JPH11284285A - 化合物半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体発光装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11284285A
JPH11284285A JP9838198A JP9838198A JPH11284285A JP H11284285 A JPH11284285 A JP H11284285A JP 9838198 A JP9838198 A JP 9838198A JP 9838198 A JP9838198 A JP 9838198A JP H11284285 A JPH11284285 A JP H11284285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
compound semiconductor
plating
substrate
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9838198A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kikuchi
敏 菊地
Atsunori Yamauchi
敦典 山内
Kenji Shimoyama
謙司 下山
Hideki Goto
秀樹 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP9838198A priority Critical patent/JPH11284285A/ja
Publication of JPH11284285A publication Critical patent/JPH11284285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発光点位置の安定化と装置の寿命および特性が
改良された化合物半導体発光装置およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】(1)基板上に、少なくとも、化合物半導
体層、初期導電層およびメッキ導電層を順次に設けて成
る化合物半導体発光装置において、メッキ導電層の厚み
の3σが平均値の30%以下である化合物半導体発光装
置、および、(2)基板上に、少なくとも、化合物半導
体層および初期導電層を順次に形成した後、基板の周囲
から電流を流しながらメッキすることによりメッキ導電
層を形成する化合物半導体発光装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体発光
装置およびその製造方法に関するものであり、詳しく
は、発光点位置の安定化と装置の寿命および特性が改良
された化合物半導体発光装置およびその製造方法に関す
るものである。本発明の化合物半導体発光装置は、情報
処理用や通信用などの光源として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】情報処理用や通信用などの光源に用いら
れる化合物半導体レーザ等の発光装置は、GaAs、G
aP等のIII−V族の化合物半導体、ZnSe等のII−VI
族の化合物半導体、サファイア等の基板上に、化合物半
導体層をエピタキシャル成長させた後、化合物半導体層
上および必要に応じて基板上に電極層を形成して製造さ
れる。
【0003】上記の電極層は、通常、初期導電層を蒸着
した後、Au、Ni等のメッキ導電層を積層して形成さ
れる。具体的には例えば次の様な手順が採用される。
(1)基板に蒸着機で導電層を作製する。(2)フォト
リソグラフィーによるメッキ用のパターンニングを作製
する。(3)メッキ用電極と基板とのコンタクトを得る
ため、基板上の端部のレジストを剥離する。(4)メッ
キ用電極を挟み込んだ基板および対極を加熱したメッキ
液に入れる。そして、(5)メッキ液に超音波振動を加
え、電極に電流を印加してメッキ導電層を形成させる。
【0004】図10は、従来のメッキ用電極の説明図で
あって、メッキ用電極(10)で基板(20)を挟み込
んだ状態を示す説明図である。従来のメッキ用電極(1
0)は、ピンセット状の構造を備え、挟み込み部に1〜
4個の接点を有する点接触式の電極である。そして、基
板としては、図示した形状の基板の他、半割れ等の基板
