JPH11275695A - 音像制御装置 - Google Patents

音像制御装置

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JPH11275695A
JPH11275695A JP10091040A JP9104098A JPH11275695A JP H11275695 A JPH11275695 A JP H11275695A JP 10091040 A JP10091040 A JP 10091040A JP 9104098 A JP9104098 A JP 9104098A JP H11275695 A JPH11275695 A JP H11275695A
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sound
filter
control
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adaptive
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JP10091040A
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Tomohiko Ise
友彦 伊勢
Kiyoshi Nakamura
清志 中村
Nozomi Saito
望 斉藤
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Original Assignee
Alpine Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御音源の設置位置が確保でき、広い範囲で
音像位置の制御を行うことができる音像制御装置を提供
すること。 【解決手段】 運転席横のドアに2個のスピーカ32、
34が近接設置されたRチャンネル(Rch)補正部1
0と、助手席横のドアに2個のスピーカ62、64が近
接設置されたLチャンネル(Lch)補正部40と、運
転席および助手席の中央に所定間隔で設置された2個の
マイクロホン70、72と、これらのマイクロホン出力
と目標応答信号との差分を求めて誤差信号e1、e2を
出力する2個の加算器74、76とが備わっている。そ
れぞれの補正部10、40は、ステレオダイポール方式
による広範囲な制御領域を運転席と助手席を含む空間に
形成し、適応フィルタ16等を用いることにより利用者
毎に最適な仮想音源(模擬音像)位置の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御フィルタを用
いることにより車室内で所望の音像定位を実現する音像
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】市販のCDやレコード等の音楽ソフト
は、スピーカを聴取者の前方左右それぞれ30°の角度
の位置に等距離に設置する(つまり左右のスピーカと聴
取者が正三角形の頂点に位置するよう配置する)ことに
よってステレオ効果を出すよう録音されている。しか
し、車室内においてはスピーカの設置場所が限られ、ほ
とんどが聴取者の横方向であるドアや後方であるリアト
レイに設置されているため、スピーカから各座席への距
離はばらばらである。このため車室内では、音が前方か
ら聞こえないばかりでなく、十分なステレオ効果が得ら
れていない。このような車室内の悪影響を取り除き、車
室内における音響環境の改善を目的としたオーディオ装
置が望まれており、このような要求に応えるものとし
て、適応フィルタを用いることで再生空間における振幅
や位相特性を所望の音響特性となるようにする制御シス
テムが提案されている。
【0003】図6は、車載用オーディオシステムに適用
される音像制御装置の構成を示す図であり、頭部音響伝
達関数を模擬することにより音像を制御するステレオダ
イポール方式のシステム構成が示されている。
【0004】図6に示す音像制御装置は、R(右)チャ
ンネルの音声信号が入力される2つの制御フィルタ30
0、304と、L(左)チャンネルの音声信号が入力さ
れる2つの制御フィルタ302、306と、Rチャンネ
ルおよびLチャンネルの一方の制御フィルタ300、3
02の各出力を加算する加算器308と、Rチャンネル
およびLチャンネルの他方の制御フィルタ304、30
6の各出力を加算する加算器310と、それぞれの加算
出力を増幅する2つのアンプ312、314と、それぞ
れの増幅信号を音声に変換して車室内に放射する2つの
スピーカ316、318とを含んで構成されている。こ
の音像制御装置では、制御音源としての2つのスピーカ
316、318が聴取者の前方に近接設置されており、
前後方向に制御領域を拡大することが可能となるため、
車両の運転席の聴取者と後部座席の聴取者の両方が理想
に近い音響特性で音楽を聴取することが可能になる。
【0005】図7および図8は、図6に示したステレオ
ダイポール方式の音像制御装置の動作原理を説明するた
めの図であり、図7には音像制御装置の基本構成が、図
8には図7に示した音像制御装置をステレオダイポール
方式に適用した場合の制御領域が示されている。
【0006】図7に示す基本的な音像制御装置は、音声
信号が入力される2つの制御フィルタ320、322
と、一方の制御フィルタ320の出力を増幅して空中に
放射するアンプ324およびスピーカ328と、他方の
制御フィルタ322の出力を増幅して空中に放射するア
ンプ326およびスピーカ330とを含んで構成されて
いる。制御フィルタ320、322のそれぞれのフィル
タ係数W1 、W2 を調整することにより、2つの制御音
源としてのスピーカ328、330を用いて模擬音像を
実現することができ、聴取点において理想的な音響特性
を実現することができる。
【0007】ところが、図7に示した音像制御装置にお
