JPH11271425A - ソーナー信号処理装置及び処理方法 - Google Patents

ソーナー信号処理装置及び処理方法

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JPH11271425A
JPH11271425A JP7365498A JP7365498A JPH11271425A JP H11271425 A JPH11271425 A JP H11271425A JP 7365498 A JP7365498 A JP 7365498A JP 7365498 A JP7365498 A JP 7365498A JP H11271425 A JPH11271425 A JP H11271425A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海底や海面からの散乱反射による残響信号が
あっても、この付近にある目標物を検出できるソーナー
信号処理装置及び処理方法を提供する。 【解決手段】 送波器(1)から送波された広帯域パル
ス信号の反射音波及び散乱音波を受波し(2)、より狭
い帯域の複数の信号に分離して(4)、検波した(5)
後、時間方向に全帯域の加重平均を行い(6)、残響中
のエコー信号を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソーナー信号処理
装置及び処理方法に関し、特に残響領域中の目標物から
のエコー信号を検出する技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、従来のソーナー信号
処理システムでは、送波器101から単一周波数の信号
を送波した後、受波器102で受け、前処理部103で
増幅等の前処理を行ったあと、検出部104で背景雑音
や残響を含む受波信号の中から目標物のエコー信号を特
定し検出していた。または、図6に示すように、広帯域
信号を用い、これを送波した後、相関処理部105で受
波信号と元の信号波形の相関をとり、エコー信号を特定
して検出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5、
図6で示した従来のシステムでは、海底または海面付近
の物体を探知する場合、エコー信号の検出が困難になる
という問題があった。その理由は、海底や海面での散乱
は大きな残響信号となって現われ、エコー信号がこの残
響信号の中に埋もれるためである。
【0004】したがって、本発明の目的は、海底または
海面付近の物体を探知できるソーナー信号処理装置及び
処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるソーナー信
号処理装置は、周波数によって残響のレベルは大きく変
化する一方で、エコー信号のレベルは周波数による変化
が小さいという周波数特性の違いを利用するものであ
る。
【0006】具体的には、受波信号を複数の周波数帯に
分離する手段(図1の4)と、各周波数帯の信号を検波
して時系列のレベル変化を計算する手段(図1の5)
と、全周波数間の平均的な時系列のレベル変化を演算す
る手段(図1の6)とを設けたことを特徴としている。
【0007】これらの手段により、周波数によるレベル
差の大きい時系列データの中から周波数によるレベル差
の小さい部分を強調し、その検出を容易にする。従っ
て、単一の周波数に注目した場合、あるいは複数の周波
数を受波したままの波形で処理した場合には残響レベル
に埋もれてしまう目標物からのエコー信号を容易に検出
できるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明の一実施の形態としてのブ
ロック図を示し、図において、送波器1からは広帯域の
パルス信号が送波される。この信号により海底及び海面
で散乱が生じ、受波器2では残響として受波される。図
で、送波器1と受波器2とは共通化されることもある。
【0010】目標物が海底または海面付近に存在する場
合、受波器2では残響と同時に目標物からのエコー信号
も受波される。前処理部3は受波器2に接続され、受波
した信号の増幅及び整相処理を行う。周波数分析部4は
前処理部3に接続され、受波された広帯域の信号をより
狭い複数の周波数帯域に分離する。検波部5は周波数分
析部4に接続され、分離された各帯域の信号を検波処理
し、各帯域毎に時系列のレベル変化を示す波形データに
変換する。平均処理部6は検波部5に接続され、全帯域
の波形データを時間的な同期をとって加算平均し、全体
域平均の時系列のレベル変化を示す波形データを求め
る。検出部7は平均処理部6に接続され、波形データの
中で時間方向に急激なレベル上昇を生じるレベル突出部
位をエコー信号として検出する。図2は、図1の平均処
理部6の構成の一例を示す図であり、検波部5から供給
される各帯域毎の検波レベルをディジタルデータに変換
するA/D変換器8−1〜8−Nと、これらディジタル
データを記憶するメモリ9−1〜9−Nと、メモリから
読出されたデータの平均値を求める演算回路10を具備
する。尚、前処理部3あるいは周波数分析部4での処理
がすでにディジタルデータに変換されたうえで行われて
いる場合には、この平均処理部6の構成において、 A
/D変換器8−1〜8−Nは不要である。
【0011】次に本発明の動作について図3及び図4を
参照して説明する。
【0012】図3を参照すると、(a)に示すように、
送波器から送波された広帯域パルス信号は、海面で海面
散乱Ssを、海底で海底散乱Sbを生じ、受波器におい
て残響として受波される。また、海底または海面付近に
目標物Pが存在する場合、目標物のターゲットストレン
グスTSによってエコー信号が発生し、受波器において
残響と同時間帯に受波される。この時、一般的に、海面
散乱Ssと海底散乱Sbは周波数によって異なるレベル
を有するため、(b)に示すように、受波される残響の
レベルも周波数によって大きく変化する。一方、目標物
が金属等の剛体でできている場合、ターゲットストレン
グスTSのレベルは一般的に本発明の技術分野で使用さ
