JPH11262905A - 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法 - Google Patents

合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法

Info

Publication number
JPH11262905A
JPH11262905A JP8819298A JP8819298A JPH11262905A JP H11262905 A JPH11262905 A JP H11262905A JP 8819298 A JP8819298 A JP 8819298A JP 8819298 A JP8819298 A JP 8819298A JP H11262905 A JPH11262905 A JP H11262905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plywood
veneer
adhesive
log
wood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8819298A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Asai
宏幸 浅井
Yuushi Asai
勇詞 浅井
Toshio Watanabe
敏男 渡辺
Yuichi Hirose
優一 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAI GOUBAN KOJO KK
Shoei Chemical Inc
Original Assignee
ASAI GOUBAN KOJO KK
Shoei Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAI GOUBAN KOJO KK, Shoei Chemical Inc filed Critical ASAI GOUBAN KOJO KK
Priority to JP8819298A priority Critical patent/JPH11262905A/ja
Publication of JPH11262905A publication Critical patent/JPH11262905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤が塗布された木材片を集合体とし、こ
れらの木材片を接着させてなる丸太状形成体を剥いて得
られる合板用再構成単板及びその製造方法若しくはこの
再構成単板を用いた合板の製造方法を提供する。 【解決手段】 丸太木材を切削し、剥いて合板用一般単
板を形成する際に得られる木材片の表裏面に、ロールコ
ーター等によって接着剤を塗布し、この木材片を木型内
に揃えて並べて堆積する。その後、この堆積物の上に蓋
を載せ、これをそのまま圧縮成形機の成形板の間に載置
し、40〜50kg/cm2 程度の圧力下に適宜の時
間加圧した後、除圧し、そのまま静置して堆積物を木型
内で養生させ、接着剤を十分に硬化させる。得られる丸
太状形成体をロータリーレースによって剥いて再構成単
板を得、これらを適宜積層し、接着して合板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合板用再構成単板
並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、接着剤が塗布された木材
片を集合体とし、これらを接着して丸太状形成体を得、
この丸太状形成体を剥いて製造される合板用再構成単板
並びにこの合板用再構成単板を製造する方法若しくはこ
の合板用再構成単板を用いて合板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】合板は、一般に、丸太にしたラワン材等
の原木を、大根の桂剥きのように剥いて得られる合板用
一般単板(これをベニヤともいう。)を、繊維の方向が
互い違いに直交になるように何層も重ね合わせ、加熱、
加圧下に接着することにより製造されている。また、合
板用一般単板は、通常、柱長900mm又は2500m
m等の適宜の長さの原木丸太を、ロータリーレースとい
う切削機械によって厚さ0.2〜6.0mmに切削し、
剥いた後、乾燥、矯正及び切断を行うことによって作製
されている。この合板用一般単板は、単板の繊維の向き
と平行の方向に対しては強い強度を有するが、繊維と直
交する方向に対しては強度が弱いため、繊維単位の欠落
を起こし易い。
【0003】そのため、合板用一般単板では、予め単板
表面に樹脂紐又は紙テープ等を数本張り渡して、繊維間
を結合すること等により、繊維の欠落を防止している。
