JPH11284481A - 圧電薄膜振動子およびその製造方法 - Google Patents

圧電薄膜振動子およびその製造方法

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JPH11284481A
JPH11284481A JP10196098A JP10196098A JPH11284481A JP H11284481 A JPH11284481 A JP H11284481A JP 10196098 A JP10196098 A JP 10196098A JP 10196098 A JP10196098 A JP 10196098A JP H11284481 A JPH11284481 A JP H11284481A
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JP
Japan
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substrate
piezoelectric thin
current
electrode portion
thin film
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JP10196098A
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Masaki Takeuchi
雅樹 竹内
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数特性の悪化を防止することができる圧
電薄膜振動子を提供する。 【解決手段】 基板1に形成される開口部2の上側に絶
縁部材3と下部電極部4と圧電薄膜部材5と上部電極部
6を積層して振動素子Pを構成する。下部電極部4と上
部電極部6にはそれぞれ引き出し電極部を接続し、それ
ら各引き出し電極部をそれぞれ電極パッドに接続する。
それら一方の電極パッドから振動素子Pを迂回して他方
側の電極パッドに至る電流の通電経路を構成する基板1
には凹部20を形成する。この凹部20によって上記通
電経路の断面積を削減することができ、電流は基板1を
流れ難くなり上記通電経路のインピーダンスを大きくす
ることができる。このことから、電流の殆どは一方の電
極パッドから振動素子Pを通って他方側の電極パッドに
至るメインの通電経路を電流の周波数によらずに通電す
るので、圧電薄膜振動子の周波数特性の悪化を防止する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電部材を用いた
共振子やフィルター等の圧電薄膜振動子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図16には共振子やフィルター等として
使用される圧電薄膜振動子の一例が平面図により示さ
れ、図17には図16に示すA−A部分の断面図が示さ
れている。図16及び図17に示すように、基板(例え
ば、面方位{100}を持つシリコン基板)1に形成さ
れた開口部2の上側に絶縁部材(例えば、酸化シリコン
膜)3が形成されており、これら開口部2と絶縁部材3
によりダイヤフラムが構成され、そのダイヤフラムの上
側に下部電極部4と圧電薄膜部材(例えば、ZnO膜)
5と上部電極部6とが順に積層されて振動素子Pが形成
されている。
【0003】この振動素子Pの下部電極部4から下部引
き出し電極部7が、上部電極部6から上部引き出し電極
部8がそれぞれ引き出し形成されており、上記下部引き
出し電極部7には下部電極パッド10aが、上部引き出
し電極部8には上部電極パッド10bがそれぞれ導通接
続されている。また、開口部2を囲む基板1の底面領域
には酸化シリコン等の絶縁部材の薄膜部材15が形成さ
れている。
【0004】図16及ぶ図17に示す圧電薄膜振動子は
上記のように構成されており、次のようにして製造する
ことができる。例えば、図18の(a)に示すように、
上記振動素子Pの保持形成面(基板上面)とは反対の基
板1の底面に酸化シリコン等の薄膜部材15を形成し、
次に、開口部2を形成する部分の薄膜部材15をフォト
リソグラフィ技術等により図18の(b)に示すように
取り除く。
【0005】その後、図18の(c)に示すように、基
板上面に絶縁部材3をスパッタや蒸着等の成膜形成技術
により成膜形成する。そして、上記薄膜部材15により
規制された開口部形成領域の基板部分をエッチング技術
により底面側から絶縁部材3に達するまで除去して、図
18の(d)に示すように、開口部2を形成する。次
に、図18の(e)に示すように、上記基板上面の上側
に間隙を介してマスク16(例えば、メタルマスク)を
配置する。このマスク16は下部電極部4と下部引き出
し電極部7と下部電極パッド10aの形成領域を規制す
るためのものであり、マスク16には上記下部電極部4
と下部引き出し電極部7と下部電極パッド10aのパタ
ーンが開口形成されている。
【0006】次に、マスク16の上側から下部電極部4
と下部引き出し電極部7と下部電極パッド10aを構成
する材料を絶縁部材3上に成膜して下部電極部4と下部
引き出し電極部7と下部電極パッド10aを同時に形成
する。
【0007】さらに、上記のようにして下部電極部4等