が用いられる。
【0005】上記の様にして電極層を形成した化合物半
導体発光装置は、通常、劈開工程、端面コーテイング工
程、チップ化工程、キャリアへのダイボンデイング工
程、ワイヤボンデイング工程を経て、発光素子として実
用に供される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、化合物半導
体発光装置、中でも化合物半導体レーザは、情報処理用
や通信用などの用途における他の光学素子との関係にお
いて、発光点位置を厳密に制御する必要があり、発光点
位置のずれがしばしば歩留まりを決定する。
【0007】しかしながら、特に、化合物半導体層(エ
ピ層)側(基板の逆側)をキャリアにボンデイングして
用いられるジャンクションダウン型の化合物半導体発光
装置においては、発光点位置に誤差が頻繁に発生すると
いう問題がある。また、特に、ジャンクションダウンを
行う際、導電層の表面の凹凸による、取り付け面との放
熱の低効率化により、レーザの寿命が短くなると共に特
性が悪化するという問題もある。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、発光点位置の安定化と装置の寿命お
よび特性が改良された化合物半導体発光装置およびその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、次の様な知見を得
た。(1)キャリア(サブマウント)にはんだ付けされ
るメッキ導電層の厚み及び導電層の凹凸に予想以上の大
きなばらつきがある。(2)斯かるばらつきが、発光点
位置の誤差、レーザの寿命、特性の悪化の最大の要因で
ある。(3)メッキ導電層形成の際に用いる電極の形状
を工夫することにより、メッキ導電層の厚み及び導電層
の凹凸の精度が飛躍的に向上する。
【0010】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その第1の要旨は、基板上に、少なくと
も、化合物半導体層、初期導電層およびメッキ導電層を
順次に設けて成る化合物半導体発光装置において、メッ
キ導電層の厚みの3σが平均値の30%以下であること
を特徴とする化合物半導体発光装置に存する。
【0011】そして、本発明の第2の要旨は、基板上
に、少なくとも、化合物半導体層および初期導電層を順
次に形成した後、基板の周囲から電流を流しながらメッ
キすることによりメッキ導電層を形成することを特徴と
する化合物半導体発光装置の製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、説明の便宜上、本発明に係る化合物半導体発光装
置の製造方法について説明する。本発明の製造方法にお
いては、基板上に、少なくとも、化合物半導体層および
初期導電層を順次に形成した後、メッキ導電層を形成す
る。すなわち、基板上にIII−V族やII−VI族などの化合
物半導体層をエピタキシャル成長させた後、通常、基板
側とエピ層側との両方に蒸着により初期導電層を設け、
エピ層側にメッキ導電層を設けることにより電極を形成
する。
【0013】基板としては、特に限定されないが、Ga
As、GaP、GaN、AlAs、AlP、AlN、I
nAs、InP、InN等のIII−V族化合物半導体基
板、ZnSe、ZnTe、ZnS、CdSe、CdT
e、CdS等のII−VI族化合物半導体基板、サファイヤ
基板、Si基板などが用いられる。
【0014】化合物半導体層の形成法としては、特に限
定されず、ハイドライド法、MBE、MOCVD等の気
相成長法や液相成長法などの公知のエピタキシャル成長
法が目的に応じて適宜採用される。
【0015】化合物半導体層の層構成は特に限定され
ず、また、クラッド層、活性層やコンタクト層の構成材
料も特に限定されない。例えば、AlGaAs、AlG
aInP、GaInAsP、AlGaInN、BeMg
ZnSSe、CdZnSeTe等の一般的なIII−V族、
II−VI族半導体を用いたDH構造などが挙げられる。
【0016】上記のクラッド層には、活性層より屈折率
が小さい材料が選択され、上記のコンタクト層には、通
常、バンドギャップがクラッド層のそれよりも小さい材
料が選択される。そして、上記のコンタクト層は、金属
電極とのオーミック性を取るための低抵抗であり且つ適
当なキャリア密度(すなわち、好ましくは1×1018
