JPH11265199A - 送話器 - Google Patents

送話器

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JPH11265199A
JPH11265199A JP10068381A JP6838198A JPH11265199A JP H11265199 A JPH11265199 A JP H11265199A JP 10068381 A JP10068381 A JP 10068381A JP 6838198 A JP6838198 A JP 6838198A JP H11265199 A JPH11265199 A JP H11265199A
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JP
Japan
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spectrum
frequency component
noise
output
frequency
Prior art date
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Application number
JP10068381A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Takano
智大 高野
Hiroyuki Matsui
弘行 松井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気導マイクロホンにより収音された音声が周
囲騒音に埋もれていても騒音の抑圧された音声を得る。 【解決手段】 気導マイクロホン及び骨導あるいは外耳
道マイクロホン2により収音された信号を各々スペクト
ルに変換し、各周波数成分について骨導あるいは外耳道
マイクロホン2の振幅スペクトルの出力レベルから、気
導マイクロホン1に含まれる音声の周波数成分を判定、
抽出し、この抽出したスペクトルを時間波形に変換する
ことにより、騒音の抑圧された送話信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、周囲騒音が混在
した信号に対して、周囲騒音を抑圧し、音声信号を抽出
する機能を有する送話器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】騒音下で、SN比がよく音声を収音する
従来技術として、音声の調波構造を利用した騒音抑圧技
術、例えばコームフィルタリングを用いた雑音抑圧技術
がある(例えば、“長淵 裕実「コームフィルタリング
騒音抑圧法の基本性能とPCM音声の品質改善への応
用」、電子通信学会論文誌A、Vol.J65−A、N
o.6、pp.572−578”)。
【0003】図19は、その従来技術の例を説明するブ
ロック図である。気導マイクロホン1の出力信号、ある
いはその出力信号が供給されるスペクトル変換部3の出
力から基本周波数計算部18において基本周波数を計算
する。音声が調波構造を持っていることを利用し、計算
した基本周波数にもとづき、音声周波数成分抽出部5に
おいて、音声の基本周波数およびその倍音に相当する音
声の周波数成分を、スペクトル変換部3の出力から抽出
して、それ以外の周波数成分を騒音成分と見なし除去す
る。次に時間波形変換部6において、抽出部5で抽出さ
れた音声の基本周波数およびその基本周波数の倍音成分
を時間軸信号として合成することにより、騒音の抑圧さ
れた音声信号を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術では、ま
ず第一に音声から基本周波数を正確に求める必要があ
る。しかし、気導マイクロホン1より収音された音声が
周囲騒音に埋もれている場合には、周囲騒音の影響によ
って正確な基本周波数の計算ができず、騒音周波数成分
除去性能が劣化するという問題があった。
【0005】また、調波構造を持たない子音について
は、基本周波数を求めることができないため、充分な騒
音抑圧効果を期待できないという問題点があった。この
発明の目的は、従来の調波構造を利用した騒音抑圧技術
のもつ問題点、すなわち、基本周波数推定誤差による騒
音周波数成分除去性能の劣化と調波構造を持たない子音
への適用による騒音抑圧効果の劣化、の以上2つの問題
点を解決した送話器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
れば、空気中を伝搬する音声を収音する気導マイクロホ
ン(以下第1マイクロホンと記す)と、話者の骨振動あ
るいは外耳道内音圧を収音する骨導あるいは外耳道マイ
クロホン(以下第2マイクロホンと記す)とが設けら
れ、前記第1、第2マイクロホンの各々の出力信号が第
1、第2スペクトル変換手段により振幅スペクトルと位
相スペクトルに変換され、音声周波数成分選択手段で前
記第2スペクトル変換手段の出力振幅スペクトルと、予
め設定されたしきい値とが各周波数成分ごとに比較さ
れ、しきい値よりも大きな周波数成分は音声の周波数成
分と判定され、前記第1スペクトル変換手段の出力振幅
スペクトルから、前記音声周波数成分選択手段により音
声の周波数成分と判定された周波数に対応する成分が音
声周波数成分抽出手段で抽出され、前記音声周波数成分
抽出手段により抽出された周波数成分のスペクトルが前
記第1スペクトル変換手段により算出された位相スペク
トルを用いて時間波形に時間波形変換手段により変換さ
れる。
【0007】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の送話器において、前記音声周波数成分選択手段で音
声の周波数成分と判定されなかった周波数成分について
