JPH11271088A - 自動測量装置 - Google Patents

自動測量装置

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JPH11271088A
JPH11271088A JP7599298A JP7599298A JPH11271088A JP H11271088 A JPH11271088 A JP H11271088A JP 7599298 A JP7599298 A JP 7599298A JP 7599298 A JP7599298 A JP 7599298A JP H11271088 A JPH11271088 A JP H11271088A
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JP
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speed
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inertial
correcting
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JP7599298A
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English (en)
Inventor
Yuji Hase
祐児 長谷
Tomotaka Saito
知孝 齊藤
Osamu Aihara
修 相原
Shusuke Ito
秀典 伊藤
Hideo Kumagai
秀夫 熊谷
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TAMAGAWA NISHI HANBAI KK
Chubu Electric Power Co Inc
Asia Air Survey Co Ltd
Original Assignee
TAMAGAWA NISHI HANBAI KK
Chubu Electric Power Co Inc
Asia Air Survey Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度検出器を用いなくとも速度、位置補正が
できかつ小型軽量で作業員が容易に持ち運べると共に、
容易にポイント方向が分かる自動測量装置を得ることを
目的とする。 【解決手段】 三軸一体型のジャイロ18で慣性座標系
に対して、加速度計17の検知軸の方向変化を求めるス
トラップダウン方式の小型軽量のINS15からの速
度、位置情報を蓄積し、この速度、位置を修正した後
に、初期座標に基づいて位置情報を再度修正する慣性情
報修正演算装置16からなる自動測量装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間が持ち運びな
がら精度の高い速度データ及び位置データを得ることが
できる自動測量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に慣性航法装置(Inertial Navigat
ion System:以下INSと略す)は、航空機やロケット
などの誘導装置として使用されている。INSは、移動
体の加速度を計測する加速度計と加速度計の姿勢を保つ
(または計測する)ジャイロから構成されている。
【0003】この慣性航法装置の原理は、図10に示す
ように、3軸の加速度計1の出力を2回積分して移動距
離即ち位置を求める方式であり、一般に3軸の姿勢の制
御の違いからプラットフォーム(Platform)方式とスト
ラップダウン(Strapdown)方式とがある。
【0004】プラットフォーム方式は、加速度計をジン
バル機構を有する安定台に取り付け、加速度計が常に基
準方向を向くようにハード的に制御する方式。
【0005】ストラップダウン方式は、3軸に加速度計
と軸の向いている方向を知るセンサー(ジャイロ)を取
り付け、計算機内部で座標変換を行い計算機内に基準軸
を維持する方法である。
【0006】プラットフォーム方式は軸の回転をハード
