JPH11290455A - 範囲限定噴射用のエアゾール装置 - Google Patents

範囲限定噴射用のエアゾール装置

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JPH11290455A
JPH11290455A JP10103088A JP10308898A JPH11290455A JP H11290455 A JPH11290455 A JP H11290455A JP 10103088 A JP10103088 A JP 10103088A JP 10308898 A JP10308898 A JP 10308898A JP H11290455 A JPH11290455 A JP H11290455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアゾール内容物の拡散による周囲の汚染を防
止し、噴射目的部に確実に噴射塗布したり洗浄すること
が出来る。また、ノズルと噴射目的部との間の距離を任
意に調整し、噴射目的部、エアゾール内容物、治療目的
等、種々の状況に応じてノズルと噴射目的部の距離を調
整可能とする 【解決手段】ノズル体１０の外周に、高さの異なる複数
の係合段部１１を形成してエアゾール容器１を設ける。
このノズル体１０に、噴射目的部１７を被覆する被覆カ
バー１６を設けたアダプター１２を抜出し可能に装着す
る。アダプター１２は、ノズル体１０に対して進退可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はエアゾール内容物を特定
の範囲に限定して噴射するための、範囲限定噴射用のエ
アゾール装置に係るもので、主として人体の鼻、口、眼
等に薬剤を噴射塗布または洗浄する場合に、特に有効な
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、人体の眼、口、鼻等に散布するた
めのエアゾール用薬剤は存在するが、これらのエアゾー
ル薬剤を人体に散布する場合には、エアゾールの噴射圧
力によって人体の目的部以外にも広く拡散して噴射され
るものとなり、周囲を汚染したり、目的部以外の人体器
官に好ましくない状況を発生させる場合が生じる。特
に、口内に噴射するための口中清涼剤等の刺激性薬剤
が、口に近接している眼等に付着した場合には、強い不
快感を生じたり、傷害事故を生じる可能性もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明に於て
は、その噴射する目的部に限定したエアゾール内容物の
噴射を可能とするものである。また、本発明に於ては、
エアゾール内容物の噴射に於て、周囲を汚染しないよう
にする事が可能となる。すなわち、被覆カバーで体の特
定の目的部、口、鼻、眼等を完全に被覆した状態で噴射
を行うから、これらの口、鼻、眼等の体と接触したエア
ゾール内容物は被覆カバー内に落下し周囲に拡散する事
がない。そのため、エアゾール内容物の噴射完了後は、
被覆カバー内に溜まった内容液を捨てて、軽く洗浄する
のみで、エアゾール内容物の噴射作業を完了する事がで
きるものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、エアゾール内容物の噴射を行うノズ
ル体の外周に、高さの異なる複数の係合段部を形成した
エアゾール容器と、このエアゾール容器のノズル体を抜
出し可能に挿通する挿通口を設け、この挿通口の内面
に、複数の係合段部のいずれかと係合する係合突部を形
成するとともに挿通口に連通しエアゾール内容物の噴射
目的部を被覆する被覆カバーを設けたアダプターとから
成るものである。
【０００５】また、他の異なる発明は、エアゾール内容
物の噴射を行うノズル体の外周に、係合突部を形成した
エアゾール容器と、このエアゾール容器のノズル体を抜
出し可能に挿通する挿通口を設け、この挿通口の内面
に、係合突部と係合する複数の係合段部を形成するとと
もに挿通口に連通しエアゾール内容物の噴射目的部を被
覆する被覆カバーを設けたアダプターとから成るもので
ある。
【０００６】また、被覆カバーは、エアゾール容器の肩
カバーを被覆し得る形状に形成したものであっても良
い。
【０００７】
【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、エアゾール内容物を適宜の噴射目的部に噴射するに
は、人体の口、鼻、眼等の噴射目的部に被覆カバーを密