いては、聴取点において理想的な模擬音像を実現できる
ように制御フィルタ320、322の各フィルタ係数W
1 、W2 が設定されているため、聴取点として設定され
た制御点近くの狭い領域だけでしか理想的な模擬音像を
実現することができない。
【0008】そこで、理想的な模擬音像が得られる領域
を広げることができる音像制御装置として図8に示すス
テレオダイポール方式の構成が提案されている。図8に
示す音像制御装置は、構成自体は図7に示した音像制御
装置の構成と同じであり、制御音源としての2つのスピ
ーカ328、330を聴取者の前方に近接して設置した
点が異なっている。制御音源を聴取者の前方に近接して
配置することにより、聴取者の前方から後方への単純な
音波の流れを作り出して、前後方向に広い領域で類似の
音波が聴取できるようにすることで、制御領域の拡大を
図っている。したがって、車両の運転席に座っている聴
取者と後部座席に座っている聴取者の両方が含まれるよ
うな広い制御領域を実現することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のステ
レオダイポール方式を用いた音像制御装置は、理想的な
模擬音像を実現するために、聴取者の前方に制御音源と
してのスピーカを近接させて設置する必要があり、車室
内の運転席前方のようにスピーカを設置することが困難
な場合には実現が難しいという問題がある。
【0010】また、理想的な模擬音源が実現できる制御
領域が聴取者の前後方向に広がっているため、運転席に
座っている聴取者と助手席に座っている聴取者の両方に
対して理想的な模擬音源を実現しようとすると、図9に
示すように、運転席と助手席のそれぞれに対応させて図
6に示した音像制御装置を設置する必要がある。しか
し、このようにして2つの音像制御装置を狭い車室内に
設置すると、運転席に対応した一方の音像制御装置から
漏れる音が助手席側の聴取者に聴こえることになり、反
対に助手席に対応した他方の音像制御装置から漏れる音
が運転席側の聴取者に聴こえることになって、それぞれ
の音像制御装置間のクロストークが音像の制御に悪影響
をおよぼすという問題があった。
【0011】特に、一般的な車両の使用形態を考える
と、運転者のみが搭乗する場合を除くと、運転者と助手
席の搭乗者が搭乗する機会が多いため、運転席と助手席
を含む広い範囲で理想的な音像が得られる音像制御装置
が望まれている。
【0012】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、制御音源の設置位置が確保
でき、広い範囲で音像位置の制御を行うことができる音
像制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の音像制御装置は、運転席横に複数の第
1の制御音源が近接設置された第1の音源位置補正手段
と、助手席横に複数の第2の制御音源が近接設置された
第2の音源位置補正手段とを有しており、それぞれの音
源位置補正手段に含まれる制御フィルタ部を適応フィル
タによって構成している。運転席横および助手席横のそ
れぞれに複数の制御音源が近接配置されるため、運転席
から助手席に向かって、あるいは反対に助手席から運転
席に向かって単純な音波の流れが生成され、運転席と助
手席を含む広い範囲で仮想音源(模擬音像)位置の制御
が可能となる。また、制御音源としては一般にはスピー
カが用いられるが、その設置位置を運転席横あるいは助
手席横、すなわち車両のドアとすることができるため、
設置位置の確保が容易となる。また、各音源位置補正手
段に含まれる制御フィルタ部を適応フィルタによって構
成することにより、利用者毎に異なる車両や異なる制御
音源の設置位置等に対応した汎用性のある音像制御装置
を実現することができる。
【0014】また、本発明の音像制御装置は、上述した
適応フィルタのフィルタ係数を設定するために、運転席
と助手席の近傍に設置された集音手段と、第1の音源位
置補正手段によって実現される第1の仮想音源位置から
集音手段までの音響伝達関数を目標応答特性として有す
る第1の目標応答設定手段と、第2の音源位置補正手段
によって実現される第2の仮想音源位置から集音手段ま
での音響伝達関数を目標応答特性として有する第2の目
標応答設定手段と、集音手段の出力信号の特性が第1お
よび第2の目標応答設定手段の出力信号の特性に近づく
ように適応フィルタのフィルタ係数を設定する適応処理
手段とを備えている。フィルタ係数設定用に所定の信号
(例えばホワイトノイズ信号)が入力され、適応処理手
段によって設定されるフィルタ係数が所定の値に収束す
る場合とは、第1および第2の音源位置補正手段に含ま
れる制御フィルタ部の特性が第1および第2の目標応答
設定手段の特性に近づいた場合であり、利用者毎に異な
る環境において理想的な音響空間の実現が可能となる。
【0015】特に、上述した適応フィルタのフィルタ係
数は、少なくとも第1および第2の制御音源を設置した
際に、あるいはこの設置位置を変更した際に、設定を行
うことが好ましい。最適なフィルタ係数は、少なくとも
制御音源の設置位置が異なれば変わるものであるため、
新設時あるいは設置位置を変更したときにフィルタ係数
の設定を行うことにより、常に最適な状態の音響空間を
実現することができる。
【0016】また、上述した第1および第2の音源位置
補正手段に含まれる制御フィルタ部のそれぞれは、第1
あるいは第2の仮想音源位置から集音手段までの音響伝
達特性を有する仮想音源用フィルタ部と、第1あるいは
第2の制御音源から集音手段までの音響伝達特性を打ち
消す打ち消し用フィルタ部とを有することが好ましい。
このように、仮想音源位置を実現する部分と、制御音源
から出力される実際の音声を打ち消す部分とを分離する
ことにより、利用者の好み等に応じて仮想音源位置を変
更する場合であっても、制御音源位置が変更されない限
り、その都度フィルタ係数を実測によって求める必要が
