JPH11293433A - クロミウム及びニオビウムで改良したチタニウム−アルミニウムの処理方法 - Google Patents

クロミウム及びニオビウムで改良したチタニウム−アルミニウムの処理方法

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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 本明細書はこれら関連出願の明細書原文を引用 して編綴した。
(産業上の利用分野) 本発明はチタニウムとアルミニウムの合金に関 する。本発明は特にその化学量論的比率並びにク ロミウム及びニオビウムの添加の双方に関して改 良されたチタニウムとアルミニウムのガンマ合金 に関する。
なお、この出願に関連する同時係属出願は次の 通りである。
1987年12月28日出願米国特許第 137,407号、 第 138,408号、第 138,476号、第 138,481号、 第 138,486号、1988年6月3日出願米国特許 第 201,984号、1988年10月3日出願米国特許 第 252,622号、第 253,649号、1989年1月3日 出願米国特許第 193,035号及びその他(RD- 18,642) 。
チタニウム金属に添加するアルミニウムの比率 が増すに伴い生成チタニウム−アルミニウム合成 物の結晶構造が変化することは公知である。微小 百分率のアルミニウムならチタニウム中に固溶体 となって入り込み結晶構造はアルファーチタニウ ムの結晶構造のままである。アルミニウムの濃度 が比較的高い(約25乃至35原子%を含有する) と金属間化合物TiAlがアルファー2と呼ば れる規則的な六方晶構造をもつ。更にアルミニウ ムの濃度が高くなる(約50乃至60原子%の範 囲のアルミニウムを含有する)と別の金属間化合 物、TiAlが形成され、ガンマと呼ばれる規則 的な正方結晶構造をもつ。
ガンマ結晶構造を有し、化学量論的比率が近似 的に1であるチタニウムとアルミニウムの合金は 高いヤング率 (modulus)、低密度、高熱伝導率、 比較的高い酸化抵抗及び良好なクリープ抵抗を有 する金属間化合物である。第3図にはTiAl化 合物のヤング率 (modulus)と温度の関係をニッケ ルベースの超合金を基準とし他のチタニウム合金 と対比して示してある。第3図から明らかなよう にガンマTiAlはチタニウム合金の中で最も良 いヤング率 (modulus)を有する。ガンマTiAl のヤング率 (modulus)は比較的高温でもかなり高 いのみでなく温度の上昇に伴う低減率に関しても 他のチタニウム合金より低い。更に、ガンマTi Alは他のチタニウム合金が使用できなくなる温 度よりも更に高い温度でなお有効なヤング率 (mo dulus)を保っている。TiAl金属間化合物をベ ースとする合金は高温で高いヤング率 (modulus) を要求されかつ良好な耐環境性保護をも要求され る条件下における使用に関して注目される軽量な 材料である。
このような用途に対する具体的な適用を制約す るガンマTiAlの特性の1つは室温で発生する ことが分かっている脆性である。この金属間化合 物の室温における強度が向上して初めてガンマT iAl金属間化合物が構造物構成品に適用され得 るのである。室温におけるTiAl金属間化合物 の延性及び強度を増すことはこの合成物に好適な 高温で使用できるようにするために切望されてい る。
軽量で高温において使用できる潜在的な利点と 共に、使用しようとするガンマTiAl合成物に 最も望ましいことは室温における強度及び延性の 組合せである。このガンマTiAl合成物の用途 に関しては1%程度の最低限の延性で許容される こともあるが更に高い延性が遥かに望ましい。通 常有用とされる合成物の最低室温強度は約 3.7× 10kg/cm(50ksi即ち 350MPa)である。しか し、このレベルの強度を有する材料は有用な限界 にあり用途によってはしばしば更に高い強度のほ うが好適である。
ガンマTiAl合成物の化学量子論的比率は結 晶構造を変えないである範囲に亙って変化できる。
アルミニウム含有量は50原子%から約60原子 %まで変化できる。ガンマTiAl合成物の特性 はチタニウム及びアルミニウム成分の化学量子論 的比率の1%或いはそれ以上の比較的微小な変化 によって極めて著しい変化を生じ易い。またこの 特性は添加物或いはドーピングエージェントとし て第3及び第4の元素の同程度の比較的微量の添 加によっても類似の影響を受ける。
従来の用法において、本願発明者はガンマTi Al金属間化合物に第3の添加元素としてクロミ ウムを含有するのみでなく更に第4の添加元素と してニオビウムを含有するような添加元素の組合 せを組み入れることによってガンマTiAl金属 間化合物の特性向上が可能であることを開示した。
更に、本願発明者は第4の添加元素を含有する 合成物が所望の高い延性と優れた酸化抵抗を含む 他に例を見ない望ましい一連の特性を有すること を開示している。
しかしながら、この合金を製造できる方法は限 られている。本願発明者は今回この種の合金の改 良された経済的な製造方法を発明した。
(従来の技術) TiAl金属間化合物及びガンマTiAl金 属間化合物を含むチタニウムアルミニウム合成物 に関しては多数の文献がある。発明の名称「Ti Al型のチタニウム合金 (Titanium AlLoy of the TiAl type)」、米国特許第 4,294,615号はガ ンマTiAl金属間化合物を含むチタニウムアル ミナイド型合金に関する広範な検討を示している。
この特許明細書の第1頁左欄第50行から始まる TiAlと対比したTiAlの長所及び短所の 検討では、次のような指摘している。
