JPH11260943A - 4端子デバイス - Google Patents

4端子デバイス

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JPH11260943A
JPH11260943A JP11004654A JP465499A JPH11260943A JP H11260943 A JPH11260943 A JP H11260943A JP 11004654 A JP11004654 A JP 11004654A JP 465499 A JP465499 A JP 465499A JP H11260943 A JPH11260943 A JP H11260943A
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JP
Japan
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gate
input
νmos
floating gate
circuit
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JP11004654A
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Tadahiro Omi
忠弘 大見
Sunao Shibata
直 柴田
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、単一の素子でニューロン1個の機
能が実現でき、高集積度、低消費電力のニューロン・コ
ンピュータチップを実現することのできる4端子デバイ
スを提供するものである。 【解決手段】 本発明の4端子デバイスは、少なくとも
4個の主要電極を有する半導体装置において、第1及び
第2の主要電極間に流れる電流の大きさを制御する機能
をもった第3の主要電極と、前記第3の主要電極による
前記第1及び第2の主要電極間に流れる電流の制御の仕
方そのものを制御する機能をもった第4の主要電極とを
少なくとも1つ備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4端子デバイスに係
り、特に神経回路コンピュータや多値論理集積回路等の
高機能半導体集積回路装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】半導体集
積回路技術の進展は実に驚くべき速度で進んでおり、例
えばダイナミック・メモリを例にとるなら、1メガビッ
トから4メガビットがすでに量産体制にあり、16メガ
ビット、64メガビットといった超々高密度メモリも研
究レベルでは実現されつつある。64メガビットメモリ
は、せいぜい1cm四方のシリコンチップ上に実に約1
億2000万個ものMOSトランジスタが集積されてい
る。このような超高集積化技術はメモリ回路ばかりでな
く論理回路にも応用され、32ビットから64ビットの
CPUをはじめとする、様々な高機能論理集積回路が開
発されている。
【0003】しかし、これらの論理回路はデジタル信
号、即ち「1」と「0」という2値の信号を用いて演算
を行う方式を採用しており、例えばコンピュータを構成
する場合は、ノイマン方式といって、あらかじめ決めら
れたプログラムに従って1つ1つ命令を実行していく方
式である。このような方式では、単純な数値計算に対し
ては非常に高速な演算が可能であるが、パタン認識や画
像の処理といった演算には膨大な時間を要する。さら
に、連想、記憶、学習といったいわば人間が最も得意と
する情報処理に対しては非常に不得手であり、現在様々
なソフトウェア技術の研究開発が行われているが、はか
ばかしい成果は得られていないのが現状である。
【0004】そこで、これらの困難を一挙に解決するた
め、生物の脳の機能を研究し、その機能を模倣した演算
処理の行えるコンピュータ、即ち神経回路コンピュータ
(ニューロコンピュータ)を開発しようというまた別の
流れの研究がある。このような研究は、1940年代よ
り始まっているが、ここ数年非常に活発に研究が展開さ
れるようになった。それはLSI技術の進歩にともな
い、このようなニューロコンピュータのハードウェア化
が可能となったことによる。
【0005】しかしながら、現状の半導体LSI技術で
はまだまだ大きな壁があり、実用化のメドはほとんどた
っていない状況である。もう少し具体的に説明するな
ら、例えば人間の神経細胞(ニューロン)1個の機能を
ハードウェア化するためには、多数の半導体素子を組合
わせて回路を構成する必要があり、半導体チップ上に実
用的な数のニューロンを集積することが非常に困難だか
らである。そこで本発明の主眼点は、たった1つのMO
S型半導体素子によって、1個のニューロンの機能を実
現することのできる半導体装置を提供するものである。
本発明の詳細な説明に移る前に、まず1つのニューロン
に要求される機能は何であるかを、また、これを現状技
術で実現しようとすればどのような困難が生じるかにつ
いて次に説明する。
【0006】図19は、1つの神経細胞、即ち1個のニ
ューロンの機能を説明する図面であり、1943年にMc
Cullock とPitts (Bull. Math. Biophys. Vol.5, p.11
5(1943) )により数学的 モデルとして提案されたもの
である。現在もこのモデルを半導体回路で実現し、ニュ
ーロコンピュータを構成する研究が盛んに進められてい
る。V1、V2、V3、…、Vnは、例えば電圧の大きさと
して定義されるn個の入力信号であり、他のニューロン
から伝達された信号に相等している。W1、W2、W3
…、Wnはニューロン同士の結合の強さを表す係数で、
生物学的 にはシナプス結合と呼ばれるものである。こ
のニューロンの機能は単純であり、各入力Viに重みWi
(i=1〜n)をかけて線形加算した値Zが、ある所定
の閾値VTH * より大となったときに「1」を出力し、ま
た閾値より小のときに「0」を出力するという動作であ
る。これを数式で表せば、
【0007】
【数1】 となる。
【0008】図19(b)は、ZとVoutの関係を表し
たものであり、ZがVTH *より十分大きいときは 1、
十分小さいときは0を出力している。
【0009】さて、このような機能を従来の半導体技術
で実現した場合の回路の一例を図20に示す。図におい
て102−1、102−2、102−3は演算増幅器
(オペアンプ)である。図20(a)は、入力信号Vi
(i=1〜n)に重みWiをかけて加算しZを求める回
路である。Riに流れる電流をIiとすると、Ii=Vi
iとなるから、
【0010】
【数2】 となり、オペアンプ102−1の出力電圧Vaは、
【0011】
【数3】 となる。Ibは、−Va/Rで与えられるから、IaとIb