5×1019、より好ましくは5×1018〜2×1019
度)を有する。また、コンタクト層の厚みは、通常0.
01〜1000μm、好ましくは0.1〜20μm、更
に好ましくは0.5μm〜7μmの範囲である。
【0017】また、上記の活性層は、単一の層から成る
場合に限定されず、量子井戸構造および当該量子井戸層
を上下から挟む光ガイド層から成る単一量子井戸構造
(SQW)、複数の量子井戸層およびそれらに挟まれた
バリア層ならびに最上の量子井戸層の上および最下の量
子井戸層の下に積層された光ガイド層から成る多量子井
戸構造(MQW)であってもよい。
【0018】初期導電層は、通常、P側のエピ層上のフ
ォトリソグラフィーでパターンニングした部分にTi/
Pt/Au、Cr/Pt/Au及びそれらを組み合わせ
た層構成として形成される。初期導電層の厚みは、通常
100〜2000nm、好ましくは200〜700nm
の範囲である。初期導電層の形成には、電子ビーム蒸着
機、抵抗加熱蒸着機、スパッタリング装置などのドライ
プロセスの他、電解メッキ法、無電解メッキ法などのウ
エットプロセス、金属溶射法などの公知の方法を採用す
ることが出来る。また、初期導電層の材質は、特に限定
されず、上記の材質の他、金属、導電性化合物半導体、
導電性半導体、導電性高分子材料などを用いることが出
来る。
【0019】本発明の製造方法において、メッキ導電層
は、基板の周囲から電流を流しながら行うメッキにより
形成することが重要である。
【0020】上記の様なメッキは、電解メッキの際に従
来法とは異なる特定構造のメッキ用電極を用いることに
より行うことが出来る。図1〜6は、本発明で用いるメ
ッキ用電極の一例の説明図である。そして、以下に説明
する様に、図1〜3に示す電極は金属などの導電性平板
に導通部を除く全面を絶縁被覆して構成され、図4〜6
に示す電極は、樹脂などの絶縁性平板に導通部形成用の
導電性部材を嵌め込んで構成されている。
【0021】図1の平面図および側面図に示すメッキ用
電極(10)は、上方には把持部(1)を備えた平板部
(2)の下部に一条の凸部(3a)を形成すると共に中
央部には後述する基板(20)と略同一形状の空間部
(4)を形成し、当該空間部の沿った平面部には導通部
(5)を形成すると共に把持部(1)の上部の周囲には
電流供給部(6a)を形成し、そして、平板部(2)の
四隅にはネジ孔(7)を形成して構成されている。図1
に示すメッキ用電極(10)は金属製平板の加工により
得られ、その導通部(5)及び電流供給部(6a)はこ
れらを除く全表面を絶縁材(絶縁塗料や絶縁テープ等)
で被覆することにより構成されている。
【0022】図1に示すメッキ用電極(10)におい
て、基板(20)は、通常、その外周部が導通部(5)
の外周に位置する様に配置され、その上には、メッキ用
電極(10)と略同一形状であって且つ凸部(3a)に
嵌合する凹部(3b)を形成するとと共にその平板部の
四隅にはネジ孔(7)を形成した絶縁性押え板(30)
が載置される。そして、基板(20)は、メッキ用電極
(10)と絶縁性押え板(30)とをネジ止めすること
により固定される。
【0023】図2及び図3に示す各メッキ用電極(1
0)は、半割れ基板に態様のものであり、図1に示すメ
ッキ用電極(10)において、空間部(4)と導通部
(5)の形状が半割れ基板(図示せず)と略同一形状に
なされている点を除き、図1に示すメッキ用電極(1
0)と同一である。
【0024】図4の平面図および側面図に示すメッキ用
電極(10)は、上方には把持部(1)を備えた平板部
(2)の中央部には後述する基板(20)と略同一形状
の空間部(4)を形成し、当該空間部の沿った平面部に
は導通部(5)を形成すると共に把持部(1)の長手方
向には電流供給部(6b)を形成し、そして、平板部
(2)の四隅にはネジ孔(7)を形成して構成されてい
る。図4に示すメッキ用電極(10)は絶縁性平板の加
工により得られ、その導通部(5)及び電流供給部(6
b)は各々形成された凹部に導電性部材と被覆電極線と
を嵌合することにより構成されている。図4中の符号
(8)は電流供給部(6a)の凹部を示す。
【0025】図4に示すメッキ用電極(10)におい
て、基板(20)は、通常、その外周部が導通部(5)
の外周に接する様に嵌合され、その上には、メッキ用電
極(10)の平板部(2)と略同一形状であって且つ導
