JPH11278842A - 層状酸化チタンの層間架橋体及び光触媒 - Google Patents

層状酸化チタンの層間架橋体及び光触媒

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JPH11278842A
JPH11278842A JP10079203A JP7920398A JPH11278842A JP H11278842 A JPH11278842 A JP H11278842A JP 10079203 A JP10079203 A JP 10079203A JP 7920398 A JP7920398 A JP 7920398A JP H11278842 A JPH11278842 A JP H11278842A
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淳一 薮中
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英樹 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な層状酸化チタンの層間架橋体及び光触
媒を得る。 【解決手段】 Ti3-x x 7 またはTi4-X x
9 (式中、Mは、Ti、Mn、Fe、Co、Ni及びC
uから選ばれる少なくとも一種の元素を示す。)で表さ
れる層状酸化チタンの層間に、加熱によりSiO2 、A
2 3 、またはTiO2 となる化合物から選ばれる少
なくとも一種を導入して焼成することにより層間を架橋
させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状酸化チタンの
層間架橋体及びそれを用いた光触媒に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
半導体としての酸化チタンが光を吸収し、これによって
活性酸素を発生しその表面で水や有機物等が分解される
ことに着目し、酸化チタンの光触媒としての利用が種々
検討されている。
【0003】一方、層状の結晶構造を有するチタン酸ア
ルカリは、その繊維形状を利用して、プラスチック等に
添加する補強剤や、固体電解質として利用されている。
しかしながら、このような層状のチタン酸塩に関して、
上述のような光触媒としての検討は十分に成されていな
いのが現状である。
【0004】本発明者らは、このような層状のチタン酸
塩を原料として、チタン酸塩の層間に酸化物を導入した
層間架橋体を調製し、得られた層間架橋体を用いた光触
媒について検討したところ、優れた光触媒活性が得られ
ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完
成されたものであり、その目的は、新規な層状酸化チタ
ンの層間架橋体及びそれを用いた光触媒を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の層状酸化チタン
の層間架橋体は、Ti3-x x 7 またはTi4-X x
9 (式中、Mは、Ti、Mn、Fe、Co、Ni及び
Cuから選ばれる少なくとも一種の元素を示す。)で表
される層状酸化チタンの層間に、SiO2 、Al
2 3 、及びTiO2 から選ばれる少なくとも一種の酸
化物を導入し層間を架橋させたことを特徴としている。
【0006】本発明に従う、より具体的な層状酸化チタ
ンの層間架橋体は、層状チタン酸のアルカリ金属塩を酸
で処理し、層間のアルカリ金属を水素イオンと置換して
プロトン化し、層間に有機アミンを導入して層間を拡張
した後、加熱によりSiO2、Al2 3 、またはTi
2 となる化合物から選ばれる少なくとも一種を層間に
導入して焼成することにより得られることを特徴として
いる。
【0007】上記層間の酸化物は、原料としての、ケイ
素、アルミニウム、またはチタンのアルコキシドもしく
は水酸化物を、プロトン化した層状のチタン酸と反応さ
せることにより導入することができる。
【0008】層状チタン酸のアルカリ金属塩としては、
Na2 Ti3-x x 7 及びNa2Ti4-X x 9
示されるナトリウム塩、K2 Ti3-x x 7 及びK2
Ti 4-X x 9 で示されるカリウム塩などが挙げられ
る。
【0009】本発明における層状酸化チタンは、上記一
般式に示されるように、Ti以外の金属元素でTiの一
部が置換されていてもよい。置換量を表すxの値として
は、0〜0.5の範囲内が一般的であり、さらには0.