は大きさが等しく(Ia=Ib)、流れの方向が逆とな
る。従って、
【0012】
【数4】 ここで、式(1)、(4)を比較すると、重み係数Wi
はWi=R/Riとなり、抵抗の大きさによって決められ
ることになる。つまり、図20(a)の回路は、電流の
加算により、入力信号の線形加算した電圧を発生する回
路である。次に、図20(b)は、Zの値をVoutに変
換するための回路の一例であり、オペアンプ102−3
の非反転入力端子に接続されている。オペアンプは、電
圧増幅率(ゲイン)の非常に大きなアンプだから、Z>
0で、Vout=V+、Z<E0ではV out=V-となり、図
20(c)のような特性を示す。ここで、V+、V-はそ
れぞれオペアンプに供給されている電源電圧によって決
まる出力の最大値及び最小値である。反転入力端に印加
する電圧E0の値を変化させることにより、VTH *を変化
させることが可能である。
【0013】図20(a)、(b)の回路の問題点の1
つは、1つのニューロンを構成するのに数多くの半導体
素子を必要とすることである。図の回路では3個のオペ
アンプが使用されているが、通常1個のオペアンプを構
成するには、トランジスタが少なくとも10個程度が必
要であり、図の回路では全部で30個もトランジスタを
使用することになる。また、電流を基本として加算演算
を行うため、常に大量の電流が流れ消費電力が大きくな
る。つまり、1つのニューロンはチップ上に大きな面積
を占めるばかりでなく、大きなパワーを消費するのであ
る。従って、高積化が困難なばかりでなく、たとえトラ
ンジスタ1個1個を微細化して高集化できたとしても、
消費電力密度が大きくなり、実用的な集積回路を構成す
ることは、ほとんど不可能である。
【0014】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたものであり、単一の素子でニューロ
ン1個の機能が実現でき、高集積度、低消費電力のニュ
ーロン・コンピュータチップを実現することのできる半
導体装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
少なくとも4個の主要電極を有する半導体装置におい
て、第1及び第2の主要電極間に流れる電流の大きさを
制御する機能をもった第3の主要電極と、前記第3の主
要電極による前記第1及び第2の主要電極間に流れる電
流の制御の仕方そのものを制御する機能をもった第4の
主要電極とを少なくとも1つ備えたことを特徴とする。
【0016】
【作用】本半導体装置は、1個の素子によってニューロ
ンの機能を実現することができるため、ニューロン素子
の超高集積化が可能である。
【0017】さらに、消費電力を従来技術に比較して大
幅に減少可能となったため、初めてニューロン回路が実
用的なレベルで実現できるようになったのである。
【0018】
【実施例】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施例
を示す半導体装置の断面図である。
【0019】P型Si基板101上にゲート酸化膜10
2を介して、例えばN+のポリシリコンで形成されたゲ
ート電極103が設けられている。このゲート電極はま
わりを完全にSiO2等の絶縁膜104で覆われている
ため、電気的にはフローティング状態にある。
【0020】105−1〜105−4は、例えばN+
リシリコンで形成された入力ゲート電極であり、フロー
ティングゲート103とは、例えば、SiO2等の絶縁
膜106で隔てられている。これらの入力ゲート電極の
電位はAl配線106−1〜106−4によって供給さ
れる電圧により決定されるようになっている。
【0021】107、108はそれぞれ、例えばAsイ
オンを注入することにより形成されたソース及びドレイ
ンであり、109、110は、それぞれソース及びドレ
インに接続されたAl配線である。この本発明による半
導体装置は、ゲート電極105−1〜105−4に加え
られた電圧V1、V2、V3、V4に所定の重みをかけた線
形加算値がある閾値を越えた時に、Si基板表面111
に反転層、即ちチャネルが形成され、ソースとドレイン
が導通状態になる機能を有している。このデバイスが以
上に述べたような電圧の線形加算機能を有することを次
に詳しく説明する。
【0022】今、図1(a)のデバイスを図1(b)の
ように一般化したモデルで考える。201はフローティ
ングゲートを表し、図1(a)の103に相等する。2
02−1、202−2、202−3、…、202−nは
図1(a)の4個のコントロールゲート105−1、1
05−2、105−3、105−4がn個ある場合に一
般化して表したものであり、C1、C2、C3、…、Cn
各ゲートとフローティングゲート201の間の容量結合
係数(キャパシタンス)を表したものである。C0はフ
ローティングゲートと基板101との間の容量である。
今、フローティングゲートの電位をVF 、入力ゲートに
印加される電圧をV1、V2、V3、…、Vn、基板の電位
をV0とする。また、C0、C1、C2、…、Cn等のキャ
パシタンスに蓄えられる電荷をそれぞれQ0、Q1
2、…、Qnとすると、Q0=C0(V 0−VF)、Q1
1(V1−VF)、Q2=C2(V2−VF)、…、Qn=C
n(Vn−VF)となる。
【0023】ここで、フローティングゲート内の全電荷
量をQF とすると、
【0024】
【数5】 となる。
【0025】従って、VFは次式で求められる。
【0026】
【数6】 である。ここで図1(a)のデバイスを、フローティン
グゲート103をゲート電極とする MOSFETとみ
なしたときの閾電圧をVTHとする。つまり、ゲート10
3がVTHボルトとなったときに、基板表面111にチャ
ネルが形成されるとする。(1)式においてVF>VTH
とおくと、
【0027】
【数7】 である。(2)式は、ゲート202−1、202−2、
202−3、…、202−nへの入力電圧に各々重みW
1、W2、…、Wnを掛けて加算した値を意味し、この値
が、
【0028】
【数8】 で与えられるVTH *より大となったときに図1(a)の
デバイスはオンしてソース・ドレインが導通するのであ
る。通常基板はアースするのでV0=0であり、フロー
ティングゲート中に存在する電荷の総和は0であるか
ら、 VTH * =VTH …(4) である。
【0029】以上のように、本発明による半導体装置
は、入力に重みをかけて線形加算を行い、その結果を閾
値VTHと比較して、MOSトランジスタのオン、オフ状
態を制御する機能を有していることが分る。つまり、単
体素子のレベルで高度な演算機能を持つ全く新しいトラ
ンジスタであり、これはこれから示すようにニューロン
・コンピュータ構成に非常に適した素子であるため、ニ
ューロMOSトランジスタ、略してν(ニュー)MOS
と呼んでいる。