なく、フィルタ係数設定に必要な煩雑な作業を必要最小
限に抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を適用した一実施形態の音
像制御装置は、運転席と助手席の横方向にそれぞれ2個
のスピーカを設置することにより、スピーカの正面方
向に関して制御領域が広くなるというステレオダイポー
ル方式の利点を維持し、車室内でも容易に実現でき、
適応フィルタを用いることにより各利用者毎に異なる
環境に対応できることに特徴がある。以下、一実施形態
の音像制御装置について図面を参照しながら説明する。
【0018】〔第1の実施形態〕図1は、本発明を適用
した第1の実施形態の音像制御装置の構成を示す図であ
る。同図に示す音像制御装置は、入力されるRチャンネ
ルの音声信号に対して所定の補正を行って運転席(図1
の領域A)の横方向に近接設置された2つのスピーカ3
2、34から補正後の音声を車室内に放射するRチャン
ネル(Rch)補正部10と、入力されるLチャンネル
の音声信号に対して所定の補正を行って助手席(図1の
領域B)の横方向に近接設置された2つのスピーカ6
2、64から補正後の音声を車室内に放射するLチャン
ネル(Lch)補正部40と、運転席と助手席のほぼ中
間位置に所定間隔で設置された2つのマイクロホン7
0、72と、Rチャンネル補正部10に対応した2つの
遅延器36、38と、Lチャンネル補正部40に対応し
た2つの遅延器66、68と、遅延器36、68の各遅
延信号から一方のマイクロホン70の出力信号を減算し
て誤差信号e1を出力する加算器74と、遅延器38、
66の各遅延信号から他方のマイクロホン72の出力信
号を減算して誤差信号e2を出力する加算器76とを含
んで構成されている。
【0019】上述したRチャンネル補正部10は、入力
されるRチャンネルの音声信号に基づいてRチャンネル
の模擬音像を生成するためのものであり、基本的には図
7に示したステレオダイポール方式の音像制御装置と同
等の機能を含んでいる。同様に、Lch補正部40は、
入力されるLチャンネルの音声信号に基づいてLチャン
ネルの模擬音像を生成するためのものであり、基本的に
は図7に示したステレオダイポール方式の音像制御装置
と同様の機能を有している。
【0020】ところで、図7に示した音像制御装置にお
いて所定の模擬音像を得るために必要な制御フィルタ3
20、322のそれぞれのフィルタ係数W1 、W2 を求
めると以下のようになる。スピーカ328、330から
聴取点に設置された左右のマイクロホンまでの伝達関数
をC11、C21、C12、C22、模擬音源からこれらのマイ
クロホンまでの伝達関数をH1 、H2 とすると、 H1 =C111 +C122 …(1) H2 =C211 +C222 …(2) の関係を満たすように、2つの制御フィルタ320、3
22の各フィルタ係数W1 、W2 を設定すればよい。上
述した(1)式および(2)式から、 W1 =(C2211−C1221-1・(C221 −C122 ) …(3) W2 =(C1122−C2112-1・(C112 −C211 ) …(4) となる。(3)式および(4)式を変形すると、 W1 =(C2211−C1221-122・H1 −(C2211−C1221-112・H2 …(5) W2 =(C1122−C2112-111・H2 −(C1122−C2112-121・H1 …(6) となる。(5)式および(6)式より、制御フィルタ3
20、322は、2つのスピーカ328、330から2
つのマイクロホンまでの伝達関数C11、C21、C12、C
22に関する部分と、模擬音像から2つのマイクロホンま
での伝達関数H1、H2 に関する部分とに分けることが
できる。ここで、伝達関数C11、C21、C12、C22に関
する部分は、スピーカからマイクロホンまでの音響伝達
系を打ち消すためのものであり、それぞれの項を係数と
した制御フィルタを用いて、図2に示す音像制御装置を
構成することにより、図7に示した音像制御装置と同等
の機能を実現することができる。
【0021】本実施形態のRチャンネル補正部10およ
びLチャンネル補正部40は、図2に示した音像制御装
置を、それぞれのチャンネルに対応させて用いたもので
ある。
【0022】具体的には、Rチャンネル補正部10は、
運転席横に近接設置された2つのスピーカ32、34
と、Rチャンネルの仮想音源としての模擬音像からマイ
クロホン70、72のそれぞれまでの伝達関数HR1、H
R2をフィルタ係数として有する2つの制御フィルタ1
2、14と、図2に示した構成をRチャンネル用として
考えた場合に係数(C2211−C1221-122、−
(C2211−C1221-112、−(C1122−C21
12-121、(C1122−C2112-111のそれぞれ
をフィルタ係数GR1、GR2、GR3、GR4として有する4
つの適応フィルタ16、18、20、22と、適応フィ
ルタ16、18の各出力を加算する加算器24と、適応
フィルタ20、22の各出力を加算する加算器26と、
2つの加算器24、26の各出力を増幅した音声をスピ
ーカ32、34から出力する2つのアンプ28、30と
を含んで構成されている。
【0023】Rチャンネル補正部10において、Rチャ
ンネルの音声信号が制御フィルタ12、14のそれぞれ
に入力される。一方の制御フィルタ12から出力された
信号を適応フィルタ16に通した信号と、他方の制御フ
ィルタ14から出力された信号を適応フィルタ18に通
した信号とを加算器24で加算し、この加算結果をアン
プ28で増幅した音声を一方のスピーカ32から車室内
に放射する。また、一方の制御フィルタ12から出力さ
れた信号を適応フィルタ20に通した信号と、他方の制
御フィルタ14から出力された信号を適応フィルタ22
に通した信号とを加算器26で加算し、この加算結果を
アンプ30で増幅した音声を他方のスピーカ34から車
室内に放射する。