15〜0.45の範囲内が一般的である。置換元素Mと
しては、上記のような3d遷移元素が挙げられ、これら
は単独であるいは2種類以上を組み合わせて層状酸化チ
タンのTiと置換されていてもよい。
【0010】本発明の光触媒は、上記本発明の層状酸化
チタンの層間架橋体を用いることを特徴としている。本
発明の層状酸化チタンの層間架橋体は、原料となる層状
チタン酸塩のアルカリ金属塩に比べ、非常に大きな比表
面積を有している。本発明者らは、このような大きな比
表面積を有する層状酸化チタンの層間架橋体を用いるこ
とにより、良好な触媒活性を有する光触媒が得られるこ
とを見出した。
【0011】本発明の層状酸化チタンの層間架橋体は、
それ自身で良好な光触媒活性を示すものもあるが、通常
は、その表面に助触媒を担持させることによりさらに優
れた光触媒活性を示す。助触媒としては、例えば、P
t、Ru、Rh、Ir、Niなどが挙げられ、特にPt
を担持させることが好ましい。
【0012】本発明の層状酸化チタンの層間架橋体は、
上述のように、層状チタン酸のアルカリ金属塩を酸で処
理し、層間のアルカリ金属イオンを水素イオンと置換し
てプロトン化し、次に層間に有機アミンを導入して層間
を拡張した後、層間に上記酸化物原料を導入して焼成す
ることにより得ることができる。
【0013】原料となる層状チタン酸のアルカリ金属塩
は、種々の方法により製造されたものを用いることがで
きる。例えば、ゾル−ゲル法、スプレー法、均一沈澱
法、結晶溶融法、水熱合成法、KDC法、粉末焼成法な
どの方法により製造することができる。
【0014】上記の本発明に従う好ましい実施形態にお
いては、まず層状チタン酸のアルカリ金属塩を酸で処理
し、層間のアルカリ金属イオンを水素イオンと置換して
プロトン化する。酸としては、最も一般的には塩酸が用
いられるが、塩酸に限定されるものではなく、その他の
鉱酸及び有機酸などを用いることができる。
【0015】層状チタン酸塩をプロトン化した後、層間
に有機アミンを導入し、いわゆるインターカレーション
により、層間距離を拡張させる。有機アミンとしては、
ヘキシルアミンなどの脂肪族もしくは芳香族アミン、脂
肪族もしくは芳香族の四級アンモニウム塩などを用いる
ことができる。脂肪族基としては、炭素数1〜40程度
の脂肪族基を例示できる。このような有機アミンのイン
ターカレーションにより、0.8nm程度の層間距離
を、例えば2nm程度の層間距離に拡張させることがで
きる。
【0016】有機アミンを導入して層間を拡張した後、
加熱によりSiO2 、Al2 3 、及びTiO2 となる
化合物から選ばれる少なくとも一種を層間に導入する。
これらの酸化物を導入する方法としては、ケイ素、アル
ミニウム、またはチタンのアルコキシドもしくは水酸化
物を反応させる方法がある。例えば、SiO2 を導入す
る場合には、メチルシリケートやエチルシリケートなど
のシリケート化合物を反応させる。また、Al2 3
導入する場合には、PAH(多核水酸化アルミニウムイ
オン〔Al134 (OH)24 (H2 O)12 7+や、アル
ミニウムのアルコキシドを反応させることによって導入
することができる。また、TiO2 を導入する場合に
は、テトラブトキシチタネートなどのアルコキシチタネ
ートを反応させることによって導入することができる。
【0017】層間に導入したアルコキシドもしくは水酸
化物等は、その後の焼成工程により、熱分解し層間架橋
体を形成する。焼成温度は、層間に導入されたアルコキ
シドもしくは水酸化物等を熱分解し得る温度であれば特
に限定されるものではないが、一般には200〜600
℃程度が好ましく、さらには400℃程度が好ましい。
【0018】以上のようにして比表面積の大きい層状酸
化チタンの層間架橋体が得られる。この層間架橋体は、
層状酸化チタンの層間に酸化物が柱状に挿入され架橋さ
れた構造を有するものと考えられる。
【0019】本発明の光触媒は、上述のように、本発明
の層状酸化チタンの層間架橋体を用いることを特徴とす
るものである。上述のように、層間架橋体にさらにPt
などの助触媒を担持させることにより触媒活性を高める
ことができる場合がある。Ptなどの助触媒を担持させ
る方法としては、H2 PtCl6 などの白金化合物水溶
液に分散させ、犠牲剤を加えて光照射する光電着法を用
いることができる。本発明の光触媒は、酸化チタンの半
導体としての性質を利用して水や有機物などを分解する
触媒として利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】層状チタン酸のアルカリ金属塩の
調製 粉末焼成法により、3チタン酸のナトリウム塩(Na2
Ti3-x x 7 ,x=0.15〜0.45)及び4チ
タン酸のカリウム塩(K2 Ti4-X x 9 ,x=0.