着させる。この密着状態でエアゾール容器のステムを押
圧し、制御弁を開放して内容物をノズル体のノズルから
噴射する。
【０００８】この噴射に於て被覆カバーは、噴射目的部
を被覆しているから、エアゾール内容物が周囲に拡散す
る事はなく、噴射目的部に確実にエアゾール内容物を噴
射塗布する事が可能となる。また、噴射目的部から流出
したり脱落したエアゾール内容物は、被覆カバー内に落
下し周囲に拡散する事がない。そのため、鼻、眼、喉の
洗浄行う場合の如く、ある程度の量を噴射するエアゾー
ル内容物に於ては、これらの洗浄を完了したエアゾール
内容物が被覆カバー内に流出し、被覆カバー内に保たれ
るものとなる。従って、周囲にエアゾール内容物が拡散
される事がないとともに、エアゾール内容物は噴射目的
部に確実に到達し、噴射目的部に噴射する事が可能と成
る。
【０００９】また、エアゾール容器のステムに接続する
ノズル体の外周には、高さの異なる複数の係合段部を形
成している。そして、このノズル体を挿通するアダプタ
ーの挿通口には、係合突部を形成しているから、係合突
部を係合段部のいずれかに係合する事により、アダプタ
ーはノズル体に対して上下方向の配置を進退する事が可
能となる。そして、噴射目的部に対するノズル体のノズ
ルの距離を調整する事が可能となるから、エアゾール内
容物の内容処方、噴射目的部の状況、使用者の好み等に
応じて、ノズルと噴射目的部との距離を任意に調整する
事が可能となる。
【００１０】従って、使用目的に応じて強くエアゾール
内容物を吹付ける必要がある場合には、ノズル体をアダ
プターに深く挿入係合すれば良い。また、比較的ゆるい
穏やかな噴射を目的部に行う場合には、アダプターとノ
ズル体の係合固定を浅くする事により、噴射目的部とノ
ズルとの距離を大きく取る事が可能と成るものである。
【００１１】また、係合突部と係合段部とは相対的なも
のであるから、ノズル体の外周に係合突部を形成し、挿
通口の内面に、係合突部と係合する複数の係合段部を形
成するものとしても良い。
【００１２】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、(１)はエアゾール容器で、内部には噴射目的に対応
した薬剤等の内容物を噴射剤とともに充填している。そ
して、この噴射剤と内容物とは混合充填しても良いし、
内袋等を介して分離して充填するものであっても良い。
【００１３】また、このエアゾール容器(１)は、容器本
体(２)の上端にバルブ固定部(３)を一体に形成し、この
バルブ固定部(３)内にエアゾール内容物の噴射を制御す
るバルブ機構(図示せず)を装着している。このバルブ機
構に下端を接続したステム(４)を、図７に示す如く、バ
ルブ固定部(３)の上端から外方に突出している。
【００１４】また、バルブ固定部(３)の上部には、エア
ゾール容器(１)の肩カバー(５)を配置している。そし
て、この肩カバー(５)に、ステム(４)と下端を連通接続
するノズル体(１０)を一体に連結形成している。このノ
ズル体(１０)と肩カバー(５)の連結は、容易に湾曲可能
なヒンジ部(７)によって接続している。
【００１５】また、ノズル体(１０)の側面にはノズル体
(１０)を介してステム(４)を押圧するための押圧片(８)
を突出し、この押圧片(８)は、手、指等で押圧する事に
より、ステム(４)を下方に押圧し、バルブ機構を開放し
て内容物の噴射が可能となるよう構成している。このバ
ルブ機構は、従来公知のチルトアクションバルブを用い
ても良いし、プッシュダウン方式のバルブを用いても良
い。
【００１６】また、ノズル体(１０)の外周には、ノズル
体(１０)の軸方向に於いて高さの異なる複数の係合段部
(１１)を階段状に形成している。また、ノズル体(１０)
の上端にはエアゾール内容物を噴射するためのノズル
(６)を形成している。そしてノズル体(１０)にはアダプ
ター(１２)を接続する。このアダプター(１２)は、管状
の連結体(１３)の内部に、ノズル体(１０)を挿通するた
めの挿通口(１４)を貫通形成するとともに、内周面の一
部に、ノズル体(１０)の外周に形成した係合段部(１１)
と係合するための係合突部(１５)を内方に突出してい
る。
【００１７】また、連結体(１３)の上端には、挿通口
(１４)連通して被覆カバー(１６)を接続固定している。
この被覆カバー(１６)は、エアゾール内容物の種類、噴
射目的、噴射目的部(１７)の形状等に応じて任意の形状
に形成することが出来るが、図面に示す一実施例では下