【0030】図1(c)は、νMOSを表す略記号であ
り、Sはソース、Dはドレイン、G 1、G2、G3、G4
それぞれ入力ゲートを表している。
【0031】今、図1(c)の記号を用いて表したニュ
ーロ素子の構成を図1(d)に示す。これは本実施例の
変形例である。νMOSのドレイン121が負荷素子1
22を介して電源ライン(VDD)に接続されている。こ
の回路では、Z=W11+W 22+W33+W44とし
たとき、Vout1とZの関係は図1(e)に破線で示した
ようになる。また、Vout1を一般のインバータ123を
通すと、出力Vout2は同図に実線で示したようになる。
つまり、この簡単な回路によって、図19(a)に示し
たニューロン1個の機能が実現されているのである。図
1(d)の回路を、従来例を示す図20(a)、(b)
と比較すれば本発明の絶大な効果は明らかである。即
ち、従来例では、1個のニューロンを構成するのに少な
くとも30個程度のバイポーラトランジスタを必要とし
たのに対し、本発明ではたった2個のMOSトランジス
タで実現されていることである。チップ上に占める面積
を1ケタ以上小さくすることが可能であり、超高集積化
がはじめて可能となったのである。さらに従来例では、
電流の加算性を利用して電圧の加算を行っており、電流
の大量に流れるバイポーラトランジスタを用いて回路を
構成していたため消費電力が非常に大きかった。しかる
に本発明では、たった2個のMOSトランジスタで構成
されているため、ほとんど電力を消費しない。MOS
は、そもそも電圧制御型デバイスであり、わずかな電荷
量によって、そのオン・オフ状態の制御ができるため消
費電力が少ない。加えて、電圧入力をそのまま加算でき
る機能を有したνMOSを用いているため、図20
(a)で行ったように電圧を一度電流に変換して加算す
る必要が全くない回路構成になっており、本質的に低消
費電力動作が可能なニューロンである。以上に述べた高
集積性、低消費電力という2つの特徴により、はじめて
ニューロコンピュータ用回路が実用的なレベルで実現可
能となったのである。
【0032】図1(f)は、図1(a)に示した本発明
の第1実施例であるνMOSの平面図であり、図中の番
号は図1(a)の番号と対応している。107、108
はソース及びドレイン、105−1〜105−4は4個
の入力ゲート、103はフローティングゲートであり、
X−X’での断面は図1(a)に相当している。ただし
ここでは、図面を見易くするため絶縁膜104、アルミ
ニウム配線109、110、106−1〜106−4等
は省略してある。これらは適宜必要な場所に設ければよ
い。
【0033】図1(g)は、図1(f)のY−Y’断面
を示す図で、やはり図面に付した番号は共通である。こ
こで112は素子間分離のフィールド酸化膜である。
【0034】さて、ここで具体的な素子の設け方の例に
ついて述べておく。例えば、図1(a)、(f)、
(g)の実施例では、P型基板として(100)面で抵
抗値0.5Ω・cmのものを用い、ゲート酸化膜(Si
2)の厚さを500Å、フローティングゲートと入力
ゲート間の絶縁膜(SiO2)の厚さを500Å、フロ
ーティングゲートとチャネル形成量領域の重なり部分を
3μm×3.5μm、フローティングゲート103と入
力ゲート105−1、105−2、105−3、105
−4とのそれぞれの重なり部分の大きさを、4μm×
0.75μm、4μm×1.0 μm、4μm×0.5
μm、4μm×0.75 μmとして設計されている。
フィールド酸化膜 112は約1μmと厚いので、フィ
ールド酸化膜を間にはさんだ部分でのフローティングゲ
ート 103と基板101、あるいはコントロールゲー
ト105と基板101の間の容量は小さく無視すること
ができる。以上のデータをもとに計算するとC0:C1
2:C3:C4=10.5:3:4:2:3となり、 Z=0.13V1+0.18V2+0.089V3+0.13V4 …(5) と表される。VS=0で、且つ、フローティングゲート
内に電荷の注入はないとすると(4)式よりVTH *は約
1.0Vとなり、例えば入力がV1=0V、V2=5V、
3=5V、V4=5Vの場合は、Z=2.0Vとなり、
図1(d)のVou t2は5Vとなる。また、V1=0V、
2=0V、V3=5V、V4=0VのときはZ=0.4
5Vとなり、Vout2は、約0V(低レベル)となる。こ
こでは例として、入力として0V又は5Vの場合のみに
ついて説明したが、入力が0Vと5Vの中間の値、ある
いは負の値であってもよいことはもちろん言うまでもな
い。また、Vout2をこのニューロンの出力として用いる
場合について説明したが、例えばその反転出力Vout1
そのまま出力として用いてもよい。
【0035】(第2実施例)図1(a)、(f)、
(g)に示した本発明の第1実施例は、図1(f)より
明らかなように入力ゲートをチャネル方向(X−X’の
方向)に並べているため、必然的にνMOSのチャネル
長が長くなってしまう。このことは、高速動作を実現す
る上では、不利である。そこで図2に基づき、νMOS
のショートチャネル化を可能にした本発明の第2実施例
を説明する。図2(a)は平面図であり図2(b)、
(c)はそれぞれX−X’及びY−Y’における断面構
造を模式的に表したものである。図2(a)では簡単の
ため、Al配線及びAl配線下の層間絶縁膜は省略され
ている。図において201は、例えばP型Si基板、2
07、208はそれぞれソース及びドレイン、202は
ゲート酸化膜、203はフローティングゲート、205
−1〜205−4はそれぞれ入力ゲート、206−1〜
206−4は入力ゲートに接続されたAl配線、20
9、210はそれぞれソース及びドレインに接続された
Al配線、206はフローティングゲートと入力ゲート
間の絶縁膜、204はAl配線下の絶縁膜である。さ
て、このνMOSで、例えばフローティングゲートとチ
ャネル形成領域の重なり部分の面積を1μm×4μm、
フローティングゲートと入力ゲート205−1、205
−2、205−3、205−4との重なり部分の面積を
それぞれ1μm×0.75μm、1μm×1μm、1μ
m×0.5μm、1μm×0.75μmと設計し、その
他のパラメータは図1(a)と同様とすると、 Z=0.107 V1+0.143 V2+0.071 V3+0.107 V4 …(6) となる。ここでV1、V2、V3、V4はそれぞれ入力ゲー
ト205−1、205−2、205−3、205−4に
加えられる入力電圧を表している。例えば、このトラン
ジスタを用いて図1 (d)のような回路を構成したと
すると、V1=5V、V2=5、V3=0V、V4=5Vの
場合は、Z=1.78となり、Vout2は、5Vが出力さ
れ、また、V1=0、V2=0、V3=5V、V4=5のと
きには、Z=0.99Vとなり、Vout2には約0Vが出
