JPH11287478A - 低露点室の空調方法及び低露点室の減湿設備 - Google Patents

低露点室の空調方法及び低露点室の減湿設備

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JPH11287478A
JPH11287478A JP9190498A JP9190498A JPH11287478A JP H11287478 A JPH11287478 A JP H11287478A JP 9190498 A JP9190498 A JP 9190498A JP 9190498 A JP9190498 A JP 9190498A JP H11287478 A JPH11287478 A JP H11287478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低露点室内にいる作業員などの人間から発生
した水分を低コストで迅速に除去できる空調方法と減湿
設備を提供する。 【解決手段】 減湿処理された空気の供給手段8と室内
空気の排気手段9が設けられた低露点室2の空調方法で
あって,排気手段9が,低露点室2内の空気を循環させ
ずに低露点室2外に排気することを特徴としている。こ
のように全外気式の空調を行うことによって,低露点室
2内において作業者などから発散された水分を,低露点
室2に発散させることなく,排気手段9を通じて低露点
室2外に排気させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,減湿雰囲気に保持
される低露点室を空調する方法と減湿設備に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば,水分を嫌う製品や半導体デバイ
ス,リチウム電池等の製造などにおいて,低露点室が広
く利用されている。かかる低露点室には,減湿機構で製
造された低露点空気が導入され,低露点室内は一定の低
湿度以下に制御される。従来は,低露点室の排気口から
排気された室内雰囲気を減湿した後,再び低露点室内へ
循環供給していた。また,この低露点室内にて発生する
水分の内のほとんどは,室内で作業している作業員の発
汗などといった人間から発生したものであるが,従来
は,このような作業者から発生した水分は低露点室内に
発散させていた。そして,この作業者から発生した水分
を減湿機構で減湿し,再び低露点室内へ循環供給してい
た。このように循環供給する理由は,減湿空気を生成す
るためには高価な設備費及び運転費を要し,かかる高価
な空気をそのまま排気することは当業者にとって想到で
きないことだったからである。低露点室内で水分が発生
したとしても,外気やこれを冷却減湿した空気よりも室
内空気ははるかに低温で,これを再利用処理すれば設備
の使用を抑えることができるため,室内空気を循環させ
ることが常識であったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低露点室内の空気を循
環させる空調方法では,作業者から発生した水分を高い
能力で減湿しなければならず,空調設備における減湿機
構に対し高負荷が要求されていた。従来の除湿機構に要
求される容量の大小は,低露点室内にいる作業員の人数
によって決定されており,低露点室に作業員がたくさん
出入りする場合は除湿機構に大容量が要求され,設備費
と運転費が共に高騰していた。特に近年は大勢の作業者
が出入りできるように低露点室の大型化が進められてお
り,更なる設備の大型化が求められ,これが製品のコス
トの上昇にもなっている。このため,低露点室において
省コスト,省エネルギの要請が強くなってきている。
【0004】本発明の目的は,低露点室内にいる作業員
などの人間から発生した水分を低コストで迅速に除去で
きる空調方法と減湿設備を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに,請求項1の発明は,減湿処理された空気の供給手
段と室内空気の排気手段が設けられた低露点室の空調方
法であって,前記排気手段は,低露点室内の空気を循環
させずに低露点室外に排気することを特徴としている。
【0006】この請求項1の空調方法にあっては,低露
点室内には従来の外気取り入れ量に相当する空気を供給
手段で減湿して供給し,低露点室内の空気は循環させず
にそのまま低露点室外に排気することによって,いわゆ