しかし、原木の割れ、節、又は単板製造工程における作
業等によって、繊維の欠落が起き、空隙及び端材となる
箇所が発生することも多い。このような単板の不良個所
は、補修装置である横接合機によって接合補修され、合
板の製品寸法に応じて切断され合板用一般単板となり、
その後の合板製造に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、端材を横接合機で接合して使用に耐え得る単板とし
ても、合板の製造工程において合板を所定の寸法に切断
する際に、幅の狭い端材が発生することは避けられな
い。そして、この端材は合板用一般単板の製造に必要な
寸法を満たさないため、単板の材料として使用されるこ
とはなかった。また、ロータリーレースによって原木を
切削して剥く場合に、原木の中心部まで剥くことはでき
ず、通常、直径約5〜20cm程度の円筒状の剥き芯が
残ってしまい、これも単板の材料として使用することが
できない。更に、単板の製造工程において、十分に接合
することができない端材を生ずるとの問題もある。
【0005】これら単板の材料として利用することがで
きない端材や剥き芯等の木材片は、従来、単板屑として
ボイラー燃料等の用途において利用するなどの手段によ
って処理されてきた。しかし、原木丸太から得られる原
料木材のうちで単板屑となる割合は約20%と高く、ま
た、剥き芯も約7%であって、これらが合板製品の歩留
りの低下につながっている。
【0006】本発明は、上記観点に鑑みてなされたもの
であり、主に合板製品の製造において使用することがで
きなかった端材や剥き芯等の木材片を、合板材料として
有効に利用し、合板製品の歩留りを向上させる手段を提
供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明の合板用再構成
単板は、木材片の集合体を接着剤により接着固定してな
る丸太状形成体を剥いて得られる合板用再構成単板であ
って、上記丸太状形成体を100重量部とした場合に、
上記接着剤は固形分換算で5〜20重量部であることを
特徴とする。
【0008】上記「木材片」となる木材は、特に限定さ
れず、合板用単板材料及び合板材料に適する木材として
一般に使用されている木材からなるものを用いることが
できる。このような木材としては、南洋材、広葉樹材又
は針葉樹材等が挙げられる。また、この木材片は特に端
材に限定されるわけではなく、剥き芯及び未使用の木材
などからなる木材片を使用することもできる。但し、コ
ストの面及び廃材の有効利用の観点からは、この木材片
として単板製造時又は合板製造時に生ずる単板の端材及
び剥き芯等を使用することが好ましい。更に、この木材
片の形状、大きさ等も特に限定されることはなく、例え
ば、所定の型に充填することができ、或いは型内に堆積
された木材片を加圧等して所定の上記「集合体」とする
ことができるもの等であればよい。尚、端材等が大きい
場合は、これを切断して小さくして用いることもでき
る。
【0009】上記「丸太状形成体」は、その横断面の一
部を示す図1のように、木材片1の集合体と、それらの
間隙を埋める接着剤からなる接着部2とからなる。この
丸太状形成体の形状は、木材片の集合体の形状と略一致
しており、目的、用途により種々のものとすることがで
きる。また、各木材片の繊維の方向も特に限定されず、
不特定方向等でもよいが、第2発明のように、各木材片
の繊維の向きを一方向に、特に、丸太状形成体の長尺方
向に沿った方向に揃えることが好ましい。更に、この丸
太状形成体の大きさは、ロータリーレースによって剥く
ことができる通常の大きさとすることができる。この丸
太状形成体の横断面形状は、円形、矩形等とすることが
できるが、円形、即ち、第3発明のように、全体として
円柱状とするのが好ましい。これは、通常、単板製造に
用いられるロータリーレースの対象物が円柱状であるた
めである。
【0010】上記「接着剤」としては、一般に合板の製
造時等、木材の接着において使用される接着剤が挙げら
れるが、木材片の集合体に形成される空隙への浸透性及
び充填性等に優れるものが好ましい。また、接着剤の種
類としては、非発泡型でも発泡型でもよいが、第4発明
のように、発泡型接着剤がより好ましい。発泡型接着剤
であれば、その発泡時、木材片の間の空隙に接着剤が十
分に行き渡り易く、更に、発泡によって体積が増加する
ため接着剤の使用量を低減することもできる。
【0011】丸太状形成体を100重量部とした場合
に、この接着剤の含有量が固形分換算で5重量部未満で
ある場合は、木材片を十分に接合することができず、分
離してしまうことがある。一方、この含有量が20重量
部を越えると、丸太状形成体が硬くなりすぎ、これを剥
いて再構成単板とすることが容易ではない。また、木質
感が損なわれるとともに、得られる再構成単板が高価な