20〜0.40)を調製した。調製方法としては、炭酸
塩(Na2 CO 3 またはK2 CO3 )とTiO2 粉末を
めのう乳鉢で粉砕混合し、空気中800℃で3時間焼成
することにより行った。また、Tiサイトを置換する遷
移金属としては、Mn、Fe、Co、Ni、Cuを用い
た。これらの置換金属の炭酸塩または酸化物を、相当す
る量のTiO2 粉末の代わりに混合し、同様にして焼成
することにより、遷移金属で置換した3チタン酸ナトリ
ウム塩及び4チタン酸カリウム塩を調製した。
【0021】図2は、このようにして得られた3チタン
酸のナトリウム塩のXRD(X線回折)パターンを示
す。なお、置換割合を示すxは0.15である。図2か
ら明らかなように、いずれの試料においてもNa2 Ti
3 7 の層状構造が保たれていることがわかる。また、
遷移金属で置換した試料においては、無置換の試料で認
められた不純物(Na2 Ti6 13)はほとんど生成し
ていないことがわかる。
【0022】図3は、置換金属としてMnを用い、置換
割合xを0〜0.45と変化させたときの各試料のXR
Dパターンを示している。置換割合x=0のときは、N
2Ti6 13のピークが表れており、置換割合x=
0.45のときには、Na4 Ti5 12のピークが表れ
ている。これに対し、置換割合x=0.15及びx=
0.30の場合には、ほとんどこれらの不純物のピーク
が表れていない。
【0023】図4は、4チタン酸のカリウム塩のXRD
パターンを示している。遷移金属で置換した試料におい
ては、K2 Ti6 13のピークがわずかに表れている。
図5は、4チタン酸のカリウム塩において、Mnの置換
割合xを0.20及び0.40としたときの試料のXR
Dパターンを示している。Mnで置換した試料において
は、K2 Ti6 13のわずかなピークが認められてい
る。しかしながら、いずれの試料においても、K2 Ti
4 9 の層状構造が保たれていることがわかる。
【0024】Na2 Ti3 7 からのAl2 3 架橋体
の合成 粉末焼成法により、Na2 Ti3 7 を調製し、これを
1MのHClで処理してプロトン化して得られた3チタ
ン酸にC6 13NH2 の溶液を1週間反応させてインタ
ーカレーションにより層間を拡張した。PAH(多核水
酸化アルミニウムイオン〔Al134 (OH)24 (H2
O)12 7+溶液の調製はAlCl3 水溶液にヘキシルア
ミンをOH/Al=2.04(pH=4.0〜4.5)
となるようにゆっくり加え、60℃で4時間熟成した。
PAH溶液を上記アミンをインターカレートしたチタン
酸に加え、50℃で3日間反応させた後、遠心分離によ
り母溶液から固形試料を回収した。これを400℃で1
2時間焼成することにより、Al2 3 が層間に導入さ
れた架橋体を合成した。
【0025】図6は、以上の層間架橋体の形成過程にお
けるXRDパターン及びX線スペクトル(EDX)を示
す図である。図6において、a)は原料の3チタン酸ナ
トリウム塩を示しており、b)は酸処理後、c)はアミ
ンをインターカレートした後、d)はPAHを反応させ
た後、e)は焼成後のそれぞれのXRD及びEDXを示
している。
【0026】図6から明らかなように、b)の酸処理
後、Naイオンが水素イオンと置換されてプロトン化し
ており、c)のアミンのインターカレーションの後、層
間距離が拡張している。またd)のPAHとの反応によ
り塩素を含んだ状態でPAHが層間に導入され、e)の
焼成後、層間において酸化物となっていることがわか
る。
【0027】2 Ti4 9 からのAl2 3 架橋体の
合成 粉末焼成法により、K2 Ti4 9 を調製し、これを上
記と同様にして酸処理してプロトン化し、その後アミン
と反応させて層間を拡張させた後、PAHを反応させ、
焼成することにより、層状酸化チタンのAl2 3 架橋
体を合成した。
【0028】図7は、この層間架橋体の形成過程におけ
るXRD及びEDXを示している。図7から明らかなよ
うに、チタン酸カリウム塩を用いた場合にも、酸処理す
ることにより、カリウムイオンが水素イオンと置換され
てプロトン化し、アミンをインターカレートすることに
より、層間距離が拡張している。またPAHを反応させ
焼成することにより、層間のアミンがPAHと置換さ
れ、焼成により層状酸化チタンのAl2 3 架橋体が合
成されている。
【0029】種々のAl2 3 架橋体の合成 粉末焼成法(粉末混合法)及びゾル−ゲル法により、3
チタン酸ナトリウム塩及び4チタン酸カリウム塩並びに
4チタン酸カリウム塩のFe置換体を合成し、上記と同
様に、酸処理した後有機アミンをインターカレーション
により層間に挿入し、これにPAHを反応させた後焼成
して、Al2 3 架橋体を合成した。