底を円錐状とする円筒に形成している。この円筒状に形
成した被覆カバー(１６)の上端を挿通口(１４)の軸方向
に対して斜めに切欠いた開口部(１８)を形成する。この
開口部(１８)の直径を口、鼻、眼等人体の噴射目的部
(１７)に対応した大きさに形成している。そして、この
開口部(１８)を人体等の噴射目的部(１７)に押圧する事
により、その噴射目的部(１７)を密閉被覆する事ができ
るように構成している。また被覆カバー(１６)の内部に
は補強リブ(１９)を複数本突出し被覆カバー(１６)を補
強している。
【００１８】また、アダプター(１２)の連結体(１３)の
下端は一部を切欠いて切欠き段部(２０)としている。こ
のように形成する事により、図２に示す如く、ノズル体
(１０)を深くアダプター(１２)内に挿入した場合に、ノ
ズル体(１０)の側面に突出している押圧片(８)に連結体
(１３)が邪魔されることなく、ノズル体(１０)の深い位
置への係合挿入が可能と成るものである。
【００１９】上述の如く構成したものに於て、これを用
いてエアゾール内容物の噴射を行おうとする場合には、
図１に示す如く、被覆カバー(１６)を上方に配置してア
ダプター(１２)の挿通口(１４)にノズル体(１０)を挿入
する。この状態に於て、ノズル体(１０)の外周に形成し
た係合段部(１１)に挿通口(１４)の係合突部(１５)を係
合する。
【００２０】この係合位置は、エアゾール内容物の種
類、噴射目的、噴射する場所等、任意の目的に応じて使
い分ける事が可能で、エアゾール容器(１)の肩カバー
(５)に近い係合段部(１１)に係合突部(１５)を係合すれ
ば、ノズル体(１０)は深く挿入され、ノズル(６)は被覆
カバー(１６)の上部方向に配置されるものとなるから、
ノズル(６)と噴射目的部(１７)との距離が近いものとな
る。
【００２１】また、係合突部(１５)を、ノズル体(１０)
のノズル(６)に近い側の係合段部(１１)に係合すれば、
ノズル体(１０)は被覆カバー(１６)の底方向に浅く挿入
して配置されるから、ノズル(６)と噴射目的部(１７)と
の距離は大きなものとなる。この変化は、噴射目的部
(１７)が口、鼻、眼等の噴射目的部の場所に応じ、また
噴射内容物の処方等によっても任意に決定する事が可能
となる。
【００２２】そしてこの状態に於て、眼、鼻、口等の噴
射目的部(１７)を、被覆カバー(１６)で図１、図２、図
３に示す如く被覆した後、押圧片(８)を指等で押圧する
事により、エアゾール容器(１)内のエアゾール内容物
は、バルブ機構を介してノズル(６)から外部に噴射され
る。この噴射された内容物は、噴射目的部(１７)に噴射
された後、被覆カバー(１６)内に落下する。そのためノ
ズル(６)から噴射されたエアゾール内容物は周囲に拡散
したり、噴射目的部(１７)以外の人体に接触したりする
事がないから、噴射目的部(１７)以外の部分を刺激した
り、損傷したり、周囲を汚染したりする事がない。
【００２３】また、噴射作業の完了後は被覆カバー(１
６)内に流下したエアゾール内容物を廃棄するのみで、
周囲の汚染が生じないものである。また、上記の噴射を
終了し、エアゾール容器(１)を収納したり、若しくは製
造段階から展示場所まで運搬をしたりする場合には、図
７に示す如く、アダプター(１２)をノズル体(１０)から
引き抜き、これを反転して被覆カバー(１６)の開口部
(１８)方向をエアゾール容器(１)の肩カバー(５)の外周
に被覆する。この被覆により、被覆カバー(１６)が邪魔
となる事がなく、破損等の虞もないものとなり、運搬、
収納等に於て好都合なものである。
【００２４】また、上記実施例に於いて、ノズル体(１
０)周に係合段部(１１)を形成し、ノズル体(１１)を挿
通する挿通口(１４)の内面に係合突部(１５)を形成し
た。しかし、係合突部(１５)と係合段部(１１)とは相対
的なものであるから、他の異なる実施例では、ノズル体
(１０)の外周に係合突部(１５)を形成し、挿通口(１４)
の内面に、係合突部(１５)と係合する複数の係合段部
(１１)を形成するものとしても良い。
【００２５】また、上記のエアゾール内容物は噴射目的
に応じて適宜の物を選択する事ができるが、その一例と
しては鼻炎症治療スプレー、鼻詰まり防止スプレー、い
びき防止スプレー、喉炎症治療剤、口中清涼剤、眼の炎
症等を制御する治療剤等の任意の処方を用いる事ができ
る。その処方例を以下に例示する。尚数量の単位はwt％
である。