が形成された基板1の上側に、図18の(f)に示すよ
うに、間隙を介して、圧電薄膜部材5の形成領域を規制
するマスク17を配置し、マスク17の上側から圧電薄
膜部材5の材料を成膜して下部電極部4の上側に圧電薄
膜部材5を形成する。
【0008】次に、図18の(g)に示すように、上記
圧電薄膜部材5等が形成された基板1の上側に間隙を介
して上部電極部6と上部引き出し電極部8と電極パッド
10bの形成領域を規制するためのマスク18を配置
し、マスク18の上側から上部電極部6と上部引き出し
電極部8と電極パッド10bを形成する材料を成膜し、
上部電極部6と上部引き出し電極部8と電極パッド10
bを同時に形成する。以上のような製造工程を経て、図
16および図17に示すような圧電薄膜振動子が完成す
る。
【0009】上記圧電薄膜振動子は、各電極パッド10
a,10b上に図16の点線に示すように半田バンプや
ワイヤボンド等の接続部材11を接合形成し、該接続部
材11を用いて外部の接続相手側の回路等に導通接続す
ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記下部電
極パッド10aと上部電極パッド10bの一方側、例え
ば、下部電極パッド10aに外部から印加された電流
(電圧信号)は、振動素子Pを通って(つまり、下部引
き出し電極部7と下部電極部4と圧電薄膜部材5と上部
電極部6と上部引き出し電極部8を順に介して)他方側
の上部電極パッド10bに至るメイン通電経路と、振動
素子Pを迂回して(つまり、図12に示すように絶縁部
材3と基板1と絶縁部材3と圧電薄膜部材5を順に通っ
て)他方側の上部電極パッド10bに至るサブ通電経路
とに分流して流れ上部電極パッド10bから取り出され
る。
【0011】図13にはその電流(信号)の通電経路の
等価回路が示されている。この等価回路は、図13に示
すように、コンデンサC1とインダクタLと抵抗体R1
の直列接続体とコンデンサC2との並列接続体により構
成される上記メイン通電経路に対応する等価回路12
と、コンデンサCzaと抵抗体RsとコンデンサCzbとコ
ンデンサCpとの直列接続体により構成される上記サブ
通電経路に対応する等価回路13とが並列接続されて構
成されている。
【0012】上記メイン通電経路に対応する等価回路1
2のインピーダンスZpは通電電流(電圧)の周波数に
よって大きく変化するものであり、例えば、上記振動素
子Pの共振周波数Fkを持つ電流が通電しているときに
は、上記インピーダンスZpは数Ωと非常に小さいのに
対して、上記振動素子Pの反共振周波数Fhを持つ電流
が通電しているときには、上記インピーダンスZpは、
数10kΩ以上と大幅に増加する。
【0013】また、前記サブ通電経路に対応する等価回
路13を構成するコンデンサCzaの静電容量Czaは、電
極パッド10aの電極面積Saと絶縁部材3が持つ誘電
率εと絶縁部材3の膜厚dとにより定まるものであり、
抵抗体Rsは基板1の抵抗率rにより定まり、コンデン
サCzbの静電容量Czbは電極パッド10bの電極面積S
bと絶縁部材3の誘電率εと絶縁部材3の膜厚dとによ
り定まり、コンデンサCpの静電容量Cpは電極パッド
10bの電極面積Sbと圧電薄膜部材5の誘電率ε’と
圧電薄膜部材5の膜厚d’とにより定まるものであるこ
とから、等価回路13のインピーダンスZsは、通電電
流の周波数によらずに、例えば、ほぼ数10kΩ程度に
定まる。
【0014】上記電流のメイン通電経路とサブ通電経路
は上記のようなインピーダンスZp,Zsを有すること
から、上記共振周波数Fkを持つ電流の通電時には、上
記の如くメイン通電経路のインピーダンスZpはサブ通
電経路のインピーダンスZsに比べて格段に小さく、こ
のことにより、電流の多くはメイン通電経路を通電して
サブ通電経路には殆ど通電せず、振動素子Pの共振点付
近での周波数特性は図14の実線カーブAに示すように
良好となる。
【0015】これに対して、反共振周波数Fhを持つ電
流の通電時には、上記の如く、サブ通電経路のインピー
ダンスZsが非常に大きくなり、例えば、メイン通電経
路のインピーダンスZpがサブ通電経路のインピーダン
スZsとほぼ同程度の大きさとなってしまう。このよう
な場合には電流はメイン通電経路とサブ通電経路とにほ
ぼ2分に分流して通電してしまい、このことに起因し
て、反共振周波数Fhの電流通電時には振動素子Pの反
共振点付近での周波数特性が、図14に示すように、実
線カーブのようにならずに点線カーブBのようになり、
悪化したものとなる。
【0016】そこで、反共振周波数Fhの電流通電時で
あっても、サブ通電経路のインピーダンスZsがメイン
通電経路のインピーダンスZpよりも大きくなるように
上記サブ通電経路のインピーダンスZsの増加を図り、
電流の多くがメイン通電経路を通るように構成して周波
数特性を向上させるための手法が様々提案されている。
例えば、特公平1−61253号公報には、図15に示
すように、圧電薄膜部材5と電極パッド10bの間に絶
縁部材14を介設し、サブ通電経路の静電容量を低下さ
せてインピーダンスZsの増加を図り、反共振周波数F
hの電流通電時の周波数特性向上を図る手法が提案され
ている。
【0017】しかしながら、この提案の手法では、上記
の如く、絶縁部材14を形成しなければならないことか
ら、絶縁部材14の製造工程が増えて圧電薄膜振動子の