「TiAlガンマ合金系はより多量のアルミニ ウムを含有するからより軽量である点において潜 在価値を有することは明白である。1950年代の実 験的研究はチタニウム−アルミニウム合金が約 1000℃以下の高温において潜在的価値を有する ことを示唆した。しかしこの種の合金に関するそ の後の工学的経験から、チタニウム−アルミニウ ム合金は所要の高温強度は有するものの、室温及 び通常の高温即ち20乃至 550℃における延性が 極めて乏しいか或いは無いことが分かった。脆す ぎる材料は簡単に製造される筈もないし、またそ の材料の使用中に生ずる希ではあるが避けられな い微小な傷がクラックやそれに伴う破損に至らな い筈もない。チタニウム−アルミニウム合金は他 の基本的合金に置換できる工学材料ではない。」 TiAl及びTiAlは共に基本的には規則 的なチタニウム−アルミニウム金属間化合物では あるが、合金系TiAlは本質的にTiAlと は異なる(Tiの固溶体合金と異なることは勿論 である)ことは公知である。前記米国特許第 4,2 94,615号は特許明細書の第1頁左欄の最下段に次 のように指摘している。
「当該分野の技術者は2つの規則相の間の本質 的な相違を認めている。TiAlの合金化及び 転移現象は六方晶構造が酷似しているのでチタニ ウムの場合に類似である。しかし、化合物TiA lは正方配列原子を有しそれゆえに幾分異なる合 金特性を有する。この種の区別について従来の文 献はあまり認識していない。」 前記米国特許第 4,294,615号はまた生成合金の 特性の向上を図るためにTiAlをバナジウム及 び炭素と共に合金化することを開示している。
この特許は更にTi-45 Al-5.0Nb原子%の 組成である合金TA-122を表2に公開している が何等かの有効な特性を有する合成物として説明 することは行っていない。
Hashimoto 出願の米国特許第 4,661,316号はマ ンガン及びその他の元素を組み合わせてTiAl をドープすることの他 0.1〜5.0 重量%のマンガ ンでTiAlをドープすることを説いている。こ のHashimoto の特許はクロミウム或いはクロミウ ムを含む元素を組み合わせたものでTiAlをド ープすることは説いていない。
チタニウム−アルミニウム化合物及びそれらの 化合物の特性を取り扱った技術刊行物には次のよ うなものがある。
1.E.s.Bumps,H.D.Kessler 及び M.Hansen 著 「チタニウム−アルミニウム系(Titanium -Aluminum System)」Journal of Metals 、 1952年6月、609 〜614 頁 TRANSACTIONS AIME、第 196巻. 2.H.R.Ogden 、D.J.Maykuth 、W.L.Finlay 及び R.I.Jaffee 著「高純度Ti−Al合 金の機械的特性 (Mechasnical Priperties of High Purity Ti-Al Alloys)」Journal of Metals 、1953年2月、267 〜272 頁 TRANSACTIONS AIME、第 197巻. 3.Joseph B.McAndrew 及び H.D.Kesseler 著 「高温合金用のベースとしてのTi−36 Pct Al (Ti-36Pct Al as a Base for High Temperature Alloys)」Journal of Metals 、1953年10月1348〜1353頁 TRANSACTIONS AIME、第 206巻. McAndrew の文献は開発途中のTiAl金属間 化合物ガンマ合金の研究を開示している。この文 献の表IIで、McAndrew は 2.3×10乃至 3.4× 10kg/cm( 33乃至 49 ksi)の間の最大引張り 強さを有する合金が適当である即ち「設計応力は このレベルよりも十分低い」と報告している。こ の記述は表IIの直前に記載されている。McAndrew は、表IVの前の段落で、チタニウム、銀及びカ ラムビウム(ニオビウム)は1200℃以下の温度 にさらされると合金表面に薄い保護酸化物の形成 を導入する有用な合金材料であることが分かった と述べている。McAndrewの論文の第4図は1200 ℃の静止空気に96時間曝露した場合のニオビウ ムの公称重量%に対する酸化の深さをプロットし たものである。1353頁の要約の直ぐ前では、カ ラムビウム(ニオビウム)7重量%を含有するチ タニウム合金の試験片が対照に用いられたTi− 36%Al合金より50%高い破壊応力を示したこ とを報告している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の一つの目的は室温における向上した延 性及びその関連特性を有するガンマ−チタニウム −アルミニウム金属間化合物を形成する方法を提 供することである。
別の目的は中間温度及び低温におけるチタニウ ム−アルミニウム金属間化合物の諸特性を向上す る経費を軽減することである。
別の目的は中間温度及び低温における向上した 諸特性及び処理性 (processability) を有するチ タニウムとアルミニウムの合金を形成する進歩し た方法を提供することである。
別の目的はTiAlベース合成物において延性 と酸化抵抗の組み合せる合金の調製方法を進歩さ せることである。
更に別の目的はTiAlベース合金の強度、延 性及び酸化抵抗等の一連の特性を向上させる経費 を軽減することである。
その他の目的は次の詳細な説明において、一部 は指摘して明らかにするが、一部は自ずと明らか になると考える。
(課題を解決するための手段) 本発明の広範な態様の一つに観点をおけば、本 発明の目的はクロミウム及びニオビウムをドープ したチタニウムアルミナイド溶融物を提供しこの 溶融物をインゴットに鋳造することによって達成 できる。
鋳造後、インゴットを転移温度(transus tempe rature) より高い温度に一定時間保持して均質化 さる。この時間は適用する均質化温度に依存し、 温度が高ければ時間は短く温度が低ければ時間は 長くなる。例えば、約1250℃或いはそれ以上の 温度では約2時間でインゴットは均質化する。均 質化は約1400℃で行うことが好ましい。本明細 書では、用語「転移温度(transus temperature) 」 はその温度を越えると全合成物が単一相になる相 転移温度を示す。
均質化したインゴットを機械的に加工或いは変 形して少なくとも1方向の初期寸法を10%或い はそれ以上変化する。
ある実施例では、均質化したインゴットを便宜 上ジャケットで側面を包被し、インゴットを鍛造 して縦方向寸法を当初の縦寸法の半分程度に短縮 する際にこの金属帯を外向きの変形を抑制するた めに応用することもある。