力され、ニューロン動作を行い得ることは明らかであ
る。
【0036】上記第1及び第2実施例では、入力電圧に
乗じる重みが、入力ゲートとフローティングゲートの重
なり部分の容量Ci(i=1〜4)と全容量、
【0037】
【数9】 との比で決められている。つまり入力ゲートとフローテ
ィングゲートの重なり面積を変化することで重みを自由
にかえることが可能である。あるいは、入力ゲート、フ
ローティングゲート間の絶縁物の種類をかえ、その誘電
率の違いによって容量をかえてもよい。例えば絶縁物と
して、SiO2、Si34、Al23等を用いると、重
なり部分の面積を同一としても、その容量の大きさの比
は、約1:2:2.3となる。もちろん重なり部分の面
積を同時に変化させることにより、さらに大きな比を実
現することができる。特に小さな重なり面積で大きな容
量結合係数を得たい場合、即ち、入力ゲートとの結合を
表す重み係数Wi(i=1〜4)を特に大きくしたい場
合は、高誘電率材料、例えばTa25等を用いればよ
い。この場合、SiO2を用いた場合に比較して、同じ
面積で約5倍の大きさの重みが実現できる。さらに、こ
れら絶縁膜の膜厚を変えることによっても容量、すなわ
ち重み係数を変えることができる。
【0038】(第3実施例)以上述べた本発明の第1、
第2実施例では、入力にかける重み係数(W1 〜W 4
は、νMOSの構造で決まり、素子形成後には変更する
ことができない。これらの重み係数を自由に変更できる
ようにしたニューロンが、図3にブロック図で示されて
おり、これが本発明の第3実施例であ る。301は1
つのニューロン素子であり、例えば図1(d)のような
構成を用いた回路で構成されている。もちろんこのニュ
ーロン素子は、後の図4、図5、図6、図8等で説明す
る本発明のその他の実施例で実現されるニューロン素子
を用いてもよい。302−1、302−2、…、302
−nはそれぞれ入力信号電圧V1、V2、…、Vnに、重
みW1、W2、W3、…、Wnを掛け算した値を出力する回
路である。例えば、302−1を例にとって説明する
と、この 回路は少なくとも3つの端子303、30
4、305を有しており、303は信号電圧の入力端子
である。304は出力端子であり、入力電圧V1に重み
1を掛け算した結果W11を出力する。第3の端子3
05は、制御信号X1の入力端子であり、このX1の大き
さによって重みW 1の大きさを変化できるようになって
いる。すなわち、この回路構成によってニューロン素子
301への入力信号にかかる重みは、自由に変化させる
ことができるのである。これは、ニューロンコンピュー
タを実現する上で非常に重要である。なぜなら、実際の
生体で行われている情報処理では、この重み係数を刻々
変化させることにより演算を行っているのである。つま
り演算結果に基づいて、この重みを順次変化させること
により、認識、連想、学習といった高度な情報処理を生
体は実現しているのである。即ち、図3の構成は、ニュ
ーロンコンピュータ構成の最も基本となるものである。
なお、302−1、302−2、…、302−n等の重
み掛け算回路の具体的な構成については後程詳しく説明
する。
【0039】図3の構成では、入力信号への重みづけは
重み掛け算回路で行われるため、301のデバイスで
は、例えば図1、図2に示したように入力ゲートとフロ
ーティングゲートの重なり面積を変化させて重みをかえ
る必要がない。つまり、すべて同じ重なり面積でデバイ
スを設計することが可能であり、デバイスの汎用性が大
きくなる。もちろん、面積、あるいは間にはさむ絶縁膜
の種類や膜厚等をかえて、重み掛け算回路と両方で信号
にかかる重み係数を決定してもよい。
【0040】図4〜図6は、重なり面積を一定とした
様々なνMOSの構造を示した本発明の第4〜第6実施
例を説明する図面である。
【0041】(第4実施例、第5実施例)図4の実施例
は、第2実施例(図2)において、入力ゲート205−
1〜205−4相互の間隔を小さく、より素子の微細化
を可能とした例である。即ち、図2(c)において、各
入力ゲート間の間隔は、リソグラフィー工程の解像力の
限界によって規定されるが、図4の実施例では各入力ゲ
ートは互いに重ね合わせて設置されており、隣接する入
力ゲートの間隔は絶縁膜402の厚さに等しい。この構
造を実現するには、例えばフローティングゲート403
形成後、その表面に熱酸化膜404等の絶縁薄膜を形成
し、その上にまず入力ゲート401−1、401−3、
401−5を形成する。次いで、これらの入力ゲート表
面に絶縁膜を形成した後、再び入力ゲート401−2、
401−4を形成するのである。なお、図において40
5、406、407はそれぞれP型Si基板、フィール
ド酸化膜及びAl配線である。
【0042】図5は本発明の第5実施例を示す図であ
り、(a)はその平面図、(b)はX−X’における断
面図である。501はフィールド酸化膜の領域、50
2、503はソース及びドレイン領域であり、この図に
おいてAl配線の簡単化のため省略されている。本実施
例の特徴は、フローティングゲート504と、入力ゲー
ト505の結合が フィールド酸化膜上で行われている
点である。この構成では、フローティングゲートとシリ
コン基板との重なり面積とは関係なく、各入力ゲートと
フローティングゲート間のオーバラップ面積が決定でき
る。つまり、MOSトランジスタ部分とフローティング
ゲートと入力ゲートの結合部分を分離独立して設計でき
るため素子設計の自由度が非常に大きくなる。例えば、 C1 +C2 +C3 +C4 ≫C0 と設計してやれば、 CTOT ≒C1 +C2 +C3 +C4 となり、 W1 +W2 +W3 +W4 ≒1 …(7) とできる。第1、第2の実施例では、W1 +W2 +W3
+W4 の値は、それぞれ0.529及び0.428であ
り、1よりは小さい。つまり、本実施例では、各重み係
数の値を大きくすることができるのである。
【0043】また、式(3)より式(4)を導くに際
し、基板の電位Vsを0Vと仮定した。これは、近似的
には正しいが厳密な意味では正しくない。その理由は、
例えば図1(a)で半導体基板表面111にチャネルが
形成されると、チャネルの電位はソース端で0Vとな
り、ドレイン108に向うに従ってドレイン電位に徐々
に近づいて行く。もちろん、大きな電位変化はドレイン
近傍でのみ生じるのでチャネル電位を全体として略々0
Vと仮定してもよかったのである。しかし、トランジス
タがショートチャネル化されれば、やはり誤差が生じ
る。また、シリコン表面111にチャネルが形成されて
いる場合には、C0(フローティングゲートと基板Si間
の容量結合係数)はC0X(ゲート酸化膜の容量でC0X
εoεrS/toxとなる。ここで、εoは真空の誘電率、
εrはSiO2の比誘電率、Sはチャネルの面積である)
とほぼ等しい。しかし、チャネルが消失している場合に