製造工程が煩雑となり、製造コストが増加するという問
題が生じる。
【0018】また、上記特公平1−61253号公報に
記載されている手法以外にも、特開昭64−71208
号公報や、特開昭60−217711号公報等に、サブ
通電経路のインピーダンスZsを増加して反共振周波数
Fhの電流通電時の周波数特性を向上させるための手法
が提案されているが、それら何れの手法も工程が煩雑と
なる等の問題が生じ、満足のいくものではなかった。
【0019】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、反共振周波数の電流通電時
における周波数特性の悪化を防止することができ、しか
も、製造工程の煩雑化を回避することが可能な圧電薄膜
振動子およびその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決
する手段としている。すなわち、第1の発明は、絶縁部
材と下部電極部と圧電薄膜部材と上部電極部とが順に積
層形成された積層体が基板に絶縁部材を基板側に向けて
保持形成されており、上記下部電極部には下部引き出し
電極部が、上部電極部には上部引き出し電極部がそれぞ
れ導通接続され、上記下部引き出し電極部は下部電極パ
ッドに、上部引き出し電極部は上部電極パッドにそれぞ
れ導通接続されている圧電薄膜振動子において、上記下
部電極パッドと上部電極パッドの一方側から上記積層体
を迂回して他方側の電極パッドに至る電流の通電経路を
構成する基板には電流の流れを妨げる通電妨害部が形成
されている構成をもって前記課題を解決する手段として
いる。
【0021】第2の発明は、上記第1の発明を構成する
通電妨害部は電流の通電経路の断面積を削減する構成と
成している構成をもって前記課題を解決する手段として
いる。
【0022】第3の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する通電妨害部は、積層体の保持形成面である基板
上面から基板底面に貫通する1個以上の貫通孔により形
成されている構成をもって前記課題を解決する手段とし
ている。
【0023】第4の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する通電妨害部は、積層体の保持形成面である基板
上面と、基板底面とのうちの一方側あるいは両方に形成
される1個以上の凹部により形成されている構成をもっ
て前記課題を解決する手段としている。
【0024】第5の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する通電妨害部は、基板の側面全周に、あるいは、
基板側面に部分的に形成される切り欠きにより形成され
ている構成をもって前記課題を解決する手段としてい
る。
【0025】第6の発明は、上記第1又は第2又は第3
又は第4又は第5の発明を構成する積層体は基板の厚み
方向に切り欠き形成される開口部の上側に保持形成され
る構成とし、通電妨害部は上記開口部を除いた基板部分
に設けられる構成をもって前記課題を解決する手段とし
ている。
【0026】第7の発明は、上記第1又は第2又は第3
又は第4又は第5の発明を構成する積層体は絶縁部材が
空隙を介して基板上面と対向するように配設される構成
をもって前記課題を解決する手段としている。
【0027】第8の発明は、基板の厚み方向に切り欠き
形成される開口部の上側に絶縁部材と下部電極部と圧電
薄膜部材と上部電極部が順に積層形成され、上記下部電
極部には下部引き出し電極部が、上部電極部には上部引
き出し電極部がそれぞれ導通接続され、上記下部引き出
し電極部は下部電極パッドに、上部引き出し電極部は上
部電極パッドにそれぞれ導通接続されており、上記下部
電極パッドと上部電極パッドの一方側から上記積層体を
迂回して他方側の電極パッドに至る電流の通電経路を構
成する基板には電流の流れを妨げる貫通孔あるいは凹部
あるいは切り欠きにより構成される通電妨害部が形成さ
れている圧電薄膜振動子の製造方法であって、まず、基
板に上記開口部と通電妨害部とを同時にエッチング技術
により形成し、その後、上記形成された開口部の上側に
絶縁部材を介して下部電極部を成膜形成すると同時に下
部引き出し電極部と下部電極パッドを成膜形成し、上記
下部電極部の上側に圧電薄膜部材を成膜形成し、然る後
に、上記圧電薄膜部材の上側に少なくとも上部電極部が
形成されるように上部電極部と上部引き出し電極部と上
部電極パッドを同時に成膜形成する構成をもって前記課
題を解決する手段としている。
【0028】上記構成の発明において、下部電極パッド
と上部電極パッドのうちの一方側から積層体を迂回して
他方側の電極パッドに至る電流のサブ通電経路を構成す
る基板に、電流の流れを妨げる通電妨害部を設けること
によって、圧電薄膜振動子の共振周波数の電流通電時に
はもちろんのこと、反共振周波数の電流通電時にも、電
流は基板を流れ難くなって上記電流のサブ通電経路のイ
ンピーダンスを、一方の電極パッドから積層体を通って
他方側の電極パッドに至る電流のメイン通電経路のイン
ピーダンスよりも大きくすることができる。
【0029】このことから、反共振周波数の電流通電時
にも電流の多くは上記メイン通電経路を通電しサブ通電
経路には流れないことから、反共振周波数の電流通電時
