JPH11281166A - ハイブリッド式太陽エネルギ利用装置 - Google Patents

ハイブリッド式太陽エネルギ利用装置

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JPH11281166A
JPH11281166A JP10080887A JP8088798A JPH11281166A JP H11281166 A JPH11281166 A JP H11281166A JP 10080887 A JP10080887 A JP 10080887A JP 8088798 A JP8088798 A JP 8088798A JP H11281166 A JPH11281166 A JP H11281166A
Authority
JP
Japan
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heat
module
hybrid
solar
power generation
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Application number
JP10080887A
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English (en)
Inventor
Mariko Nakano
真理子 中野
Seiji Yoshida
整司 吉田
Hirotaka Hayashi
広高 林
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 夏期など日射量が多く外気温度も高い場合
に、熱媒循環用ポンプの故障等により熱媒の循環が止ま
ったとしても、太陽光発電モジュールの発電セルの発電
効率の極端な低下を防止でき、発電セル自体を痛めてし
まう温度に上昇させることのないハイブリッド式太陽エ
ネルギ利用装置を得る。 【解決手段】 太陽光発電モジュール10の熱に基づき
ベローズ13を伸縮させ、温度上昇したハイブリッドモ
ジュール12を、表面空気断熱層2内のを移動させ、太
陽光発電モジュール10の発電効率を下げず、太陽光発
電モジュール10自体を痛めることの少ない温度に維持
しながら、太陽熱集熱モジュール11による集熱を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、太陽光による発
電機能と太陽熱の集熱機能とを有するハイブリッド式太
陽エネルギ利用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、太陽エネルギを利用する場合に
は、太陽光発電装置と太陽熱集熱装置は別々の装置構成
であり、そのいずれか一方のみを利用する場合がほとん
どであった。また、両者を利用する場合でも装置自体は
別々にするという方式がとられていた。しかしながら、
昨今、受光面積に対して太陽エネルギをより有効利用で
きるシステム構築を目的として、両者を一体型としたハ
イブリッド式太陽エネルギ利用装置の開発が進められ、
提案が行われている。
【0003】図5は、例えば特開平7ー253249号
公報に示された従来の太陽エネルギ利用システムにおけ
るハイブリッドパネルの断面図、図6はこのハイブリッ
ドパネルを用いた太陽エネルギ利用システムの系統図で
ある。
【0004】このハイブリッドパネル21のパネルケー
ス22の内部面には、断熱材23が隙間なく形成されて
いる。ハイブリッドパネル21のパネルケース22と反
対の面側には、太陽光を入射させるために透明ガラス2
8をはめ込んでいる。断熱材23上にはハイブリッドコ
レクタ24が形成している。このハイブリッドコレクタ
24は水集熱器25に太陽電池26を積層したものであ
る。
【0005】太陽光集熱モジュールである水集熱器25
は、集熱板に例えば不凍液等の液体熱媒体が流通する液
体熱媒体導管27を伝熱的に形成したものである。29
は液体熱媒体導管27に不凍液を導入する液体熱媒体入
口、30は液体熱媒体導管27から不凍液を取り出す液
体熱媒体出口である。31は表面空気断熱層である。
【0006】次に、図6に示すように、このハイブリッ
ドパネル21を用いた太陽エネルギ利用システムでは、
ハイブリッドパネル21を家屋51の屋根52などに設