は前記第2スペクトル変換手段の出力振幅スペクトル中
の対応する周波数成分が騒音周波数成分抽出手段で抽出
され、前記時間波形変換手段においては、前記音声周波
数成分抽出手段および前記騒音周波数成分抽出手段によ
りそれぞれ出力された振幅スペクトルが前記第1スペク
トル変換手段により算出される位相スペクトルを用いて
時間波形に変換される。
【0008】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の送話器において、前記音声周波数成分選択手段で音
声の周波数成分と判定されなかった前記第1スペクトル
変換手段の出力振幅スペクトルに対して予め設定された
減衰が騒音周波数成分抑圧手段により与えられ、前記時
間波形変換手段においては、前記音声周波数成分抽出手
段および前記騒音周波数成分抑圧手段によりそれぞれ出
力された振幅スペクトルが前記第1スペクトル変換手段
により算出された位相スペクトルを用いて時間波形に変
換される。
【0009】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の送話器において、前記音声周波数成分選択手段にお
いて音声の周波数成分と判定されなかった前記第1スペ
クトル変換手段の出力振幅スペクトルが抽出され、その
抽出された振幅スペクトルから音声の周波数成分以外の
周囲騒音スペクトルと出力レベルが騒音レベル推定手段
により推定され、前記騒音レベル推定手段の推定結果に
応じて前記騒音周波数成分抑圧手段における減衰量が騒
音抑圧量算出手段で決定される。
【0010】請求項5記載の発明によれば、請求項1乃
至4の何れかに記載の送話器において、前記音声周波数
成分抽出手段により出力される振幅スペクトル中のカッ
トオフ周波数ωch以上の成分が高域通過フィルタ手段で
通過され、前記第2スペクトル変換手段により出力され
る振幅スペクトル中のカットオフ周波数ωcl以下の成分
が低域通過フィルタ手段で通過され、前記時間波形変換
手段においては、前記高域通過フィルタ手段により出力
される振幅スペクトルを前記第1スペクトル変換手段に
より算出された位相スペクトルを用いて変換した時間波
形と、前記低域通過フィルタ手段により出力される振幅
スペクトルを前記第2スペクトル変換手段により算出さ
れた位相スペクトルを用いて変換した時間波形とが合成
される。
【0011】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の送話器において、前記騒音レベル推定手段の推定結
果から前記高域通過フィルタ手段のカットオフ周波数ω
chと前記低域通過フィルタ手段のカットオフ周波数ωcl
がカットオフ周波数算出手段で決定される。請求項7記
載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかに記載の送
話器において、前記第1スペクトル変換手段の出力振幅
スペクトルの大きさと、予め設定された無発声区間判定
しきい値とが無発声区間検出手段により比較され、前記
振幅スペクトルの大きさが前記無発声区間判定しきい値
よりも小さいとき無発声状態であると判定され、前記無
発声区間検出手段により無発声状態と判定された場合
に、各周波数成分について前記音声周波数成分選択手段
に用いるしきい値を、前記第2スペクトル変換手段の出
力振幅スペクトルの値よりも大きくなるようにしきい値
算出手段により更新される。
【0012】請求項8記載の発明によれば、請求項1乃
至7の何れかに記載の送話器において、前記第2スペク
トル変換手段の出力振幅スペクトルの大きさと、予め設
定された無発声区間判定しきい値とが無発声区間検出手
段により比較され、前記振幅スペクトルの大きさが前記
無発声区間判定しきい値よりも小さいとき無発声状態で
あると判定され、前記無発声区間検出手段により無発声
状態と判定された場合において、前記時間波形変換手段
の出力信号が無発声区間減衰手段で減衰される。作 用 請求項1記載の発明においては、骨導あるいは外耳道マ
イクロホンの出力信号が、気導マイクロホンの出力信号
と相関のある音声情報を有していること、その音声情報
が騒音に対して頑健であること、の2点に着目し、気導
マイクロホンの出力信号のスペクトルより音声の周波数
成分が抽出される。骨導あるいは外耳道マイクロホンに
よって収音された音声は高域成分が減衰しており、低域
成分が強いため音質は悪いが、周囲騒音の影響を受けに
くい。このため、そのスペクトル微細構造は音声成分が
強い周波数成分が強調された形をとる。図20は、騒音
下(ホスノイズ 80dBA)で収音した骨導音と気導
音の短時間スペクトル例(母音)であるが、同図より骨
導音は騒音下においても音声成分が強調されたスペクト
ル構造を維持していることが確認できる。そこで、骨導
あるいは外耳道マイクロホンの出力信号のスペクトル中
の大きい周波数成分を求め、これらに対応する周波数成
分を気導マイクロホンの出力信号のスペクトルから抽出
する。このような音声の周波数成分の抽出処理によれ
ば、音声の調波構造を直接利用していないので、従来の
調波構造を利用した騒音抑圧技術のもつ問題点、すなわ
ち、基本周波数推定誤差による騒音周波数成分除去性能
の劣化と調波構造を持たない子音への適用による騒音抑
圧効果の劣化、の以上2つの問題点を解決した騒音抑圧
が可能になる。
【0013】請求項2記載の発明においては、請求項1
記載の発明において音声の周波数成分と判定されなかっ
た周波数成分については、骨導あるいは外耳道マイクロ
ホンの出力信号が気導マイクロホンの出力中の対応する
周波数成分に置き換える。この騒音周波数成分抽出手段
によって、騒音に重畳した気導マイクロホンの周波数成
分を、耐騒音性に優れた骨導あるいは外耳道マイクロホ