【0024】上述したRチャンネル補正部10内の4つ
の適応フィルタ16、18、20、22を用いることに
より、2つのスピーカ32、34からマイクロホン7
0、72までの音響特性が打ち消される。また、2つの
制御フィルタ12、14を用いることにより、運転席の
右斜め前方の所定位置にRチャンネル用の模擬音像が生
成される。特に、2つのスピーカ32、34は、運転席
横(正確には運転席横のドア)に近接設置されるため、
スピーカ32、34の前後方向、すなわち運転席から助
手席に向かう広い範囲(図1の領域D)において類似の
音波が聴取可能であって、運転席および助手席のそれぞ
れに座っている聴取者に対して同じ条件でRチャンネル
の模擬音像の位置を制御することができる。
【0025】同様に、Lチャンネル補正部40は、助手
席横に近接設置された2つのスピーカ62、64と、L
チャンネルの仮想音源としての模擬音像からマイクロホ
ン70、72のそれぞれまでの伝達関数HL1、HL2をフ
ィルタ係数として有する2つの制御フィルタ42、44
と、図2に示した構成をLチャンネル用として考えた場
合に係数(C2211−C1221-122、−(C2211
−C1221-112、−(C1122−C2112
-121、(C1122−C2112-111のそれぞれをフ
ィルタ係数GL1、GL2、GL3、GL4として有する4つの
適応フィルタ46、48、50、52と、適応フィルタ
46、48の各出力を加算する加算器54と、適応フィ
ルタ50、52の各出力を加算する加算器56と、2つ
の加算器54、56の各出力を増幅してスピーカ62、
64から出力する2つのアンプ58、60とを含んで構
成されている。
【0026】Lチャンネル補正部40において、Lチャ
ンネルの音声信号が制御フィルタ42、44のそれぞれ
に入力される。一方の制御フィルタ42から出力された
信号を適応フィルタ46に通した信号と、他方の制御フ
ィルタ44から出力された信号を適応フィルタ48に通
した信号とを加算器54で加算し、この加算結果をアン
プ58で増幅した音声を一方のスピーカ62から車室内
に放射する。また、一方の制御フィルタ42から出力さ
れた信号を適応フィルタ50に通した信号と、他方の制
御フィルタ44から出力された信号を適応フィルタ52
に通した信号とを加算器56で加算し、この加算結果を
アンプ60で増幅した音声を他方のスピーカ64から車
室内に放射する。
【0027】上述したLチャンネル補正部40内の4つ
の適応フィルタ46、48、50、52を用いることに
より、2つのスピーカ62、64からマイクロホン7
0、72までの音響特性が打ち消される。また、2つの
制御フィルタ42、44を用いることにより、助手席の
左斜め前方の所定位置にLチャンネル用の模擬音像が生
成される。特に、2つのスピーカ62、64は、助手席
横(正確には助手席横のドア)に近接設置されるため、
スピーカ62、64の前後方向、すなわち助手席から運
転席に向かう広い範囲(図1の領域D)において類似の
音波が聴取可能であって、助手席および運転席のそれぞ
れに座っている聴取者に対して同じ条件でLチャンネル
の模擬音像の位置を制御することができる。
【0028】ところで、図2に示した各制御フィルタの
フィルタ係数(C2211−C1221-122、−(C22
11−C1221-112、−(C1122−C2112-1
21、(C1122−C2112-111のそれぞれは、各
スピーカから各マイクロホンまでの伝達関数C11
21、C12、C22を別々に求めても容易に計算によって
求めることができるとは限らないため、本実施形態の音
像制御装置では、これらのフィルタ係数を自動的に設定
するために、Rチャンネル補正部10の4つの適応フィ
ルタ16、18、20、22と、Lチャンネル補正部4
0の4つの適応フィルタ46、48、50、52とが用
いられている。
【0029】図3は、Rチャンネル補正部10の詳細な
構成を示す図であり、各適応フィルタ16〜22のフィ
ルタ係数を自動的に設定する機構の詳細が示されてい
る。図3に示すように、Rチャンネル補正部10は、適
応フィルタ16、18、20、22のそれぞれに対応し
て4つの適応信号処理部100、110、120、13
0を有している。なお、これらの適応信号処理部100
〜130は、図1に示したRチャンネル補正部10では
省略されている。
【0030】適応信号処理部100は、制御フィルタ1
2の出力信号が入力されるとともに、2つの加算器7
4、76から出力される誤差信号e1、e2が入力され
ており、これらの誤差信号e1、e2のパワーが最小と
なるように適応信号処理を行って、対応する適応フィル
タ16のフィルタ係数GR1(=(C2211−C1221
-122)を設定する。このために、適応信号処理部10
0は、制御フィルタ12から入力される信号に一方のス
ピーカ32から2つのマイクロホン70、72のそれぞ
れまでの音響伝搬系の伝達特性C11、C21を畳み込んで
適応信号処理に用いる参照信号(フィルタードリファレ
ンス信号)を生成する2つのフィルタ102、104
と、フィルタードx(Filtered-x)LMS適応アルゴリ
ズムを用いて適応フィルタ16のフィルタ係数GR1を設
定するLMSアルゴリズム処理部106とを有してい
る。
【0031】LMSアルゴリズム処理部106は、上述
した2つのフィルタ102、104のそれぞれから出力
される2つのフィルタードリファレンス信号と、加算器
74、76のそれぞれから出力される誤差信号e1、e
2とが入力されており、これらの各種信号を用いて聴取
位置における2つのマイクロホン70、72の出力信号
が、目標応答信号としての遅延器36、38の各出力信
号と等しくなるように、LMSアルゴリズムを用いて適
応フィルタ16のフィルタ係数(タップ係数ベクトル)
R1を設定する。
【0032】同様に、適応信号処理部110は、制御フ
ィルタ14の出力信号が入力されるとともに、2つの加
