JPH11272863A - 画像情報による物体認識方法 - Google Patents

画像情報による物体認識方法

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JPH11272863A
JPH11272863A JP10072031A JP7203198A JPH11272863A JP H11272863 A JPH11272863 A JP H11272863A JP 10072031 A JP10072031 A JP 10072031A JP 7203198 A JP7203198 A JP 7203198A JP H11272863 A JPH11272863 A JP H11272863A
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昌明 柴田
Toshikazu Onda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体認識の大幅な高速化を図るようにした。 【解決手段】 画像入力素子等により画像を画像取り込
み手段11で取り込んだ画像は、微分処理手段12によ
り水平方向および垂直方向の微分が行われる。次に、上
記微分処理手段12による画像の水平方向および垂直方
向の微分での微分値と向きの情報に基づいて円弧中心位
置を円弧中心位置推定手段13で推定し、円弧中心位置
を検出する。この円弧中心位置推定手段13で円弧中心
位置を検出したなら円弧位置で記述されたモデルとのマ
ッチングをマッチング処理手段14によって対象物の位
置姿勢認識を行い、その認識結果を出力手段15により
出力画像として表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像情報におけ
る物体認識方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像処理システムを使用して物体
を認識することが行われるようになって来た。このよう
なシステムで画像情報に基づいて物体を認識するとき
に、認識性能を低下させる一要因としては、環境光量の
変化による認識対象の照度変化が挙げられる。特に、工
場環境においては、対象全体の明るさが一様に変化する
場合ばかりでなく、局所的な入射光によって照度のむら
が生じることもあり、一般に広く用いられている二値化
画像処理やパターンマッチングを用いた手法において
は、認識率の低下を招く要因の一つになっていた。
【0003】上記のような環境光量の変化に対してロバ
ストな物体認識手法の一つにモデルベーストマッチング
法がある。この手法は、画像から認識対象のエッジを検
出し、検出したエッジについて線分や円弧といった特徴
の抽出を行って対象の位置姿勢を認識するものである。
エッジの検出に際しては、微分画像を利用するので、環
境光量の一様な変化にも対応可能となる。また、不均衡
な照射光によって発生する一部の特徴の誤検出や検出誤
差の発生に対しても、特徴を利用したモデルベーストマ
ッチングによって、位置姿勢認識の精度・安定性への影
響は低く抑えられる。
【0004】モデルベーストマッチング法で用いられる
モデルには、保持するデータ量の少なさや抽出方法の容
易さなどの理由により、線分や円弧を特徴として利用す
る場合が多い。特に工業製品の製造工程において、認識
対象となる部品や半製品は、線分と円弧だけを特徴とし
てモデル化できるものが多く、また、複数の円弧だけで
モデルを記述し得るものも少なくない。このように円弧
を用いるのは、次のような場合に有効となる。
【0005】例えば、対象物の照度変化を考慮すると
き、ITVカメラで撮影された対象物の輪郭部分は、光
量に応じて多少変化するから、過光量の場合では見かけ
上対象物が膨張したように撮像されてしまう。このた
め、対象物の輪郭を線分を用いてモデルを記述する場
合、抽出された線分の位置は、誤差を含んでしまう恐れ
がある。しかし、円弧を用いてモデルを記述すると、光
量の変化に際して円弧自体の半径は変化するものの、円
弧の中心位置は影響を受けない。このように、円弧中心
位置を用いたモデルの記述には、光量変化による影響を