ンの周波数成分に置き換えて、音質を向上させる。
【0014】請求項3記載の発明においては、請求項1
記載の発明において音声の周波数成分と判定されなかっ
た周波数成分に対して予め設定された減衰処理を行う騒
音周波数成分抑圧手段を具備する。この騒音周波数成分
抑圧手段によって、音声の周波数成分と判定されなかっ
た周波数成分に重畳している音声周波数成分が欠落して
しまうことによる処理信号の音質劣化を防ぎ、音質を向
上させる。
【0015】請求項4記載の発明においては、請求項3
記載の発明において騒音周波数特性推定手段で騒音の振
幅スペクトル特性と出力レベルを推定し、その推定結果
に応じて音声の周波数成分と判定されなかった周波数成
分の減衰量を、騒音レベル推定手段で決定して、音声の
周波数成分と判定されなかった周波数成分の減衰量を周
囲騒音の状況に応じて制御し、音質を向上させる。
【0016】請求項5に記載の発明においては、請求項
1乃至4の何れかに記載の発明において、前記音声周波
数成分抽出手段の出力中の高周波数帯域のみがカットオ
フ周波数ωchの前記骨導あるいは外耳道マイクロホンの
振幅スペクトル中の低周波数帯域のみがカットオフ周波
数ωclの低域通過フィルタ手段で通過され、前記時間波
形変換手段では前記高域通過フィルタ手段の出力スペク
トルを変換した時間波形と前記低域通過フィルタ手段の
出力スペクトルを変換した時間波形とが合成される。こ
れら高域通過フィルタ手段、低域通過フィルタ手段、時
間波形変換手段によって、処理信号の低域における音質
劣化を防ぎ、音質を向上させる。
【0017】請求項6記載の発明においては、請求項5
記載の発明において前記高域通過フィルタ手段のカット
オフ周波数ωchと前記低域通過フィルタ手段のカットオ
フ周波数ωclが、前記騒音レベル推定部の推定結果に応
じてカットオフ周波数算出手段により算出される。この
カットオフ周波数算出手段によって、周囲騒音の特性に
応じたωch、ωclの算出が可能となり、音質を向上させ
る。
【0018】請求項7記載の発明においては、請求項1
乃至6の何れかに記載の発明において、無発声状態であ
ることが無発声区間検出手段で判定され、前記無発声区
間検出手段により無発声状態と判定された場合におい
て、しきい値算出手段により、しきい値が算出し更新さ
れる。これら無発声区間検出手段としきい値算出手段に
よって、音声周波数成分選択手段において音声の周波数
成分の判定精度を向上させ、音質を向上させる。
【0019】請求項8記載の発明においては、請求項1
乃至7の何れかに記載の発明において、前記無発声区間
検出手段により無発声状態と判定された場合において、
処理後の信号が無発声区間減衰手段で減衰され、無発声
状態であるときの騒音抑圧効果を向上させる。
【0020】
【発明の実施の形態】実施例1 図1にこの発明の実施例を示す。この発明では気導マイ
クロホン1と、骨導あるいは外耳道マイクロホン2が用
いられ、これらマイクロホン1、2の各出力信号はスペ
クトル変換部3、4でスペクトル成分に変換される。
【0021】つまりこの請求項1の発明の実施例の動作
は図9に示すように、まず、気導マイクロホン1、骨導
あるいは外耳道マイクロホン2に騒音、音声あるいはこ
れらが互いに重畳しあった信号が収音され、これら収音
信号はディジタル信号とされる(S02)。このディジ
タル信号として取り込んだマイクロホン1、2の信号を
以下では、L(th ),R(th )(h=1,2,…,
n)とする。
【0022】スペクトル変換部3、4では、取り込んだ
信号L,Rを各々スペクトルL(ω h )、R(ωh )に
変換する(S03)。この変換は、例えば各マイクロホ
ンの出力信号を各々離散的フーリエ変換することにより
行う。次に、音声周波数成分選択部7でスペクトル変換
部4の出力係数である各周波数成分について音声の周波
数成分か否かの判定を行う(S04)。音声の周波数成
分の判定条件は外部から設定した各周波数成分のしきい
値Th(ωh )と骨導あるいは外耳道マイクロホン2の
出力中の各周波数成分R(ωh )の大小関係によって決
定される。
【0023】 Th(ωh )<R(ωh ) → 音声の周波数成分 外部から設定するTh(ωh )の値は、例えば、騒音下
でマイクロホン2によって収音した騒音の長時間スペク
トルを参考に決定する。つまり、無発声時におけるマイ
クロホン2で求めた騒音レベル(振幅)の平均値より少
し大きめな値とする。
【0024】音声周波数成分選択部7において音声の周
波数成分と判定された周波数成分については、音声周波
数成分抽出部5でスペクトル変換部3の出力から抽出さ
れ、それらの値はS(ωh )(h=1,2,…,n)と
して記憶部(図示せず)に格納される(S05)。 S(ωm )=L(ωm )(m=i,j,…) なお、音声の周波数成分と判定されなかった周波数成分
に対応するS(ωm )(m=k,l,…)については、
それらの値を0とする。
【0025】最後に、音声周波数成分抽出部5で抽出さ
れたS(ωh )(h=1,2,…,n)を時間波形変換
部6によって逆フーリエ変換し、時間波形信号を出力す
る(S06)。以上の処理はフレーム処理を基本とし、
(S02)で読み込んだ信号の時間長をシフトして重ね
合わせる方法で行う。例えば、時間長40msのときシ
フト幅を1/2にすればフレーム周期20msで上記
(S02)〜(S06)の処理がくり返されることにな
る。実施例2 請求項1記載の発明では、音声の周波数成分と判定され
なかった周波数成分については完全に除去する。しか
し、音声と騒音の周波数成分が互いに重なっているよう
な成分についても完全に除去してしまうのは好ましくな
い。請求項2記載の発明は、騒音の重畳が無視できない
振幅スペクトル成分については耐騒音性に優れた骨導あ
るいは外耳道音の振幅スペクトルに置き換え、音質を向
