるという作用
を有する。また、これにより、膨れや変形等の成形欠陥
のないハニカム成形体を製造することができるという作
用を有する。
0mmHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度域
で、10〜400時間エージングしてチタン酸アルミニ
ウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラミック可塑
性練り土を得るセラミック可塑性練り土の製造方法であ
り、均一に混練され、有機系結合剤が完全に溶解された
セラミック可塑性練り土を得ることができるという作用
を有する。また、これにより、膨れや変形等の成形欠陥
のないハニカム成形体を製造することができるという作
用を有する。
【0025】本発明の請求項3に記載の発明は、チタン
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土であって、真空の状態下で、所定の
温度域で、所定の時間エージングして熟成したセラミッ
ク可塑性練り土であり、均一に混練され、有機系結合剤
が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土を得ること
ができるという作用を有する。
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土であって、真空の状態下で、所定の
温度域で、所定の時間エージングして熟成したセラミッ
ク可塑性練り土であり、均一に混練され、有機系結合剤
が完全に溶解されたセラミック可塑性練り土を得ること
ができるという作用を有する。
【0026】本発明の請求項4に記載の発明は、チタン
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土であって、−200mmHg以下の
真空の状態下で、1〜30℃の温度域で、10〜400
時間エージングして熟成したセラミック可塑性練り土で
あり、均一に混練され、有機系結合剤が完全に溶解され
たセラミック可塑性練り土を得ることができるという作
用を有する。また、これにより、膨れや変形等の成形欠
陥のないハニカム成形体を製造することができるという
作用を有する。
酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有するセラ
ミック可塑性練り土であって、−200mmHg以下の
真空の状態下で、1〜30℃の温度域で、10〜400
時間エージングして熟成したセラミック可塑性練り土で
あり、均一に混練され、有機系結合剤が完全に溶解され
たセラミック可塑性練り土を得ることができるという作
用を有する。また、これにより、膨れや変形等の成形欠
陥のないハニカム成形体を製造することができるという
作用を有する。
【0027】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
3または4記載の発明において、チタン酸アルミニウム
質粉末が柱状粒子より成り、その平均粒子径が5.0〜
30.0μmであるセラミック可塑性練り土であり、押
し出し成形時における柱状粒子の配向性が向上するとい
う作用を有する。
3または4記載の発明において、チタン酸アルミニウム
質粉末が柱状粒子より成り、その平均粒子径が5.0〜
30.0μmであるセラミック可塑性練り土であり、押
し出し成形時における柱状粒子の配向性が向上するとい
う作用を有する。
【0028】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
3、4または5記載の発明において、有機系結合剤がメ
チルセルロース系結合剤であるセラミック可塑性練り土
であり、有機系結合剤の未溶解部分を確実になくすこと
ができるという作用を有する。
3、4または5記載の発明において、有機系結合剤がメ
チルセルロース系結合剤であるセラミック可塑性練り土
であり、有機系結合剤の未溶解部分を確実になくすこと
ができるという作用を有する。
【0029】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
3〜6の何れか一項に記載の発明において、気孔形成剤
を含んでいるセラミック可塑性練り土であり、適切な捕
集性能を有する排ガスフィルタ用のセラミック可塑性練
り土を得ることができるという作用を有する。
3〜6の何れか一項に記載の発明において、気孔形成剤
を含んでいるセラミック可塑性練り土であり、適切な捕
集性能を有する排ガスフィルタ用のセラミック可塑性練