抑える特徴がある。
【0006】特徴抽出においては、適切なエッジ点列が
得られていることを前提とするので、点列データの質
(点列長、混入雑音)が認識結果に影響を及ぼす。この
ため、雑音や誤差によるエッジ点の欠損は特徴抽出の性
能に大きく作用し、特徴の位置・方向・長さ(大きさ)
に関する抽出精度を悪化させてしまう。特に、円弧の検
出では、取得された点列データの質が重要であり、この
ため、雑音を抑えた良質な微分画像の取得が重要とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したモデルベース
トマッチング法の抱える課題は、画像微分に要する計算
処理量が多く、二値化処理やパターンマッチングを用い
た認識手法と比較して処理時間が多くかかる問題があ
る。特に、後者の認識手法については、ハードウェアの
開発が広く進められ、パイプライン処理による高速実行
が実現されているのに対して、前者のモデルベーストマ
ッチング法では、画像微分処理が可能なハードウェアが
多く開発されているものの、微分フィルタのマスクの大
きさに制約があるために、雑音を抑えた良質な微分画像
を取得するのに十分と言えるものが現状ではあまり多く
ない問題がある。
【0008】そこで、雑音を抑えて良質な微分画像を取
得するために、信号雑音比率を考慮したフィルタとし
て、Cannyの示した微分フィルタがある。この微分フィ
ルタは、雑音にロバストなフィルタとして周知である。
このフィルタをした方法を改良した手法として、Derich
eの示した微分フィルタおよび平滑化フィルタがある。
【0009】Dericheのフィルタは、IIR(infinite
impulse response)形のフィルタで、高周波成分を低減
する特長がある。このため、微分処理の高速化を考える
とき、前述のように画像処理の大幅な高速化には、ハー
ドウェアによる処理が適しており、パイプライン処理で
あれば、原画像の取得と同時に微分画像を取得し得る可
能性もある。しかし、前記IIR形のフィルタはマスク
化に適さないので、Dericheのフィルタをそのまま導入
することはできない問題がある。
【0010】ここで、上記Dericheの微分フィルタを使
用して円弧の抽出を行う処理について述べる。図13は
従来の円弧抽出の基本的手順を示すフローチャートで、
まず、ステップS1で入力画像を取り込む。次に、入力
画像の微分画像をステップS2で取得する。この取得に
は、Dericheのフィルタを適用する。微分画像を取得し
たなら、その後、ステップS3で微分画像の二値化を行
ってからステップS4で細線化し、エッジ検出をステッ
プS5で行う。このステップS5によるエッジ検出の
後、ステップS6で円弧の検出を行い、ステップS7で
円弧の判断を行ってステップS8で円弧の抽出を行うこ
とによって処理を終了する。
【0011】上記のように、微分画像の取得に際して、
Dricheの微分フィルタを適用し、かつ全ての手順につい
てソフトウェア処理を前提する場合、取り扱うデータ量
が最大である微分画像に要する処理時間が最も大きくな
る。しかし、以下の処理手順において要する計算処理
量、計算時間は比較的小さいが、各ステップで生ずる計
算誤差や円弧部分特定アルゴリズム、円弧推定アルゴリ
ズムの良否などが、円弧抽出の結果に大きく影響する問
題がある。
【0012】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、微分フィルタのマスク化を図って、物体認識の大
幅な高速化を図るようにした画像情報による物体認識方
法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、画像入力素子により取
り込んだ画像情報に基づいて、その画像情報から特徴抽
出を行った後、画像認識して物体を認識する方法におい
て、前記画像情報を近似微分フィルタで微分するととも
に、得られた微分画像を近似平滑フィルタで処理して処
理画像を得るときに、両フィルタを直交する方向に乗じ
たフィルタのマスクを形成して処理画像を生成した後、
その処理画像から特徴抽出を行って画像認識するように
したことを特徴とするものである。