的に制御するため後処理工程の軽減にはなるが、センサ
ー部の制御装置が大きくなりハード的に大規模になる。
ストラップダウン方式は自らの方向を感知、出力する事
ができ高精度であり、プラットフォーム方式に比べ小型
軽量できるが、加速度と角速度データ(6種類:3軸×
2種類)を同時に処理するソフトウェアが必要になる。
【0007】一方、INSの測量分野での利用は、写真
測量の分野で航空カメラの姿勢、位置計測装置として注
目されているが、地上測量の分野ではあまり研究は進ん
でいない。INSが地上測量の分野で利用できれば、I
NSを人、車などで移動させるだけで地表面の3次元座
標が得られることとなり、従来の測量方式に較べ飛躍的
に効率があがる。
【0008】例えば、車に搭載して測量を行うストラッ
プダウン方式のINSは、図11に示すように、X軸加
速度計3と、Y軸加速度計4と、Z軸加速度計5と、こ
れらの加速度計に用いるジャイロ6、7、8等から構成
されたINS9と、制御表示装置10と、車速検出器1
1と、これらの装置に電源を供給する電源部(図示せ
ず)とから構成され、制御表示装置10がINS9から
の速度データ、位置データ等と車速検出器11からの速
度信号を用いて速度修正(ZUPT処理ともいう)、位
置修正(CUPT処理ともいう)処理等を行う。
【0009】前述のZUPT(Zero Veloci
ty Updata)処理は、零速度更新というもので
あり、搭載車が静止したときに、INS9の対地速度は
ゼロであるべきであり、このときに検出される速度は誤
差であるとして過去の速度を修正し、また速度誤差に基
づいて位置を修正するCUPT処理(Cordinat
e Updata)を行う。このZUPT、CUPT処
理については詳細に後述する。このように速度と位置と
を修正するのは以下の理由による。
【0010】図10及び図12に示すようにINSは各
軸のは加速度計からの出力データを順次積分している。
このため、図12に示すように静止区間(速度ゼロ)に
も係わらす発散していく。これは、ジャイロの補正しき
れないドリフトによるエラーでsinカーブの誤差傾向
にある。このため、前述のZUPT、CUPT処理を行
っている。
【0011】また、INSはGPSやトータルステーシ
ョンとは異なり電波、光波を利用しない自立方式のた
め、地下、水中、樹林下などあらゆる場所での測量が可
能になる。しかし、現在は人手で運べるようなINSが
存在しないので、例えば、送電線の鉄塔を建設する場合
は以下に述べる手順で敷地を決定している。
【0012】送電線を建設する際、1基の鉄塔建設予定
地に対して多いときで数十ヶ所の候補地を決める。電力
会社ではこの候補地全てに対して人手で測量(50〜1
00m四方)を行い、図13に示すように1/100〜
1/200で50cmコンター地形図を作成して、鉄塔
の脚位置を決定していた。
【0013】この人手による作業は、トータルステーシ
ョンを用いているため、樹木などで視通がきかない場合
は、樹木伐採を行っていた。また、鉄塔の建設地は、ク
レーン車、作業ゴヤ、シャベルカー等が動けるような敷
地面積(50〜100m四方)を確保しなければならな
い。このため、より多くの樹木を伐採していた。
【0014】さらに、航空写真等で鉄塔建設予定位置を
決定し、その鉄塔建設予定地においおける伐採樹木を予
め決定し、この決定した樹木位置まで作業員が行って樹
木を伐採することも考えられる。
【0015】このような場合は、作業員にGPSを持た
せて伐採樹木に到達させるようにすればよいが、森林帯
でのGPSの利用は困難である。このため、前述のよう
にして得た地形図から作業員が樹木を伐採していた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のような手作業で
行う測量はトータルステーションを用いているため、樹
木などで視通がきかない場合は樹木伐採が必要である。
しかし昨今の環境問題の高まりによりこの樹木伐採が年
々困難になってきている。また候補地が多いため効率的
な測量方法が望まれている。
【0017】このため、INSを作業員が運びながら測
量を行うようにすることが望まれるが、図11に示すよ
うに従来のストラップダウン方式のINSであっても、
