JPH11281616A - リン酸イオン濃度測定装置およびそれを用いる測定方法 - Google Patents
リン酸イオン濃度測定装置およびそれを用いる測定方法Info
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- JPH11281616A JPH11281616A JP10083149A JP8314998A JPH11281616A JP H11281616 A JPH11281616 A JP H11281616A JP 10083149 A JP10083149 A JP 10083149A JP 8314998 A JP8314998 A JP 8314998A JP H11281616 A JPH11281616 A JP H11281616A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リン酸イオンを電気化学的に検知する装置およ
び方法を提供する。 【解決手段】イノシンを含む緩衝液の流れを形成する機
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次を配置して、これらの
酵素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知で
きる電極を配置したことを特徴とするリン酸イオン濃度
測定装置。
び方法を提供する。 【解決手段】イノシンを含む緩衝液の流れを形成する機
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次を配置して、これらの
酵素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知で
きる電極を配置したことを特徴とするリン酸イオン濃度
測定装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリン酸イオンを高感
度かつ高精度に分析でき、有害な分析廃水を排出しない
分析装置及び分析方法を提供し、特に食品製造、発酵生
産制御、環境分析に適した装置及び方法を提案するもの
である。
度かつ高精度に分析でき、有害な分析廃水を排出しない
分析装置及び分析方法を提供し、特に食品製造、発酵生
産制御、環境分析に適した装置及び方法を提案するもの
である。
【0002】
【従来の技術】リン酸イオンは生体内代謝系に関与する
重要な無機イオンの代表である。生体内では高エネルギ
ーリン酸化合物であるATP(アデノシン三リン酸)など
の形で種々の生体反応に関与している。このATPなど
の重要な高エネルギーリン酸化合物を構成するために微
生物、動物細胞、植物細胞などは正リン酸イオンの形で
リン酸を吸収し代謝する。そのため発酵生産の際の必須
要素として添加される場合が多い。これらのリン酸イオ
ン量をほぼリアルタイムで計測することの意義は大き
い。
重要な無機イオンの代表である。生体内では高エネルギ
ーリン酸化合物であるATP(アデノシン三リン酸)など
の形で種々の生体反応に関与している。このATPなど
の重要な高エネルギーリン酸化合物を構成するために微
生物、動物細胞、植物細胞などは正リン酸イオンの形で
リン酸を吸収し代謝する。そのため発酵生産の際の必須
要素として添加される場合が多い。これらのリン酸イオ
ン量をほぼリアルタイムで計測することの意義は大き
い。
【0003】また近年環境汚染物質のひとつとしてリン
酸イオンが重視されている。環境中に排出されたリン酸
イオンは、アンモニア、硝酸、亜硝酸イオンなどの窒素
イオンと並び富栄養化の原因物質である。そのためリン
酸を除去する技術開発が急がれているが、これを可能と
するためには迅速、簡便かつ高精度のリン酸イオン分析
装置の開発が急務である。
酸イオンが重視されている。環境中に排出されたリン酸
イオンは、アンモニア、硝酸、亜硝酸イオンなどの窒素
イオンと並び富栄養化の原因物質である。そのためリン
酸を除去する技術開発が急がれているが、これを可能と
するためには迅速、簡便かつ高精度のリン酸イオン分析
装置の開発が急務である。
【0004】従来リン酸イオンの測定方法として代表的
なものは、JIS(日本工業規格)にも定められるモリブ
デン酸ブルー法が挙げられる。この方法は正リン酸イオ
ンを含む溶液にモリブデン酸アンモニウムとアスコルビ
ン酸の溶液を加え約15分程度放置後、880ナノメー
ター付近の吸光度を測定するものである。しかし測定下
限が5ppm程度であること、比較的長波長の比色測定
であるため高価な分光光度計を必要とすること、モリブ
デンやアンモニアを含む分析廃水が大量に発生すること
など、簡便とは言い難く、さらにクリーンな分析方法と
も言えないものである。
なものは、JIS(日本工業規格)にも定められるモリブ
デン酸ブルー法が挙げられる。この方法は正リン酸イオ
ンを含む溶液にモリブデン酸アンモニウムとアスコルビ
ン酸の溶液を加え約15分程度放置後、880ナノメー
ター付近の吸光度を測定するものである。しかし測定下
限が5ppm程度であること、比較的長波長の比色測定
であるため高価な分光光度計を必要とすること、モリブ
デンやアンモニアを含む分析廃水が大量に発生すること
など、簡便とは言い難く、さらにクリーンな分析方法と
も言えないものである。
【0005】臨床分析の分野を中心に酵素などの生体機
能性分子を固定化して物質濃度を測定するいわゆるバイ
オセンサがクリーンかつ高精度の分析装置として注目さ
れている(鈴木 周一編、バイオセンサー、講談社、19
