JPH11282273A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11282273A
JPH11282273A JP10357498A JP10357498A JPH11282273A JP H11282273 A JPH11282273 A JP H11282273A JP 10357498 A JP10357498 A JP 10357498A JP 10357498 A JP10357498 A JP 10357498A JP H11282273 A JPH11282273 A JP H11282273A
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Toshihiko Yamazaki
敏彦 山▲ざき▼
Takeshi Ikuma
健 井熊
Masato Murayama
正人 村山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写ムラのない良好な画像を形成する。 【解決手段】 中間転写ベルト20が導電層21と、こ
の導電層の上に形成され抵抗層22と、中間転写ベルト
の端部の表面に露出し導電層に転写電圧を給電するため
の電極部23と、ビード26とを有しており、電極部と
感光体10との間に間隔Gを形成する円環状でリブ状の
ギャップ部材25が、中間転写ベルトにおけるビードの
内側面26aの延長線上またはその近傍に設けられてい
る。ギャップ部材は中間転写媒体の抵抗層よりも高い抵
抗値を有する材料、望ましくは絶縁材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機
等の画像形成装置に関する。特に、その中間転写ベルト
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いた画像形成
装置は、導電層の外周面に感光層を有する感光体と、こ
の感光体の感光層を一様に帯電させる帯電手段と、この
帯電手段により一様に帯電させられた感光層を選択的に
露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段
により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与
して可視像(トナー像)とする現像手段と、この現像手
段により現像されたトナー像を用紙等の記録媒体に転写
させる転写装置とを有している。
【0003】そして、感光体上に現像されたトナー像を
用紙等の記録媒体に転写させる転写装置としては、従
来、感光体上に形成されたトナー像が転写(一次転写)
され、このトナー像をさらに記録媒体に転写(二次転
写)する中間転写ベルトを備えたものが知られている。
【0004】図4は、このような中間転写ベルトを備え
た画像形成装置の一例を示す概念図で、(a)は概略斜
視図、(b)は図(a)におけるb−b部分断面図であ
る。
【0005】図において、1は感光体であり、導電層1
aと、この導電層1a上に形成された感光層1bとを有
している。導電層1aは接地されている。
【0006】2は中間転写ベルトであり、例えば抵抗値
が略107〜1014Ωcmの誘電体(中抵抗層)で構成
されている。このような中間転写ベルト2は、合成樹脂
等に導電性カーボンを混練することによって作成するこ
とができる。
【0007】中間転写ベルト2は、少なくとも画像形成
時には感光体1と接触し、この接触部T1が転写部(こ
の場合一次転写部)を形成する。一次転写部T1には、
中間転写ベルト2の内方から一次転写ローラ3が配置さ
れており、この一次転写ローラ3によって中間転写媒体
2に一次転写電圧が印加される。
【0008】また、中間転写ベルト2には、二次転写電
圧を印加する二次転写ローラ4が圧接され、この圧接部
が二次転写部T2を形成する。二次転写部T2には、中
間転写ベルト2の内方からバックアップローラ5が配置
されている。
【0009】画像形成時には、先ず、感光体1および中
間転写ベルト2が回転駆動され、感光体1の感光層1b
が帯電手段(図示せず)で一様に帯電させられた後に露
光手段(図示せず)で選択的に露光されて静電潜像が形
成される。次いで、静電潜像に現像手段(図示せず)で
現像剤であるトナーが付与されて可視像(トナー像)と
なり、このトナー像が、一次転写部T1において中間転
写ベルト2上に転写され、その後、二次転写部T2にお
いて、この二次転写部T2に供給される用紙等の記録媒
体に転写される。
【0010】トナー像が転写された記録媒体は、図示し
ない定着器を通過することによってトナー像が定着され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の画像形
成装置における中間転写体2は、合成樹脂等に導電性カ
ーボン等の導電性粒子を混練することにより作成される
単層構造のものであり、導電性粒子が樹脂中に均一に分
散しにくいため、その抵抗値にムラが生じ易かった。