はシリコン表面には空乏層が形成されており、C0はC
0Xと空乏層容量CDの値より接続したもの、即ちC0
(1/C0X+1/CD)-1に等しい。ここで、CD=ε
oεr'S/Wであり、εr'はSiの比誘電率、Wは空乏
層の厚さである。Wはフローティングゲートと基板間の
電位差により変化するためC0も変化することになる。
従って(3)式におけるC00は一定値をとるのではな
く、デバイスの動作条件によって変化し得る値である。
つまり、(3)式で与えられる閾値VTH *はこれに従っ
て変化するのである。通常この変化は、VTH *の大きさ
にくらべて小さいため、余り大きな問題とはならない
が、デバイス動作により高い精度を要求するならば、V
TH *は変動しないことが望ましい。しかるに、本発明第
5実施例ではC0≪CTOT とできるため、(3)式の第
2項は、十分小さな値とすることが可能であり、このV
THの変動の問題は解決することができるのである。
【0044】(第6実施例)図6は本発明の第6実施例
を示す断面図であり、601は例えばP型Si基板、6
02はフィールド酸化膜、603はフローティングゲー
ト、604は4つの入力ゲートである。この実施例の特
徴は、さらにもう1つの制御ゲート605を設けたとこ
ろにあり、制御ゲートはフローティングゲートの下部に
絶縁膜606を介して設置されている。今、フローティ
ングゲートと制御ゲート605の間の容量結合係数をC
C と表し、CTOT =C1+C2+C3+C4+CC(C1〜C
4は4つの入力ゲートとフローティングゲート間の容量
結合係数)は、C0 にくらべて十分大きく、C0/CTOT
≒0とみなせるとする。そうすると(3)式は
【0045】
【数10】 となる。ここで、VCはコントロールゲートの 電位で
あり、QF=0と仮定した。(8)式は、VTH *の値をV
Cの値でコントロールできることを示している。即ち、
本発明の第6実施例である、図6のνMOSを用いて図
1(d)のような回路を構成すると、その入力に対して
out2がOVからVDDに変化する際の閾値の値VTH *
制御ゲートへの入力電圧によって可変となるのである。
即ち、ニューロン動作の閾値を可変とで き、ニューロ
ン・コンピュータ構成がよりフレキシブルに行えるよう
になるのである。しかしこのような閾値可変の機能は、
図6の構造に限ったことではない。図1、図2、図4、
図5のいずれの場合においても、入力ゲートの1つを制
御ゲートとみなしてやれば同様の機能が実現できるので
ある。
【0046】(3)式において、QF ≠0の場合は
(8)式は、
【0047】
【数11】 となる。VC=0として、このデバイスを働かせるとす
ると、
【0048】
【数12】 となる。今、QF=0の状態にあると仮定しよう。そう
すれば当然VTH *=VTHである。次に、例えばVC =0
の状態で、入力ゲート604のすべてに+20Vを印加
したとする(V1 =V2 =V3 =V4 =20V)。ここ
で例えば、(C1+C2+C3+C4):CC=4:1と設
計されていたとすると、VF=16Vとなる。チャネル
部のゲート酸化膜607の膜厚を、例えば100Åとす
ると、ゲート酸化膜には16Vの電圧がかかることにな
り、この電圧によって酸化膜中を電子が流れてフローテ
ィングゲート中への電子の注入がおこる。その結果、Q
F<0となり、(10)式によりVTH *=VTH+|QF
/CTOT となり、電子注入前にくらべて|QF |/C
TOTだけVTH *が大きくなる。この時、各入力ゲートに加
える電圧をコントロールすることによりVTH * の変化量
をコントロールできる。例えば、V1 =V2 =V3 =V
4 にして20Vから変化させてもよいし、各々違う値を
とってもよい。また逆に、V1 =V2 =V3 =V4 =−
20Vとしてやれば、電子が放出され、QF>0とな
る。このときは、
【0049】
【数13】 となって注入前よりも、閾値が低くなる。電子の放出
は、例えば、V1=V2=V 3=V4=0VとしてVC=−
20Vとしても同様に行うことができる。
【0050】以上述べたように、νMOSにおいてはフ
ローティングゲート603の電位をコントロールし、絶
縁膜を通しての電子の注入・放出等を行うことにより、
フローティングゲート内の電荷量を制御し、(10)式
に従って、ニューロン素子の閾値を変化させることがで
きるのである。この方式によりVTH *を制御してやれ
ば、その値は次の注入・放出を行うまでは不変である。
つまり、回路の電源を切ってもVTH *の値は記憶される
のである。
【0051】図6で説明した例では、ゲート酸化膜を通
して電子の注入・放出を行う場合について述べたが、こ
れは他の部分で行わせてもよい。例えば、フローティン
グゲートと制御ゲート605の間の酸化膜606、ある
いはフローティングゲートと入力ゲート604の間の酸
化膜608のいずれかで行わせてもよい。あるいは、こ
れらの酸化膜 607、606、608の一部のみに膜
厚の薄い部分を形成し、その部分で注入・放出を行わせ
てもよい。また、図6では制御電極605と入力ゲート
604に、それぞれ異る値の電圧を加えてることで注入
・放出を制御したが、これは入力ゲート同士に異る値の
電圧を加えて行ってもよい。即ち、605の如き特別な
制御ゲートは不要であり、例えば図1、図2、図4、図
5に示した例で、各々の入力ゲートに加える電圧を制御
して行ってもよいことは明白である。いずれにせよ、通
常のスイッチング動作では注入・放出が生じてはならな
いので、注入・放出動作時にはスイッチング動作時より
高い電圧が必要となる。
【0052】本発明のνMOSを用いたニューロン素子
は、例えば図1(d)のような回路構成で実現できる。
ここではνMOS124に接続する負荷素子として、抵
抗122を用いているが、これは抵抗以外の素子でもよ
い。その例を図7(a)、(b)に示す。
【0053】図7(a)は、Nチャネルディプレション
モードMOSトランジスタ701を用いたものであり、
同図(b)は、Nチャネルエンハンスメントモードトラ
ンジスタ702をそれぞれ負荷として用いた例である。
図1、図2、図4、図5、図6、図7等は、P型基板上
にNチャネルのνMOSを形成する場合について説明し
たが、N型基板上にPチャネルのνMOSを形成する場
合も全く同様の機能が実現されることはいうまでもな
い。
【0054】(第7実施例)以上、本発明のνMOSを
用いたニューロン素子の形成方法として、図1(d)及
び図7(a)、(b)等の構成について説明したが、こ
れらの構成の1つの問題は、νMOS124、703、
704が導通状態となったとき、VDDからアースに直流
電流が流れることである。特に、同図のようにNMOS
のインバータと組合わせた場合には、Vout2のHIG
H、LOWのいずれの状態に対しても、必ずどちらかの
