JPH11272157A - 物体の把持動作シミュレーション装置 - Google Patents

物体の把持動作シミュレーション装置

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JPH11272157A
JPH11272157A JP10090886A JP9088698A JPH11272157A JP H11272157 A JPH11272157 A JP H11272157A JP 10090886 A JP10090886 A JP 10090886A JP 9088698 A JP9088698 A JP 9088698A JP H11272157 A JPH11272157 A JP H11272157A
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輝明 飯沼
Hideki Murota
秀樹 室田
Yasuo Kubota
靖夫 久保田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体を把持する際の接触感や重量感を体験さ
せる。 【解決手段】 物体情報設定手段10内に、所定の仮想
物体を定義するための形状データ,質感データ,光源デ
ータ,硬さK,摩擦係数S,質量mを設定する。オペレ
ータの指に固定され任意方向に移動可能な作用部51
と、この作用部51の三次元座標系上での位置を検出す
る位置検出部52と、演算制御手段40の指示に基いて
作用部51に反力を加える力発生部53と、を有する力
トランスデューサ50をn組用意する。ディスプレイ2
0には、仮想物体Bと、各作用部の位置P1〜Pnが表
示される。演算制御手段40は、仮想物体Bの内部に位
置する作用部について、表面からの深さdに硬さKを乗
じた反力を与える。反力に摩擦係数Sを乗じ、質量mを
もった仮想物体の把持状態を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物体の把持動作シミ
ュレーション装置に関し、特に、物体を把持する際の接
触感や重量感を疑似的に体験させることのできるシミュ
レーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを利用したシミュレーショ
ンは、種々の分野で採り入れられており、特に近年で
は、コンピュータの画像処理機能の向上により、いわゆ
るバーチャル・リアリティーと呼ばれている仮想現実の
世界をディスプレイ画面上に表示するシミュレーション
装置が普及してきている。この種のシミュレーション装
置では、通常、オペレータは仮想の空間内を自由に移動
することができ、オペレータの移動に伴ってディスプレ
イの表示画面がリアルタイムで描き換えられてゆく。ま
た、必要に応じて、オペレータの操作入力に基き、仮想
の空間内の物体情報をデータとして入手することも可能
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シミュレーション装置は、ディスプレイ上の映像などを
利用して、オペレータの視覚を通じて仮想の世界を提示
することに主眼が置かれており、オペレータの触覚を通
じて仮想の世界を提示する機能に欠けている。たとえ
ば、オペレータが仮想空間内の物体を指示して、この物
体を入手するコマンドを入力すれば、ディスプレイ画面
上では、あたかもその物体を手にした情景が表示される
ような機能は、エンターテイメント型のシミュレーショ
ン装置で広く利用されている。しかしながら、このよう
な機能は、「物体を手に取った」という概念を視覚を通
じて提示する機能にすぎず、オペレータの触覚に直接働
きかけるものではない。
【0004】もちろん、視覚を通じて仮想現実を提示す
る技術は、応用分野も広く、極めて重要な技術である。
ただ、特殊な分野においては、触覚を通じて仮想現実を
提示する技術が重要性をもつこともある。たとえば、美
術館や博物館などが所蔵する美術品は、視覚を通じて鑑
賞することが重要であることは当然であるが、触覚を通
じた鑑賞も大きな意味をもつ。具体的には、陶磁器、彫
刻、仏像などのもつ重量感や凹凸感、表面の接触感など
は、実際に手に取って触れてみなければ味わうことので
きない感覚である。ところが、これらの美術品は国宝や
重要文化財などに指定されているものをはじめとして、
非常に財産的価値の高いものが多く、美術館や博物館で
展示することは可能であっても、一般の参観者の手に取
らせて自由に鑑賞させることは困難である。
【0005】また、最近はCAD装置を利用して製品設
計をすることが多くなってきたが、CAD装置で設計さ
れた製品は、実際の試作品が完成するまでは、実際に手
に取ることはできない。もちろん、三次元の外観は設計
段階においてディスプレイ画面上で確認することができ
るので、視覚を通じてのデザイン把握や表面の質感把握
は従来のCAD装置を利用して十分に行うことができ
る。しかしながら、製品の重量感や接触感は設計段階で
は体験することができない。
【0006】そこで本発明は、物体を把持する際の接触
感や重量感を疑似的に体験させることのできるシミュレ
ーション装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、所定の仮想物体を定義し、この仮想物体を掴む動
作を疑似的に体験させるためのシミュレーションを行う
物体の把持動作シミュレーション装置において、仮想物
体を定義するための情報を設定する物体情報設定手段
と、オペレータから加えられた力に基いて三次元の任意
方向に移動可能な作用点を有する作用部と、作用点の三
次元座標系上での位置を検出する位置検出部と、与えら
れた力制御ベクトルに基いて作用点に加える力を発生さ
せる力発生部と、を有する複数n個の力トランスデュー
サと、このn個の力トランスデューサのそれぞれについ
て、位置検出部が検出した作用点の位置と物体情報設定
手段内の情報により定義された仮想物体の位置とに基い
て作用点と仮想物体との接触状態を認識し、この接触状
態に応じて作用点に生じるべき反力を演算により求め、
この反力に基いて作用点に加えるべき制御力を示す力制
御ベクトルを求め、求めた力制御ベクトルを個々の力ト
ランスデューサへ与える制御を行う演算制御手段と、を
設けるようにしたものである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、仮想物体を表示するためのディスプレイと、物体
情報設定手段内に設定された情報および個々の位置検出
部が検出した作用点の位置の情報に基いて、ディスプレ
イの画面上の所定の表示位置に仮想物体の形状および各
作用点を描画する物体形状描画手段と、を更に設け、オ
ペレータに仮想物体の形状および位置ならびに作用点の
位置を提示できるようにしたものである。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、仮想物体を定義するための情報として、更に、仮
想物体の表面の質感を示す質感データおよび仮想物体を
照明するための光源の性質を示す光源データを設定でき
るようにし、物体形状描画手段が、この質感データおよ
び光源データを考慮して仮想物体の形状を描画するよう
にしたものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装
置において、仮想物体の内部に位置する作用点について
は接触状態であると認識し、仮想物体の外部に位置する
作用点については非接触状態であると認識し、接触状態
にある作用点については、仮想物体の表面と作用点との
距離に応じて、この距離が大きくなるほど大きな反力が
得られ、非接触状態にある作用点については、大きさ零
の反力が得られるような演算を行うようにしたものであ
る。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、仮想物体を定義するための情報として、仮想物体
の表面を二次元多角形の集合体として表現する形状デー
タを設定し、仮想物体の内部に位置する作用点Pについ
ては、最も近い二次元多角形αとの距離dに応じた大き
さを有し二次元多角形αに垂直な法線ベクトルNと同じ
方向をもった反力ベクトルFを求め、この反力ベクトル
Fに基いて作用点Pに加えるべき制御力を示す力制御ベ
クトルCを求めるようにしたものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、仮想物体を定義するための情報として、更に、仮
想物体の硬さを示すパラメータKを設定できるように
し、反力ベクトルFの大きさを、距離dとパラメータK
との積(d・K)に基いて決定するようにしたものであ
る。
【0013】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第4
〜第6の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装
置において、仮想物体を定義するための情報として、更
に、仮想物体の質量を示すパラメータmを設定できるよ
うにし、各作用点の反力ベクトルを合成することにより
合成反力ベクトルΣFを求め、この合成反力ベクトルΣ
Fの大きさが所定の基準値Fr以下であった場合には把