における圧電薄膜振動子の反共振点付近の周波数特性の
悪化が回避される。
【0030】また、基板に形成される開口部の上側に積
層体を形成し、上記開口部以外の基板部分に貫通孔や凹
部や切り欠きにより構成される通電妨害部を形成する圧
電薄膜振動子にあっては、上記開口部と通電妨害部を同
時にエッチング技術により形成することができるので、
エッチングパターンの設計変更だけで、従来と同様な製
造工程で圧電薄膜振動子を製造することができ、製造工
程の煩雑化が防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づき説明する。
【0032】図1には第1の実施形態例の圧電薄膜振動
子が平面図により示され、図2には図1に示すA−A部
分の断面図が示されている。この第1の実施形態例が前
記図16および図17に示す圧電薄膜振動子と異なる特
徴的なことは、基板1に通電妨害部である凹部20を形
成したことである。それ以外の構成は前記図16および
図17に示す圧電薄膜振動子の構成と同様であり、図1
6および図17に示す圧電薄膜振動子と同一構成部分に
は同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略す
る。
【0033】本発明者は、電極パッド10a,10bの
一方側から基板1を通って他方側の電極パッドに至る電
流のサブ通電経路のインピーダンスZs(図13に示す
等価回路13のインピーダンスZs)を大きくして、反
共振周波数Fhの電流通電時における圧電薄膜振動子
(振動素子P)の周波数特性の悪化を防止することを考
え、このことから、等価回路13の抵抗体Rs(つま
り、基板1により定まる抵抗成分)を大きくすることで
インピーダンスZsを大きくすることに着目した。
【0034】この実施形態例では、図1および図2に示
すように、振動素子Pが形成される基板1の基板上面と
は反対の面となる基板底面に、開口部2とは異なる凹部
20が形成されている。このように、基板1に凹部20
を形成することによって、一方の電極パッド10から基
板1を通って他方側の電極パッド10に至る電流のサブ
通電経路の断面積を削減することができ、このことによ
って、電流は基板1を流れ難くなり、つまり、基板1に
より定まる等価回路13の抵抗体Rsの抵抗成分の大き
さRsを大きくすることができてサブ通電経路のインピ
ーダンスZsを大きくすることができる。
【0035】この実施形態例では、反共振周波数の電流
通電時におけるメイン通電経路のインピーダンスZpよ
りも、上記サブ通電経路のインピーダンスZsを大きく
することができ、かつ、基板1の強度を損なわない適宜
の形状および大きさに凹部20が形成されている。この
ように、凹部20を形成することによって、サブ通電経
路のインピーダンスZsは、反共振周波数Fhの電流通
電時におけるメイン通電経路のインピーダンスZpより
も大きくなり、反共振周波数の電流通電時であっても、
電流の多くは上記メイン通電経路を流れサブ通電経路に
は殆ど流れないので、振動素子Pの周波数特性の悪化を
防止することができる。
【0036】この実施形態例に示す圧電薄膜振動子は上
記のように構成されており、以下に、その圧電薄膜振動
子の製造手法の一例を図3に基づき簡単に説明する。こ
の製造手法において特徴的なことは、開口部2をエッチ
ング技術により形成するときに同時に凹部20を形成し
て製造工程の煩雑化を防止することであり、それ以外は
前記した圧電薄膜振動子の製造手法とほぼ同様である。
なお、図3には図1に示すA−A部分の断面により圧電
薄膜振動子の製造工程が示されている。
【0037】例えば、まず、図3の(a)に示すよう
に、振動素子Pの保持形成面である基板1の上面とは反
対の基板底面の全領域に薄膜部材(例えば、酸化シリコ
ン膜)15を蒸着やスパッタリング等の成膜形成技術等
により形成し、次に、図3の(b)に示すように、開口
部2と凹部20の形成領域に対応する薄膜部材15の部
分をフォトリソグラフィ技術等により取り除く。その
後、図3の(c)に示すように、基板上面の全領域に絶
縁部材3を成膜形成技術により成膜形成する。
【0038】次に、薄膜部材15の開口部から露出して
いる基板1部分をテトラメチルアンモニウム水溶液(T
MAH)や水酸化カリウム(KOH)やエチレンジアミ
ンピロカテコール(EDP)やヒドラジン等のエッチン
グ液(エッチャント)を用いて、基板1の底面側から、
図3の(d)に示すように、除去し、基板1に開口部2
と凹部20を同時に形成する。
【0039】このエッチング工程で使用されるエッチン
グ液により絶縁部材3と薄膜部材15が損傷しないよう
に、上記絶縁部材3と薄膜部材15は上記エッチング液
に対して耐久性が高い材料により構成される。
【0040】その後、前述したように、上記開口部2の
上側に絶縁部材3を介して図3の(e)に示すように下
部電極部4を形成すると同時に、該下部電極部4に導通
接続する下部引き出し電極部7と、該下部引き出し電極
部7に導通接続する電極パッド10aとを同時に成膜形
成し、さらに、その下部電極部4の上側に、図3の
(f)に示すように、圧電薄膜部材5を形成し、さら
に、その圧電薄膜部材5の上側に、図3の(g)に示す
ように、上部電極部6と上部引き出し電極部8と電極パ
ッド10bとを同時に成膜形成する。以上のようにし