機械加工はインゴットが約 900℃乃至溶融開始 温度の間の温度に加熱された状態で行う。
ある実施例では、ジャケット及びインゴットを 鍛造できる温度、例えば、約 975℃まで加熱する。
この場合、昇温したジャケットで包んだインゴ ットを当初の厚さ半分程度に鍛造する。
鍛造したインゴットを次ぎに転移温度以下の温 度で焼なましする。焼なまし時間は焼なまし温度 に依存し1〜10時間であり転移温度を例示すれば およそ1250〜1350℃である。
焼なましに引き続き、インゴットを、例えば、 約 800℃乃至約1000℃の間の温度でおよそ2乃 至10時間エージングする。
上述のように、脆性及び処理工程の難度を除け ば金属間化合物ガンマTiAlは軽量、高温にお ける高強度及び比較的安価であることから産業上 多くの用途を有すると考えられていることは公知 である。もし多年に亙って障害になっていた金属 間化合物ガンマTiAlに特有の欠点がないなら、 この合成物は産業上多くの用途を有するに違いな い。
本願発明者はガンマTiAl化合物に微量のク ロミウムを添加することによって本質的に延性を 獲得することを発見した。この発見は1987年12月 28日出願の同時係属出願米国特許第 138,485号の 主題である。
更に本願発明者は延性を得た合成物がクロニウ ムに加えてニオビウムを添加することによって延 性或いは強度を損なわず酸化抵抗を著しく向上す ることを発見した。後者の発見は1988年6月3日 出願の同時係属出願米国特許第 201,984号の主題 である。
本願発明者は今回は安価な処理技術によって本 質的に更に延性を向上する方法を発明した。これ らの技術が本発明の主題である。
(実施例) TiAlの特性の向上に関して更に理解を深め るために、本発明の優れた処理方法に関する実施 例に先立ち多数のTiAlの実施例を提示し検討 する。
実施例1−3 チタニウムとアルミニウムをTiAlの化学量 論的比率に近い種々の比率で含有する3種の別々 の溶融物を調製した。各合成物、その焼なまし温 度及び合成物の試験結果を表Iに示す。
各実施例について、合金は先ず電弧溶融法でイ ンゴットに鋳造した。インゴットをアルゴン分圧 下で溶融紡糸によって処理してリボンに成型した。
この2つの溶融工程のいずれいおいても、望まし くない溶融物−容器反応を防ぐために溶融物の容 器には水冷銅炉を使用された。また、チタニウム は酸素に対して強い親和性を有するから高温溶融 物を酸素に曝露しないような注意を払った。
急速に固化したリボンを排気後に封止しれた鋼 製缶に詰め込んだ。次いで鋼製缶を圧力 2.1× 10kg/cm(30ksi) 温度 950℃(1740°F)で 3時間高温平衡加圧 (hot isostatically press) した。高温平衡加圧缶から圧密化したリボン片を 切り取った。高温平衡加圧した標本は直径約 2.5 cm(約1インチ)長さ約 7.6cm(約3インチ)の 断片であった。
このリボン片をビレット炉の軸方向に沿って中 央開口に配置し封入した。ビレットを 975℃ (1787°F)まで昇温し圧縮比約7:1になるよ うにダイで押し出し。押し出された断片をビッレ ト炉から取い外し熱処理した。
こうして押し出された標本を次いで表Iに示す 温度で2時間焼なました。焼なましに引き続き 1000℃で2時間エージングした。標本を室温に おける4点曲げ試験に備えて 1.5×3×25.4mm (0.006×0.120 ×1.0 in.)の寸法に切削した。曲 げ試験は内側スパン10mm(0.4in.)外側スパン 20mm(0.8in.)である4点曲げ試験機で行った。
負荷−クロスヘッド変位曲線を記録した。得られ た曲線に基づいて、次の諸特性が定めることがで きる。
(1)降伏強さは1/1000インチのクロスヘッ ド変位における流れ応力である。このクロスヘッ ド変位量を塑性変形の最初の徴候即ち弾性変形か ら塑性変形への過度期として記録する。通常の圧 縮又は引張り試験方法による降伏強さ及び破壊応 力の測定値はここに記述する測定の実施に際して 行った4点曲げ試験による結果よりも低い結果を 与える傾向がある。これらの諸量を通常の圧縮又 は引張り試験方法によって得た値と比較する場合 には4点曲げ試験の測定結果が相対的に高いレベ ルであることに留意されたい。しかしながら、本 明細書における多数の実施例の測定結果の比較は 4点曲げ試験の間で行われるものであり、全ての 標本をこの技術によって測定すれば、このような 比較は組成或いは合成物処理方法の相違によって 生ずる強度特性の相違を確証するために極めて有 効となる。
(2)破壊応力は破壊を生ずる応力である。
(3)外部繊維歪み(outer fiber strain)は 9.7hdという量である。ここで「h」はインチ 単位の標本の厚さ、また「d」はインチ単位の破 壊のクロスヘッド変位である。冶金学的には、こ の計算値は破壊時の曲がっている標本の外側表面 に生じた塑性変形の量を表す。
結果を次の表Iに示す。表Iは1300℃で焼な ました標本の諸特性に関するデータを含み、これ らの標本の更に詳細なデータを特に第2図に示さ してある。
表Iのデータから明らかなように実施例2の合 金12は最も良い特性の組合せを示した。このこ とはTi−Al合成物の特性がTi/Al原子比 及び熱処理温度に極めて敏感であることをの確証 である。下記のように行った発展的実験を基づき 合金12を特性向上のためのベース合金に選定し た。
また1250℃及び1300℃の間の温度における 焼なましが所望のレベルの降伏強さ、破壊応力及 び外側繊維歪みを有する試験片を生ずることも明 らかである。しかし、1400℃で焼なました試験 片は1300℃で焼なました試験片に比較するとか なり低い降伏強さ(約20%低い)、かなり低い 破壊応力(約30%低い)及びかなり低い延性 (約78%低い)を有する試験片を生じている。
この特性の急激な低下は1350℃よりかなり高い 温度における微細構造の劇的変化換言すると大規 模なベータ転移に起因する。