算器74、76から出力される誤差信号e1、e2が入
力されており、これらの誤差信号e1、e2のパワーが
最小となるように適応信号処理を行って、対応する適応
フィルタ18のフィルタ係数GR2(=−(C2211−C
1221-112)を設定する。このために、適応信号処
理部110は、制御フィルタ14から入力される信号に
一方のスピーカ32から2つのマイクロホン70、72
のそれぞれまでの音響伝搬系の伝達特性C11、C21のそ
れぞれを畳み込んで適応信号処理に用いるフィルタード
リファレンス信号を生成する2つのフィルタ112、1
14と、フィルタードxLMS適応アルゴリズムを用い
て適応フィルタ18のフィルタ係数GR2を設定するLM
Sアルゴリズム処理部116とを有している。
【0033】また、適応信号処理部120は、制御フィ
ルタ12の出力信号が入力されるとともに、2つの加算
器74、76から出力される誤差信号e1、e2が入力
されており、これらの誤差信号e1、e2のパワーが最
小となるように適応信号処理を行って、対応する適応フ
ィルタ20のフィルタ係数GR3(=−(C1122−C21
12-121)を設定する。このために、適応信号処理
部120は、制御フィルタ12から入力される信号に他
方のスピーカ34から2つのマイクロホン70、72の
それぞれまでの音響伝搬系の伝達特性C12、C22のそれ
ぞれを畳み込んで適応信号処理に用いるフィルタードリ
ファレンス信号を生成する2つのフィルタ122、12
4と、フィルタードxLMS適応アルゴリズムを用いて
適応フィルタ20のフィルタ係数GR3を設定するLMS
アルゴリズム処理部126とを有している。
【0034】また、適応信号処理部130は、制御フィ
ルタ14の出力信号が入力されるとともに、2つの加算
器74、76から出力される誤差信号e1、e2が入力
されており、これらの誤差信号e1、e2のパワーが最
小となるように適応信号処理を行って、対応する適応フ
ィルタ22のフィルタ係数GR4(=(C1122−C21
12-111)を設定する。このために、適応信号処理部
130は、制御フィルタ14から入力される信号に他方
のスピーカ34から2つのマイクロホン70、72のそ
れぞれまでの音響伝搬系の伝達特性C12、C22のそれぞ
れを畳み込んで適応信号処理に用いるフィルタードリフ
ァレンス信号を生成する2つのフィルタ132、134
と、フィルタードxLMS適応アルゴリズムを用いて適
応フィルタ22のフィルタ係数GR4を設定するLMSア
ルゴリズム処理部136とを有している。
【0035】なお、図1に示したLチャンネル補正部4
0も同様の構成を有しており、4つの適応フィルタ4
6、48、50、52の各フィルタ係数GL1、GL2,G
L3、GL4を設定するために4つの適応信号処理部(図示
せず)を有している。
【0036】上述した制御フィルタ12、14および適
応フィルタ16〜22が第1の制御フィルタ部に、制御
フィルタ42、44および適応フィルタ46〜52が第
2の制御フィルタ部に、制御フィルタ12、14が第1
の仮想音源用フィルタ部に、制御フィルタ42、44が
第2の仮想音源用フィルタ部に、適応フィルタ16〜2
2が第1の打ち消し用フィルタ部に、適応フィルタ46
〜52が第2の打ち消し用フィルタ部にそれぞれ対応す
る。また、スピーカ32、34が第1の制御音源に、ス
ピーカ62、64が第2の制御音源に、Rチャンネル補
正部10が第1の音源位置補正手段に、Lチャンネル補
正部40が第2の音源位置補正手段に、マイクロホン7
0、72が集音手段に、制御フィルタ12、14および
遅延器36、38が第1の目標応答設定手段に、制御フ
ィルタ42、44および遅延器66、68が第2の目標
応答設定手段に、加算器74、76、適応信号処理部1
00〜130が適応処理手段にそれぞれ対応する。
【0037】次に、上述した構成を有する本実施形態の
音像制御装置において、Rチャンネル補正部10内の各
適応フィルタ16〜22とLチャンネル補正部40内の
各適応フィルタ46〜52のそれぞれのフィルタ係数を
設定する手順を説明する。
【0038】最初に、Rチャンネル補正部10に含まれ
る4つの適応フィルタ16〜22の各フィルタ係数
R1、GR2、GR3、GR4の設定を行う。図3に示すよう
に、制御フィルタ12および制御フィルタ14への入力
信号は同一で、これらの出力信号はかなりの相関を持っ
てしまうため、適応フィルタ16と18、20と22が
互いに干渉し合って最適なフィルタ係数を算出できな
い。したがって、フィルタ係数GR1等を設定する際に
は、まず一方の制御フィルタのフィルタ係数を0に固定
して、他方の制御フィルタのみを有効に動作させて、対
応する適応フィルタのフィルタ係数の設定を行う。例え
ば、一方の制御フィルタのフィルタ係数を0、他方の制
御フィルタのフィルタ係数を1に固定する。なお、フィ
ルタ係数設定時にRチャンネル補正部10に入力される
信号としては、ホワイトノイズ信号を用いることが好ま
しい。フィルタ係数を設定する具体的な手順および
を以下に示す。
【0039】まず、制御フィルタ14のフィルタ係数
R2を0に固定するとともに、制御フィルタ12のフィ
ルタ係数HR1を1に固定する。このような状態において
Rチャンネル補正部10にホワイトノイズ信号を入力す
ると、対応する誤差信号e1、e2がLMSアルゴリズ
ム処理部106、126に入力されて、適応フィルタ1
6、20のフィルタ係数GR1、GR3が所定の値に収束す
る。
【0040】次に、制御フィルタ12のフィルタ係数
R1を0に固定するとともに、制御フィルタ14のフィ
ルタ係数HR2を1に固定する。このような状態において
Rチャンネル補正部10にホワイトノイズ信号を入力す
ると、対応する誤差信号e1、e2がLMSアルゴリズ
ム処理部116、136に入力されて、適応フィルタ1
8、22のフィルタ係数GR2、GR4が所定の値に収束す
る。
【0041】このようにして4つの適応フィルタ16〜