【0030】ゾル−ゲル法は、金属アルコキシドとし
て、(i−PrO)4Ti、及びC2 5 ONaまたは
(CH3)3 COK)を用い、これらのアルコキシドのエ
タノール溶液を調製し、これにエタノール−水(等モ
ル)混合液を投入し加水分解を行った後、これを400
〜800℃で焼成することにより調製した。また、Fe
置換体については、硝酸鉄の水溶液を用いて4チタン酸
カリウム塩を処理することにより調製した。
【0031】原料のチタン酸塩及びこれらの原料から調
製した層状酸化チタンのAl2 3架橋体の比表面積を
測定した。またAl2 3 の包接量を算出した。結果を
表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から明らかなように、いずれの
場合においても、Al2 3 架橋体とすることにより、
著しく比表面積が大きくなっていることがわかる。
【0034】次に、得られた架橋体について、細孔分布
を測定した。細孔分布は、0〜1.0の相対圧で測定
し、Inkley法により細孔分布及び細孔容積を求め
た。図8は、Al2 3 −Ti3 7 の300℃焼成
品、400℃焼成品、及び500℃焼成品の細孔分布を
示している。図9は、Al2 3 −Ti3.9 Fe0.1
9 の300℃焼成品、400℃焼成品、及び500℃焼
成品の細孔分布を示している。図8及び図9からわかる
ように、400℃焼成品及び500℃焼成品は、300
℃焼成品に比べ、より小さな細孔径において鋭いピーク
を示しており、微細構造が形成されていることがわか
る。
【0035】3チタン酸ナトリウム塩からのSiO2
橋体の合成 無置換の3チタン酸ナトリウム塩及び遷移金属で置換し
た3チタン酸ナトリウム塩を用い、SiO2 架橋体を合
成した。置換割合はx=0.15及びx=0.30と
し、上記と同様に酸処理してプロトン化した後、C6
13NH2 をインターカーレートし、トリエトキシシラン
Si(OEt)4 を反応させて、熱処理によりSiO2
架橋体を合成した。プロトン化したときのプロトン交換
率及びそのときの置換金属残存量、並びに有機アミンを
インターカーレートしたときのアミン包接量及びSi
(OEt)4 包接量を求め、表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】また、各試料の比表面積を測定し、図10
に示した。図10及び表2から明らかなように、3チタ
ン酸塩系では、プロトン化の際の置換金属の溶出量が多
いCu置換系を除くと、置換量が多い程比表面積が増加
する傾向にあることがわかる。また、比表面積の序列
は、表2に示すアミン包接量及びSi(OEt)4 包接
量と対応関係があることがわかる。また、アミン包接量
が多い程、その後の反応工程で、Si(OEt)4 が層
間に導入され易く、より強固な架橋が行われていること
が推測される。
【0038】4チタン酸カリウム塩からのSiO2 架橋
体の合成 4チタン酸カリウム塩を原料とし、上記と同様にしてS
iO2 架橋体を合成した。図11は、無置換の4チタン
酸カリウム塩及び遷移金属で置換した4チタン酸カリウ
ム塩を原料として用いた場合の各層状酸化チタンのSi
2 架橋体の比表面積を示している。
【0039】層状酸化チタンのAl2 3 架橋体の電子
線回折による解析 原料の4チタン酸カリウム塩及び層状酸化チタンのAl
2 3 架橋体について電子線回折により解析した。この
結果、原料のK2 Ti4 9 (4チタン酸カリウム塩)
は、図12に示すように、その層間距離が0.87nm
であるのに対し、Al2 3 −Ti4 9 (層状酸化チ
タンのAl2 3 架橋体)は、図13に示すように、そ
の層間距離が1.63nmであり、層間にAl2 3
柱状に挿入されていることがわかった。
【0040】3チタン酸塩からの層状酸化チタンのSi
2 架橋体、Al2 3 架橋体、及びTiO2 架橋体の
合成 3チタン酸塩を原料として、SiO2 架橋体、Al2
3 架橋体、及びTiO 2 架橋体を合成した。SiO
2 は、トリエトキシシリケートを反応させて合成した。
Al2 3 は、上記と同様にしてPAHを反応させて合
成した。TiO2 はテトラブトキシチタネートを反応さ
せて合成した。
【0041】酸処理してプロトン化した後、有機アミン
をインターカーレートし、各アルコキシド等を反応させ
た後、焼成して架橋体を合成した。形成過程におけるX
RDチャートを図1に示す。図1の(a)はSiO2
橋体、(b)はAl2 3 架橋体、(c)はTiO2
橋体のそれぞれの形成過程を示している。
【0042】図1から明らかなように、それぞれの架橋
体の形成過程において、有機アミンを反応させることに
