JPH11258161A - 樹木の成分等の定量方法、装置及び定量方法のプログラム記録媒体 - Google Patents

樹木の成分等の定量方法、装置及び定量方法のプログラム記録媒体

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JPH11258161A
JPH11258161A JP8280798A JP8280798A JPH11258161A JP H11258161 A JPH11258161 A JP H11258161A JP 8280798 A JP8280798 A JP 8280798A JP 8280798 A JP8280798 A JP 8280798A JP H11258161 A JPH11258161 A JP H11258161A
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JP
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raman
raman spectrum
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data
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JP8280798A
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Toshihiro Ona
俊博 小名
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹木の木材成分などを簡便に、かつ高精度に
定量測定できるようにする。 【解決手段】 FTラマン分光装置を用いて、複数の標
準サンプルのラマンスペクトルデータを得、そのシフト
波数領域100〜1800cm-1を選択して使用する。
その複数のラマンスペクトルデータで100〜110c
m-1でのベースラインを揃えるオフセット処理の第1の
前処理を施し、続いてその複数のラマンスペクトルデー
タで1520〜1550cm-1でのバックグラウンドが
等しくなるようにラマンスペクトル強度を調整するアン
プリフィケーション処理の第2の前処理を施す。そのラ
マンスペクトルデータに2次微分を施した後、化学的手
法により求められたそれぞれのサンプルの分析結果を用
いて、それぞれの木材成分を定量するための検量線モデ
ルを作成する。その検量線モデルを用いて、未知サンプ
ルの木材成分の定量値を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は草本類、木本類を含むリ
グノセルロース材料、特に樹木の木材成分、リグニンの
構成成分比、ヘミセルロースの構成成分比、木材比重、
パルプ特性値などに関する定量測定を行なう方法、その
装置及びその定量測定方法をコンピュータに実行させる
ためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な
記録媒体に関するものである。本発明は、例えばパルプ
の原料となる樹木の特性の測定に利用するのに適する。
【0002】
【従来の技術】パルプなど、樹木を原料とする製品のコ
ストを下げるには、目的とする製品に適した特性をもつ
樹木を選択して植林するのが有効である。そのために
は、植林する樹木が製品に適した特性のものであるか否
かを早い段階で見極める手法が必要となる。そこで、成
長に影響を与えない程度の小量のサンプルを樹木から採
取して分析することにより、その樹木の特性を評価する
試みがなされている。
【0003】樹木について測定される項目としては、木
材成分の他、リグニンの構成成分比、ヘミセルロースの
構成成分比、木材比重、パルプ特性値などがある。木材
成分としては、ホロセルロース、α−セルロース、ヘミ
セルロース、リグニン、抽出物、アルカリ抽出物、全抽
出物、脱脂ホロセルロース、脱脂α−セルロース、脱脂
ヘミセルロース、脱脂リグニンなどを挙げることができ
る。
【0004】木材成分の定量は化学分析により行なうこ
とができる。その1つにスモール・スケール法と呼ばれ
る化学分析法がある。スモール・スケール法では、例え
ば200mgずつの12個のサンプルを同時に分析する
ことができるが、何百もの樹木の分析となれば長時間を
要する問題がある。
【0005】そこで、機器を用いて木材成分を定量分析
する方法が検討されている。そのような方法として、13
Cを用いるNMR(核磁気共鳴)分光法、FTIR(フ
ーリエ変換赤外)分光法、NIR(近赤外)分光法など
をあげることができる。しかし、NMR分光法は分析時
間が長くなる欠点をもつ。FTIR法はサンプルを調製
する際、KBr粉末を混ぜて成型しなければならないと
いう煩わしさがある。それに比べるとNIR法は、サン
プルを直接測定できるためサンプル調製が容易であると
いう利点を備え、セルロース、リグニン、熱水加溶分や
アルカリ加溶分の定量に成功を収めている。しかし、例
えばその樹木がパルプとして適するかどうかを評価する
だけでもさらに多くの木材成分を定量する必要がある
が、NIR法では多くの木材成分の吸収域と水の吸収域
とが重なる場合があるため、測定できる木材成分に制約
をうけることがある。
【0006】樹木の木材成分の1つであるリグニンは単
量体のシリンギル(S)とグアヤシル(G)を構成単位
とするポリマーであり、リグニンの構成成分比解析とは
その単量体の構成比S/Gを求めることである。リグニ
ンの構成成分比S/Gは、パルプのシート密度(sheet
density)や裂断長(breaking length)といったパルプ
特性と関係することが知られている。このリグニンの構
成比S/Gを求める手段として、FTIR分光法やNI
R分光法がしばしば利用される。しかし、FTIR分光
法やNIR分光法には木材成分の分析時と同様の問題が
ある。
【0007】ヘミセルロースの構成成分比解析とは、ヘ
ミセルロースを構成するグルコース、キシロース、ガラ
クトース、ラムノース、アラビノース、マンノースなど
の組成を求めることである。ヘミセルロースの構成成分
比はパルプの収率(pulp yield)やシート密度に関係す
ることが知られている。ヘミセルロースの構成成分比解
析にFTIR分光法やNIR分光法が試みられている
が、まだ成功を収めていない。
【0008】木材比重には抽出物の有無により定義され
る容積密度数、抽出物を除く容積密度数、アルカリ抽出