通部(5)の凹部に嵌合する凸部(9)を形成すると共
に平板部の四隅にはネジ孔(7)を形成した絶縁性押え
板(30)が載置される。そして、基板(20)は、メ
ッキ用電極(10)と絶縁性押え板(30)とをネジ止
めすることにより固定される。
【0026】図5及び図6に示す各メッキ用電極(1
0)は、半割れ基板に態様のものであり、図4に示すメ
ッキ用電極(10)において、空間部(4)と導通部
(5)の形状が半割れ基板(図示せず)と略同一形状に
なされている点を除き、図4に示すメッキ用電極(1
0)と同一である。
【0027】図1〜3に示す電極(以下、枠電極と称す
る)の材質としては、ステンレス、銅、りん青銅、黄
銅、アルミニウム、チタニウム、鋼などの金属の他、導
電性樹脂、導電性ゴム等が挙げられるが、メッキの後処
理などにおけるハンドリング性が良好なステンレス等が
好ましい。枠電極の導通部(5)の幅は、通常0.01
〜100mm、好ましくは1〜10mm、更に好ましく
は1〜5mmである。導通部(5)の基板(20)に対
する接触態様は、完全な枠構造である必要はなく、部分
的に非接触部があってもよい。すなわち、導通部(5)
の基板(20)に対する接触周長は、全体に対し、通常
10〜100%、好ましくは50〜100%、更に好ま
しくは80〜100%とされる。また、枠電極(10)
からの引き出しラインは、特に限定されず、図1〜3に
示す様な枠電極との一体構造の電流供給部(6a)の
他、導通部(5)からのリード線などによる引出構造で
あってもよい。
【0028】図4〜6に示す電極(以下、縁電極と称す
る)において、平板部(2)の凹部に導電性部材を嵌合
して形成される導通部(5)の幅は、通常0.01〜1
00mm、好ましくは0.01〜50mm、更に好まし
くは1〜10mmとされ、基板(20)に対する接触周
長は、枠電極の場合と同様の範囲とされる。導電性部材
としては、通常10〜100%、好ましくは50〜10
0%、更に好ましくは80%〜100%とされる。
【0029】上記の枠電極および縁電極の平板部(2)
の寸法(1辺の長さ)は、通常10〜1000mm、好
ましくは30〜500mm、厚みは、通常0.01〜5
0mm、好ましくは0.1〜5mmとされる。本発明に
おいては、基板(20)の周辺部全体から導通を取った
枠電極が好適に用いられる。
【0030】電気メッキは、メッキ用電極との導通を得
るために周辺部のレジストを剥離した基板をメッキ用電
極にセットし、対極と共にメッキ液に浸漬し、メッキ液
に超音波振動を加え、各電極間に電流を印加することに
より行われる。
【0031】形成するメッキ導電層の種類は、特に限定
されず、Ag、Au−Ag、Ni、Cu、Sn+Sb、
Sn−Ni、Pd、Ru、Rh等が挙げられる。また、
その厚みは、通常100〜20000nm、好ましくは
1000〜10000nmの範囲である。上記の対極と
しては、白金、銀、タンタル、ニッケル、チタン−白金
メッキ、銅、鉄、鉛などが用いられ、上記のメッキ液と
しては、目的とするメッキ導電層により、Agメッキ
液、Niメッキ液、Cuメッキ液などの公知の各メッキ
液が用いられる。好適に用いられるAuメッキ液の組成
の一例は、亜硫酸カリウム:1wt%、クエン酸:1w
t%、亜硫酸ナトリウム:1wt%、亜硫酸金ナトリウ
ム:Auとして50g/lである。
【0032】メッキ時のメッキ液の温度は、通常0〜1
00℃、好ましくは50〜80℃、更に好ましくは55
〜70℃、印加電流は、通常1μA〜10A、好ましく
は5〜100mA、更に好ましくは10mA〜30m
A、メッキ時間は、通常1秒〜24時間、好ましくは1
〜300分、更に好ましくは10分〜60分の範囲とさ
れる。なお、メッキ時には、メッキ液の均一化方法とし
て、超音波振動の他、バブリング、攪拌などの手段が採
用される。
【0033】電圧印加の方法は、特に制限されず、並列
接続の他、直列、並列の混成接続であってもよい。ま
た、メッキ電極と対極との組み合わせを直列にし、ま
た、各組み合わせ電極に専用メッキ槽を設けることによ
り、複数枚の基板を同時に処理してメッキ導電層の形成
の効率化を図ることも可能である。更に、基板の取り付
け、メッキ液の加熱、超音波振動印加、電圧印加、基板
の取り外し、洗浄、乾燥などの操作は、自動化すること
も可能である。
【0034】電極が形成された素子は、良好なオーミッ
クコンタクトを得るためにアロイと呼ばれる熱処理がさ