上させるものである。
【0026】図2は請求項2の実施例を示し、騒音周波
数成分抽出部8を音声周波数成分選択部7の出力側に接
続したことを除けば、図1と同じ構成である。以下で、
請求項2の実施例を示す流れ図10を用いて騒音周波数
成分抽出部8の処理について説明する。騒音周波数成分
抽出部8では、音声周波数成分選択部7において音声の
周波数成分と判定されなかった周波数成分L(ωm
(m=k,l,…)の振幅スペクトルを対応する骨導ま
たは外耳道音の振幅スペクトル|R(ωm )|に置き換
え、それらの値をS(ωm )として記憶部に格納する
(S06)。
【0027】S(ωm )=|R(ωm )|×(L
(ωm )/|L(ωm )|) (m=k,l,…) 上式で、(L(ωm )/|L(ωm )|)はスペクトル
成分L(ωm )の位相項を表す。従って、音声の周波数
成分と判定されなかった周波数成分はマイクロホン2の
対応周波数成分が時間波形変換部6で時間波形に変換さ
れる。実施例3 請求項2記載の発明では、騒音の重畳が無視できない周
波数成分について骨導または外耳道音の振幅スペクトル
に置き換えた。請求項3記載の発明は、マイクロホン1
の出力信号中の、音声の周波数成分と判定されなかった
周波数成分を完全に除去するのではなく、予め設定され
た重み係数を乗ずることにより、音声の周波数成分と判
定されなかった周波数成分に重畳している音声周波数成
分が欠落してしまうことによる処理信号の音質劣化を防
ぎ、音質を向上させるものである。
【0028】図3は請求項3の実施例を示し、騒音周波
数成分抑圧部9をスペクトル変換部3と音声周波数成分
選択部7に接続したことを除けば、図1と同じ構成であ
る。以下で、請求項3の実施例を示す流れ図11を用い
て騒音周波数成分抑圧部9における処理について説明す
る。騒音周波数成分抑圧部9では、スペクトル変換部3
の出力中の、音声周波数成分選択部7において音声の周
波数成分と判定されなかった周波数成分L(ωm )(m
=k,l,…)を、外部より設定された減衰量で抑圧す
る。例えば、大きさが1より小さい重み係数w(ωm
(m=k,l,…)をスペクトル変換部3の周波数中の
対応するものに乗ずることにより抑圧処理を行う(S0
6)。
【0029】S(ωm )=w(ωm )×L(ωm )(m
=k,l,…) 重み係数w(ωm )の値は、処理音声の騒音抑圧効果と
音質との兼ね合いから決定される。例えば、騒音の抑圧
効果を重視したい場合にはw(ωm )の値は0に近い小
さな値とし、音質を重視する場合にはw(ωm )の値は
1に近い大きな値に調整する。実施例4 請求項3記載の発明では、音声の周波数成分と判定され
なかった周波数成分の減衰量を外部より設定する。この
場合、騒音の変化が大きい場所で適切な騒音減衰量に調
整するのは困難になる。請求項4記載の発明は、騒音の
スペクトルと出力レベルを推定し、その推定結果に応じ
て音声の周波数成分と判定されなかった周波数成分の減
衰量を決定することにより、騒音に応じた騒音抑圧処理
を可能にし音質を向上させるものである。
【0030】図4は、請求項4の実施例を示し、スペク
トル変換部3の出力と、音声周波数成分選択部の出力と
が騒音レベル推定部10に入力され、その出力から騒音
抑圧量算出部11に入力された構成を除けば、図3と同
じである。以下で、請求項4の実施例の動作を示す流れ
図12を用いて騒音レベル推定部10、および騒音抑圧
量算出部11における処理について説明する。
【0031】まず、騒音レベル推定部10で、L
(ωh )(h=1,2,…,n)より音声の周波数成分
と判定されなかった周波数成分L(ωm )(m=k,
l,…)を抽出する。この抽出した成分L(ωm )(m
=k,l,…)より、騒音の振幅スペクトル|N
(ωh )|(h=1,2,…,n)と、騒音の全帯域に
わたる出力レベルLvを推定する(S06)。
【0032】|N(ωh )|(h=1,2,…,n)に
ついては、例えば、L(ωm )(m=k,l,…)が形
成する振幅スペクトル包絡をスプライン補間することに
より求める。Lvは、|N(ωh )|(h=1,2,
…,n)のパワーとして次式により求められる。
【0033】 Lv=20 log 10(Σ|N(ωh )|) あるいは、以下の式のように|L(ωm )|(m=k,
l,…)を全帯域にわたり平均化することによって求め
ることもできる。 Lv=20 log 10((n/q)×Σ|L(ωm
|) ここで、qは音声の周波数成分と判定されなかった周波
数成分の個数、和Σは音声の周波数成分と判定されなか
った周波数ωm (m=k,l,…)に対応するものにつ
いてとる。
【0034】騒音抑圧量算出部11では、音声の周波数
成分と判定されなかった周波数成分に乗ずる重み係数w
(ωm )(m=k,l,…)を算出する(S07)。w
(ω m )の算出には例えば次式を用いる。 w(ωm )=C (Lv<Lvl) C((Lvh−Lv)/(Lvh−Lvl))npw (Lvl≦Lv≦Lvh) 0 (Lv>Lvh) ここで、C=0≦C≦1を満たす定数、Lvhは騒音抑
圧を充分に行う必要があるような大きい騒音レベルの目
安、Lvlは騒音抑圧をそれほど行う必要がない程度の
小さい騒音レベルの目安、Cはw(ωm )を変化させる
範囲を、npwはw(ωm )を変化させる勾配を決める
定数である。
【0035】図17にC=1としたときの上式のw(ω
m )−Lv特性を示す。この図が示すように、騒音が小
さいときには重み係数w(ωm )は1に近づく。この場
合には、騒音抑圧量は小さくなるため処理後の信号の劣
化や残留雑音の問題が克服される。また、高騒音下にお
いては、重み係数w(ωm )は0に近づくため、騒音抑
圧量が大きくなり、処理後の信号の明瞭性を向上させる
ことができる。
【0036】なお、ステップS07で算出される重み係