物を除く容積密度数、全抽出物を除く容積密度数、抽出
成分の全てを除く容積密度数などが含まれる。木材比重
は、パルプ特性に限らず、木材としての物理特性や生産
性にも重要な影響を与える。木材の物理特性やパルプ特
性は、また、抽出成分(extraneous compounds)によっ
ても影響を受ける。木材比重の測定はパルプ材の生産性
を管理する上で重要であるが、サンプルの保管状態によ
り収縮度合いが異なるため、木材比重を直接測定するの
は容易ではない。そのため、その代替方法として、パイ
ロディン(Pilodin)を用いることが提案されている。パ
イロディンは木に釘を突き刺す機械であるが、一定の力
でパイロディンを作動させたときの侵入深さから木材比
重を計算により求めることができる。このパイロディン
による方法は、ユーカリ属の樹木のうち、ユーカリグロ
ブラスとユーカリナイテンスそれぞれに関してはうまく
行っているが、ユーカリカマルドレンシスに関してはう
まく行っていない。これは、心材中の抽出物に原因があ
るものと思われる。そのため、パイロディンの方法は多
種類の樹木に同様に適用することはできない。さらに、
ある抽出物を含んだ状態での木材比重の測定となれば、
抽出物の定量に化学処理が欠かせないため、さらに難し
いものとなる。そこで、種々の木材比重を樹木の種類に
よらず共通して迅速に測定できる方法が望まれている。
【0009】パルプ特性には、パルプ収率、シート密
度、比破裂度、裂断長、比引裂度、未晒白色度、カッパ
ー価などが含まれる。パルプ特性は、パルプの収率や品
質に影響を与える。パルプ特性値の測定方法としてはF
TIR分光法とNIR分光法が行なわれているが、それ
らの方法には既に述べたような問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹木
の木材成分、リグニンの構成成分比、ヘミセルロースの
構成成分比、木材比重、パルプ特性値などを、簡便にか
つ高精度に定量測定できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では分析手法とし
てFT(フーリエ変換)ラマン分光法を用い、多変量解
析により木材成分など目的とする項目の定量分析を行な
う。その際、多変量解析に先立って、定量精度を高める
ために、得られたFTラマンスペクトルに対し前処理を
施す。
【0012】すなわち、本発明の定量方法は、以下の工
程(A)から(D)を含んで樹木の木材成分、リグニン
の構成成分比、ヘミセルロースの構成成分比、木材比重
及びパルプ特性値のうちの少なくとも1つの項目を測定
する方法である。 (A)樹木の任意の部位から採取したサンプルを粉体化
し、フーリエ変換ラマン分光法によりラマンスペクトル
データを得るデータ取得工程、(B)複数のサンプルの
ラマンスペクトルデータについて、前記項目に由来する
ラマン散乱及び蛍光が無視できる選択された少なくとも
1つのオフセット処理用シフト波数領域においてベース
ラインを揃えるオフセット処理を施す第1の前処理工
程、(C)複数のサンプルのラマンスペクトルデータに
ついて、前記項目に由来するラマン散乱の主要なピーク
の近傍でピークを含まない部分で任意に選択された少な
くとも1つのアンプリフィケーション処理用シフト波数
領域においてラマンスペクトル強度が等しくなるように
調整するアンプリフィケーション処理を施す第2の前処
理工程、(D)第1、第2の前処理を施したラマンスペ
クトルデータから多変量解析により目的とする項目に関
する定量値を求める工程。
【0013】第1の前処理を施すシフト波数領域は、複
数のサンプルのラマンスペクトルデータについて、測定
対象となる項目に由来するラマン散乱及び蛍光が無視で
きる程度に少ない領域である。その領域は、サンプルの
状態や種類、FTラマン分光測定装置の測定条件などに
起因するベースラインが存在する領域であり、したがっ
て、第1の前処理工程はそれらの変動を修正するもので
ある。第1の前処理は、その波数領域でのベースライン
が同じレベルになるように、スペクトル全体のレベルを
縦軸方向にシフトさせて調整することである。このよう
なレベルシフトをオフセット処理と呼んでいる。
【0014】第2の前処理工程は、サンプル間の蛍光の
強さの違いを主原因として生じる誤差を取り除くもので
ある。樹木サンプルのFTラマン測定では、サンプルに
励起光を照射するとサンプルからは蛍光も同時に発生す
る。蛍光の強さは樹木の着色の強さ等に依存し、サンプ
ルごとに蛍光強度が異なる。着色は樹木の種類によって
も、また1本の樹木の場所によっても変化する。蛍光ス
ペクトルはラマン散乱ピークのベースラインを形成する
が、蛍光強度が変化するとその蛍光強度をベースライン
とするラマン散乱ピークの大きさも変動することがわか
った。そこで、サンプルの着色等に依存する蛍光強度の
変化にともなうラマン散乱ピークの変動を補正するため
に、レベルシフトではなく、ある範囲のシフト波数領域
でスペクトル全体の縦軸方向の倍率を調整して複数のラ
マンスペクトルでラマンスペクトル強度を等しくした。
縦軸方向の倍率を調整する処理をアンプリフィケーショ
ン処理と呼んでいる。
【0015】第2の前処理工程は、複数のサンプルのラ
マンスペクトルデータについて、測定対象の項目に由来
するラマン散乱の主要なピークの近傍でピークを含まな
い部分で任意に選択された少なくとも1つのアンプリフ
ィケーション処理用シフト波数領域においてラマンスペ
クトル強度が等しくなるように調整するアンプリフィケ
ーション処理を施す工程である。ピークを含まない部分
には、ピークとピークの間の部分も、端のピークのベー
スラインの部分も含まれている。第2の処理工程によ
り、複数のサンプルのラマンスペクトルデータでアンプ
リフィケーション処理用シフト波数領域でのベースライ
ンとしてのラマンスペクトル強度が等しくなるように調
整することにより、ラマン散乱ピークの強度が補正され
て定量が可能になる。ラマンスペクトルにはラマン散乱
と蛍光がともに含まれる。ここで、「ラマンスペクトル
強度」は、ラマン散乱と蛍光の両方を含む部分のスペク
トル強度と、いずれかのみを含む部分のスペクトル強度
の両方を含む意味で使用している。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明方法の処理の流れを、具体
的な例を用いて図1から図7により説明する。図1は2
種類のサンプルを測定したFTラマンスペクトルであ