り土を得ることができるという作用を有する。
【0030】そして、本発明の請求項8に記載の発明
は、軸方向に多数のハニカム状のセルが形成され、これ
らのセルのいずれか一方側が閉塞剤により交互に閉塞さ
れて成る円柱状の排ガスフィルタであって、この排ガス
フィルタは請求項7記載のセラミック可塑性練り土によ
り形成されているものであり、膨れや変形等の成形欠陥
がない良好なハニカム成形体の作製が可能になって、焼
成時に表面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形
等が発生することなく、寸法精度に優れ、適切な捕集性
能と高い耐熱衝撃性を有する排ガスフィルタを得ること
ができるという作用を有する。
は、軸方向に多数のハニカム状のセルが形成され、これ
らのセルのいずれか一方側が閉塞剤により交互に閉塞さ
れて成る円柱状の排ガスフィルタであって、この排ガス
フィルタは請求項7記載のセラミック可塑性練り土によ
り形成されているものであり、膨れや変形等の成形欠陥
がない良好なハニカム成形体の作製が可能になって、焼
成時に表面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形
等が発生することなく、寸法精度に優れ、適切な捕集性
能と高い耐熱衝撃性を有する排ガスフィルタを得ること
ができるという作用を有する。
【0031】以下、本発明の実施の形態について、図1
及び図2を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複
した説明は省略されている。
及び図2を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複
した説明は省略されている。
【0032】図1は、本発明の一実施の形態における排
ガスフィルタを示す外観斜視図である。又、図2は本発
明の一実施の形態によるハニカム成形体の焼成装置を示
す断面図である。
ガスフィルタを示す外観斜視図である。又、図2は本発
明の一実施の形態によるハニカム成形体の焼成装置を示
す断面図である。
【0033】前述した図3に示すものと略同一の内部構
造を有する本実施の形態の排ガスフィルタ41では、両
端に貫通して形成された複数のセルは、一方端と他方端
とが交互に閉塞剤42により閉塞されている。
造を有する本実施の形態の排ガスフィルタ41では、両
端に貫通して形成された複数のセルは、一方端と他方端
とが交互に閉塞剤42により閉塞されている。
【0034】このような排ガスフィルタ41について、
その製造方法を説明する。先ず、主成分がチタン酸アル
ミニウムより成るチタン酸アルミニウム質粉末とヒドロ
キシプロピルメチルセルロースを含む有機系結合剤と高
分子エステル系の潤滑剤とポリエチレン系の気孔形成剤
と水とを(表1)に示した比率になるように配合し、高
速ミキサーで3分間混合した後、混練機で30〜120
分間混練してセラミック可塑性練り土を得る。
その製造方法を説明する。先ず、主成分がチタン酸アル
ミニウムより成るチタン酸アルミニウム質粉末とヒドロ
キシプロピルメチルセルロースを含む有機系結合剤と高
分子エステル系の潤滑剤とポリエチレン系の気孔形成剤
と水とを(表1)に示した比率になるように配合し、高
速ミキサーで3分間混合した後、混練機で30〜120
分間混練してセラミック可塑性練り土を得る。
【0035】
【表1】
【0036】次に、得られたセラミック可塑性練り土を
20℃の温度で、−500mmHgの真空の状態下で、
150時間エージングした後、ハニカム構造に成形でき
る金型を装着したプランジャ押し出し機(宮崎鉄工製)
を用いて、押し出し法により直径170mm、長さ18
0mmで、軸方向に多数のセルを有するハニカム成形体
を作製する。
20℃の温度で、−500mmHgの真空の状態下で、
150時間エージングした後、ハニカム構造に成形でき
る金型を装着したプランジャ押し出し機(宮崎鉄工製)
を用いて、押し出し法により直径170mm、長さ18
0mmで、軸方向に多数のセルを有するハニカム成形体
を作製する。
【0037】これにより、図1に示すように、表面や多
孔質隔壁に膨れや変形等の成形欠陥がなく、保形性と寸
法精度に優れた良好なハニカム成形体が得られる。
孔質隔壁に膨れや変形等の成形欠陥がなく、保形性と寸
法精度に優れた良好なハニカム成形体が得られる。
【0038】ここで、真空が−200mmHgを越える
と、セラミック可塑性練り土の均一性が保たれなくなる
為、多孔質隔壁の変形やハニカム成形体の反りが発生す