84年)。環境中のリン酸イオン測定に関してもすでに
ピルビン酸オキシダーゼを利用したバイオセンサが提案
されている(特開平4−168355号)が、ピルビン酸
オキシダーゼ自体が不安定である、該酵素が作用するた
めにはマグネシウムイオン、チアミンピロフォスフェー
ト、フラビンアデニンジヌクレオチドなどの比較的高価
な試薬が必須であるなどの理由により満足すべき性能の
ものではなかった。
能性分子を固定化して物質濃度を測定するいわゆるバイ
オセンサがクリーンかつ高精度の分析装置として注目さ
れている(鈴木 周一編、バイオセンサー、講談社、19
84年)。環境中のリン酸イオン測定に関してもすでに
ピルビン酸オキシダーゼを利用したバイオセンサが提案
されている(特開平4−168355号)が、ピルビン酸
オキシダーゼ自体が不安定である、該酵素が作用するた
めにはマグネシウムイオン、チアミンピロフォスフェー
ト、フラビンアデニンジヌクレオチドなどの比較的高価
な試薬が必須であるなどの理由により満足すべき性能の
ものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はリン酸イオン
を高感度かつ高精度に分析でき、有害な分析廃水を排出
しない分析装置を提供し、特に食品製造、発酵生産制
御、環境分析に適した装置を提案するものである。
を高感度かつ高精度に分析でき、有害な分析廃水を排出
しない分析装置を提供し、特に食品製造、発酵生産制
御、環境分析に適した装置を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は高感度かつ高精
度にリン酸イオンを分析するために下記の構成を有する
装置を開示するものである。
度にリン酸イオンを分析するために下記の構成を有する
装置を開示するものである。
【0008】イノシンを含む緩衝液の流れを形成する機
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次を配置して、これらの
酵素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知で
きる電極を配置したことを特徴とするリン酸イオン濃度
測定装置を開示する。
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次を配置して、これらの
酵素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知で
きる電極を配置したことを特徴とするリン酸イオン濃度
測定装置を開示する。
【0009】さらに本発明の装置を環境分析などの自動
測定を可能ならしめるため試料添加機構として、制限透
過膜の両側に液体の流路を設け、片側に被検体溶液を送
液し、もう一方にイノシンを含む緩衝液を送液し、両方
の液体が制限透過膜を挟んで接触する際にリン酸イオン
を含む試料溶液の一部成分を透過せしめ、透過したリン
酸イオンを酵素固定化体に導くことにより反応を進行さ
せてリン酸イオンを検知すること構成をとることが望ま
しい。
測定を可能ならしめるため試料添加機構として、制限透
過膜の両側に液体の流路を設け、片側に被検体溶液を送
液し、もう一方にイノシンを含む緩衝液を送液し、両方
の液体が制限透過膜を挟んで接触する際にリン酸イオン
を含む試料溶液の一部成分を透過せしめ、透過したリン
酸イオンを酵素固定化体に導くことにより反応を進行さ
せてリン酸イオンを検知すること構成をとることが望ま
しい。
【0010】さらに本特許は、試料をイノシン含有緩衝
液に添加し、次いで該試料含有緩衝液にヌクレオチドフ
ォスフォリラーゼ固定化体およびキサンチンオキシダー
ゼ固定化体を連続的に或いは同時に作用させ、次いで得
られた液の電極活性物質を電極により検知することを特
徴とする、試料中の正リン酸イオン濃度の測定方法を示
す。
液に添加し、次いで該試料含有緩衝液にヌクレオチドフ
ォスフォリラーゼ固定化体およびキサンチンオキシダー
ゼ固定化体を連続的に或いは同時に作用させ、次いで得
られた液の電極活性物質を電極により検知することを特
徴とする、試料中の正リン酸イオン濃度の測定方法を示
す。
【0011】さらに本特許は、前記の装置を用い正リン
酸イオンを測定する方法を開示するものである。すなわ
ち、緩衝液の流れを形成する機構と、該緩衝液流に正リ
ン酸イオンを含み得る試料を添加する機構と、該試料添
加機構の下流にヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次配置して、これらの酵
素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知でき
る電極を配置した装置を用い、前記緩衝液中にイノシン
を含ませ、添加された試料中の正リン酸イオンとイノシ
ンを前記固定化ヌクレオチドフォスフォリラーゼにより
反応せしめ、生成したヒポキサンチンを前記キサンチン
オキシダーゼ固定化体で反応せしめ、生成する電極活性
物質を電気化学的に検知することを特徴とするリン酸イ
オン濃度の測定方法を示す。
酸イオンを測定する方法を開示するものである。すなわ
ち、緩衝液の流れを形成する機構と、該緩衝液流に正リ
ン酸イオンを含み得る試料を添加する機構と、該試料添
加機構の下流にヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次配置して、これらの酵
素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知でき