る全外気式の空調を行う。このため,低露点室内におい
て作業者などから発散された水分は,低露点室に再び戻
ることがなく,低露点室に設けられている排気手段を通
じて低露点室外に排気される。このように,取り入れ外
気は一過性で排気され,常に新たな減湿空気が室内に導
かれる。また,一方向性の空気流通を行うため,還気ダ
クトが省略でき,空気流路を簡素化できると共に,省ス
ペース化がはかれる。
【0007】この請求項1の空調方法において,請求項
2に記載したように,前記低露点室内にいる人間にカバ
ー着を着用させ,該カバー着内部の空気を前記排気手段
により吸引して低露点室外に排気することが好ましい。
そうすれば,作業員などの人間から発生した水分を低露
点室内に発散させることなく迅速にカバー着内に捕捉し
て低露点室外に排気することができ,排気量も少量で済
むので,低コストで省エネルギな空調を行うことが可能
となる。
【0008】またこの請求項2の空調方法において,請
求項3に記載したように,前記排気手段の空気取り入れ
口を前記低露点室の床面に形成し,前記カバー着に空気
吐き出し口を設けてこの空気吐き出し口を前記カバー着
の足下に配置するようにしても良い。そうすれば,カバ
ー着内部の雰囲気を作業員などの足下に排気し,その排
気された雰囲気を低露点室内に拡散させることなく,低
露点室の床面に形成された排気手段の空気取り入れ口か
ら低露点室外に迅速に排気することができるようにな
る。また,作業者が低露点室内を移動しても,カバー着
内部の雰囲気は低露点室内に拡散しないので,作業者は
低露点室内を自由に移動でき,作業が行いやすくなる。
【0009】また,請求項4に記載したように,前記排
気手段は,排気を減湿処理する減湿機構を備えているこ
とが好ましい。そうすれば,低露点室内の空気から水分
を除去した後,排気手段を通じて低露点室外に排気する
ことができるようになる。
【0010】請求項5の発明は,外気を導入し減湿処理
して低露点室に導く減湿機を低露点室外に配置し,前記
減湿処理した外気を低露点室に供給する給気チャンバを
低露点室の天井に設け,空気が流通可能に構成された低
露点室の床面下方には排気チャンバを設け,かつ,この
排気チャンバに減湿材を備えた減湿機構を具備せしめ,
低露点室内の空気がこの減湿機構で減湿された後,排気
される構成としたことを特徴とする,低露点室の減湿設
備である。
【0011】この請求項5の減湿設備によれば,給気チ
ャンバを経て低露点室の上方より低露点空気が連続的に
室内に供給され,室内の空気は低露点室の床面下方に設
けられた排気チャンバを経て排気されることにより,低
露点室の内部には室上方から下方へと向かう一方向性の
強制気流が発生する。作業者などから出た水分はこの強
制気流により室外に速やかに排気されることとなり,低
露点室内に水分が拡散しない。また,低露点室内で作業
者などから発生した水分は,排気チャンバを通過する際
に,排気チャンバの減湿機構に備えられた減湿材で吸着
される。また,減湿機構に備えられた減湿材は,低露点
室内から連続的に排気される低露点空気によって自己再
生される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照にして本発明の
好ましい実施の形態を説明する。図1は,本発明の実施
の形態にかかる空調方法を実施するための空調システム
1の全体構成を概略的に示す説明図である。図示の例で
は,所定の低露点雰囲気(減湿雰囲気)に保たれた低露
点室2内に,カバー着3を着用した2人の作業員5が入
った状態を示している。これら2人の作業員5の間に
は,例えば半導体デバイスやリチウム電池などといった
水分を嫌う製品の製造ライン6が配置されている。
【0013】低露点室2の上下に,給気手段8と排気手
段9が構成されている。即ち,低露点室2の天井10上
方には,給気チャンバ11が設けられており,減湿空気
供給手段12によって減湿され,給気路13を送風され
た空気(外気)が,この給気チャンバ11を介して低露
点室2内に供給されている。減湿空気供給手段12は例
えば乾式もしくは湿式の減湿機12’を内蔵した送風装
置などで構成される。一方,グレーチングなどによって
通気できるように構成された低露点室2の床面15下方
には,排気チャンバ16が設けられており,床面15
は,排気チャンバ16の空気取り入れ口に形成されてい
る。この排気チャンバ16に,排気ファン17を備えた