数は騒音の全帯域における出力レベルLvに応じて算出
されるが、これらの値は、騒音振幅スペクトル|N(ω
h )|(h=1,2,…,n)を複数(r個)のサブ帯
域に分け、各々の出力レベルLvp (p=1,2,…,
r)を上式に適用することにより、各サブ帯域ごとの騒
音の出力レベルに応じた値として求めることができる。
また、ステップS07で算出したような重み係数による
騒音抑圧ではなく、推定された騒音振幅スペクトル|N
(ωh )|(h=1,2,…,n)を信号Lの振幅スペ
クトル|L(ω h )|から差引くスペクトルサブトラク
ション処理を適用することも可能である。実施例5 骨導あるいは外耳道マイクロホン2により収音された音
声は高域成分が小さいので音質は悪いが、低域成分が強
いので周囲騒音には影響を受けにくい特徴をもつ。そこ
で低域成分には骨導あるいは外耳道マイクロホン2で収
音した信号を、高域成分には気導マイクロホン1により
収音された信号を処理した信号を、それぞれ用いて合成
することにより音質を向上させる。
【0037】図5は請求項5の実施例を示し、音声周波
数成分抽出部5及び騒音周波数成分抑圧部9の各出力側
に、高域通過フィルタ12を、スペクトル変換部4の出
力側に低域通過フィルタ13をそれぞれ接続し、これら
フィルタ12,13の出力が時間波形変換部6へ供給さ
れる。この時間波形変換部6における処理が異なったこ
とを除けば図4と同じ構成、動作である。以下、請求項
5の実施例を示す流れ図13を用いて高域通過フィルタ
12、低域通過フィルタ13、時間波形変換部6におけ
る処理について説明する。
【0038】高域通過フィルタ12は、音声周波数成分
抽出部5と騒音周波数成分抑圧部9の各出力スペクトル
S(ωh )(h=1,2,…,n)のカットオフ周波数
ωch以上の高域成分を通過させる。以下、通過した出力
スペクトルをL′(ωh )(h=1,2,…,n)とす
る(S09)。低域通過フィルタ9は、骨導あるいは外
耳道マイクロホン2より算出されたスペクトルR
(ωh )(h=1,2,…,n)のカットオフ周波数ω
cl以下の低域成分を通過させる。以下、通過した出力ス
ペクトルをR′(ωh )(h=1,2,…,n)とする
(S10)。例えばωch=ωcl=1kHz程度とされ
る。
【0039】時間波形変換部6では、(S09)および
(S10)の出力スペクトルL′(ωh ),R′
(ωh )(h=1,2,…,n)をフーリエ逆変換によ
って各々時間波形L′(th ),R′(th )(h=
1,2,…,n)に戻し(S11)、これらL′
(th ),R′(th )を加算して出力する(S1
2)。実施例6 請求項6記載の発明では、高域通過フィルタ8のカット
オフ周波数ωchと低域通過フィルタ9のカットオフ周波
数ωclを、周囲騒音の状況を考慮して適切に選ぶことに
より、さらに騒音が少なく音質の良い音声が得られる。
【0040】図6は請求項6の実施例を示し、カットオ
フ周波数算出部14を騒音レベル推定部10の出力側に
接続したことを除けば図5と同じ構成である。以下で請
求項6の実施例の動作を示す流れ図14を用いてカット
オフ周波数算出部14における処理について説明する。
カットオフ周波数算出部14では、騒音レベル推定部1
0で推定された騒音レベルLvを参照して決定される
(S09)。例えば、次式によりωcl,ωchを決定す
る。
【0041】 ωcl=ωcl0 (Lv<Lv1) ωcl0 +(ωch0 −ωcl0 )×(Lv−Lv1)/(Lvh−Lv1) (Lvl≦Lv≦Lvh) ωch0 (Lv>Lvh) ωch=ωcl ここで、ωcl0 はカットオフ周波数の下限値、ωch0
カットオフ周波数の上限値である。この式によれば、推
定騒音レベルLvが大きい場合にはωcl,ωchがより高
周波に設定され、SN比の劣化した気導音の出力が押さ
えられる。逆に騒音の広域成分が小さい場合にはωcl
ωchがより低周波に設定され、SN比が比較的良い気導
音の出力が強調される。実施例7 請求項1から請求項6記載の発明では、音声周波数成分
選択部7において、ある周波数成分が音声の周波数成分
であるか否かを判定するしきい値Th(ωh )(h=
1,2,…,n)を外部より設定している。請求項7記
載の発明は、無発声状態であるときに周囲騒音によって
生じている骨導あるいは外耳道マイクロホンの出力レベ
ルを利用して、しきい値Th(ωh )(h=1,2,
…,n)を算出し、修正することにより音声周波数成分
選択部7において音声の周波数成分の判定精度を向上さ
せ、音質を向上させるものである。
【0042】図7は請求項7の実施例を示し、スペクト
ル変換部4の出力側に無発声区間検出部15としきい値
算出部16をそれぞれ接続し、また無発声区間検出部1
5の出力をしきい値算出部16に出力することを除け
ば、図6と同じ構成である。以下で、流れ図15を用い
て無発声区間検出部15、およびしきい値算出部16に
おける処理について説明する。
【0043】無発声区間検出部15では、まずスペクト
ル変換部4の出力R(ωh )(h=1,2,…,n)の
振幅スペクトルの大きさを表す指標として、例えば、次
式で表されるRPを計算する(S04)。 RP=20 log 10(Σ|R(ωh )|) ここで、和Σは全帯域にわたる周波数成分についてと
る。骨導あるいは外耳道マイクロホン2の出力は、周囲
騒音に頑健であるため、上記RPの値は無発声区間では
小さな値を、発声区間では大きな値を取ると考えられ
る。そこで、無発声区間か否かの判定を次式で行う(S
05)。
【0044】 RP ≦ PTh 無発声区間 RP > PTh 発声区間 PThは、外部より設定される無発声区間判定しきい値
であり、例えば無発声区間でのマイクロホン2の出力パ
ワー(騒音パワー)より少し大きめの値とする。無発声