持動作が平衡状態にあると判定し、所定の基準値Frを
越える場合には把持動作が非平衡状態にあると判定し、
非平衡状態にあると判定された場合には、合成反力ベク
トルの反転ベクトル−ΣFおよびパラメータmに基いて
決定される加速度が作用した場合の仮想物体の移動態様
を示す移動ベクトルDを演算により求め、この移動ベク
トルDに基いて仮想物体の位置が変更されるように物体
情報設定手段内の情報を更新する処理を行うようにした
ものである。
【0014】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、仮想物体を定義するための情報として、更に、仮
想物体表面の摩擦係数を示すパラメータSを設定できる
ようにし、各作用点における摩擦力を反力ベクトルFの
大きさとパラメータSとの積と定義することにより、各
作用点における摩擦力の総和である総摩擦力Tsを演算
により求め、重力加速度ベクトルgに仮想物体の質量を
示すパラメータmを乗じることにより重力ベクトルWを
求め、平衡状態にあると判定され、かつ、重力ベクトル
Wの大きさよりも総摩擦力Tsの大きさの方が大きいと
いう条件を満たす場合には、その時点で接触状態にある
L個の作用点によって仮想物体が把持状態にあると判定
し、この条件を満たさない場合には、仮想物体は非把持
状態にあると判定し、仮想物体が非把持状態にあると判
定されたときには、各作用点についての反力ベクトルF
を、当該作用点に加えるべき制御力を示す力制御ベクト
ルCとし、仮想物体が把持状態にあると判定されたとき
には、L個の作用点の位置の時間的変化に基いて仮想物
体に作用する加速度ベクトルAを求め、この加速度ベク
トルAにパラメータmを乗じることにより得られる運動
ベクトルmAと重力ベクトルWとを合成することにより
得られる外力ベクトル(mA+W)に基いて、各作用点
に作用する分散外力ベクトルFaを求め、接触状態にあ
る作用点については、各作用点についての反力ベクトル
Fと分散外力ベクトルFaとを合成することにより得ら
れるベクトルを、当該作用点に加えるべき制御力を示す
力制御ベクトルCとし、非接触状態にある作用点につい
ては、大きさ零のベクトルを当該作用点に加えるべき制
御力を示す力制御ベクトルCとするようにしたものであ
る。
【0015】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8
の態様に係る物体の把持動作シミュレーション装置にお
いて、外力ベクトルが、接触状態にある全作用点に均等
に分散するように、Fa=(mA+W)/Lなる式に基
いて各作用点に作用する分散外力ベクトルFaを決定す
るようにしたものである。
【0016】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
8または第9の態様に係る物体の把持動作シミュレーシ
ョン装置において、仮想物体が把持状態にあると判定さ
れたときに、個々の作用点について、接触状態から非接
触状態への状態遷移もしくは非接触状態から接触状態へ
の状態遷移を監視し、すべての作用点について状態遷移
が生じていない場合は、引き続き把持状態にあるとの判
定を行い、いずれかの作用点について状態遷移が生じて
いた場合には、把持状態/非把持状態の判定を再度実行
するようにしたものである。
【0017】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
8〜第10の態様に係る物体の把持動作シミュレーショ
ン装置において、仮想物体が把持状態にあると判定され
たときに、加速度ベクトルAに基く仮想物体の移動態様
を示す移動ベクトルMを演算により求め、この移動ベク
トルMに基いて仮想物体の位置が変更されるように物体
情報設定手段内の情報を更新する処理を行うようにした
ものである。
【0018】(12) 本発明の第12の態様は、コンピュ
ータを、上述の第1〜第11の態様に係る物体の把持動
作シミュレーション装置における演算制御手段として機
能させるためのプログラムを、コンピュータ読み取り可
能な記録媒体に記録するようにしたものである。
【0019】(13) 本発明の第13の態様は、上述の第
1〜第11の態様に係る物体の把持動作シミュレーショ
ン装置において、力トランスデューサの作用部を、オペ
レータの指先に嵌めて固定できる指サックにより構成
し、オペレータの指の動きに基いて作用点が移動できる
ようにするとともに、力制御ベクトルに基く制御力がこ
の指サックを介してオペレータの指に伝達されるように
構成したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】§1. 装置の基本構成 以下、本発明を図示する実施形態に基いて説明する。図
1は本発明の一実施形態に係る物体の把持動作シミュレ
ーション装置の基本構成を示すブロック図である。この
装置では、所定の仮想物体を定義し、この仮想物体を掴
む動作を疑似的に体験させるためのシミュレーションを
行うことができる。この装置の構成要素は、図示のとお
り、物体情報設定手段10と、ディスプレイ20と、物
体形状描画手段30と、演算制御手段40と、n個の力
トランスデューサ50とである。
【0021】物体情報設定手段10は、仮想物体を定義
するための情報を設定する機能を有する。オペレータ
が、この物体情報設定手段10に対して種々のデータや
パラメータを入力すると、入力されたデータやパラメー
タは、この物体情報設定手段10内に格納され保持され
る。オペレータは、物体情報設定手段10に対して設定
したデータやパラメータを変更することにより、シミュ
レーションの条件設定を適宜変えることができる。この
実施形態では、仮想物体を定義するための情報として、
図示のように、形状データ,質感データ,光源データな
る3種類のデータと、硬さK,摩擦係数S,質量mなる
3種類のパラメータとを設定できるようにしている。
【0022】ディスプレイ20は、仮想物体を表示する
ための手段であり、図1では立方体形状の仮想物体Bが
所定位置に表示されている状態が示されている。物体形
状描画手段30は、物体情報設定手段10内に設定され
た情報(形状データ,質感データ,光源データ)に基い
て、ディスプレイ20の画面上の所定位置に仮想物体B
の形状を描画する機能を有する。なお、物体形状描画手
段30は、仮想物体Bだけでなく、後述する作用点P1
〜Pnの位置を、ディスプレイ20の画面上に描画する
機能を有しており、図示のとおり、ディスプレイ20の
画面上には、仮想物体Bとともに、n個の作用点P1〜
Pnの位置が表示される。
【0023】n個の力トランスデューサ50は、いずれ
も作用部51、位置検出部52、力発生部53を有して
おり、演算制御手段40に接続されている。各力トラン
スデューサ50は、オペレータに対するマン・マシン・
インターフェイスとして機能し、オペレータから与えら
れる操作量を入力するとともに、オペレータに対して力
を返す働きをする。この実施形態では、1つの力トラン
スデューサ50は、1本の指としての機能を果たすこと
になる。本発明は、物体の把持動作をシミュレートする
装置であるので、少なくとも2組の力トランスデューサ
50が必要である。
【0024】作用部51上には、作用点Pが定義されて
おり、この作用点Pはオペレータから加えられた力に基
いて三次元の任意方向に移動可能となっている。ここで
は、n個の力トランスデューサ50の各作用部51上
に、それぞれ作用点P1〜Pnが定義されているものと
する。図1のディスプレイ20上に表示されている作用
点P1〜Pnは、この各作用部51上の作用点の位置で
ある。位置検出部52は、作用部51上の作用点Pの三
次元座標系上での位置を検出する機能を有する。具体的
には、作用点Pの位置は、x座標,y座標,z座標の3
つの座標値として検出されることになる。ここでは、こ
の3つの座標値によって示された作用点Pの位置をP
(x,y,z)なるデータで表わすことにする。たとえ
ば、第1番目の力トランスデューサ50内の位置検出部
52からは、作用点P1の位置を示すデータP1(x,
y,z)が出力され、第2番目の力トランスデューサ5
0内の位置検出部52からは、作用点P2の位置を示す
データP2(x,y,z)が出力され、第n番目の力ト
ランスデューサ50内の位置検出部52からは、作用点
Pnの位置を示すデータPn(x,y,z)が出力され
る。
【0025】これら作用点の位置を示すデータP1
(x,y,z),P2(x,y,z),…,Pn(x,
y,z)は、演算制御手段40に与えられ、更に、物体
形状描画手段30へと与えられる。物体形状描画手段3
0は、前述したように、これらの位置を示すデータに基
いて、ディスプレイ20の画面上に作用点P1〜Pnの
位置を描画することになる。一方、演算制御手段40
は、これら作用点の位置と、仮想物体の位置(物体情報
設定手段10内の情報により定義されている)とに基い
て、各作用点と仮想物体との接触状態を認識し、この接
触状態に応じて各作用点に生じるべき反力(仮想物体側
からオペレータ側へと返される力)を求める演算を行
う。ここで行われる具体的な演算内容については後に詳
述する。こうして、各作用点に生じるべき反力が得られ
たら、この反力に基いて各作用点に加えるべき制御力を