れている周波数を通してほぼ等しく、エコー信号の周波
数によるレベル変化は非常に小さい。本発明の信号検出
方式は、この周波数に対する特性の違いを利用してい
る。
【0013】図4は本発明による処理過程を説明するた
めの図であり、同図を参照すると、受波器2で受波され
前処理部3で増幅及び整相された信号は、ブロック10
に示す時系列の広帯域信号として周波数分析部4に入力
される。この広帯域信号には残響とエコー信号が混在し
ており、目標物が海面または海底付近に存在する場合エ
コー信号が残響に埋もれてしまい、エコー信号の特定が
困難となる。周波数分析部4において、広帯域信号は狭
帯域のバンドパスフィルターによりブロック11に示す
N個の狭帯域信号(中心周波数F1〜FN)に分離さ
れ、検波部5に入力される。検波部5において、各狭帯
域信号は検波処理され、ブロック12に示す時系列のレ
ベル変化をあらわす波形となり、平均処理部6に入力さ
れる。検波処理された各帯域の波形には、部分的なレベ
ルの突出が存在する場合があるが、単一の帯域を評価し
ただけでは、それがエコー信号の部分であるかを特定す
ることはできない。
【0014】平均処理部6において、入力された全帯域
の時系列データが同一の時間軸上で加算平均され、ブロ
ック13に示す全帯域平均の時系列レベル変化をあらわ
す波形となる。すなわち、全帯域平均の波形データをP
ave(t)、帯域nの波形データをPn(t)とする
と、Pave(t)=ΣPn(t)/Nとなる。この平
均波形では、周波数によるレベル変化の大きい残響のレ
ベルが相殺し合って低下し、周波数によるレベル変化の
小さいエコー信号部分のレベルが突出する。この波形が
検出部7に入力され、時間方向に滑らかにレベルが低下
していくなかで急激なレベル上昇を示す部分すなわちレ
ベル突出部分が特定され、エコー信号として検出され
る。
【0015】このように、上記実施の形態では、広帯域
信号を複数の狭帯域信号に分離し、各帯域の時系列波形
を全帯域で平均することにより、周波数によるレベル変
化の大きな残響レベルが低下し、全帯域を通してレベル
変化の小さなエコー信号のレベルが保存かつ強調される
ため、エコー信号の検出が容易になる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における効
果は、残響レベル中に埋もれた目標物からのエコー信号
の検出が容易になることにある。その理由は、周波数に
よる残響レベルの変化量とエコー信号のレベルの変化量
の違いを利用して、受波した時系列データ中からエコー
信号の部分を強調できるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のブロック図。
【図2】図1の平均処理部の構成の一例を示す図。
【図3】本発明の原理を説明するための図で、(a)は
送受波器と海面、海底、目標物の関係を示す図、(b)
は周波数に対する残響信号と目標物からのエコー信号の
特性を示す図。
【図4】本発明による処理過程を説明する図。
【図5】従来の信号検出方式の図。
【図6】他の従来の信号検出方式の図。
【符号の説明】
1 送波器 2 受波器 3 前処理部 4 周波数分析部 5 検波部 6 平均処理部 7 検出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受波した広帯域信号をより狭い複数の帯
    域信号に分離する分離手段と、各帯域信号を検波処理し
    時系列の波形データに変換する手段と、時間方向に全帯
    域の波形データの加重平均を求める演算手段とを有する
    ことを特徴とするソーナー信号処理装置。
  2. 【請求項2】 受波した広帯域信号を複数の帯域に分離
    する分離手段と、複数の帯域に分離された受波信号のそ
    れぞれのレベルを検出するレベル検出手段と、レベル検
    出手段で求められた複数の帯域の受波信号のレベルを平
    均化する平均化手段とを具備し、平均化された受波信号
    のレベルにより目標物を検出することを特徴とするソー
    ナー信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記平均化手段が複数の帯域の受波信号
    のレベルデータを格納するメモリと、メモリから読出さ
    れた複数の帯域のレベルデータの平均値を求める演算回
    路とを含むことを特徴とする請求項2記載のソーナー信
    号処理装置。
  4. 【請求項4】 送波器から送波された広帯域信号の反射
    音波及び散乱音波を受波し、より狭い帯域の複数の信号
    に分離して検波した後、時間方向に全帯域の加重平均を
    行い、残響中のエコー信号を検出することを特徴とする
    ソーナー信号処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241308A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Furuno Electric Co Ltd スキャニングソナー
JP2016014566A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 古野電気株式会社 信号処理装置、水中探知装置、レーダ装置、信号処理方法、及び信号処理プログラム
JP2016014565A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 古野電気株式会社 信号処理装置、水中探知装置、レーダ装置、信号処理方法、及び信号処理プログラム

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JP2008241308A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Furuno Electric Co Ltd スキャニングソナー
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