置する。ハイブリッドパネル21内のハイブリッドコレ
クタ24は、ハイブリッドコレクタ24A、24B、2
4Cの3つを並列に形成したものである。55は蓄熱器
としての蓄熱槽であり、導管56が蓄熱槽55と液体熱
媒体入口29とを結ぶ。また、導管57が蓄熱槽55と
液体熱媒体出口30とを結ぶ。
【0007】そこで、日射により、ハイブリッドパネル
21に太陽光を受光し、太陽電池26による発電が行わ
れるとともに、液体熱媒体導管27内の液体熱媒体を加
熱し、導管56、57を介して液体熱媒体を液体熱媒体
導管27に流通させ、蓄熱槽55内の蓄熱材である水に
吸熱させて蓄熱を行う。なお、62はインバータ、63
は商用電源である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のハ
イブリッド太陽エネルギ利用システムでは、夏期などの
日射量が多く外気温度も高い場合に、熱媒循環用のポン
プが故障して液体熱媒体導管27内の液体集熱媒体の循
環が停止した状態や、あるいは設置工事中で太陽熱集熱
モジュールにまだ熱媒が流通していない状態では、ハイ
ブリッドパネル21内の表面空気断熱層31の厚みによ
っては、太陽熱集熱モジュール温度だけでなく太陽光発
電モジュールの太陽電池26の温度も高温化してしま
い、太陽電池26の発電セルの発電効率を極端に低下さ
せたり、発電セル自体を痛めてしまうという問題点があ
った。
【0009】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、夏期など日射量が多く外気温度
も高い場合に、熱媒循環用ポンプの故障等により熱媒の
循環が止まったとしても、太陽光発電モジュールの発電
セルの発電効率の極端な低下を防止でき、発電セル自体
を痛めてしまう温度に上昇させることのないハイブリッ
ド式太陽エネルギ利用装置を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るハイブリ
ッド式太陽エネルギ利用装置は、太陽光を受けて発電を
行う太陽光発電モジュールと、太陽光を受けて吸熱を行
う集熱媒体を有し、この集熱媒体が循環する太陽熱集熱
モジュールと、この太陽熱集熱モジュールと太陽光発電
モジュールを一体化し、太陽熱集熱モジュールの集熱媒
体の熱影響を太陽光発電モジュールが受けるように構成
されたハイブリッドモジュールと、このハイブリッドモ
ジュールと装置外部との間に設けられ、太陽熱集熱モジ
ュール表面からの放熱損失を低減する表面空気断熱層
と、を備えたハイブリッド式太陽エネルギ利用装置であ
って、太陽光発電モジュールの熱に基づきハイブリッド
モジュールを、表面空気断熱層内を移動させるものであ
る。
【0011】また、ハイブリッドモジュールの支持する
ベローズを備え、このベローズを伸縮させることによ
り、ハイブリッドモジュール全体を、前記表面空気断熱
層内を移動させるものである。
【0012】さらに、太陽光発電モジュールの熱により
最も温度が上昇する前記ハイブリッドモジュールの一部
分を、表面空気断熱層内を移動させるものである。
【0013】また、ハイブリッドモジュールに熱膨張率
の異なる接合部材を備え、太陽熱集熱モジュールと太陽
光発電モジュールとの間での伝導熱による接合部材の熱
膨張により、前記ハイブリッドモジュールの最も温度が
上昇する部分を、表面空気断熱層内を移動させるもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1であるハイブリッド式太陽エネルギ利用装
置の断面図を示すもので、図において、1はハイブリッ
ドモジュールの表面保護が可能で太陽光のうち太陽光発
電に関与する波長での透過率が大きい表面透過体、2は
集熱時の表面放熱ロスを低減するための表面空気断熱層
である。
【0015】3は単結晶Siやアモルファスなどによる
光起電力効果を有するデバイスで作られた発電セル、4
は発電セル3の絶縁と防水のために用いられるEVA
(エチレンビニルアセテート)等の接着剤、5aは接着
剤4の上面全体に貼り付けられた透明防水シート、5b
は接着剤4の下面全体に貼り付けられた必ずしも透明で
はない防水シートであり、透明防水シート5aおよび防
水シート5bは他の部材に比べて非常に厚さが薄いもの
である。
【0016】6は集熱板、7は熱媒流路となる集熱配