22の各フィルタ係数を順次求めた後、同様の設定動作
をLチャンネル補正部40内の4つの適応フィルタ46
〜52についても行う。なお、必ずしもRチャンネル補
正部10内の適応フィルタ16等のフィルタ係数を先に
設定する必要はなく、Lチャンネル補正部40内の適応
フィルタ46等のフィルタ係数を先に設定するようにし
てもよい。また、上述した、の手順を実施する順番
も適宜入れ替えるようにしてもよい。
【0042】このようにして求めた各フィルタ係数GR1
等は、スピーカ32等の設置位置によって一義的に決ま
るため、オーディオシステム設置時あるいはスピーカ3
2等の設置位置変更時に一度設定作業を行った後は、適
応フィルタ16等のフィルタ係数を固定して本実施形態
の音像制御装置を使用することができる。また、模擬音
像の位置を決める制御フィルタ12のフィルタ係数HR1
等は、利用者の好みに合わせて数パターンの値をメモリ
(図示せず)に記憶しておいて、利用者の操作によって
自由に選択できるようにすることが好ましい。
【0043】このように、本実施形態の音像制御装置
は、運転席横にスピーカ32、34を、助手席横にスピ
ーカ62、64をそれぞれ設置しており、運転席横ある
いは助手席横のそれぞれのドアを利用して各スピーカ3
2等の設置を無理なく行うことができる。また、スピー
カ32、34あるいはスピーカ62、64のそれぞれは
近接設置されており、これらの前後方向、すなわち運転
席と助手席を含む広い範囲を制御領域(図1の領域D)
とすることができ、この制御領域内にいる運転者や同乗
者に対して理想的な模擬音像を提供することができる。
なお、後部座席(図1の領域C)は上述した制御領域か
ら外れるが、後部座席の聴取者に対しては、運転席横の
スピーカ32、34が右前方に位置するとともに、助手
席横のスピーカ62、64が左前方に位置しており、も
ともと理想的な模擬音像に近い位置関係を有しているた
め、想定する聴取位置からずれたときに生じる悪影響が
少ない。
【0044】また、本実施形態の音像制御装置は、Rチ
ャンネル補正部10およびLチャンネル補正部40のそ
れぞれにおいて等化処理を行う制御フィルタとして適応
フィルタ16等を用いており、そのフィルタ係数を適応
処理によって設定しているため、利用者毎に異なる車両
や異なる制御音源の設置位置等に対応した汎用性のある
音像制御装置を実現することができる。
【0045】〔第2の実施形態〕上述した第1の実施形
態の音像制御装置は、(5)式および(6)式のそれぞ
れの右辺の各項に対応するように適応フィルタ16等を
設けたが、図7の制御フィルタ320、322に対応す
るフィルタ係数を適応等化処理によって直接的に設定す
るようにしてもよい。
【0046】図4は、本発明を適用した第2の実施形態
の音像制御装置の構成を示す図である。同図に示す音像
制御装置は、入力されるRチャンネルの音声信号に対し
て所定の補正を行って運転席横に近接設置された2つの
スピーカ32、34から補正後の音声を車室内に放射す
るRチャンネル補正部210と、入力されるLチャンネ
ルの音声信号に対して所定の補正を行って助手席横に近
接設置された2つのスピーカ62、64から補正後の音
声を車室内に放射するLチャンネル補正部240と、運
転席と助手席のほぼ中間位置に所定間隔で設置された2
つのマイクロホン70、72と、Rチャンネル補正部2
10に対応した2つの遅延器220、222および2つ
の目標応答設定部224、226と、Lチャンネル補正
部240に対応した2つの遅延器250、252および
2つの目標応答設定部254、256と、目標応答設定
部224、256の各出力信号から一方のマイクロホン
70の出力信号を減算して誤差信号e1を出力する加算
器74と、目標応答設定部226、254の各出力信号
から他方のマイクロホン72の出力信号を減算して誤差
信号e2を出力する加算器76とを含んで構成されてい
る。
【0047】上述したRチャンネル補正部210は、運
転席横に近接設置された2つのスピーカ32、34と、
一方の目標応答設定部224によって設定される目標応
答としての仮想音源を模擬する適応フィルタ212と、
他方の目標応答設定部226によって設定される目標応
答としての仮想音源を模擬する適応フィルタ214と、
適応フィルタ212、214の各出力を増幅した音声を
スピーカ32、34から出力するアンプ216、218
とを含んで構成されている。
【0048】Rチャンネル補正部210内の2つの適応
フィルタ212、214を用いることにより、2つのス
ピーカ32、34からマイクロホン70、72までの音
響特性を打ち消すとともに、運転席の右斜め前方にRチ
ャンネル用の仮想音源としての模擬音像が生成される。
特に、第1の実施形態と同様に、2つのスピーカ32、
34は、運転席横のドアに近接設置されるため、スピー
カ32、34の前後方向、すなわち運転席から助手席に
向かう広い範囲において類似の音波が聴取可能であっ
て、運転席および助手席のそれぞれに座っている聴取者
に対して同じ条件でRチャンネルの模擬音像を生成する
ことができる。
【0049】同様に、Lチャンネル補正部240は、助
手席横に近接設置された2つのスピーカ62、64と、
一方の目標応答設定部254によって設定される目標応
答としての仮想音源を模擬する適応フィルタ242と、
他方の目標応答設定部256によって設定される目標応
答としての仮想音源を模擬する適応フィルタ244と、
適応フィルタ242、244の各出力を増幅した音声を
スピーカ62、64から出力するアンプ246、248
とを含んで構成されている。
【0050】Lチャンネル補正部240内の2つの適応
フィルタ242、244を用いることにより、2つのス
ピーカ62、64からマイクロホン70、72までの音
響特性を打ち消すとともに、助手席の左斜め前方にLチ
ャンネル用の仮想音源としての模擬音像が生成される。
特に、第1の実施形態と同様に、2つのスピーカ62、