ものとなる。この接着剤の含有量は、特に5〜15重量
部、更には5〜10重量部とすることが好ましく、この
ような丸太状形成体であれば、加工が容易であり、且つ
優れた木質感等を有する再構成単板を得ることができ
る。
【0012】接着剤に含有される樹脂としては、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、α−オレフィン
樹脂、水性高分子−イソシアネート系樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ウレタン樹脂、変性酢酸ビニル樹脂、ユリア−メ
ラミン共縮合樹脂、フェノール−メラミン共縮合樹脂等
が挙げられる。特に、ウレタン樹脂、変性酢酸ビニル樹
脂、ユリア−メラミン共縮合樹脂、フェノール−メラミ
ン共縮合樹脂等が好ましい。尚、発泡型接着剤とする場
合には、これらの樹脂に発泡剤を配合したものとするこ
とができる。また、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール等の保水剤など、各種の添加剤を配合するこ
ともできる。更に、この接着剤は、特に水系のエマルジ
ョン系接着剤であることが好ましい。
【0013】更に、接着剤が、木材片の間の空隙へ浸透
し、充填され易くするためには、その粘度をできるだけ
低くすることが好ましい。この接着剤の粘度は、0.1
〜200ポイズ、特に0.2〜50ポイズ、更には5〜
30ポイズとすることができる。尚、この粘度は使用時
の温度によって適宜に調整することもできる。また、粘
度の測定は回転円筒粘度計により行うことができる。更
に、この接着剤の使用量は、木材片が分離せずに十分に
接合できる程度とすることができる。即ち、木材片の空
隙に十分に浸透し、充填される使用量であればよく、接
着剤が余剰である場合は、接着剤が硬化した後の丸太状
形成体が硬くなりすぎ、しかも得られる製品が高価なも
のとなり好ましくない。発泡型接着剤の場合は、特に、
その使用量を低減することができるため好ましい。ま
た、木材片を、より密に圧縮して集合体とした場合は、
空隙が少なくなり、接着剤の使用量をより低減すること
ができる。
【0014】接着温度及び接着時間は、使用する接着剤
によって適宜に調整することができる。上記の各種樹脂
を含有する接着剤であれば、通常、0〜40℃の温度に
おいて、2分〜24時間程度で十分な接着強度が得られ
る。更に、この接着剤としては、固化後の各種特性が木
材と類似している接着剤を用いることが好ましく、例え
ば、硬化後の比重が0.3〜1.0程度、特に0.4〜
0.6程度である接着剤が好ましい。
【0015】上記「合板用再構成単板」の大きさ及び形
状は、特に限定されず、一般に使用されている合板用一
般単板と同程度とすることができる。例えば、長さが6
00〜1300mm、幅が900mm〜2500mm程
度であって、厚さが0.2〜6.0mm程度の単板とす
ることができる。
【0016】第5発明の合板用再構成単板の製造方法
は、丸太木材を剥いて合板用一般単板を形成する際に得
られる木材片に接着剤を塗布し、その後、所定形状に集
合させて上記木材片の集合体を形成し、次いで、該集合
体を構成する上記木材片を上記接着剤によって接着させ
て丸太状形成体を作製し、その後、該丸太状形成体を所
定の厚さに剥くことを特徴とする。
【0017】接着剤が塗布された木材片を、木材片の集
合体とする際に、加圧し、圧縮して、より密に集合させ
ることもできる。木材片を加圧し、圧縮して集合体とす
る場合の圧力は、0.1〜10kg/cm2とすること
ができる。また、この圧力は、特に0.5〜9kg/c
2、更には1〜8kg/cm2とすることがより好まし
い。更に、この木材片の集合体の集合状態を安定化させ
るために、集合体の周囲を紐、テープ等で緊締すること
等も有効である。また、木材片に接着剤を塗布する方法
は特に限定されず、ロールコート法、浸漬法、吹き付け
法等の方法が挙げられる。木材片の表裏面に所要量の接
着剤を均一に塗布するためには、特に、ロールコーター
を用いたロールコート法が好ましい。
【0018】第6発明の合板用再構成単板の製造方法
は、丸太木材を剥いて合板用一般単板を形成する際に得
られる木材片に接着剤を塗布し、その後、所定の型内に
充填して加圧し、上記木材片を上記接着剤によって接着
させて丸太状形成体を作製し、次いで、該丸太状形成体
を所定の厚さに剥くことを特徴とする。
【0019】第6発明の製造方法では、所定の型を使用
して丸太状形成体を作製する。上記「型」としては、金
属製、合成樹脂製、木製等、その材質は特定されない
が、この製造方法では、上記「加圧」の圧力が20〜7
0kg/cm2、特に40〜50kg/cm2程度であ
り、それほど大きな強度は必要としないため、特に、木
製の型を用いることができる。尚、この圧力は型に加わ