る電極を配置した装置を用い、前記緩衝液中にイノシン
を含ませ、添加された試料中の正リン酸イオンとイノシ
ンを前記固定化ヌクレオチドフォスフォリラーゼにより
反応せしめ、生成したヒポキサンチンを前記キサンチン
オキシダーゼ固定化体で反応せしめ、生成する電極活性
物質を電気化学的に検知することを特徴とするリン酸イ
オン濃度の測定方法を示す。
【0012】これらの酵素系を利用するものとしては特
開昭59−107256号公報があるが、該公報は、イ
ノシンおよびヒポキサンチン濃度を測定することにより
食品の鮮度を測定するものであり、リン酸イオン濃度の
測定用途に、該酵素系が有用であることは全く示されて
いない。
開昭59−107256号公報があるが、該公報は、イ
ノシンおよびヒポキサンチン濃度を測定することにより
食品の鮮度を測定するものであり、リン酸イオン濃度の
測定用途に、該酵素系が有用であることは全く示されて
いない。
【0013】
【発明の実施の形態】ヌクレオシドホスホリラーゼ(E
C 2.4.2.1)、キサンチンオキシダーゼ(EC
1.2.3.2)を固定化した酵素固定化カラムの内部
で進行する反応の概要は次式のとおりである。
C 2.4.2.1)、キサンチンオキシダーゼ(EC
1.2.3.2)を固定化した酵素固定化カラムの内部
で進行する反応の概要は次式のとおりである。
【0014】 反応式(1):ヌクレオシドホスホリラーゼ反応 リン酸+イノシン→α−D−リボース 1−リン酸+ヒポキサンチン (1) 反応式(2):キサンチン酸化酵素反応 ヒポキサンチン+酸素+水→尿酸+過酸化水素 (2) 実際には反応式(2)において酸素および水は2分子が
ヒポキサンチン1分子に反応し、1分子の尿酸と2分子
の過酸化水素が生成する。よって、上記反応式から酸素
減少量、過酸化水素増加量、もしくは尿酸増加量を電気
化学的に測定すると、リン酸濃度に比例した電流出力値
を得ることができる。
ヒポキサンチン1分子に反応し、1分子の尿酸と2分子
の過酸化水素が生成する。よって、上記反応式から酸素
減少量、過酸化水素増加量、もしくは尿酸増加量を電気
化学的に測定すると、リン酸濃度に比例した電流出力値
を得ることができる。
【0015】用いるヌクレオチドフォスフォリラーゼは
哺乳類の肝臓、乳、微生物などから分離精製されたもの
を利用できる。またキサンチンオキシダーゼも同様の試
料中に分布しているので利用できる。本発明者らの実験
によれば、中でも細菌、カビなどの微生物から分離され
た酵素は保存耐久性も良く好ましい。酵素の固定化量
は、0.01〜100ユニット程度を固定化することに
より所期の目的を達成することができる。
哺乳類の肝臓、乳、微生物などから分離精製されたもの
を利用できる。またキサンチンオキシダーゼも同様の試
料中に分布しているので利用できる。本発明者らの実験
によれば、中でも細菌、カビなどの微生物から分離され
た酵素は保存耐久性も良く好ましい。酵素の固定化量
は、0.01〜100ユニット程度を固定化することに
より所期の目的を達成することができる。
【0016】酵素固定化の方法としては包括固定化法、
イオン結合法、共有結合固定化法などの公知の方法を用
いることができるが、環境測定などの長期の利用を考え
た場合、共有結合固定化法が望ましい。共有結合固定化
法としては、グルタルアルデヒド、サクシニルジアルデ
ヒドなどの多官能基性アルデヒドと酵素のアミノ基を反
応させる方法が比較的簡便に実施できるため好ましい。
イオン結合法、共有結合固定化法などの公知の方法を用
いることができるが、環境測定などの長期の利用を考え
た場合、共有結合固定化法が望ましい。共有結合固定化
法としては、グルタルアルデヒド、サクシニルジアルデ
ヒドなどの多官能基性アルデヒドと酵素のアミノ基を反
応させる方法が比較的簡便に実施できるため好ましい。
【0017】固定化された酵素の形態により膜状固定化
体、カラム状固定化体などが得られる。膜状固定化体を
利用する場合、酵素のみを膜状にして電極表面に装着す
ることもできるし、例えば過酸化水素を検出する場合に
妨害物を除去するために酵素固定化膜と電極の間に選択
透過膜を設置しても良い。カラム状とする場合にはセル
ロース系、キチン系、スチレン系、ケイソウ土系などの
球状もしくは粒状担体を利用することができる。
体、カラム状固定化体などが得られる。膜状固定化体を
利用する場合、酵素のみを膜状にして電極表面に装着す
ることもできるし、例えば過酸化水素を検出する場合に
妨害物を除去するために酵素固定化膜と電極の間に選択
透過膜を設置しても良い。カラム状とする場合にはセル
ロース系、キチン系、スチレン系、ケイソウ土系などの
球状もしくは粒状担体を利用することができる。
【0018】また利用する緩衝液は正リン酸イオンを含
まない緩衝液が好ましい。その緩衝液としては酢酸緩衝
液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリスヒドロキメ
チルアミノメタン緩衝液などを挙げることができる。こ
れらの緩衝液は測定する試料のpHにも依存するが、濃
度が0.001〜0.5Mの範囲で、pH5.5〜8.
5、より好ましくは濃度が0.01〜0.2Mで、pH6
〜8の範囲であることが望ましい。
まない緩衝液が好ましい。その緩衝液としては酢酸緩衝
液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリスヒドロキメ
チルアミノメタン緩衝液などを挙げることができる。こ
れらの緩衝液は測定する試料のpHにも依存するが、濃
度が0.001〜0.5Mの範囲で、pH5.5〜8.