【0012】したがって、転写部における電界にムラが
生じ易く、結果として転写ムラが生じ易いという問題が
あった。
【0013】また、樹脂中のゲル化成分や導電性粒子の
凝集塊による中間転写体表面の局部的な突起が生じ易
く、したがって、感光体と中間転写体との当接部や中間
転写体とその裏面に配置されるローラとの当接部におい
て、当接が局部的に不安定となり、やはり転写ムラが生
じ易いという問題があった。
【0014】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、転写ムラが生じ難く、良好な画像を形成することの
できる画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の画像形成装置は、導電層上に形成され
た感光層の表面に画像が形成される感光体と、この感光
体表面との間で転写部を形成し、この転写部において前
記画像が転写される中間転写ベルトとを有する画像形成
装置であって、前記中間転写ベルトが、導電層と、この
導電層の上に形成され前記画像が転写される抵抗層と、
中間転写ベルトの端部の表面に露出し前記導電層に転写
電圧を給電するための電極部と、ベルトの裏面端部に沿
って設けられたビードとを有しているとともに、前記電
極部と感光体との間に間隔を形成する円環状でリブ状の
ギャップ部材が、前記中間転写ベルトにおけるビードの
内側面の延長線上またはその近傍に設けられていること
を特徴とする。
【0016】請求項2記載の画像形成装置は、請求項1
記載の画像形成装置において、前記ギャップ部材が、前
記中間転写媒体の抵抗層よりも高い抵抗値を有する材料
で構成されていることを特徴とする。
【0017】請求項3記載の画像形成装置は、請求項2
記載の画像形成装置において、前記ギャップ部材が、絶
縁材料で構成されていることを特徴とする。
【0018】請求項4記載の画像形成装置は、請求項
1,2,または3記載の画像形成装置において、前記ギ
ャップ部材の断面形状が台形となっていることを特徴と
する。
【0019】
【作用効果】請求項1記載の画像形成装置によれば次の
ような作用効果が得られる。
【0020】(a)導電層上に形成された感光層の表面
に画像が形成される感光体と、この感光体表面との間で
転写部を形成し、この転写部において前記画像が転写さ
れる中間転写ベルトとを有しているので、感光体表面に
形成された画像が、転写部において中間転写ベルトに転
写される。
【0021】そして、中間転写体は、導電層と、この導
電層の上に形成され前記画像が転写される抵抗層とを有
する複層構造となっているので、抵抗層は、例えば、導
電性粒子を分散させた樹脂溶液を塗布し、硬化、乾燥さ
せることにより形成することが可能となる。このよう
に、樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に導電性粒子を
分散させた場合、熱溶融させた樹脂中に導電性粒子を混
練した場合よりも導電性粒子の分散性が良好となる。し
たがって、抵抗層自体の抵抗ムラを生じ難くすることが
できる。また、導電性粒子の分散性が良好となるので、
抵抗層表面の局部的な突起もほとんど生じなくすること
ができ、感光体等との当接を安定させて転写不良を防止
することが可能となる。
【0022】また、抵抗層が導電層上に一体的に形成さ
れているため、電極部によって導電層に転写電圧が供給
されると、抵抗層の裏側の電位が略均一となり、転写領
域全面に亙って略均一な転写電界が形成されることとな
る。
【0023】したがって、この請求項1記載の画像形成
装置によれば、転写部における電界にムラが生じ難くな
るとともに画像の位置ズレが生じ難くなり、結果とし
て、転写ムラおよび位置ズレの少ない良好な画像を形成
することが可能となる。
【0024】しかも、導電層に転写電圧を給電するため
の電極部が、中間転写ベルトの端部の表面に露出してい
るので、転写電圧を容易に導電層に給電することができ
る。
【0025】ところで、中間転写ベルトが上述したよう
な構成すなわち、導電層の上に抵抗層が形成されてお
り、導電層に転写電圧を給電するための電極部が中間転
写ベルトの端部の表面に露出し、裏面端部に沿ってビー
ドが設けられている構成であると、次のような問題が生
じることが分かった。
【0026】図5(a)に示すように、感光体1の感光
層1bにはピンホール1cが存在することがあり、この
ピンホール1cは図示のように感光体1の端部に存在し
ていることがある。
【0027】このような状況において、図5(b)に示
すように、中間転写ベルト20の構成が、導電層21の
上に抵抗層22が形成され、導電層21に転写電圧V1
を給電するための電極部23が中間転写ベルト10の端
部の表面に露出している構成であると、何等の方策も講
ぜられなければ、電極部23からピンホール1cを介し
て感光体1の導電層1aに流れる放電電流Eが生じ、転
写電圧V1が適正に印加されなくなって転写不良が生じ
るということが分かった。