る圧力であるが、木材片の集合体は空隙を有するため、
実際に集合体に加わる圧力は前記程度であると推定され
る。
【0020】また、第5及び第6発明の製造方法におい
ては、木材片及び接着剤に含有される樹脂として、前記
のものをそのまま使用することができる。更に、この接
着剤は、前記のように発泡型であってもよいし、非発泡
型であってもよい。尚、ここで、上記「合板用一般単
板」とは、従来の丸太木材を剥いて得られる合板用単板
である。また、上記「合板用再構成単板」とは、本発明
において製造される単板であり、丸太状形成体を所定の
厚さに剥いて得られる合板用単板である。
【0021】第7発明の合板の製造方法は、請求項1乃
至4のうちのいずれか1項に記載の合板用再構成単板
と、合板用一般単板及び該合板用再構成単板のうちのい
ずれか一方とを、相隣る各合板用単板の繊維の方向が平
行又は直交するように互いに積層し、配置して、これら
を接着し、積層体とすることを特徴とする。
【0022】この第7発明の製造方法は、通常、合板用
再構成単板と合板用一般単板、或いは合板用再構成単板
のみを、複数枚準備し、このうちの中板となる単板に各
種の接着剤を塗布し、積層した単板群を常温で仮圧縮
し、高温加圧下にて接着剤を熱硬化等させて、所定寸法
に切断するものである。尚、必要に応じて、その表面を
平滑に研磨することもできる。これらの各工程における
方法は通常行われる公知の方法を適宜選択し、適用する
ことができる。また、各層における単板の繊維方向は、
従来の単板と同様に互いに直交するように積層し、配置
してもよいし、LVL(平行合板ともいう。)のように
各層における単板の繊維方向が平行となるように積層
し、配置してもよい。
【0023】第7発明において製造される合板を構成す
る各単板としては、図2のように、そのすべてを合板用
再構成単板3a、3b、3cとすることができる。ま
た、図3のように、表裏各層を合板用一般単板4a、4
cとし、内層を合板用再構成単板3bとすることもでき
る。すべてを再構成単板とした場合は、端材等を十分に
有効利用することができ、省資源の観点において非常に
好ましい。一方、一般単板を外層とした場合は、得られ
る合板の表裏面の各種特性及び美観等が通常の製品と何
ら変わりなく、再構成単板を用いたことによる合板の品
質等、問題を生ずることがない。尚、単板の組み合わせ
は図2及び図3のものに限られず、他の組み合わせとす
ることもできる。更に、4層又はそれ以上の多層の合板
とすることもでき、この場合も種々の合板用一般単板と
合板用再構成単板とを組み合わせて使用することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳し
く説明する。尚、実施例において「部」はすべて「重量
部」を、「%」は合板の収縮率を除いて「重量%」を表
わす。
【0025】(1)合板用再構成単板の製造 実施例1用いた接着剤の組成 水性高分子−イソシアネート系接着剤を使用した。 主剤;水性高分子−イソシアネート系木材用接着剤(松栄化学工業株式会社製 、商品名「UW−1500」、固形分;50%) 100部 架橋剤;ジフェニルメタンジイソシアネート(同、商品名「U−1」、固形分 ;100%) 10部 水; 10部 水は接着剤の粘度を低くするために配合した。
【0026】再構成単板の製造 この再構成単板の製造は、その工程の概略を示す図4
(a)〜(g)に従って行った。約42kgの乾燥した
単板端材からなる木材片1(厚さ;約2〜3mm、幅;
約10mm〜80mm、長さ:約300mm〜350m
mのレッドラワン、含水率;約10%)[図4(a)]
を順にスプレッダーに通し、ロールコーター5によって
両面に上記の接着剤を塗布した[図4(b)]。
【0027】その後、これらの単板端材を木型本体6内
に繊維方向をそろえて並べ、堆積した[図4(c)]。
接着剤が発泡型であるため堆積の作業は15分以内で終
了した。すべての端材を堆積した後、堆積物上に蓋7を
載せ、この木型を圧縮成形機の成形板8a、8bの間に
載置した。次いで、40〜50kg/cm2の圧力下、
30分間加圧した後、除圧し、そのまま約12時間、堆
積物を木型内で養生させ、接着剤を十分に硬化させた。
加圧、圧縮は常温(25〜30℃程度)で行った[図4
(d)]。
【0028】得られた丸太状形成体9[図4(e)]の
長さは1000mm、直径は300mmであった。ま
た、その重量は約49.5kgであり、よって7.5k
gの接着剤が充填されたことになる。尚、この丸太状形
成体の比重は約0.7、含水率は約13%であった。そ
の後、この丸太状形成体をロータリーレース(株式会社
名南製作所製、型式「LOG4」)によって剥き[図4
(f)]、長さ1000mm、幅2000mm、厚さ
3.2mmの再構成単板10[図4(g)]を得た。こ