る。また、セラミック可塑性練り土のエージング温度が
1℃未満になると、一部凍結状態となり押し出し成形性
が困難となり、またエージング温度が30℃を越える
と、セラミック可塑性練り土がゲル化する為、流動性が
低下し、ハニカム成形体の表面及び多孔質隔壁に亀裂や
膨れが発生し、良好なハニカム成形体は得られない。さ
らに、エージング時間が10時間未満になると、水分が
均一に分散されず有機系結合剤の未溶解部分が残る為、
ハニカム成形体の表面や内部に亀裂や膨れ等が発生し、
寸法精度に乏しくなり、エージング時間が400時間を
越えると、生産性が低下する。
と、セラミック可塑性練り土の均一性が保たれなくなる
為、多孔質隔壁の変形やハニカム成形体の反りが発生す
る。また、セラミック可塑性練り土のエージング温度が
1℃未満になると、一部凍結状態となり押し出し成形性
が困難となり、またエージング温度が30℃を越える
と、セラミック可塑性練り土がゲル化する為、流動性が
低下し、ハニカム成形体の表面及び多孔質隔壁に亀裂や
膨れが発生し、良好なハニカム成形体は得られない。さ
らに、エージング時間が10時間未満になると、水分が
均一に分散されず有機系結合剤の未溶解部分が残る為、
ハニカム成形体の表面や内部に亀裂や膨れ等が発生し、
寸法精度に乏しくなり、エージング時間が400時間を
越えると、生産性が低下する。
【0039】次に、成形したハニカム成形体をマイクロ
波乾燥機と温風乾燥機とを併用して乾燥し、1470〜
1530℃の温度で4時間保持し焼成する。すると、焼
成後のハニカム体の良し悪しに、セラミック可塑性練り
土及び焼成前のハニカム成形体の良し悪しが直接反映さ
れ、−200mmHg以下の真空の状態下で、1〜30
℃の温度域で、10〜400時間エージングして熟成し
たセラミック可塑性練り土を用いたハニカム成形体によ
る焼成後のハニカム体は、表面や内部に欠陥がなく、寸
法精度に優れたものになる。
波乾燥機と温風乾燥機とを併用して乾燥し、1470〜
1530℃の温度で4時間保持し焼成する。すると、焼
成後のハニカム体の良し悪しに、セラミック可塑性練り
土及び焼成前のハニカム成形体の良し悪しが直接反映さ
れ、−200mmHg以下の真空の状態下で、1〜30
℃の温度域で、10〜400時間エージングして熟成し
たセラミック可塑性練り土を用いたハニカム成形体によ
る焼成後のハニカム体は、表面や内部に欠陥がなく、寸
法精度に優れたものになる。
【0040】次に、得られたハニカム体を、竪型万能帯
鋸盤を使用して直径140mm、長さ150mmに切断
加工した後、両端面のセルのいずれか一方をチタン酸ア
ルミニウム質粉末より成る閉塞剤42により交互に、全
体が市松模様になるように閉塞する。
鋸盤を使用して直径140mm、長さ150mmに切断
加工した後、両端面のセルのいずれか一方をチタン酸ア
ルミニウム質粉末より成る閉塞剤42により交互に、全
体が市松模様になるように閉塞する。
【0041】そして、1350〜1450℃の温度で2
時間熱処理すると、図1に示す排ガスフィルタ41が作
製される。
時間熱処理すると、図1に示す排ガスフィルタ41が作
製される。
【0042】なお、このようにして得られた排ガスフィ
ルタ41は、本体が円柱状で、軸方向に多数のセルが形
成されたハニカム構造を有し、両端面のセルのいずれか
一方が閉塞剤42により交互に閉塞されており、図示す
るように、全体的な反り、表面及び内部の亀裂や多孔質
隔壁の変形等といった構造上の欠陥がなく、良好な形状
と寸法精度を有する。
ルタ41は、本体が円柱状で、軸方向に多数のセルが形
成されたハニカム構造を有し、両端面のセルのいずれか
一方が閉塞剤42により交互に閉塞されており、図示す
るように、全体的な反り、表面及び内部の亀裂や多孔質
隔壁の変形等といった構造上の欠陥がなく、良好な形状
と寸法精度を有する。
【0043】ここで、得られた排ガスフィルタ41の室
温から800℃までの熱膨張係数を熱解析装置(セイコ
ー電子製)により測定した。その結果、軸方向は−1.
4×10-6/℃であり、軸方向に対して垂直方向は+
1.4×10-6/℃であり、熱膨張の配向性が見られ
た。これは、チタン酸アルミニウム質粉末が柱状粒子よ
り成る為、セラミック可塑性練り土の熟成条件を前述し
た範囲内とすることにより、水分が柱状粒子の周囲に均
一に分散し同時に有機系結合剤が完全に水に溶解するの
で押し出し成形時にチタン酸アルミニウム質粉末の柱状
粒子の配向性が向上したためと考えられる。
温から800℃までの熱膨張係数を熱解析装置(セイコ
ー電子製)により測定した。その結果、軸方向は−1.