5、より好ましくは濃度が0.01〜0.2Mで、pH6
〜8の範囲であることが望ましい。
【0019】反応式(2)に示されるとおり、生成する
過酸化水素、尿酸、減少する酸素が電極活性物質である
が、それぞれ白金作用極を用いた過酸化水素電極、グラ
ッシーカーボン、パイロリティックグラファイトなどを
作用極とする尿酸検知可能な電極、および酸素電極を利
用することができる。
過酸化水素、尿酸、減少する酸素が電極活性物質である
が、それぞれ白金作用極を用いた過酸化水素電極、グラ
ッシーカーボン、パイロリティックグラファイトなどを
作用極とする尿酸検知可能な電極、および酸素電極を利
用することができる。
【0020】これらの固定化酵素および電気化学活性物
質の増減を検知する電極を、例えば図1や図3に示す装
置に組み込み、正リン酸イオン濃度を定量することがで
きる。
質の増減を検知する電極を、例えば図1や図3に示す装
置に組み込み、正リン酸イオン濃度を定量することがで
きる。
【0021】前記の酵素固定化体の安定性を考え、装置
は10〜35℃の範囲、より好ましくは25〜35℃の
範囲、で恒温化されていることが望ましい。
は10〜35℃の範囲、より好ましくは25〜35℃の
範囲、で恒温化されていることが望ましい。
【0022】図1の装置で正リン酸イオンを定量する場
合、注入機構より注入される試料量は1〜1000マイ
クロリッター程度であり、イノシンを含む緩衝液の流量
は1分間あたり0.1〜10ミリリッターの範囲である
ことが望ましい。
合、注入機構より注入される試料量は1〜1000マイ
クロリッター程度であり、イノシンを含む緩衝液の流量
は1分間あたり0.1〜10ミリリッターの範囲である
ことが望ましい。
【0023】また緩衝液中に含ませるイノシン濃度は、
0.0001〜0.1M、より好ましくは0.001〜
0.05Mであることが精度確保と分析コストを低減す
る上で望ましい。
0.0001〜0.1M、より好ましくは0.001〜
0.05Mであることが精度確保と分析コストを低減す
る上で望ましい。
【0024】なお、ヌクレオチドフォスフォリラーゼお
よびキサンチンオキシダーゼは非常に微量のリン酸イオ
ンが存在しても反応を触媒し、例えば装置の送液が停止
している場合でも、過酸化水素を生成する場合がある。
リン酸イオンは極めて広範に自然界に存在するイオンで
あり、装置の動作条件により送液停止中も不必要な反応
が起き、生成した過酸化水素によって固定化酵素が損傷
を受ける場合がある。そこで装置を停止する際にイノシ
ンを含まない緩衝液を固定化酵素近傍に満たし、このよ
うな不必要な反応による固定化酵素の劣化を防止し、長
寿命化をはかることもできる。
よびキサンチンオキシダーゼは非常に微量のリン酸イオ
ンが存在しても反応を触媒し、例えば装置の送液が停止
している場合でも、過酸化水素を生成する場合がある。
リン酸イオンは極めて広範に自然界に存在するイオンで
あり、装置の動作条件により送液停止中も不必要な反応
が起き、生成した過酸化水素によって固定化酵素が損傷
を受ける場合がある。そこで装置を停止する際にイノシ
ンを含まない緩衝液を固定化酵素近傍に満たし、このよ
うな不必要な反応による固定化酵素の劣化を防止し、長
寿命化をはかることもできる。
【0025】制限透過膜としては、リン酸イオンを含む
試料溶液の一部が該膜を通過するものであればよく、例
えば再生セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリサ
ルホン膜などの膜が挙げられる。
試料溶液の一部が該膜を通過するものであればよく、例
えば再生セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリサ
ルホン膜などの膜が挙げられる。
【0026】制限透過膜を利用することにより、廃水試
料、食品試料などに含まれる固形あるいはコロイド状の
濁り成分を除去することが可能で、特に自動的に試料を
サンプリングし測定を実施する場合などに威力を発揮す
る。また、制限透過膜に接触する試料液および正リン酸
イオンを受容する緩衝液の接触面積を変えることにより
容易に透過するリン酸イオン量を変化させることがで
き、多様な濃度の試料を測定できる。
料、食品試料などに含まれる固形あるいはコロイド状の
濁り成分を除去することが可能で、特に自動的に試料を
サンプリングし測定を実施する場合などに威力を発揮す
る。また、制限透過膜に接触する試料液および正リン酸
イオンを受容する緩衝液の接触面積を変えることにより
容易に透過するリン酸イオン量を変化させることがで
き、多様な濃度の試料を測定できる。
【0027】用いる膜の厚みは薄いほどイオンの透過速
度が上がり、検知速度が向上するが、実用的にはある程
度の厚みがないと強度が保てない。そこで利用する膜厚
みとしては1から300ミクロン程度が望ましく、10
から100ミクロン程度であることがより望ましい。ま
た、用いる膜の材質は測定対象試料の性状に応じて変え
ることが可能である。例えば、通常の食品および工場廃
水試料に対しては、セルロース系の制限透過膜が強度、
透過速度、価格の点で望ましい。しかし、有機物などを
生分解処理する廃水処理システム処理水を測定する場
合、時としてセルラーゼなどの膜素材分解酵素を含む廃
水が排出されていることがあり、このような場合はポリ
サルホンなどの分解酵素により影響を受けない素材の膜
を利用することが望ましい。
度が上がり、検知速度が向上するが、実用的にはある程
度の厚みがないと強度が保てない。そこで利用する膜厚
みとしては1から300ミクロン程度が望ましく、10
から100ミクロン程度であることがより望ましい。ま
た、用いる膜の材質は測定対象試料の性状に応じて変え
ることが可能である。例えば、通常の食品および工場廃
水試料に対しては、セルロース系の制限透過膜が強度、
透過速度、価格の点で望ましい。しかし、有機物などを
生分解処理する廃水処理システム処理水を測定する場
合、時としてセルラーゼなどの膜素材分解酵素を含む廃
水が排出されていることがあり、このような場合はポリ
サルホンなどの分解酵素により影響を受けない素材の膜
を利用することが望ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0029】
【実施例1】ヌクレオシドホスホリラーゼとキサンチン