パスに貫通電流が流れることとなり、消費電力低減の観
点からは望ましくない結果となる。また、Z>VTH *
ときは、Vout1には、low levelがでる訳であるが、こ
れは完全な0Vではなく、VDD×RON/(RON+RL
となる。ここで、RONはνMOSのON抵抗、RL は負
荷素子の抵抗値である。通常、RON≪RL と設計するた
め、ほぼ出力電圧は0に近くなるが、望ましくは完全に
0Vの出力されるのがよい。以上の要請に答えられるよ
うにしたのが本発明の第7実施例である。
【0055】図8(a)は、本発明の第7実施例を示す
平面図であり、図8(b)は図8(a)のX−X’にお
ける断面図である。
【0056】801はP型基板803上に形成したNチ
ャネル型のνMOSであり、802はN型基板804上
に形成したPチャネル型のνMOSである。805は、
フローティングゲートであり、P型基板803及びN型
基板各々の上にゲート絶縁膜806、807を介して設
けられている。808−1、808−2、808−3、
808−4は各々4つの入力ゲートである。809、8
10はそれぞれN+のソース及びドレイン、811、8
12はそれぞれP+のソース及びドレインである。81
3、814、815はAl配線であり、813はV
SS(アース)電位に、814はVDD(正の電源電圧、例
えば5V)に接続されている。なお、815’はフィー
ルド酸化膜であり、816はAl配線下の絶縁膜であ
り、817、817' 、817''、817'''は絶縁膜
816に開口されたコンタクトホールである。
【0057】さてここで、例えば、NMOS、PMOS
のゲート長は1μm、ゲート幅は3μm、ゲート酸化膜
200Åとなっている。また、入力ゲートとフローティ
ングゲートの重なり面積はすべて同一で、4.5(μ
m)2となっており、また両者の間の絶縁膜818はS
iO2で、厚さは100Åとなっている。このときフロ
ーティングゲート 805の電位をZとすると、 Z=0.214(V1 +V2 +V3 +V4 ) …(11) となる。ここで、V1、V2、V3、V4は、4つの入力ゲ
ートへの入力電圧である。今、フローティングゲートか
らみたNチャネルνMOS801の閾値VTn *を1V、
PチャネルνMOS802の閾値VTp *を−1Vと設計
したとする。Zに対する815の電位Vout1を求める
と、第8図(c)の実線のようになる。Z<1Vのとき
は、NチャネルνMOS810がOFF、Pチャネルν
MOS802がONとなって、Vout1は5Vとなる。Z
>4のときは、PチャネルνMOS802がONとな
り、NチャネルνMOS801がOFFとなり、Vout1
は0Vとなる。このように、低レベルが正確に出力され
るだけでなく、低レベル出力時にも貫通電流の流れるこ
とがなく、極めて低消費電力のニューロン素子が形成で
きる。図8(c)の破線で示したのは、VTn=2V、V
Tp=−2Vの場合のVout1とZの関係であり、5Vから
0Vへの特性変化が急峻である。このように閾値V Tn
Tpの組合わせにより、特性をコントロールすることが
できる。本発明の第7実施例は、低消費電力という優れ
た特性をもったνMOSであり、NチャネルνMOSと
PチャネルνMOSが1つのフローティングゲートを共
有し、お互いに相補的にON、OFFを行っているた
め、Complementary νMOS、略してC−νMOSと呼
ぶ。
【0058】以上バルクSiウエハー上でνMOSをつ
くる場合についてのみ述べたが、たとえばSOI基板、
つまり絶縁膜上に形成されたSi層内に本発明のデバイ
スをつくってもよい。
【0059】(第8実施例)図9は、C−νMOSを用
いたニューロン素子の構成例であり、本発明の第8実施
例を示している。901は、4つの入力ゲートを持った
C−νMOSを表す記号であり、902はCMOSのイ
ンバータである。903、904、905、906は、
4つの入力電圧V1、V2、V3、V4に、それぞれX1
2、X3、X4の制御電圧で決定される重み係数W1、W
2、W3、W4をかけて出力し、C−νMOSの入力ゲー
トに信号を供給する回路である。Vout2は、Vout1がH
IGHレベルのときにLOW、Vout1が LOWレベル
のときにHIGHレベルを出力する。Vout2のHIG
H、LOWのいずれの場合にも、C−νMOS901、
CMOSインバータ902には、どちらも貫通電流が流
れていない。
【0060】図8、図9の例では、808−1〜808
−4はすべて入力ゲートとしたが、このうちの少なくと
も1本を図6で述べた制御ゲート605の如く用いても
よい。例えば、808−1に固定電位を与え、これによ
り、VTn、VTpをコント ロールしてもよい。また、6
05の如き制御ゲートを別途設けてももちろんよい。更
に、フローティングゲートへの電荷の注入等を利用して
もよいことは言うまでもない。
【0061】次に、図3及び図9に用いた重みを掛け算
する回路(302−1〜302−n、及び903、90
4、905、906)についての実施例について説明す
る。図10は重み掛け算回路の1例を示す回路図であ
る。例えば、1001はNMOSで、その閾値VTHは略
々0Vに設定されている。ROは抵抗であり、RX は入
力電圧Xによってコントロールされる可変抵抗である。
1002の電位をVmとするとVm=VinーVTHで与えら
れるため、VTH=0とすると、Vm=Vinとなる。従っ
て、出力電圧Vout は、
【0062】
【数14】 で与えられる。
【0063】従ってこの回路は、Vinという入力に対
し、Rx/(Ro+Rx)なる重み係数を掛けて出力する
機能をもっている。このとき、入力電圧Xによって可変
抵抗の値Rxをコントロールできれば、重み係数を自在
に変化させることができる。可変抵抗の実現方法として
は、例えば図11に示したように、1つのMOSFET
を使用してもよい。ゲートに一定の電圧VGを印加して
おくと、その電流電圧特性は同図に示したようになり、
Gの値によって変化する。従って、これを可変抵抗と
して用いることができる。しかし、図から明らかなよう
にI−V特性の非線形性が大きく、回路設計には注意が
必要である。
【0064】(第9実施例)次に本発明のνMOSを用
いれば、非常に線形性の優れた可変抵抗の実現できるこ
とを次に示す。このことを説明するために、νMOSの
特性を少し一般的に解析してみる。図12は、2つの入
力ゲート1201、1202をもつνMOSを記号で表
したものであり、ソースをアース電 位としたときのド
レイン電圧をVD、入力ゲートの電圧をV1、V2、フロ
ーティングゲート1203の電圧をZと表す。また、こ
のνMOSのチャネル長、チャネル幅をそれぞれL、
W、フローティングゲートからみた閾値をVTHとする
と、ドレイン電流IDは次式で表される。即ち、