4×10-6/℃であり、軸方向に対して垂直方向は+
1.4×10-6/℃であり、熱膨張の配向性が見られ
た。これは、チタン酸アルミニウム質粉末が柱状粒子よ
り成る為、セラミック可塑性練り土の熟成条件を前述し
た範囲内とすることにより、水分が柱状粒子の周囲に均
一に分散し同時に有機系結合剤が完全に水に溶解するの
で押し出し成形時にチタン酸アルミニウム質粉末の柱状
粒子の配向性が向上したためと考えられる。
【0044】次に、得られた排ガスフィルタ41を、排
気量3431ccのディーゼルエンジン(トヨタ製)の
排気系に装着してトルクが21kgm、回転数が150
0rpmの条件で所定時間運転し、排ガスフィルタ41
に炭素質微粒子を含む黒煙をフィルタの単位体積(1リ
ットル)当たり15g捕集した後、空気を毎分約70リ
ットル送りながら電気ヒータを着火源として捕集された
黒煙を燃焼させることにより排ガスフィルタ41を再生
する燃焼試験を、100回繰り返し実施した。
気量3431ccのディーゼルエンジン(トヨタ製)の
排気系に装着してトルクが21kgm、回転数が150
0rpmの条件で所定時間運転し、排ガスフィルタ41
に炭素質微粒子を含む黒煙をフィルタの単位体積(1リ
ットル)当たり15g捕集した後、空気を毎分約70リ
ットル送りながら電気ヒータを着火源として捕集された
黒煙を燃焼させることにより排ガスフィルタ41を再生
する燃焼試験を、100回繰り返し実施した。
【0045】その結果、本排ガスフィルタ41は燃焼試
験後における黒煙のリークがなく、熱衝撃による亀裂の
発生がなく耐久性に優れていた。
験後における黒煙のリークがなく、熱衝撃による亀裂の
発生がなく耐久性に優れていた。
【0046】なお、本発明においては、セラミック可塑
性練り土に含まれる有機系結合剤はヒドロキシプロピル
メチルセルロースに限らず、作製するハニカム成形体に
成形欠陥がなく、良好な成形性と保形性を付与し、寸法
精度に優れた排ガスフィルタを実現できるような成分で
あれば差し支えない。同じく、セラミック可塑性練り土
に含まれる気孔形成剤はポリエチレン系に限らず、炭素
質微粒子を含む黒煙をリークすることなく確実に捕集で
きる排ガスフィルタを実現できるような成分であれば差
し支えない。
性練り土に含まれる有機系結合剤はヒドロキシプロピル
メチルセルロースに限らず、作製するハニカム成形体に
成形欠陥がなく、良好な成形性と保形性を付与し、寸法
精度に優れた排ガスフィルタを実現できるような成分で
あれば差し支えない。同じく、セラミック可塑性練り土
に含まれる気孔形成剤はポリエチレン系に限らず、炭素
質微粒子を含む黒煙をリークすることなく確実に捕集で
きる排ガスフィルタを実現できるような成分であれば差
し支えない。
【0047】以上のように本実施の形態によれば、−2
00mmHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度
域で、10〜400時間エージングして熟成しているの
で、セラミック粉末と有機系結合剤及び水などが均一に
混練され、有機系結合剤が完全に水に溶解されたセラミ
ック可塑性練り土を得ることができる。これにより、膨
れや変形等の成形欠陥がなく良好な成形性と保形性とを
有するハニカム成形体の作製が可能になり、焼成時に表
面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発生
することなく、寸法精度と信頼性に優れた排ガスフィル
タを得ることができる。
00mmHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度
域で、10〜400時間エージングして熟成しているの
で、セラミック粉末と有機系結合剤及び水などが均一に
混練され、有機系結合剤が完全に水に溶解されたセラミ
ック可塑性練り土を得ることができる。これにより、膨
れや変形等の成形欠陥がなく良好な成形性と保形性とを
有するハニカム成形体の作製が可能になり、焼成時に表
面や内部の亀裂や膨れ或いは多孔質隔壁の変形等が発生
することなく、寸法精度と信頼性に優れた排ガスフィル
タを得ることができる。
【0048】ここで、本発明者はチタン酸アルミニウム
質粉末の粒子径について、さらに考察を進めた。以下
に、その内容を説明する。
質粉末の粒子径について、さらに考察を進めた。以下
に、その内容を説明する。
【0049】先ず、異なる平均粒子径の柱状粒子より成
るチタン酸アルミニウム質粉末とメチルセルロース系の