実施例4−13 10種の追加の溶融物をそれぞれ表示した原子比 のチタニウムとアルミニウムを含有すると共に比 較的微小な原子百分率の添加物を有するように調 製した。
各標本を上述の実施例1−3に関する記述と同 様にして調製した。
合成物、焼なまし温度及び合成物の試験結果を 比較の基準合金とした12に対比して表IIに 示する。
1200℃で熱処理した実施例4及び5については、 延性は本質的に零と認めれ降伏強さを測定できな かった。1300℃で焼なました実施例5の標本に関 しては延性は増加したものの依然として望ましく ない低いものでであった。
実施例6に関して、1250℃で焼なました試験標 本は同じ結果に終わった。1300℃及び1350℃で焼 なました実施例6の標本に関してはかなりの延性 が認めたが降伏強さは低かった。
その他の実施例の試験標本の中からは顕著なレ ベルの延性を有するものは全然見出せなかった。
表IIに記載した結果から試験用の合成物の調製 に関与する要因の組合せは極めて複雑かつ相互に 関連することは明らかである。一つの要因はアル ミニウムの原子比率に対するチタニウムの原子比 率である。第2図に描いたデータから、化学量論 的比率か或いは非化学量論的比率が種々の組成物 の試験から得た試験結果の特性に強い影響を及ぼ していることは明らかである。
もう一つの要因の組合せは基本TiAl合成物 が含有するように選択する添加物である。この組 合せの第1の要因は特定の添加物がチタニウムと アルミニウムのどちらの置換分として作用するか に関するものである。特殊な金属はどちらにも作 用できる。ある添加物がいずれの役割を果たすか を決定できる単純な法則はない。我々が添加物X をある原子百分率ほど添加しようとする場合、こ の要因は明らかに重要である。
Xがチタニウムの置換分として作用する場合、 組成Ti48Al48は有効アルミニウム濃度48 原子%及び有効チタニウム濃度52%を生ずること になる。反対に、Xがアルミニウムの置換分とし て作用する場合、合成組成は有効アルミニウム濃 度52原子%及び有効チタニウム濃度48%を生ずる ことになる。
従って、発生する置換の性質は極めて重要であ ると共に極めて予測しがたい。
この組合せの別の要因は添加物の濃度である。
表IIから明らかな更に別の要因は焼なまし温度 である。1つの添加物に対する最良の強度特性を 生ずる焼なまし温度は添加物によって異なること が分かる。これは実施例6の結果と実施例7の結 果の比較によって分かる。
更に、添加物の濃度及び焼なまし温度との相乗 効果があり、何等かの増強が見出だされる場合に は、添加物の濃度と焼なまし温度がある組合せの ときに最適の特性増強が得られるようにできる。
所望の特性向上を得るためには濃度及び焼なまし 温度はそれよりも高すぎても低すぎても効果的で はない。
表IIの表示内容は非化学量論的TiAl組成に 第3の元素を添加して得られる結果は極めて予測 困難であること、及びその成果の大部分は延性又 は強度或いはそれらの両方の増強に関して不成功 に終わったことを明示するものである。
実施例14−17 添加物を含有するチタニウム−アルミニウムに 関するその他の要因は添加物の組合せても同一添 加物をそれぞれ別々に含有する場合に得られるそ れぞれの有利な結果の相加的組合せ効果が必ずし も得られるわけではないということである。
表III 記載のバナジウム、ニオビウム及びタンタ リウムの各添加物を含有するように4種の付加的 なTiAlベースの標本を上述の実施例1−3に 準じて調製した。これらの合成物の最適組成は同 時係属出願米国特許第 138,476,408号及び第 138 ,138,485号にそれぞれ報告してある。
4番目の合成物は表III で合金48と表示した単一 合金にバナジウム、ニオビウム及びタンタリウム が結合した合成物である。
表III から、バナジウム、ニオビウム及びタンタ リウムを別々に添加する合成物はそれぞれ個別に ベースTiAl合金に実質的向上を付与できるこ とは実施例14、15及び16で明らかである。しか しこれらと同一の添加物が単一結合の合金に組み 込まれると個々の結果を相加的に組み合わせた効 果を生じてはいない。現象は全く逆である。
第一に、各合金に共通に適用された焼なまし温 度1350℃で焼なました合金48は結果的には非常 に脆い材料を生み試験標本を製作する機械加工間 に破壊した。
次ぎに、この添加物組合せ合金を1250℃で焼な ました場合に得た結果は個々の添加物を別々に含 有する合金に関して得た結果よりも非常に劣って いる。
特に延性に関しては、実施例14の合金14で バナジウムは延性の実質的向上に極めて効果的で あることが明らかである。しかし、実施例17の 合金48でバナジウムが他の添加物と結合させら れると、達成可能であった延性の向上は全く実現 しない。具体的には、ベース合金の延性は数値と しては0.1 にまで減少している。
更に、酸化抵抗に関しては、合金40のニオビ ウム添加物は明確に極めて実質的な向上を示して おりベース合金の重量損失31mg/cmに対して 合金40の重量損失は 4mg/cmである。酸化性 の試験及び酸化抵抗の補足的試験は試験標本を48 時間温度 982℃に昇温して行う。冷却後の標本の 酸化物被膜は全て削り落とす。標本の試験前の重 量と昇温及び削落後の重量を測定して、重量差を 決定する。重量損失はグラム単位の全重量減少を 平方センチメートル単位の標本表面積で割って決 定する。この酸化試験は本出願明細書において示 す酸化及び酸化抵抗に関する全ての測定について 適用する試験である。
チタニウム添加物を有する合金60に関しては、 1325℃で焼なました標本の重量損失は 2mg/cm となり、この値もベース合金の重量損失31mg/cm2 と比較する。換言すると、ニオビウム及びタンタ リウム添加物のいずれでも別々の添加物について はベース合金の酸化抵抗の向上極めて効果的であ った。
しかし、実施例17から明らかなように、バナ ジウム、ニオビウム及びタンタリウムの3種の添 加物全てを組み合わせた表III の合金48の酸化量 はベース合金の約2倍に増加している。この値は ニオビウム添加物だけを含有する合金40の7倍 も大きくタンタリウム添加物だけを含有する合金 60の15倍も大きい。