【0014】第2発明は、前記マスクを形成するときの
近似微分フィルタおよび近似平滑フィルタと元のフィル
タとの誤差が20%以内になるようにし、かつ近似平滑
フィルタの打ち切り誤差を近似微分フィルタより大きめ
に設定したことを特徴とするものである。
【0015】第3発明は、前記画像情報を微分処理した
後、その微分値をベクトルとする直線の交差点を円或い
は円弧成分の中心として特徴抽出を行い、その後、特徴
抽出データからモデルデータに合致する箇所をモデルベ
ーストマッチング処理により検出したことを特徴とする
ものである。
【0016】第4発明は、前記微分処理は、画像情報を
近似微分フィルタで微分するとともに、得られた微分画
像を近似平滑フィルタで処理して処理画像を得るとき
に、両フィルタを直交する方向に乗じたフィルタのマス
クを形成して処理画像を生成処理したことを特徴とする
ものである。
【0017】第5発明は、前記マスクを形成するときの
近似微分フィルタおよび近似平滑フィルタと元のフィル
タとの誤差が20%以内になるようにし、かつ近似平滑
フィルタの打ち切り誤差を近似微分フィルタより大きめ
に設定したことを特徴とするものである。
【0018】第6発明は、前記画像情報を近似微分フィ
ルタで微分するとともに、得られた微分画像を近似平滑
フィルタで処理して処理画像を得るときに、両フィルタ
を直交する方向に乗じたフィルタのマスクを形成して処
理画像を生成処理した後、その処理画像を1本以上走査
し、その走査軸上の各点においての微分値をベクトルと
する直線群を求めた後、その直線群と任意点との距離群
を求めて、この距離群をベクトルとし、このベクトルの
ユークリッドノルムが最小となるように、円或いは円弧
中心を推定し、その後、推定した円或いは円弧中心デー
タからモデルデータに合致する箇所をモデルベーストマ
ッチング処理により検出して画像認識したことを特徴と
するものである。
【0019】第7発明は、前記ユークリッドノルムが最
小となるようにするには、重み係数を用い、その重み係
数は微分ベクトルの大きさとすることを特徴とするもの
である。
【0020】第8発明は、前記モデルベーストマッチン
グ処理が、画像中の円或いは円弧中心データ群から任意
の点qiを選択した後、点(qi-qj)間の距離Dijを計
算し、|Dij−dkl|≦δとなるモデルの距離dklを検
索して、qi,qjに対応するpk,plを探索した後、画
像から抽出した円或いは円弧中心データ群の中にモデル
を構成する円或いは円弧中心群に合致する点がいくつ存
在するかを求めるようにしたものである。
【0021】第9発明は、前記推定する円或いは円弧が
複数である場合には、微分ベクトルの走査線方向の成分
の符号に基づいて微分ベクトルをグループ化し、そのグ
ループ化により認識対象である複数の円或いは円弧を抽
出することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態を示
すブロック構成図で、図1において、11は画像入力素
子等により画像を取り込む画像取り込み手段で、この画
像取り込み手段11で取り込んだ画像は、微分処理手段
12により水平方向および垂直方向の微分が行われる。
なお、微分処理手段12の詳細は後述する。
【0023】次に、上記微分処理手段12による画像の
水平方向および垂直方向の微分での微分値と向きの情報
に基づいて円弧中心位置を円弧中心位置推定手段13で
推定し、円弧中心位置を検出する。この円弧中心位置の
検出手段についても詳細は後述する。前記円弧中心位置
推定手段13で円弧中心位置を検出したなら円弧位置で
記述されたモデルとのマッチングをマッチング処理手段
14によって対象物の位置姿勢認識を行い、その認識結
果を出力手段15により出力画像として表す。図2は実
施の形態の動作を述べるフローチャートで、図2におい
て、ステップS11で入力画像を取り込んだ後、ステッ
プS12で画像の水平方向および垂直方向の微分を行
う。その後、ステップS12による微分での微分値と向
きの情報により円弧中心位置をステップS13で判断
し、ステップS14で円弧を抽出する。
【0024】上記のように、この発明の実施の形態で
は、まず、Dericheフィルタを近似して、そのフィルタ