有機系結合剤と高分子エステル系の潤滑剤とポリエチレ
ン系の気孔形成剤と水とを(表2)に示した比率になる
ように配合する。
るチタン酸アルミニウム質粉末とメチルセルロース系の
有機系結合剤と高分子エステル系の潤滑剤とポリエチレ
ン系の気孔形成剤と水とを(表2)に示した比率になる
ように配合する。
【0050】
【表2】
【0051】そして、高速ミキサーで3分間混合した
後、スクリュー式混練機を2回パスすることにより混練
し、さらに3本ロールミルを2回通してチタン酸アルミ
ニウム質粉末の平均粒子径の異なるセラミック可塑性練
り土をそれぞれ作製する。
後、スクリュー式混練機を2回パスすることにより混練
し、さらに3本ロールミルを2回通してチタン酸アルミ
ニウム質粉末の平均粒子径の異なるセラミック可塑性練
り土をそれぞれ作製する。
【0052】次に、作製した各々のセラミック可塑性練
り土を25℃の温度で、−600mmHgの真空の状態
下で、90時間エージングした後、ハニカム構造に成形
できる金型を装着したプランジャ押し出し機(宮崎鉄工
製)を用いて、押し出し成形性を吟味しながら直径17
0mm、長さ180mmで、軸方向に多数のセルを有す
るハニカム成形体をそれぞれ作製する。
り土を25℃の温度で、−600mmHgの真空の状態
下で、90時間エージングした後、ハニカム構造に成形
できる金型を装着したプランジャ押し出し機(宮崎鉄工
製)を用いて、押し出し成形性を吟味しながら直径17
0mm、長さ180mmで、軸方向に多数のセルを有す
るハニカム成形体をそれぞれ作製する。
【0053】次に、作製した各々のハニカム成形体の側
面部をラップフィルムで被覆した後マイクロ波乾燥機と
温風乾燥機とを併用して乾燥し、図2に示す焼成装置を
用いて焼結性を吟味しながら焼成し、ハニカム焼成体を
それぞれ作製する。図2に示すように、ハニカム成形体
51は、上部が開口された焼成用さや53内に収容さ
れ、周囲をアルミナ系のセラミック粉末52で囲まれて
焼成される。このような状態のもとで、1450〜15
50℃の温度で4時間保持して焼成し、各々のハニカム
焼成体を仕上げ加工して直径140mm、長さ150m
mのハニカム体をそれぞれ得る。
面部をラップフィルムで被覆した後マイクロ波乾燥機と
温風乾燥機とを併用して乾燥し、図2に示す焼成装置を
用いて焼結性を吟味しながら焼成し、ハニカム焼成体を
それぞれ作製する。図2に示すように、ハニカム成形体
51は、上部が開口された焼成用さや53内に収容さ
れ、周囲をアルミナ系のセラミック粉末52で囲まれて
焼成される。このような状態のもとで、1450〜15
50℃の温度で4時間保持して焼成し、各々のハニカム
焼成体を仕上げ加工して直径140mm、長さ150m
mのハニカム体をそれぞれ得る。
【0054】次に、得られた各々のハニカム体の軸方向
と軸方向に対して垂直方向の室温から800℃までの熱
膨張係数を熱解析装置(セイコー電子製)により測定
し、押し出し成形時の配向性(軸方向の熱膨張係数と軸
方向に対して垂直方向の熱膨張係数の差)を吟味する。
と軸方向に対して垂直方向の室温から800℃までの熱
膨張係数を熱解析装置(セイコー電子製)により測定
し、押し出し成形時の配向性(軸方向の熱膨張係数と軸
方向に対して垂直方向の熱膨張係数の差)を吟味する。
【0055】そして、得られた各々のハニカム体の両端
面のセルのいずれか一方をチタン酸アルミニウム質粉末
より成る閉塞剤により交互に、全体が市松模様になるよ
うに閉塞する。最後に、1350〜1400℃の温度で
2時間熱処理して排ガスフィルタをそれぞれ作製する。
面のセルのいずれか一方をチタン酸アルミニウム質粉末
より成る閉塞剤により交互に、全体が市松模様になるよ
うに閉塞する。最後に、1350〜1400℃の温度で
2時間熱処理して排ガスフィルタをそれぞれ作製する。
【0056】このようにして得られた各々の排ガスフィ
ルタを、排気量3431ccのディーゼルエンジン(ト
ヨタ製)の排気系に装着して、トルクが21kgm、回
転数が1500rpmの条件で所定時間エンジンを運転
し、排ガスフィルタに炭素質微粒子を含む黒煙をフィル
タの単位体積(1リットル)当たり20g捕集した後、
ブロアーより空気を毎分約60リットル送りながら電気
ヒータを着火源として捕集された黒煙を燃焼させること
により排ガスフィルタの再生燃焼を行う、一連の試験を
繰り返し実施した。そして、排ガスフィルタから黒煙が
リークするまでの捕集再生回数をカウントした。