個々の添加物を個別に反復して使用すると各添 加物の使用結果から生ずるそれぞれの長所或いは 短所は確実に再現した。しかし、添加物を組み合 わせて使用すると、ベース合金に生じた組み合せ 添加物の効果は同一の合金にその添加物を個別に 用いた場合の効果とは全く異なった。こうして、 バナジウムの添加はチタニウム−アルムニウム合 成物の延性に有利であることを発見した。このこ とは同時係属出願の米国特許第 138,476号におい て開示され検討してある。更に、TiAlベース の強度に有利であることが分かっている添加物の 1つであり1987年12月28日出願の同時係属出願米 国特許第 138,408号に、上述のように、開示して ある添加物に添加ニオビウムがある。また、先に 検討した MacAndrewの論文にはTiAlベース合 金にニオビウムを単独に添加すると酸化抵抗を向 上できることが示してある。同様に、タンタリウ ムの単独添加が酸化抵抗の向上に有利であること も MacAndrewが説いている。更にまた、同時係属 出願米国特許第 138,485号には、タンタリウムの 添加の結果延性が向上することが開示してある。
換言すると、バナジウムはチタニウム−アルム ニウム化合物の延性向上に単独に有利に貢献でき タンタリウムは延性及び酸化抵抗向上に単独に貢 献できることが発見されている。ニオビウム添加 がチタニウム−アルムニウム化合物の強度及び酸 化抵抗特性に有利に貢献できることは別途に発見 されている。しかし、本願出願人は、実施例17 から分かるように、バナジウム、タンタリウム及 びニオビウムを一緒に用いて一つの合金組成中の 添加物として組み合わせた場合には、合金合成物 は添加によって利益を得るよりもむしろニオビウ ム、タンタリウム或るいはバナジウムだけを含有 するTiAlの特性の実質的な減少或いは損失が 起こることを発見した。このことは表III から明ら かである。
このことから、2種或るいはそれ以上の添加元 素が個々にTiAlの特性を向上すればそれらの 元素の同時使用はTiAlの特性になお一層の向 上をもたらすものと思われるかもしれないが、こ のような添加の効果は極めて予測困難であり、バ ナジウム、ニオビウム及びタンタリウムの組み合 わせ添加に関しては、実際問題として、添加物の 組み合わせ同時使用が特性の総合的利得に組み合 わせ効果をもたらすよりもむしろ実質的損失を生 ずることを発見した。
上述の表III からバナジウム、ニオビウム及びタ ンタリウムの組み合わせ添加物を含有する合金は 実施例2のベース合金TiAl12よりも遥かに 劣る酸化抵抗を有することは明らかである。ここ で、個別成分としては合金の特性を向上する性質 を有する添加物の組み合わせ含有はそれぞれの添 加物を個別に含有する場合に生ずる特性向上自体 に実質的損失をもたらすことを発見したことを重 ねて特記する。
実施例18−23 上述の実施例1−3に準じて表IVにそれぞれ列 挙する組成を有するチタニウム−アルミニウムに クロミウムを添加した合金6種の付加的標本を調 製した。
表IVは関連すると考えられる種々の熱処理条件 下における標準及び変型の合金の全てについて実 施した曲げ試験の結果の要約である。
表IVに掲げた結果はベース合金が得る特性に対 して合金添加物或るいはドープ添加物の効果を決 定する因子組み合わせの重要性を示す論拠を提供 する。例えば、合金80はクロミウム2原子%添 加に対する一組の良好な特性を示す。更に多量の クロミウムの添加によって更に特性の向上を期待 する者もあろう。しかし、3種の異なるTiAl 原子比を有する合金にクロミウム4原子%を添加 した結果は、低濃度で有利と認められた添加物の 濃度を増加しても、一事が良ければ万事良しと考 える単純な推論には従わないことを実証している。
しかも実際問題としては、クロニウム添加に関し てはまさしく反対が真であり過ぎたるは及ばざる がごとしである。
表IVから明らかなように、更に多量(4原子%) のクロニウムを含有する合金49、79及び88の 各々はベース合金に比較して強度及び外側歪み (延性)のいずれもが劣っている。
これとは対照的に、2原子%の添加物を含有す る実施例8の合金38は極めて僅かながら強度の 低下が認められるが極めて著しい延性の向上を示 す。また、合金38の外側歪みの測定結果が熱処 理条件に伴って顕著に変化していることがうかが える。外側歪みの注目すべき増加が焼なまし温度 1200℃で得られている。それより高温で焼なま したものには歪みの減少が観察された。類似の向 上状態をやはり僅か2原子%の添加物を含有する 合金80についても観察したが、この場合は最大 延性に到達する焼なまし温度は1300℃であった。
実施例20では、合金87は2原子%レベルの クロニウムを使用したがアルミニウムの濃度を5 0原子%にまで増加した。アルミニウム濃度の増 加によってアルミニウムが46乃至48原子%の 範囲内にある組成に2原子%のクロニウムを添加 した場合に測定した延性より微かな減少が生じて いる。合金87では、最適熱処理温度は約1350 ℃であることが分かった。
それぞれ2原子%の添加物を含有する実施例 18、19及び20から、アルミニウム濃度の増加 に伴い最適焼なまし温度が増大することを観察し た。
このデータから1250℃で熱処理した合金38 が最良の室温特性の組み合わせを有したものと決 定した。46原子%のアルミニウムを含有する合 金38に関しては最適焼なまし温度は1250℃で あるが48原子%のアルミニウムを含有する合金 80に関しては最適焼なまし温度は1300℃であ ることに留意すべきである。
熱処理温度1250℃の合金38及び熱処理温度 1300℃の合金80の注目すべき延性の増加は 1987年12月28日出願の同時係属出願の米国特許第 138,485号に説明があるように予想外のことであ った。
表IVのデータから明白なことは特性向上のため のTiAlの変型は極めて複雑であり予測困難な 試みであるということである。例えば、2原子% レベルのクロミウムはTiAlの原子比がある適 当な範囲にありかつ合成物焼なまし温度がクロミ ウム添加に関してある適当な範囲にあれば合成物 に極めて実質的な延性の増加をもたらすことは明 らかである。また表IVのデータから、添加物の量 を増加することによって特性向上に更に大きい効 果が期待する者もあろうが、クロミウム添加では 2原子%レベルで達成できた延性の増大はクロミ ウムを4原子%に増加すると逆転し喪失するから、 ちょうど正反対の事態となることも明白である。
