JPH11269548A - 鋼管の内外面の冷却方法および内外面冷却装置 - Google Patents

鋼管の内外面の冷却方法および内外面冷却装置

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JPH11269548A
JPH11269548A JP7605098A JP7605098A JPH11269548A JP H11269548 A JPH11269548 A JP H11269548A JP 7605098 A JP7605098 A JP 7605098A JP 7605098 A JP7605098 A JP 7605098A JP H11269548 A JPH11269548 A JP H11269548A
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道春 播木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管端部付近に発生する焼入れ後の鋼管外径
の不均一を抑制する鋼管の内外面の冷却方法および冷却
装置を提供する。 【解決手段】 (1) 鋼管の内外面冷却において、外面冷
却を内面冷却より先に開始する。(2) 全長にわたって内
外面を冷却するのに先立ち、端部分の鋼管外面を鋼管の
全長の100分の5から100分の15の長さの範囲で
冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管を熱処理する
に際し、鋼管の軸方向に生ずる外径の不均一性を抑制す
るための鋼管の内外面の冷却方法および内外面冷却装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管の内外面冷却方法として、特開昭5
8−141332号公報に、水槽に鋼管を浸漬して回転
させながら水槽内に設けたノズルから冷却水を供給する
ことによって鋼管の内外面を同時に強制冷却する方法が
開示されている。
【0003】しかし、この方法は、鋼管の内外面を同時
に冷却するに際し、水槽等の装置が大規模になり、長尺
管の冷却には適さない。また浸漬して回転冷却すること
で外面冷却は鋼管の軸方向でほぼ同時にできても、内面
冷却は冷却水の貫通時間の差により鋼管の軸方向で不均
一となり、この影響は長尺管ほど大きいという問題があ
る。
【0004】しかも、同公報の開示内容は、焼き曲がり
の改善が目的であり、鋼管外径の不均一性を改善すると
いうさらに高い目標を達成するものではない。
【0005】また、特開昭58−52426号公報に、
鋼管の冷却方法として板状のラミナー冷却水を回転する
鋼管の全長にわたって流下させる外面冷却の方法が開示
され、特公平2−8008号公報に、鋼管を回転させな
がら内外面から同時に冷却し、更に鋼管を軸方向に往復
運動させる方法が開示されているが、いずれも鋼管の焼
き曲がり防止を目的に開発された方法であり、本発明が
解決しようとする焼入れ後の鋼管の軸方向の鋼管外径の
不均一性を改善するという目標を達成するものではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鋼管の製造プロセスで
は、通常焼き入れ装置の後にサイザーやストレートナー
といった外径矯正装置を有しており、これらにより前記
外径の不均一をある程度除去できるが、過度の矯正は加
工の影響による製品性能の低下が免れず、焼入れ後の鋼
管外径の不均一を極力抑制する必要がある。
【0007】本発明の目的は、炭素鋼や低合金鋼からな
る種々の径および肉厚の長尺の鋼管の焼入れに際し、内
面冷却水を供給するのと反対側(内面冷却水の出側)の
鋼管端部付近に発生する焼入れ後の鋼管外径の不均一を
抑制する鋼管の内外面の冷却方法および冷却装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】加熱された鋼管を中心軸