ルタを、排気量3431ccのディーゼルエンジン(ト
ヨタ製)の排気系に装着して、トルクが21kgm、回
転数が1500rpmの条件で所定時間エンジンを運転
し、排ガスフィルタに炭素質微粒子を含む黒煙をフィル
タの単位体積(1リットル)当たり20g捕集した後、
ブロアーより空気を毎分約60リットル送りながら電気
ヒータを着火源として捕集された黒煙を燃焼させること
により排ガスフィルタの再生燃焼を行う、一連の試験を
繰り返し実施した。そして、排ガスフィルタから黒煙が
リークするまでの捕集再生回数をカウントした。
【0057】実験結果を、セラミック可塑性練り土の押
し出し成形性とハニカム成形体の焼結性及びハニカム成
形体の配向性とチタン酸アルミニウム質粉末の平均粒子
径の関係と併せて(表3)及び(表4)に示す。
し出し成形性とハニカム成形体の焼結性及びハニカム成
形体の配向性とチタン酸アルミニウム質粉末の平均粒子
径の関係と併せて(表3)及び(表4)に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】ここで、(表4)の試料Noは(表3)の
試料Noに対応している。また、これらの表中の試料N
oに※印を記したものは、押出し成形性や焼結性などの
設定項目の少なくとも1つについて良好な評価が得られ
なかった試料である。
試料Noに対応している。また、これらの表中の試料N
oに※印を記したものは、押出し成形性や焼結性などの
設定項目の少なくとも1つについて良好な評価が得られ
なかった試料である。
【0061】(表3)及び(表4)より明らかなよう
に、チタン酸アルミニウム質粉末の平均粒子径が5.0
μm未満では、押し出し成形時の配向性が損なわれると
ともに焼成収縮率が大きくなって寸法精度に問題が生じ
た。さらに、11〜12回の捕集再生で黒煙のリークが
発生した。また、チタン酸アルミニウム質粉末の平均粒
子径が30μmを越えると、押し出し成形時に流動性が
悪くなりハニカム成形体を得るのが困難になった。そし
て、たとえハニカム成形体を作製しても、続く焼成にお
いて焼結が進行しなかった。
に、チタン酸アルミニウム質粉末の平均粒子径が5.0
μm未満では、押し出し成形時の配向性が損なわれると
ともに焼成収縮率が大きくなって寸法精度に問題が生じ
た。さらに、11〜12回の捕集再生で黒煙のリークが
発生した。また、チタン酸アルミニウム質粉末の平均粒
子径が30μmを越えると、押し出し成形時に流動性が
悪くなりハニカム成形体を得るのが困難になった。そし
て、たとえハニカム成形体を作製しても、続く焼成にお
いて焼結が進行しなかった。
【0062】これに対し、5.0〜30μmの平均粒子
径を有するチタン酸アルミニウム質粉末より成るセラミ
ック可塑性練り土を用いて作製された排ガスフィルタ
は、良好な押し出し成形性と焼結性とを有し、また適度
の配向性を有し、さらに耐熱衝撃性に優れている為、2
0回程度以上の黒煙の捕集再生試験にも耐えるものであ
った。これは、セラミック可塑性練り土の適切な熟成に
より5.0〜30μmの平均粒子径を有するチタン酸ア
ルミニウム質粉末の柱状粒子間隙に水分が均一に分散さ
れ、また有機系結合剤の未溶解部分もなくなるため、押
し出し成形時に柱状粒子の配向が容易になり、耐熱衝撃
性が向上し、繰り返し捕集再生試験に耐えたものと考え
られる。
径を有するチタン酸アルミニウム質粉末より成るセラミ
ック可塑性練り土を用いて作製された排ガスフィルタ
は、良好な押し出し成形性と焼結性とを有し、また適度
の配向性を有し、さらに耐熱衝撃性に優れている為、2
0回程度以上の黒煙の捕集再生試験にも耐えるものであ
った。これは、セラミック可塑性練り土の適切な熟成に
より5.0〜30μmの平均粒子径を有するチタン酸ア
ルミニウム質粉末の柱状粒子間隙に水分が均一に分散さ
れ、また有機系結合剤の未溶解部分もなくなるため、押
し出し成形時に柱状粒子の配向が容易になり、耐熱衝撃
性が向上し、繰り返し捕集再生試験に耐えたものと考え
られる。
【0063】以上のように、平均粒子径が5.0〜30
μmの柱状粒子より成るチタン酸アルミニウム質粉末を
含み、適切な条件で熟成したセラミック可塑性練り土に
よれば、押し出し成形性が良好で、適度の配向性と焼結
性を有するハニカム成形体を得ることができ、耐久性と
信頼性に優れた排ガスフィルタを実現することができ
る。
μmの柱状粒子より成るチタン酸アルミニウム質粉末を
含み、適切な条件で熟成したセラミック可塑性練り土に