【0028】また、例えば、図6に示すように、中間転
写ベルト20が張架されるローラのうち少なくとも一本
のローラ(例えば一次転写ローラ15)の端部にテーパ
面15aを形成し、このテーパ面15aにビード26を
当接させることによって中間転写ベルト20の蛇行を規
制する構成とした場合には、ビード26がテーパ面15
aと当接することによって、電極部23が、ビード26
の内側面26aの延長線上またはその近傍において屈曲
するため、この屈曲部23bと感光体1の導電層1aと
の間で放電が生じ易くなり、転写電圧V1が適正に印加
されなくなって転写不良が生じ易くなるということも分
かった。なお、この場合の放電は、必ずしも上述したピ
ンホール1cがなくても生じるおそれがある。また、一
次転写ローラ15が設けられていなくても、他のローラ
に上記テーパ面が形成されていれば、上記屈曲部23b
が生じ、この屈曲部23bは、いわば癖となって転写部
においても残り得るので、やはり上記放電が生じ易くな
るおそれがある。
【0029】これに対し、この請求項1記載の画像形成
装置によれば、中間転写ベルトの電極部と感光体との間
に間隔を形成する円環状でリブ状のギャップ部材が設け
られているので、このギャップ部材によって、転写部に
おける感光体の導電層表面と中間転写ベルトの電極部表
面との間に適正な間隔を形成することが可能となる。
【0030】しかも、ギャップ部材は、中間転写ベルト
におけるビードの内側面の延長線上またはその近傍に設
けられているので、電極部の上記屈曲が生じ難くなる。
【0031】したがって、この請求項1記載の画像形成
装置によれば、中間転写ベルトが上記構成となっている
にも拘らず、感光体端部にピンホールがあっても、上記
放電電流が発生せず、したがって、転写不良も生じなく
なる。
【0032】なお、中間転写ベルトが従来のような単層
構造のものであると、図5(b)に示すように、感光体
1の端部にピンホール1cがあっても上述したような問
題は生じない。
【0033】(b)前記ギャップ部材は、中間転写ベル
トにおけるビードの内側面の延長線上またはその近傍に
円環状でリブ状に設けられているので、トナーに対する
隔壁としての役割を果たし、抵抗層上のトナーが、電極
部の全面に亙って移動することが防止されることとな
る。
【0034】したがって、抵抗層上のトナーが電極部全
面に移動して電極部表面に付着することにより生じるお
それのある給電不良を防止することができる。
【0035】また、ギャップ部材がなければ生じるであ
ろう電極部の屈曲位置がギャップ材によって補強される
こととなるので、電極部の耐久性も向上することとな
る。
【0036】(c)ギャップ部材はリブ状に構成されて
いるので、上記電極部と略同幅のギャップ部材が感光体
端部に設けられている場合や上記電極部と略同幅の摺接
部材が感光体と中間転写ベルトとの間にこれら両者と摺
接可能に介装される場合に比べて、ギャップ部材と感光
体または中間転写ベルトとの接触面積が低減されること
となる。したがって、感光体および中間転写ベルトの幅
方向(軸線方向)の一部に力が付加されることによる回
転負荷の上昇、ねじれ、蛇行(片寄り)が低減されるこ
ととなる。
【0037】請求項2記載の画像形成装置によれば、請
求項1記載の画像形成装置において、前記ギャップ部材
が、前記中間転写媒体の抵抗層よりも高い抵抗値を有す
る材料で構成されているので、前述した放電電流の発生
が一層確実に防止され、転写不良が確実に防止されるこ
ととなる。
【0038】請求項3記載の画像形成装置によれば、請
求項2記載の画像形成装置において、前記ギャップ部材
が、絶縁材料で構成されているので、前述した放電電流
の発生がより一層確実に防止され、転写不良がより一層
確実に防止されることとなる。
【0039】請求項4記載の画像形成装置によれば、請
求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前
記ギャップ部材の断面形状が台形となっているので、ギ
ャップ部材の強度が向上することとなる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0041】図1は本発明に係る画像形成装置の一実施
の形態を示す図で、(a)は概略的な斜視図、(b)は
図(a)におけるb−b部分断面図である。
【0042】図において、10は感光体であり、導電層
10aと、この導電層10a上に形成された感光層10
bとを有している。導電層10aは接地されている。
【0043】20は中間転写ベルトであり、導電層21
と、この導電層21の上に形成された抵抗層22と、中
間転写ベルトの端部の表面に露出し前記導電層21に転
写電圧V1を給電するための電極部23と、ベルトの裏
面端部に沿って設けられたビード26とを有している。
この実施の形態では、合成樹脂からなる絶縁性基体24
の上に前記導電層21が形成されており、この導電層2
1の上に前記抵抗層22が形成されている。抵抗層22
が中間転写ベルト20の一側縁部において帯状に除去さ