更に、4原子%レベルのクロミウムの添加は特性 の変化を試験する研究において、たとえアルミニ ウムに対するチタニウムの原子比の実質的変化を 与え焼なまし温度に実質的な変動範囲を適用して も、高すぎる添加物濃度が存在するかぎりTiA lの特性向上には効果的でないことは明白である。
実施例24 Ti52Al46Crの組成の合金の標本を調製 した。
合金の試験標本を2つの異なる調製モード即ち 方法によって調製し各標本の特性を引張り試験に よって測定した。使用した方法及び生じた結果を 次の表Vに示す。
表Vには、実施例18及び実施例24の2つの 実施例によって調製した合金標本38に関する結 果を示す。この2つの実施例は各々の標本合金を 形成するために2種の異なる別個の合金調製方法 を用いたものである。また、実施例18の合金 38から調製した金属標本或いは別に実施例24 の合金38に適用した試験方法はこれまでに述べ た実施例の標本に適用した試験方法とは異なって いる。
さて先ず実施例18に立ち戻って考えると、こ の実施例の合金は前述の実施例1−3に準じた方 法によって調製した。この方法は急速固化及び圧 密方法である。更に実施例18に関して、試験は これまでに述べた他の全てのデータ及び特に表IV の実施例18に関して適用した4点曲げ試験では ない 。適用した試験方法はむしろもっと普遍的な 引張り試験であり金属標本を引張り試験片に調製 し金属が伸長して最終的に破断するまで引張り試 験にかける。例えば、再び表Vの実施例18に関 して述べると、合金38を引張り試験片に調製し 試験片に降伏点即ち負荷 6.5×10kg/cm(93 ksi)における伸長まで張力を負荷する。
表Vの実施例18のkg/cm(ksi) 単位の降伏 強さは引張り試験片で測定し、4点曲げ試験で測 定した表IVの実施例18のkg/cm(ksi) 単位の 降伏強さと比較してある。一般に、冶金現場にお いては、引張り試験片の伸長によって決定した降 伏強さのほうが工業的用途としては広く容認され る尺度である。
同様に、引張り強さ 7.6×10kg/cm2 (108ksi) は表Vの実施例18の引張り試験片を引張った結 果破断したときの強さを表す。この尺度は表IVの 実施例18のkg/cm(ksi) 単位の破壊応力に対 応する。明らかに全てのデータについて2つの異 なる試験結果が2つの異なる尺度を生ずる。
次ぎに塑性伸びに関して説明する。ここでも実 施例18に関して上述の表IVに示した4点曲げ試 験によって決定した結果と実施例18に関して表 Vの最下欄に示した%単位の塑性伸びとの間に相 関がある。
再び表Vを参照すると、実施例24は項目「処 理方法」の下に「インゴット冶金」によって調製 したと表示してある。本明細書において使用する 用語「インゴット冶金」は表Vに示す比率の合金 38の原料の溶融を指し、実施例18について示 した比率に厳密に一致することを意味する。換言 すると、実施例18用と実施例24用の合金38 の組成はいずれも全く同一である。2つの実施例 の間の相違は実施例18の合金は急速固化によっ て調製し実施例24の合金はインゴット冶金によ って調製したことにある。インゴット冶金が原料 の溶融及び原料のインゴットへの固化を指すこと を重ねて記す。急速固化法は溶融紡糸法によるリ ボンの形成及びその後のリボンの高圧密金属(ful ly dense coherent metal)標本への固化を指す。
実施例24のインゴット溶融法ではインゴット を直径約 5cm(約2″)厚さ約 1.3cm(約1/2 ″)でほぼホッケーパックの形状に調製する。溶 融及び固化によってホッケーパック状になったイ ンゴットは次ぎに壁厚約 1.3cm(約1/2″)で 縦方向の厚さがホッケーパック状インゴットの厚 さにちょうど一致する鋼製環に入れた。ホッケー パック状インゴットを収納環に収納する前に2時 間1250℃に昇温して均質化した。ホッケーパッ ク状インゴットと収納環を一緒に約 975℃に昇温 した。昇温した標本と収納環を当初の厚さの約1 /2に鍛造した。
標本の鍛造及び冷却に引続き、実施例18に関 して調製した引張り試験標本に対応する試験標本 を調製した。これらの引張り試験標本を実施例18 に適用したのと同一の通常の引張り試験にかけた。
これらの試験から得た降伏強さ、引張り強か及び 塑性伸び測定値が実施例24に関して表Vに列挙 してある。表Vの結果から明らかなように、個々 の試験標本は実際の引張り試験実施前に異なる焼 なまし温度で処理してある。
表Vの実施例18では、引張り試験標本に適用 した焼なまし温度は1250℃であった。表Vの実 施例28の合金38の3つの標本では、標本はそ れぞれ表Vに示す3つの異なる温度、明確には 1225℃、1250℃及び1275℃の焼なました。約2時 間に亙るこの焼なまし処理に次いで、標本を通常 の引張り試験にかけその結果も3種の別個の引張 り試験標本について表Vの実施例24に対応して 示してある。
さて更に表Vに示してある試験結果を見ると、 明らかに急速固化合金について定まった降伏強さ はインゴット処理の金属標本について定まった降 伏強さより幾分高い。また、明らかにインゴット 冶金工程によって調製した標本の塑性伸びは急速 固化工程によって調製した標本の塑性伸びよりも 総体的に高い延性を有している。実施例24に関 して挙げた結果は降伏強さ測定値は実施例18の 値よりも幾分低いが実施例24の合金が多くの航 空機エンジンその他の産業的用途に十分適合する ことを実証している。しかし、延性測定及び表V の実施例24に関する測定結果に基づけば、イン ゴット冶金工程によっては調製した場合の延性の 向上は合金38を比較的高い延性を必要とする用 途に対して極めて望ましい独特の合金にする。一 般的に言えば、インゴット冶金による処理は経費 のかかる溶融紡糸工程自体或いは溶融紡糸後の所 用の固化工程を必要としないから溶融紡糸或いは 急速固化より遥かに安価であることは公知である。