の丸太状形成体では、接着剤が発泡し、膨張することに
より細部まで接着剤が行き渡り、各木材片の間には発泡
した接着剤が隙間なく充填されているのを目視で確認す
ることができた。
【0029】ここで、上記の7.5kgの接着剤は水分
を含むものであり、その半分量が固形分であって、固形
分の重量は約3.75kgとなる。従って、丸太状形成
体を100部とした場合に、接着剤の含有量は約7.6
部となる。また、約10%であった単板端剤の含水率が
丸太状形成体では約13%となっているのは、接着剤に
含まれていた水分がほとんどそのまま丸太状形成体に吸
収されて残存しているためである。尚、丸太状形成体の
接着剤の含有量及び含水率は、そのまま再構成単板の接
着剤の含有量及び含水率であるとして何ら差し支えはな
い。
【0030】以下、木型の構造及び作業の方法等をより
詳しく説明する。図5は、木型の斜視図であり、この木
型は、図5(a)の木型本体6と図5(b)の蓋7によ
り構成される。木型本体6に設けられた凹部61の底部
に単板端材を揃えて並べ、所要量の単板端材を並べた
後、蓋7を上部より嵌め込む。木型本体6に設けられた
凹部61の底部と、蓋7の内面に設けられた凹部71と
によって上下を長径とする断面楕円形の楕円柱状の空間
が形成され、この空間に単板端材が並べられることにな
る。
【0031】その後、加圧した場合に、蓋7が押し下げ
られて、木型本体6に設けられた凹部61の底部近傍
と、蓋2の内面に設けられた凹部71とによって形成さ
れる空間の断面が略円形となるように、蓋7の上にその
平面形状が蓋7と同じであって、適宜の厚さの木片を介
装させ、これをそのまま圧縮成形機の成形板8b上に載
置し、加圧して、横断面が略円形の丸太状形成体9を作
製する。尚、図5において、rは150mm、hは70
0mm、w1 は600mm、lは1000mm及びw2
は300mmである。
【0032】実施例2 用いた接着剤の組成 酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤を使用した。 主剤;変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン(松栄化学工業株式会社製、商品名「 インスターボンドKH−1085」、固形分;50%) 100部 小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「赤花」) 30部 水; 30部 この接着剤は非発泡型であり、木材片間の空隙への浸
透、充填を促進するために小麦粉を配合した。また、そ
れによる粘度の上昇及び接着剤の可使時間の低下を抑え
るため同量の水を配合した。
【0033】再構成単板の製造 接着剤を上記のものとした他は実施例1と同様にして丸
太状形成体を得た。この丸太状形成体の重量は約50k
gであり、よって8kgの接着剤が充填されたことにな
る。また、この丸太状形成体の比重は約0.71、含水
率は約18%であった。その後、この丸太状形成体をロ
ータリーレースによって剥いて、実施例1の場合とほぼ
同寸法の再構成単板を得た。各木材片の間には接着剤が
充填されていたが、接着剤が非発泡型であるため、実施
例1の場合に比べるとやや空隙が多かった。
【0034】尚、上記の8kgの接着剤は水分を含むも
のであり、その半分量が固形分であって、固形分の重量
は約4kgとなる。従って、丸太状形成体を100部と
した場合に、接着剤の含有量は約8部となる。また、約
10%であった単板端剤の含水率が丸太状形成体では約
18%となっているのは、実施例1の場合と同様に接着
剤に含まれていた水分がほとんどそのまま丸太状形成体
に吸収されて残存しているためである。
【0035】実施例3 用いた接着剤の組成 ユリア−メラミン共縮合樹脂系接着剤を使用した。 主剤;ユリア−メラミン共縮合樹脂系接着剤(松栄化学工業株式会社製、商品 名「エスレジンSF−5」、固形分;50%) 200部 スチレンブタジエンゴムラテックス(同、商品名「インスターボンドXLB− 121」、固形分;48%) 20部 架橋剤;ジフェニルメタンジイソシアネート(同、商品名「U−1」、固形分 ;100%) 6部 クエン酸 4部 小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「赤花」) 40部 塩化アンモニウム(セントラルガラス株式会社製) 2部 水; 30部
【0036】この接着剤では、ジフェニルメタンジイソ
シアネートとクエン酸とを併用しているため、特に冷間
圧縮によって十分な接着強度を得ることができる。ま
た、ロータリーレースによる切削性を向上させるために
ラテックスを配合した。尚、この接着剤は可使時間及び
硬化時間ともに長く、作業上の時間的な制約がない。
【0037】再構成単板の製造 加圧時間を1時間、養生時間を24時間とした他は実施