各軸毎の加速度計毎に、大型のジャイロを設け、かつ制
御表示装置は速度検出器からの速度信号に基づいて速
度、位置補正を行うような方式にしている。
【0018】すなわち、大型のジャイロが3台必要とな
るということは、これらのジャイロを固定するブラケッ
ト、筐体等も頑丈で大型になり、複数の大型のジャイロ
を駆動しなければならないので電源も大型になる。この
ため、装置が50キロを越える大型のものとなる場合も
あり、作業員が持って容易に森林地帯を歩けるようなも
のではなかった。
【0019】また、制御表示装置は速度検出器からの速
度信号に基づいて速度、位置補正を行うような方式にし
ている。
【0020】すなわち、車両に搭載してのみ速度補正、
位置補正が可能となるものであるから道路が存在しない
森林地帯(ブッシュ、倒木、岩、急勾配等)の測量に適
さない。
【0021】従って、森林地帯における鉄塔の建設位置
の測量は依然として作業員が手作業で測量しなければな
らない。
【0022】さらに、位置修正に関しては、速度修正時
における速度誤差を用いて修正しているので、1/10
0〜1/200(50cmコンター地形図)精度の位置
データを得ることができない。
【0023】すなわち、従来のストラップダウン方式の
装置は、大型で重く、かつ精度の高い位置データを容易
に得ることができなかった。
【0024】また、GPSを用いたとしても森林地帯に
おける伐採樹木及び観測ポイントに容易に到達するには
困難であるという課題があった。
【0025】本発明は以上の問題点を解決するためにな
されたもので、速度検出器を用いなくとも速度、位置補
正ができかつ小型軽量で作業員が容易に持ち運べると共
に、容易にポイント方向が分かる自動測量装置を得るこ
とを目的とする。
【0026】
【課題を解決しようとする手段】第1の発明の自動測量
装置は、三軸一体型のジャイロで慣性座標系に対して、
加速度計の検知軸の方向変化を求める方式の小型軽量の
慣性装置からの速度、位置情報を蓄積し、この速度、位
置を修正した後に、初期座標に基づいて前記位置情報を
再度修正する。
【0027】第2の発明の自動測量装置は、三軸一体型
のジャイロで慣性座標系に対して、加速度計の検知軸の
方向変化を求める方式の小型軽量の慣性装置からの速
度、位置情報を蓄積し、この速度、位置を修正した後
に、初期座標に基づいて前記位置情報を再度修正する慣
性情報修正演算装置からなる自動測量装置である。
【0028】慣性情報修正演算装置は速度修正手段と位
置修正手段とを有する。速度修正手段は、速度データの
修正指示が入力したとき、前記蓄積した最終の速度デー
タの速度誤差変化率を求め、この速度誤差変化率に基づ
いて前記速度データ及び位置データを修正する。
【0029】位置修正手段は、初期座標に到達したこと
が知らせられると、前記速度修正手段によって修正され
た現在までの位置データを読み、この位置データの内で
最終の位置データを前記初期座標としたときの位置誤差
を求め、該位置誤差で各位置データを再度修正する。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本実施の形態の自動測量装
置の概略構成図である。図1に示す自動測量装置14
は、軽量小型のストラップ方式のINS15と携帯型パ
ソコン(以下慣性情報修正演算装置16という)からな
り、これらをバック等に収納して作業員が運搬できるよ
うになっている。また、INS15と慣性情報修正演算
装置16とはケーブル(RS232C)で互いに接続さ
れている。
【0031】前述のINS15は、X軸、Y軸、Z軸の
加速度計17の検知軸の方向変化を求めるストラップダ
ウン方式の小型軽量の3軸一体ジャイロ18を備えて、
所定時間毎(1秒間に10.24回程度)に姿勢角、方
位角、速度、位置(以下総称して慣性情報という)を求
めて送出する。この慣性情報の算出は、初期位置となる
スタート点の3軸座標値Pi(Xpi、Ypi、Zp
i)が必要となっている。
【0032】また、慣性情報修正演算装置16は、スタ
ート点となる初期座標Poを入力させ、この初期座標P
oをINS15に送出して本装置が運ばれているときの