示す力制御ベクトルCが求められ、これら力制御ベクト
ルCを示すデータは、個々の力トランスデューサ50へ
与えられる。図示の例では、第1番目〜第n番目の力ト
ランスデューサ50に対して、それぞれ力制御ベクトル
C1〜Cnが与えられる。力トランスデューサ50内の
力発生部53は、演算制御手段40から与えられた力制
御ベクトルCに基いて作用点Pに加える力を発生させる
機能を有する。
【0026】§2. 物体情報設定手段に設定される情
続いて、図1に示すシミュレーション装置において、物
体情報設定手段10内に設定される具体的な情報につい
て説明する。前述したように、この実施形態では、形状
データ,質感データ,光源データなる3種類のデータ
と、硬さK,摩擦係数S,質量mなる3種類のパラメー
タとが設定される。
【0027】形状データは、仮想物体の三次元形状を特
定するためのデータである。ここでは、仮想物体の表面
を二次元多角形の集合体として表現するようにしてお
り、二次元多角形の頂点座標を示す頂点テーブルと、各
二次元多角形を構成する頂点の連結関係を示す面テーブ
ルと、によって形状データを構成するようにしている。
たとえば、図2(a) に示すような立方体からなる仮想物
体を定義する場合を考える。この立方体は、6つの正方
形の集合体として表現することができ、図に1〜8の番
号を付した合計8個の頂点によって構成される。このよ
うな立方体についての形状データは、図2(b) に示す頂
点テーブルと図2(c) に示す面テーブルによって構成で
きる。図2(a) に示す頂点テーブルは、8個の頂点のそ
れぞれについて、XYZ三次元座標系における位置座標
を示している。図示の例では、図2(a) に示す立方体
は、頂点1が座標系の原点に位置し、頂点1−2に沿っ
た辺がX軸上、頂点1−4に沿った辺がY軸上、頂点1
−5に沿った辺がZ軸上に位置しており、一辺の長さが
1となる立方体である。図2(b) の頂点テーブルは、単
に8個の頂点の位置座標を示すものであり、仮想物体の
形状は、実際には、図2(c) の面テーブルによって定義
されることになる。この面テーブルは、この立方体を構
成する6個の面〜の頂点構成を示しており、たとえ
ば、面は、頂点1−2−6−5を連結することにより
形成される面になる。
【0028】このように、頂点テーブルと面テーブルと
を用いれば、任意形状の仮想物体の表面を定義すること
ができる。図2の例では、仮想物体の表面を四角形の集
合体として定義したが、三角形や六角形など、用いる多
角形はどのようなものでもかまわない。また、本発明を
実施する上では、仮想物体の形状定義は必ずしも二次元
多角形を用いる必要はない。たとえば、球や円錐などで
あれば、方程式を用いて定義することも可能であり、物
体情報設定手段10に設定される形状データは、数値、
式を問わず、形状を定義することができる情報であれば
どのようなものでもかまわない。なお、ここに示す実施
形態では、形状データは座標を示す情報(図2の例で
は、頂点テーブル内の各座標値)を含んでいるため、形
状とともに位置を定義する情報として機能する。もちろ
ん、形状データとは別個に位置を示すための位置データ
を設定するようにしてもよい。
【0029】物体情報設定手段10に設定される質感デ
ータは、形状データによって定義された仮想物体の表面
の質感を示すためのデータである。具体的には、仮想物
体を構成する各面(図2の例では、面〜)について
の環境色,拡散色,鏡面色,鏡面係数などの値が質感デ
ータとして設定される。また、光源データは、この仮想
物体を照明するための光源の性質を示すデータであり、
光源の形状(点,線,面),光源の位置,光源色などを
示すデータが光源データとして設定される。この質感デ
ータおよび光源データは、ディスプレイ20の画面上
に、定義した仮想物体を表示するために利用されるデー
タである。物体形状描画手段30は、この質感データお
よび光源データを考慮して、仮想物体Bの形状を描画す
ることになる。
【0030】一方、硬さK,摩擦係数S,質量mなる3
種類のパラメータは、仮想物体を把持する動作を行う際
の接触感や重量感に直接関連するパラメータであり、こ
れらのパラメータの設定を変えることにより、シミュレ
ーション時の接触感や重要感を変えることができる。硬
さKは、仮想物体の表面に力を加えた際に、物体側から
返ってくる反力の大きさを決定するパラメータである。
硬さKの値を大きく設定すればするほど反力の大きさも
大きくなり、仮想物体に触れたときに硬い接触感が得ら
れる。逆に、硬さKの値を小さく設定すればするほど反
力の大きさも小さくなり、仮想物体に触れたときに柔ら
かい接触感が得られる。硬さKは、仮想物体の個々の表
面ごとにそれぞれ異なる値を設定することも可能である
が、本実施形態では、1つの仮想物体に1つの硬さKの
みを設定するようにしている。
【0031】摩擦係数Sは、仮想物体の表面に加えた力
のうち、物体を把持するために有効に作用する力の割合
を決定するパラメータである。摩擦係数Sの値を大きく
設定すればするほど有効な力の割合が多くなり、物体の
把持が容易になる。逆に、摩擦係数Sの値を小さく設定
すればするほど有効な力の割合が少なくなり、物体の把
持が困難になる。この摩擦係数Sも、仮想物体の個々の
表面ごとにそれぞれ異なる値を設定することも可能であ
るが、本実施形態では、1つの仮想物体に1つの摩擦係
数Sのみを設定するようにしている。
【0032】質量mは、仮想物体の質量を示すものであ
り、後に詳述するように、仮想物体の移動速度を求める
演算や、仮想物体に作用する重力を求める演算などに物
理量として利用されることになる。質量mの値を大きく
設定すればするほど、把持動作を行う際に体感できる重
量感が増すことになる。なお、本実施形態では、演算を
単純化するために、定義した仮想物体を均一密度の物体
として取り扱い、重心位置に単一の質点を定義し、設定
した質量mはこの単一の質点のもつ質量として取り扱う
ことにしている。もちろん、仮想物体を非均一密度の物
体として取り扱うために、仮想物体の内部に多数の質点
を定義し、個々の質点ごとにそれぞれ独立した質量を定
義するようにしてもかまわない。
【0033】§3. 具体的な装置構成 図1に示すブロック図は、説明の便宜上、本発明に係る
装置を機能要素の集合としてとらえ、個々の機能要素を
ブロックで示したものであり、実際には、このシミュレ
ーション装置はコンピュータを利用して構築される。す
なわち、図1に示す装置における物体情報設定手段1
0、物体形状描画手段30、演算制御手段40は、汎用
のコンピュータに、上述した各処理を実行するためのプ
ログラムを組み込むことにより構成することができる。
たとえば、物体情報設定手段10に対するデータやパラ
メータの設定は、キーボードやマウスなどのコンピュー
タ用入力機器を用いて行うことができ、設定されたデー
タやパラメータはメモリや種々の記憶装置に格納される
ことになる。また、物体形状描画手段30による描画機
能や、演算制御手段40による演算処理機能は、コンピ
ュータに組み込まれたプログラムによって実現されるこ
とになり、このプログラムは、コンピュータ読み取り可
能な記録媒体に記録して配布することが可能である。な
お、ディスプレイ20は、コンピュータ用の一般的なデ
ィスプレイ装置によって構成できる。
【0034】一方、力トランスデューサ50は、オペレ
ータの物理的操作をデジタルデータ(作用点の位置を示
すデータ)に変換する第1の機能と、演算制御手段40
から与えられるデジタルデータ(力制御ベクトルCを示
すデータ)を物理的な力に変換してオペレータに与える
第2の機能とを実行する物理的な構成要素である。一般
的な物体の把持動作には、通常、指が用いられる。そこ
で、この実施形態では、上記機能が効果的に実行される
ように、力トランスデューサ50の作用部51を、オペ
レータの指先に嵌めて固定できる指サックにより構成
し、オペレータの指の動きに基いて作用点Pを移動でき
るようにするとともに、力制御ベクトルCに基く制御力
がこの指サックを介してオペレータの指に伝達されるよ
うに構成した。
【0035】図3は、この指サックの形態をした作用部
51を用いて構成される力トランスデューサ50の機能
を示すブロック図である。作用部51は、ゴムなどの弾
力性をもった材料で構成されており、オペレータは、こ
の作用部51を指の先端に装着して固定することができ
る。図示の例では、この作用部51の先端部分に作用点
Pが定義されている(もちろん、作用点Pは作用部51
のいずれの部分に定義してもかまわないが、操作性を向
上する上では、指先位置に定義するのが好ましい)。本
発明では、このような力トランスデューサを複数n組用
意する必要がある。物体に対する接触感を得るだけであ
れば、1組でも十分であるが、本発明は物体の把持動作
をシミュレートする装置であり、物体の把持動作には少
なくとも2組の力トランスデューサが必要になる。
【0036】ここで、作用部51は三次元の自由度をも
って移動可能な状態に支持されている必要がある。すな
わち、作用点Pは、オペレータから加えられた力に基い
て三次元の任意方向に移動可能な状態になっている必要
がある(もちろん、作用点Pの移動可能空間は、所定の
範囲内に制限されていてかまわない)。したがって、オ