よれば、押し出し成形性が良好で、適度の配向性と焼結
性を有するハニカム成形体を得ることができ、耐久性と
信頼性に優れた排ガスフィルタを実現することができ
る。
【0064】なお、本発明においては、セラミック可塑
性練り土の製造条件は厳密に前述した数値条件に拘束さ
れる必要はなく、所期の作用効果を得ることができる範
囲で変更することができる。
性練り土の製造条件は厳密に前述した数値条件に拘束さ
れる必要はなく、所期の作用効果を得ることができる範
囲で変更することができる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、均一に
混練され、有機系結合剤が完全に溶解されたセラミック
可塑性練り土が作製されるという有効な効果が得られ
る。
混練され、有機系結合剤が完全に溶解されたセラミック
可塑性練り土が作製されるという有効な効果が得られ
る。
【0066】また、これにより、膨れや変形等の成形欠
陥のないハニカム成形体を製造することができるという
有効な効果が得られる。
陥のないハニカム成形体を製造することができるという
有効な効果が得られる。
【0067】チタン酸アルミニウム質粉末の柱状粒子の
平均粒子径を5.0〜30.0μmとすることにより、
押し出し成形時における柱状粒子の配向性が向上すると
いう有効な効果が得られる。
平均粒子径を5.0〜30.0μmとすることにより、
押し出し成形時における柱状粒子の配向性が向上すると
いう有効な効果が得られる。
【0068】気孔形成剤を含んだセラミック可塑性練り
土とすることにより、適切な捕集性能を有する排ガスフ
ィルタ用のセラミック可塑性練り土を得ることができる
という有効な効果が得られる。
土とすることにより、適切な捕集性能を有する排ガスフ
ィルタ用のセラミック可塑性練り土を得ることができる
という有効な効果が得られる。
【0069】そして、このようなセラミック可塑性練り
土を用いて排ガスフィルタを作製することにより、膨れ
や変形等の成形欠陥がない良好なハニカム成形体の作製
が可能になって、焼成時に表面や内部の亀裂や膨れ或い
は多孔質隔壁の変形等が発生することなく、寸法精度に
優れ、適切な捕集性能と高い耐熱衝撃性を有する排ガス
フィルタを得ることができるという有効な効果が得られ
る。
土を用いて排ガスフィルタを作製することにより、膨れ
や変形等の成形欠陥がない良好なハニカム成形体の作製
が可能になって、焼成時に表面や内部の亀裂や膨れ或い
は多孔質隔壁の変形等が発生することなく、寸法精度に
優れ、適切な捕集性能と高い耐熱衝撃性を有する排ガス
フィルタを得ることができるという有効な効果が得られ
る。
【図1】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタを
示す外観斜視図
示す外観斜視図
【図2】本発明の一実施の形態によるハニカム成形体の
焼成装置を示す断面図
焼成装置を示す断面図
【図3】セラミックモノリシック型フィルタの要部断面
図
図
【図4】ハニカム成形用ダイスを示す要部断面図
【図5】従来の技術により作製された排ガスフィルタを
示す外観斜視図
示す外観斜視図
11 円柱状の本体 12 セル 13 セル 14 閉塞剤 17 多孔質隔壁 21 ダイス本体 22 供給孔 23 出口側スリット 31 排ガスフィルタ 32 亀裂 33 膨れ 41 排ガスフィルタ 42 閉塞剤 51 ハニカム成形体 52 アルミナ系のセラミック粉末 53 焼成用さや
Claims (8)
- 【請求項1】真空の状態下で、所定の温度域で、所定の
時間エージングしてチタン酸アルミニウム質粉末と有機
系結合剤とを含有するセラミック可塑性練り土を得るこ
とを特徴とするセラミック可塑性練り土の製造方法。 - 【請求項2】−200mmHg以下の真空の状態下で、
1〜30℃の温度域で、10〜400時間エージングし
てチタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合剤とを含有
するセラミック可塑性練り土を得ることを特徴とするセ
ラミック可塑性練り土の製造方法。 - 【請求項3】チタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合
剤とを含有するセラミック可塑性練り土であって、真空
の状態下で、所定の温度域で、所定の時間エージングし
て熟成したことを特徴とするセラミック可塑性練り土。 - 【請求項4】チタン酸アルミニウム質粉末と有機系結合