の特性を損なわない適切なマスクの設計を行い、微分フ
ィルタのマスク化により、パイプライン処理への適用を
前提とすれば、ビデオレートでの微分画像取得へと展開
できる。また、エッジ点列の抽出を行わずに微分画像か
ら円弧成分の中心位置を直接抽出する、すなわち、画像
の水平方向および垂直方向の微分による微分値と向きの
情報に基づいて円弧中心位置を推定する手段を採用し
た。このため、エッジ点列を使用しないので、エッジ点
の検出やエッジ点列の抽出、点列における円弧部分の切
り分けなどの処理が必要ではなくなる。この結果、処理
時間の短縮およびそれらの処理による計算誤差の発生が
無くなる利点が得られる。
【0025】次に、微分処理手段12の詳細について述
べる。Dericheによって示された画像微分手法は、入力
画像について水平あるいは垂直方向に一次元の空間フィ
ルタを適用することで微分画像を生成するものである。
そして、平滑化手法も同様に、微分処理と直交する方向
に空間フィルタを適用するものである。つまり、水平方
向の微分であれば、入力画像の各行毎に微分フィルタを
適用し、その微分した画像について垂直方向に各列毎に
平滑化フィルタを適用することで処理画像を生成してい
る。
【0026】Dericheの画像微分手法の連続空間系にお
ける応答は(1)式で与えられる。
【0027】
【数1】
【0028】(1)式をz変換すると微分フィルタFが
求められる。
【0029】
【数2】
【0030】(2)式において、ymは微分値、xmは入
力画像の画素値、係数a,b1,b2はいずれも定数で、
次の(3)で与えられる。
【0031】
【数3】
【0032】上記式において、α=1,ωを略「0」と
すると信号雑音比率の良い応答が得られることが知られ
ている。また、ω=0として近似すると、次の(4)式
を適用することが可能となる。
【0033】
【数4】
【0034】以下(4)式に基づいて、マスクの構成を
進めて行く。(4)式のg(x)の離散信号をg(n)とすると
き、g(n)は次の(5)式で表され。z変換したフィルタ
Gは(6)式表される。
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】また、次のように無限級数
【0038】
【数7】
【0039】とするためには、cは(7)式のように求
められる。
【0040】
【数8】
【0041】(6)式のフィルタGに対して、離散信号
を有限個(k個)に限定したときの応答をGkとする
と、Gkは次の(8)式のように表され、Gk +は(9)
式、Gk -は(10)式でそれぞれ表される。 Gk=Gk ++Gk - …(8)
【0042】
【数9】
【0043】
【数10】
【0044】このときゲイン係数ckは次式のように得
られる。
【0045】
【数11】
【0046】Dericheの微分フィルタを打ち切り近似し
たFIR(有限インパルス応答)システムであるGk
ついても、kの値を変えて周波数特性を比較した特性図
を図3に示す。この図3において、α=1としている。
また、図3には、(2)式に示した元のDericheフィル
タの周波数特性を併せて記してある。この特性との比較
からk=5以上において良好な近似を得ていることが分
かる。この場合の近似フィルタG5は1×11のマスク
によって表現される。
【0047】微分フィルタと同様にして、平滑化フィル
タも打ち切り近似することでマスクによって表現でき
る。連続空間系における近似平滑化フィルタは(4)式
を積分したものと同形で次式(12)で表される。
【0048】
【数12】
【0049】(12)式をz変換したフィルタHは次式
(13)で表される。
【0050】
【数13】
【0051】ここで、係数dは次の(14)式から得ら
れる。
【0052】
【数14】
【0053】フィルタHに対して、離散信号列を有限個
(k個)に限定したときの応答Hkは、以下のように表
される。なお、ゲイン係数をdkとし、pは、次式のよ
うにした。
【0054】
【数15】
【0055】Hk=Hk ++Hk -
【0056】
【数16】
【0057】
【数17】
【0058】
【数18】
【0059】Hkについて、kの値を変えて周波数特性