INS15からの速度データVPiと、位置データRS
iとをケーブルを介して順次入力し、ZUPTコマンド
(一定時間毎に本装置が地面に置かれる)が入力する毎
に、最終の速度データの速度誤差変化率VQを求め、こ
の速度誤差変化率VQを用いて各速度データVPiを修
正する(以下修正速度データVPQiという)と共に、
前述の速度誤差変化率VQから各位置データRSiを修
正する(以下修正位置データRQiという)ZUPT処
理を行う。
【0033】さらに、慣性情報修正演算装置16は、C
UPTコマンド(本装置が地面に置かれている)が入力
する毎に、予め入力されている初期座標Piを用いて最
終の修正位置データRQnの位置誤差変化率SQを求
め、この位置誤差変化率SQを用いて各位置データRQ
i(i:1、2、…)を修正する。
【0034】また、慣性情報修正演算装置16は、ZU
PT処理は、最終の速度データVPnが修正されると、
その修正速度データVPQnをINS15に送出してI
NS15の現在の速度データVPnをその修正速度デー
タVPQnに更新すると共に、最終の修正位置データR
QnをINS15に送出して、INS15の現在の位置
データRSをその最終の修正位置データRQnに更新す
る。
【0035】さらに、慣性情報修正演算装置16は、C
UPTコマンドが入力して、最終の修正位置データRQ
nが修正されると、その修正位置データHRnをINS
15に送出してINS15の現在の位置データRS(R
Q)をその修正位置データHRnに更新する。
【0036】すなわち、慣性情報修正演算装置16は、
図2に示すように、スタート点で本装置を動作状態にし
て、スタート点に於ける初期座標Po(Xpo、Yp
o、Zpo)を入力した後に、ポイントP11、P1
2、…Piで一定時間毎(各ポイント間の時間は30秒
〜1分)に地面に置かれて、ZUPTコマンドが入力す
る毎に、ZUPT処理を行って各速度データと各位置デ
ータとを修正している。
【0037】また、スタート点Poに戻ってきたとき
に、CUPTコマンドと既知の座標である初期座標を用
いて各点の位置誤差を再度補正して各点における正確な
位置を得ている。
【0038】従って、位置修正はZUPTとCUPTで
2回行われることになるから求められた位置は非常に正
確である。
【0039】前述のCUPT処理は座標が既知であれば
よいので、例えばP3が既知座標であればP3における
座標を入力してCUPT処理を行ってもよい。
【0040】一方、前述の慣性情報修正装置16は、図
1に示すように、操作部18に計測開始キー19と、計
測終了キー20と、ZUPT開始キー21と、CUPT
開始キー23と、図示しない初期座標入力キー等を備え
ている。
【0041】また、本体部26は、モード判定手段27
と、速度ゼロ信号発生手段28と、速度データ修正手段
29と、位置データ修正手段30と、取得手段31と、
収集ファイル32とを備えている。
【0042】モード判定手段27は、操作部18の操作
キーの押下状況を監視し、初期座標キーに基づく初期座
標データPiをINS15に送出する。また、計測開始
キー19の押下に伴って取得手段31を起動させて、I
NS15からの慣性情報を収集ファイル32に収集させ
る。
【0043】また、モード判定手段27は、ZUPT開
始キー21又はCUPT開始キー23が押下されたとき
は、速度ゼロ信号発生手段28を起動すると共に、速度
修正データ手段29又は位置データ修正手段30を起動
し、データ処理後それらを停止させる。
【0044】さらに、モード判定手段27は、ZUPT
開始キー21又はCUPT開始キー23が押下されたと
きは、後述する取得手段31にそのコマンドが入力され
たことを知らせている。
【0045】速度ゼロ信号発生手段28は、起動に伴っ
て速度修正データ手段29及び位置データ修正手段30
に速度ゼロ信号を送出する。すなわち、速度検出装置の
代わりに、速度ゼロを知らせている。
【0046】速度データ修正手段29は、ZUPTコマ
ンドと速度ゼロ信号の入力に伴って、前回のZUPTコ
マンドと今回のZUPTコマンドとの間(サンプリング
間ともいう)に、収集ファイル32に収集されている各
速度データVPiを読み、最終の速度データVPnが速