ペレータは、作用部51を指先に装着した状態で、指先
を三次元空間内の任意の方向に移動させることができ
る。位置検出部52は、前述したように、作用点Pの三
次元空間内の位置を、P(x,y,z)なる3つの座標
値からなるデータとしてリアルタイムで逐次検出する機
能を有している。一方、力発生部53は、演算制御手段
40からリアルタイムで逐次与えられる力制御ベクトル
Cに基いて、力fを発生させ、これを作用点Pに逐次加
える機能を果たす。ここで、作用点Pに加えられる力f
は、力制御ベクトルCの向きおよび大きさをもった力で
ある。
【0037】結局、オペレータは、作用部51を装着し
た指を任意の方向に動かすことが可能ではあるが、逆
に、作用点Pに加わる力fを常に指先に受け、物体から
の反力を感じることになる(もちろん、f=0の場合
は、何ら反力は感じない)。
【0038】図4は、このような力トランスデューサ5
0の具体的構成例を示す斜視図である。図では、2組の
力トランスデューサ50を用い、両作用部51(指サッ
ク)をそれぞれ親指と人差し指とに装着した状態が示さ
れている。いずれも指の先端部分に作用点Pが定義され
ており、オペレータは、両作用部51を任意の方向に移
動させながら、仮想物体Bを把持する動作を体感するこ
とができる。図示の力トランスデューサ50では、複数
のリンク機構を用いて、上述した2つの機能を実現して
いる。すなわち、作用部51は、複数の自在アームによ
って支持されているため、ある程度の範囲の空間内で
は、三次元の任意の方向に自由に移動させることが可能
である。しかも、各自在アームの回転位置を検出する機
構が備わっており、作用点Pの三次元座標値P(x,
y,z)を検出することができる。更に、各自在アーム
に力を加えるためのモータが用意されており、これらの
モータを駆動することにより、作用点Pに任意の方向、
任意の大きさの力を作用させることができる。
【0039】このような複数のリンク機構を用いた力ト
ランスデューサは、既に公知の装置であるため、その構
造や機構についての詳細な説明は省略する。市販の製品
としては、たとえば、米国のセンサブル・デバイス社
(SensAble Device Inc.)が「PHANToM」なる商
品名で販売している装置を利用することができる。結
局、本発明に係る把持動作シミュレーション装置は、図
4に示すような力トランスデューサを、汎用コンピュー
タに接続し、所定のプログラムをこのコンピュータに組
み込むことにより実現することが可能になる。図4に
は、2組の力トランスデューサを用い、2本の指で操作
する例を示したが、たとえば、10組の力トランスデュ
ーサを用いれば、10本の指で操作する装置を構成する
ことも可能である。また、作用部51は必ずしも指に固
定する必要はない。たとえば、作用部51を腕に固定す
るようにすれば、腕を用いて物体を把持する動作をシミ
ュレートすることが可能である。
【0040】§4. 具体的な装置動作(非把持状態) 続いて、上述した実施形態に係るシミュレーション装置
の具体的な動作、特に、演算制御手段40において行わ
れる演算処理動作について詳述する。図5および図6
は、この装置を用いたシミュレーション動作の具体的な
手順を示す流れ図である。ここに示す手順の特徴は、仮
想物体の把持動作を、大きく2とおりの段階に分けて取
り扱っている点にある。すなわち、非把持状態と把持状
態との2段階を定義し、各段階でそれぞれ異なる取り扱
いを行うようにしている。ここで、把持状態とは、少な
くとも2つの作用点によって仮想物体を完全に支持した
状態を指す。別言すれば、この把持状態においては、重
力が作用しているにもかかわらず仮想物体は落下せず、
少なくとも2つの作用点によって保持されたままの状態
になり、この保持に関与している作用点をそのまま移動
させると、仮想物体も一体となって移動する状態にな
る。これに対し、非把持状態とは、把持状態には至って
いない状態を指し、作用点と仮想物体との動きが一体と
なっていない状態に相当する。
【0041】図5に示すステップS1〜S11の手順
は、非把持状態における動作を示す手順であり、図6に
示すステップS12〜S19の手順は、把持状態におけ
る動作を示す手順である。図5のステップS11は、把
持状態であるか否かを判定するステップであり、ここで
肯定的な判定がなされると、図6のステップS12から
の手順が進められることになる。一方、図6のステップ
S15において肯定的な判定がなされると、再び非把持
状態へと戻り図5のステップS2からの手順が進められ
る(場合によっては、一旦は非把持状態と判定されてス
テップS2に戻っても、再びステップS11で把持状態
と判定されてステップS12へと直ちに戻ることもあ
る)。以下、これらの流れ図の各ステップで行われる手
順について詳述する。
【0042】まず、図5のステップS1において、仮想
物体を定義するために、物体に関する諸情報が設定され
る。この実施形態の場合、図1に示す物体情報設定手段
10に対して、形状データ,質感データ,光源データ,
硬さK,摩擦係数S,質量mが設定されることになる。
これらデータやパラメータの内容については、既に§2
において述べたとおりである。続いて、ステップS2に
おいて、仮想物体がディスプレイ上に表示される。たと
えば、図2(a) に示すような立方体を仮想物体とする情
報が物体情報設定手段10内に設定されていた場合、図
1に示すディスプレイ20の画面上に、図示されている
ような立方体の描画が物体形状描画手段30によって行
われることになる。このとき、質感データおよび光源デ
ータを考慮することにより、写実的な描画がなされるこ
とは既に述べたとおりである。
【0043】続くステップS3では、n個の作用点P1
〜Pnについての三次元位置P1(x,y,z)〜Pn
(x,y,z)が検出される。既に述べたように、各力
トランスデューサ50の位置検出部52の働きにより、
演算制御手段40に対しては、このような位置データが
リアルタイムで逐次伝達されている。ステップS3の処
理は、このような位置データを演算対象として取り込む
処理ということになる。そして、ステップS4におい
て、いずれかの作用点が仮想物体に接触しているか否か
が判断される。
【0044】本実施形態では、演算負担を軽減するた
め、仮想物体を剛体として取り扱うようにしており、物
体情報設定手段10内に設定された仮想物体は形状を変
えないという前提で処理を進めるようにしている(もち
ろん、仮想物体を弾性体あるいは塑性体として取り扱う
ようにしてもかまわないが、この場合は、弾性変形ある
いは塑性変形のための係数などを設定し、形状を変化さ
せる演算を行う必要がある)。したがって、本来であれ
ば、作用点が仮想物体に接触している状態とは、作用点
が仮想物体の表面に位置している状態を意味することに
なる。しかしながら、本発明の主眼は、オペレータに物
体に対する接触感や重量感を体験させることにあるの
で、必ずしも現実の物理現象を忠実にシミュレートする
必要はない。このような観点から、本願発明者は、仮想
物体の内部に位置する作用点については接触状態である
と認識し、仮想物体の外部に位置する作用点については
非接触状態であると認識することにすれば、効果的な接
触感を与える上で好都合であることを見出だした。
【0045】たとえば、図7に示すような位置に仮想物
体B(αおよびβは、この仮想物体Bの表面を示す)が
存在し、この仮想物体Bに対して、図示する位置に作用
点Pが存在する場合を考える。この場合、作用点Pは仮
想物体Bの内部に潜り込んだ状態(面αから深さdだけ
潜った状態)となっている。このような状態は、もし作
用点Pが指先の点として定義されており、物体を剛体と
した場合には、現実的には有り得ない状態である。しか
しながら、ここでは、このように作用点Pが仮想物体B
の内部に潜り込んでいた場合に、当該作用点Pは仮想物
体Bに対して接触状態であると認識するようにし、仮想
物体Bの外部にある場合には非接触状態であると認識す
るようにする。個々の作用点が仮想物体の内部にあるか
外部にあるいかは、両者の位置座標を比較することによ
り認識することができる。なお、仮想物体Bのちょうど
表面に位置する作用点も接触状態ではあるが、後述する
ように、反力Fが零になるため、接触状態/非接触状態
のいずれの取り扱いをしても差は生じない。
【0046】ステップS4において、いずれの作用点も
接触状態ではないと判断された場合(別言すれば、すべ
ての作用点が仮想物体Bの外部に位置すると判断された
場合)は、ステップS3へと戻り、各作用点の新たな位
置が取り込まれる。一方、いずれかの作用点(いずれか
1つの作用点でも)が接触状態であると認識された場合
には、ステップS5において、各作用点について反力ベ
クトルFが算出される。もっとも、接触状態にない作用
点については、後述するように、反力ベクトルはいずれ
も0になるので、実際には演算を行う必要はない。
【0047】ここで、反力ベクトルFは、物体からオペ
レータの指に対して反作用として加わる力を示すベクト
ルであり、本来であれば、指から物体に加えられた力に
応じた大きさをもち、この力と反対方向を向いたベクト
ルとして定義されるべきものである。しかしながら、本
発明に係るシミュレーション装置では、オペレータの指
から与えられる操作量は、作用点の座標値として与えら
