JPH1127053A - 高調波ミキサー回路 - Google Patents

高調波ミキサー回路

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JPH1127053A
JPH1127053A JP17336097A JP17336097A JPH1127053A JP H1127053 A JPH1127053 A JP H1127053A JP 17336097 A JP17336097 A JP 17336097A JP 17336097 A JP17336097 A JP 17336097A JP H1127053 A JPH1127053 A JP H1127053A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】集積回路化に好適であって、かつ、温度変化の
影響を受け難いものとなす。 【解決手段】差動対を形成するトランジスタ31〜38
を備え、第1及び第2(第3及び第4)のトランジスタ
のベース間及び第5及び第6(第7及び第8)のトラン
ジスタのベース間に第1の信号の電圧から(に)所定の
オフセット電圧が減じ(加え)られて得られる電圧が供
給され、第1及び第2(第5及び第6)のトランジスタ
のエミッタ及び第3及び第4(第7及び第8)のトラン
ジスタのエミッタが、第2の信号(位相反転された第2
の信号)によって変調される差動電流を生じさせる一対
の電流端子に夫々接続され、夫々のコレクタが共通接続
されて、一対の出力端子47A,47Bが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係る発明は、第1の信
号と第2の信号とが供給されて、第1の信号の周波数の
2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信
号が得られる高調波ミキサー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信機の分野においては、アンテナ
を通じた受信信号と所定の周波数を有した局部発振信号
とをミキサー回路に供給し、ミキサー回路によって受信
信号をその周波数と局部発振信号の周波数との差の周波
数を有した中間周波信号に変換する、スーパーヘテロダ
イン受信を行うものが主流となっている。このようなス
ーパーヘテロダイン受信には、イメージ妨害の問題が伴
い、その対策のため、スーパーヘテロダイン受信が行わ
れる場合には、通常、イメージ抑圧フィルタを備えるこ
とが必要とされる。このイメージ抑圧フィルタは、無線
通信機における受信部の小型化に支障をきたすものとな
る。
【0003】それゆえ、無線通信機における受信部のよ
り一層の小型化及び軽量化を図るべく、受信部を、アン
テナを通じた受信信号と受信信号の搬送波周波数と等し
い周波を有した局部発振信号とをミキサー回路に供給
し、ミキサー回路によって受信信号を直接にベースバン
ド信号に変換する、直接変換方式による受信を行うもの
となすことが知られている。直接変換方式による受信が
行われる場合には、スーパーヘテロダイン受信が行われ
る場合に必要とされるイメージ抑圧フィルタを備えるこ
とが不要とされる。
【0004】しかしながら、直接変換方式による受信が
行われる場合には、ミキサー回路に受信信号と共に供給
される、受信信号の搬送波周波数と等しい周波数を有し
た局部発振信号がアンテナ側に漏洩し、ミキサー回路に
おいて漏洩した局部発振信号に起因する自己検波が行わ
れて、自己検波による干渉が生じるという問題がある。
そこで、このような問題を回避すべく、直接変換方式に
よる受信を行うにあたり、受信信号をベースバンド信号
に変換するミキサー回路を、第1の信号と第2の信号と
が供給されて、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有
した信号と第2の信号との乗算出力信号が得られるもの
とされる高調波ミキサー回路を用い、その高調波ミキサ
ー回路に、受信信号の周波数の1/2の周波数を有した
局部発振信号を第1の信号として供給するとともに、受
信信号を第2の信号として供給し、乗算出力信号として
受信信号に基づくベースバンド信号を得るようになすこ
とが提案されている。
【0005】図5は、上述の如くの直接変換方式による
受信に適用することができる、従来提案されている高調
波ミキサー回路を示す。この図5に示される高調波ミキ
サー回路にあっては、互いに逆向きにされて並列に接続
された一対のダイオード11及び12が備えられてお
り、ダイオード11とダイオード12との並列接続の一
端部13及び他端部14に、夫々、短絡スタブ15と開
放スタブ16とが接続されている。
【0006】そして、ダイオード11とダイオード12
との並列接続の一端部13に、信号源17からの第1の
信号S1が供給されるとともに、ダイオード11とダイ
オード12との並列接続の他端部14に、信号源18か
らの第2の信号S2が、信号源インピーダンス19を通
じて供給される。その際、第1の信号S1及び第2の信
号S2の各々は正弦波信号であって、第1の信号S1の
周波数ω1が第2の信号S2の周波数ω2の1/2(ω
1=ω2/2)とされ、また、短絡スタブ15及び開放
スタブ16の夫々の長さは、第1の信号S1の波長の1
/4に相当するものに選定され、従って、第2の信号S
2の波長の1/2に相当する。
【0007】このようなもとで、第1の信号S1の電圧
V1(t) 及び第2の信号S2の電圧V2(t) は、下記の
数1及び数2のようにあらわされる。
【0008】
【数1】V1(t) =v1・cos(ω1・t)
【0009】
【数2】V2(t) =v2・cos(ω2・t)
【0010】上記数1及び数2において、ω1=2・π