を比較したものが図4である。図4において、α=1と
している。図4には、元のDericheの平滑化フィルタの
周波数特性を併せて記してあり、これとの比較からk=
5以上において、良好な近似を得ていることが分かる。
このときの近似平滑化フィルタH5は1×11のマスク
によって表現される。
【0060】微分フィルタと平滑化フィルタを直交する
方向に乗じたフィルタのマスクを考えてみる。図3、図
4の結果から求められるマスクは、両図において、いず
れもk=5,α=1とするとき、次の表1に示す11×
11のマスクを得る。ただし、フィルタゲインを1とす
るためには、同表中の数値に(11)式、(18)式に
示されるゲイン定数の積ck,dkを乗ずる必要がある。
【0061】
【表1】
【0062】これら微分フィルタおよび平滑化フィルタ
と元のDericheのフィルタとの誤差は、ck,dkの値か
ら知ることができる。k=5としたとき、c5=1.029,
5=1.051,c5・d5=1.081となり、およそ8%の誤差
が見込まれる。同様にして、k=4のとき、つまり9×
9のマスクではc4=1.070であり微分の影響は少ないも
のの、全体ではc4・d4=1.198となるので、約20%
の誤差になる。この点から平滑化フィルタの打ち切り
は、微分フィルタより大きめに設定した方が良い。
【0063】次にこの発明の実施の形態においては、円
弧の中心位置に特定して特徴抽出を行う。すなわち、実
施の形態では、対象の原画像に対して水平方向および垂
直方向の微分値に基づき特徴抽出を行うので、Deriche
のフィルタや前述した手法などによって得られる微分画
像が取得されていることを前提とする。
【0064】例えば、図5に示すような円筒形対象物を
上方より撮影し、円弧を含む原画像を生成する。生成し
た原画像について、微分を施して、図6に示す微分画像
を得る。図6において、円の線分の太さは微分値の強さ
を表し、エッジ近傍にて最も微分値が大きい様子を表し
ている。画像座標(xi,yi)に位置する画素piにつ
いて、各軸方向に沿って得られた微分値をuiおよびvi
とすると、piにおける微分値の強さは√(ui 2
i 2)、微分方向ベクトルは(ui,vi)で与えられ
る。
【0065】図5の矢印が示すように、円弧近傍を通過
するよう微分画像を1行だけ走査するとき、走査軸上の
各画素は図7に示す微分方向を有する。点pi(xi,y
i)が円弧周辺の一点であるとするとき、同点を通過し
同点の微分方向を傾きとする直線liは円弧中心Oを通
過する。
【0066】
【数19】
【0067】走査軸の位置をAとするとき、Bである。
ただし、A,Bは次式である。
【0068】
【数20】
【0069】図8に示すように、任意点G(s,t)を考
え、li上の点でGに最寄りの点をqiとする。また、G
i間の距離diとする直線liと点Gが図9に示す位置
にあるとき、距離diは次のように求められる。 di=(s−xi)・cosθi−(t−yi)・sinθi …(20) 点Gを円弧中心へ向けて移動させるとき、∀qiも、円
弧中心へと集約していく。理論的には一点の円弧中心へ
集まることが期待されるが、実際には画像への雑音や誤
差の混入があるため、必ずしも∀liが円弧中心を通過
する訳ではないので、∀qiはある程度のばらつきをも
って集まることが予測される。そこで、diが成すベク
トルd=〔d12…dnTについて、dのユークリッド
ノルムを最小にする点Gを推定円弧として求める。
【0070】
【数21】
【0071】
【数22】
【0072】ここで、各画素の微分値を用いて、上式に
次式を代入すると(24)式が得られる。
【0073】
【数23】
【0074】
【数24】
【0075】ここで、Wi≡1/(ui 2+vi 2)である。このよ
うにして、円弧中心は画素の微分値に基づいて推定する
ことができる。なお、上記手段では点qiが集約するこ
とを利用していることから、走査した画素列piについ
て次の条件を満たす必要がある。 (条件)すべてのviが非零で同符号、かつ(ui/vi)>(u
i+1/vi+1) 理論的には、円弧およびその周辺部分に該当する画素列
は同条件を満たす。しかし、画像に含まれる雑音や微分