れることになる。そこで、本実施形態では、図7に示す
ように、接触状態にある作用点Pについては、仮想物体
Bの表面αと作用点Pとの距離dに応じて、この距離d
が大きくなるほど大きな反力が得られるものとし、更
に、この反力の方向は、表面αに立てた法線ベクトルN
の方向と定義することにしている。前述したように、本
実施形態では、仮想物体Bは多数の二次元多角形の集合
体として定義されており、仮想物体Bの表面α,βは、
いずれも二次元多角形から構成されている。したがっ
て、本実施形態では、仮想物体Bの内部に位置する作用
点Pについては(すなわち、接触状態にある作用点Pに
ついては)、最も近い二次元多角形αとの距離dに応じ
た大きさを有し、当該作用点Pを通り前記二次元多角形
αに垂直な法線ベクトルNと同じ方向をもったベクトル
として、反力ベクトルFが定義されることになる。
【0048】なお、本実施形態では、仮想物体Bについ
て硬さKなるパラメータが設定されている。そこで、反
力ベクトルFの大きさを、距離dとパラメータKとの積
(d・K)と定義している。すなわち、接触状態にある
作用点Pについての反力ベクトルFは、図7に示すよう
に、法線ベクトルNと同じ方向を向き、かつ、大きさが
(d・K)であるベクトルとして定義されることにな
る。一方、非接触状態にある作用点については、大きさ
零の反力が得られるものとし(別言すれば、反力は無
し)、反力ベクトルFは零ベクトルとなる。
【0049】こうして、各作用点P1〜Pnについての
反力ベクトルF1〜Fnが求まったら、続くステップS
6において、各作用点P1〜Pnについての力制御ベク
トルC1〜Cnを求める。ここで、力制御ベクトルC1
〜Cnは、各作用点P1〜Pnに実際に加えるべき制御
力を示すベクトルであり、このステップS6において
は、各反力ベクトルをそのまま各力制御ベクトルとす
る。すなわち、力制御ベクトルC1〜Cn=反力ベクト
ルF1〜Fnとする(後述するステップS13では、異
なる設定がなされる)。この力制御ベクトルC1〜Cn
は、演算制御手段40からn個の力トランスデューサ5
0へと伝達される。そして、各力発生部53によって、
各作用点P1〜Pnに対して、力制御ベクトルC1〜C
nと同じ向きに、力制御ベクトルC1〜Cnの大きさに
応じた制御力が実際に加えられることになる。もちろ
ん、非接触状態の作用点については、力制御ベクトルC
の大きさは零であるから、実際には力は加えられない。
【0050】結局、オペレータが、指先を仮想物体Bの
表面位置まで移動させ、更に、仮想物体Bの内部へと移
動させようとすると、当該指先に定義された作用点は、
接触状態であると認識され、力制御ベクトルCに応じた
反力が当該指先に加えられることになる。この反力は、
仮想物体表面(図7の場合、表面α)の法線方向を向い
ているため、オペレータは仮想物体の形状に応じた接触
感を得ることができる。しかも、指先(作用点P)を仮
想物体Bの内部へと移動させようとすればするほど、反
力の大きさが増すので、仮想物体の存在感を感じること
ができる。このとき、硬さKなるパラメータは、フック
の法則におけるばね定数と同じ機能を果たすことにな
る。すなわち、硬さKを大きく設定すれば反力の大きさ
が増し、硬い接触感が得られることになり、硬さKを小
さく設定すれば反力の大きさが減り、柔らかな接触感が
得られることになる。
【0051】次のステップS7,S8に示す手順は、オ
ペレータの複数の指による操作が平衡状態にあるか否か
を判定する処理である。たとえば、図4に示すように2
組の力トランスデューサを用いた装置において、右側の
力トランスデューサの作用点Pのみが仮想物体Bの右側
に接触している状態を考える。この状態は、オペレータ
の人差し指から左方向の力が仮想物体Bに加えられてお
り、親指は仮想物体Bに対して非接触となっている状態
を示している。このような状態では、仮想物体Bは、図
の左方向へと移動するはずである。これに対して、もし
左右の力トランスデューサの作用点Pが仮想物体Bの両
側に接触した状態になっており、オペレータの人差し指
から左方向に加えられる力と、オペレータの親指から右
方向に加えられる力とが均衡している場合は、仮想物体
Bは静止状態を保つはずである。
【0052】そこで、ステップS7において、全作用点
P1〜Pnの反力ベクトルF1〜Fnを合成することに
より合成反力ベクトルΣFを求める演算が行われる。前
述したように、非接触状態の作用点についての反力ベク
トルは零ベクトルであるから、合成反力ベクトルΣF
は、実質的には、接触状態にある作用点についての反力
ベクトルを合成したベクトルになる。図8は、三角柱か
らなる仮想物体Bの上断面図である。
【0053】いま、このような仮想物体Bについて、図
のように、2つの接触作用点P1,P2が存在する場合
を考える。作用点P1は面αから深さd1の位置にあ
り、作用点P2は面βから深さd2の位置にある。した
がって、作用点P1については、面αの法線方向を向
き、大きさが(d1・K)なる反力ベクトルF1が定義
され、この反力ベクトルF1に応じた制御力が作用点P
1に加えられることになる。同様に、作用点P2につい
ては、面βの法線方向を向き、大きさが(d2・K)な
る反力ベクトルF2が定義され、この反力ベクトルF2
に応じた制御力が作用点P2に加えられることになる。
【0054】この場合、ステップS7では、図8の右下
に示すようなベクトル合成により、合成反力ベクトルΣ
Fが求められる。そして、ステップS8では、この合成
反力ベクトルΣFの大きさが所定の基準値Fr以下であ
るか否かが判定される。これは、オペレータの指から加
えられた力が均衡しているか否かの判定に相当する。理
論的には、基準値Fr=0として、ΣF=0の場合に限
り、平衡状態と判定すればよい。ΣF=0であれば、全
接触作用点に対する反力が均衡しており、オペレータの
把持動作が平衡状態にあると判断することができ、仮想
物体Bは静止状態を保つことになる。ところが、ΣF≠
0の場合には、オペレータの把持動作が非平衡状態にあ
るので、仮想物体Bを所定方向に移動させる力が作用す
ることになる。たとえば、図8の例では、合成反力ベク
トルΣF≠0であり、仮想物体Bを反転ベクトル−ΣF
(合成反力ベクトルΣFと大きさが同じで逆向きのベク
トル)の方向へ移動させる力が作用していることにな
る。これに対して、図9の例では、3つの作用点P1,
P2,P3が仮想物体Bに接触状態になっており、各作
用点についての反力ベクトルF1,F2,F3を合成す
ることにより得られる合成ベクトルΣFは、ΣF=
(0,0,0)となっている(ここで、(0,0,0)
は、各座標軸方向成分が0であるベクトル(零ベクト
ル)を示している)。したがって、この図9の例の場合
は、平衡状態と判定されることになる。
【0055】もっとも、実用上は、ΣFが完全に0にな
った場合だけでなく、所定の基準値Fr以下になった場
合にも、平衡状態と判定して問題はなく、むしろそのよ
うな判定を行う方が操作性を向上できる。そこで、ステ
ップS8では、合成反力ベクトルΣFの大きさが、所定
の基準値Fr以下であるか否かを判定することにより、
平衡状態の判定を行うようにしている。基準値Fr以下
である場合には、把持動作が平衡状態にあると判定し、
ステップS10へと進み、所定の基準値Frを越える場
合には把持動作が非平衡状態にあると判定し、ステップ
S9へと進むことになる。
【0056】ステップS9は、仮想物体Bを移動させる
ための処理であり、たとえば、図8に示す例の場合、仮
想物体Bを、合成反力ベクトルΣFを反転して得られる
反転ベクトル−ΣFの方向に移動させる処理が行われ
る。このような移動処理を行うために、まず、移動ベク
トルDが演算される。この移動ベクトルDは、D=1/
2・(−ΣF/m)・tで与えられる長さの次元をも
ったベクトルである。ここで、−ΣFは、上述の反転ベ
クトルであり、仮想物体Bを運動させるために加えられ
た力を示し、mは、物体情報設定手段10内に設定され
ている仮想物体の質量を示すパラメータである。結局、
上式における(−ΣF/m)なる項は、仮想物体Bに加
わる加速度を示していることになる。また、tは時間を
示す変数であり、移動ベクトルDは、(−ΣF/m)な
る加速度の作用下において、時間tの間における仮想物
体Bの移動態様(移動方向および移動距離)を示すベク
トルということになる。ステップS9では、この移動ベ
クトルDに基いて、仮想物体Bの位置が変更されるよう
に物体情報設定手段10内の情報を更新する処理が行わ
れる。
【0057】ステップS9の処理が完了すると、再びス
テップS2からの手順が実行されることになる。ステッ
プS2では、仮想物体の描画が行われるが、この時点
で、物体情報設定手段10内の情報が更新されているの
で、移動後の新たな位置に仮想物体が描き直されること
になる。
【0058】一方、ステップS8において平衡状態との
判定がなされた場合には、ステップS10,S11へと
進み、把持状態か否かの判定がなされる。前述したよう
に、把持状態とは、少なくとも2つの作用点によって仮
想物体が完全に支持された状態である。本実施形態で
は、次の2つの条件をともに満たした場合に、把持状態
と判定するようにしている。第1の条件は「平衡状態と
の判定がなされていること」である。非平衡状態では、