・f1,ω2=2・π・f2であり、また、v1≫v2
であって、例えば、ダイオード11及び12の夫々の順
方向電圧をVfとして、v1=√2・Vfとされる。
【0011】短絡スタブ15は、第1の信号S1に対し
ては開放線路として作用し、また、開放スタブ16は、
第1の信号S1に対しては短絡線路として作用するの
で、ダイオード11とダイオード12との並列接続の一
端部13に供給された第1の信号S1は、ダイオード1
1とダイオード12との並列接続の他端部14に接続さ
れた信号源18側に漏出することなく、ダイオード11
とダイオード12との並列接続の両端間、即ち、一端部
13と他端部14との間に印加される。それにより、ダ
イオード11とダイオード12との並列接続を流れる電
流Idp(t)は、下記の数3のようにあらわされる。
【0012】
【数3】Idp(t)=Is・ exp{V1(t)/VT }−Is
・ exp{−V1(t)/VT
【0013】上記数3において、Isはダイオード11
及び12の夫々の逆方向飽和電流であり、また、VT
熱電圧である。
【0014】ダイオード11とダイオード12との並列
接続は、抵抗が動的変化をするものとされた抵抗素子と
考えられ、その動的変化抵抗Rd(t) は、下記の数4の
ようにあらわされる。
【0015】
【数4】Rd(t) =V1(t) /Idp(t)
【0016】一方、開放スタブ16は、第1の信号S1
の周波数ω1の2倍の周波数ω2を有した第2の信号S
2に対しては開放線路として作用し、また、短絡スタブ
15は、第2の信号S2に対しては短絡線路として作用
する。さらに、チョークコイル20は、第2の信号S2
に対して高インピーダンスを呈する。それゆえ、ダイオ
ード11とダイオード12との並列接続の他端部14に
信号源インピーダンス19を通じて供給される第2の信
号S2は、ダイオード11とダイオード12との並列接
続を通じて短絡スタブ15に流出する。
【0017】ここで、ダイオード11とダイオード12
の並列接続を動的変化抵抗Rd(t)を有した抵抗素子2
1として考えると、信号源18からの第2の信号S2
は、図6に示される如くに、信号源インピーダンス19
と抵抗素子21とによる分圧回路に供給されることにな
る。そして、抵抗素子21の両端間に得られる第2の信
号S2についての分圧成分Sdが、チョークコイル20
を通じ、乗算出力信号として出力端子22に導出され
る。
【0018】信号源インピーダンス19と抵抗素子21
とによる分圧回路における抵抗素子21についての分圧
比N(t) は、信号源インピーダンス19の値をRsとし
て、下記の数5のようにあらわされる。
【0019】
【数5】N(t) =Rd(t) /(Rs+Rd(t) )
【0020】抵抗素子21の動的変化抵抗Rd(t) は、
数4からして、第1の信号S1の周波数ω1の2倍の周
波数(2・ω1)をもって変化するので、分圧比N(t)
も第1の信号S1の周波数ω1の2倍の周波数(2・ω
1)をもって変化する。図7は、信号源インピーダンス
19の抵抗値が50Ωである場合における分圧比N(t)
を実線をもって示し、第1の信号S1の電圧V1(t) を
破線をもって示す。
【0021】そして、信号源18からの第2の信号S2
が信号源インピーダンス19と抵抗素子21とによる分
圧回路に供給されることにより、抵抗素子21の両端間
に得られる第2の信号S2についての分圧成分Sdの電
圧Vdp(t) は、下記の数6のようにあらわされる。
【0022】
【数6】Vdp(t) =V2(t) ・N(t)
【0023】分周比N(t) は、理想的には周波数を2・
ω1、即ち、第1の信号S1の周波数ω1の2倍とし、
デューティ・ファクタを50%とする矩形波パルス波形
を有する信号となるので、分圧成分Sd、即ち、出力端
子22に導出される乗算出力信号は、第1の信号S1の
周波数の2倍の周波数を有する信号と第2の信号S2と
が乗算されて得られる信号となる。
【0024】分周比N(t) についての理想的な矩形波パ
ルス波形は、フーリエ級数を用いてあらわすと下記の数
7の如くである。
【0025】
【数7】
【0026】また、抵抗素子21の両端間に得られる第
2の信号S2についての分圧成分Sdである乗算出力信
号の電圧Vdp(t) は、理想的には下記の数8のように
あらわされる。
【0027】
【数8】
【0028】上記数8において、n=1とされるとき、
第1の信号S1の周波数の2倍の周波数を有する信号と
第2の信号S2との乗算出力信号が得られ、第2の信号
S2が帯域信号である場合には、そのベースバンド信号
が乗算出力信号として得られる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上述の図5に示される
従来提案されている高調波ミキサー回路は、その構成に
おいて、逆向きとされた一対のダイオード11とダイオ
ード12との並列接続の両端部に、短絡スタブ15と開
放スタブ16とが夫々接続されているので、その全体の
集積回路化には適していない。即ち、短絡スタブ15及
び開放スタブ16の夫々は、第1の信号S1の波長の1
/4に相当する長さを有するものとされるが、第1の信
号S1が、例えば、携帯無線電話システムに用いられて
いる準マイクロ波とされる場合にあっても、短絡スタブ
15及び開放スタブ16の長さは比較的大とされること
になり、短絡スタブ15及び開放スタブ16を含めた高
調波ミキサー回路全体を集積回路化することが困難とさ
れるのである。
【0030】また、図5に示される従来提案されている
高調波ミキサー回路にあっては、第1の信号S1の振幅
v1が、例えば、√2・Vf(Vfはダイオード11及
び12の夫々の順方向電圧)とされているが、順方向電
圧Vfは、通常、例えば、−1.5mV/℃程度の温度