管、8は各部材を一体化するための外枠、9はハイブリ
ッドモジュールの裏面からの放熱ロスを低減するための
グラスウールなどの断熱層である。10は3、4、5
a、5bを一体化した太陽光発電モジュール、11は
6、7を一体化した太陽熱集熱モジュール、12は太陽
光発電モジュール10と太陽熱集熱モジュール11を一
体化したハイブリッドモジュール、13はハイブリッド
モジュール12を上下に駆動するベローズであり、熱に
応じて膨張・伸縮を行う。
【0017】次に、動作について説明する。太陽光発電
モジュール10と太陽熱集熱モジュール11は隙間なく
接してハイブリッドモジュール12を形成している。こ
こでハイブリッドモジュール12は透過体1を通過した
太陽エネルギを受け、太陽光発電モジュール10の発電
セル3で発電し、その排熱と、発電セル3間のすき間を
通過し太陽光集熱モジュール11の集熱板6が受けた太
陽エネルギーによる熱とが、太陽熱集熱モジュール11
内の集熱配管7を循環する液体集熱媒体に吸収され、蓄
熱槽へ回収される。
【0018】ここで、集熱配管7内の液体集熱媒体の循
環が停止した場合、または液体集熱媒体が空になった場
合には、ハイブリッドモジュール12が受けた太陽エネ
ルギは蓄熱槽に回収されず、ハイブリッドモジュール1
2の温度上昇に寄与してしまう。このような状態が発生
するのは、ハイブリッドモジュール12の設置工事時や
配管破損、液体集熱媒体循環用ポンプの故障や液体集熱
媒体の固化などによって液体熱媒体が集熱配管7内を流
れない時である。
【0019】その結果、熱媒循環時には昇温しても一部
が90℃に達する程度だったハイブリッドモジュール1
2の温度が120℃に達することもありえる。一般に、
発電セル3および接着剤4のEVAは90℃まではその
性能が極端に劣化しないが、これ以上の昇温が頻出した
場合には、発電セル3に焼き付けた銀ペーストがはがれ
たり、セル割れが生じたり、EVAが変色して透過率が
落ちるなどの現象が生じ、太陽光発電モジュール10の
発電効率を大きく低下させる、または全く発電しなくな
る可能性がある。
【0020】この問題を回避するには、ハイブリッドモ
ジュール12の放熱量を大きくすればよい。しかしなが
ら、これでは液体集熱媒体が正常に循環しているときも
放熱量が多くなることになり、それだけ集熱量が低下し
てしまい、夏期の日射量が多く外気温度も高いときなど
のように入射エネルギーが大きくかつ放熱量が小さい限
定された期間しか集熱できないことになる。従って、液
体集熱媒体循環時にはハイブリッドモジュール12の放
熱量は小さく、熱媒循環停止時には放熱量を大きくする
ことができる構造をとることが望ましい。
【0021】そこで、夏期晴天日の空焼き時のようにハ
イブリッドモジュール12が発電部を傷める可能性があ
るほど高温化する場合には、ベローズ13が熱により伸
長し、ハイブリッドモジュール12全体を押し上げるこ
とにより、冬期・曇天日のように空焼き温度が低いとき
や通常集熱時などのハイブリッドモジュール12の温度
が発電部を傷めるほど高温化しない場合に比べて表面空
気断熱層2の厚みを小さくすることができる。
【0022】これにより、液体集熱媒体の循環時にはハ
イブリッドモジュール12を表面透過体1から所定の空
気断熱層1の厚みに維持することにより放熱量を小さく
し、熱媒循環停止時にはハイブリッドモジュール12を
表面透過体1に近接させることにより放熱量を大きくす
ることができる構造をとることができる。
【0023】次に、実例について説明する。まず、、図
3に表面空気断熱層厚みの異なるハイブリッドモジュー
ル毎の集熱効率変数と表面空気断熱層厚みとの関係を示
す。この集熱効率変数は、表面空気層厚みが0〜10
[mm]の範囲にある複数のモジュールを、日射量87
0[W/m2]、外気温度13.7[℃]の条件で同時
に空焼き実験し、これにより得たハイブリッドモジュー
ル空焼き温度を下式に当てはめ、求めた。
【0024】R=(Tmax―Ta)/I ここで、 I :ハイブリッドモジュールに入射した全日射量[W
/m2] R :空焼き時の集熱効率変数[m2・℃/W] Ta:外気温度[℃] Tmax:空焼き時のハイブリッドモジュール温度[℃] 例えば、表面空気断熱層が10[mm]で集熱効率変数
は0.084となるが、表面空気断熱層が2[mm]で
は集熱効率変数は0.066まで低下する。