区間判定において、無発声区間と判定された場合には、
変数muteを“on”(S07)、発声区間と判定さ
れた場合にはmuteを“off”(S08)として出
力する。
【0045】しきい値算出部16では、無発声区間検出
部15のmuteが“on”である分析フレームにおい
て(S08)、スペクトル変換部4の出力R(ωh
(h=1,2,…,n)としきい値Th(ωh )(h=
1,2,…,n)を比較し、各周波数についてR
(ωh )以上となるようにしきい値Th(ωh )を更新
する(S09)。
【0046】Th(ωh )=R(ωh )(Th(ωh
<R(ωh )のときのみ)実施例8 請求項8記載の発明は、無発声区間検出部15により無
発声状態と判定された場合に、時間波形変換部6の出力
を減衰させ、騒音抑圧効果を向上させるものである。
【0047】図8は請求項8の実施例を示し、時間波形
変換部6の出力側に無発声区間減衰部17を接続したこ
とを除けば、図7と同じ構成である。以下で、流れ図1
6を用いて無発声区間減衰部17における処理について
説明する。無発声区間減衰部17では、無発声区間検出
部15の出力変数muteが“on”である場合には
(S20)、時間波形変換部6の出力S(th )(h=
1,2,…,n)を減衰させる。実験例 請求項1に記載の発明を適用した実験例を以下に示す。
実験室内で気導マイクロホン1を耳元に、骨導マイクロ
ホン2を耳孔内に設置した。収音は、実験室内で80d
B(A)のホワイトノイズを発生させたときに2つのマ
イクロホンに混入する騒音と、無騒音下で発声したとき
の音声について行った。そして、別々に収音された騒音
と音声を計算機上で加算した信号を処理前のデータとし
て利用した。S/N比は音声信号の平均電力と騒音信号
の平均電力の比で定義し、このときマイクロホン1にお
けるその値は1dBであった。信号のスペクトル分解の
周波数分解能は22Hz、分析フレームは46ms、分
析フレームの更新周期は23msとした。
【0048】図18Aに、気導マイクロホン1で収音し
た処理前の音声信号、同図Bに騒音信号、同図Cに騒音
加算音声信号、同図Dに処理後の信号をそれぞれ示す。
この図から、処理後の信号(D)が処理前の音声信号
(A)をよく復元していることが確認できる。上述の説
明から明らかなように、図5において騒音レベル推定部
10、騒音抑圧量算出部11は省略してもよい。図6に
おいて騒音抑圧量算出部11を省略してもよい。図7中
の無発声区間検出部15、しきい値算出部16を図1乃
至図5の何れかに設けてもよい。同様に図8中の無発声
区間検出部15と無発声区間減衰部17を図1乃至図6
の何れかに設けてもよい。更に図1乃至図8に示す構成
は機能的なものでありマイクロプロセッサを主体とする
制御手段によりプログラムの読出し、解読実行により、
各部の処理を順次作動させてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
発明は、空気中を伝搬する音声を収音する気導マイクロ
ホンと、話者の骨振動あるいは外耳道内音圧を収音する
骨導あるいは外耳道マイクロホンとを用い、これら第
1、第2のマイクロホンの各々の出力信号を第1、第2
のスペクトル変換手段で、振幅スペクトルと位相スペク
トルに変換し、前記骨導あるいは外耳道マイクロホンの
出力信号の振幅スペクトルと、予め設定されたしきい値
とを各周波数成分ごとに音声周波数成分選択手段で比較
して、しきい値よりも大きな周波数成分を音声の周波数
成分と判定し、前記気導マイクロホンの出力信号の振幅
スペクトルから、前記音声周波数成分選択手段により音
声の周波数成分と判定された周波数に対応する成分を音
声周波数成分抽出手段で抽出し、この抽出された周波数
成分のスペクトルを、前記気導マイクロホンの前記スペ
クトル変換手段により算出される位相スペクトルを用い
て時間波形に時間波形変換手段で変換しているので、従
来の調波構造を利用した騒音抑圧技術のもつ問題点、す
なわち、基本周波数推定誤差による騒音周波数成分除去
性能の劣化と、調波構造を持たない子音への対応、の以
上2つの問題点を解決している。したがって、従来技術
では基本周波数推定誤差のため、あるいはもともと基本
周波数を持たない子音の存在のため、騒音除去の効果が
なかった場合においても威力を発揮する送話器が得られ
る。
【0050】請求項2記載の発明は、請求項1記載の送
話器において、前記音声周波数成分選択手段において音
声の周波数成分と判定されなかった周波数成分について
は前記骨導あるいは外耳道マイクロホンの出力信号にお
いて対応する周波数成分を騒音周波数成分抽出手段で抽
出し、前記時間波形変換手段においては、前記音声周波
数成分抽出手段および前記騒音周波数成分抽出手段によ
りそれぞれ出力されたスペクトルを、前記気導マイクロ
ホンの前記スペクトル変換手段により算出される位相ス
ペクトルを用いて時間波形に変換するので、騒音に重畳
した気導マイクロホンの周波数成分を、耐騒音性に優れ
た骨導あるいは外耳道マイクロホンの周波数成分に置き
換えることになり、音質を向上させた送話器が得られ
る。請求項3記載の発明は、請求項1記載の送話器にお
いて、前記音声周波数成分選択手段において音声の周波
数成分と判定されなかった前記気導マイクロホンの出力
信号の周波数成分に対して予め設定された減衰を、騒音
周波数成分抑圧手段で行い、前記時間波形手段において
は、前記音声周波数成分抽出手段および前記騒音周波数
成分抑圧手段によりそれぞれ出力されたスペクトルを、
前記気導マイクロホンの前記スペクトル変換手段により
算出される位相スペクトルを用いて時間波形に変換する
ので、音声の周波数成分と判定されなかった周波数成分
に重畳している音声周波数成分が欠落してしまうことに
よる処理信号の音質劣化を防ぎ、音質を向上させた送話