係数を伴うものとなる。従って、仮に順方向電圧値Vf
の温度係数が−1.5mV/℃であるとすると、例え
ば、−20℃から80℃までの温度変化範囲において
は、順方向電圧Vfが150mVも変化してしまうこと
になる。斯かるもとにあっては、例えば、低温時あるい
は高温時において、図6に示される如くの、第2の信号
S2に対しての信号源インピーダンス19と抵抗素子2
1(ダイオード11とダイオード12との並列接続)と
による分圧回路における抵抗素子21についての分圧比
N(t) が大幅に変動することになって、その波形が、例
えば、図8に示される如く、デューティ・ファクタを5
0%とする矩形波パルス波形という理想的なものとは著
しく異なったものとされる。その結果、抵抗素子21の
両端間に得られる第2の信号S2についての分圧成分S
d、即ち、チョークコイル20を通じて出力端子22に
導出される乗算出力信号に関する周波数変換利得が低下
してしまうという不都合が生じる。
【0031】斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に
おける請求項1から請求項4までのいずれかに記載され
た発明は、第1の信号と第2の信号とが供給されて、第
1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と第2の
信号との乗算出力信号が得られるものとされるにあた
り、全体の集積回路化に好適であって、かつ、温度変化
の影響を受け難いものとされる高調波ミキサー回路を提
供する。
【0032】
【課題を解決するための手段】本願の特許請求の範囲に
おける請求項1から請求項4までのいずれかに記載され
た発明に係る高調波ミキサー回路は、エミッタが共通接
続されて第1の差動対を形成する第1及び第2のトラン
ジスタ,エミッタが共通接続されて第2の差動対を形成
する第3及び第4のトランジスタ,エミッタが共通接続
されて第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジ
スタ、及び、エミッタが共通接続されて第4の差動対を
形成する第7及び第8のトランジスタが設けられ、第1
の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの夫々
のベース間及び第3の差動対を形成する第5及び第6の
トランジスタの夫々のベース間に、第1の信号の電圧か
ら所定のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供
給されるとともに、第2の差動対を形成する第3及び第
4のトランジスタの夫々のベース間及び第4の差動対を
形成する第7及び第8のトランジスタの夫々のベース間
に、第1の信号の電圧に所定のオフセット電圧が加えら
れて得られる電圧が供給され、また、第1及び第2のト
ランジスタの共通接続されたエミッタ及び第3及び第4
のトランジスタの共通接続されたエミッタが、第2の信
号によって変調される一対の差動電流を夫々生じさせる
一対の電流端子に夫々接続されるとともに、第5及び第
6のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び第7及
び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタが、位
相反転された第2の信号によって変調される一対の差動
電流を夫々生じさせる一対の電流端子に夫々接続される
ものとされる。そして、斯かるもとで、第1,第4,第
6及び第7のトランジスタの夫々のコレクタが共通接続
されて第1の共通接続点が形成されるとともに、第2,
第3,第5及び第8のトランジスタの夫々のコレクタが
共通接続されて第2の共通接続点が形成されて、これら
の第1及び第2の共通接続点が、第1の信号の周波数の
2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出力信
号が得られる一対の出力端子とされる。
【0033】このように構成される本願の特許請求の範
囲における請求項1から請求項4までのいずれかに記載
された発明に係る高調波ミキサー回路にあっては、第1
の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの共通
接続されたエミッタ、及び、第2の差動対を形成する第
3及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタ
を、第2の信号によって変調された一対の差動電流が夫
々流れ、また、第3の差動対を形成する第5及び第6の
トランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、第4の
差動対を形成する第7及び第8のトランジスタの共通接
続されたエミッタを、第2の信号によって変調された一
対の差動電流が夫々流れる。そして、第1及び第2のト
ランジスタの夫々のベース間及び第5及び第6のトラン
ジスタの夫々のベース間に、第1の信号の電圧から所定
のオフセット電圧が減じられて得られる電圧が供給さ
れ、また、第3及び第4のトランジスタの夫々のベース
間及び第7及び第8のトランジスタの夫々のベース間
に、第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じ
られて得られる電圧が供給される。
【0034】それにより、第1の差動対を形成する第1
及び第2のトランジスタのうちの第1のトランジスタ,
第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタの
うちの第4のトランジスタ,第3の差動対を形成する第
5及び第6のトランジスタのうちの第6のトランジス