る。鋭く現われているピークは特徴的な木材特性に起因
したラマン散乱によるピークであり、ブロードなスペク
トルは蛍光の影響を強く受けている。したがって、ラマ
ンスペクトルにはラマン散乱による狭い意味でのラマン
散乱スペクトルと蛍光スペクトルとが重なった状態で現
われており、蛍光スペクトルはラマンスペクトルのベー
スラインを形成している。Aは着色の強いサンプル、B
は着色の弱いサンプルであり、着色の強いサンプルの方
が蛍光が強く現われている。横軸は励起波長からのシフ
ト波数であり、+側はストークスラマン散乱、−側はア
ンチ・ストークスラマン散乱である。測定では強度の大
きいストークスラマン散乱側のスペクトルを用いる。C
に示されるピークは試料の状態(形状、寸法、水分等)
の要素の影響を強く受けているピークである。
【0017】定量に使用するシフト波数領域として、例
えば100〜1800cm-1を選択する。しかし、それ
に限定されるものではない。また、使用するシフト波数
領域の選択は、FTラマン分光装置からデータを取り込
む際に行なってもよく、又はそのよりも広いシフト波数
領域のデータを取り込んでおき、データ処理の際に所望
のシフト波数領域のデータを使用するようにすることに
よってシフト波数領域を選択してもよい。
【0018】第1の前処理を施すシフト波数領域とし
て、図1のD1,D2として示されたシフト波数領域、
すなわち、2つのサンプルのラマンスペクトルデータに
ついて、S/N比が100未満の領域を用いることが好
ましい。
【0019】第2の前処理工程を施すシフト波数領域と
して、図1のEとして示された主要なピーク領域での測
定対象の項目に由来するラマン散乱の主要なピークとピ
ークの間の谷間の部分で、谷底の部分を選択するのが好
ましい。しかし、それに限らない。例えば、主要なピー
ク領域Eでの端のピークの肩の部分でもよく、主要なピ
ーク領域EとピークCとの間の部分、又はピークCの左
側の部分でもよい。
【0020】図2はこの2つのラマンスペクトルを10
0〜1800cm-1の波数領域に拡大して示したもので
ある。100〜110cm-1にはラマン散乱も蛍光も現
われておらず、この領域のベースラインはサンプルの状
態や種類、FTラマン分光測定装置の測定条件などに起
因すると考えられるベースラインである。この2つのラ
マンスペクトルでずれを生じている。第1の前処理によ
り、2つのラマンスペクトルでこのベースラインが同じ
レベルになるように、オフセット処理により縦軸方向に
レベルをシフトさせる。図3は第1の前処理を施した後
の2つのラマンスペクトルを表わしたものであり、10
0〜110cm-1で2つのベースラインが一致するよう
に調整されている。
【0021】次に、サンプルの着色等に依存する蛍光強
度の変化にともなうラマン散乱ピークの変動を補正する
ために、第2の前処理を施す。第2の前処理を施すアン
プリフィケーション処理用シフト波数領域として、15
20〜1550cm-1を選ぶことができる。図3に示さ
れる2つのラマンスペクトルでは、この波数領域のラマ
ン強度は大きくずれている。そこで、第2の前処理とし
て、アンプリフィケーションにより2つのラマンスペク
トルのこの領域のラマン強度が同じになるように調整し
た結果が図4のスペクトルである。
【0022】ここまでの処理はどの項目の定量を行なう
場合にも共通である。ここまでの処理の好ましいシフト
波数領域の例は上に示したものであり、再度述べておく
と、100〜1800cm-1のラマンスペクトルデータ
を使用し、第1の前処理工程でのオフセット処理を10
0〜110cm-1で施し、第2の前処理工程でのアンプ
リフィケーション処理を1520〜1550cm-1で施
すことである。しかし、この波数領域に限定されるもの
ではない。
【0023】第1の前処理工程は、複数のオフセット処
理用シフト波数領域について行ない、得られた結果から
計算値と実測値の差が最小となるオフセット処理用シフ
ト波数領域を選択するようにしてもよい。第2の前処理
工程についても、複数のアンプリフィケーション処理用
シフト波数領域について行ない、得られた結果から計算
値と実測値の差が最小となるアンプリフィケーション処
理用シフト波数領域を選択するようにしてもよい。
【0024】第1と第2の前処理を施すことにより、蛍
光強度の異なる種々のサンプル、すなわち、樹種や樹齢
が異なるサンプルについても、また同じ樹木内の異なる
場所のサンプルについても共通に定量することができ
る。
【0025】定量する項目の一例は木材成分である。木
材成分にはホロセルロース、α−セルロース、ヘミセル
ロース、リグニン、抽出物、アルカリ抽出物、全抽出
物、脱脂ホロセルロース、脱脂α−セルロース、脱脂ヘ
ミセルロース、脱脂リグニンなどの小項目が含まれてい
る。本発明では、第1と第2の前処理後に多変量解析を
施すことにより、これらの木材成分をすべて同時に定量
することができる。しかし、必ずしもすべての小項目を
定量するだけでなく、そのうちの複数個を選択して同時
に定量する場合も本発明に含まれる。
【0026】定量する項目の他の例は木材比重である。
木材比重には容積密度数、抽出物を除く容積密度数、ア
ルカリ抽出物を除く容積密度数、全抽出物を除く容積密
度数、抽出成分の全てを除く容積密度数などの小項目が
含まれている。本発明では、第1と第2の前処理後に多
変量解析を施すことにより、これらの木材比重をすべて
同時に定量することができるが、全ての木材比重を測定
する場合だけでなく、そのうちの1つ又はいくつかを選
択して測定する場合も本発明に含まれる。
【0027】定量する項目のさらに他の例はパルプ特性
値である。パルプ特性にはパルプ収率、シート密度、比
破裂度、裂断長、比引裂度、未晒白色度、カッパー価な
どの小項目が含まれている。本発明では、第1と第2の
前処理後に多変量解析を施すことにより、これらのパル
プ特性値もすべて同時に定量することができるが、全て
のパルプ特性値を測定する場合だけでなく、そのうちの
1つ又はいくつかを選択して測定する場合も本発明に含
まれる。
【0028】定量する項目のさらに他の例はリグニンの
構成成分比、すなわちリグニンを構成するシリンギルと
グアヤシルとの単量体構成比S/Gである。リグニンの
構成成分比S/Gを定量する場合は、第2の前処理工程
に続いて、複数のサンプルのラマンスペクトルデータ
で、リグニンに特有のラマン散乱ピークの高さが等しく
なるようにアンプリフィケーション処理によりラマン散
乱強度を調整する第3の前処理をさらに施す。その第3