仮想物体は作用点から逃げるように移動することにな
り、安定した支持が困難である。したがって、ここで
は、「平衡状態」が保たれていることを把持状態の必須
条件に設定した。しかしながら、「平衡状態にある」と
いう条件だけでは、これを直ちに把持状態と認定するこ
とはできない。
【0059】たとえば、図4に示す例のように、仮想物
体Bの左右両側に作用点Pを接触させ、両側から挟むよ
うな力を加え、仮にその力が均衡していたとしても、挟
む力が十分でなければ、仮想物体Bを持ち上げることは
できない。挟む力が弱ければ、両作用点Pを上方へ移動
させたとしても、仮想物体Bは滑って落下してしまうこ
とになる。把持状態とは、仮想物体が作用点により完全
に支持されており、作用点の移動とともに、仮想物体も
一体となって移動する状態を言うものであるから、仮想
物体が滑って落下してしまうようでは、把持状態にある
と言うことはできない。ここで、挟む力が十分であるか
否か、別言すれば、仮想物体が滑って落下してしまうか
否か、という問題は、作用点と仮想物体表面との間の摩
擦力(静的摩擦力)と仮想物体に働く重力との大小関係
の問題として把握することができる。そこで、本実施形
態では、把持状態と判定するための第2の条件として、
「仮想物体に働く重力よりも、作用点による全摩擦力の
方が大きい」なる条件を用いている。
【0060】上述した「平衡状態にある」という第1の
条件判断は、既にステップS8において行われているの
で、ステップS10,S11では、第2の条件判断を行
うだけでよい。そこで、ステップS10では、まず、全
作用点における摩擦力の合計を、総摩擦力Tsとして算
出している。個々の作用点における摩擦力は、当該作用
点についての反力ベクトルFの大きさに、摩擦係数S
(物体情報設定手段10において設定されている)を乗
じることにより求めることができる。そこで、これら個
々の作用点における摩擦力の総和をとれば、総摩擦力T
sが得られる。もっとも、非接触状態の作用点について
の反力ベクトルの大きさは0であるから、実質的には、
接触状態の作用点のみが総摩擦力Tsに貢献することに
なる。たとえば、図10に示すように、三角柱からなる
仮想物体Bを構成する3つの面α,β,γに、それぞれ
作用点P1,P2,P3が接しており、各作用点に、そ
れぞれ反力ベクトルF1,F2,F3が定義されていた
場合、総摩擦力Tsは、各面の摩擦係数Sを用いて、 Ts=|F1|・S+|F2|・S+|F3|・S なる式で得られることになる。一方、仮想物体Bに作用
する重力ベクトルWは、W=mgで表される(mは仮想
物体Bの質量、gは重力加速度ベクトル)。
【0061】かくして、ステップS11において、重力
ベクトルWの大きさと、総摩擦力Tsとを比較し、後者
が前者よりも大きいと判断された場合には、その時点に
おいて接触状態にあるL個の作用点によって、仮想物体
が把持状態にあると判定することができる。このステッ
プS11において、把持状態にあると判定された場合に
は、図6のステップS12の手順が実行されることにな
る。一方、非把持状態にあると判定された場合には、ス
テップS3からの処理が再び実行される。
【0062】§5. 具体的な装置動作(把持状態) 非把持状態にある場合の取り扱いと、把持状態にある場
合の取り扱いとの大きな相違点は、後者では、仮想物体
の加速度を考慮した制御力が作用点に加えられるように
するという点にある。たとえば、図4に示す例におい
て、仮想物体Bが一対の作用点Pによって左右からしっ
かりと支持され、把持状態になったと考えよう。この場
合、一対の作用点Pと仮想物体Bとは一体となって運動
することになり、オペレータは、仮想物体を指先で把持
しているとの体感を得ることになる。本願発明者は、こ
のような場合、各作用点Pに、反力(指から仮想物体に
対して加えられた力の反作用として、仮想物体から指に
対して加えられる力)だけでなく、仮想物体Bの運動加
速度および重力加速度に基く力を加えると、よりリアル
な重量感を与えることができることを見出だした。
【0063】すなわち、前述した非把持状態におけるス
テップS6では、反力ベクトルF1〜Fnを、そのまま
力制御ベクトルC1〜Cnとして、各作用点P1〜Pn
に制御力として作用させていたが、把持状態にある場合
は、この反力ベクトルF1〜Fnに、仮想物体Bの運動
加速度および重力加速度に基く力ベクトルを合成するこ
とにより、力制御ベクトルC1〜Cnを求め、これを各
作用点P1〜Pnに制御力として作用させればよい。た
だし、非接触状態の作用点についての力制御ベクトル
は、やはり零ベクトル(0,0,0)とする。
【0064】以下、このような考え方に基く具体的な手
法を、図6の流れ図に基いて説明する。まず、図5のス
テップS11において把持状態と判定された場合には、
ステップS12において、仮想物体の加速度ベクトルA
を、A=(0,0,0)なる初期値(零ベクトル)に設
定する。別言すれば、本実施形態では、把持状態と判定
された初期段階においては、仮想物体Bは静止状態にあ
るという取り扱いをすることになる。
【0065】続いて、ステップS13において、加速度
を考慮した力制御ベクトルを求め、各作用点に制御力を
加える処理が行われる。たとえば、図11に示す例のよ
うに、立方体形状をした仮想物体が、3つの作用点P
1,P2,P4によって把持されており、しかも加速度
ベクトルAに基く運動をしていたとする(加速度ベクト
ルAは、オペレータが3つの作用点P1,P2,P4を
運動させることにより生じた加速度を示すものであ
る)。このとき、作用点P3,P5は、非接触状態の作
用点であり、仮想物体の把持動作には関与していない。
したがって、作用点P3,P5に対しては、仮想物体側
からは何ら力は作用しない。これに対して、接触状態の
作用点P1,P2,P4については、前述したように、
それぞれ反力ベクトルF1,F2,F4が演算され、そ
れぞれ反力ベクトルF1,F2,F4に応じた力が力発
生部53によって加えられる。ただ、把持状態における
取り扱いでは、接触状態の作用点P1,P2,P4に
は、反力ベクトルF1,F2,F4に加えて、加速度ベ
クトルAに基く力と、重力ベクトルW(W=mg)に基
く力と、を重畳して作用させることにより、物体の重量
感を体感させるようにするのである。
【0066】ここでは、加速度ベクトルAに仮想物体の
質量mを乗じて得られるベクトルmAを運動ベクトル
(力の次元をもつ)と呼び、この運動ベクトルmAと重
力ベクトルWとを合成することにより得られるベクトル
(mA+W)を、外力ベクトルと呼ぶことにする。運動
ベクトルmAは、オペレータが物体を把持した状態で所
定方向に運動させようとすることにより生じる力のベク
トルであり、外力ベクトルは、更に重力を加えることに
より、仮想物体全体に外力として作用する力を表すベク
トルである。この外力ベクトル(mA+W)は、仮想物
体全体に作用する力を示しているが、この外力ベクトル
(mA+W)が各接触作用点にそれぞれ分散して作用す
ると考えることにより、各接触作用点に分散外力ベクト
ルFaを定義することができる。ここでは、外力ベクト
ル(mA+W)が、接触状態にあるL個の作用点すべて
に均等に分散するという仮定に基づき、Fa=(mA+
W)/Lなる式に基いて各作用点に作用する分散外力ベ
クトルFaを決定している。
【0067】結局、図11に示す3つの接触作用点P
1,P2,P4には、それぞれ反力ベクトルF1,F
2,F4に、分散外力ベクトルFaを重畳して作用させ
ればよい。すなわち、作用点P1,P2,P4に加える
べき制御力を示す力制御ベクトルC1,C2,C4を、
それぞれC1=F1+Fa,C2=F2+Fa,C4=
F4+Faなるベクトル合成により求め、各作用点にこ
れら力制御ベクトルに応じた制御力を加えるようにすれ
ばよい。もちろん、非接触作用点P3,P5についての
力制御ベクトルC3,C5は、大きさ零の零ベクトル
(0,0,0)とし、実質的には何ら制御力は加えな
い。
【0068】続いて、ステップS14において、時間t
経過後のn個の作用点P1〜Pnについての三次元位置
PP1(x,y,z)〜PPn(x,y,z)を検出す
る。たとえば、時刻Tにおける作用点P1〜Pnの位置
がP1(x,y,z)〜Pn(x,y,z)であったと
すると、時刻(T+t)における作用点P1〜Pnの位
置はPP1(x,y,z)〜PPn(x,y,z)とい
うことになる。そして、ステップS15において、各作
用点について接触状態の変化があったか否かが判断され
る。すなわち、個々の作用点について、接触状態から非
接触状態への状態遷移もしくは非接触状態から接触状態
への状態遷移が生じたか否かが、時間tの周期で監視さ
れることになる。そして、すべての作用点について状態
遷移が生じていない場合は、引き続き把持状態にあると
の判定が行われ、ステップS16へと進むことになる
が、いずれかの作用点について状態遷移が生じていた場
合には、ステップS15からステップS2へと戻り、前
述した非把持状態の手順が実行されることになる。
【0069】たとえば、図11に示す例では、作用点P
1,P2,P4が接触状態、作用点P3,P5が非接触
状態となっているので、これらの状態が維持されている
限りは、引き続き把持状態にあるとの判定が行われ、ス