れ、その後、半導体レーザの共振器と垂直な方向に劈開
し、バー状のレーザアレイにされる。そして、レーザバ
ーの劈開の端面には、通常SiNxやAl23等の複合
膜がコーテイングされる。コーテイング方法は、公知の
方法に従い、例えば、スパッタリング装置、電子ビーム
蒸着機、抵抗加熱蒸着機などによって行われる。コーテ
イング後、レーザバーは、更に1素子に劈開されてレー
ザチップとされ、ボンデイング工程を経て製品となる。
【0035】ダイボンデイングは、例えば厚み1〜90
μmのAuSnはんだ膜(Au70%、Sn30%)が
塗布されているAlN製のキャリアに対して行われ、上
記のはんだ材料としては、例えば、PbSn、AuS
i、AuGe等の公知の材料が用いられる。キャリアの
材料としては、例えば、T−cBN、BeO、SiC、
Al23、W、Mo、Cu、Si、GaAs等の公知の
材料が用いられる。ダイボンデイングの際の押し付け圧
力は通常1〜10kg/cm2 、ボンデイング温度は通常Au
とSnの共晶温度よりやや高い380℃程度、押し付け
時間は通常2〜15秒とされる。
【0036】キャリアにボンデイングされたレーザチッ
プのP側の導電層表面には、例えば線径10〜90μm
のワイヤがボンデイングされる。ワイヤの材料として
は、Au、Al、Al合金、Cu等の公知の材料が用い
られる。ワイヤボンデイングは、通常、10〜300g
の押し付け圧力で0.01〜0.9秒間10〜800m
Wの超音波振動を印加することにより行われる。
【0037】上記の様に形成されたレーザチップは、通
常、ヒートシンク、光出力モニター用フォトダイオード
と共に窒素雰囲気でCANパッケージに封止して組み上
げられる。最近では、小型化や低コスト化のため、レー
ザチップが光学部品と一体となった集積型光ピックとし
て組み上げられる場合もある。
【0038】次に、本発明の化合物半導体発光装置につ
いて説明する。本発明の化合物半導体発光装置は、特定
の方法でメッキ導電層を形成する上記の方法によって得
られ、その特徴は、メッキ導電層の厚みの3σが平均値
の30%以下、好ましくは20%以下である点に存す
る。これにより、本発明の化合物半導体発光装置は、光
点位置の誤差による歩留まり低下を大幅に少なくするこ
とが出来る。
【0039】特に、本発明においては、電流注入を行う
ストライプ状リッジの近傍における初期導電層の表面の
凹凸が0.5μm以上であっても前記の特定の方法で1
00〜20000nmのメッキ導電層を形成することに
より、上記の様なばらつきのない平坦表面を達成するこ
とが出来る。
【0040】化合物半導体発光装置には、ジャンクショ
ンダウン型とジャンクションアップ型とがある。前者
は、図7に示す様に、化合物半導体層側(基板(20)
の逆側)がヒートシンク(ステム)(40)上のキャリ
ア(サブマウント)(50)にボンデイングされた構造
であり、後者は、図8に示す様に、基板(20)側をキ
ャリア(50)にボンデイングした構造である。ジャン
クションダウン型は、ジャンクションアップ型に比し、
発光点(60)付近の発熱部をキャリア(50)に近接
して取り付けられるため、放熱効果に優れる。本発明
は、導電層の表面の凹凸のばらつきを小さくすることが
出来るため、特にジャンクションダウン型に好適に用い
られる。なお、図7及び図8中の符号(70)はワイヤ
を表す。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0042】実施例1 本実施例においては次の表1に示す仕様の図1に示す構
造のメッキ用枠電極(10)用いた。
【0043】
【表1】 本体材質 :ステンレス 平板部(2)の厚さ :3mm 平板部(2)の大きさ:700mm×700mm 導通部(5)の幅 :3mm
【0044】先ず、厚さ350μmのGaAs基板の
(100)面上に、ダブルヘテロ構造を形成し、更に、
p側のエピ層上に電子ビーム蒸着機で厚さ550nmの
Ti/Pt/Auの初期導電層を形成した後、フォトリ
ソグラフィーによるメッキ導電層用のパターンニングを
行った。
【0045】次いで、メッキ用枠電極(10)に上記の
基板(20)をセットし、絶縁性押え板(30)を取り
付けネジ止めした後、60℃のAuメッキ液(亜硫酸カ
リウム:1wt%、クエン酸:1wt%、亜硫酸ナトリ
ウム:1wt%、亜硫酸金ナトリウム:Auとして50