剤とを含有するセラミック可塑性練り土であって、−2
00mmHg以下の真空の状態下で、1〜30℃の温度
域で、10〜400時間エージングして熟成したことを
特徴とするセラミック可塑性練り土。 - 【請求項5】前記チタン酸アルミニウム質粉末は柱状粒
子より成り、その平均粒子径は5.0〜30.0μmで
あることを特徴とする請求項3または4記載のセラミッ
ク可塑性練り土。 - 【請求項6】前記有機系結合剤は、メチルセルロース系
結合剤であることを特徴とする請求項3、4または5記
載のセラミック可塑性練り土。 - 【請求項7】前記セラミック可塑性練り土は、気孔形成
剤を含むことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に
記載のセラミック可塑性練り土。 - 【請求項8】軸方向に多数のハニカム状のセルが形成さ
れ、これらのセルのいずれか一方側が閉塞剤により交互
に閉塞されて成る円柱状の排ガスフィルタであって、こ
の排ガスフィルタは請求項7記載のセラミック可塑性練
り土により形成されていることを特徴とする排ガスフィ
ルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9184815A JPH1129360A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | セラミック可塑性練り土の製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用いた排ガスフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9184815A JPH1129360A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | セラミック可塑性練り土の製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用いた排ガスフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1129360A true JPH1129360A (ja) | 1999-02-02 |
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ID=16159780
Family Applications (1)
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JP9184815A Pending JPH1129360A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | セラミック可塑性練り土の製造方法及びセラミック可塑性練り土ならびにそれを用いた排ガスフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH1129360A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010159172A (ja) * | 2009-01-06 | 2010-07-22 | Sumitomo Chemical Co Ltd | チタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法 |
JP2010215447A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Ngk Insulators Ltd | アルミニウムチタネートセラミックスの製造方法 |
CN110092640A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-08-06 | 福建省威尔陶瓷股份有限公司 | 一种高抗热、抗震性日用陶瓷及其制备方法 |
WO2021044874A1 (ja) * | 2019-09-04 | 2021-03-11 | イビデン株式会社 | ハニカムフィルタ及びハニカムフィルタの製造方法 |
-
1997
- 1997-07-10 JP JP9184815A patent/JPH1129360A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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