度ゼロとなるような速度誤差変化率VQを求め、この速
度誤差変化率VQを用いて各速度データVPiを修正す
る。
【0047】また、修正された速度データVPQi(以
下修正速度データVQiという)からサンプリング間ま
での各位置データRSiを修正(以下修正位置データR
Qiという)する。
【0048】さらに、最終の速度データVPnが修正さ
れると、その修正速度データVPQnをINS15に送
出してINS15の現在の速度データVPnをその修正
速度データVPQnに更新すると共に、最終の修正位置
データRQnをINS15に送出して、INS15の現
在の位置データRSをその最終の修正位置データRQn
に更新する。
【0049】このZUPT処理は、本装置を作業員が地
面に置(速度はゼロになるはずである)いてZUPTコ
マンドを入力して行わせるものであり、INS15側が
次回の速度データに速度誤差ができるだけ重畳しないよ
うにしている。
【0050】位置データ修正手段30は、CUPTコマ
ンドと速度ゼロ信号の入力に伴って、収集ファイル32
から前回のCUPTコマンドと今回のCUPTコマンド
の間に収集ファイル32に収集されている位置データR
Si又は修正位置データRQiを読み、最終の位置デー
タRSn又は最終の修正位置データRQnが予め入力さ
れている既知座標(初期座標)になるような位置誤差変
化率SQを求め、この位置誤差変化率SQを用いて各位
置データRSi又は各修正位置データRQiを修正す
る。
【0051】また、CUPTコマンドが入力して、最終
の修正位置データRQnが修正されると、その修正位置
データHRnをINS15に送出してINS15の現在
の位置データRSi(RQi)をその修正位置データH
Rnに更新する。
【0052】取得手段31は計測開始コマンドの入力に
伴って、INS15からの慣性情報を時間に対応させて
収集ファイル32に記憶する。また、取得手段31はZ
UPTコマンド又はCUPTコマンドの入力に伴って、
ZUPTコマンド時に又はCUPTコマンド時に収集し
た慣性情報であることを示すフラグ(ZUPT開始フラ
グ又はCUPT開始フラグ)を時間と慣性情報に対応さ
せて収集ファイル32に書き込む。
【0053】また、計測終了コマンドの入力に伴って慣
性情報の収集ファイル32への収集を停止する。
【0054】上記のように構成され自動測量装置につい
て以下に動作を説明する。例えば、自動測量装置14を
用いて森林地帯において鉄塔建設候補地とされた鉄塔敷
地(50m〜100m)を測量する場合は、鉄塔敷地の
中心から自動測量装置14を作業員が持って図3に示す
ように、中心点を起点として花びら状に歩きながら所定
ポイントPi(P1o、P11、P12、……P21…
…)毎にZUPTコマンドを入力して中心点に戻ること
で1/200スケールの正確な地図データを得ることが
できる。 この鉄塔敷地測量に当たっては、作業員が本
装置を中心において、INS15を動作させる。この動
作開始に伴って、INS15は以下に説明するアライメ
ント処理を実行する。
【0055】(1)水平面の決定 初期姿勢角を検出するレベリングは、加速度計の出力を
利用して行われる。基本原理は、静止状態で受感する加
速度は、重力加速度(1g)のみであり加速度計は傾き
に応じた重力加速度を受感する。この受感する加速度か
ら地表座標系を慣性装置軸座標系との傾きを検出する。
【0056】(2)北方向の決定 方位角(ヘディング)は、ジャイロによりアースレート
(地球自転角速度:赤道で15.04´/hr)をジャ
イロで検出して算出する。局地水平においてアースレー
ト軸(真北)と一致しているジャイロは、Ω・cos λの
アースレートを受感し、垂直なジャイロは、Ω・sin λ
を受感し、直交(真東)しているジャイロは受感しない
ことを利用している。
【0057】[Ω;アース・レート(15.04´/h
r) λ;緯度] 今回製作した慣性測量装置ではこのアライメント処理に
約15分かかる。
【0058】そして、作業員は既知である地理座標から
中心点の座標(初期座標Pi)を入力した後に、計測開
始コマンドを操作部18から入力して、ポイントに向か
って歩く。このとき、INS15からは1秒間に10.