処理に伴う誤差の程度によっては、同条件が完全に満た
される訳ではないので、雑音・誤差による値のぶれを考
慮する必要がある。
【0076】円弧の周辺部分で円弧から比較的離れた箇
所の微分値は、相対的に誤差を多く含むことになる。逆
に、円弧に該当する部分では相対的に誤差は少ない。そ
こで、上記(21)式に重み係数を乗じて推定を行い、
誤差による推定への影響の低減を図る。
【0077】
【数25】
【0078】重み係数Aiは、走査した画素毎に与えら
れる任意の定数とする。(25)式から、推定円弧中心
は次のように求められる。
【0079】
【数26】
【0080】(26)式において、Aiは任意なので、
i≡ui 2+vi 2=1/Wとおくと、(26)式は以下のよ
うに簡単化される。
【0081】
【数27】
【0082】上記の式において、Ai=ui 2+vi 2とするこ
とは、重み係数として微分値のパワーを乗ずることにな
るので、微分値の大きい箇所、すなわち円弧に該当する
部分および近傍に大きな重み付けがされることになる。
よって、円弧位置推定に(27)式を用いることで、計
算量の低減ばかりでなく、雑音、誤差の低減の効果も得
ている。
【0083】(27)式の適用により、1行の走査軸だ
けで円弧中心が推定されるが、複数行を走査することに
より、推定精度を向上させることができる。微分画像を
走査するとき、1行の走査で推定に用いた画素の数をn
jとすると、行数mの複数行走査は無限級数の和nj
(jからm個まで)の画素を参照することになる。各行
において、推定された円弧中心をそれぞれ(sj,tj
とするとき、複数行走査による推定円弧中心(∧s、∧
t:∧記号は推定を表す)は次式のように求められる。
【0084】
【数28】
【0085】上記(28)式の方法において、走査する
行数はmであるが、各行が連続している必要はなく、任
意の行を選択することができる。このことは、例えば、
撮像系からインターレース・スキャン方式で対象画像を
受信する場合、even/oddフレームに対してそれぞれ独立
に円弧推定を適用することなどを可能にする。ただし、
この場合は、微分フィルタの垂直方向の微分値を適宜調
整する必要がある。また、抽出対象とする円弧の大きさ
によって走査する行を間引くことが可能なので、処理量
の低減、すなわち、処理時間の短縮化が図れる利点があ
る。
【0086】次にモデルベーストマッチング法について
のべる。一般にモデルベーストマッチング法は、入力情
報群からモデルデータに合致する箇所を検出する手法で
あり、図10(a)に示すような円弧中心で与えられる
データ群を、画像から抽出された円弧中心データ群(図
10(b))から検出する探索問題となる。
【0087】モデルを構成する円弧中心群{pi}(i=1
〜n)が与えられているとき、あらかじめ(pi−pj
間の相対距離{dij}および相対角から派生する関数値
{sinθij},{cosθij}を求めておく。
【0088】画像から円弧中心群{qi}(i=1〜m)を
抽出したならば、図11に示すマッチングプロシージャ
手順に従って探索する。なお、各段では上位のloopに対
して下位をinner loopとしている。
【0089】図11において、loop1は画像中の円弧中
心データ群から点qiを選択する。loop2は(qi−qj
間の距離Dijを計算する。loop3は|Dij−dkl|≦δ
(略0)となるモデルの距離dklを探索する。すなわ
ち、qi,qjに対応するpk,plを探索する。loop4は
i,qj,pk,plの対応が判明すると認識対象の位置
姿勢を仮定できるので、{q}の中に{p}に合致する
点がいくつか存在するかを求める。
【0090】loop3にて検出されたqi,qjが対象の
一部分であると仮定するとき、loop4では次の(29)
式のようにしてモデル{p}の画像上の位置{P}を求
める。ここで、φij=∠(qj−qi)とする。
【0091】
【数29】
【0092】モデルの代表点をplとするとき、対象の
位置は(29)式において、h=1として求められ、姿
勢は(θkl+φij−θk1)となる.すべてのloopを終え
て、モデル{p}に合致する点の数が指定した閾値以上