【0025】図4は、図3に示した集熱効率変数を用い
て、日射量1000[W/m2]、外気温度35[℃]
のときの表面空気断熱層の厚みを変えていった場合の空
焼き時のハイブリッドモジュール温度計算結果を示す。
例えば、表面空気断熱層厚みが太陽熱集熱器並の10
[mm]のときは空焼き温度は約120[℃]に達する
が、2[mm]では約100[℃]となり、空焼き時の
ハイブリッドモジュール温度が約20[℃]低減できる
可能性があることがわかる。
【0026】そこで、太陽光発電モジュール10の重さ
を2.5kg、太陽光集熱モジュール11の重さを5k
gとすると、ハイブリッドモジュール12の1枚当りの
重さは7.5kgとなる。常温で表面空気層厚みが10
[mm]、日射量1000[W/m2]、外気温度35
[℃]のとき、図4より、表面空気断熱層2の厚みが
0.86[mm]となるまでつまり90℃でほぼ10
[mm]ハイブリッドモジュール12を押し上げること
のできる性能のベローズ13設置すればハイブリッドモ
ジュール12の温度を90[℃]以下維持することがで
きる。従って、夏期など日射量が多く外気温度も高い時
期に発電セルの発電効率を下げず発電セル自体を痛める
危険性もない温度に維持しつつ集熱できる。
【0027】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2であるハイブリッド式太陽エネルギ利用装置の断面
図を示すもので、図において、1はハイブリッドモジュ
ールの表面保護が可能で太陽光のうち太陽光発電に関与
する波長での透過率が大きい透過体、2は集熱時の表面
放熱ロスを低減するための表面空気断熱層である。
【0028】3は単結晶Siやアモルファスなどによる
光起電力効果を有するデバイスで作られた発電セル、4
は発電セル3の絶縁と防水のために用いられるEVA
(エチレンビニルアセテート)等の接着剤、5aは接着
剤4の上面全体に貼り付けられた透明防水シート、5b
は接着剤4の下面全体に貼り付けられた必ずしも透明で
はない防水シートであり、透明防水シート5aおよび防
水シート5bは他の部材に比べて非常に厚さが薄いもの
である。
【0029】6は集熱板、7は熱媒流路となる集熱配
管、8は各部材を一体化するための外枠、9はハイブリ
ッドモジュール裏面からの放熱ロスを低減するためのグ
ラスウールなどの断熱層である。10は3、4、5a、
5bを一体化した太陽光発電モジュール、11は6、7
を一体化した太陽熱集熱モジュール、12は太陽光発電
モジュール10と太陽熱集熱モジュール11を一体化し
たハイブリッドモジュール、14は集熱板6の下面や、
集熱配管7表面のうち集熱板6の下面との接触部分に設
けられ、集熱板6より熱膨張率の小さい部材からなる変
曲促進部材であり、熱膨張率の異なる接合部材を示す。
【0030】次に、動作について説明する。太陽光発電
モジュール10と太陽熱集熱モジュール11は隙間なく
接してハイブリッドモジュール12を形成している。こ
こでハイブリッドモジュール12は透過体1を通過した
太陽エネルギを受け、太陽光発電モジュール10の発電
セル3で発電し、その排熱と、発電セル間のすき間を通
過し太陽光集熱モジュール11の集熱板6が受けた太陽
エネルギーによる熱とが、太陽熱集熱モジュール11内
の集熱配管7を循環する液体集熱媒体により吸収され、
蓄熱槽へ回収される。
【0031】ここで、集熱配管7内の液体集熱媒体の循
環が停止する、または液体集熱媒体が空になった場合に
はハイブリッドモジュール12が受けた太陽エネルギは
蓄熱槽に回収されず、ハイブリッドモジュール12の温
度上昇に寄与してしまう。このような状態が発生するの
は、ハイブリッドモジュール12の設置工事時や配管破
損、液体集熱媒体循環用ポンプの故障や液体集熱媒体の
固化などによって液体熱媒体が集熱配管7内を流れない
時である。
【0032】その結果、熱媒循環時には昇温しても一部
が90℃に達する程度だったハイブリッドモジュール1
2の温度が120℃に達することもありえる。一般に、
発電セル3および接着剤4のEVAは90℃まではその
性能が極端に劣化しないが、これ以上の昇温が頻出した
場合には、発電セル3に焼き付けた銀ペーストがはがれ
たり、セル割れが生じたり、EVAが変色して透過率が
落ちるなどの現象が生じ、太陽光発電モジュール10の