の回りに回転させながら鋼管の軸方向に平行に設けた単
一または複数の板状水幕で鋼管外面を同時に冷却し、該
鋼管の端に設置した内面冷却装置から冷却水を供給して
管内面を冷却する冷却方法では、外面冷却の鋼管周方向
の不均一性により発生する管の曲がりを抑制する観点か
ら、通常は冷却の周方向不均一が小さい内面冷却を外面
冷却の開始時期と同じ、もしくはそれより先に開始す
る。ここに、外面冷却の開始時期とは板状水幕が鋼管に
衝突する時期を言い、内面冷却の開始時期とは冷却装置
から供給された冷却水が該冷却装置のある管端から管内
に進入した時期をいう。この場合、冷却の周方向の不均
一性を抑制することが期待できる反面、内面の冷却能力
の鋼管の軸方向の不均一性とこれに起因する鋼管の軸方
向の外径の不均一性が問題となる。
【0009】以下に、内面の冷却能力の鋼管の軸方向の
不均一性と、これに起因する鋼管の軸方向の外径の不均
一性について述べる。加熱した鋼管の内面を、鋼管の端
(鋼管入側)に設置した冷却装置より冷却水を供給して
冷却する場合、冷却水の温度は冷却水が鋼管内に進行す
るとともに上昇し、冷却水を供給するのと反対の管端
(鋼管出側)では内面冷却水の温度の上昇に加えて鋼管
の端が開放されているために冷却水の圧力が低下し、こ
れに伴い冷却能力が鋼管の軸方向に低下する。この冷却
能力の低下は、鋼管が長尺になるほど顕著となる。
【0010】図2は、鋼管出側の内面の冷却水温度の冷
却開始からの時間変化である。同図に示すように、内面
の冷却水の出側では、内面の冷却水の温度は最大60℃
程度にまで上昇している。この時の入側の冷却水の温度
は22℃である。
【0011】図3は、鋼管入側、中間部、出側での鋼管
内面における熱伝達率を測定した結果である。同図に示
すように、これより前記の内面の冷却水の温度上昇によ
り鋼管出側ほど冷却能力が低下する。この冷却能力の低
下により冷却後の鋼管外径は内面の冷却水の進行方向に
従い、徐々に小さくなり、冷却能力の低下の著しい前述
の開放端では特に外径が小さくなる。通常、これらの外
径の不均一は、焼入れ後もしくは焼戻し後にホットスト
レートナー等の外径矯正装置にて除去されるが、鋼管の
鋼種や外径、肉厚によっては充分除去されず外径公差内
に収まらない場合や、公差内に収まる程度まで外径の不
均一を除去できても矯正時に受けた機械的加工により製
品の性能が低下する場合とがあり問題である。
【0012】図4は、外径244.5mm、肉厚11mm、
長さ24000mmの鋼管を内面冷却を3秒先行させて内
外面冷却したときの外径分布である。同図に示すよう
に、製管後の外径に対して、出側部分で焼入れ後の外径
がかなり小さくなっている。この程度の外径の不均一が
生じた場合には、出側端部の2、3m を焼入れ後に切断
しなければならず、歩留まり向上の観点からも解決しな
ければならない問題である。
【0013】この問題に対して本発明者は、20m から
30m の長尺の鋼管を内外面冷却する場合について実験
および理論解析を繰り返した結果、下記の知見を得た。 (A) 内面冷却を開始する時期と外面冷却を開始する時期
とを制御し、外面冷却を内面冷却に先行させることで前
述の鋼管の軸方向の外径の不均一性を抑制でき、この外
面冷却を内面冷却に先行させる時間差は、冷却する鋼管
の外径や肉厚に応じて最適値が存在する。
【0014】(B) 鋼管の材質にもよるが、概ね外径が2
00mm以上で肉厚が10mm以上の鋼管に対しては外面冷
却を内面冷却に先行させた場合でも、懸念される曲がり
は従来の冷却条件に対してほとんど大きくならない。
【0015】(C) 図5は、外径244.5mm、肉厚11
mm、長さ24000mmの鋼管を850℃から回転させな
がら、内外面を冷却した場合の鋼管の軸方向の焼入れ後
の外径分布である。ここで、外面は2列の板状水幕流で
流量1.5m3/(m・min)で、内面は管入側から冷却水供
給ノズルにより流量3000T/H 以上でそれぞれ冷却