64は、運転席横のドアに近接設置されるため、スピー
カ62、64の前後方向、すなわち助手席から運転席に
向かう広い範囲において類似の音波が聴取可能であっ
て、助手席および運転席のそれぞれに座っている聴取者
に対して同じ条件でLチャンネルの模擬音像を生成する
ことができる。
【0051】図5は、Rチャンネル補正部210の詳細
な構成を示す図であり、2つの適応フィルタ212、2
14の各フィルタ係数を自動的に設定する機構の詳細が
示されている。図5に示すように、Rチャンネル補正部
210は、2つの適応フィルタ212、214のそれぞ
れに対応して2つの適応信号処理部230、235を有
している。なお、これらの適応信号処理部230、23
5は、図4に示したRチャンネル補正部210では省略
されている。
【0052】適応信号処理部230は、Rチャンネルの
音声信号が入力されるとともに、2つの加算器74、7
6から出力される誤差信号e1、e2が入力されてお
り、これらの誤差信号e1、e2のパワーが最小となる
ように適応信号処理を行って、対応する適応フィルタ2
12のフィルタ係数GR5を設定する。このために、適応
信号処理部230は、Rチャンネル補正部210に入力
されるRチャンネルの音声信号に一方のスピーカ32か
ら2つのマイクロホン70、72のそれぞれまでの音響
伝搬系の伝達特性C11、C21を畳み込んで適応信号処理
に用いるフィルタードリファレンス信号を生成する2つ
のフィルタ231、232と、フィルタードx(Filter
ed-x)LMS適応アルゴリズムを用いて適応フィルタ2
12のフィルタ係数GR5を設定するLMSアルゴリズム
処理部233とを有している。
【0053】第1の実施形態の適応信号処理部100に
含まれるLMSアルゴリズム処理部106と同様に、L
MSアルゴリズム処理部233は、2つのフィルタ23
1、232のそれぞれから出力される2つのフィルター
ドリファレンス信号と、加算器74、76のそれぞれか
ら出力される誤差信号e1、e2とが入力されており、
これらの各種信号を用いて聴取位置における2つのマイ
クロホン70、72の出力信号が、目標応答設定部22
4、226の各出力信号と等しくなるように、LMSア
ルゴリズムを用いて適応フィルタ212のフィルタ係数
R5を設定する。
【0054】同様に、適応信号処理部235は、Rチャ
ンネルの音声信号が入力されるとともに、2つの加算器
74、76から出力される誤差信号e1、e2が入力さ
れており、これらの誤差信号e1、e2が最小となるよ
うに適応信号処理を行って、対応する適応フィルタ21
4のフィルタ係数GR6を設定する。このために、適応信
号処理部235は、Rチャンネル補正部210に入力さ
れるRチャンネルの音声信号に一方のスピーカ32から
2つのマイクロホン70、72のそれぞれまでの音響伝
搬系の伝達特性C12、C22のそれぞれを畳み込んで適応
信号処理に用いるフィルタードリファレンス信号を生成
する2つのフィルタ236、237と、フィルタードx
LMS適応アルゴリズムを用いて適応フィルタ214の
フィルタ係数GR6を設定するLMSアルゴリズム処理部
238とを有している。
【0055】なお、図4に示したLチャンネル補正部2
40も同様の構成を有しており、2つの適応フィルタ2
42、244の各フィルタ係数GL5、GL6を設定するた
めに2つの適応信号処理部(図示せず)を有している。
【0056】上述した適応フィルタ212、214が第
1の制御フィルタ部に、適応フィルタ242、244が
第2の制御フィルタ部にそれぞれ対応する。また、Rチ
ャンネル補正部210が第1の音源位置補正手段に、L
チャンネル補正部240が第2の音源位置補正手段に、
目標応答設定部224、226および遅延器220、2
22が第1の目標応答設定手段に、目標応答設定部25
4、256および遅延器250、252が第2の目標応
答設定手段に、加算器74、76、適応信号処理部23
0、235が適応処理手段にそれぞれ対応する。
【0057】また、各フィルタ係数GR5等は、スピーカ
32等の設置位置や目標応答設定部224等の特性によ
って一義的に決まるため、オーディオシステム設置時や
スピーカ32等の設置位置変更時、あるいは目標応答設
定部224等の特性の変更時に一度設定作業を行った後
は、適応フィルタ212等のフィルタ係数を固定して本
実施形態の音像制御装置を使用することができる。
【0058】このように、本実施形態の音像制御装置
は、運転席横にスピーカ32、34を、助手席横にスピ
ーカ62、64をそれぞれ設置しており、運転席横ある
いは助手席横のそれぞれのドアを利用して各スピーカ3
2等の設置を無理なく行うことができる。また、スピー
カ32、34あるいはスピーカ62、64のそれぞれは
近接設置されており、これらの前後方向、すなわち運転
席(図4の領域A)と助手席(図4の領域B)を含む広
い範囲を制御領域(図4の領域D)とすることができ、
この制御領域内にいる運転者や同乗者に対して理想的な
模擬音像を提供することができる。
【0059】また、本実施形態の音像制御装置は、Rチ
ャンネル補正部210およびLチャンネル補正部240
のそれぞれにおいて音像制御を行う制御フィルタとして
適応フィルタ212等を用いており、そのフィルタ係数
を適応等化処理によって設定しているため、利用者毎に
異なる車両や異なる制御音源の設置位置等に対応した汎
用性のある音像制御装置を実現することができる。
【0060】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、運転
席横および助手席横のそれぞれに複数の制御音源が近接
配置されるため、運転席から助手席に向かって、あるい
は反対に助手席から運転席に向かって単純な音波の流れ
が生成され、運転席と助手席を含む広い範囲で仮想音源
(模擬音像)位置の制御が可能となる。また、制御音源
としては一般にはスピーカが用いられるが、その設置位