実施例25 クロミウム添加物及びニオビウム添加物の両方 を含有する合金の標本を前述の実施例1−3に準 じて調製した。これらの標本に対して試験を実施 しその結果を次の表VIに記す。実施例25の合金 の調製及びこの合金の試験については1988年6月 3日出願の同時係属出願米国特許第 201,984号に おいて説明及び検討してある。
前述の表III の実施例17から、各元素がそれぞ れ個々にTiAl合成物の異なる特性を向上した り或いは特性の向上に寄与したりする効果を有す るとしても、実施例17について行ったように、 2元素以上の添加物を一緒に組み合わせて用いた 場合には結果は本質的に否定的であり組合せ添加 は所望の総合特性の向上ではなくむしろ低下をも たらすことが分かっている。従って、同時係属出 願米国特許第 201,984号ではTiAlの添加物レ ベルを4原子%にする2元素特にクロニウムとニ オビウムを添加し、2つの異なる作用の添加物の 組合せを用いることによってTiAl合成物であ る合金の所望の総合特性の実質的に更に大きい向 上が達成できることが発見できたことは極めて意 外であると指摘している。事実、急速固化法によ って調製した物質に関する全ての試験を通じて最 大の延性レベルはクロニウムとニオビウムの添加 物組合せの適用によって達成できる前記出願記載 の延性レベルである。
また同時係属出願米国特許第 201,984号におい て指摘してあるように、合金の酸化抵抗に関して 更に一連の試験を実施した。この試験では、空気 中で 982℃に昇温し、48時間後の重量損失を測定 した。測定は試験標本の表面につきmg/cm単位 で行った。この試験結果も表VIに示してある。従 って、クロニウムとニオビウムを含有する合金に 関して発見したことはこの合金が極めて望ましい レベルの延性と共に極めて実質的な向上を伴って 達成し得た最大レベルの酸化抵抗を有することで ある。米国特許第 201,984号に報告してある酸化 試験の結果は第3図に示してある。
実施例26 実施例25で説明した合金は急速固化法によっ て調製した。それとは対照的に、この標本は上述 の実施例24の方法と同様にインゴト冶金法によ って調製した。
1988年6月3日出願の同時係属出願米国特許第 201,984号に開示してある合成物の特性に優る特 性の向上を達成するためには標本調製方法が重要 である。
この合金の原料の比率はTi48Al48Nbで ある。
原料を一緒に溶融した後、直径約 5cm(約2イ ンチ)厚さ約 1.3cm(約1/2)の2つのインゴッ トに固化した。これらのインゴットの溶融物は銅 炉内の電弧溶融によって調製した。
2つのインゴットのうちの1つは1250℃で2 時間均質化し他は1400℃で2時間均質化した。
均質化後、各インゴットをそれぞれ壁厚約 1.3 cm(約1/2)の良く嵌合する環状鋼製輸に嵌め込 んだ。インゴットとインゴットを収納した輸を 750 ℃まで昇温し当初の厚さの約1/2に鍛造し た。
次いで鍛造した2つの標本を乃至1350℃の間 の温度で2時間焼なました。焼なましに引き続き、 鍛造した標本を1000℃で2時間エージングした。
エージング後、標本インゴットを室温での引張り 試験用の引張り試験片に機械加工した。
次の表VII は室温引張り試験の結果の要約である。
前記の表VIのデータ及びここに示す表VII から、 酸化に対して高抵抗を有する強延性TiAl合金 が鋳造及び精練冶金技術によって調製できること を実験的に実証できたことは明らかである。降伏 強さは 4.2乃至 4.7kg/cm(60 乃至67 psi) の 範囲にある。この降伏強さが適用した均質化及び 熱処理温度に全く独立であることは注目すべきで ある。これに対照的に、延性は適用した均質化温 度に強い従属性を示すことが認められる。即ち、 1250℃の均質化温度を適用した場合、熱処理温 度に応じて延性測定値は 1.3乃至 2.1%の範囲を 変動する。
しかし、1400℃で熱処理を行う場合は標本が 得る延性は 2.7乃至 2.9という更に高い値にある。
これらの延性は前記の低い温度で均質化させた物 質よりもかなり高く、しかも、かなりまとまって いる。
これらの試験は鋳造及び鍛造冶金技術で調製し たTi48Al48CrNb合成物の延性が 140 0℃における均質化によってすこぶる向上するこ とを実証している。表VII に対応する延性データは 第1図にグラフで示してある。
この鍛造実施例は延性、強度及び酸化抵抗の独 特の組合せを有する合成物を調製したことを実証 するものである。更に、この調製は実施例25に 適用した比較的高価な溶融紡糸法とは異なり安価 なインゴット冶金法によるものである。
この方法はクロミウムとニオビウムの組合せで ドープする合成物に特有なものである。有利な結 果をもたらすこの論題の方法ではクロミウム及び ニオビウムの濃度範囲はTi52−42Al46−50C r1−3Nb1−5である。
鋳造前のインゴットの均質化は好ましくは約1 400 ℃で実施するが本方法を実行するに当たって は転移温度を越える温度における均質化なら可能 である。転移温度がチタニウムとアルミニウムの 化学量論的比率及びクロミウムとニオビウムの相 対的濃度に応じて変動することは理解できると考 える。このような理由から、特定した合成物の転 移温度を決定し、本発明を実行するに当たってそ の値を使用するのことは賢明である。
均質化時間は適用する温度に対して相反的に変 動すると考えられるが比較的短時間の1乃至3時 間が好ましい。
均質化及びインゴットの封入に引き続き、鍛造 によって厚さを薄くする前にインゴットと収納輪 を一体として 975℃まで昇温する。収納輪を使用 せず標本を約 900℃乃至溶融開始温度の間の温度 に昇温しても好結果を生む鍛造を行うことができ る。溶融開始温度を越える温度は避けなければな らない。
厚さを減少する工程は当初の厚さの1/2に限 定しなくてもよい。本発明の実行に当たっては約 10%或いはそれ以上の減少で有利な結果が得ら れる。50%以上の減少が好ましい。