タ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のトラ
ンジスタのうちの第7のトランジスタの夫々のコレクタ
電流の総和と、第1の差動対を形成する第1及び第2の
トランジスタのうちの第2のトランジスタ,第2の差動
対を形成する第3及び第4のトランジスタのうちの第3
のトランジスタ,第3の差動対を形成する第5及び第6
のトランジスタのうちの第5のトランジスタ、及び、第
4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタのう
ちの第8のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和と
の差の電流は、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有
する信号と第2の信号との乗算結果をあらわすものとさ
れる。そして、この第1,第4,第6及び第7のトラン
ジスタの夫々のコレクタ電流の総和と第2,第3,第5
及び第8のトランジスタの夫々のコレクタ電流の総和と
の差の電流は、一対の出力端子に導出される。
【0035】従って、本願の特許請求の範囲における請
求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に
係る高調波ミキサー回路にあっては、第1の信号が所定
のオフセット電圧を伴って供給されるとともに第2の信
号が供給されて、一対の出力端子に、第1の信号の周波
数の2倍の周波数を有した信号と第2の信号との乗算出
力信号が得られることになる。そして、第1の信号が、
第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタの
共通接続されたエミッタ,第2の差動対を形成する第3
及び第4のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第
3の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタの共
通接続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する
第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタ
を夫々流れる電流を変調する事態は生じないことにな
り、第1〜第4の作動対において自己検波による干渉が
生じるという問題はない。
【0036】このような本願の特許請求の範囲における
請求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明
に係る高調波ミキサー回路は、開放スタブ及び短絡スタ
ブのいずれも備える必要がないので、その全体の集積回
路化に好適である。また、所定のオフセット電圧はダイ
オードの順方向電圧とは無関係に設定され、それによ
り、ダイオードの順方向電圧の温度変化により周波数変
換利得が低下してしまうという問題は生じない。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本願の特許請求の範囲に
おける請求項1から請求項4までのいずれかに記載され
た発明に係る高調波ミキサー回路の一例を示す。
【0038】図1に示される例においては、エミッタが
共通接続されて第1の差動対を形成する第1のトランジ
スタ31及び第2のトランジスタ32,エミッタが共通
接続されて第2の差動対を形成する第3のトランジスタ
33及び第4のトランジスタ34,エミッタが共通接続
されて第3の差動対を形成する第5のトランジスタ35
及び第6のトランジスタ36、及び、エミッタが共通接
続されて第4の差動対を形成する第7のトランジスタ3
7及び第8のトランジスタ38が設けられている。これ
らの第1〜第8のトランジスタ31〜38は、それらの
いずれもがNPN形とされており、また、各々のエミッ
タ領域面積が実質的に等しくされている。
【0039】第1の差動対を形成する第1及び第2のト
ランジスタ31及び32の各々のベース間、及び、第3
の差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及
び36の各々のベース間には、それらに対して共通に、
第1の信号S1を発する信号源40とオフセット電圧V
kを供給する直流電源41とが直列に接続されている。
また、第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジ
スタ33及び34の各々のベース間、及び、第4の差動
対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及び38
の各々のベース間には、それらに対して共通に、信号源
40とオフセット電圧Vkを供給する直流電源42とが
直列に接続されている。
【0040】第1の信号S1は、例えば、周波数ω1を
有した正弦波信号であって、その電圧V1(t) は前述の
数1によりあらわされるものとされる。そして、第1及
び第2のトランジスタ31及び32の各々のベース間及
び第5及び第6のトランジスタ35及び36の各々のベ
ース間に共通に配された信号源40と直流電源41と
は、信号源40が発する第1の信号S1の電圧V1(t)
から直流電源41が供給するオフセット電圧Vkが減じ
られることになる極性をもって、直列接続されている。
それにより、第1及び第2のトランジスタ31及び32
の各々のベース間及び第5及び第6のトランジスタ35
及び36の各々のベース間の夫々には、第1の信号S1
の電圧V1(t) からオフセット電圧Vkが減じられて得
られる電圧が供給されることになる。
【0041】一方、第3及び第4のトランジスタ33及