排気路18が接続されている。また,排気チャンバ16
の内部に,例えば活性炭,シリカゲルなどの減湿材を備
えた減湿機構19が配置されている。この減湿機構19
は,例えば減湿材をシート成形したもの,布袋,メッシ
ュなどの通気性材料で形成された適当なケーシング内に
吸湿在を充填したものなどを用いることができる。その
ような減湿機構19を,グレーチングなどの通気性ある
床面15の下方に支持部材によって支持して配置するこ
とにより,湿分吸着層を形成している。これにより,低
露点室2内の空気は,空気取り入れ口である床面15か
ら排気チャンバ16内に流入して,減湿機構19機構で
減湿処理された後,低露点室2内に再び循環供給される
ことなく,排気ファン17の稼働によって排気路18を
介して低露点室2外に排気されるようになっている。本
発明においては,排気路18の排気は屋外に排出しても
良く,あるいはその排気を別系統の用途に用いることも
できる。但し,排気を給気手段8を経て再び低露点室2
内に循環供給することはない。その他,減湿空気供給手
段12によって減湿された空気が,給気路20を介して
製造ライン6にも供給され,製造ライン6の雰囲気は,
排気ファン22の稼働によって排気路21を介して排気
されるようになっている。
【0014】ここで図2(a)は,低露点室2内におい
て作業員5が着用しているカバー着3の正面図であり,
図2(b)は,図2(a)におけるA−A断面矢視図で
ある。この実施の形態では,カバー着3の内側に,更に
アンダーウェア23を着用するようになっている。
【0015】カバー着3は,例えばビニールなどの透湿
性のない生地で構成され,作業員5をほぼ全体的に覆う
形状を有している。但し,カバー着3の頭部30の前面
と袖部分31の先端には開口部32と開口部33が形成
されている。頭部30前面に形成された開口部32は,
覗き窓の役割を果たす。袖部分31の開口部33には伸
縮自在なゴムリング35が取り付けてある。図示の例で
は,カバー着3の足部分36の先端は塞がれた構成にな
っている。また,カバー着3の前面には,上下にわたっ
てファスナー37が設けてある。このファスナー37を
開いて作業員5が中に入り,ファスナー37を閉じるこ
とにより,カバー着3を着用することができる。このよ
うにカバー着3を着用した際には,中に入った作業員5
の目の位置が頭部30の開口部32に一致し,中に入っ
た作業員5の手先が袖部分31の開口部33から外に出
た状態となるようになっている。その際,カバー着3を
着用した作業員5の手首部分にゴムリング35が密着
し,袖部分31の開口部33は密閉された状態となる。
【0016】図3は,カバー着3の背面図を示してい
る。カバー着3の背部には,ファン40が装着されてい
る。このファン40は,例えばカバー着3の外側から作
業員5の胴部分に巻き付けたベルトなどを介して,カバ
ー着3の背部に固定されている。このファン40の動力
源は,例えば有線方式や電池方式などにすると良い。ま
た,カバー着3の背部全体にほぼ均一となるように,フ
ァン40の吸気側に接続された分岐管41が取り付けて
ある。図4は,図3におけるB−B断面矢視図である。
この図4に示すように,分岐管41は可撓性を有するチ
ューブをカバー着3の背部に取り付けた構成を有してお
り,中空に形成された分岐管41の内部は空気通路を形
成している。この分岐管41の各先端部には,カバー着
3の内部に連通する吸引孔42がそれぞれ形成されてい
る。
【0017】図2(b)に示されるように,カバー着3
の足部分36の背面側には,ファン40の排気側に接続
された排気管45が取り付けられている。この排気管4
5の空気吐き出し口46は,カバー着3の足下に配置さ
れている。これにより,前述のファン40の稼働によ
り,各吸引孔42を介してカバー着3の内部の空気を分
岐管41内に吸引し,その空気を排気管45の下端に形
成された空気吐き出し口46からカバー着3の足下に排
気するようになっている。また,前述したように,低露
点室2の床面15が排気チャンバ16の空気取り入れ口
に形成されていることにより,図5に示すように,こう
して排気管45下端の空気吐き出し口46からカバー着
3の足下に排気されたカバー着3内部の空気は,そのま
ま床面15を通過して排気チャンバ16内に流入し,減
湿機構19機構で減湿処理された後,排気ファン17の
稼働によって排気路18を介して低露点室2外に排気さ
れるようになっている。
【0018】図6は,この実施の形態においてカバー着