24回、慣性情報が慣性情報修正演算装置15に送出さ
れ、収集手段31によって例えば図4に示すように時間
と共に記憶される。
【0059】次に、ポイントPiに到達し、歩行を停止
して本装置を地面においてZUPTコマンドを入力する
と、速度データ修正手段29にZUPTコマンドと速度
ゼロ信号とが入力し、かつ取得手段31にZUPTコマ
ンドが入力する。
【0060】取得手段31は、このときZUPTフラグ
を立てる。図4においては時刻tnでZUPUTコマン
ドが入力したことを示している。
【0061】また、速度データ修正手段29は、ZUP
Tコマンドと速度ゼロ信号とが入力すると、最終の速度
データをゼロとし、このときの変化率を以下に示す式で
求める。本説明ではX軸のみを示す。
【0062】初めに、現在までの速度誤差が直線的に変
化しているとし、このときの速度を求める式(1)を立
てる。
【0063】
【数1】 そして、この式(1)のおいて、最終の速度データの値
は、装置を地面においているので速度ゼロとして式
(2)に示すように速度誤差変化率VQを求める。
【数2】 この速度誤差変化率VQを求めるに当たっては、現在間
での速度データの標準偏差をとって求めてもよい。
【0064】次に、式(2)の速度誤差変化率VQを用
いて各速度データVPiの速度変化量を求める。そし
て、これらの速度変化量を対応する速度データから減算
して正確な修正速度データVPQiを得る。
【0065】また、同時に修正速度データVPQiから
各位置データRSを式(3)に示すようにして修正位置
データRQiを得る。
【0066】
【数3】 そして、最終の修正速度データVPQnと修正位置デー
タRQnをINS15に送り、INS15における現在
の速度と、現在の位置とを修正させる。
【0067】このような処理を各ポイント毎に行い(装
置を地面に置く、ZUPTコマンド)ながら中心点に戻
る。
【0068】そして、例えば中心点に戻ってきて、CU
PTコマンドを入力すると、位置データ修正手段30が
収集ファイル32からCUPTフラグが書き込まれてい
るまでの間の位置データRSi(ZUPTが行われてい
る場合は修正位置データRQi)を読む。但し、前回に
CUPT処理がなされている場合は前回のCUPTフラ
グが書き込まれているまでの間の位置データを読む。本
説明では既にZUPTが行われて、修正位置データRQ
iとして記憶されているとする。
【0069】取得手段31は、このときCUPTフラグ
を立てる。図5においては時刻tnでCUPTコマンド
が入力したことを示している。
【0070】位置データ修正手段30は、CUPTコマ
ンドが入力すると、最終の修正位置データRQiを予め
入力されている既知座標(本例では中心点)にして、こ
の既知座標にするための位置誤差変化率SQを以下に示
す式で求める。本説明ではX軸のみを示す。
【0071】初めに、現在までの位置誤差が直線的に変
化しているとし、このときの位置を求める式(4)を立
てる。
【0072】
【数4】 そして、この式(1)において、最終の修正位置データ
RQn値は、既知座標とし、この既知座標を得るための
式(5)を求めて位置誤差変化率SQを求める。
【0073】
【数5】 この位置誤差変化率を求めるに当たっては、現在までの
位置データの標準偏差をとって求めてもよい。
【0074】次に、式(5)の位置誤差変化率SQを用
いて各首位雨声位置データRQiを用いて各修正位置デ
ータの位置変化量を求める。そして、これらの位置変化
量を対応する修正位置データRQiから減算して正確な
位置データHRiを求める。
【0075】すなわち、本CUPT処理によって位置デ
ータは2回補正されるので非常に正確な位置データを得
ることになる。
【0076】例えば、鉄塔敷地測量において、ZUPT
処理を行いながら図6に示すように歩いたとすると、Z
UPTでは図7に示す位置データを得ることができる。
【0077】さらに、中心に戻ってCUPTを掛ける
と、図7の各位置データは図8に示すようになる。図6
においては太線で示す。
【0078】図8においては、7分間歩行(距離450
m)時の精度が90cmといえる。また地形測量は図6
からも解るように各基準点での誤差(標準偏差)が、X
Yで40cm、高さで3cmであり、50cmコンター
の地形図が得られたことを示している。
【0079】従って、送電線を建設する際に人手で測量
(50〜100m四方)を行い、図13に示すように1
/100〜1/200で50cmコンター地形図を作成
して、鉄塔の脚位置を決定していたが本測量装置を用い
て測量させると図9に示すような等高線図が得られた。
すなわち、樹木を伐採しなくとも、人手による測量と替
わらない精度の地形図が得られることになるまた、本装
置はナビゲーション機能も備えている。このナビゲーシ
ョン機能は、スタート点と目標位置とを正確に入力する
ことが重要であり、作業員が森林地帯において進むべき
方向が分からないときに用いられ、目標方向が分かるよ
なナビゲーション表示(角度で目的方向を表示する)を
してもよい。
【0080】さらに、本慣性情報修正演算装置の機能を
INS側に設けて、更に小型軽量の自動測量装置として