発電効率を大きく低下させる、または全く発電しなくな
る可能性がある。
【0033】この問題を回避するには、ハイブリッドモ
ジュール12の放熱量を大きくすればよい。しかしなが
ら、これでは液体集熱媒体が正常に循環しているときも
放熱量が多くなることになり、それだけ集熱量が低下し
てしまい、夏期の日射量が多く外気温度も高いときなど
のように入射エネルギーが大きくかつ放熱量が小さい限
定された期間しか集熱できないことになる。従って、液
体集熱媒体循環時にはハイブリッドモジュール12の放
熱量は小さく、熱媒循環停止時には放熱量を大きくする
ことができる構造をとることが望ましい。
【0034】特に、ハイブリッドモジュール12の周辺
部は外枠8との接触により放熱が行われるが、中心部は
表裏面からの放熱のみであるため、周辺部に比べ20℃
程高温になることもあり、この部分での放熱量を増加さ
せることが最も必要となる。
【0035】そこで、集熱板6下面に設置した変曲促進
部材14が、夏期晴天日の空焼き時のようにハイブリッ
ドモジュール12が発電部を傷める可能性があるほど高
温化する場合には、ハイブリッドモジュール12全体を
湾曲させることにより、モジュール中心部が盛り上が
り、冬期・曇天日のように空焼き温度が低いときや通常
集熱時などのハイブリッドモジュール12温度が発電部
を傷めるほど高温化しない場合に比べて表面空気断熱層
2の厚みを小さくすることができる。
【0036】これにより、液体集熱媒体の循環時にはハ
イブリッドモジュール12を表面透過体1から所定の空
気断熱層1の厚みに維持することにより放熱量を小さく
し、熱媒循環停止時にはハイブリッドモジュール12の
中心部を表面透過体1に近接させることにより放熱量を
大きくすることができる構造をとることができる。
【0037】次に、実例について説明する。この変曲が
一般的な金属部材の組み合わせでも起こりうることを実
験により確認した。この実験に用いたハイブリッドモジ
ュール12は、集熱板6をアルミニウム、集熱配管7を
銅で作り、これを変曲促進部材14として用いるために
集熱板6と密着させる。集熱板6の厚みは1.5[m
m]、集熱配管7の径は12.5φ0.5t(外形1
2.5[mm]、肉厚0.5[mm])、ハイブリッド
モジュール12が変曲しやすいように外枠8に取り付け
たLピースで保持した。
【0038】ハイブリッドモジュール12の温度が41
[℃]で表面空気断熱層は4.9[mm]あったが、8
2[℃]になると2.2[mm]まで小さくなる。つま
りハイブリッドモジュールの変曲は6[mm]/100
[℃]であることがわかる。この変形は、集熱板6の部
材を線膨張率23.6×10-6[1/K]のアルミニウ
ム、変曲促進部材13を線膨張率16.8×10-6[1
/K]の銅にしたことに起因する。このような手段を用
いることで、夏期など日射量が多く外気温度も高い時期
に発電セルの発電効率を下げず発電セル自体を痛める問
題もない温度に維持しつつ集熱できる。
【0039】なお、実施の形態1・2では、ハイブリッ
ドモジュール12が1つ設けられた場合について説明し
たが、ハイブリッドモジュール12の枚数は2枚以上で
あっても差し支えない。また、この実施の形態1・2
は、ハイブリッドモジュールの構成部材や液体熱媒体の
種類、保温性能、設置位置などを限定するものではな
い。
【0040】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。太陽光
発電モジュールの熱に基づきハイブリッドモジュール
を、表面空気断熱層内を移動させることにより、夏期な
ど日射量が多く外気温度も高い時期に太陽光発電モジュ
ールの発電効率を下げず、太陽光発電モジュール自体を
痛めることの少ない温度に維持しながら集熱できるとい
う効果がある。
【0041】また、ハイブリッドモジュールの支持する
ベローズを備え、このベローズを伸縮させることによ
り、ハイブリッドモジュール全体を、表面空気断熱層内
を移動させることにより、夏期など日射量が多く外気温
度も高い時期には、ベローズを伸長することで、表面空
気断熱層が薄くなり、ハイブリッドモジュール全体が装
置外部へ近づくので、ハイブリッドモジュールの外部へ
の放熱量が多くなり、太陽光発電モジュールの発電効率
を下げず、太陽光発電モジュール自体を痛めることの少
ない温度に維持しながら集熱できるという効果がある。