て、通電妨害部である凹部20が形成された圧電薄膜振
動子が完成する。
【0041】この実施形態例によれば、基板1に開口部
2とは別個の凹部20を形成するので、一方の電極パッ
ド10から基板1を通って他方側の電極パッド10に至
る電流のサブ通電経路における断面積を削減することが
でき、このことによって、電流は基板1を流れ難くな
り、サブ通電経路のインピーダンスZsを大幅に増加さ
せることができる。
【0042】このことによって、反共振周波数Fhの電
流通電時におけるメイン通電経路のインピーダンスZp
よりもサブ通電経路のインピーダンスZsを大きくする
ことができ、反共振周波数Fhの電流通電時であって
も、電流の多くはメイン通電経路を通電しサブ通電経路
には殆ど流れないことから、振動素子Pの反共振点付近
の周波数特性の悪化を防止することができ、図14の実
線に示すような良好な周波数特性を得ることができる。
【0043】また、基板1の底面側に凹部20を形成す
ることによって、圧電薄膜振動子を実装相手側のパッケ
ージ基板や実装基板等に接着部材を用いて接着実装させ
る際に、次のような問題発生を回避することができる。
その問題とは、圧電薄膜振動子の底面側を上記実装相手
側の基板に接着させる場合に、開口部2を囲む基板1の
底面領域と実装相手側の基板との間の余剰の接着部材が
開口部2内に入り込み、その接着部材が絶縁部材3に付
着して振動素子Pの振動特性を悪化させるというもので
ある。
【0044】この実施形態例では、上記の如く基板1の
底面側に凹部20を形成するので、上記開口部2を囲む
基板1の底面領域と実装相手側の基板との間の余剰の接
着部材は上記凹部20内に入り込み開口部2内に入り込
むのを防止することができる。このことから、上記開口
部2内に接着部材が入り込むことに起因した振動素子P
の振動特性の悪化の問題発生を回避することができる。
【0045】さらに、上記の如く接着部材は凹部20内
に入り込むので、上記接着部材と基板1の接着面積が増
加し、接着強度を高めることができる。
【0046】さらに、開口部2を形成するエッチング工
程でのエッチングパターンを変更するだけで、凹部20
は開口部2と同時に形成することができるので、従来の
圧電薄膜振動子の製造工程よりも工程が増加することは
なく、製造工程の煩雑化を防止することができる。
【0047】以下に、第2の実施形態例を説明する。こ
の実施形態例において特徴的なことは、図4に示すよう
に、基板1の上面から底面に貫通する通電妨害部である
貫通孔21を1個以上形成したことである。それ以外の
構成は前記第1の実施形態例と同様であり、前記第1の
実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共
通部分の重複説明は省略する。
【0048】この実施形態例では、図4に示すように、
基板1の底面側に形成された開口21aから基板1の上
面に至る(つまり、開口21aから絶縁部材3に至る)
貫通孔21が開口部2とは別個に形成されている。
【0049】上記の如く貫通孔21を形成することによ
って、上記第1の実施形態例と同様に、電流のサブ通電
経路の断面積を削減することができ、このことにより、
電流は基板1を流れ難くなってサブ通電経路のインピー
ダンスZsを大きくすることができる。
【0050】この実施形態例では、サブ通電経路のイン
ピーダンスZsが反共振周波数Fhの電流通電時におけ
るメイン通電経路のインピーダンスZpよりも大きくな
るように、かつ、基板1の強度を損なわない適宜の大き
さおよび形状および個数で貫通孔21が形成されてい
る。もちろん、上記貫通孔21の形成個数は、図6に示
すように、複数でもよいし、上記貫通孔21の開口形状
は、円形でもよいし、図7に示すように、溝状でもよい
し、三角以上の多角形状で形成してもよい。
【0051】この第2の実施形態例に示す圧電薄膜振動
子も、前記第1の実施形態例と同様な製造手法によって
製造することができる。すなわち、基板1の底面全領域
に薄膜部材15を形成し、開口部2と貫通孔21の形成
領域に対応する薄膜部材15の部分を除去した後に、薄
膜部材15の開口から露出されている基板底面部分から
絶縁部材3に達するまで基板1をエッチング除去するこ
とによって、上記開口部2と貫通孔21を同時に形成す
ることができ、製造工程の煩雑化を防止することができ
る。
【0052】この第2の実施形態例によれば、基板1の
貫通孔21を形成したので、一方の電極パッド10から
基板1を通って他方側の電極パッド10に至る電流のサ
ブ通電経路における断面積を削減することができ、この
ことにより、上記サブ通電経路のインピーダンスZsを
削減することができる。このことから、前記第1の実施
形態例で述べたように、反共振周波数Fhの電流通電時
における振動素子Pの反共振点付近の周波数特性の悪化
を防止することができる。
【0053】また、基板1の底面側に貫通孔21の開口
部を形成することによって、上記第1の実施形態例と同
様に、圧電薄膜振動子と実装相手側の基板等との接着強
度を高めることができるという効果や、接着部材が開口
部2内に入り込むのを防止して接着部材による振動素子
Pの振動特性の悪化の問題発生を回避するという効果を
奏することができる。
【0054】さらに、開口部2と同時に貫通孔21を形
成することができるので、エッチングを行う部分を定め