び34の各々のベース間及び第7及び第8のトランジス
タ37及び38の各々のベース間に共通に配された信号
源40と直流電源42とは、信号源40が発する第1の
信号S1の電圧V1(t) に直流電源42が供給するオフ
セット電圧Vkが加えられることになる極性をもって、
直列接続されている。それにより、第3及び第4のトラ
ンジスタ33及び34の各々のベース間及び第7及び第
8のトランジスタ37及び38の各々のベース間の夫々
には、第1の信号S1の電圧V1(t) にオフセット電圧
Vkが加えられて得られる電圧が供給されることにな
る。
【0042】また、図1に示される例にあっては、第2
の信号S2を発する信号源44が接続された電流源部4
5と電流源部46とが設けられている。第2の信号S2
は、例えば、第1の信号S1の周波数ω1の2倍に相当
する周波数ω2を有した正弦波信号であって、その電圧
V2(t) は前述の数2によりあらわされるものとされ
る。
【0043】電流源部45は、電流端子45A及び45
Bを有しており、信号源44が発する第2の信号S2に
よって変調される一対の差動電流である電流I1及び電
流I2を、電流端子45A及び45Bに夫々生じさせ
る。電流I1は、例えば、第2の信号S2の電圧V2
(t) が大である程大とされ、また、電流I2は、例え
ば、第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程小とさ
れる。
【0044】そして、電流源部45における電流端子4
5A及び45Bには、第1の差動対を形成する第1及び
第2のトランジスタ31及び32の各々における共通接
続されたエミッタ、及び、第2の差動対を形成する第3
及び第4のトランジスタ33及び34の各々における共
通接続されたエミッタが、夫々接続されている。それに
より、共通接続された第1のトランジスタ31のエミッ
タ及び第2のトランジスタ32のエミッタには電流I1
が分流して流れ、また、共通接続された第3のトランジ
スタ33のエミッタ及び第4のトランジスタ34のエミ
ッタには電流I2が分流して流れる。
【0045】電流源部46は、電流端子46A及び46
Bを有しており、信号源44が発する第2の信号S2に
よって変調される一対の差動電流である電流I3及び電
流I4を、電流端子46A及び46Bに夫々生じさせ
る。電流I3は、例えば、第2の信号S2の電圧V2
(t) が大である程小とされ、また、電流I4は、例え
ば、第2の信号S2の電圧V2(t) が大である程大とさ
れる。
【0046】そして、電流源部46における電流端子4
6A及び46Bには、第3の差動対を形成する第5及び
第6のトランジスタ35及び36の各々における共通接
続されたエミッタ、及び、第4の差動対を形成する第7
及び第8のトランジスタ37及び38の各々における共
通接続されたエミッタが、夫々接続されている。それに
より、共通接続された第5のトランジスタ35のエミッ
タ及び第6のトランジスタ36のエミッタには電流I3
が分流して流れ、また、共通接続された第7のトランジ
スタ37のエミッタ及び第8のトランジスタ38のエミ
ッタには電流I4が分流して流れる。
【0047】さらに、図1に示される例にあっては、第
1の差動対を形成する第1及び第2のトランジスタ31
及び32のうちの第1のトランジスタ31のコレクタ,
第2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ3
3及び34のうちの第4のトランジスタ34のコレク
タ,第3の差動対を形成する第5及び第6のトランジス
タ35及び36のうちの第6のトランジスタ36のコレ
クタ、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8のト
ランジスタ37及び38のうちの第7のトランジスタ3
7のコレクタが共通接続されて、その共通接続点から出
力端子47Aが導出されている。また、第1の差動対を
形成する第1及び第2のトランジスタ31及び32のう
ちの第2のトランジスタ32のコレクタ,第2の差動対
を形成する第3及び第4のトランジスタ33及び34の
うちの第3のトランジスタ33のコレクタ,第4の差動
対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36
のうちの第5のトランジスタ35のコレクタ、及び、第
4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37
及び38のうちの第8のトランジスタ38のコレクタが
共通接続されて、その共通接続点から出力端子47Bが
導出されている。これら出力端子47A及び47Bは、
対を成している。
【0048】このようなもとで、電流源部45と電流源
部46とは、実質的に同等の特性を備えていて、信号源
44からの第2の信号S2の電圧が0であるとき、電流
I1,I2,I3及びI4の夫々として直流電流I0を
発生し、また、電流I1,I2,I3及びI4の形成に
あたっての相互コンダクタンスgmを有するものとされ
る。
【0049】電流源部45における電流端子45A及び
45Bに夫々得られる電流I1及びI2の夫々の値I1
(t) 及びI2 (t) と、電流源部46における電流端子4
6A及び46Bに夫々得られる電流I3及びI4の夫々
の値I3(t) 及びI4(t) とは、下記の数9によってあ
らわされる。
【0050】
【数9】I1(t) =I0/2+gm・V2(t) I2(t) =I0/2−gm・V2(t) I3(t) =I0/2−gm・V2(t) I4(t) =I0/2+gm・V2(t)
【0051】第1〜第8のトランジスタ31〜38の夫
々について、そのコレクタ電流をIc,ベース−エミッ
タ間電圧をVBE, 逆方向コレクタ飽和電流をIs,熱電