もよい。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、三軸一体
型のジャイロで慣性座標系に対して、加速度計の検知軸
の方向変化を求める方式の小型軽量の慣性装置からの速
度、位置情報を蓄積し、この速度、位置を修正した後
に、初期座標に基づいて位置情報を再度修正する慣性情
報修正演算装置からなる自動測量装置である。
【0082】このため、慣性装置においては、重量が軽
いと共に、位置が2回修正されるので、非常に細かな位
置を得ることができる。
【0083】従って、人間が持ち運びながら精度の高い
3軸の位置を正確にかつ容易に得ることができるという
効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動測量装置の概略構成図である。
【図2】本発明の自動測量装置の運用を説明する説明図
である。
【図3】本発明の自動測量装置を鉄塔敷地の測量に用い
るときの運用を説明する説明図である。
【図4】本発明の収集ファイルの構成を説明する説明図
である。
【図5】本発明の収集ファイルの構成を説明する説明図
である。
【図6】鉄塔敷地の測量に用いたときの効果を説明する
説明図である。
【図7】ZUPTのみでの位置データの値を説明する説
明図である。
【図8】CUPTを用いたときの位置データの精度を説
明する説明図である。
【図9】鉄塔敷地測量を用いたときの効果を説明する説
明図である。
【図10】従来の慣性装置の概念図である。
【図11】従来の慣性装置の概略構成図である。
【図12】速度誤差を説明する説明図である。
【図13】手作業で鉄塔敷地を等高線化したときの説明
図である。
【符号の説明】
14 自動測量装置 15 INS 16 慣性情報修正演算装置 18 3軸一体ジャイロ 27 モード判定手段 28 速度ゼロ信号発生手段 29 速度データ修正手段 30 位置データ修正手段 31 取得手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷 祐児 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 齊藤 知孝 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 相原 修 東京都新宿区新宿4−2−18新宿光風ビル アジア航測株式会社内 (72)発明者 伊藤 秀典 東京都新宿区新宿4−2−18新宿光風ビル アジア航測株式会社内 (72)発明者 熊谷 秀夫 長野県飯田市大休1879 多摩川西販売株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三軸一体型のジャイロで慣性座標系に対
    して、加速度計の検知軸の方向変化を求める方式の小型
    軽量の慣性装置からの速度、位置情報を蓄積し、この速
    度、位置を修正した後に、初期座標に基づいて前記位置
    情報を再度修正する慣性情報修正演算装置からなる自動
    測量装置。
  2. 【請求項2】 三軸一体型のジャイロで慣性座標系に対
    して、加速度計の検知軸の方向変化を求める方式の小型
    軽量の慣性装置と、この慣性装置からの速度、位置情報
    を蓄積し、この速度、位置を修正した後に、初期座標に
    基づいて前記位置情報を再度修正する慣性情報修正演算
    装置とからなる自動測量装置であって、 前記慣性情報修正演算装置は、 前記速度データの修正指示が入力したとき、前記蓄積し
    た最終の速度データの速度誤差変化率を求め、この速度
    誤差変化率に基づいて前記速度データ及び位置データを
    修正する速度修正手段と、 前記初期座標に到達したことが知らせられると、前記速
    度修正手段によって修正された現在までの位置データを
    読み、この位置データの内で最終の位置データを前記初
    期座標としたときの位置誤差を求め、当該位置誤差で各
    位置データを再度修正する位置修正手段とを有すること
    を特徴とする自動測量装置。
  3. 【請求項3】 前記慣性情報修正演算装置は、 前記速度又は位置の修正指示が入力したとき、当該装置
    の運行速度をゼロとする信号を前記速度修正手段又は位
    置修正手段に送出する速度ゼロ信号発生手段を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の自動測量装置。
  4. 【請求項4】前記速度修正手段は、 前記最終の速度データまでの速度誤差率から各速度誤差
    を求めて、各速度を修正すると共に、修正した最終の速
    度データに前記慣性装置の現在の速度を変更することを
    特徴とする請求項2又は3記載の自動測量装置。
  5. 【請求項5】前記位置修正手段は、 前記最終の位置データまでの位置誤差率から各位置誤差
    を求めて、各位置データを修正すると共に、修正した最
    終の位置データに前記慣性装置の現在の位置を変更する
    ことを特徴とする請求項2、3又は4記載の自動測量装
    置。
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