3の内側に着用されるアンダーウェア23の正面図であ
る。アンダーウェア23は,例えば吸水ポリマー,活性
炭,シリカゲルなどの減湿材を含んだ吸湿性のある生地
で構成され,カバー着3の内側において作業員5をほぼ
全体的に覆う形状を有している。但し,アンダーウェア
23の頭部50の前面と,袖部分51及び足部分52の
先端には開口部53,54,55がそれぞれ形成されて
いる。袖部分51の開口部54と足部分52の開口部5
5には伸縮自在なゴムリング56,57がそれぞれ取り
付けてある。また,アンダーウェア23の前面には,上
下にわたってファスナー60が設けてある。このファス
ナー60を開いて作業員5が中に入り,ファスナー60
を閉じることにより,アンダーウェア23を着用するこ
とができる。このようにアンダーウェア23を着用した
際には,中に入った作業員5の目の位置が頭部50の開
口部53に一致するようになっている。また,こうして
アンダーウェア23を着用し,さらにその上に重ねてカ
バー着3を着用すると,図7に示すように,アンダーウ
ェア23の開口部53とカバー着3の開口部33が丁度
同じ位置となり,中に入った作業員5は,これら開口部
53と開口部33を通じて外部の様子を視認できるよう
になっている。なお,中に入った作業員5の呼吸をし易
くしたり,作業員5同士の会話をし易くするために,図
7に示すように,カバー着3とアンダーウェア23に作
業員5の鼻や口に対応する開口部61を設けても良い。
このように鼻や口に対応する開口部61を設けた場合
は,カバー着3の頭部30に形成された開口部32を透
明なビニールなどで塞いでも良く,開口部61を通じて
呼吸ができるようになる。
【0019】また,アンダーウェア23を着用した際に
は,中に入った作業員5の手先が袖部分51の開口部5
4から外に出ると共に足先が足部分52の開口部55か
ら外に出た状態となるようになっている。その際,アン
ダーウェア23を着用した作業員5の手首部分にゴムリ
ング56が密着して袖部分51の開口部54が密閉さ
れ,足首部分にゴムリング57が密着して足部分52の
開口部55が密閉された状態となる。
【0020】さて,図1に示した空調システム1におい
て,低露点室2の天井10に設けられた給気チャンバ1
1から,減湿空気供給手段12によって減湿された空気
が低露点室2内に供給される。また一方で,低露点室2
内の空気は,床面15を通じて排気チャンバ16内に流
入し,減湿機構19で減湿処理された後,排気ファン1
7の稼働によって排気路18を介して低露点室2外に排
気される。低露点室2内の空気は,再び低露点室2内に
循環供給されることはない。また,製造ライン6にも減
湿空気供給手段12によって減湿された空気が供給さ
れ,製造ライン6の雰囲気は,排気ファン21の稼働に
よって排気路22を介して排気される。こうして,低露
点室2内は所定の低露点雰囲気(減湿雰囲気)に保たれ
る。
【0021】そして,作業員5は先ずアンダーウェア2
3を着用し,さらにその上に重ねてカバー着3を着用し
た状態で,図1に示した低露点室2内に入る。そして,
製造ライン6に対して所定の作業を行う。なお,このよ
うにアンダーウェア23とカバー着3を着用した際に
は,図7で説明したように,開口部53と開口部33が
丁度同じ位置となるので作業員5は外部の様子を視認す
ることが可能である。また,作業員5の手先は開口部3
3,54から外に出た状態となるので,作業を行いやす
い。
【0022】ここで,作業員5から発生した水分はカバ
ー着3の内部において先ずアンダーウェア23に捕捉さ
れ,更に,カバー着3の背部に装着されたファン40の
稼働により,カバー着3の内部の空気と共に吸引孔42
から分岐管41内に吸引されて,排気管45の下端に形
成された空気吐き出し口46からカバー着3の足下に排
気される。こうしてカバー着3の足下に排気されたカバ
ー着3内部の空気は,そのまま床面15を通過して排気
チャンバ16内に流入し,減湿機構19で減湿処理され
た後,排気ファン17の稼働によって排気路18を介し
て低露点室2外に排気される。このため,作業者5が低
露点室2内を移動しても,カバー着3内部の雰囲気はカ
バー着3の足下から低露点室2外にそのまま排気される
ので,水分を低露点室2内に拡散させることなく,作業
者5は低露点室2内を自由に移動でき,作業が行いやす
い。なお,カバー着3の内部には,カバー着3の頭部3
0に形成された開口部32を通じて低露点室2内の減湿