酸化酵素を別々のカラムに固定化し、これらを過酸化水
素電極と組み合わせてリン酸の測定を行った例を以下に
示す。
酸化酵素を別々のカラムに固定化し、これらを過酸化水
素電極と組み合わせてリン酸の測定を行った例を以下に
示す。
【0030】(1)ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化
カラムの製造方法 ケイソウ土担体であるユニポートC(GLサイエンス社
製、80〜100メッシュ)150mgをよく乾燥し、
5%γ−アミノプロピルトリエトキシシランの20%ア
ルコール溶液に1時間浸漬した後、よく洗浄し、乾燥す
る。こうしてアミノシラン化処理した担体を5%グルタ
ルアルデヒドに1時間浸漬した後、よく蒸留水で洗浄
し、最後に10mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン緩衝液(pH7.5)で置き換え、この緩衝液
をできるだけ除いておく。このホルミル化した担体を、
10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液(pH7.5)に100ユニット/mlになるように
溶解したヌクレオシドホスホリラーゼ200μlと接触
させ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この酵素固定
化担体を内径3.5mm、長さ30mmのカラムに充填
し、ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラムとする。
カラムの製造方法 ケイソウ土担体であるユニポートC(GLサイエンス社
製、80〜100メッシュ)150mgをよく乾燥し、
5%γ−アミノプロピルトリエトキシシランの20%ア
ルコール溶液に1時間浸漬した後、よく洗浄し、乾燥す
る。こうしてアミノシラン化処理した担体を5%グルタ
ルアルデヒドに1時間浸漬した後、よく蒸留水で洗浄
し、最後に10mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン緩衝液(pH7.5)で置き換え、この緩衝液
をできるだけ除いておく。このホルミル化した担体を、
10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液(pH7.5)に100ユニット/mlになるように
溶解したヌクレオシドホスホリラーゼ200μlと接触
させ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この酵素固定
化担体を内径3.5mm、長さ30mmのカラムに充填
し、ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラムとする。
【0031】(2)キサンチン酸化酵素固定化カラムの
製造方法 (1)と同様にしてホルミル化した担体を、10mMト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH
7.5)に25ユニット/mlになるように溶解したキ
サンチン酸化酵素200μlと接触させ、0〜4℃で1
日放置し固定化する。この酵素固定化担体を内径3.5
mm、長さ30mmのカラムに充填し、キサンチン酸化
酵素固定化カラムとする。
製造方法 (1)と同様にしてホルミル化した担体を、10mMト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH
7.5)に25ユニット/mlになるように溶解したキ
サンチン酸化酵素200μlと接触させ、0〜4℃で1
日放置し固定化する。この酵素固定化担体を内径3.5
mm、長さ30mmのカラムに充填し、キサンチン酸化
酵素固定化カラムとする。
【0032】(3)過酸化水素電極の製造方法 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その線の一端をやすりおよび1500番のエメリー紙で
平滑に仕上げる。この白金線を10%γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランの無水トルエン溶液に1時間浸漬
後、洗浄する。牛血清アルブミン(シグマ社製、Fra
ction V)20mgを蒸留水1mlに溶解し、そ
の中にグルタルアルデヒドを0.2%になるように加え
る。この混合液を手早く先に用意した白金線上に6μl
のせ、40℃で15分間乾燥硬化する。これを過酸化水
素電極とする。
その線の一端をやすりおよび1500番のエメリー紙で
平滑に仕上げる。この白金線を10%γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランの無水トルエン溶液に1時間浸漬
後、洗浄する。牛血清アルブミン(シグマ社製、Fra
ction V)20mgを蒸留水1mlに溶解し、そ
の中にグルタルアルデヒドを0.2%になるように加え
る。この混合液を手早く先に用意した白金線上に6μl
のせ、40℃で15分間乾燥硬化する。これを過酸化水
素電極とする。
【0033】また参照電極としてはAg/AgCl参照
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
【0034】(4)リン酸測定装置 図1に示すフロー型リン酸測定装置によってリン酸の測
定を行う。イノシンを含む緩衝液(1)をプランジャー
ポンプ(2)により送液し、オートサンプラ(3)より
試料5μlを注入する。試料中のリン酸は、恒温槽
(4)中のヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラム
(5)によってイノシンと反応し、ヒポキサンチンとイ
ノシン酸を生成する。生成したヒポキサンチンはキサン
チン酸化酵素固定化カラム(6)中で過酸化水素と尿酸
に変換される。この生成した過酸化水素を、過酸化水素
電極(7)上で電流値の変化として捕らえ、検出器
(8)により検出することにより、試料中のリン酸に対
する応答を得る。 また、信号はコンピュータ(9)に
送ることもできる。
定を行う。イノシンを含む緩衝液(1)をプランジャー
ポンプ(2)により送液し、オートサンプラ(3)より
試料5μlを注入する。試料中のリン酸は、恒温槽