に多かった円弧群{q}の部分集合が検出された対象で
ある。
【0093】上述の手順によれば、計算回数オーダは0
(m33)となる。特に(29)式でのPhは同オーダ
の回数だけ計算されるが、加法定理によって分解するこ
とで予め求めてある関数値{sinθij},{cosθij}を
利用できるので、三角関数の計算回数は0(m2)とな
る。同手順は検索問題として一般化できるので、アルゴ
リズムの改良により計算回数オーダを低減できると考え
られるが、実際の処理に要する計算時間はきわめて少な
かったので、実験では上述の手順に従ってモデル検索を
行った。
【0094】上記実施の形態では、円弧が1つの場合で
あったが、図12(a)に示すように複数円弧にも、こ
の発明の実施の形態は適用可能である。図12(a)に
示すように走査したときの、円弧Aと円弧Bの微分ベク
トルは図12(b)に示すようになる。すなわち、一つ
の円弧の微分ベクトルに注目すると、微分ベクトルの走
査方向(図12(b)の場合はu方向)の成分の符号に
着目すると符号(+)から始まり符号(−)で終わる。
従って、ベクトルvは必ず符号(+)で始まり、符号
(−)で終わるので、符号(+)から符号(−)でベク
トルをグループ化することが可能となる。
【0095】上述のように、画像情報による物体認識手
段においては、環境光量の変化に対してロバストなモデ
ルベーストマッチング法に基づく高速物体認識手段を採
用したので、従来のモデルベーストマッチング法では処
理時間の短縮化ができなかったことが、画像微分フィル
タによるマスクの構成および円弧位置推定法によって物
体認識の大幅な高速化ができるようになった。
【0096】上記の実施の形態における有効性は、実験
を通して検証され、マスクによる微分画像の有効性が確
認された。また円弧抽出処理およびマッチング処理がき
わめて短時間で達成されたことで、ビデオレート処理と
して十分適用できる計算時間であることが判明した。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
近似平滑フィルタと近似微分フィルタに基づいてマスク
を構成し、このマスクをパイプライン処理により画像微
分処理を行って雑音低減特性を有する画像微分を得、し
かる後、画像から特徴抽出を行って画像認識するように
したので、物体認識の大幅な高速化を図ることができる
利点がある。また、特徴抽出においては、円あるいは円
弧中心の抽出を行うようにして、エッジ検出や円弧部分
の切り分けなどの手順を省略して高速化が達成できるよ
うにするとともに、複数行の走査を行うことにより、抽
出精度の向上を図ることができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】実施の形態の動作を述べるフローチャート。
【図3】微分フィルタの周波数特性図。
【図4】平滑化フィルタの周波数特性図。
【図5】円筒形対象物の例を示す説明図。
【図6】微分画像上の走査軸の説明図。
【図7】走査軸上の微分方向の説明図。
【図8】円弧中心に向かう直線群の説明図。
【図9】直線と点Gの関係の説明図。
【図10】モデルと画像から抽出された円弧データを示
すもので、(a)はモデルデータ説明図、(b)は抽出
円弧データ説明図。
【図11】マッチングプロシージャのフローチャート。
【図12】複数円弧の場合における微分ベクトル抽出方
法の説明図。
【図13】従来の円弧抽出のフローチャート。
【符号の説明】
11…画像取り込み手段 12…微分処理手段 13…円弧中心位置推定手段 14…マッチング処理手段 15…出力手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力素子より取り込んだ画像情報に
    基づいて、その画像情報から特徴抽出を行った後、画像
    認識して物体を認識する方法において、 前記画像情報を近似微分フィルタで微分するとともに、
    得られた微分画像を近似平滑フィルタで処理して処理画
    像を得るときに、両フィルタを直交する方向に乗じたフ
    ィルタのマスクを形成して処理画像を生成した後、その
    処理画像から特徴抽出を行って画像認識するようにした