【0042】さらに、太陽光発電モジュールの熱により
最も温度が上昇するハイブリッドモジュールの一部分
を、表面空気断熱層内を移動させることにより、夏期な
ど日射量が多く外気温度も高い時期に太陽光発電モジュ
ールの発電効率を下げず、太陽光発電モジュール自体を
痛めることの少ない温度に維持しながら集熱できるとい
う効果がある。
【0043】また、ハイブリッドモジュールに熱膨張率
の異なる接合部材を備え、太陽熱集熱モジュールと太陽
光発電モジュールとの間での伝導熱による接合部材の熱
膨張により、ハイブリッドモジュールの最も温度が上昇
する部分を、表面空気断熱層内を移動させることによ
り、夏期など日射量が多く外気温度も高い時期には、接
合部材の熱膨張によりハイブリッドモジュールの最も温
度の上昇する部分が表面空気断熱層内を移動し、ハイブ
リッドモジュールの温度上昇部分が装置外部へ近づくの
で、その部分の外部への放熱量が多くなり、太陽光発電
モジュールの発電効率を下げず、太陽光発電モジュール
自体を痛めることの少ない温度に維持しながら集熱でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に実施の形態1を示すハイブリッド
式太陽エネルギ利用装置の断面図である。
【図2】 この発明に実施の形態2を示すハイブリッド
式太陽エネルギ利用装置の断面図である。
【図3】 表面空気断熱層厚みと集熱効率変数の関係を
示す図である。
【図4】 表面空気断熱層厚みと空焼き温度の関係を示
す図である。
【図5】 従来のハイブリッドパネルの断面図である。
【図6】 従来のハイブリッドパネルを用いた太陽エネ
ルギ利用システムの系統図である。
【符号の説明】
1 表面透過体、 2 表面空気断熱層、 3 発電セ
ル、 4 接着剤、5a 透明防水シート、 5b 防
水シート、 7 集熱配管、8 熱媒流路、10 太陽
光発電モジュール、 11 太陽熱集熱モジュール、
12 ハイブリッドモジュール、 13 ベローズ、
14 変曲促進部材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を受けて発電を行う太陽光発電モ
    ジュールと、 太陽光を受けて吸熱を行う集熱媒体を有し、この集熱媒
    体が循環する太陽熱集熱モジュールと、 この太陽熱集熱モジュールと前記太陽光発電モジュール
    を一体化し、前記太陽熱集熱モジュールの集熱媒体の熱
    影響を前記太陽光発電モジュールが受けるように構成さ
    れたハイブリッドモジュールと、 このハイブリッドモジュールと装置外部との間に設けら
    れ、前記太陽熱集熱モジュール表面からの放熱損失を低
    減する表面空気断熱層と、を備えたハイブリッド式太陽
    エネルギ利用装置であって、 前記太陽光発電モジュールの熱に基づき前記ハイブリッ
    ドモジュールを、前記表面空気断熱層内を移動させるこ
    とを特徴とするハイブリッド式太陽エネルギ利用装置。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリッドモジュールの支持する
    ベローズを備え、このベローズを伸縮させることによ
    り、前記ハイブリッドモジュール全体を、前記表面空気
    断熱層内を移動させることを特徴とする請求項1記載の
    ハイブリッド式太陽エネルギ利用装置。
  3. 【請求項3】 前記太陽光発電モジュールの熱により最
    も温度が上昇する前記ハイブリッドモジュールの一部分
    を、前記表面空気断熱層内を移動させることを特徴とす
    る請求項1記載のハイブリッド式太陽エネルギ利用装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ハイブリッドモジュールに熱膨張率
    の異なる接合部材を備え、前記太陽熱集熱モジュールと
    前記太陽光発電モジュールとの間での伝導熱による前記
    接合部材の熱膨張により、前記ハイブリッドモジュール
    の最も温度が上昇する部分を、前記表面空気断熱層内を
    移動させることを特徴とする請求項3記載のハイブリッ
    ド式太陽エネルギ利用装置。
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