れ、あるいは予め帯状に形成されないことによって導電
層21が帯状に露出しており、この露出部に電極部23
が形成されている。なお、導電層21の帯状露出部自体
によって電極部を形成することも可能である。ビード2
6は絶縁性基体24と一体的に、または絶縁性基体24
の裏面に貼付することにより形成されている。
【0044】中間転写ベルト20は、少なくとも画像形
成時には感光体10と接触し、この接触部T1が転写部
(この場合一次転写部)を形成する。一次転写部T1に
は、中間転写ベルト20の内方から一次転写ローラ15
が配置されているが、この一次転写ローラ15は必ずし
も設けなくてもかまわない。
【0045】図(a)に示すように、中間転写ベルト2
0の電極部23には、電極ローラ37が接触するように
配置されており、この電極ローラ37および電極部23
を介して、導電層21に、一次転写電圧V1が印加され
るようになっている。
【0046】また、中間転写ベルト20には、二次転写
電圧V2を印加する二次転写ローラ38が圧接され、こ
の圧接部が二次転写部T2を形成する。二次転写部T2
には、中間転写ベルト20の内方からバックアップロー
ラ33が配置されている。
【0047】ビード26と当接して中間転写ベルト20
の蛇行を規制するテーパ面は、中間転写ベルト20が張
架されるローラのうち少なくとも一本のローラに設けれ
ばよく、この実施の形態では、一次転写ローラ15の端
部にテーパ面15aを形成してある(図2参照)。な
お、一次転写ローラ15を設けない場合には、テーパ面
15aは、バックアップローラ33に形成する。
【0048】画像形成時には、先ず、感光体10および
中間転写ベルト20が回転駆動され、感光体10の感光
層10bが帯電手段(図示せず)で一様に帯電させられ
た後に露光手段(図示せず)で選択的に露光されて静電
潜像が形成される。次いで、静電潜像に現像手段(図示
せず)で現像剤であるトナーが付与されて可視像(トナ
ー像)となり、このトナー像が、一次転写部T1におい
て中間転写ベルト20上に転写され、その後、二次転写
部T2において、この二次転写部T2に供給される用紙
等の記録媒体に転写される。
【0049】トナー像が転写された記録媒体は、図示し
ない定着器を通過することによってトナー像が定着され
る。
【0050】ところで、前述したように感光体10の感
光層10bにはピンホール10cが存在することがあ
り、このピンホール10cは図(b)に示すように感光
体10の端部に存在していることがある。
【0051】このような状況において、中間転写ベルト
20の構成が、上述したように、導電層21の上に抵抗
層22が形成され、導電層21に転写電圧V1を給電す
るための電極部23が中間転写ベルト10の端部の表面
に露出している構成であると、何等の方策も講ぜられな
ければ、電極部23からピンホール10cを介して感光
体10の導電層10aに流れる放電電流が生じ、転写電
圧V1が適正に印加されなくなって転写不良が生じるこ
とは前述した通りである。
【0052】そこで、この実施の形態では、電極部23
と感光体10との間に間隔を形成する円環状でリブ状の
ギャップ部材25を、中間転写ベルト20におけるビー
ド26の内側面26aの延長線上に設けてある。ギャッ
プ部材25は、ビード26の内側面26aの延長線上近
傍に設けてもかまわない。ギャップ部材25の断面形状
は、仮想線25’で示すように台形状に構成することが
できる。ギャップ部材25は中間転写媒体20の抵抗層
22よりも高い抵抗値を有する材料、より望ましくは絶
縁材料で形成する。
【0053】以上のような画像形成装置によれば、次の
ような作用効果が得られる。
【0054】(a)導電層10a上に形成された感光層
10bの表面に画像が形成される感光体10と、この感
光体表面との間で転写部T1を形成し、この転写部T1
において前記画像が転写される中間転写ベルト20とを
有しているので、感光体10表面に形成された画像が、
転写部T1において中間転写ベルトに転写される。
【0055】そして、中間転写体20は、導電層21
と、この導電層21の上に形成され前記画像が転写され
る抵抗層22とを有する複層構造となっているので、抵
抗層22は、例えば、導電性粒子を分散させた樹脂溶液
を塗布し、硬化、乾燥させることにより形成することが
可能となる。このように、樹脂を溶剤に溶解させた樹脂
溶液中に導電性粒子を分散させた場合、熱溶融させた樹
脂中に導電性粒子を混練した場合よりも導電性粒子の分
散性が良好となる。したがって、抵抗層22自体の抵抗
ムラを生じ難くすることができる。また、導電性粒子の
分散性が良好となるので、抵抗層22表面の局部的な突
起もほとんど生じなくすることができ、感光体10等と
の当接を安定させて転写不良を防止することが可能とな
る。
【0056】また、抵抗層22が導電層21上に一体的
に形成されているため、電極部23によって導電層21
に転写電圧が供給されると、抵抗層22の裏側の電位が
略均一となり、転写領域全面に亙って略均一な転写電界