圧をVT (VT =k・T/q,kはボルツマン係数,T
は絶対温度,qは電子の単位電荷)とすると、下記の数
10により示される関係が成立する。
【0052】
【数10】Ic=Is・ exp (VBE/VT
【0053】これよりして、第1〜第8のトランジスタ
31〜38の夫々についてのコレクタ電流Ic1(t) ,
Ic2(t) ,Ic3(t) ,Ic4(t) ,Ic5(t) ,I
c6(t) ,Ic7(t) 及びIc8(t) は、下記の数11
によってあらわされる。
【0054】
【数11】Ic1(t) = I1(t) /〔1+ exp{−
(V1(t) −Vk)/VT }〕 Ic2(t) = I1(t) /〔1+ exp{(V1(t) −V
k)/VT }〕 Ic3(t) = I2(t) /〔1+ exp{(V1(t) +V
k)/VT }〕 Ic4(t) = I2(t) /〔1+ exp{−(V1(t) +
Vk)/VT }〕 Ic5(t) = I3(t) /〔1+ exp{−(V1(t) −
Vk)/VT }〕 Ic6(t) = I3(t) /〔1+ exp{(V1(t) −V
k)/VT }〕 Ic7(t) = I4(t) /〔1+ exp{(V1(t) +V
k)/VT }〕 Ic8(t) = I4(t) /〔1+ exp{−(V1(t) +
Vk)/VT }〕
【0055】出力端子47Aには、コレクタ電流Ic1
(t) ,Ic4(t) ,Ic6(t) 及びIc7(t) の和が流
れ、出力端子47Bには、コレクタ電流Ic2(t) ,I
c3(t) ,Ic5(t) 及びIc8(t) の和が流れる。従
って、一対の出力端子47A及び47Bに得られる差動
出力電流Icd(t)は、下記の数12によりあらわされ
る。
【0056】
【数12】 Icd(t)=(Ic1(t) +Ic4(t) +Ic6(t) +Ic7(t) ) −(Ic2(t) +Ic3(t) +Ic5(t) +Ic8(t) ) =2・gm・V2(t) ・〔 tanh{(V1(t) −Vk)/2・VT } −tanh{(V1(t) +Vk)/2・VT }〕
【0057】ここで、上記数12における tanh の項を
下記の数13に示される如くの、第1の信号S1の電圧
V1(t) とオフセット電圧Vkとの関数F{V1(t) ,
Vk}とする。
【0058】
【数13】F{V1(t) ,Vk}= tanh{(V1(t)
−Vk)/2・VT }−tanh{(V1(t) +Vk)/2
・VT
【0059】関数F{V1(t) ,Vk}は、例えば、図
2に示される如く、オフセット電圧VkがVT の4倍以
上の場合、第1の信号S1の電圧V1(t) の負から正へ
の変化に伴って、0と−2との間を2回遷移する。そし
て、第1の信号S1は周波数ω1を有した正弦波信号で
あるので、関数F{V1(t) ,Vk}は、図3において
実線により示される如くに、周波数ω1の2倍の周波数
をもって変化する。
【0060】例えば、第1の信号S1の振幅v1が、オ
フセット電圧Vkの√2倍(v1=√2・Vk)に選定
され、オフセット電圧VkがVT の2倍より十分に大で
あるようにされると、数13によってあらわされる関数
F{V1(t) ,Vk}は、0と−2との間の値を繰り返
しとることになる。そして、第2の信号S2は周波数ω
2を有した正弦波信号であるので、数12によってあら
わされる差動出力電流Icd(t)は、下記の数14に示さ
れるフーリエ級数をもってあらわされる。
【0061】
【数14】
【0062】上記数14において、n=1とされると
き、差動出力電流Icd(t)が、第1の信号S1の周波数
の2倍の周波数を有する信号と第2の信号S2との乗算
出力信号として、下記の数15に示される如くに得ら
れ、第2の信号S2が帯域信号である場合には、そのベ
ースバンド信号が乗算出力信号として得られる。
【0063】
【数15】 Icd(t)=8/π・gm・v2・cos(2・ω1・t) ・cos(ω2・t) =4/π・gm・v2 ・〔 cos{ (2・ω1+ω2)・t} + cos{ (2・ω1−ω2)・t}〕 −2・gm・v2・cos(ω2・t)
【0064】上述の如くの図1に示される例は、開放ス
タブ及び短絡スタブのいずれも用いていず、差動対を成
す複数のトランジスタ31〜38,直流電圧源41及び
42,電流源部45及び46等を含んで構成されている
ので、その全体の集積回路化に好適である。また、オフ
セット電圧Vkがダイオードの順方向電圧とは無関係に
設定され、ダイオードの順方向電圧に依存しないので、
ダイオードの順方向電圧の温度変化により周波数変換利
得が低下してしまうという問題は生じない。
【0065】
【実施例】図4は、本願の特許請求の範囲における請求
項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に係
る高調波ミキサー回路の一例についての具体構成例を示
す。この図4に示される具体構成例は、図1に示される
例における直流電圧源41及び42が、2組の差動対を
成すトランジスタを含む回路によって構成されたものに
相当する。直流電圧源41及び42に対応する部分以外
の部分は、図1に示される例と同様であり、それらにつ
いては、図1と共通の符号を付して示し、重複説明は省
略する。
【0066】図4に示される具体構成例にあっては、エ
ミッタが共通接続されて差動対を形成するNPN形のト
ランジスタ51及び52,共通接続されたトランジスタ
51及び52の夫々のエミッタに接続された電流源5
3、及び、トランジスタ51及び52の夫々のコレクタ
に接続された抵抗素子54,55及び56を含んで形成
される電圧発生部57と、エミッタが共通接続されて差
動対を形成するNPN形のトランジスタ61及び62,
共通接続されたトランジスタ61及び62の夫々のエミ