【0065】
【数15】 ここで、μnは電子の表面移動度、COはフローティング
ゲート下のゲート酸化膜容量である。また、 Z=W11+W22 …(13) と表される。ここで、
【0066】
【数16】 である。
【0067】本発明の第9実施例を図13に示す。ここ
に示されるνMOSにおいては、第1入力ゲート120
1はドレインと接続され、第2入力ゲート1202に
は、一定電圧V2が与えられている。(13)式におい
てV1=VDとし、(12’)式に代入すると、
【0068】
【数17】 となる。
【0069】ここで、W1 =とすると、VD 2の項が消え
て次式となる。
【0070】
【数18】 図13(b)に示すようにI DはVDに比例し、νMOS
は線形抵抗素子となるのである。このνMOSの外部か
らみた直流抵抗値Rxは、
【0071】
【数19】 で与えられることになる。つまり、V2の値によって抵
抗値が制御できることになる。(15)式において、R
X>0となるためには、 W22 −VTH>0 …(16) となるように、W2 、VTHを設定しなくてはならない。
νMOSをデプレション形とすれば、VTH<0であり、
(16)は常に満足される。また、W1=1/2とする
ためには、
【0072】
【数20】 すなわち、 C0 +C2 =C1 とする必要がある。これには、COの効果を小さくでき
る本発明の第5実施例である図5の如き構造をとるのが
有利である。図13(a)の回路を図10のRXとして
用いれば、V2の値によってその抵抗値を制御でき、理
想的な重み掛け算回路が実現できる。このようにνMO
Sは、極めて有効な応用が可能であり、本発明による新
しいトランジスタの幅広い応用性を示している。
【0073】上の解析はフローティングゲート内の電荷
を0として行ったが、例えばQFなるチャージが存在す
るとすると(15)式の抵抗値は、次のように修正され
る。即ち、
【0074】
【数21】 となる。図6において第6実施例として述べたように、
フローティングゲート内への電子の注入、あるいはフロ
ーティングゲートからの電子の放出を利用して抵抗値を
記憶させることができる。この場合、V2は電荷の注入
を行う場合のみ電圧を印加すればよく、通常動作では一
定値に保っておけばよい。
【0075】(第10実施例)これまで述べてきたニュ
ーロン回路は、すべて正の電源電圧VDDを1つ用いて構
成されていた。従って、信号はすべて正の値のみであ
り、負の値は扱うことができなかった。図14(a)
は、正負の信号を自在に扱える本発明第10実施例で説
明する回路図である。1401は、図8で述べた如きC
−νMOSであるが、NチャネルνMOSのソース14
02は負の電源電圧(−VDD)に接続されている。14
03はCMOSのインバータであり、やはりNMOSの
ソース1404は(−VDD)に接続されている。140
5、1406はそれぞれPチャネルMOSFET及びN
チャネルMOSFETであり、その閾値は、それぞれ略
々0Vに設定されている。V1、…、Vnは、正負の任意
の値をもった入力である。Vou t2は、Z>VTH *ならば
+VDD、Z<VTH *ならば−VDDの値をとる。さてここ
で、1408の回路動作について考えてみる。Vout2
正の場合には、PMOS1405はOFFとなり、14
08は図14(b)のようになる。即ち、
【0076】
【数22】 となり、Vout3は正の値が出力される。
【0077】また一方、Vout2が負の場合には、NMO
S1406がOFFとなり、1408は図14(c)と
なる。即ち、
【0078】
【数23】 となって、今度は負の値が出力されることになる。つま
り、正負も考慮して重み係数の掛け算ができるのであ
る。1408の如き回路を、例えば図8(c)の903
〜906に用いることにより、正負の信号を扱えるニュ
ーロン回路が構成できるのである。また、本回路におけ
る可変抵抗素子として、本発明の第9実施例の如きνM
OS回路も用いればよいことは、言うまでもない。
【0079】(第11実施例)νMOSは、以上に述べ
たニューロンコンピュータ回路用素子として様々な有用
な応用以外にも、まだ多くの特徴ある応用が可能であ
る。
【0080】図15は本発明の第11実施例を示す回路
図である。1501は、4入力のνMOSであり、それ
ぞれにV1、V2、V3、V4の入力電圧が入力されてい
る。フローティング電極の電圧をZとすると、Z=W1
1+W22+W33+W44と表され、今、フローテ
ィングゲートからみたこのMOSの閾値をVTHとする
と、 Vout =Z−VTH となる。VTHを略々0Vに設定すると、 Vout =W11+W22+W33+W44 となり、入力電圧の、線形加算値を出力する回路とな
る。この様な機能は、例えば多値論理回路には非常に有
用な回路であり、これまで電流の加算性を応用して電圧
の加算演算を行っていたのに較べると消費電力が非常に
小さくなる。また、単一の素子で実現できるため、集積
度の著しい向上がはかれるのである。
【0081】(第12実施例)図16は、図15の回路
を応用したニューロン回路の構成例であり、本発明の第
12実施 例を示す。Vout の出力が2段のインバータ
1602、1603を経てVout2が出力されている。イ
ンバータ1602の閾値をVTHとすれば、 W11+W22+W33+W44>VTH で、Vout にはHIGHの信号が出てくる。即ち、ニュ
ーロンの機能を果すことは明らかである。1602、1
603のインバータは、NMOSのE−R型、E−E
型、E−D型、あるいはCMOS型のいずれであっても
よい。
【0082】(第13実施例)図17は、本発明の第1
3実施例を示すνMOSの構造図である。4つの入力ゲ
ートとフローティングゲートとの容量結合係数を、
1、C2、C3、C4とし、C2=2C1、C3=4C1、C
4=8C1とすると、フローティングゲートの電位Zは、
【0083】
【数24】 と表される。今、V1、V2、V3、V4を1、あるいは0
とすると、(19)式の{V1 +2V2 +4V3 +8V
4 }内の数は2進数(V4、V3、V2、V1)を10進数
で表した値に等しい。つまり、Zは2進数を10進数に
変換した数に比例した電圧値となっている。従って、図
17のνMOSを図15のνMOSとして用いると、V
outは2進数(V4、V3、V2、V1)をD−A変換した
出力が得られるのである。このように、たった1個のν
MOSを用いてD−A変換を行うことができる。これも
νMOSの非常に重要な応用である。
【0084】(第14実施例)図18は、本発明の第1
4実施例を示す図面で、2つの入力ゲート、VG、VC
もつνMOSである。フローティングゲートの電位をZ
とし、フローティングゲートからみた閾値をVTHとする
と、 Z=W1G+W2C と表され、Z>VTHでトランジスタがONする。つまり