が形成されることとなる。
【0057】したがって、この実施の形態の画像形成装
置によれば、転写部T1における電界にムラが生じ難く
なるとともに画像の位置ズレが生じ難くなり、結果とし
て、転写ムラおよび位置ズレの少ない良好な画像を形成
することが可能となる。
【0058】しかも、導電層21に転写電圧V1を給電
するための電極部23が、中間転写ベルト20の端部の
表面に露出しているので、例えば図示のような電極ロー
ラ37によって転写電圧V1を容易に導電層21に給電
することができる。
【0059】(b)中間転写ベルト20の電極部23と
感光体10との間に間隔を形成する円環状でリブ状のギ
ャップ部材25が、中間転写ベルト20におけるビード
26の内側面26aの延長線上(またはその近傍)に設
けられているので、このギャップ部材25によって、転
写部T1における感光体10の導電層10a表面と中間
転写ベルト20の電極部23表面との間に適正な間隔G
を形成することが可能となる。
【0060】しかも、ギャップ部材25は、中間転写ベ
ルト20におけるビード26の内側面26aの延長線上
(またはその近傍)に設けられているので、図2に示す
ように、電極部23の前述した屈曲が生じ難くなる。ま
た、一次転写ローラ15が設けられているとしても、ギ
ャップ部材25によって、転写部T1における感光体1
0の導電層10a表面と中間転写ベルト20の電極部2
3表面との間に適正な間隔G’が形成されることとな
る。
【0061】したがって、中間転写ベルト20が上記構
成となっているにも拘らず、感光体10端部にピンホー
ル10cがあっても、上記放電電流の発生を防止し、転
写不良の発生を防止することができる。なお、上記間隔
GおよびG’は20μm以上となるように構成すること
が望ましい。上記間隔GおよびG’が20μm以上であ
れば、この種画像形成装置において採択される転写電圧
において上記放電電流が発生しないことは、本件発明者
による実験で確認されている。
【0062】また、前記電極部23に対向する部位の感
光層10bに部分的に薄い箇所があったとしても、放電
現象による新たなピンホールの生成が防止されることと
なる。
【0063】(c)ギャップ部材25は、中間転写ベル
ト20におけるビード26の内側面26aの延長線上
(またはその近傍)に円環状でリブ状に設けられている
ので、トナーに対する隔壁としての役割を果たし、抵抗
層22上のトナーが、電極部23の全面に亙って移動す
ることが防止されることとなる。
【0064】特に、中間転写ベルト20の抵抗層22に
対しては、この抵抗層22上に残留付着した廃トナーを
回収するクリーニング部材が配置されるのが一般でる
が、このクリーニング部材の端部からは廃トナーがこぼ
れ、あるいは完全には回収されないことがある。
【0065】これに対し、この実施の形態によれば、ギ
ャップ部材25がトナーに対する隔壁としての役割を果
たすことによって、上記廃トナーが電極部23上の全面
に亙って移動するのが防止されることとなる。
【0066】したがって、抵抗層22上のトナーが電極
部23の全面に移動して電極部23表面に付着すること
により生じるおそれのある給電不良を防止することがで
きる。
【0067】また、ギャップ部材25がなければ生じる
であろう電極部23の屈曲位置がギャップ材25によっ
て補強されることとなるので、電極部23の耐久性も向
上することとなる。
【0068】(d)ギャップ部材25の断面形状を仮想
線25’で示すように台形状に構成した場合には、ギャ
ップ部材25自体の強度がさらに向上する。
【0069】(e) ギャップ部材25はリブ状に構成
されているので、上記電極部23と略同幅のギャップ部
材が感光体端部に設けられている場合や上記電極部と略
同幅の摺接部材が感光体と中間転写ベルトとの間にこれ
ら両者と摺接可能に介装される場合に比べて、ギャップ
部材25と感光体10または中間転写ベルト20との接
触面積が低減されることとなる。したがって、感光体1
0および中間転写ベルト20の幅方向(軸線方向)の一
部に力が付加されることによる回転負荷の上昇、ねじ
れ、蛇行(片寄り)が低減されることとなる。
【0070】(f)ギャップ部材25が、中間転写媒体
20の抵抗層22よりも高い抵抗値を有する材料で構成
されているので、前述した放電電流の発生が一層確実に
防止されることとなる。ギャップ部材25が絶縁材料で
構成されている場合には、前述した放電電流の発生がよ
り一層確実に防止されることとなる。
【0071】
【実施例】図3は、上記実施の形態を適用することので
きる画像形成装置の一実施例を示す模式図である。図3
において、上述した実施の形態と同様の部分あるいは相
当する部分には同じ符号を付してある。
【0072】この画像形成装置は、イエロー、シアン、
マゼンタ、ブラックの4色のトナーによる現像器を用い
てフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0073】図3において、10は感光体であり、図示
しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動
可能である。
【0074】感光体10の周りには、その回転方向に沿
って、帯電手段としての帯電ローラ11、現像手段とし
ての現像ローラ17(Y,M,C,K)、中間転写装置
30、およびクリーニング手段12が配置されている。
【0075】感光体10は、円筒状の導電性基材10a
と、その表面に形成された感光層10bとを有してい
る。
【0076】帯電ローラ11は、感光体10の外周面に
当接して感光層10bを一様に帯電させることが可能で
ある(例えば−600V程度に帯電させることが可能で
ある)。一様に帯電した感光体10の外周面には、図示
しない露光ユニットによって所望の画像情報に応じた選
択的な露光Lがなされ、この露光Lによって感光体10
上に静電潜像が形成される。露光された部位すなわち静
電潜像が形成された部位の電位は、例えば−100V程
度となるようにすることができる。
【0077】この静電潜像は、現像ローラ17で、
「−」に帯電させられたトナーが付与されて現像され
る。
【0078】現像ローラとしては、イエロー用の現像ロ
ーラ17Y、シアン用の現像ローラ17C、マゼンタ用
の現像ローラ17M、およびブラック用の現像ローラ1
7Kが設けられている。これら現像ローラ17Y,17
C,17M,17Kは、選択的に感光体10に当接し得
るようになっており、当接したとき、イエロー、シア
ン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感
光体10の表面に付与して感光体10上の静電潜像を現
像する。
【0079】現像されたトナー像は、後述する中間転写
ベルトとしての中間転写ベルト20上に転写される。
【0080】クリーニング手段12は、上記転写後に、
感光体10の外周面に残留し付着しているトナーを掻き
落とすクリーナブレード13と、このクリーナブレード
13によって掻き落とされたトナーを受ける受け部14
とを備えている。
【0081】中間転写装置30は、駆動ローラ31と、
4本の従動ローラ32,33,34,35と、これら各
ローラの回りに張架された中間転写ベルト20とを有し
ている。
【0082】駆動ローラ31は、その端部に固定された
図示しない歯車が、感光体10の駆動用歯車(図示せ
ず)と噛み合っていることによって、感光体10と略同
一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト2
0が感光体10と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆
動され得る。
【0083】従動ローラ35は、駆動ローラ31との間
で中間転写ベルト20がそれ自身の張力によって感光体
10に圧接される位置に配置されていおり、感光体10
と中間転写ベルト20との圧接部において一次転写部T
1が形成されている。したがって、一次転写ローラ15
は設けられていない。従動ローラ35は、中間転写ベル
ト20の循環方向上流側において一次転写部T1の近く
に配置されている。
【0084】駆動ローラ31には、中間転写ベルト20
を介して電極ローラ37が配置されており、前述したよ
うに、この電極ローラ37を介して、中間転写ベルト2
0の導電層21に上記感光体10の帯電極性と逆極性の
転写電圧(一次転写電圧であり、例えば+500V程度
の電圧)V1が印加可能である。
【0085】従動ローラ32はテンションローラであ
り、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト20を
その張り方向に付勢している。
【0086】従動ローラ33は、二次転写部T2を形成
するバックアップローラである。このバックアップロー
ラ33には、中間転写ベルト20を介して二次転写ロー
ラ38が対向配置されている。二次転写ローラ38は、
図示しない接離機構により中間転写ベルト20に対して
接離可能である。二次転写ローラ38には、二次転写電
圧V2(一次転写電圧より大きな電圧であり例えば+1
000V程度の電圧)が印加される。
【0087】従動ローラ34は、ベルトクリーナ39の
ためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39
は、中間転写ベルト20と接触してその外周面に残留し
付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード39
aと、このクリーナブレード39aによって掻き落とさ
れたトナーを受ける受け部39bとを備えている。この
ベルトクリーナ39は、図示しない接離機構によって中
間転写ベルト20に対して接離可能である。
【0088】この実施例における中間転写ベルト20
は、その絶縁性基体24をシート状の透明なPETで構
成し、その上にAL蒸着して導電層21を形成し、その
上に、ウレタンをベース(結着樹脂)としフッ素微粒子
および導電剤としてのSnOを分散させた塗料を10〜