された空気が入り込むようになる。
【0023】このように,本発明の実施の形態によれ
ば,作業員5から発生した水分を低露点室2内に発散さ
せることなく迅速にカバー着3内に捕捉して低露点室2
外に排気することができるようになる。このため,低コ
ストかつ省エネルギ的に低露点温度に保つことが可能と
なる。この実施の形態では,カバー着3内部の空気を減
湿機構19で減湿処理した後,外部に排気しており,こ
の排気中に含まれる水分は減湿機構19を通過する際に
強制吸着され,他に拡散する心配がない。なお,水分を
吸着した減湿機構19は,低露点室2内の低DP(低露
点)空気によって再生される。
【0024】また,この実施の形態で説明したように,
減湿された空気を低露点室2内に供給する一方で,低露
点室2内の空気を排気路18を介して低露点室2外に排
気するように構成されたいわゆる全外気式にすると,作
業員5が低露点室2内を移動して1ヶ所に止まっていな
いこともあって,床面15の排気チャンバ16内に配置
された減湿機構19は低露点室2内から排気される低湿
空気で再生され,作業員5から発生した水分を低露点室
2内に発散させる心配がない。なお,作業員5から発生
した水分をカバー着3内に捕捉して迅速に排気している
ので,全外気式であっても低露点室2内への減湿空気の
供給量は20m/min程度の少風量で済むようにな
る。また,少風量であれば低露点の空気(ドライエア)
を外部に排気することはさほど無駄にならない。これに
対して,低露点室2内の空気を減湿処理した後,再び低
露点室2内に循環供給させると,排気チャンバ16内に
設けた減湿機構19は,20m/min程度の少風量
ではすぐ飽和してしまう。また,減湿機構19を飽和さ
せないためには大風量で循環させる必要があるが,そう
すると運転コストが高騰し,省エネルギ化がはかれな
い。
【0025】なお,排気チャンバ16内に設けられる減
湿機構19に利用される吸着剤は,例えば吸湿ポリマー
やゼオライト,シリカゲルなどの粒体を網袋などに充填
して用いることができる。また,吸着剤の支持は,鋼材
に載せると良い(じゅうたんのようにグレーチング上に
吸着剤を敷設しても良いが,踏まれてつぶれないよう
に,通気カバーなどの設備を設けると良い)。また,低
露点室2内への減湿された空気の供給と,低露点室2内
からの空気の排気は,必ずしも天井と床面でなくても良
い。また,カバー着3を通気性のある材料で構成した
り,袖部分31の開口部33を密閉しないことにより,
カバー着3全体や袖部分31の開口部33を通じてカバ
ー着3内部に低露点室2内の空気の空気が入り込むよう
に構成しても良い。また,カバー着3の内側にアンダー
ウェア23を着用することにより,アンダーウェア23
で汗などの水分を吸着でき,アンダーウェア23だけを
交換することにより再利用が容易となるが,カバー着3
とアンダーウェア23を一体的に構成しても良く,ま
た,アンダーウェア23を省略しても良い。さらに,カ
バー着3とアンダーウェア23は,シャツとズボンに分
離できても良い。また,カバー着3の外に露出する手先
や目の部分に,手袋や適当なカバーなどを装着しても良
い。
【0026】
【実施例】次に,図1で説明した空調システムを実際に
作成して本発明方法の実施例を行い,従来方式と比較し
た。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】本発明の実施例と従来方式のいずれも低露
点室内に20人の作業員が在室している。各作業員はカ
バ−着を着用している。また,本発明の実施例では,減
湿された空気を低露点室内に供給し,低露点室内の空気
を低露点室外に排気するいわゆる全外気式とし,取入外
気量は20m/minとした。一方,従来方式では低
露点室内の空気を減湿処理した後,再び低露点室内に循
環供給させるいわゆる循環式とし,循環空気量は200
/minとした。原単位は,単位当たりのエネルギ
ー消費量をコスト換算で示している。両者を比較する
と,従来方式の低露点室における低露点空気(ドライエ
ア)の量はSA(供給空気):DP−50℃,RA(戻
り空気):DP−32℃において一人当たり約10m
/minであった。これに対し,本発明の実施例では,
実排気量を0.6m/min/人とすることができ
(SH,LH,必要OA量より大きい値),約1/10
に減少させることができる。本発明の実施例は従来方式