器が得られる。
【0051】請求項4記載の発明は、請求項3記載の送
話器において、前記音声周波数成分選択手段において音
声の周波数成分と判定されなかった前記気導マイクロホ
ンの出力信号の振幅スペクトルを抽出し、その振幅スペ
クトルから音声の周波数成分以外の周囲騒音スペクトル
と出力レベルを騒音レベル推定手段で推定し、その推定
結果に応じて前記騒音周波数成分抑圧手段における減衰
量を騒音抑圧量算出手段で決定するので、音声の周波数
成分と判定されなかった周波数成分の減衰量を周囲騒音
の状況に応じて制御し、音質を向上させた送話器が得ら
れる。
【0052】請求項5記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、または請求項4記載の送話器において、
前記音声周波数成分抽出手段により出力される振幅スペ
クトル中の高周波数帯域がカットオフ周波数ωchの高域
通過フィルタ手段で通過させられ、前記骨導あるいは外
耳道マイクロホンの前記スペクトル変換手段により出力
される振幅スペクトル中の低周波数帯域がカットオフ周
波数ωclの低域通過フィルタ手段で通過させられ、前記
時間波形変換手段においては、前記高域通過フィルタ手
段により出力される振幅スペクトルを前記気導マイクロ
ホンの前記スペクトル変換手段により算出される位相ス
ペクトルを用いて変換した時間波形と、前記低域通過フ
ィルタ手段により出力される振幅スペクトルを前記骨導
あるいは外耳道マイクロホンの前記スペクトル変換手段
により算出される位相スペクトルを用いて変換した時間
波形とを合成するので、処理信号の低域における音質劣
化を防ぎ、音質を向上させた送話器が得られる。
【0053】請求項6記載の発明は、請求項5記載の送
話器において、前記騒音レベル推定手段の推定結果から
前記高域通過フィルタ手段のカットオフ周波数ωchと前
記低域通過フィルタ手段のカットオフ周波数ωclがカッ
トオフ周波数算出手段で決定されるので、周囲騒音の特
性に応じたωch、ωclの算出が可能となり、音質を向上
させた送話器が得られる。
【0054】請求項7記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載
の送話器において、無発声区間検出手段で、前記骨導あ
るいは外耳道マイクロホンの出力信号の振幅スペクトル
の大きさと、予め設定された無発声区間判定しきい値と
を比較し、前記振幅スペクトルの大きさが前記無発声区
間しきい値よりも小さいとき無発声状態であると判定
し、無発声状態と判定された場合に、各周波数成分につ
いて前記音声周波数成分選択手段に用いるしきい値が、
前記骨導あるいは外耳道マイクロホンの出力信号の振幅
スペクトルの値よりも大きくなるようにしきい値算出手
段で、更新されるので、音声周波数成分選択部において
音声の周波数成分の判定精度を向上させ、音質を向上さ
せた送話器が得られる。
【0055】請求項8記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載
の送話器において、無発声区間検出手段で、前記骨導あ
るいは外耳道マイクロホンの出力信号の振幅スペクトル
の大きさと、予め設定された無発声区間判定しきい値と
を比較し、前記振幅スペクトルの大きさが前記無発声区
間判定しきい値よりも小さいとき無発声状態であると判
定し、無発声状態と判定された場合において、前記時間
波形変換手段の出力信号が無発声区間減衰手段で減衰さ
れるので、無発声状態であるときの騒音抑圧効果を向上
させた送話器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図2】請求項2の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図3】請求項3の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図4】請求項4の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図5】請求項5の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図6】請求項6の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図7】請求項7の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図8】請求項8の発明の実施例の機能的構成を示すブ
ロック図。
【図9】図1の実施例の動作を示す流れ図。
【図10】図2の実施例の動作を示す流れ図。
【図11】図3の実施例の動作を示す流れ図。
【図12】図4の実施例の動作を示す流れ図。
【図13】図5の実施例の動作を示す流れ図。
【図14】図6の実施例の動作を示す流れ図。
【図15】図7の実施例の動作を示す流れ図。
【図16】図8の実施例の動作を示す流れ図。
【図17】実施例4におけるw(ωm )のLv特性例を
示す図。
【図18】請求項1の発明を適用した実験例における処
理前の音声信号、騒音信号、騒音加算音声信号、及び処
理後の信号をそれぞれ示す図。
【図19】従来技術の送話器の機能的構成を示すブロッ
ク図。
【図20】騒音下における骨導音と気導音の短時間スペ
クトル例を示す図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中を伝搬する音声を収音する気導マ
    イクロホン(以下第1マイクロホンと記す)と、 話者の骨振動あるいは外耳道内音圧を収音する骨導ある
    いは外耳道マイクロホン(以下第2マイクロホンと記
    す)と、 前記第1、第2マイクロホンの各々の出力信号を振幅ス
    ペクトルと位相スペクトルに変換する第1、第2のスペ