の前処理を施したラマンスペクトルに対して多変量解析
を施すことにより、リグニンの構成成分比S/Gを定量
することができる。
【0029】第3の前処理を施すラマン散乱ピークのデ
ータとして、例えばシフト波数1595cm-1のデータ
を用いることができる。図5はリグニンの構成成分比S
/Gを測定するために施される第3の前処理を施した後
の2つのスペクトルを示したものであり、1595cm
-1でのピーク高さが一致するように調整されている。
【0030】定量する項目のさらに他の例はヘミセルロ
ースの構成成分比である。ヘミセルロースの構成成分比
解析は、ヘミセルロースを構成するグルコース、キシロ
ース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、マン
ノースなどの小項目の組成を求めることである。ヘミセ
ルロースの構成成分比解析では、第2の前処理工程に続
いて、複数のサンプルのラマンスペクトルデータで、ヘ
ミセルロースに特有のラマン散乱ピークの高さが等しく
なるようにアンプリフィケーション処理によりラマン散
乱強度を調整する第4の前処理をさらに施す。その第4
の前処理を施したラマンスペクトルに対して多変量解析
を施すことにより、列記した全ての単糖類を同時に定量
することができる。しかし、そのように全ての単糖類を
測定する場合だけでなく、そのうちの1つ又はいくつか
を選択して測定する場合も本発明に含まれる。
【0031】第4の前処理を施すラマン散乱ピークのデ
ータとして、木材成分に特有のピーク、例えばシフト波
数376cm-1のピークのデータを用いることができ
る。図6はヘミセルロースの構成成分比を測定するため
に施される第4の前処理を施した後の2つのスペクトル
を示したものであり、376cm-1でのピーク高さが一
致するように調整されている。
【0032】多変量解析は、測定しようとする項目に応
じた前処理を施した後のラマンスペクトルデータを用い
て実行することができる。しかし、ベースラインとなる
蛍光レベル(バックグラウンド)が一定ではないため、
ラマン散乱ピーク強度の測定は容易ではない。また、ラ
マン散乱ピークが孤立した単一のピークではなく、複数
のピークが重なったものである場合には、個々のラマン
散乱ピーク強度を求めるのは容易ではない。そのため、
もとのラマンスペクトルデータを用いるよりも微分した
データを用いる方がラマン散乱ピーク強度を求めるのが
容易で、ピークの判別も明瞭になる。図7は図4の2つ
のラマンスペクトルにそれぞれ2次微分を施した後のス
ペクトルを示したものである。2次微分によりピーク位
置が明瞭になっているだけでなく、なだらかな変化を示
していた蛍光成分が除去されてベースラインがゼロレベ
ルとなり、ラマン散乱ピークデータの取得が容易にな
る。
【0033】本発明の方法を、具体的な例に基づいて、
図8と図9のフローチャートを参照してさらに説明す
る。図8は選択した項目の定量を行なうための検量線モ
デルを作成する手順を示したものである。FTラマン分
光装置を用いて、複数の標準サンプルのラマンスペクト
ルデータを得る。得られたラマンスペクトルデータのう
ち、例えばシフト波数領域100〜1800cm-1を選
択して使用する。その選択されたシフト波数領域の複数
のラマンスペクトルデータで、測定対象項目に由来する
ラマン散乱及び蛍光が無視できるシフト波数領域、例え
ば100〜110cm-1でベースラインを揃えるオフセ
ット処理の第1の前処理を施す。次に、その複数のラマ
ンスペクトルデータで、測定対象項目に由来するラマン
散乱の主要なピークの近傍でピークを含まない部分で任
意に選択された少なくとも1つのアンプリフィケーショ
ン処理用シフト波数領域、例えば1520〜1550c
-1でラマンスペクトル強度が等しくなるように調整す
るアンプリフィケーション処理の第2の前処理を施す。
【0034】次に、測定項目が木材成分又は木材比重で
ある場合には第2の前処理を施したラマンスペクトルデ
ータに2次微分を施す。測定項目がリグニンの構成成分
比である場合には第2の前処理を施したラマンスペクト
ルデータに第3の前処理を施し、その後に2次微分を施
す。第3の前処理は例えばシフト波数1595cm-1
ピークを用いて行なう。また、測定項目がヘミセルロー
スの構成成分比又はパルプ特性値である場合には第2の
前処理を施したラマンスペクトルデータに第4の前処理
を施し、その後に2次微分を施す。第4の前処理は例え
ば、シフト波数376cm-1のピークを用いて行なう。
【0035】2次微分が施されたそれぞれのラマンスペ
クトルデータに対し、化学的手法など他の方法により求
められたそれぞれのサンプルの分析結果を用いて、それ
ぞれの項目、又はそれぞれの項目に含まれる小項目のそ
れぞれを定量するための主成分による検量線モデルを作
成する。多変量解析の一例として、PLS(部分平均自
乗法:partial least squares)回帰法を用いる。PL
S回帰法では、ラマンスペクトルデータを、主成分(P
C:principal components)と呼ばれるいくらかの数の
変数(本発明ではシフト波数)で抽出する。主成分とし
て選ぶシフト波数は任意に選ぶことができるが、例えば
目的とする項目に関係する化合物に由来するラマン散乱
ピークのシフト波数を用いることにより、相関の一層高
い結果を得ることができる。後で述べる実施例には実測
や発表されたスペクトルデータから選んだラマン散乱ピ
ークのシフト波数を主成分の候補として例示している。
用いられる主成分の数は、項目ごとに分散残渣(residua
l variance)、すなわち自由度に対して補正された平均
自乗残余により決定される。
【0036】その検量線モデルが妥当であるか否かが、
他の1組のサンプルを用いて検定プログラムとして行な
われる。検定用のサンプルに対しても、検量線作成時と
同じ条件でラマンスペクトルデータを得、使用するシフ
ト波数領域を選択し、第1の前処理と第2の前処理を施
し、2次微分を施す。測定項目によっては2次微分の前
に第3の前処理又は第4の前処理を施す。2次微分を施
したラマンスペクトルデータに対し、検量線モデルを適
用して求めようとする項目の定量値を推定する。その推
定値を化学的手法など他の方法により求められたその項
目の分析結果と比較し、相関係数や分散誤差を計算して
その検量線モデルを評価する。
【0037】未知サンプルの測定は、図9に示されるよ
うに、検量線作成時と同じ条件でラマンスペクトルデー