ッタに接続された電流源63、及び、トランジスタ61
及び62の夫々のコレクタに接続された抵抗素子64,
65,66及び67を含んで形成される電圧発生部58
とが設けられている。そして、トランジスタ51及び5
2の各々のベース間、及び、トランジスタ61及び62
の各々のベース間の夫々に、第1の信号S1を発する信
号源40が共通に接続されている。
【0067】トランジスタ51,52,61及び62の
各々は、実質的に同等の特性を有したものとされ、ま
た、電流源53及び63の夫々は共に実質的な定電流I
oを発生する。抵抗素子54,55、64及び65の各
々は、実質的に同一の抵抗値Rcを有しており、また、
抵抗素子56及び66の各々も、実質的に同一の抵抗値
Roを有している。さらに、抵抗素子67は、抵抗値R
kを有している。なお、図4に示されるVccは、電源
電圧である。
【0068】このようなもとで、第1の差動対を形成す
る第1及び第2のトランジスタ31及び32の各々のベ
ース間、及び、第3の差動対を形成する第5及び第6の
トランジスタ35及び36の各々のベース間には、それ
らに対して共通に、トランジスタ52のコレクタとトラ
ンジスタ61のコレクタとの間に得られる電圧が供給さ
れる。また、第2の差動対を形成する第3及び第4のト
ランジスタ33及び34の各々のベース間、及び、第4
の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタ37及
び38の各々のベース間には、それらに対して共通に、
トランジスタ51のコレクタとトランジスタ62のコレ
クタとの間に得られる電圧が供給される。
【0069】トランジスタ52のコレクタとトランジス
タ61のコレクタとの間に得られる電圧は、信号源40
から発せられる第1の信号S1の電圧V1(t) に基づく
電圧V1’(t) からオフセット電圧Vk’が減じられて
得られる電圧であり、トランジスタ51のコレクタとト
ランジスタ62のコレクタとの間に得られる電圧は、信
号源40から発せられる第1の信号S1の電圧V1(t)
に基づく電圧V1’(t) にオフセット電圧Vk’が加え
られて得られる電圧である。ここで、電圧V1’(t)
は、電圧V1(t) に比例した電圧であって、下記の数1
6によってあらわされ、また、オフセット電圧Vk’
は、下記の数17によってあらわされる。
【0070】
【数16】V1’(t) =V1(t) ・(Rc・Io)/
(2・VT
【0071】
【数17】Vk’=Rk・Io
【0072】このように、図4に示される具体構成例に
あっては、第1の差動対を形成する第1及び第2のトラ
ンジスタ31及び32の各々のベース間、及び、第3の
差動対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び
36の各々のベース間には、それらに対して共通に、数
16によってあらわされる電圧V1’(t) から数17に
よってあらわされるオフセット電圧Vk’が減じられて
得られる電圧が供給され、また、第2の差動対を形成す
る第3及び第4のトランジスタ33及び34の各々のベ
ース間、及び、第4の差動対を形成する第7及び第8の
トランジスタ37及び38の各々のベース間には、それ
らに対して共通に、数16によってあらわされる電圧V
1’(t) に数17によってあらわされるオフセット電圧
Vk’が加えられて得られる電圧が供給される。
【0073】従って、図4に示される具体構成例にあっ
ても、第1の差動対を形成する第1及び第2のトランジ
スタ31及び32の各々のベース間、及び、第3の差動
対を形成する第5及び第6のトランジスタ35及び36
の各々のベース間には、実質的に、信号源40が発する
第1の信号S1の電圧V1(t) から所定のオフセット電
圧が減じられて得られる電圧が供給されるとともに、第
2の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタ33
及び34の各々のベース間、及び、第4の差動対を形成
する第7及び第8のトランジスタ37及び38の各々の
ベース間には、実質的に、信号源40が発する第1の信
号S1の電圧V1(t) に所定のオフセット電圧が加えら
れて得られる電圧が供給されることになる。それゆえ、
図4に示される具体構成例に備えられた、第1〜第4の
差動対を形成する第1〜第8のトランジスタ31〜3
8、及び、電流源部45及び46を含んで構成される部
分も、図1に示される例の場合と同様な動作を行う。
【0074】なお、図4に示される具体構成例が、実際
に使用されるに際しては、図1に示される例についての
説明において述べられたことからして、電圧V1’(t)
の振幅がオフセット電圧Vk’の√2倍に選定され、か
つ、オフセット電圧Vk’が、例えば、VT の4倍以上
とされることが望ましい。
【0075】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本願の特
許請求の範囲における請求項1から請求項4までのいず
れかに記載された発明に係る高調波ミキサー回路にあっ
ては、第1の信号が所定のオフセット電圧を伴って供給
されるとともに第2の信号が供給されて、一対の出力端
子に、第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号
と第2の信号との乗算出力信号が得られることになり、
その際、第1の信号が、第1の差動対を形成する第1及
び第2のトランジスタの共通接続されたエミッタ,第2
の差動対を形成する第3及び第4のトランジスタの共通
接続されたエミッタ,第3の差動対を形成する第5及び
第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ、及び、