(4)中のヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラム
(5)によってイノシンと反応し、ヒポキサンチンとイ
ノシン酸を生成する。生成したヒポキサンチンはキサン
チン酸化酵素固定化カラム(6)中で過酸化水素と尿酸
に変換される。この生成した過酸化水素を、過酸化水素
電極(7)上で電流値の変化として捕らえ、検出器
(8)により検出することにより、試料中のリン酸に対
する応答を得る。 また、信号はコンピュータ(9)に
送ることもできる。
【0035】緩衝液の組成は10mMトリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン、5mMイノシンを含みpH
7.5である。
シメチル)アミノメタン、5mMイノシンを含みpH
7.5である。
【0036】(5)結果 得られたリン酸の検量線を図2に示す。濃度範囲0〜5
mMにおいて相関係数0.999の良好な直線性が得ら
れた(回帰式Y=6.63X―54.4、 Y:電流値
(nA)、 X:濃度(mM))。
mMにおいて相関係数0.999の良好な直線性が得ら
れた(回帰式Y=6.63X―54.4、 Y:電流値
(nA)、 X:濃度(mM))。
【0037】
【実施例2】ヌクレオシドホスホリラーゼとキサンチン
酸化酵素を1つのカラムに同時固定化したものと過酸化
水素電極を組み合わせて、実施例1と同様の装置を用い
てリン酸の測定を行った。
酸化酵素を1つのカラムに同時固定化したものと過酸化
水素電極を組み合わせて、実施例1と同様の装置を用い
てリン酸の測定を行った。
【0038】(1)ヌクレオシドホスホリラーゼ、キサ
ンチン酸化酵素同時固定化カラムの製造方法 実施例1の(1)と同様にしてホルミル化した担体を、
10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液(pH7.5)に溶解したヌクレオシドホスホリラー
ゼ(100ユニット/ml)およびキサンチン酸化酵素
(25ユニット/ml)それぞれ100μlずつと接触
させ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この酵素固定
化担体を内径3.5mm、長さ30mmのカラムに充填
し、ヌクレオシドホスホリラーゼ、キサンチン酸化酵素
同時固定化カラムとする。
ンチン酸化酵素同時固定化カラムの製造方法 実施例1の(1)と同様にしてホルミル化した担体を、
10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液(pH7.5)に溶解したヌクレオシドホスホリラー
ゼ(100ユニット/ml)およびキサンチン酸化酵素
(25ユニット/ml)それぞれ100μlずつと接触
させ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この酵素固定
化担体を内径3.5mm、長さ30mmのカラムに充填
し、ヌクレオシドホスホリラーゼ、キサンチン酸化酵素
同時固定化カラムとする。
【0039】(2)過酸化水素電極の製造方法 実施例1の(3)と同様にして過酸化水素電極を製造し
た。
た。
【0040】(3)リン酸測定装置 実施例1の(4)と同様にしてリン酸測定装置を製造し
た。
た。
【0041】(4)結果 ヌクレオシドホスホリラーゼ、キサンチン酸化酵素同時
固定化カラムの酵素変換率を表1に示す。各酵素の反応
を正確に表記すると次式のとおりである。
固定化カラムの酵素変換率を表1に示す。各酵素の反応
を正確に表記すると次式のとおりである。
【0042】 リン酸+イノシン→α−D−リボース 1−リン酸+ヒポキサンチン ヒポキサンチン+2×(酸素)+2×(水)→尿酸+2×(過酸化水素) よって、ヒポキサンチンの応答に対するリン酸の応答の
割合を百分率で示したものをヌクレオシドホスホリラー
ゼの酵素活性、過酸化水素応答の2分の1に対するヒポ
キサンチンの応答の割合を百分率で示したものをキサン
チン酸化酵素の酵素活性とした。また、最終変換率と
は、過酸化水素応答の2分の1に対するリン酸の応答の
割合を百分率で示したものである。
割合を百分率で示したものをヌクレオシドホスホリラー
ゼの酵素活性、過酸化水素応答の2分の1に対するヒポ
キサンチンの応答の割合を百分率で示したものをキサン
チン酸化酵素の酵素活性とした。また、最終変換率と
は、過酸化水素応答の2分の1に対するリン酸の応答の
割合を百分率で示したものである。
【0043】2種の酵素を同一カラムに固定化した場合
も、実施例1の別々に固定化した場合と同様の酵素活性
を示した。
も、実施例1の別々に固定化した場合と同様の酵素活性
を示した。
【0044】
【表1】 各カラムにおける酵素変換率 ヌクレオシド キサンチン ホスホリラーゼ 酸化酵素 最終変換率 別個固定化カラム 78.7% 82.2% 64.7%同時固定化カラム 79.5% 78.2% 62.2%
【0045】
【実施例3】ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラ
ム、キサンチン酸化酵素固定化カラムおよび過酸化水素
電極をオンラインフロー型リン酸測定装置に組み込んで
リン酸の測定を行った。
ム、キサンチン酸化酵素固定化カラムおよび過酸化水素
電極をオンラインフロー型リン酸測定装置に組み込んで
リン酸の測定を行った。
【0046】(1)ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化
カラムの製造方法 実施例1の(1)と同様にして固定化カラムを製造し
た。
カラムの製造方法 実施例1の(1)と同様にして固定化カラムを製造し
た。
【0047】(2)キサンチン酸化酵素固定化カラムの
製造方法 実施例1の(2)と同様にして固定化カラムを製造し
た。
製造方法 実施例1の(2)と同様にして固定化カラムを製造し
た。
【0048】(3)過酸化水素電極の製造方法 実施例1の(3)と同様にして固定化カラムを製造し
た。
た。
【0049】(4)オンラインリン酸測定装置 図3に示すオンラインフロー型リン酸測定装置によって
リン酸の測定を行う。制限透過膜(21)の両側に流路
を設け、片側にイノシンを含む緩衝液(1)をペリスタ
ポンプ(19)により送液する。もう一方には標準液
(15)、洗浄液(16)、および試料溶液(17)を