例1と同様にして丸太状形成体を得た。この丸太状形成
体の重量は約51kgであり、よって9kgの接着剤が
充填されたことになる。また、この丸太状形成体の比重
は約0.72、含水率は約11%であった。その後、こ
の丸太状形成体をロータリーレースによって剥いて、実
施例1の場合とほぼ同寸法の再構成単板を得た。各木材
片の間には接着剤が充填されていたが、接着剤が非発泡
型であるため、実施例1の場合に比べると空隙がそのま
ま残された部分がやや多く、一部には小さな割れも観察
された。
【0038】尚、上記の9kgの接着剤は水分を含むも
のであり、その約54%が固形分であって、固形分の重
量は約4.9kgとなる。従って、丸太状形成体を10
0部とした場合に、接着剤の含有量は約9.5部とな
る。また、約10%であった単板端剤の含水率が丸太状
形成体では約11%となっており、実施例1及び2に比
べて含水率が低いのは、ユリア−メラミン共縮合樹脂は
水分を含んだまま固化するためである。
【0039】また、作製された丸太状形成体をロータリ
ーレースによって剥いて、切削する場合の作業性等は、
実施例1及び実施例2では、合板用一般端板を使用した
場合とほとんど同様であり、機械に加わる負荷も同程度
であった。一方、実施例3では、丸太状形成体の含水率
が低く、且つ接着剤の硬化体が実施例1及び実施例2の
場合と比べて硬いため、機械に加わる負荷がやや大き
く、剥いて切削する際に一部に木材片の剥離或いは飛散
が見られた。
【0040】(2)木材片を集合体とした後、接着剤を
加えた場合 本発明は、木材片に接着剤を塗布した後、それらを集合
体とすることを特徴とする。このような方法によって製
造された丸太状形成体と、集合体とした後、接着剤を加
えた場合に得られる丸太状形成体との、木材片間の空隙
に接着剤が充填される状況を比較してみた。
【0041】参考例 容量20リットルのペール缶(高さ約30〜40cm、
直径約25〜35cmの円筒缶)に、実施例1乃至3に
おいて使用した単板端材と同じ端材約8kgを上下方
向、つまりペール缶の軸方向に繊維方向を揃えて詰め込
み、所定寸法の円柱状の集合体とした。このペール缶
に、実施例1乃至3において使用した接着剤6kgをそ
れぞれ流入させ、15℃において24時間養生し、硬化
させ、丸太状形成体を作製した。
【0042】この丸太状形成体における接着剤の含有量
を実施例と同様にして算出したところ、丸太状形成体を
100部とした場合に、含有される接着剤は、実施例1
の接着剤を用いた場合は21部、実施例2の接着剤を用
いた場合は21部、実施例3の接着剤を用いた場合は2
2部であった。このように、木材片を集合体させた後、
接着剤を加えた場合は、接着剤の量比が高く、非常に硬
い丸太状形成体となる。そのため、これを剥いて再構成
単板とする際に装置に大きな負荷が加わり、また、木質
感が劣る等、その木材の有する本来の特性が損なわれ、
好ましくない。
【0043】(3)合板の製造及びその評価 実施例4 1)合板の製造 実施例1乃至3において製造された合板用再構成単板
A、B、C及び合板用一般単板N(寸法は再構成単板と
同じである。)を、表1のように組み合わせて、合板
(a)〜(e)を製造した。これらは、いずれも3枚の単板を
組み合わせた(3プライ)合板(長さ;1000mm、
幅;2000mm)である。尚、合板の厚さは表1の通
りであり、いずれも加圧、圧縮によって若干収縮し、加
圧、圧縮前の98〜95%の厚さとなっていた。
【0044】
【表1】
【0045】この合板の製造方法は以下のとおりであ
る。各単板の接着に用いた接着剤はフェノール−メラミ
ン共縮合樹脂系接着材(松栄化学工業株式会社製、商品
名「エスレジン SP−300」)100部、小麦粉
(日清製粉株式会社製、商品名「赤花」)20部、塩化
アンモニウム(セントラルガラス株式会社製)1部、及
び水10部を混合したものである。この接着剤を、中間
層となる単板の両面に塗布量40g/m2 で塗布し
た。そして、各単板を積層し、配置した後、仮圧締とし
て、8kg/cm2 の圧力下、30℃で、30分間冷
間圧縮を行い、更に、8kg/cm2 の圧力下、12
0℃で、5分間熱間圧縮を行って各合板を製造した。
【0046】2)合板の性能評価 合板(a)〜(e)の各層の密着性をJAS 1類 浸漬剥離
試験によって評価した。結果を表1に併記する。表1の
結果によれば、合板(a)〜(e)のすべてにおいて何ら問題
なく合格となった。尚、JAS 1類 浸漬剥離試験の
試験方法は、75mm平方の合板からなる試片各4枚を
4時間煮沸した後、60℃で20時間乾燥し、その後、
再び4時間煮沸し、次いで、60℃で3時間乾燥した後
の試片を観察し、試片の同一接着面の端縁における剥離
しない部分の長さが、それぞれの側面において50mm