るためのエッチングパターンを変更するだけで、従来と
同様な製造工程で製造することができる。つまり、製造
工程を増加することなく製造することができるので、製
造工程の煩雑化を防止することができる。
【0055】以下に、第3の実施形態例を説明する。こ
の実施形態例において特徴的なことは、図8に示すよう
に、基板1の側面の全周に亙り通電妨害部である切り欠
き22を形成したことであり、それ以外の構成は前記各
実施形態例の構成と同様であり、前記各実施形態例と同
一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説
明は省略する。
【0056】上記の如く切り欠き22を形成することに
よって、前記各実施形態例と同様に、電流のサブ通電経
路のインピーダンスZsを大きくすることができる。こ
の実施形態例では、サブ通電経路のインピーダンスZs
が反共振周波数Fhの電流通電時におけるメイン通電経
路のインピーダンスZpよりも大きくなるように、か
つ、基板1の強度を損なわない適宜の大きさおよび形状
に切り欠き22が形成されている。
【0057】ところで、通常、圧電薄膜振動子は同一の
基板に同時に複数個形成された後に、各圧電薄膜振動子
間を区画する図9に示す区画ライン23に沿って分離さ
れてチップ状の圧電薄膜振動子が製造される。上記切り
欠き22は各圧電薄膜振動子間の境界領域に沿って(つ
まり、区画ライン23に沿って)溝24を形成すること
により、形成することができる。
【0058】この実施形態例の圧電薄膜振動子は上記の
ように構成されており、開口部2を形成すると同時に切
り欠き22(溝24)を形成することで、製造工程の煩
雑化を防止した上記各実施形態例とほぼ同様の製造手法
により製造することができ、特徴的なことは、上記溝2
4に沿って基板1を劈開するだけで、ダイシングマシン
等の切断機械等を使用せずに簡単に、各圧電薄膜振動子
を分離してチップ形成することができることである。
【0059】この実施形態例によれば、基板1に切り欠
き22を形成したので、電流のサブ通電経路の断面積を
削減することができ、前記各実施形態例と同様に、サブ
通電経路のインピーダンスZsを大きくすることがで
き、反共振周波数Fhの電流通電時における振動素子P
の反共振点付近の周波数特性の悪化を防止することがで
きる。また、この実施形態例に示す切り欠き22は開口
部2と同時にエッチング工程により形成することがで
き、圧電薄膜振動子の製造工程の煩雑化を防止すること
ができる。
【0060】さらに、この実施形態例では、基板1はシ
リコン基板を用いており、同一基板に形成された複数の
圧電薄膜振動子間の境界領域に溝24を形成することで
切り欠き22を形成することができるので、上記溝24
を利用してシリコン基板を劈開するだけで、各圧電薄膜
振動子をダイシングマシン等々を使用せずに簡単に分離
することができる。
【0061】なお、この発明は上記各実施形態例に限定
されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例
えば、上記各実施形態例では、凹部20又は貫通孔21
又は切り欠き22はエッチング技術を用いて形成してい
たが、それら凹部20又は貫通孔21又は切り欠き22
はレーザー加工技術あるいは切削技術等のエッチング技
術以外の技術により形成してもよい。
【0062】また、上記各実施形態例では、基板1は面
方位{100}のシリコン基板により構成されていた
が、基板1は、例えば、面方位{110}のシリコン基
板や面方位{111}のシリコン基板や、GaAsや金
属やセラミックスやガラス等のシリコン以外の材料の基
板により構成してもよい。
【0063】さらに、上記各実施形態例では、絶縁部材
3は酸化シリコン膜により構成されていたが、絶縁部材
3は上記酸化シリコン膜以外の絶縁材料により構成して
もよい。さらに、上記各実施形態例では、圧電薄膜部材
5はZnOにより構成されていたが、例えば、PZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)や窒化アルミニウム(Al
N)等のZnO以外の圧電材料により圧電薄膜部材5を
構成してもよい。
【0064】さらに、上記各実施形態例では、絶縁部材
3は、基板1の底面側に開口部2等を形成した後に、基
板1の上面に積層形成されていたが、基板1の底面側に
開口部2等を形成する前に、絶縁部材3を基板1の上面
に積層形成するようにしてもよい。
【0065】さらに、上記第1の実施形態例では、凹部
20は基板1に唯1個形成されていたが、図6に示すよ
うに、上記凹部20は基板1の強度を考慮して複数個形
成してもよい。また、上記第1の実施形態例に示す凹部
20や、第2の実施形態例に示す貫通孔21は、図7に
示すように、溝状に形成してもよい。
【0066】さらに、上記第1の実施形態例では、凹部
20は基板1の底面側に形成されていたが、図5に示す
ように、基板1の上面側に凹部20を形成してもよい
し、基板1の両方に形成してもよい。さらに、上記第1
の実施形態例では、凹部20の開口部の形状は方形状で
あったが、円形や三角形や5角以上の多角形状等であっ
てもよい。
【0067】さらに、上記第2の実施形態例では、基板
1に形成される貫通孔21の開口部は基板1の底面側に
形成されていたが、貫通孔21の開口部は基板1の上面