テップS16へと進むことになる。ところが、作用点P
1が接触状態から非接触状態へ状態遷移を生じたり、あ
るいは、作用点P5が非接触状態から接触状態へ状態遷
移を生じたりした場合には、ステップS15において接
触状態が変化したと判断され、ステップS2へと戻るこ
とになる。もちろん、このようにいずれかの作用点につ
いて接触状態の変化が生じたからといって、必ずしも把
持状態が解消されるわけではない。ただ、いずれかの作
用点について接触状態の変化が生じた場合には、把持状
態が解消される可能性があるので、本実施形態では、こ
のような場合は、取り敢えずステップS2からの手順に
戻り、把持状態/非把持状態の判定を再度実行するよう
にしている。もし、把持状態が解消されていない場合に
は、直ちにステップS11において把持状態である旨の
判定がなされ、ステップS12へと戻るので、大きな問
題は生じない。なお、このように直ちに把持状態に戻っ
た場合には、ステップS12の初期化を省略するように
すると、仮想物体の運動を継続させた取り扱いが可能に
なる。
【0070】一方、引き続き把持状態にあるとの判定が
行われ、ステップS16へと進んだ場合には、各作用点
P1〜Pnについて、それぞれ加速度ベクトルA1〜A
nが算出される。ただし、非接触状態の作用点について
は、加速度ベクトルの算出は行われない(あるいは、非
接触状態の作用点についての加速度ベクトルは、すべて
零ベクトル(0,0,0)とする取り扱いをすればよ
い)。各加速度ベクトルは、各作用点の位置の時間的変
化に基いて求めることができる。たとえば、第1番目の
作用点P1が接触状態であった場合、この作用点P1に
ついての加速度ベクトルA1は、作用点P1の旧位置を
示すベクトルP1(x,y,z)と、新位置(時間t経
過後の位置)を示すベクトルPP1(x,y,z)とを
用いることにより、 A1=(PP1(x,y,z)−P1(x,y,z))
×2/t なる演算で求めることができ、同様に、第n番目の作用
点Pnが接触状態であった場合、この作用点Pnについ
ての加速度ベクトルAnは、作用点Pnの旧位置を示す
ベクトルPn(x,y,z)と、新位置(時間t経過後
の位置)を示すベクトルPPn(x,y,z)とを用い
ることにより、 An=(PPn(x,y,z)−Pn(x,y,z))
×2/t なる演算で求めることができる。
【0071】なお、前述したように、本実施形態では、
仮想物体を剛体として取り扱っているため、仮想物体は
変形することがない。したがって、n個の作用点P1〜
Pnについての加速度ベクトルA1〜Anに対して、 A=(A1+A2+ …… +An)/L なる演算を行い(Lは接触状態にある作用点の数)、平
均加速度ベクトルAを求めるようにし、この平均加速度
ベクトルAが仮想物体全体に作用しているものとすれば
よい。
【0072】続いて、ステップS17では、仮想物体を
移動ベクトルMに基いて移動する処理が行われる。たと
えば、第1番目の作用点P1の時間tの間の移動態様
(移動方向および移動距離)を示す移動ベクトルM1
は、加速度ベクトルA1を用いて、 M1=1/2・A1・t なる式で求めることができ、第n番目の作用点Pnの時
間tの間の移動態様を示す移動ベクトルMnは、加速度
ベクトルAnを用いて、 Mn=1/2・An・t なる式で求めることができる(非接触状態の作用点の場
合、加速度ベクトルが零ベクトルであるため、移動ベク
トルも零ベクトルになる)。もっとも、本実施形態のよ
うに、仮想物体を剛体として取り扱い、かつ、仮想物体
の移動を平行移動(いわゆる回転要素をもたない移動)
に限定した取り扱いを行う場合は、 M=(M1+M2+ …… +Mn)/L なる演算、もしくは、上記平均加速度ベクトルAを用い
た、 M=1/2・A・t なる演算で、平均移動ベクトルMを求め、この移動ベク
トルMに基いて仮想物体の位置が変更されるように物体
情報設定手段10内の情報を更新する処理を行うように
すればよい。たとえば、図2(a) に示すような立方体形
状の仮想物体について、X軸負方向を向き、大きさが1
の移動ベクトルMが得られた場合には、全体がX軸負方
向に距離1だけ移動することになるので、図2(b) に示
す頂点テーブルは、図12に示すように更新されること
になる。
【0073】続くステップS18では、物体形状描画手
段30により、更新された物体情報設定手段10内の情
報に基く仮想物体の描画が行われることになり、ディス
プレイ20の画面上には、移動後の仮想物体の位置が表
示されることになる。
【0074】最後に、ステップS19において、n個の
作用点P1〜Pnの旧位置を示すベクトルP1(x,
y,z)〜Pn(x,y,z)が、新位置を示すベクト
ルPP1(x,y,z)〜PPn(x,y,z)によっ
て置き換えられた後、再びステップS13からの処理が
繰り返し実行される。すなわち、ステップS16におい
て求められた加速度ベクトルAが、ステップS13にお
いて利用されることになる。かくして、各作用点の接触
状態の変化が生じない限り、ステップS13〜S19の
手順が繰り返し実行されることになる。
【0075】以上、本発明に係る物体の把持動作シミュ
レーション装置を代表的な実施形態に基いて説明した
が、本発明はここに述べた形態に限定されるものではな
く、この他にも種々の形態で実施可能である。たとえ
ば、仮想物体は必ずしも剛体とする必要はなく、弾性体
や塑性体として取り扱うことも可能であり、形状が変形
するような取り扱いをしてもかまわない。また、上述の
実施形態で述べたディスプレイ20および物体形状描画
手段30は、視覚による提示が必要なければ、必ずしも
設ける必要はない。もっとも、オペレータに対して接触
感や重量感を効率的に与えるためには、視覚による提示
と触覚による提示とを併用するのが好ましく、実用上
は、ディスプレイ20および物体形状描画手段30を設
けるのが好ましい。
【0076】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る物体の把持動
作シミュレーション装置によれば、物体を把持する際の
接触感や重量感を疑似的に体験させることができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る物体の把持動作シミ
ュレーション装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すシミュレーション装置において定義
された仮想物体およびその形状データの一例を示す図で
ある。
【図3】図1に示すシミュレーション装置における力ト
ランスデューサの機能を示すブロック図である。
【図4】図3に示す力トランスデューサの具体的な構成
例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るシミュレーション装置における非
把持状態における動作手順を示す流れ図である。
【図6】本発明に係るシミュレーション装置における把
持状態における動作手順を示す流れ図である。
【図7】本発明に係るシミュレーション装置における反
力ベクトルFの決定方法の一例を示す側断面図である。
【図8】本発明に係るシミュレーション装置における反
力の非平衡状態を示す上断面図である。
【図9】本発明に係るシミュレーション装置における反
力の平衡状態を示す上断面図である。
【図10】本発明に係るシミュレーション装置における
摩擦を考慮した把持状態の判定方法を示す斜視図であ
る。
【図11】本発明に係るシミュレーション装置におい
て、把持状態における物体に作用する力を示す斜視図で
ある。
【図12】物体の移動により図2に示す形状データの更
新例を示す図である。
【符号の説明】
1〜8…頂点 10…物体情報設定手段 20…ディスプレイ 30…物体形状描画手段 40…演算制御手段 50…力トランスデューサ 51…作用部 52…位置検出部 53…力発生部 A…加速度ベクトル B…仮想物体 C,C1〜Cn…力制御ベクトル d,d1,d2,d3…作用点と仮想物体の表面との距
離 F,F1〜Fn…反力ベクトル Fa…分散外力ベクトル ΣF…合成反力ベクトル f…作用点Pに加えられる力 K…硬さを示すパラメータ N…法線ベクトル P,P1〜Pn…作用点 P(x,y,z),P1(x,y,z)〜Pn(x,
y,z)…作用点P,P1〜Pnの位置 PP1(x,y,z)〜PPn(x,y,z)…作用点
P1〜Pnの新位置 W…重力ベクトル α,β,γ…仮想物体の表面を構成する多角形

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の仮想物体を定義し、この仮想物体
    を掴む動作を疑似的に体験させるためのシミュレーショ
    ンを行う装置であって、 仮想物体を定義するための情報を設定する物体情報設定
    手段と、 オペレータから加えられた力に基いて三次元の任意方向
    に移動可能な作用点を有する作用部と、前記作用点の三
    次元座標系上での位置を検出する位置検出部と、与えら
    れた力制御ベクトルに基いて前記作用点に加える力を発
    生させる力発生部と、を有する複数n個の力トランスデ
    ューサと、 前記n個の力トランスデューサのそれぞれについて、位
    置検出部が検出した作用点の位置と物体情報設定手段内