以上である場合を合格とするものである。
【0047】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で
種々変更した他の実施例とすることができる。即ち、接
着剤は上記実施例にて用いた接着剤だけではなく、一般
に合板の製造時等、木材の接着に用いられる接着剤を使
用することができる。また、木材片の集合体に、充填剤
として木材の切断時等に発生するおが屑等を配合するこ
ともできる。
【0048】更に、丸太状形成体は、ロータリーレース
によって合板用再構成単板とするのみならず、適宜の形
状に切断して角材等とすることもできる。また、製材機
又はスライサーを用いて種々の加工をすることもでき
る。更に、木材片に接着剤を塗布する工程、この木材片
を集合体とする工程、この集合体を加圧、圧縮して丸太
状形成体とする工程、及びこの丸太状形成体を剥いて合
板用再構成単板とする工程などを、適宜の手段によって
連続したものとし、木材片から合板用再構成単板までを
インラインで製造することもできる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、丸太状形成体とした後
は、通常の原木と同様に扱うことができる。そのため、
従来の設備を無駄なく利用することができ、端材を効率
よく再利用をすることができ、安価な再構成単板を得る
ことができる。また、原木丸太の利用率を高めることに
よって、木材の省資源化を図ることもでき、合板にかか
るコストを低減することもできる。更に、断面形状が真
円に近い丸太状形成体を作製することができるため、効
率よく切削し、剥くことができ、容易に再構成単板を得
ることができる。また、木材片を予め乾燥しておくこと
により、含水率の非常に低い丸太状形成体とすることが
でき、再構成単板とした後、乾燥することなく直ちに積
層し、接着して、合板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸太状形成体の断面の一部を示す説明図であ
る。
【図2】合板の断面図である。
【図3】合板の他の態様の断面図である。
【図4】再構成単板を製造する工程の概略を表わす模式
図である。(a)は木材片、(b)はロールコーターに
よる接着剤の塗布、(c)は木型本体への木材片の充
填、(d)は木型の加圧、圧縮、(e)は丸太状形成
体、(f)は丸太状形成体の表層端部からの切削加工、
(g)は再構成単板を各々説明する図である。
【図5】各実施例において用いた木型の説明図である。
(a)は木型本体の斜視図、(b)は蓋の斜視図であ
る。
【符号の説明】 1;木材片、2;接着部、3;合板用再構成単板、4;
合板用一般単板、5;ロールコーター、6;木型本体、
61;木型本体に設けられた凹部、7;蓋、71;蓋に
設けられた凹部、8a、8b;圧縮成形機の成形板、
9;丸太状形成体、10;合板用再構成単板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 勇詞 愛知県海部郡十四山村大字竹田三丁目228 番地 株式会社浅井合板工場本社内 (72)発明者 渡辺 敏男 名古屋市熱田区六野一丁目3番18号 松栄 化学工業株式会社名古屋工場内 (72)発明者 広瀬 優一 名古屋市熱田区六野一丁目3番18号 松栄 化学工業株式会社名古屋工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材片の集合体を接着剤により接着固定
    してなる丸太状形成体を剥いて得られる合板用再構成単
    板であって、上記丸太状形成体を100重量部とした場
    合に、上記接着剤は固形分換算で5〜20重量部である
    ことを特徴とする合板用再構成単板。
  2. 【請求項2】 上記木材片は合板用一般単板の端材を含
    み、上記丸太状形成体は上記木材片の繊維の方向が一方
    向に揃えられている請求項1記載の合板用再構成単板。
  3. 【請求項3】 上記丸太状形成体は円柱状である請求項
    1又は2記載の合板用再構成単板。
  4. 【請求項4】 上記接着剤は、発泡型接着剤である請求
    項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の合板用再構成
    単板。
  5. 【請求項5】 丸太木材を剥いて合板用一般単板を形成
    する際に得られる木材片に接着剤を塗布し、その後、所
    定形状に集合させて上記木材片の集合体を形成し、次い
    で、該集合体を構成する上記木材片を上記接着剤によっ
    て接着させて丸太状形成体を作製し、その後、該丸太状
    形成体を所定の厚さに剥くことを特徴とする合板用再構
    成単板の製造方法。
  6. 【請求項6】 丸太木材を剥いて合板用一般単板を形成