より層間距離が拡張され、拡張された層間にSiO2
Al 2 3 、またはTiO2 がそれぞれ層間に挿入され
架橋構造を形成されていることがわかる。
【0043】3チタン酸塩及び4チタン酸塩から合成し
た層状酸化チタンのSiO2 架橋体の拡散反射スペクト
図14は、3チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
紫外可視拡散反射スペクトルを示しており、図15は、
4チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の紫外可視拡
散反射スペクトルを示している。図14及び図15から
明らかなように、それぞれのSiO2 架橋体はH2 Ti
3 7 及びH2 Ti4 9 とほぼ同様の波長域に吸収端
を有しており、従ってほぼ同様のバンドギャップエネル
ギーを有している。従って、同様の半導体特性を示すこ
とがわかる。これらのことから、本発明の層間架橋体
も、層間架橋前の層状チタン酸と同様の半導体特性を示
し、光触媒として利用可能であることが推測される。
【0044】光触媒機能の評価 本発明の層状酸化チタンの層間架橋体について、光触媒
機能を評価した。光触媒機能の評価は、メタノール水溶
液からの水分解による水素発生を測定することにより行
った。この水素発生の光触媒活性は、図16に示すパイ
レックス製内部照射型反応器を備えた閉鎖循環系を用い
て測定した。メタノール水溶液(MeOHvol :H2
vol =1:5、水は蒸留水を沸騰させ、脱酸素を行っ
た)に測定試料0.2gを分散させ、反応系の空気(酸
素)を十分に脱気した後、系内に約150torrのア
ルゴンガスを循環させた。光源としては400Wの高圧
水銀ランプ(ユーブイ社製、AHH400S、電源装置
(安定器)AH400RP)を用いた。生成する水素は
圧力センサー及びガスクロマトグラフィー(Arキャリ
アー、TCD、MS−5S)により定性定量を行った。
【0045】約4時間の測定の後、カラムをPorap
ackQに切り換え、CO2 の定性定量も行った。次に
反応容器中に白金換算で2mgのH2 PtCl6 を導入
し、光照射して白金を還元する光電着法を用いて白金を
担持させた。これを遠心分離により固形試料を回収した
後、再び新たに調製したメタノール−水混合溶液と共に
反応容器に戻し、同様の測定を行って光触媒活性を測定
した。
【0046】SiO2 架橋体の光触媒活性を測定した。
図17は無置換の3チタン酸塩から合成した層状酸化チ
タンのSiO2 架橋体及び遷移金属で置換した層状酸化
チタンのSiO2 架橋体を用いたときの水素発生速度を
示している。図18は、同様のSiO2 架橋体に1重量
%のPtを担持させたときの水素発生速度を示してい
る。
【0047】図17及び図18から明らかなように、遷
移金属で置換していない無置換のSiO2 架橋体はPt
で担持していない場合、光触媒活性が低いが、Ptを担
持することにより著しく光触媒活性が高くなっている。
これはおそらく、担持したPtが光照射によって層状酸
化チタン層内に生じた電子を蓄積して還元反応を促進す
るためと考えられ、架橋体の層空間に存在するPtの光
触媒活性が影響しているためと考えられる。置換系のS
iO2 架橋体においては、Mnで置換したSiO2 架橋
体が、Ptを担持しない状態において大きな光触媒活性
を示している。しかしながら、Ptを担持することによ
り光触媒活性が低下している。この理由について詳細は
明らかではないが、MnO2 のような酸化物が関与する
活性点が生じており、これがPt担持により消滅する方
向に働くのではないかと推測される。
【0048】図19は、3チタン酸のナトリウム塩、こ
れをプロトン化したチタン酸塩、及びこれにSiO2
架橋させた層状酸化チタンと、それらにPtを担持させ
たものについての光触媒活性を示している。
【0049】図20は、4チタン酸のカリウム塩、これ
をプロトン化したもの、さらにSiO2 を架橋したもの
並びにこれらにPtを担持させたものの光触媒活性を示
している。
【0050】図19及び図20に示すいずれの場合にお
いても、Ptを担持させることにより光触媒活性が大幅
に増加していることがわかる。これは、TiO2 がN型
の半導体であり、このような半導体にPtを導入するこ
とにより、電荷を分離させ還元反応を促進させる活性を
持ち、触媒表面との接合面において活性点を生じること
により、光触媒活性が大幅に増加したものと考えられ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明の層状酸化チタンの
層間架橋体は、大きな比表面積を有し、光触媒として有