ピンチバルブ(18)で順次切り替えながらペリスタポ
ンプ(19)より送液する。標準液および試料中のリン
酸の一部は試料添加モジュール(20)中の制限透過膜
(21)を介し緩衝液中に透過する。透過したリン酸は
恒温槽(4)中のヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カ
ラム(5)とキサンチン酸化酵素固定化カラム(6)に
より過酸化水素と尿酸に変換される。生成した過酸化水
素を、過酸化水素電極(7)により電流値の変化として
捕らえ、検出器(8)により検出することで試料中のリ
ン酸に対する応答を得る。試料中のリン酸濃度は、得ら
れた試料の応答をあらかじめ濃度既知の標準液に対して
得た応答と比較することにより算出される。また、信号
はコンピュータ(9)に送ることもできる。
リン酸の測定を行う。制限透過膜(21)の両側に流路
を設け、片側にイノシンを含む緩衝液(1)をペリスタ
ポンプ(19)により送液する。もう一方には標準液
(15)、洗浄液(16)、および試料溶液(17)を
ピンチバルブ(18)で順次切り替えながらペリスタポ
ンプ(19)より送液する。標準液および試料中のリン
酸の一部は試料添加モジュール(20)中の制限透過膜
(21)を介し緩衝液中に透過する。透過したリン酸は
恒温槽(4)中のヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カ
ラム(5)とキサンチン酸化酵素固定化カラム(6)に
より過酸化水素と尿酸に変換される。生成した過酸化水
素を、過酸化水素電極(7)により電流値の変化として
捕らえ、検出器(8)により検出することで試料中のリ
ン酸に対する応答を得る。試料中のリン酸濃度は、得ら
れた試料の応答をあらかじめ濃度既知の標準液に対して
得た応答と比較することにより算出される。また、信号
はコンピュータ(9)に送ることもできる。
【0050】使用した緩衝液は1mMイノシンを含む1
0mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンで、p
Hは7.5である。制限透過膜には透析膜を使用した。
0mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンで、p
Hは7.5である。制限透過膜には透析膜を使用した。
【0051】(5)結果 オンラインフロー型リン酸測定装置により得られたリン
酸の検量線を図4に示す。
酸の検量線を図4に示す。
【0052】
【実施例4】ヌクレオシドホスホリラーゼとキサンチン
酸化酵素を過酸化水素電極上に同時固定化し、リン酸イ
オン電極としてリン酸測定に使用した。
酸化酵素を過酸化水素電極上に同時固定化し、リン酸イ
オン電極としてリン酸測定に使用した。
【0053】(1)ヌクレオシドホスホリラーゼ、キサ
ンチン酸化酵素同時固定化電極の製造方法 ヌクレオシドホスホリラーゼ(80ユニット)とキサン
チン酸化酵素(20ユニット)を10mMトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH7.5)72
0μlに溶解する。これに25mg/ml牛血清アルブ
ミン水溶液200μlと2.5%グルタルアルデヒド溶
液80μlを添加し、この酵素溶液を実施例1の(3)
に従って作製した過酸化水素電極上に6μl塗布し、4
0℃で15分間乾燥硬化した。
ンチン酸化酵素同時固定化電極の製造方法 ヌクレオシドホスホリラーゼ(80ユニット)とキサン
チン酸化酵素(20ユニット)を10mMトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH7.5)72
0μlに溶解する。これに25mg/ml牛血清アルブ
ミン水溶液200μlと2.5%グルタルアルデヒド溶
液80μlを添加し、この酵素溶液を実施例1の(3)
に従って作製した過酸化水素電極上に6μl塗布し、4
0℃で15分間乾燥硬化した。
【0054】また参照電極としてはAg/AgCl参照
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
【0055】(2)リン酸測定装置 実施例1の(4)と同様にしてリン酸測定装置を製造し
た。
た。
【0056】(3)結果 得られたリン酸の検量線を図5に示す。濃度範囲0〜5
mMにおいて相関係数0.999の良好な直線性が得ら
れた(回帰式Y=2.18X+7.91、 Y:電流値
(nA)、 X:濃度(mM))。
mMにおいて相関係数0.999の良好な直線性が得ら
れた(回帰式Y=2.18X+7.91、 Y:電流値
(nA)、 X:濃度(mM))。
【0057】
【比較例】実施例2のヌクレオチドフォスフォリラーゼ
およびキサンチンオキシダーゼ同時固定化体の代わりに
ピルビン酸酸化酵素(旭化成工業(株)製)を100ユ
ニット固定化したものを用い、10mMトリス緩衝液に
各1mMチアミンピロフォスフェートおよびフラビンア
デニンジヌクレオチド(いずれの化合物も和光純薬工業
(株)製)、0.1mMの塩化マグネシウムを含むもの
を利用してリン酸イオンの測定を試みた。約10mMの
リン酸イオンを検出することができたが、25℃で実験
を実施した場合でも感度が急激に低下し8時間後には初
期活性の20%になり実用に耐えないものであることが
判明した。
およびキサンチンオキシダーゼ同時固定化体の代わりに
ピルビン酸酸化酵素(旭化成工業(株)製)を100ユ
ニット固定化したものを用い、10mMトリス緩衝液に
各1mMチアミンピロフォスフェートおよびフラビンア
デニンジヌクレオチド(いずれの化合物も和光純薬工業
(株)製)、0.1mMの塩化マグネシウムを含むもの
を利用してリン酸イオンの測定を試みた。約10mMの
リン酸イオンを検出することができたが、25℃で実験
を実施した場合でも感度が急激に低下し8時間後には初
期活性の20%になり実用に耐えないものであることが
判明した。
【0058】
【発明の効果】本発明の装置および方法を用いることに
より、簡便かつ高精度にリン酸イオン濃度を測定するこ
とが可能になった。また、さらに分析排水も環境汚染を
引き起こす可能性の低いものであった。
より、簡便かつ高精度にリン酸イオン濃度を測定するこ
とが可能になった。また、さらに分析排水も環境汚染を