    クトル変換手段と、 前記第2スペクトル変換手段の出力振幅スペクトルと、
    予め設定されたしきい値とを各周波数成分ごとに比較
    し、しきい値よりも大きな周波数成分を音声の周波数成
    分と判定する音声周波数成分選択手段と、 前記第1スペクトル変換手段の出力振幅スペクトルか
    ら、前記音声周波数成分選択手段により音声の周波数成
    分と判定された周波数に対応する成分を抽出する音声周
    波数成分抽出手段と、 前記音声周波数成分抽出手段により抽出された周波数成
    分のスペクトルを前記第1スペクトル変換手段により算
    出される位相スペクトルを用いて時間波形に変換する時
    間波形変換手段とを有することを特徴とする送話器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の送話器において、 前記音声周波数成分選択手段において音声の周波数成分
    と判定されなかった周波数成分については前記第2スペ
    クトル変換手段の出力スペクトル中の対応する周波数成
    分を抽出する騒音周波数成分抽出手段を具備し、 前記時間波形変換手段においては、前記音声周波数成分
    抽出手段および前記騒音周波数成分抽出手段により出力
    された振幅スペクトルを、前記第1スペクトル変換手段
    により算出される位相スペクトルを用いて時間波形に変
    換することを特徴とする送話器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の送話器において、 前記音声周波数成分選択手段において音声の周波数成分
    と判定されなかった前記第1スペクトル変換手段の出力
    スペクトル成分に対して予め設定された減衰を行う騒音
    周波数成分抑圧手段を具備し、 前記時間波形変換手段においては、前記音声周波数成分
    抽出手段および前記騒音周波数成分抑圧手段により出力
    された振幅スペクトルを前記第1スペクトル変換手段に
    より算出される位相スペクトルを用いて時間波形に変換
    することを特徴とする送話器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の送話器において、 前記音声周波数成分選択手段において音声の周波数成分
    と判定されなかった前記第1スペクトル変換手段の出力
    振幅スペクトルを抽出し、その抽出した振幅スペクトル
    から音声の周波数成分以外の周囲騒音スペクトルと出力
    レベルを推定する騒音レベル推定手段と、 前記騒音レベル推定手段の推定結果に応じて前記騒音周
    波数成分抑圧手段における減衰量を決定する騒音抑圧量
    算出手段とを具備することを特徴とする送話器。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の送話器
    において、 前記音声周波数成分抽出手段により出力される振幅スペ
    クトル中のカットオフ周波数ωch以上の成分を通過させ
    る高域通過フィルタ手段と、 前記第2スペクトル変換手段により出力される振幅スペ
    クトル中のカットオフ周波数ωcl以下の成分を通過させ
    る低域通過フィルタ手段とを具備し、 前記時間波形変換手段においては、前記高域通過フィル
    タ手段により出力される振幅スペクトルを前記第1スペ
    クトル変換手段により算出される位相スペクトルを用い
    て変換した時間波形と、前記低域通過フィルタ手段によ
    り出力される振幅スペクトルを前記第2スペクトル変換
    手段により算出される位相スペクトルを用いて変換した
    時間波形とを合成することを特徴とする送話器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の送話器において、 前記騒音レベル推定手段の推定結果から前記高域通過フ
    ィルタ手段のカットオフ周波数ωchと前記低域通過フィ
    ルタ手段のカットオフ周波数ωclを決定するカットオフ
    周波数算出手段を具備することを特徴とする送話器。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の送話器
    において、 前記第2スペクトル変換手段の出力振幅スペクトルの大
    きさと、予め設定された無発声区間判定しきい値とを比
    較し、前記振幅スペクトルの大きさが前記無発声区間判
    定しきい値よりも小さいとき無発声状態であると判定す
    る無発声区間検出手段と、 前記無発声区間検出手段により無発声状態と判定された
    場合に、各周波数成分について前記音声周波数成分選択
    手段に用いるしきい値を、前記第2スペクトル変換手段
    の出力振幅スペクトルの値よりも大きくなるように更新
    するしきい値算出手段とを具備することを特徴とする送
    話器。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載の送話器
    において、 前記第2スペクトル変換手段の出力振幅スペクトルの大
    きさと、予め設定された無発声区間判定しきい値とを比
    較し、前記振幅スペクトルの大きさが前記無発声区間判
    定しきい値よりも小さいとき無発声状態であると判定す
    る無発声区間検出手段と、 前記無発声区間検出手段により無発声状態と判定された
    場合において、前記時間波形変換手段の出力信号を減衰
    させる無発声区間減衰手段とを具備することを特徴とす
    る送話器。
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