100μm程度の厚さで塗布して抵抗層22を形成した
ベルトの両端を超音波融着で溶着して無端状に構成して
ある。抵抗層22の表面抵抗は、108〜1015Ω/□
程度、体積抵抗率は107〜1014Ωcm程度とする。
導電層21の抵抗値は、10の6乗Ωcm以下とするこ
とが望ましい。なお、塗料は、ベルトの一側端縁部を帯
状に残して塗布することにより導電層21を帯状に露出
させ、この露出部で電極部23を形成しあるいは露出部
に電極部23を形成し、この電極部23に電極ローラ3
7を接触させるようにしてある。ギャップ部材25は、
ウレタンで形成する。ギャップ部材25は、シルク印
刷、またはテープを貼り付けることによって形成する。
シルク印刷にて形成した場合には、高さにバラツキのな
い、パターン化した形成が可能である。テープを貼り付
けることによって形成した場合には、製造中加熱等の処
理が不要なため、中間転写ベルト20が変質するおそれ
がなくなる。ビード26は、絶縁性基体24の裏面両端
部に、貼付してある。ビード26としてはシリコンゴム
を用い、その厚さ(突出高さ)は1.5mm程度とし、
幅は4mm程度とする。ビード26の弾性強度は、E=
2.0〜8.0MPa程度とする。
【0089】ビード26と当接して中間転写ベルト20
の蛇行を規制するテーパ面は、テンションローラ32の
両端部に設けてある。
【0090】電極ローラ37は、導電性を有する単泡フ
ォームからなる弾性ローラで構成する。
【0091】中間転写ベルト20が循環駆動される過程
で、一次転写部T1において、感光体10上のトナー像
が中間転写ベルト20上に転写され、中間転写ベルト2
0上に転写されたトナー像は、二次転写部T2におい
て、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記
録媒体Sに転写される。記録媒体Sは、図示しない給紙
装置から給送され、ゲートローラ対40によって所定の
タイミングで二次転写部T2に供給される。
【0092】以上のような画像形成装置全体の基本的作
動は次の通りである。
【0093】(i)図示しないホストコンピュータ等
(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画
像形成信号)が画像形成装置の制御部に入力されると、
感光体10、現像ローラ17、および中間転写ベルト2
0が回転駆動される。
【0094】(ii)感光体10の外周面が帯電ローラ
11によって一様に帯電される。
【0095】(iii)一様に帯電した感光体10の外
周面に、図示しない露光ユニットによって第1色目(例
えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光Lがな
され、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0096】(iv)感光体10には、第1色目(例え
ばイエロー)用の現像ローラ17Yのみが接触し、これ
によって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイ
エロー)のトナー像が感光体10上に形成される。
【0097】(v)中間転写ベルト20には上記トナー
の帯電極性と逆極性の一次転写電圧V1が印加され、感
光体10上に形成されたトナー像が、一次転写部すなわ
ち、感光体10と中間転写ベルト20との圧接部T1に
おいて中間転写ベルト20上に転写される。このとき、
二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は、中間
転写ベルト20から離間している。
【0098】(vi)感光体10上に残留しているトナ
ーがクリーニング手段12によって除去された後、図示
しない除電手段からの除電光によって感光体10が除電
される。
【0099】(vii)上記(ii)〜(vi)の動作
が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令
信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、
と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー
像が中間転写ベルト20上において重ね合わされて中間
転写ベルト20上に形成される。
【0100】(viii)所定のタイミングで記録媒体
Sが供給され、記録媒体Sの先端が第2転写部T2に達
する直前にあるいは達した後に(要するに記録媒体S上
の所望の位置に、中間転写ベルト20上のトナー像が転
写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写
ベルト20に押圧されるとともに二次転写電圧V2が印
加され、中間転写ベルト20上のトナー像(基本的には
フルカラー画像)が記録媒体S上に転写される。また、
ベルトクリーナ39が中間転写ベルト20に当接し、二