タを得、使用するシフト波数領域を選択し、第1の前処
理と第2の前処理を施し、2次微分を施す。測定項目に
よっては2次微分の前に第3の前処理又は第4の前処理
を施す。2次微分を施したラマンスペクトルデータに対
し、検量線モデルを適用して求めようとする項目の定量
値を推定し、出力する。多変量解析の前に2次微分を施
すことは好ましいことではあるが、元のラマンスペクト
ルデータを用いることもできるし、1次微分や3次微分
といった他の微分を用いることもできる。
【0038】本発明の測定装置は樹木の木材成分、リグ
ニンの構成成分比、ヘミセルロースの構成成分比、木材
比重、パルプ特性値といった項目を個別に測定できるよ
うにしたものと、1台の装置でそれらの項目を選択して
切り替えて測定できるようにしたものの両方を含んでい
る。また、それらの項目が複数の小項目を含んでいる場
合には、必ずしも全ての小項目をすべて測定するものに
限らず、必要なものに限定して測定する場合も含んでい
る。
【0039】図10は項目を個別に測定する装置を概略
的にまとめて示したものである。項目のうち、木材成
分、木材比重又はパルプ特性値を測定するための装置
は、図10に実線で示したように、FTラマン分光装置
2と、そのFTラマン分光装置2からの複数のサンプル
のラマンスペクトルデータについて、測定しようとする
項目に由来するラマン散乱及び蛍光が無視できる選択さ
れた少なくとも1つのオフセット処理用シフト波数領域
においてベースラインを揃えるオフセット処理を施す第
1の前処理部4と、第1の前処理部4を経た複数のサン
プルのラマンスペクトルデータについて、測定しようと
する項目に由来するラマン散乱の主要なピークの近傍で
ピークを含まない部分で任意に選択された少なくとも1
つのアンプリフィケーション処理用シフト波数領域にお
いてラマンスペクトル強度が等しくなるように調整する
アンプリフィケーション処理を施す第2の前処理部6
と、第2の前処理部6を経たラマンスペクトルデータと
化学分析結果などとから検量線モデルを作成したり、そ
の検量線モデルの検定を行なったり、さらに未知サンプ
ルに対してはその検量線モデルを用いて定量値の推定を
行なう多変量解析部8と、推定結果を出力する記録計や
ディスプレーなどの出力部10とを備えている。
【0040】項目のうち、リグニンの構成成分比を測定
するための装置と、ヘミセルロースの構成成分比又はパ
ルプ特性値を測定するための装置の場合は、図10に破
線で示されるように、多変量解析部8の前段に第3の前
処理部12a又は第4の前処理部12bを備える。多変
量解析部8はFTラマンスペクトル自体により行なって
もよいが、より好ましくはそのスペクトルを2次微分し
た後に多変量解析を行なうことである。そのため、多変
量解析されるデータに対し2次微分を施す2次微分演算
部14を多変量解析部8の前段に備えていることが好ま
しい。
【0041】図11は木材成分、木材比重、パルプ特性
値、リグニンの構成成分比及びヘミセルロースの構成成
分比のうちのいずれの項目も1台の装置で切り替えて測
定できるようにしたものである。図10の装置と比較す
ると、第2の前処理部6からの出力を受けて、測定しよ
うとする項目に応じて選択を行なう項目選択部16が備
えられている点で異なっている。FTラマン分光装置
2、第1の前処理部4、第2の前処理部6、第3の前処
理部12a、第4の前処理部12b、多変量解析部8、
2次微分演算部14及び出力部10は図10で説明した
ものと同じである。項目選択部16は第2の前処理部1
6の次段に設けられ、第2の前処理部16からのラマン
スペクトルデータを第3の前処理部12a、第4の前処
理部12b及び多変量解析部8のいずれかに入力するも
のである。
【0042】好ましくは、多変量解析部8の前段にその
多変量解析部8に入力されるラマンスペクトルデータに
2次微分を施す2次微分演算部14をさらに備えてい
る。図10、図11において、FTラマン分光装置2以
外の部分はパーソナルコンピュータにより実現すること
ができる。
【0043】本発明は、さらに樹木の成分や特性値等の
定量方法をコンピュータに実行させるためのプログラム
を記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を含んで
いる。そのプログラムは上で説明した処理を行なうもの
であり、すなわち、FTラマン分光装置からの複数のサ
ンプルのラマンスペクトルデータについて、測定しよう
とする項目に由来するラマン散乱及び蛍光が無視できる
選択された少なくとも1つのオフセット処理用シフト波
数領域においてベースラインを揃えるオフセット処理を
施す第1の前処理ステップと、第1の前処理ステップを
経た複数のサンプルのラマンスペクトルデータについ
て、測定しようとする項目に由来するラマン散乱の主要
なピークの近傍でピークを含まない部分で任意に選択さ
れた少なくとも1つのアンプリフィケーション処理用シ
フト波数領域においてラマンスペクトル強度が等しくな
るように調整するアンプリフィケーション処理を施す第
2の前処理部ステップと、第2の前処理ステップを経た
ラマンスペクトルデータもしくは項目に応じてさらに他
の前処理を施したデータ、又はそれらの微分されたデー
タから多変量解析により、測定しようとする項目の定量
値を求める多変量解析ステップとを備えている。
【0044】
【実施例】次に、実施例として各項目ごとに分けてそれ
ぞれ定量測定を行なった結果を具体的に示す。以下の実
施例では、FTラマンスペクトルデータを得るために、
励起光源としてNd:YAGレーザを備え、Ge検出器
を備えた Nicolet ラマン950スペクトルメータ(Nic
olet Instrument Corp., Madison, USA の製品)を使用
し、励起波長1064nm、励起光出力500mWで使
用した。サンプルは20メッシュのフィルタを透過した
ものをNMRチューブに充填し、180°後方散乱法に
より測定した。分光は解像度4cm-1、256回スキャ
ンで行なった。得られたFTラマンスペクトルデータの
うち、100〜1800cm-1の範囲のデータに前述の
所定の前処理を施した後、2次微分を施し、多変量解析
に供した。多変量解析には、市販のソフトウエア Unscr
amber 6.0(Camo AS. Trondheim,Norway の製品)を用
い、パーソナルコンピュータを使用して実行した。
【0045】(実施例1) 木材成分の定量分析:木材成分としてホロセルロース、
α−セルロース、ヘミセルロース、リグニン、抽出物、