    ことを特徴とする画像情報による物体認識方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクを形成するときの近似微分フ
    ィルタおよび近似平滑フィルタと元のフィルタとの誤差
    が20%以内になるようにし、かつ近似平滑フィルタの
    打ち切り誤差を近似微分フィルタより大きめに設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報による物体認
    識方法。
  3. 【請求項3】 画像入力素子より取り込んだ画像情報に
    基づいて、その画像情報から特徴抽出を行った後、画像
    認識して物体を認識する方法において、 前記画像情報を微分処理した後、その微分値をベクトル
    とする直線の交差点を円或いは円弧成分の中心として特
    徴抽出を行い、その後、特徴抽出データからモデルデー
    タに合致する箇所をモデルベーストマッチング処理によ
    り検出したことを特徴とする画像情報による物体認識方
    法。
  4. 【請求項4】 前記微分処理は、画像情報を近似微分フ
    ィルタで微分するとともに、得られた微分画像を近似平
    滑フィルタで処理して処理画像を得るときに、両フィル
    タを直交する方向に乗じたフィルタのマスクを形成して
    処理画像を生成処理したことを特徴とする請求項3記載
    の画像情報による物体認識方法。
  5. 【請求項5】 前記マスクを形成するときの近似微分フ
    ィルタおよび近似平滑フィルタと元のフィルタとの誤差
    が20%以内になるようにし、かつ近似平滑フィルタの
    打ち切り誤差を近似微分フィルタより大きめに設定した
    ことを特徴とする請求項3または4記載の画像情報によ
    る物体認識方法。
  6. 【請求項6】 画像入力素子より取り込んだ画像情報に
    基づいて、その画像情報から特徴抽出を行った後、画像
    認識して物体を認識する方法において、 前記画像情報を近似微分フィルタで微分するとともに、
    得られた微分画像を近似平滑フィルタで処理して処理画
    像を得るときに、両フィルタを直交する方向に乗じたフ
    ィルタのマスクを形成して処理画像を生成処理した後、
    その処理画像を1本以上走査し、その走査軸上の各点に
    おいての微分値をベクトルとする直線群を求めた後、そ
    の直線群と任意点との距離群を求めて、この距離群をベ
    クトルとし、このベクトルのユークリッドノルムが最小
    となるように、円或いは円弧中心を推定し、その後、推
    定した円或いは円弧中心データからモデルデータに合致
    する箇所をモデルベーストマッチング処理により検出し
    て画像認識したことを特徴とする画像情報による物体認
    識方法。
  7. 【請求項7】 前記ユークリッドノルムが最小となるよ
    うにするには、重み係数を用い、その重み係数は微分ベ
    クトルの大きさとすることを特徴とする請求項6記載の
    画像情報による物体認識方法。
  8. 【請求項8】 前記モデルベーストマッチング処理は、
    画像中の円或いは円弧中心データ群から任意の点qi
    選択した後、点(qi-qj)間の距離Dijを計算し、|
    ij−dkl|≦δとなるモデルの距離dklを検索して、
    i,qjに対応するpk,plを探索した後、画像から抽
    出した円或いは円弧中心データ群の中にモデルを構成す
    る円或いは円弧中心群に合致する点がいくつ存在するか
    を求めるようにしたことを特徴とする請求項4〜7記載
    の画像情報による物体認識方法。
  9. 【請求項9】 前記推定する円或いは円弧が複数である
    場合には、微分ベクトルの走査線方向の成分の符号に基
    づいて微分ベクトルをグループ化し、そのグループ化に
    より認識対象である複数の円或いは円弧を抽出すること
    を特徴とする請求項6、7記載の画像情報による物体認
    識方法。
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