g/l)に浸漬し、白金を対極とし、超音波振動を加え
ながら、20mAの電流を25分間加え、初期導電層に
Auメッキ導電層を形成した。次いで、基板を100μ
mまで薄くした後に、基板側にn型の電極を蒸着し、ア
ロイした。その後、劈開によりチップを切り出し、公知
の方法に従ってレーザ共振器構造を形成した。上記のA
uメッキ導電層の厚さは4.2±0.5(3σ)〔μ
m〕、すなわち、3σが平均値の12%であり、発光点
距離は3σが平均値の20%以下であった。なお、電極
層を形成する各層の厚みは、レーザー式段差計で測定
し、各層の厚みの合計から発光点距離のばらつきを計算
により求めた。
【0046】実施例2及び実施例3 実施例1において、半割れ基板と共に図2または図3に
示す構造のメッキ用枠電極(10)用いた以外は、実施
例1と全く同様にしてレーザ共振器構造を形成した。何
れの場合も、Auメッキ導電層の厚さは4.2±0.5
(3σ)〔μm〕であり、発光点距離は3σが平均値の
20%以下であった。
【0047】実施例4 実施例1において、次の表2に示す仕様の図4に示す構
造のメッキ用枠電極(10)用いた以外は、実施例1と
全く同様にしてレーザ共振器構造を形成した。Auメッ
キ導電層の厚さは4.2±0.5(3σ)〔μm〕であ
り、発光点距離は3σが平均値の20%以下であった。
【0048】
【表2】 本体材質 :樹脂 平板部(2)の厚さ :3mm 平板部(2)の大きさ:700mm×700mm 導通部(5)の幅 :3mm
【0049】実施例5及び実施例6 実施例4において、半割れ基板と共に図5または図6に
示す構造のメッキ用枠電極(10)用いた以外、実施例
1と全く同様にしてレーザ共振器構造を形成した。何れ
の場合も、Auメッキ導電層の厚さは4.2±0.5
(3σ)〔μm〕であり、発光点距離は3σが平均値の
20%以下であった。
【0050】実施例7 本実施例においては、図9に示す層構成のレーザ共振器
構造を製作した。先ず、厚さ350μmのn型GaAs
基板(201)の(100)面上に次ぎの要領でダブル
ヘテロ構造を形成した。
【0051】MOCVD法により厚さ0.5μmのn型
GaAsバッファ層(202)、厚さ1.5μmのn型
AlGaAsクラッド層(203)、厚さ0.05μm
のAlGaAs活性層(204)、厚さ0.30μmの
p型AlGaAs光閉じ込め層(205)、厚さ0.0
1μmのp型AlGaAs酸化防止層(206)を順次
に積層した。
【0052】次いで、上記のダブルヘテロ基板の表面に
絶縁性のSiNx保護層(207)を200nmの厚さ
で堆積させ、フォトリソグラフィ法により、SiNx保
護膜(207)に幅2.0μmのストライプ状の窓(左
右のSiNx保護層で挟まれた領域)を開ける。その
後、MOCVD法を用いた選択成長により、ストライプ
状の窓の上に厚さ1.2μmのp型AlGaAsクラッ
ド層(208)と厚さ0.2μmのp型AlGaAsコ
ンタクト層(209)を形成した。
【0053】次いで、P側に電子ビーム蒸着機で厚さ5
50nmのTi/Pt/Auの初期導電層(210)を
形成した後、フォトリソグラフィーによるメッキ導電層
用のパターンニングを行い、更に、実施例1と同様にし
て電気メッキを行い、厚さ4.2±0.5(3σ)〔μ
m〕のAuメッキ導電層(211)を形成した。電流注
入を行うストライプ状リッジ近傍の表面の凹凸は次の通
りであった。
【0054】すなわち、上記の導電層(210)を形成
した段階の表面(蒸着のみの導電層の表面)は、レーザ
ー式段差計により求めた凹凸が1.2μm以上であった
のに対し、Auメッキ導電層(211)の形成後の表面
は、凹凸(R)が0.1〜0.3μm、厚みが4.2±
0.5(3σ)〔μm〕であり、非常に良好な平坦性を
有していた。
【0055】次いで、基板(201)を100μmまで
薄くした後に、基板側にn型の電極を蒸着し、アロイし
た。その後、劈開によりチップを切り出して、レーザ共
振器構造を形成した。これをジャンクションダウンで組
み立てた結果、導電層の表面の取り付け面との放熱効果
が向上し、レーザの寿命および特性が飛躍的に向上する
ことが確認できた。また、発光点距離は3σが平均値の
20%以下であった。
【0056】比較例1 実施例1において、図10に示す従来のメッキ用枠電極
(10)用いた以外は、実施例1と全く同様にしてレー
ザ共振器構造を形成した。その結果、導電層の厚み4.