アルカリ抽出物、全抽出物、脱脂ホロセルロース、脱脂
α−セルロース、脱脂ヘミセルロース及び脱脂リグニン
を同時に定量測定した。サンプルとして、異なる樹齢、
異なる産地のものを含む5種類のユーカリ属の樹木を測
定した。
【0046】PLS回帰法の主成分としては、100〜
1800cm-1の範囲内の任意の波数を選ぶことができ
るが、ここではそれぞれの木材成分に由来するラマン散
乱ピークのシフト波数を主に用いた。それらのシフト波
数を表1から表3に示す。しかし、必要に応じてそれ以
外のシフト波数も主成分として併用した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】それらの表に示された+,−の符号はそれ
ぞれ正と負の回帰係数を示している。サンプルの調製に
おいて、ユーカリカマルドレンシスとユーカリグロブラ
スでは各2個体(No.1,No.2)の樹幹各部から
2cm×2cm×6cmの大きさのサンプルを複数採取
し、ユーカリグランディスは南アフリカ共和国からチッ
プを入手し、ユーカリトラブチー、ユーカリナイテンス
及びユーカリグロブラスは各個体から少量の木粉を採取
し、合計で63個のサンプルを得て、それらを標準サン
プルとした。
【0051】それらの標準サンプルについて、各木材成
分を化学分析法のスモール・スケール法で定量し、PL
S回帰法により検量線モデルを作成した。α−セルロー
スについての検量線を図12に示す。横軸は化学分析に
よる定量結果であり、縦軸は得られた検量線モデルから
の推定値である。この検量線は0.99以上の相関係数
rを示している。他の木材成分の結果は表4にまとめて
示した。いずれも0.99以上の相関係数rと、0.8
ポイント以下の予測誤差(SEP)を示している。
【0052】
【表4】 なお、図12から図16において、図中の記号は次のよ
うにサンプルの種類を表わしている。 ○ ユーカリカマルドレンシスNo.1(樹幹内各
部) ● ユーカリカマルドレンシスNo.2(樹幹内各
部) △ ユーカリグロブラスNo.1(樹幹内各部) ▲ ユーカリグロブラスNo.2(樹幹内各部) + ユーカリグランディス ▽ ユーカリトラブチー □ ユーカリグロブラス この検量線モデルを用いて他の1組のサンプルについて
検定を行なった。検定にあたっては、検量線作成に用い
た標準サンプルからユーカリグランディスとユーカリト
ラブチーを除き、ユーカリナイテンスを加えた4種類の
ユーカリ属の樹木から合計で30個採取し、それらを検
定サンプルとした。検定の結果、脱脂(EF)−ヘミセ
ルロース以外は良好な相関係数を示し、この方法を用い
てほとんどの木材成分を定量できることがわかった。
【0053】(実施例2) リグニンの構成成分比解析:PLS回帰法の主成分とし
ては、表5に示したシフト波数を主に使用し、必要に応
じてそれ以外のシフト波数も併用した。
【0054】
【表5】
【0055】検量線モデル作成のための標準サンプルと
して、p−ヒドロキシフェニルアルコール、コニフェリ
ルアルコール及びシナピルアルコールのそれぞれにペル
オキシダーゼと過酸化水素を用いた通常の混合法により
H(p−ヒドロキシフェニル)−DHP(dehydrogenatio
n polymer)、G(グアイアシル)−DHP及びS(シリン
ギル)−DHPをそれぞれ合成して使用した。
【0056】検量線を図13に示す。横軸はリグニンの
構成成分比S/Gであり、改良チオアシドリシス(modif
ied thioacidolysis)法により求めた。この結果は表4
に示すように良好な相関係数rと予測誤差SEPを示し
ている。検定では、樹齢や産地の異なる2種類のユーカ
リ属の樹幹の種々の場所から合計で58個のサンプルを
採取して検定サンプルとした。その結果は、相関係数
0.935、SEP0.32であり、良好であった。
【0057】(実施例3) ヘミセルロースの構成成分比解析:PLS回帰法の主成
分としては、表6から表8に示したシフト波数から主と
して選んで使用し、必要に応じてそれ以外のシフト波数
も併用した。
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】検量線モデル作成のための標準サンプルと
しては市販の単糖類と多糖類を用いた。検量線の一例と
してキシロースの結果を図14に示す。横軸の定量結果
は、ホロセルロースをトリフルオロ酢酸で加水分解し、
高速液体クロマトグラフィで分析して得たものである。
各単糖類の検量線の相関係数rと予測誤差SEPを表4
に示す。いずれも良好な値である。検定では、2種類の
ユーカリ属樹木の種々の場所から58個のサンプルを採
取して検定サンプルとした。ラムノースとマンノースを
除いて良好な結果が得られた。
【0062】(実施例4) 木材比重の測定:PLS回帰法の主成分としては、表9
に示したシフト波数から主として選んで使用し、必要に
応じてそれ以外のシフト波数も併用した。
【0063】
【表9】
【0064】表中のX印のものがそれぞれの木材比重測
定のための検量線モデルに使用する主成分としてのシフ
ト波数の候補である。2種類のユーカリ属の樹幹の種々
の場所から80個のサンプルを採取してサンプル(標準
サンプル及び検定サンプル)とした。その検量線の一例
として容積密度数(BD)についてのものを図15に示
す。横軸に示した容積密度数BDの定量値は、水浸法と
凍結破砕及び凍結乾燥を組み合わせて求めた。他の木材
比重、すなわち抽出物を除く容積密度数(EF−B
D)、アルカリ抽出物を除く容積密度数(AF−B
D)、全抽出物を除く容積密度数(TF−BD)及び抽
出成分の全てを除く容積密度数(ECF−BD)は次の
ようにして求めた。 EF−BD=BD×(100−抽出物%)/100 AF−BD=BD×(100−アルカリ抽出物%)/1
00 TF−BD=BD×(100−全抽出物%)/100 EFC−BD=BD×(木材中のホロセルロース%+木
材中のリグニン%)/100
【0065】木材成分の含有量はスモール・スケール法
により求めた。抽出物はトルエン/エタノール、エタノ
ール及び水の一連の操作によりソックスレー(Soxhle
t)装置に抽出させて測定した。全抽出物は(抽出物+
アルカリ抽出物)として計算した。種々の木材比重の検
量線の結果も表4に示す。いずれも0.88以上の良好
な相関係数rを示している。検定結果も良好な相関関係
を示した。
【0066】(実施例5) パルプ特性値の測定:PLS回帰法の主成分としては、