側に形成してもよい。
【0068】さらに、上記第3の実施形態例では、基板
1の側面全周に亙り切り欠き22が形成されていたが、
図10に示すように、基板1の側面に部分的に切り欠き
22を形成してもよい。この場合には、同一基板に形成
された複数の圧電薄膜振動子間を区画する区画ライン2
3に沿って、切り欠き22を形成するための溝24が断
続的に形成されることになる。このように、基板1に溝
24を断続的に設けても、各圧電薄膜振動子間を劈開分
離することができる。
【0069】さらに、上記各実施形態例では、通電経路
の断面積を削減して電流の流れを妨げる構成の通電妨害
部が形成されていたが、例えば、基板1内に電流の流れ
を妨げる抵抗率が大きい材料により構成された部材を組
み込み挿入して通電妨害部を構成してもよい。
【0070】さらに、上記各実施形態例では、開口部2
が形成されている基板1部分の上側に絶縁部材3と下部
電極部4と圧電薄膜部材5と上部電極部6が順に積層さ
れて振動素子Pが形成されるダイヤフラム型の圧電薄膜
振動子を例にして説明したが、この発明は、図11に示
すように、上記振動素子Pが絶縁部材3を基板側に向け
基板1と空隙25を介して基板1に保持形成されている
ブリッジ型の圧電薄膜振動子にも適用することができ、
この場合にも上記各実施形態例と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0071】
【発明の効果】この発明によれば、一方の電極パッドか
ら積層体を迂回して他方側の電極パッドに至る電流の通
電経路を構成する基板に電流の流れを妨げる通電妨害部
を形成したので、上記通電経路を電流が流れ難くなり、
上記通電経路のインピーダンスを大きくすることができ
る。
【0072】このように、電流の通電経路のインピーダ
ンスを大きくすることができるので、通電の周波数によ
らずに、一方の電極パッドから積層体を通って他方側の
電極パッドに至る電流の通電経路のインピーダンスより
も、上記積層体を迂回する通電経路のインピーダンスを
大きくすることができ、このことに起因して圧電薄膜振
動子が持つ反共振周波数の電流通電時における圧電薄膜
振動子の周波数特性の悪化を回避することができる。
【0073】通電妨害部が電流の通電経路の断面積を削
減する構成と成しているものや、通電妨害部が貫通孔又
は凹部又は切り欠きにより構成されているものにあって
は、基板の一部分を除去するだけで通電妨害部を形成す
ることが可能となり、基板に通電妨害部を容易に形成す
ることができる。
【0074】特に、基板に形成される開口部の上側に積
層体が保持される圧電薄膜振動子に、上記通電妨害部で
ある貫通孔又は凹部又は切り欠きが形成されるものにあ
っては、本発明の圧電薄膜振動子の製造方法を適用する
ことができ、つまり、上記基板に開口部と上記通電妨害
部とを同時にエッチング技術を用いて形成することがで
きるので、製造工程を加えることなく圧電薄膜振動子を
製造することができ、製造工程の煩雑化を防止すること
ができる。
【0075】また、上記開口部が形成される基板底面側
に、上記通電妨害部である貫通孔又は凹部の開口や、切
り欠きが形成される場合には、圧電薄膜振動子がパッケ
ージ基板や実装基板に実装される際に、上記開口部を囲
む基板の底面側領域と上記接続相手側の基板との間の過
剰な接着部材は上記貫通孔又は凹部又は切り欠き内に入
り込むことになるので、上記過剰な接着部材が上記開口
部内に入り込むのを防止することができ、この開口部内
に入り込んだ接着部材によって圧電薄膜振動子の振動特
性が悪化するという問題発生を回避することができる。
【0076】さらに、圧電薄膜振動子と接続相手側の基
板等とを接着するための上記接着部材は、上記の如く貫
通孔又は凹部又は切り欠き内に入り込むことになるの
で、圧電薄膜振動子と接着部材との接着面積が広くな
り、圧電薄膜振動子と接続相手側の基板等との接着強度
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の圧電薄膜振動子を平面図に
より示すモデル図である。
【図2】図1に示すA−A部分の断面を示す断面図であ
る。
【図3】図1および図2に示す圧電薄膜振動子の製造手
法の一例を示す説明図である。
【図4】第2の実施形態例を示すモデル図である。
【図5】通電妨害部である凹部を基板の上面に形成する
一例を示す説明図である。
【図6】通電妨害部である凹部又は貫通孔を複数個基板
に形成する一例を示す説明図である。
【図7】通電妨害部である凹部又は貫通孔を溝状に形成
する一例を示す説明図である。
【図8】第3の実施形態例を示す説明図である。
【図9】通電妨害部である切り欠きを圧電薄膜振動子に
設けた場合の効果の一つを示す説明図である。
【図10】通電妨害部である切り欠きのその他の形態例
を示す説明図である。
【図11】ブリッジ型の圧電薄膜振動子の一例を示す説
明図である。
【図12】電流のサブ通電経路を示す説明図である。
【図13】圧電薄膜振動子における電流の通電の等価回
路を示す回路図である。
【図14】圧電薄膜振動子の周波数特性の一例を示すグ
ラフである。
【図15】提案例を示す説明図である。
【図16】従来の圧電薄膜振動子の一例を示す平面図で
ある。
【図17】図16に示すA−A部分の断面を示す断面図
である。