次転写後に中間転写ベルト20上に残留しているトナー
が除去される。
【0101】(ix)記録媒体Sが図示しない定着装置
を通過することによって記録媒体S上にトナー像が定着
し、その後、記録媒体Sが装置外に排出される。
【0102】以上のような画像形成装置によれば、感光
体10に対して、中間転写ベルト20がローラ31,3
5間で圧接されるので、圧接部(一次転写部)T1にお
いて、中間転写ベルト20は、それ自体の張力によって
感光体10に圧接されることとなる。
【0103】したがって、上記圧接部T1において中間
転写ベルト20を感光体10に圧接させるための圧接ロ
ーラ(一次転写ローラ)を設けることなく、感光体10
上の可視像を中間転写ベルト20上に転写させることが
できる。
【0104】また、中間転写ベルト20は、導電層21
と、この導電層21の上に形成され、感光体10に圧接
される抵抗層22とを有する複層ベルトで構成されてい
るので、感光体10と中間転写ベルト20との圧接部
(すなわち一次転写部)T1の全領域に亙って、中間転
写ベルト20の抵抗層22の裏側の電位が略均一とな
り、結果としてトナーの散りの少ない転写が得られるこ
ととなる。
【0105】したがってまた、中間転写ベルト20の表
面抵抗のムラの影響を受け難くなり、一層濃度ムラが生
じ難くなる。しかも、感光体10と中間転写ベルト20
との圧接部(すなわち一次転写部)T1の全領域に亙っ
て、中間転写ベルト20の抵抗層21の裏側の電位が略
均一となるので、必要最小限の電圧での転写が可能とな
る。
【0106】以上、本発明の実施の形態および実施例に
ついて説明したが、本発明は上記の実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内
において適宜変形実施可能である。
【0107】
【発明の効果】請求項1〜4記載のいずれの画像形成装
置によっても、転写部における電界にムラが生じ難くな
るとともに画像の位置ズレが生じ難くなり、結果とし
て、転写ムラおよび位置ズレの少ない良好な画像を形成
することが可能となる。しかも、転写電圧を確実容易に
給電することができ、転写不良も生じなくなる。電極部
も補強されることとなる。
【0108】さらに、請求項2記載の画像形成装置によ
れば、転写不良が一層確実に防止されることとなる。
【0109】請求項3記載の画像形成装置によれば、転
写不良がより一層確実に防止されることとなる。
【0110】請求項4記載の画像形成装置によれば、ギ
ャップ部材の強度が向上することとなる。
【0111】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示
す図で、(a)は概略的な斜視図、(b)は図(a)に
おけるb−b部分断面図。
【図2】図1(a)におけるb−b部分断面図に相当す
る図で、作用を説明するための図。
【図3】上記の実施の形態を適用した画像形成装置の一
実施例を示す模式図。
【図4】従来の画像形成装置の一例を示す図で、(a)
は概略斜視図、(b)は図(a)におけるb−b部分断
面図。
【図5】(a)(b)は課題を説明するための断面図。
【図6】課題を説明するための断面図。
【符号の説明】
10 感光体 10a 導電層 10b 感光層 T1 一次転写部T1(転写部) 20 中間転写ベルト 21 導電層 22 抵抗層 23 電極部 G 間隔 25 ギャップ部材 26 ビード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電層上に形成された感光層の表面に画
    像が形成される感光体と、この感光体表面との間で転写
    部を形成し、この転写部において前記画像が転写される
    中間転写ベルトとを有する画像形成装置であって、 前記中間転写ベルトが、導電層と、この導電層の上に形
    成され前記画像が転写される抵抗層と、中間転写ベルト
    の端部の表面に露出し前記導電層に転写電圧を給電する
    ための電極部と、ベルトの裏面端部に沿って設けられた
    ビードとを有しているとともに、 前記電極部と感光体との間に間隔を形成する円環状でリ
    ブ状のギャップ部材が、前記中間転写ベルトにおけるビ
    ードの内側面の延長線上またはその近傍に設けられてい
    ることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記ギャップ部材が、前記中間転写媒体
    の抵抗層よりも高い抵抗値を有する材料で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記ギャップ部材が、絶縁材料で構成さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ギャップ部材の断面形状が台形とな
    っていることを特徴とする請求項1,2,または3記載
    の画像形成装置。
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