に比べて運転費と設備費が共にやすくすることができ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば,作業者などから発散さ
れる水分を低露点室内に再び循環供給することなく,低
露点室外に排気するいわゆる全外気式の空調を行うこと
により,人間から発生した水分を低露点室内に発散させ
る心配がない。また,全外気式の空調を行うことによ
り,還気ダクトを省略でき,空気流路を簡素化できて,
省スペースかがはかれる。特に,作業員にカバー着を着
用させれば,作業員等の人間から発生した水分を迅速に
カバー着内に捕捉して低露点室外に排気することがで
き,低コストで省エネルギな空調を行うことが可能とな
る。また,カバー着を使用すれば,全外気式であっても
低露点室内への減湿空気の供給量は比較的少風量で済む
ようになる。更に,カバー着内部の空気を足下に排気
し,低露点室の床面を通過させて低露点室外にそのまま
排気すれば,作業者は低露点室内を自由に移動でき,作
業が行いやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる空調方法を実施す
るためのシステムの一例を概略的に示す説明図である。
【図2】図2(a)は,低露点室内において作業員が着
用しているカバー着の正面図であり,図2(b)は,図
2(a)におけるA−A断面矢視図である。
【図3】カバー着の背面図である。
【図4】図3におけるB−B断面矢視図である。
【図5】カバー着の足下の拡大図である。
【図6】アンダーウェアの正面図である。
【図7】カバー着とアンダーウェアの頭部の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 空調システム 2 低露点室 3 カバー着 5 作業員 8 給気手段 9 排気手段 10 天井 11 給気チャンバ 12 減湿空気供給手段 12’ 減湿機 15 床面 16 排気チャンバ 19 減湿機構 45 排気管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減湿処理された空気の供給手段と室内空
    気の排気手段が設けられた低露点室の空調方法であっ
    て,前記排気手段は,低露点室内の空気を循環させずに
    低露点室外に排気することを特徴とする,低露点室の空
    調方法。
  2. 【請求項2】 前記低露点室内にいる人間にカバー着を
    着用させ,該カバー着内部の空気を前記排気手段により
    吸引して低露点室外に排気することを特徴とする,請求
    項1に記載の低露点室の空調方法。
  3. 【請求項3】 前記排気手段の空気取り入れ口を前記低
    露点室の床面に形成し,前記カバー着に空気吐き出し口
    を形成してこの空気吐き出し口を前記カバー着の足下に
    配置したことを特徴とする,請求項2に記載の低露点室
    の空調方法。
  4. 【請求項4】 前記排気手段は,排気を減湿処理する減
    湿機構を備えていることを特徴とする,請求項1,2又
    は3のいずれかに記載の低露点室の空調方法。
  5. 【請求項5】 外気を導入し減湿処理して低露点室に導
    く減湿機を低露点室外に配置し,前記減湿処理した外気
    を低露点室に供給する給気チャンバを低露点室の天井に
    設け,空気が流通可能に構成された低露点室の床面下方
    には排気チャンバを設け,かつ,この排気チャンバに減
    湿材を備えた減湿機構を具備せしめ,低露点室内の空気
    がこの減湿機構で減湿された後,排気される構成とした
    ことを特徴とする,低露点室の減湿設備。
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CN103089041A (zh) * 2013-01-15 2013-05-08 世源科技工程有限公司 一种干房系统
KR20200080654A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 주식회사 원방테크 국부 드라이룸 시스템
KR20200080648A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 주식회사 원방테크 드라이룸 작업자용 제습 장치

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