【図18】従来における圧電薄膜振動子の製造手法の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 開口部 3 絶縁部材 4 下部電極部 5 圧電薄膜部材 6 上部電極部 7 下部引き出し電極部 8 上部引き出し電極部 10a 下部電極パッド 10b 上部電極パッド 20 凹部 21 貫通孔 22 切り欠き

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁部材と下部電極部と圧電薄膜部材と
    上部電極部とが順に積層形成された積層体が基板に絶縁
    部材を基板側に向けて保持形成されており、上記下部電
    極部には下部引き出し電極部が、上部電極部には上部引
    き出し電極部がそれぞれ導通接続され、上記下部引き出
    し電極部は下部電極パッドに、上部引き出し電極部は上
    部電極パッドにそれぞれ導通接続されている圧電薄膜振
    動子において、上記下部電極パッドと上部電極パッドの
    一方側から上記積層体を迂回して他方側の電極パッドに
    至る電流の通電経路を構成する基板には電流の流れを妨
    げる通電妨害部が形成されていることを特徴とする圧電
    薄膜振動子。
  2. 【請求項2】 通電妨害部は電流の通電経路の断面積を
    削減する構成と成していることを特徴とする請求項1記
    載の圧電薄膜振動子。
  3. 【請求項3】 通電妨害部は、積層体の保持形成面であ
    る基板上面から基板底面に貫通する1個以上の貫通孔に
    より構成されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の圧電薄膜振動子。
  4. 【請求項4】 通電妨害部は、積層体の保持形成面であ
    る基板上面と、基板底面とのうちの一方側あるいは両方
    に形成される1個以上の凹部により構成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧電薄膜振動
    子。
  5. 【請求項5】 通電妨害部は、基板の側面全周に、ある
    いは、基板側面に部分的に形成される切り欠きにより構
    成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の圧電薄膜振動子。
  6. 【請求項6】 積層体は基板の厚み方向に切り欠き形成
    される開口部の上側に保持形成される構成とし、通電妨
    害部は上記開口部を除いた基板部分に設けられることを
    特徴とした請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求
    項4又は請求項5記載の圧電薄膜振動子。
  7. 【請求項7】 積層体は絶縁部材が空隙を介して基板上
    面と対向するように配設されることを特徴とした請求項
    1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5
    記載の圧電薄膜振動子。
  8. 【請求項8】 基板の厚み方向に切り欠き形成される開
    口部の上側に絶縁部材と下部電極部と圧電薄膜部材と上
    部電極部が順に積層形成され、上記下部電極部には下部
    引き出し電極部が、上部電極部には上部引き出し電極部
    がそれぞれ導通接続され、上記下部引き出し電極部は下
    部電極パッドに、上部引き出し電極部は上部電極パッド
    にそれぞれ導通接続されており、上記下部電極パッドと
    上部電極パッドの一方側から上記積層体を迂回して他方
    側の電極パッドに至る電流の通電経路を構成する基板に
    は電流の流れを妨げる貫通孔あるいは凹部あるいは切り
    欠きにより構成される通電妨害部が形成されている圧電
    薄膜振動子の製造方法であって、まず、基板に上記開口
    部と通電妨害部とを同時にエッチング技術により形成
    し、その後、上記形成された開口部の上側に絶縁部材を
    介して下部電極部を成膜形成すると同時に下部引き出し
    電極部と下部電極パッドを成膜形成し、上記下部電極部
    の上側に圧電薄膜部材を成膜形成し、然る後に、上記圧
    電薄膜部材の上側に少なくとも上部電極部が形成される
    ように上部電極部と上部引き出し電極部と上部電極パッ
    ドを同時に成膜形成することを特徴とする圧電薄膜振動
    子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004096071A (ja) * 2002-03-18 2004-03-25 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエータの製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、及び、アクチュエータ母部材
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JPWO2016052129A1 (ja) * 2014-09-30 2017-05-18 株式会社村田製作所 弾性波装置及びその製造方法

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