し、内面冷却開始は外面冷却開始より0、1、3、5秒
先行している。また鋼管回転数は80rpm である。
【0016】図6は、外面の冷却開始を内面の冷却より
1、2、3、4秒それぞれ先行させ、それ以外の冷却条
件は図5と同一とした場合の冷却後の外径分布である。
図5、図6に示すように、外面冷却を1秒から2秒程度
内面冷却より先行して開始することで鋼管の軸方向の外
径の不均一性が大幅に抑制されることが分かる。
【0017】図7は、図5、図6の結果を整理し直した
グラフを示し、冷却開始時間と径小率Kとの関係示すグ
ラフであり、内外面の冷却の開始時間差に最適な時間差
が存在する。なお、横軸のマイナスは、内面冷却を先行
させる時間(秒)を示す ここで、径小率Kは、鋼管の軸方向の外径の不均一性を
表す指標であり、下記の(1)式のように定義される。 K(%)=(最大外径−最小外径)/(最大外径)×100 (1) (D) 図8は、図5で示した内外面同時冷却処理に先立
ち、鋼管出側から2m の範囲の鋼管外面を0.5秒から
2秒先行させて冷却し、その後内面と外面全長を同時に
冷却した場合の焼入れ後の鋼管の軸方向の外径分布であ
る。
【0018】同図に示すように、出側外面を0.5から
2秒程度先行させて冷却することで鋼管の軸方向の外径
の不均一性は大幅に抑制され、その効果は前記の外面全
長を先行冷却する場合よりも大きくなる。
【0019】(E) 図9は、各種の寸法の鋼管に対して、
内面冷却を外面冷却より3秒先行させた場合の径小率K
を調べたものである。同図に示すように、冷却する鋼管
の外径が異なっても、それぞれある肉厚で径小率Kが大
きくなる場合があり、各外径で径小率Kが大きくなる肉
厚の鋼管寸法について、外面全長の冷却の開始時期を内
面冷却の開始時期より1から2秒先行させた場合の径小
率Kへの影響を調査した。
【0020】図10は、従来冷却法である内面冷却を3
秒先行させた場合と上記外面全長の冷却の開始時期を内
面冷却の開始時期より1から2秒先行させた場合の径小
率Kへの影響を比較したものである。
【0021】同図に示すように、外径250mm程度の鋼
管では外面冷却を1秒先行させた場合に、それより大き
い外径を持つ鋼管では外面冷却を2秒先行させた場合に
径小率Kを小さくでき、鋼管の軸方向の外径の不均一性
を抑制できることが分かる。また、外径が150mm以下
で肉厚が10mm程度の鋼管では内面冷却を先行しても元
々径小率は小さく、外面冷却を先行する必要はない。
【0022】(F) さらに、この5種の寸法の鋼管で、外
面先行冷却の必要がない外径φ139.7mm×肉厚t1
0mmを除外した4種の寸法の内、最も焼き曲がりが懸念
される外径177.8mm、肉厚10mmのものについて内
面冷却を3秒先行した場合と外面冷却を1秒先行した場
合の鋼管10m あたりの冷却後曲がり量を調査した。
【0023】図11は、上記の調査結果を示す。同図に
示すように、外面冷却を先行させても曲がり量は許容さ
れる範囲に収めることができる。ここで、許容される曲
がり量は、鋼管の搬送上問題がない10m あたり10mm
以下としている。
【0024】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
ものであり、その要旨は、下記の(1) 〜(3) に示すとお
りである。 (1) 加熱された鋼管を中心軸の回りに回転させながら鋼
管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置から冷却水を供
給して鋼管の外面を軸方向に同時に冷却し、該鋼管の端
に設置した内面冷却装置から鋼管内面に冷却水を供給し
て内面を冷却する鋼管の内外面の冷却方法において、外
面冷却を内面冷却より先に開始することを特徴とする鋼
管の内外面の冷却方法。
【0025】(2) 加熱された鋼管を中心軸の回りに回転
させながら鋼管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置か