引き起こす可能性の低いものであった。
【図1】実施例で使用したフロー方式のリン酸測定装置
を示す。
を示す。
【図2】実施例1で得られたリン酸の検量線である。
【図3】実施例3で使用したオンラインフロー型リン酸
測定装置を示す。
測定装置を示す。
【図4】実施例3で得られたリン酸の検量線である。
【図5】実施例4で得られたリン酸の検量線である。
1 緩衝液槽 2 プランジャーポンプ 3 サンプラ 4 恒温槽 5 ヌクレオシドホスホリラーゼ固定化カラム 6 キサンチン酸化酵素固定化カラム 7 過酸化水素電極 8 検出器 9 シングルボードコンピュータ 10 RS232Cコード 11 パーソナルコンピュータ 12 サンプラ制御信号 13 送液ポンプ制御信号 14 廃液 15 標準液槽 16 洗浄液槽 17 試料溶液槽 18 ピンチバルブ 19 ペリスタポンプ 20 試料添加モジュール 21 制限透過膜 22 プリンター 23 記録計
Claims (4)
- 【請求項1】イノシンを含む緩衝液の流れを形成する機
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼの混合固定化体もしくは上流側
よりヌクレオチドフォスフォリラーゼ固定化体、キサン
チンオキシダーゼ固定化体を順次を配置して、これらの
酵素固定化体の下流に電気化学的活性物質濃度を検知で
きる電極を配置したことを特徴とするリン酸イオン濃度
測定装置。 - 【請求項2】試料添加機構として、制限透過膜の両側に
液体の流路を設け、片側に被検体溶液を送液し、もう一
方にイノシンを含む緩衝液を送液し、両方の液体が制限
透過膜を挟んで接触する際にリン酸イオンを含む試料溶
液の一部成分を透過せしめ、透過したリン酸イオンを酵
素固定化体に導くことにより反応を進行させてリン酸イ
オンを検知することを特徴とする請求項1記載のリン酸
イオン濃度測定装置。 - 【請求項3】イノシンを含む緩衝液の流れを形成する機
構と、該緩衝液流に試料を添加する機構と、該試料添加
機構の下流に、ヌクレオチドフォスフォリラーゼおよび
キサンチンオキシダーゼを固定化した電極を配置し、前
記電極が前記酵素固定化体により産生された電気化学的
活性物質濃度を検知できる電極であることを特徴とする
リン酸イオン濃度測定装置。 - 【請求項4】試料をイノシン含有緩衝液に添加し、次い
で該試料含有緩衝液にヌクレオチドフォスフォリラーゼ
固定化体およびキサンチンオキシダーゼ固定化体を連続
的に或いは同時に作用させ、次いで得られた液の電極活
性物質を電極により検知することを特徴とする、試料中
の正リン酸イオン濃度の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10083149A JPH11281616A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | リン酸イオン濃度測定装置およびそれを用いる測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10083149A JPH11281616A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | リン酸イオン濃度測定装置およびそれを用いる測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11281616A true JPH11281616A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13794179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10083149A Pending JPH11281616A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | リン酸イオン濃度測定装置およびそれを用いる測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11281616A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006001148A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-05 | Japan Science And Technology Agency | リン酸及び/又はリン酸エステルの電気化学的測定法 |
JP2020202825A (ja) * | 2019-06-12 | 2020-12-24 | 王子ホールディングス株式会社 | 酵素固定化体及びそれを備えた測定装置ならびにアスパラギン及びl−アスパラギン酸の測定方法 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10083149A patent/JPH11281616A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006001148A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-05 | Japan Science And Technology Agency | リン酸及び/又はリン酸エステルの電気化学的測定法 |
JP4755097B2 (ja) * | 2004-06-25 | 2011-08-24 | 独立行政法人科学技術振興機構 | リン酸及び/又はリン酸エステルの電気化学的測定法 |
US8124418B2 (en) | 2004-06-25 | 2012-02-28 | Japan Science And Technology Agency | Method for electrochemically measuring phosphoric acid and/or phosphate |
JP2020202825A (ja) * | 2019-06-12 | 2020-12-24 | 王子ホールディングス株式会社 | 酵素固定化体及びそれを備えた測定装置ならびにアスパラギン及びl−アスパラギン酸の測定方法 |
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