1G+W2C>VTH より、
【0085】
【数25】 のとき、このνMOSはONする。即ち、このνMOS
をVGをゲートとする単一のMOSFETであると考え
ると、
【0086】
【数26】 なる新たな閾値をもったトランジスタとみなすことがで
きる。しかも、(21)式より明らかなように、この閾
値は外部から加える電圧VCによって変化させられるの
である。このように、外部信号によって可変な閾値を有
するトランジスタは、これまで存在しなかった。このよ
うなトランジスタは、例えば多値論理集積回路構成上、
非常に重要な回路素子であり、様々な工夫、アイデアが
出されてきたが、νMOSを用いれば、このように簡単
に実現できるのである。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のνMOSは
従来困難とされていたニューロン・コンピュータを低消
費電力で、且つ、高集積度で実現することができるばか
りでなく、D−A変換器や、線形加算器、閾値可変トラ
ンジスタなどアナログ回路、多値論理集積回路等、様々
な応用分野に適用可能な優れた半導体装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を説明するための図であり、(a)
は装置の断面図、(b)は等価回路図、(c)は回路概
念図、(d)は変形例の回路構成図、(e)は特性を示
すグラフ、(f)は平面図、(g)は(f)のY−Y’
断面図である。
【図2】第2実施例を説明するための図であり、(a)
は装置の平面図、(b)は(a)のX−X’断面図、
(c)は(a)のYY’断面図である。
【図3】第3実施例を説明するためのブロック図であ
る。
【図4】第4実施例を説明するための装置の断面図であ
る。
【図5】第5実施例を説明するための図であり、(a)
は装置の平面図、(b)は(a)のX−X’断面図であ
る。
【図6】第6実施例を説明するための装置の断面図であ
る。
【図7】変形例を説明するための回路図である。
【図8】第7実施例を説明するための図であり、(a)
は装置の平面図、(b)は(a)のX−X’断面図、
(c)は特性を示すグラフである。
【図9】第8実施例を説明するための回路図である。
【図10】変形例を説明するための回路図である。
【図11】変形例を説明するための回路図である。
【図12】第9実施例を説明するための回路図である。
【図13】第9実施例を説明するための図であり、
(a)は回路図、(b)は特性を示すグラフである。
【図14】第10実施例を説明するための回路図であ
る。
【図15】第11実施例を説明するための回路図であ
る。
【図16】第12実施例を説明するための回路図であ
る。
【図17】第13実施例を説明するための回路構成概念
図である。
【図18】第14実施例を説明するための回路構成概念
図である。
【図19】従来例を説明するための図であり、(a)は
回路概念図であり、(b)は特性を示すグラフである。
【図20】従来例を説明するための回路図である。
【符号の説明】
102−1,102−2,102−3 演算増幅器(オ
ペアンプ)、 101 P型Si基板、 102 ゲート酸化膜、 103 ゲート電極、 104 絶縁膜、 105−1〜105−4 ゲート電極、 106 絶縁膜、 106−1〜106−4 Al配線、 107 ソース、 108 ドレイン、 109 Al配線、 111 Si基板表面、 201 フローティングゲート、 202 ゲート酸化膜、 203 フローティングゲート、 204 絶縁膜、 205−1〜205−4 入力ゲート、 206 絶縁膜、 206−1〜206−4 入力ゲートに接続されたAl
配線、 207 ソース、 208 ドレイン、 209,210 Al配線、 301 ニューロン素子、 303 信号電圧の入力端子、 304 出力端子、 305 制御信号X1 の入力端子、 401−1,401−3, 401−5 入力ゲート、 402 絶縁膜、 403 フローティングゲート、 404 熱酸化膜、 405 P型Si基板、 406 フィールド酸化膜、 407 Al配線、 501 フィールド酸化膜、 502 ソース、 503 ドレイン、 504 フローティングゲート、 505 入力ゲート、 603 フローティングゲート、 604 入力ゲート、 605 制御ゲート、 606 酸化膜、 607 ゲート酸化膜、 608 酸化膜、 701 モードMOSトランジスタ、 702 Nチャネルエンハンスメントモードトランジス
タ、 801 NチャネルνMOS、 802 PチャネルνMOS、 803 P型基板、 804 N型基板、 805 フローティングゲート、 806,807 ゲート絶縁膜、 808−1〜808−4 入力ゲート、 809,811 ソース、 810,812 ドレイン、 813,814,815 Al配線、 816 Al配線下の絶縁膜、 817,817' ,817'',817''' コンタクト
ホール、 818 絶縁膜、 901 C−νMOS、 902 CMOSのインバータ、 808−1〜808−4 入力ゲート、 1001 NMOS、 1201,1202 入力ゲート、 1203 フローティングゲート、 1401 C−νMOS、 1402,1404 ソース、 1403 CMOSのインバータ、 1405 PMOSFET、 1406 NMOSFET、 1501 νMOS、 1602,1603 インバータ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/8238 27/092 29/66 // G06F 15/18 520

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも4個の主要電極を有する半導
    体装置において、第1及び第2の主要電極間に流れる電
    流の大きさを制御する機能をもった第3の主要電極と、
    前記第3の主要電極による前記第1及び第2の主要電極
    間に流れる電流の制御の仕方そのものを制御する機能を
    もった第4の主要電極とを少なくとも1つ備えたことを
    特徴とする4端子デバイス。
  2. 【請求項2】 前記主要電極の内、少なくとも1つが2
    端子素子または3端子素子の電極と接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載の4端子デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015072610A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 株式会社デンソー 群情報記憶認識装置

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