ら冷却水を供給して鋼管の外面を軸方向に同時に冷却
し、該鋼管の端に設置した内面冷却装置から鋼管内面に
冷却水を供給して内面を冷却する鋼管の内外面の冷却方
法において、全長にわたって同時に内外面を冷却するの
に先立ち、鋼管の外面を内面冷却水が供給されるのと反
対側の端から該鋼管の全長の100分の5から100分
の15の長さの範囲で冷却することを特徴とする鋼管の
内外面の冷却方法。
【0026】(3) 鋼管を中心軸の回りに回転させる装置
と、鋼管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置と、鋼管
の端から鋼管内面に向けて設置された内面冷却装置、お
よび鋼管の軸方向に平行な方向に移動可能で複数の冷却
装置を有する鋼管出側端部の外面冷却装置からなること
を特徴とする鋼管の内外面冷却装置。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の構成を図1(a)、
(b)に示す。図1(a)は、処理工程の基本フローを
示し、図1(b)は、冷却装置2の概要を示す。
【0028】(1) 請求項1に記載する発明は、加熱炉1
から搬出された加熱された鋼管12を回転装置7を使用
して中心軸の回りに回転させながら鋼管の軸方向に平行
に設けた外面冷却装置4から冷却水を供給して鋼管の外
面を軸方向に同時に冷却し、該鋼管の端に設置した内面
冷却装置5から鋼管内面に冷却水を供給して内面を冷却
する鋼管の内外面の冷却方法において、外面冷却を内面
冷却より先に開始する方法である。
【0029】(2) 請求項2に記載する発明は、加熱炉1
から搬出された加熱された鋼管12を鋼管回転装置7を
使用して中心軸の回りに回転させながら鋼管の軸方向に
平行に設けた外面冷却装置4から冷却水を供給して鋼管
の外面を同時に冷却し、該鋼管の端に設置した内面冷却
装置5から鋼管内面に冷却水を供給して内面を冷却する
鋼管の内外面の冷却方法において、全長にわたって内外
面を冷却するに先立ち、鋼管の外面を内面冷却水が供給
されるのと反対側の端から該鋼管の全長の100分の5
から100分の15の長さの範囲で鋼管出側の端部外面
冷却装置8を使用して冷却する方法である。
【0030】(3) 請求項3に記載する発明は、鋼管を中
心軸の回りに回転させる鋼管の回転装置7と、鋼管の軸
方向に平行に設けた外面冷却装置4と、鋼管の端から鋼
管内面に向けて設置された内面冷却装置5、および鋼管
の軸方向に平行な方向に移動可能で複数の冷却装置を有
する鋼管出側の端部外部冷却装置8からなる冷却装置で
ある。
【0031】外面冷却装置4は、鋼管の外面に対して鋼
管の軸方向に均一に同時に冷却水を供給できる装置であ
ればよく、内面冷却装置5も鋼管の内面に対して鋼管の
端から鋼管内面に冷却水を供給できる装置であればよ
い。
【0032】たとえば、外面冷却装置としては鋼管上方
から板状の冷却水が管軸を含む平面に沿って供給される
装置であればよく、板状の冷却水を供給するノズルとし
てはスリットノズルが好適である。内面冷却装置として
は、安定した流れを確保するため、可能な限り長い直線
管路をもつノズルを備えたものが好ましく、ノズル先端
に整流板などを設けてもよい。更に、管内の水圧を確保
するために、鋼管を外周から掴み、該鋼管の端を密閉状
態にできる内面冷却装置が好適である。鋼管の回転速度
は、曲がり量抑制の点からは80rpm 以上が望ましく、
装置コストを考慮すると110rpm 以下とするのが好ま
しい。
【0033】前記装置に加えて、任意の鋼管長さの内面
冷却水出側の鋼管の端部分の鋼管の全長の100分の5
から100分の15の範囲を単独で冷却可能な鋼管出側
の端部外部冷却装置8が必要である。鋼管の全長の10
0分の5から100分の15の範囲とした理由は、10
0分の5未満であれば、内面冷却能力の低下している範
囲の冷却を補助するという本来の目的を十分達成でき