置を運転席横あるいは助手席横、すなわち車両のドアと
することができるため、設置位置の確保が容易となる。
また、各音源位置補正手段に含まれる制御フィルタ部を
適応フィルタによって構成することにより、利用者毎に
異なる車両や異なる制御音源の設置位置等に対応した汎
用性のある音像制御装置を実現することができる。
【0061】特に、所望の音源位置を実現する音源位置
補正手段に含まれる制御フィルタ部を、仮想音源位置を
実現する部分と、制御音源から出力される実際の音声を
打ち消す部分とを分離することにより、利用者の好み等
に応じて仮想音源位置を変更する場合であっても、制御
音源位置が変更されない限り、その都度フィルタ係数を
実測によって求める必要がなく、フィルタ係数設定に必
要な煩雑な作業を必要最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の音像制御装
置の構成を示す図である。
【図2】模擬音像からマイクロホンまでの伝達関数に対
応した制御フィルタと、スピーカからマイクロホンまで
の伝達関数に対応した制御フィルタとを分離した音像制
御装置の構成を示す図である。
【図3】図1に示したRチャンネル補正部の詳細な構成
を示す図である。
【図4】本発明を適用した第2の実施形態の音像制御装
置の構成を示す図である。
【図5】図4に示したRチャンネル補正部の詳細な構成
を示す図である。
【図6】車載用オーディオシステムに適用される音像制
御装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示したステレオダイポール方式の音像制
御装置の動作原理を説明するための図である。
【図8】図6に示したステレオダイポール方式の音像制
御装置の動作原理を説明するための図である。
【図9】運転席と助手席のそれぞれに対応した音像制御
装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10、210 Rチャンネル(Rch)補正部 12、14、42、44 制御フィルタ 16、18、20、22、46、48、50、52 適
応フィルタ 24、26、54、56、74、76 加算器 28、30、58、60 アンプ 32、34、62、64 スピーカ 40、240 Lチャンネル(Lch)補正部 70、72 マイクロホン 36、38、66、68 遅延器 100、110、120、130 適応信号処理部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される左右いずれか一方のチャンネ
    ルの音声信号に対して所定の補正処理を行う第1の制御
    フィルタ部と、車両の運転席の横方向に近接配置されて
    前記第1の制御フィルタ部の出力信号を車内に放射する
    複数の第1の制御音源とを有し、入力される音声信号に
    対応する第1の仮想音源位置の制御を行う第1の音源位
    置補正手段と、 入力される左右いずれか他方のチャンネルの音声信号に
    対して所定の補正処理を行う第2の制御フィルタ部と、
    車両の助手席の横方向に近接配置されて前記第2の制御
    フィルタ部の出力信号を車内に放射する複数の第2の制
    御音源とを有し、入力される音声信号に対応する第2の
    仮想音源位置の制御を行う第2の音源位置補正手段と、 を備え、前記第1および第2の制御フィルタ部として適
    応フィルタを用いてそのフィルタ係数を設定することを
    特徴とする音像制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記運転席および前記助手席の近傍に所定間隔で設置さ
    れた集音手段と、 前記第1の仮想音源位置から前記集音手段までの音響伝
    達関数を第1の目標応答特性として設定する第1の目標
    応答設定手段と、 前記第2の仮想音源位置から前記集音手段までの音響伝
    達関数を第2の目標応答特性として設定する第2の目標
    応答設定手段と、 前記第1および第2の音源位置補正手段、前記第1およ
    び第2の目標応答設定手段のそれぞれに所定の信号を入
    力したときに、前記集音手段から出力される信号の特性
    が前記第1および第2の目標応答設定手段から出力され
    る信号の特性に近づくように前記適応フィルタのフィル
    タ係数を設定する適応処理手段と、 をさらに備えることを特徴とする音像制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記適応処理手段は、少なくとも前記第1および第2の
    制御音源を設置した際に、あるいはこの設置位置を変更
    した際に、前記適応フィルタのフィルタ係数の設定を行
    うことを特徴とする音像制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記第1の音源位置補正手段に含まれる前記第1の制御
    フィルタ部は、前記第1の仮想音源位置から前記集音手
    段までの音響伝達特性を有する第1の仮想音源用フィル
    タ部と、前記第1の制御音源から前記集音手段までの音
    響伝達特性を打ち消す第1の打ち消し用フィルタ部とを
    有し、 前記第2の音源位置補正手段に含まれる前記第2の制御
    フィルタ部は、前記第2の仮想音源位置から前記集音手
    段までの音響伝達特性を有する第2の仮想音源用フィル
    タ部と、前記第2の制御音源から前記集音手段までの音
    響伝達特性を打ち消す第2の打ち消し用フィルタ部とを
    有し、 前記第1および第2の打ち消し用フィルタ部を前記適応
    フィルタを用いて構成することを特徴とする音像制御装
    置。
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