第4の差動対を形成する第7及び第8のトランジスタの
共通接続されたエミッタを夫々流れる電流を変調する事
態は生じないことになり、第1〜第4の作動対において
自己検波による干渉が生じるという問題はない。
【0076】そして、本願の特許請求の範囲における請
求項1から請求項4までのいずれかに記載された発明に
係る高調波ミキサー回路は、開放スタブ及び短絡スタブ
のいずれも備える必要がないので、その全体の集積回路
化に好適であるとともに、所定のオフセット電圧はダイ
オードの順方向電圧とは無関係に設定されて、ダイオー
ドの順方向電圧に依存しないので、ダイオードの順方向
電圧の温度変化により周波数変換利得が低下してしまう
という問題を回避できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の特許請求の範囲における請求項1から請
求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミ
キサー回路の一例を示す回路接続図である。
【図2】図1に示される例の動作説明に供される特性図
である。
【図3】図1に示される例の動作説明に供される特性図
である。
【図4】本願の特許請求の範囲における請求項1から請
求項4までのいずれかに記載された発明に係る高調波ミ
キサー回路の一例についての具体構成例を示す回路接続
図である。
【図5】従来提案されている高調波ミキサー回路を示す
回路接続図である。
【図6】図5に示される高調波ミキサー回路の説明に供
される等価回路接続図である。
【図7】図5に示される高調波ミキサー回路の動作説明
に供される特性図である。
【図8】図5に示される高調波ミキサー回路の動作説明
に供される特性図である。
【符号の説明】 31,32,33,34,35,36,37,38,5
1,52,61,62トランジスタ 40,44
信号源 41,42 直流電源 45,46
電流源部 47A,47B 出力端子 53,
63 電流源54,55,56,64,65,66,6
7 抵抗素子 57,58電圧発生部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エミッタが共通接続されて第1の差動対を
    形成する第1及び第2のトランジスタ,エミッタが共通
    接続されて第2の差動対を形成する第3及び第4のトラ
    ンジスタ,エミッタが共通接続されて第3の差動対を形
    成する第5及び第6のトランジスタ、及び、エミッタが
    共通接続されて第4の差動対を形成する第7及び第8の
    トランジスタが設けられたもとで、 上記第1及び第2のトランジスタの夫々のベース間及び
    上記第5及び第6のトランジスタの夫々のベース間に、
    第1の信号の電圧から所定のオフセット電圧が減じられ
    て得られる電圧が供給され、 上記第3及び第4のトランジスタの夫々のベース間及び
    上記第7及び第8のトランジスタの夫々のベース間に、
    上記第1の信号の電圧に所定のオフセット電圧が加えら
    れて得られる電圧が供給され、 上記第1及び第2のトランジスタの共通接続されたエミ
    ッタ及び上記第3及び第4のトランジスタの共通接続さ
    れたエミッタが、第2の信号によって変調される一対の
    差動電流を夫々生じさせる一対の電流端子に夫々接続さ
    れ、 上記第5及び第6のトランジスタの共通接続されたエミ
    ッタ及び上記第7及び第8のトランジスタの共通接続さ
    れたエミッタが、位相反転された上記第2の信号によっ
    て変調される一対の差動電流を夫々生じさせる一対の電
    流端子に夫々接続され、 上記第1,第4,第6及び第7のトランジスタの夫々の
    コレクタが共通接続されて第1の共通接続点が形成され
    るとともに、上記第2,第3,第5及び第8のトランジ
    スタの夫々のコレクタが共通接続されて第2の共通接続
    点が形成されて、該第1及び第2の共通接続点が、上記
    第1の信号の周波数の2倍の周波数を有した信号と上記
    第2の信号との乗算出力信号が得られる出力端子とされ
    ることを特徴とする高調波ミキサー回路。
  2. 【請求項2】第1及び第2のトランジスタの共通接続さ
    れたエミッタ及び第3及び第4のトランジスタの共通接
    続されたエミッタが、一対の電流端子を有し該一対の電
    流端子に、第2の信号の電圧が大である程大とされる電
    流と上記第2の信号の電圧が大である程小とされる電流
    を夫々生じさせる電流源部に接続されるとともに、第5
    及び第6のトランジスタの共通接続されたエミッタ及び
    第7及び第8のトランジスタの共通接続されたエミッタ
    が、一対の電流端子を有し該一対の電流端子に、位相反
    転された第2の信号の電圧が大である程大とされる電流
    と上記位相反転された第2の信号の電圧が大である程小
    とされる電流を夫々生じさせる電流源部に接続されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高調波ミキサー回路。
  3. 【請求項3】第2の信号が帯域信号であって、第1の信
    号の周波数の2倍の周波数と上記第2の信号の搬送波周
    波数とが実質的に等しくされることを特徴とする請求項
    1または2記載の高調波ミキサー回路。
  4. 【請求項4】第1のトランジスタから第8のトランジス
    タまでの8個のトランジスタが、各々のエミッタ領域面
    積が実質的に等しいものとされることを特徴とする請求
    項1または2記載の高調波ミキサー回路。
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