8±1.9(3σ)〔μm〕において、厚みの3σが平
均値の±40%であった。すなわち、発光点位置、レー
ザの寿命、特性のばらつきに導電層の厚みの上記のばら
つきが大きく影響していた。
【0057】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、メッキ導
電層の厚みを非常に均一にすることができ、また、導電
層の表面の凹凸を非常に平坦化できる。その結果、本発
明の化合物半導体発光装置によれば、発光点位置の誤差
による歩留まりが低下が小さくしかも、レーザの寿命お
よび特性が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図2】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図3】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図4】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図5】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図6】本発明で用いるメッキ用電極の一例の説明図
【図7】化合物半導体発光装置のジャンクションダウン
の組立説明図
【図8】化合物半導体発光装置のジャンクションアップ
の組立方説明図
【図9】実施例7で製作したレーザ共振器構造の層構成
の説明図
【図10】従来のメッキ用電極の一例の説明図
【符号の説明】
1:把持部 2:平板部 3a:凸部 3b:凹部 4:空間部 5:導通部 6a:電流供給部 6b:電流供給部 7:ネジ孔 8:凹部 9:凸部 10:メッキ用電極 20:基板 30:絶縁性押え板 40:ヒートシンク(ステム) 50:キャリア(サブマウント) 60:発光点 70:ワイヤ 201:n型GaAs基板 202:n型GaAsバッファ層 203:n型AlGaAsクラッド層 204:AlGaAs活性層 205:p型AlGaAs光閉じ込め層 206:p型AlGaAs酸化防止層 207:SiNx保護層 208:p型AlGaAsクラッド層 209:p型AlGaAsコンタクト層 210:初期導電層 211:メッキ導電層 R:導電層の表面の凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 秀樹 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化学 株式会社筑波事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、化合物半導体
    層、初期導電層およびメッキ導電層を順次に設けて成る
    化合物半導体発光装置において、メッキ導電層の厚みの
    3σが平均値の30%以下であることを特徴とする化合
    物半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 電流注入を行うストライプ状リッジの近
    傍における初期導電層の表面に0.5μm以上の凹凸が
    存在する請求項1に記載の化合物半導体発光装置。
  3. 【請求項3】 ジャンクションダウン型である請求項1
    又は2に記載の化合物半導体発光装置。
  4. 【請求項4】 基板上に、少なくとも、化合物半導体層
    および初期導電層を順次に形成した後、基板の周囲から
    電流を流しながらメッキすることによりメッキ導電層を
    形成することを特徴とする化合物半導体発光装置の製造
    方法。
JP9838198A 1998-03-26 1998-03-26 化合物半導体発光装置およびその製造方法 Pending JPH11284285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9838198A JPH11284285A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 化合物半導体発光装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9838198A JPH11284285A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 化合物半導体発光装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11284285A true JPH11284285A (ja) 1999-10-15

Family

ID=14218303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9838198A Pending JPH11284285A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 化合物半導体発光装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11284285A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10804450B2 (en) Method of making layered structure with metal layers using resist patterns and electrolytic plating
US5990500A (en) Nitride compound semiconductor light emitting element and its manufacturing method
US8861561B2 (en) Semiconductor laser chip, semiconductor laser device, and semiconductor laser chip manufacturing method
EP2835885B1 (en) Light emitting element and method of producing same
US6316792B1 (en) Compound semiconductor light emitter and a method for manufacturing the same
US6777792B2 (en) Semiconductor device and package with high heat radiation effect
US7986722B2 (en) Nitride semiconductor light emitting element
US11626707B2 (en) Semiconductor laser diode
US11335830B2 (en) Photo-emission semiconductor device and method of manufacturing same
US20070165686A1 (en) Semiconductor laser device, semiconductor laser device mounting structure, semiconductor laser device manufacturing method and semiconductor laser device mounting method
KR101960128B1 (ko) 레이저 다이오드 디바이스
CN101728762B (zh) 半导体激光装置及其制造方法
JP2003031895A (ja) 半導体発光装置およびその製造方法
US20120099614A1 (en) Semiconductor laser device and manufacturing method thereof
JP5085369B2 (ja) 窒化物半導体発光装置及びその製造方法
CN101740674B (zh) 发光元件结构及其制造方法
US6268230B1 (en) Semiconductor light emitting device
US6349104B1 (en) Stripe-geometry heterojunction laser diode device
JPH11284285A (ja) 化合物半導体発光装置およびその製造方法
US4380862A (en) Method for supplying a low resistivity electrical contact to a semiconductor laser device
JPH1093186A (ja) 窒化物半導体レーザ素子
JP2001015861A (ja) 半導体レーザ装置
EP0133996A2 (en) Semiconductor laser
JP2002353553A (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP2001094211A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041028

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041214