ず、100分の15を超えると、内面冷却能力の低下し
ていない範囲まで冷却を補助することになり、冷却過大
となり、外径が大きくなり外径不均一性が問題となるか
らである。好ましい範囲は、100分の8から100分
の12の範囲である。
【0034】鋼管出側の端部外面冷却装置8は、鋼管の
軸方向に平行に移動可能な搬送ローラ9の上に複数個の
スプレーノズル17を数十センチの間隔で設置し、冷却
する鋼管12の長さに応じてそれを移動して該鋼管の全
長の100分の5から100分の15の範囲を冷却でき
るようにしたものであればよく、鋼管の両側から冷却で
きるように装置2台を一対とした装置が好適である。
【0035】図12は、鋼管出側端冷却装置8の構成を
さらに詳しく示す概念図である。図12に示すように、
鋼管出側の端部外面冷却の操作方法は、鋼管12が冷却
装置に搬送される前に給水口15から貯水タンク14に
水を必要量注入しておき、鋼管が冷却装置内に搬送され
ると同時に冷却装置架台13を搬送ローラ9により移動
させ、スプレーノズル17が鋼管長さの100分の5か
ら100分の15程度を冷却できる位置で停止させ、鋼
管の回転装置7によって回転された鋼管の回転が定常に
達した時点でポンプ16により加圧された水を流調弁1
1を開放してスプレーノズル17に供給し、冷却水を噴
射して鋼管12を1から2秒程度冷却すればよく、続い
て、スプレーノズル17からの供給停止と同時に外面冷
却と内面冷却を開始する。
【0036】内面冷却および外面冷却は、図1(b)に
示す冷却水制御装置10にプリセットされた設定時期に
従って、それぞれ流下水遮断樋6および流調弁11を開
閉することにより行われる。
【0037】外面冷却の先行時間について以下に述べ
る。外面冷却の先行時間は、内面冷却水の流量が300
0T/H 以上の流量で、鋼管外径が250mm以下のもので
1秒程度、鋼管外径がそれ以上のものでは2秒程度が好
ましい。
【0038】なお、内面冷却を適正に行うには、300
0T/H 以上の流量が必要である。鋼管出側端における外
面冷却の先行時間は、上記に示した鋼管出側端冷却装置
8のように、通常の外面冷却と同程度の冷却能力を持つ
ものであれば上記と同様の条件でよく、0.5秒から2
秒程度が好ましい。
【0039】
【実施例】加熱炉で950℃に加熱された鋼管を冷却装
置へ搬送し、鋼管が冷却装置内の所定の位置に定置され
た後、鋼管の回転装置によって回転数80rpm にて鋼管
を回転させ、数秒後に鋼管の回転が定常に達した時点で
冷却を開始した。
【0040】このとき外面冷却はスリットノズルからの
流下水により行ない、内面冷却は噴射ノズルからの通水
によって行った。内面冷却水量は3300〜4400T/
H 、外面冷却水量は1.5m3/(m・min)に設定した。
【0041】同様に加熱、搬送された鋼管が80rpm で
定常回転に達したのち、すでに鋼管出側端に移動された
鋼管出側端外面冷却装置により鋼管長さの10分の1の
範囲で0.5秒から2秒出側端外面を冷却し、出側端外
面の冷却停止と同時に内面冷却と外面冷却が開始される
ようにした。出側端外面冷却装置としては、図12に示
した装置を使用した。
【0042】表1に、冷却条件と評価結果を示す。な
お、外面冷却水量の単位は、m3/(m ・min)であり、鋼管
の長さ1m 当り、1min.当りの冷却水量m3であり、外面
冷却の先行時間がマイナスの場合は内面冷却の先行時間
を示す。
【0043】表1に結果を示すように、外面冷却を先行
させると径小率は、0.30%以下になるが、鋼管出側
端部の冷却を先行させると0.10%以下となり、さら
に良くなった。内面冷却を先行させると、径小率は、
0.30%を超えて悪化した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明にれば、鋼管出側端部付近に発生