【００２６】 鼻炎症治療スプレー 塩酸ナファゾリン ０．０５００ マイレン酸クロルフェニラミン ０．５０００ 塩化ベンザルコニウム ０．０１００ グリセリン ０．０１００ 精製水 ９９．１３００ 窒素 ０．３０００ 合計 １００．００００
【００２７】 鼻炎症治療スプレー 硝酸テトラヒドロゾリン ０．００１０ マイレン酸クロルフェニラミン ０．００５０ リドカイ ０．００３０ グリチルリチン酸カリウム ０．００２０ 塩化 ベンザルコニウム ０．０００１ マグロゴール ０．０００２ 精製水 ９９．６８８７ 窒素 ０．３０００ １００．００００
【００２８】 鼻詰まり防止スプレー 濃グリセリン ０．３０００ 塩化ナトリウム ０．３０００ ヒアロン酸 ０．０１００ 精製水 ９９．０９００ 窒素 ０．３０００ 合計 １００．００００
【００２９】 いびき防止スプレー 濃グリセリン ０．００３０ 塩化ナトリウム ０．００２０ 塩化カリウム ０．００２０ 塩化カルシウム ０．０００１ エデトン酸塩 ０．０００１ 塩化ベンザルコニウム ０．０００２ 精製水 ９９．６９２６ 窒素 ０．３０００ 合計 １００．００００
【００３０】 喉炎症治療剤 ヨウ素 ０．５０００ ヨウ素カリ １．００００ グリセリン ８５．００００ ハッカ水 ４．００００ ９５％未変性エチルアルコール ９．２０００ 窒素 ０．３０００ 合計 １００．００００
【００３１】 口中清涼剤 ９９％未変性エチルアルコール ６２．００００ サッカリンナトリウム ０．１３３０ 食用青色１号(１％水溶液) ０．５０００ ペパーミントフレバー ０．５０００ 精製水 ３６．５６７０ 窒素 ０．３０００ 合計 １００．００００
【００３２】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成したものであ
るから、エアゾール内容物の噴射に於て、これを周囲に
拡散して周囲を汚染したりする事がないとともに、エア
ゾール内容物を噴射目的部に確実に噴射塗布する事が可
能となる。
【００３３】また、ノズル体の外周には係合段部を形成
したから、ノズルと噴射目的部との間の距離を任意に調
整する事が可能となり、噴射目的部、エアゾール内容
物、治療目的等、種々の状況に応じてノズルと噴射目的
部の距離を調整する事が可能と成る。
【図面の簡単な説明】
【図１】口部にエアゾール内容物を噴射する状態を示す
断面図である。
【図２】鼻部にエアゾール内容物を噴射する状態の断面
図で、ノズル体と連結体の深い係合関係を示している。
【図３】眼部にエアゾール内容物を噴射する状態の断面
図で、ノズル体と連結体の浅い係合関係を示している。
【図４】アダプターの断面図である。
【図５】連結体の下底を示す拡大底面図である。
【図６】ノズル体からアダプターを取り除いた状態の正
面図である。
【図７】アダプターを反転し、被覆カバーで肩カバーを
被覆した状態の断面図である。
【符号の説明】
１ エアゾール容器 ５ 肩カバー １０ ノズル体 １１ 係合段部 １２ アダプター １４ 連通口 １５ 係合突部 １６ 被覆カバー １７ 噴射目的部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エアゾール内容物の噴射を行うノズル体
    の外周に、高さの異なる複数の係合段部を形成したエア
    ゾール容器と、このエアゾール容器のノズル体を抜出し
    可能に挿通する挿通口を設け、この挿通口の内面に、複
    数の係合段部のいずれかと係合する係合突部を形成する
    とともに挿通口に連通しエアゾール内容物の噴射目的部
    を被覆する被覆カバーを設けたアダプターとから成る事
    を特徴とする範囲限定噴射用のエアゾール装置。
  2. 【請求項２】 エアゾール内容物の噴射を行うノズル体
    の外周に、係合突部を形成したエアゾール容器と、この
    エアゾール容器のノズル体を抜出し可能に挿通する挿通
    口を設け、この挿通口の内面に、係合突部と係合する複
    数の係合段部を形成するとともに挿通口に連通しエアゾ
    ール内容物の噴射目的部を被覆する被覆カバーを設けた
    アダプターとから成る事を特徴とする範囲限定噴射用の
    エアゾール装置。
  3. 【請求項３】被覆カバーは、エアゾール容器の肩カバー
    を被覆し得る形状に形成した事を特徴とする請求項１の
    範囲限定噴射用エアゾール装置。
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