    の情報により定義された仮想物体の位置とに基いて作用
    点と仮想物体との接触状態を認識し、この接触状態に応
    じて作用点に生じるべき反力を演算により求め、この反
    力に基いて作用点に加えるべき制御力を示す力制御ベク
    トルを求め、求めた力制御ベクトルを個々の力トランス
    デューサへ与える制御を行う演算制御手段と、 を備えることを特徴とする物体の把持動作シミュレーシ
    ョン装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシミュレーション装置
    において、 仮想物体を表示するためのディスプレイと、 物体情報設定手段内に設定された情報および個々の位置
    検出部が検出した作用点の位置の情報に基いて、前記デ
    ィスプレイの画面上の所定の表示位置に仮想物体の形状
    および各作用点を描画する物体形状描画手段と、 を更に設け、オペレータに仮想物体の形状および位置な
    らびに作用点の位置を提示できるようにしたことを特徴
    とする物体の把持動作シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシミュレーション装置
    において、 仮想物体を定義するための情報として、更に、仮想物体
    の表面の質感を示す質感データおよび仮想物体を照明す
    るための光源の性質を示す光源データを設定できるよう
    にし、物体形状描画手段が、前記質感データおよび前記
    光源データを考慮して仮想物体の形状を描画することを
    特徴とする物体の把持動作シミュレーション装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のシミュ
    レーション装置において、 仮想物体の内部に位置する作用点については接触状態で
    あると認識し、仮想物体の外部に位置する作用点につい
    ては非接触状態であると認識し、 接触状態にある作用点については、仮想物体の表面と作
    用点との距離に応じて、この距離が大きくなるほど大き
    な反力が得られ、非接触状態にある作用点については、
    大きさ零の反力が得られるような演算を行うことを特徴
    とする物体の把持動作シミュレーション装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のシミュレーション装置
    において、 仮想物体を定義するための情報として、仮想物体の表面
    を二次元多角形の集合体として表現する形状データを設
    定し、 仮想物体の内部に位置する作用点Pについては、最も近
    い二次元多角形αとの距離dに応じた大きさを有し前記
    二次元多角形αに垂直な法線ベクトルNと同じ方向をも
    った反力ベクトルFを求め、この反力ベクトルFに基い
    て前記作用点Pに加えるべき制御力を示す力制御ベクト
    ルCを求めることを特徴とする物体の把持動作シミュレ
    ーション装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のシミュレーション装置
    において、 仮想物体を定義するための情報として、更に、仮想物体
    の硬さを示すパラメータKを設定できるようにし、反力
    ベクトルFの大きさを、距離dとパラメータKとの積
    (d・K)に基いて決定するようにしたことを特徴とす
    る物体の把持動作シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載のシミュ
    レーション装置において、 仮想物体を定義するための情報として、更に、仮想物体
    の質量を示すパラメータmを設定できるようにし、 各作用点の反力ベクトルを合成することにより合成反力
    ベクトルΣFを求め、この合成反力ベクトルΣFの大き
    さが所定の基準値Fr以下であった場合には把持動作が
    平衡状態にあると判定し、所定の基準値Frを越える場
    合には把持動作が非平衡状態にあると判定し、 非平衡状態にあると判定された場合には、合成反力ベク
    トルの反転ベクトル−ΣFおよび前記パラメータmに基
    いて決定される加速度が作用した場合の仮想物体の移動
    態様を示す移動ベクトルDを演算により求め、この移動
    ベクトルDに基いて仮想物体の位置が変更されるように
    物体情報設定手段内の情報を更新する処理を行うことを
    特徴とする物体の把持動作シミュレーション装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のシミュレーション装置
    において、 仮想物体を定義するための情報として、更に、仮想物体
    表面の摩擦係数を示すパラメータSを設定できるように
    し、 各作用点における摩擦力を反力ベクトルFの大きさと前
    記パラメータSとの積と定義することにより、各作用点
    における摩擦力の総和である総摩擦力Tsを演算により
    求め、 重力加速度ベクトルgに仮想物体の質量を示すパラメー
    タmを乗じることにより重力ベクトルWを求め、 平衡状態にあると判定され、かつ、前記重力ベクトルW
    の大きさよりも前記総摩擦力Tsの大きさの方が大きい
    という条件を満たす場合には、その時点で接触状態にあ
    るL個の作用点によって仮想物体が把持状態にあると判
    定し、前記条件を満たさない場合には、仮想物体は非把
    持状態にあると判定し、 仮想物体が非把持状態にあると判定されたときには、各
    作用点についての反力ベクトルFを、当該作用点に加え
    るべき制御力を示す力制御ベクトルCとし、 仮想物体が把持状態にあると判定されたときには、前記
    L個の作用点の位置の時間的変化に基いて仮想物体に作
    用する加速度ベクトルAを求め、この加速度ベクトルA
    にパラメータmを乗じることにより得られる運動ベクト
    ルmAと前記重力ベクトルWとを合成することにより得
    られる外力ベクトル(mA+W)に基いて、各作用点に
    作用する分散外力ベクトルFaを求め、接触状態にある
    作用点については、各作用点についての反力ベクトルF
    と分散外力ベクトルFaとを合成することにより得られ
    るベクトルを、当該作用点に加えるべき制御力を示す力
    制御ベクトルCとし、非接触状態にある作用点について
    は、大きさ零のベクトルを当該作用点に加えるべき制御
    力を示す力制御ベクトルCとすることを特徴とする物体
    の把持動作シミュレーション装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のシミュレーション装置
    において、 外力ベクトルが、接触状態にある全作用点に均等に分散
    するように、Fa=(mA+W)/Lなる式に基いて各
    作用点に作用する分散外力ベクトルFaを決定すること
    を特徴とする物体の把持動作シミュレーション装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載のシミュレー
    ション装置において、 仮想物体が把持状態にあると判定されたときに、個々の
    作用点について、接触状態から非接触状態への状態遷移
    もしくは非接触状態から接触状態への状態遷移を監視
    し、 すべての作用点について状態遷移が生じていない場合
    は、引き続き把持状態にあるとの判定を行い、いずれか
    の作用点について状態遷移が生じていた場合には、把持
    状態/非把持状態の判定を再度実行することを特徴とす
    る物体の把持動作シミュレーション装置。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかに記載のシ
    ミュレーション装置において、 仮想物体が把持状態にあると判定されたときに、加速度
    ベクトルAに基く仮想物体の移動態様を示す移動ベクト
    ルMを演算により求め、この移動ベクトルMに基いて仮
    想物体の位置が変更されるように物体情報設定手段内の
    情報を更新する処理を行うことを特徴とする物体の把持
    動作シミュレーション装置。
  12. 【請求項12】 コンピュータを、請求項1〜11のい
    ずれかに記載のシミュレーション装置における演算制御
    手段として機能させるためのプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載のシ
    ミュレーション装置において、 力トランスデューサの作用部を、オペレータの指先に嵌
    めて固定できる指サックにより構成し、オペレータの指
    の動きに基いて作用点が移動できるようにするととも
    に、力制御ベクトルに基く制御力が前記指サックを介し
    てオペレータの指に伝達されるように構成したことを特
    徴とする物体の把持動作シミュレーション装置。
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