表10,11に示したシフト波数から主として選んで使
用し、必要に応じてそれ以外のシフト波数も併用した。
【0067】
【表10】
【0068】
【表11】 表中のX印のものがそれぞれのパルプ特性値測定のため
の検量線モデルに使用する主成分としてのシフト波数の
候補である。
【0069】2種類のユーカリ属の樹幹の種々の場所か
ら49個のサンプルを採取してサンプル(標準サンプル
及び検定サンプル)とした。その検量線の一例としてパ
ルプ収率についての結果を図16に示す。パルプ特性値
の定量は次のように行なった。各サンプルを厚さ約2m
m、幅約20mmのチップにした後、絶乾60g相当の
チップを0.51容電熱式オートクレーブを用いて、活
性アルカリ18%、硫化度25%、液比3.5、最高温
度170℃、昇温時間90分、保持時間90分の条件で
クラフトパルプ(KP)を調製した。そのパルプを水
洗、解離機で2000回転解離し、一晩水浸後、12カ
ットプレートを用い精選パルプと粕に選別した。粕は絶
乾後に重量を求め、精選パルプは含水率70〜80%に
ブフナーロートで吸引脱水し、パルプ収率を求めた。精
選パルプはPFIミルでフリーネス500ml前後にな
るように叩解した後、秤量60g/m2のハンドシート
を作成し、シート密度、比破裂度、裂断長、比引裂度、
未晒白色度についてJISに従い求めた。また、カッパ
ー価は叩解前のパルプを用い、JISに従い求めた。
【0070】
【発明の効果】本発明のFTラマン分光法は、FTIR
法やNIR法に比べて、水の影響を受けないようにする
ことができるだけでなく、迅速に測定を行なうことがで
き、不均一サンプルの測定が容易であり、構造特性の解
析が容易であるなどの利点を備えている。また、実施例
に示したように、種々の項目を樹齢や着色などの異なる
複数種類の樹木の種々の場所から採取したサンプルにつ
いて測定をして良好な結果を得ているので、樹木の種類
や採取場所によらず、本発明を適用することができる。
このように、本発明は樹木から小量のサンプルを採取し
て、その樹木の特性を容易に、かつ迅速に推定すること
ができるので、用途に適した樹木を選択して植林するこ
とができるようになるので、樹木を原料とする製品のコ
ストを削減することや品質管理向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2種類のサンプルを測定したFTラマンスペク
トルを示す図である。
【図2】2つのラマンスペクトルを100〜1800c
-1の波数領域に拡大して示す図である。
【図3】第1の前処理を施した後の2つのラマンスペク
トルを示す図である。
【図4】さらに第2の前処理を施した後の2つのラマン
スペクトルを示す図である。
【図5】リグニンの構成成分比S/Gを測定するために
第2の前処理の後にさらに第3の前処理を施した後の2
つのラマンスペクトルを示す図である。
【図6】ヘミセルロースの構成成分比を測定するために
第2の前処理の後にさらに第4の前処理を施した後の2
つのラマンスペクトルを示す図である。
【図7】図4の2つのラマンスペクトルにそれぞれ2次
微分を施した後のスペクトルを示す図である。
【図8】選択した項目の定量を行なうための検量線モデ
ルを作成する手順を示すフローチャート図である。
【図9】得られた検量線モデルを用いて未知サンプルを
測定する手順を示すフローチャート図である。
【図10】項目を個別に測定する装置を概略的に示すブ
ロック図である。
【図11】複数の項目を1台の装置で切り替えて測定で
きるようにした装置を概略的に示すブロック図である。
【図12】PLS回帰法によるα−セルロースについて
の検量線を示す図である。
【図13】PLS回帰法によるリグニンの構成成分比S
/Gについての検量線を示す図である。
【図14】ヘミセルロースを構成する一成分のキシロー
スについてのPLS回帰法による検量線を示す図であ
る。
【図15】PLS回帰法による容積密度数BDについて
の検量線を示す図である。
【図16】PLS回帰法によるパルプ収率についての検
量線を示す図である。
【符号の説明】
2 FTラマン分光装置 4 第1の前処理部 6 第2の前処理部 8 多変量解析部 10 出力部 12a 第3の前処理部 12a 第4の前処理部 14 2次微分演算部 16 項目選択部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程(A)から(D)を含んで樹
    木の木材成分量、リグニンの構成成分比、ヘミセルロー
    スの構成成分比、木材比重及びパルプ特性値のうちの少
    なくとも1つの項目を測定する樹木の成分や特性値等の
    定量方法。 (A)樹木の任意の部位から採取したサンプルを粉体化
    し、フーリエ変換ラマン分光法によりラマンスペクトル
    データを得るデータ取得工程、 (B)複数のサンプルのラマンスペクトルデータについ
    て、前記項目に由来するラマン散乱及び蛍光が無視でき
    る選択された少なくとも1つのオフセット処理用シフト
    波数領域においてベースラインを揃えるオフセット処理
    を施す第1の前処理工程、 (C)複数のサンプルのラマンスペクトルデータについ
    て、前記項目に由来するラマン散乱の主要なピークの近
    傍でピークを含まない部分で任意に選択された少なくと
    も1つのアンプリフィケーション処理用シフト波数領域
    においてラマンスペクトル強度が等しくなるように調整
    するアンプリフィケーション処理を施す第2の前処理工
    程、 (D)前記第1、第2の前処理を施したラマンスペクト
    ルデータから多変量解析により目的とする項目に関する
    定量値を求める工程。
  2. 【請求項2】 シフト波数領域100〜1800cm-1
    のラマンスペクトルデータを使用し、前記工程(B)の
    第1の前処理工程のオフセット処理用シフト波数領域が
    100〜110cm-1の少なくとも一部を含む請求項1
    に記載の樹木の成分や特性値等の定量方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の前処理工程を複数のオフセッ
    ト処理用シフト波数領域について行ない、得られた結果
    から計算値と実測値の差が最小となるオフセット処理用
    シフト波数領域を選択する工程をさらに含む請求項2に
    記載の樹木の成分や特性値等の定量方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(C)の第2の前処理工程のア