する焼入れ後の鋼管外径の不均一を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法および装置を示す図であり、図1
(a)は、処理工程を示すブロック図であり、図1
(b)は、方法および装置の概要を示す概念図である。
【図2】内面冷却水の出側における水温と経過時間との
関係を示すグラフである。
【図3】内面冷却水の鋼管入側、中間部および出側にお
ける鋼管内面温度と鋼管内面熱伝達率との関係を示すグ
ラフである。
【図4】内面冷却を3秒先行して焼き入れた場合と焼き
入れない場合における鋼管入側端からの距離と外径との
関係を示すグラフである。
【図5】内面冷却の先行時間を変化させたときの鋼管入
側端からの距離と外径との関係を示すグラフである。
【図6】外面冷却の先行時間を変化させたときの鋼管入
側端からの距離と外径との関係を示すグラフである。
【図7】冷却開始時間と径小率Kとの関係示すグラフで
ある。
【図8】出側鋼管端から2m の範囲で、外面冷却を先行
させたときの鋼管入側端からの距離と外径との関係を示
すグラフである。
【図9】内面冷却を3秒先行させたときの鋼管寸法(肉
厚、外径)と焼入れ後の径小率Kとの関係を示すグラフ
である。
【図10】内面3秒先行冷却、外面1秒先行冷却および
外面2秒先行冷却時の鋼管寸法(肉厚×外径)と径小率
Kとの関係を示すグラフである。
【図11】外径177.8mm、肉厚10mmの鋼管につい
て内面3秒先行冷却および外面1秒先行冷却における径
小率Kと焼き曲がり量との関係を比較したグラフであ
る。
【図12】鋼管出側端部の外面冷却装置の構成を示す概
念図である。
【符号の説明】
1:加熱炉、 2:冷却装置、3:高架
水槽 4:外面冷却装置、5:内面冷却
装置、 6:流下水遮断樋、7:回転装置、
8:鋼管出側端部の外面冷却装置、9:搬
送ローラ、 10:冷却水制御装置、11:流
調弁、 12:鋼管、13:冷却装置架
台、 14:貯水タンク15:給水口、
16:ポンプ、17:スプレーノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 征司 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された鋼管を中心軸の回りに回転さ
    せながら鋼管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置から
    冷却水を供給して鋼管の外面を軸方向に同時に冷却し、
    該鋼管の端に設置した内面冷却装置から鋼管内面に冷却
    水を供給して内面を冷却する鋼管の内外面の冷却方法に
    おいて、外面冷却を内面冷却より先に開始することを特
    徴とする鋼管の内外面の冷却方法。
  2. 【請求項2】 加熱された鋼管を中心軸の回りに回転さ
    せながら鋼管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置から
    冷却水を供給して鋼管の外面を軸方向に同時に冷却し、
    該鋼管の端に設置した内面冷却装置から鋼管内面に冷却
    水を供給して内面を冷却する鋼管の内外面の冷却方法に
    おいて、全長にわたって同時に内外面を冷却するのに先
    立ち、鋼管の外面を内面冷却水が供給されるのと反対側
    の端から該鋼管の全長の100分の5から100分の1
    5の長さの範囲で冷却することを特徴とする鋼管の内外
    面の冷却方法。
  3. 【請求項3】 鋼管を中心軸の回りに回転させる装置
    と、鋼管の軸方向に平行に設けた外面冷却装置と、鋼管
    の端から鋼管内面に向けて設置された内面冷却装置、お
    よび鋼管の軸方向に平行な方向に移動可能で複数の冷却
    装置を有する鋼管出側端部の外面冷却装置からなること
    を特徴とする鋼管の内外面冷却装置。
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