厚さ減少後の焼なましは約1250℃乃至溶融開 始温度の間の温度範囲で実行できるが、好ましく は約1250℃乃至1300℃である。時間は約1乃 至約10時間の範囲であるが、好ましくは約1乃 至3時間の範囲の短時間である。実質的に同一の 焼なまし効果を得るためには標本を高温で短時間 焼なますことが好ましい。
焼なまし後にエージングを行うことになろう。
エージングは通造焼なましより低い温度で1時間 或いは2〜3時間程度の短時間行う。1000℃1 時間のエージングが典型的エージング処理である。
本発明の実施に当たってはエージングは有用であ るが必須ではない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によって処理した結果得られた 延性の利得を示す棒グラフである。 第2図は各種の合金のヤング率(modulus) と温 度の関係を描くグラフである。 第3図は種々の化学量論的比率のTiAlの4 点曲げ試験の結果をTi50Al48Crの結果と 共に表したグラフであって、負荷をポンド単位、 クロスヘッド変位をミル単位にとっている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 683 C22F 1/00 683 684 684C 691 691B 691C 694 694A

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の強度及び延性特性を付与するため
    の TiAlベース合金の処理方法であって、 Ti52−42Al46−50Cr1−3Nb1−5の 組成を有する前記TiAlベース合金の溶融物を 供給し、 インゴットを形成するために前記溶融物を鋳造 し、 前記インゴットを1250℃乃至1400℃の間の 温度で1乃至3時間均質化し、 前記インゴットを 900℃乃至溶融開始温度の間 の温度に加熱し、 前記インゴットの初期の厚さの少なくとも10 %を減少させるために前記インゴットを鍛造し、 及び 前記鍛造したインゴットを1250℃乃至転移温 度の間の温度で1乃至3時間焼なましする、 ことを特徴とするTiAlベース合金の処理方 法。
  2. 【請求項2】 TiAlベース合金の溶融物の組成がT
    51−43 Al46−50CrNb1−5である請求項 1記載の方法。
  3. 【請求項3】 TiAlベース合金の溶融物の組成がT
    50−46 Al46−50CrNbである請求項1記 載の方法。
  4. 【請求項4】 均質化温度が1300℃乃至1400℃の間の 温度である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 均質化温度が1350℃乃至1400℃の間の 温度である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 均質化温度が1400℃である請求項1記載 の方法。
  7. 【請求項7】 所望の強度及び延性特性を付与するため
    の TiAlベース合金の処理方法であって、 Ti51−42Al46−50Cr1−3Nb1−5の 組成を有する前記TiAlベース合金の溶融物を 供給し、 インゴットを形成するために前記溶融物を鋳造 し、 前記インゴットを1250℃乃至1400℃の間の 温度で1乃至3時間均質化し、 前記インゴットを 900℃乃至溶融開始温度の間 の温度に加熱し、 前記インゴットの初期の厚さの少なくとも10 %を減少させるために前記インゴットを鍛造し、 前記鍛造したインゴットを1250℃乃至転移温 度の間の温度で1乃至3時間焼なまし、 及び 前記焼なましたインゴットを 800℃乃至1000 ℃の間の温度で約2乃至10時間エージングする、 ことを特徴とするTiAlベース合金の処理方 法。
  8. 【請求項8】TiAlベース合金の溶融物の組成がTi51−43 Al46−50CrNb 1-5である請求項 7記載の方法。
  9. 【請求項9】 TiAlベース合金の溶融物の組成がT
    50−46 Al46−50CrNbである請求項7記 載の方法。
  10. 【請求項10】 インゴットの均質化温度が1300℃乃至 1400℃の間の温度である請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 インゴットの均質化温度が1350℃乃至 1400℃の間の温度である請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 インゴットの均質化温度が1400℃であ
    る 請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 所望の強度及び延性特性を付与するた
    めの TiAlベース合金の処理方法であって、 Ti51−42Al46−50Cr1−3Nb1−5の 組成を有する前記TiAlベース合金の溶融物を 供給し、 インゴットを形成するために前記溶融物を鋳造 し、 前記インゴットを1250℃乃至1400℃の間の 温度で1乃至3時間均質化し、 前記インゴットを 950℃乃至1300℃に加熱し、 前記インゴットの初期の厚さの少なくとも50 %を減少させるために前記インゴットを鍛造し、 及び 前記鍛造したインゴットを1250℃乃至転移温 度の間の温度で1乃至3時間焼なましする ことを特徴とするTiAlベース合金の処理方 法。
  14. 【請求項14】 TiAlベース合金の溶融物の組成が
    Ti51−43 Al46−50CrNb1−5である請求項 13記載の方法。
  15. 【請求項15】 TiAlベース合金の溶融物の組成が
    Ti50−46 Al46−50CrNbである請求項13 記載の方法。
  16. 【請求項16】 均質化温度が1300℃乃至1400℃の間の 温度である請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 均質化温度が1350℃乃至1400℃の間の 温度である請求項13記載の方法。
  18. 【請求項18】 均質化温度が1400℃である請求項13
    記 載の方法。
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