    ンプリフィケーション処理用シフト波数領域が1520
    〜1550cm-1の少なくとも一部を含む請求項1から
    3のいずれかに記載の樹木の成分や特性値等の定量方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第2の前処理工程を複数のアンプリ
    フィケーション処理用シフト波数領域について行ない、
    得られた結果から計算値と実測値の差が最小となるアン
    プリフィケーション処理用シフト波数領域を選択する工
    程をさらに含む請求項1に記載の樹木の成分や特性値等
    の定量方法。
  6. 【請求項6】 目的とする項目は木材成分であり、ホロ
    セルロース、α−セルロース、ヘミセルロース、リグニ
    ン、抽出物、アルカリ抽出物、全抽出物、脱脂ホロセル
    ロース、脱脂α−セルロース、脱脂ヘミセルロース及び
    脱脂リグニンのうちの複数個を同時に定量する請求項1
    から5のいずれかに記載の樹木の成分や特性値等の定量
    方法。
  7. 【請求項7】 目的とする項目は木材比重であり、容積
    密度数(BD)、抽出物を除く容積密度数、アルカリ抽
    出物を除く容積密度数、全抽出物を除く容積密度数及び
    抽出成分の全てを除く容積密度数のうちの少なくとも1
    つを求める請求項1から5のいずれかに記載の樹木の成
    分や特性値等の定量方法。
  8. 【請求項8】 目的とする項目はリグニンの構成成分
    比、すなわちリグニンを構成するシリンギルとグアヤシ
    ルとの単量体構成比S/Gであり、前記第2の前処理工
    程に続いて、複数のサンプルのラマンスペクトルデータ
    で、リグニンに特有のラマン散乱ピークの高さが等しく
    なるようにアンプリフィケーション処理によりラマン散
    乱強度を調整する第3の前処理工程をさらに含んでいる
    請求項1から5のいずれかに記載の樹木の成分や特性値
    等の定量方法。
  9. 【請求項9】 目的とする項目はヘミセルロースの構成
    成分比、すなわちヘミセルロースを構成するグルコー
    ス、キシロース、ガラクトース、ラムノース、アラビノ
    ース及びマンノースのうちの複数個又は全ての組成であ
    り、前記第2の前処理工程に続いて、複数のサンプルの
    ラマンスペクトルデータで、ヘミセルロースに特有のラ
    マン散乱ピークの高さが等しくなるようにアンプリフィ
    ケーション処理によりラマン散乱強度を調整する第4の
    前処理工程をさらに含んでいる請求項1から5のいずれ
    かに記載の樹木の成分や特性値等の定量方法。
  10. 【請求項10】 目的とする項目はパルプ特性値、すな
    わちパルプ収率、シート密度、比破裂度、裂断長、比引
    裂度、未晒白色度及びカッパー価のうちの少なくとも1
    つであり、前記第2の前処理工程に続いて、複数のサン
    プルのラマンスペクトルデータで、パルプ特性に特有の
    ラマン散乱ピークの高さが等しくなるようにアンプリフ
    ィケーション処理によりラマン散乱強度を調整する第4
    の前処理工程をさらに含んでいる請求項1から5のいず
    れかに記載の樹木の成分や特性値等の定量方法。
  11. 【請求項11】 前記第4の前処理工程に用いるラマン
    散乱ピークとして、木材成分に特有のピークを用いる請
    求項9又は10に記載の樹木の成分や特性値等の定量方
    法。
  12. 【請求項12】 多変量解析を施そうとするラマンスペ
    クトルデータに2次微分を施す請求項1から11のいず
    れかに記載の樹木の成分や特性値等の定量方法。
  13. 【請求項13】 フーリエ変換ラマン分光装置と、その
    フーリエ変換ラマン分光装置からの複数のサンプルのラ
    マンスペクトルデータについて、測定しようとする項目
    に由来するラマン散乱及び蛍光が無視できる選択された
    少なくとも1つのオフセット処理用シフト波数領域にお
    いてベースラインを揃えるオフセット処理を施す第1の
    前処理部と、第1の前処理部を経た複数のサンプルのラ
    マンスペクトルデータについて、前記項目に由来するラ
    マン散乱の主要なピークの近傍でピークを含まない部分
    で任意に選択された少なくとも1つのアンプリフィケー
    ション処理用シフト波数領域においてラマンスペクトル
    強度が等しくなるように調整するアンプリフィケーショ
    ン処理を施す第2の前処理部と、第2の前処理部を経た
    ラマンスペクトルデータもしくは項目に応じてさらに他
    の前処理を施したデータ、又はそれらの微分されたデー
    タから多変量解析により前記項目の定量値を求める多変
    量解析部と、を備えた樹木の成分や特性値等の定量装
    置。
  14. 【請求項14】 フーリエ変換ラマン分光装置からの複
    数のサンプルのラマンスペクトルデータについて、測定
    しようとする項目に由来するラマン散乱及び蛍光が無視
    できる選択された少なくとも1つのオフセット処理用シ
    フト波数領域においてベースラインを揃えるオフセット
    処理を施す第1の前処理ステップと、第1の前処理ステ
    ップを経た複数のサンプルのラマンスペクトルデータに
    ついて、前記項目に由来するラマン散乱の主要なピーク
    の近傍でピークを含まない部分で任意に選択された少な
    くとも1つのアンプリフィケーション処理用シフト波数
    領域においてラマンスペクトル強度が等しくなるように
    調整するアンプリフィケーション処理を施す第2の前処
    理部ステップと、第2の前処理ステップを経たラマンス
    ペクトルデータもしくは項目に応じてさらに他の前処理
    を施したデータ、又はそれらの微分されたデータから多
    変量解析により前記項目の定量値を求める多変量解析ス
    テップと、を備え、樹木の成分や特性値等の定量方法を
    コンピュータに実行させるためのプログラムを記録した
    コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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