    する際に得られる木材片に接着剤を塗布し、その後、所
    定の型内に充填して加圧し、上記木材片を上記接着剤に
    よって接着させて丸太状形成体を作製し、次いで、該丸
    太状形成体を所定の厚さに剥くことを特徴とする合板用
    再構成単板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に
    記載の合板用再構成単板と、合板用一般単板及び該合板
    用再構成単板のうちのいずれか一方とを、相隣る合板用
    単板の繊維の方向が平行又は直交するように互いに積層
    し、配置して、これらを接着し、積層体とすることを特
    徴とする合板の製造方法。
JP8819298A 1998-03-16 1998-03-16 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法 Pending JPH11262905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8819298A JPH11262905A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8819298A JPH11262905A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11262905A true JPH11262905A (ja) 1999-09-28

Family

ID=13936047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8819298A Pending JPH11262905A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11262905A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100395090C (zh) 一种单面涂胶胶合板和胶合板清水模板生产方法
Jokerst Finger-jointed wood products
US4115178A (en) Method of making glued, laminated assemblies in prepressed and final pressed stages
JPH08197507A (ja) 強力竹合板及びその製造方法
JP2011110768A (ja) 木質積層材とその製造法
JP2014083810A (ja) 木質系化粧台板複合基材
CN101486208A (zh) 混凝土模板用竹木复合胶合板及其制造方法
JP5358402B2 (ja) 積層材の製造方法
JP2010017963A (ja) 複合板及びその製造方法
JPH1086107A (ja) 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法
EP2351635B1 (de) Hirnholzkörper mit Balsahölzern und Verfahren zu deren Herstellung
JP2000117709A (ja) 複合木質基材及びその製造方法
JP6782524B2 (ja) 木質ボード及び化粧合板
JPH11262905A (ja) 合板用再構成単板並びに合板用再構成単板若しくは合板の製造方法
JP2009196188A (ja) 木質複合基材の製造方法と木質化粧板
US2653890A (en) Method of processing wood
WO2005021256A1 (en) Laminated board and method of making laminated board
CN205466591U (zh) 一种胶合木
US20060035056A1 (en) Multi layered wood panel product and process
JP2010030092A (ja) 繊維複合基材及びその製造方法
JP7149817B2 (ja) 木質ボード及び化粧合板の製造方法
Sumardi et al. Bamboo hybrid laminate board (Gigantochloa apus) strip with falcata veneer (Paraserianthes falcataria) in selected fiber directions
CN117226948A (zh) 双层木制复合地板的制备方法及其地板
JPS6028641B2 (ja) 集成フリッチの製造方法
WO2015104009A1 (en) Method for improving density profile of wood-based panels