用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例のSiO2 架橋体、Al2
3 架橋体、TiO2 架橋体を形成する過程におけるX
RDチャートを示す図。
【図2】本発明の実施例において用いられる3チタン酸
ナトリウム塩のXRDチャートを示す図。
【図3】本発明の実施例において用いられる3チタン酸
ナトリウム塩のXRDチャートを示す図。
【図4】本発明の実施例において用いられる4チタン酸
カリウム塩のXRDチャートを示す図。
【図5】本発明の実施例において用いられる4チタン酸
カリウム塩のXRDチャートを示す図。
【図6】3チタン酸ナトリウム塩からAl2 3 架橋体
を合成する過程におけるXRD及びEDXを示す図。
【図7】4チタン酸カリウム塩からAl2 3 架橋体を
合成する過程におけるXRD及びEDXを示す図。
【図8】3チタン酸塩から合成したAl2 3 架橋体の
細孔分布を示す図。
【図9】4チタン酸塩から合成したAl2 3 架橋体の
細孔分布を示す図。
【図10】3チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
比表面積を示す図。
【図11】4チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
比表面積を示す図。
【図12】4チタン酸カリウム塩の結晶構造を示す模式
図。
【図13】4チタン酸塩から合成したAl2 3 架橋体
の結晶構造を示す模式図。
【図14】3チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
紫外可視拡散反射スペクトルを示す図。
【図15】4チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
紫外可視拡散反射スペクトルを示す図。
【図16】本発明の実施例において用いた光触媒活性を
測定する装置を示す模式図。
【図17】3チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
光触媒活性の評価結果を示す図。
【図18】Ptを担持した3チタン酸塩から合成したS
iO2 架橋体の光触媒活性の評価結果を示す図。
【図19】3チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
光触媒活性の評価結果を示す図。
【図20】4チタン酸塩から合成したSiO2 架橋体の
光触媒活性の評価結果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/89 B01J 35/02 J 35/02 23/64 104M

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti3-x x 7 またはTi4-X x
    9 (式中、Mは、Ti、Mn、Fe、Co、Ni及びC
    uから選ばれる少なくとも一種の元素を示す。)で表さ
    れる層状酸化チタンの層間に、SiO2 、Al2 3
    及びTiO2から選ばれる少なくとも一種の酸化物を導
    入し層間を架橋させたことを特徴とする層状酸化チタン
    の層間架橋体。
  2. 【請求項2】 層状チタン酸のアルカリ金属塩を酸で処
    理し、層間のアルカリ金属イオンを水素イオンと置換し
    てプロトン化し、層間に有機アミンを導入して層間を拡
    張した後、加熱によりSiO2 、Al2 3 、またはT
    iO2 となる化合物から選ばれる少なくとも一種を層間
    に導入して焼成することにより得られることを特徴とす
    る請求項1に記載の層状酸化チタンの層間架橋体。
  3. 【請求項3】 ケイ素、アルミニウム、またはチタンの
    アルコキシドもしくは水酸化物を反応させることによ
    り、前記酸化物を層間に導入したことを特徴とする請求
    項2に記載の層状酸化チタンの層間架橋体。
  4. 【請求項4】 前記層状チタン酸のアルカリ金属塩がナ
    トリウム塩またはカリウム塩である請求項2または3に
    記載の層状酸化チタンの層間架橋体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の層
    状酸化チタンの層間架橋体を用いることを特徴とする光
    触媒。
  6. 【請求項6】 前記層間架橋体にさらに助触媒を担持さ
    せたことを特徴とする請求項5に記載の光触媒。
  7. 【請求項7】 助触媒としてPtを担持させたことを特
    徴とする請求項6に記載の光触媒。
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