JPH11256146A - フォトクロミック材料 - Google Patents
フォトクロミック材料Info
- Publication number
- JPH11256146A JPH11256146A JP6273398A JP6273398A JPH11256146A JP H11256146 A JPH11256146 A JP H11256146A JP 6273398 A JP6273398 A JP 6273398A JP 6273398 A JP6273398 A JP 6273398A JP H11256146 A JPH11256146 A JP H11256146A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photochromic material
- photochromic
- color
- molecule
- diarylethene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 混合系のフォトクロミック材料を使うこと無
く従来より自由な発色が得られるフォトクロミック材料
を得ること。 【解決手段】 1分子内にジアリールエテン基を複数個
持つフォトクロミック材料。
く従来より自由な発色が得られるフォトクロミック材料
を得ること。 【解決手段】 1分子内にジアリールエテン基を複数個
持つフォトクロミック材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトクロミック材
料に関する。
料に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック材料とは、光の作用に
より色の異なる2つの異性体を可逆的に生成する分子ま
たは分子集合体を含む材料を言う。このフォトクロミッ
ク反応に伴い、色のみならず屈折率、誘電率、酸化/還
元電位など様々の物性が、光照射により可逆に変化する
ことから、光機能材料としての応用が期待されている。
これまでのフォトクロミック分子、分子集合体は、いず
れも一つのフォトクロミック官能基を含んでおり、光照
射により無色状態から、赤、青など一つの着色状態に変
化するものであった。
より色の異なる2つの異性体を可逆的に生成する分子ま
たは分子集合体を含む材料を言う。このフォトクロミッ
ク反応に伴い、色のみならず屈折率、誘電率、酸化/還
元電位など様々の物性が、光照射により可逆に変化する
ことから、光機能材料としての応用が期待されている。
これまでのフォトクロミック分子、分子集合体は、いず
れも一つのフォトクロミック官能基を含んでおり、光照
射により無色状態から、赤、青など一つの着色状態に変
化するものであった。
【0003】様々の色に発色するフォトクロミック分子
を得る方法として、これまでは、フォトクロミック分子
を様々に化学修飾する方法がとられてきた。電子供与
基、電子受容基あるいは長い共役鎖を含む様々のフォト
クロミック分子が合成されてきた。ジアリールエテン分
子においても、アリール基のエテン部への置換位置を変
える、アリール基の共役長さを変える、電荷移動相互作
用を導入するなどにより、425nmから900nmま
でにおよぶ色調調節を実現してきた。
を得る方法として、これまでは、フォトクロミック分子
を様々に化学修飾する方法がとられてきた。電子供与
基、電子受容基あるいは長い共役鎖を含む様々のフォト
クロミック分子が合成されてきた。ジアリールエテン分
子においても、アリール基のエテン部への置換位置を変
える、アリール基の共役長さを変える、電荷移動相互作
用を導入するなどにより、425nmから900nmま
でにおよぶ色調調節を実現してきた。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかし、この方法では、実現
できない色があったり、一方が経時変化に弱ければ、一
方だけがこわれることにより次第に色調が変わってしま
ったり、あるいは均一混合が難しい等の問題を生じるこ
とも考えられる。
できない色があったり、一方が経時変化に弱ければ、一
方だけがこわれることにより次第に色調が変わってしま
ったり、あるいは均一混合が難しい等の問題を生じるこ
とも考えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、も
し、一つの分子中に異なる色に発色する官能基を導入す
れば、色変化に多様性を与えることができるとともに、
光照射により多色に色が変化するフォトクロミック分子
が実現することになる。例えば黄色に発色する官能基
と、青色に発色する官能基とを一つの分子に導入すれ
ば、光照射とともに黄色から緑に変色するフォトクロミ
ック分子を得ることが可能になるとの考えに基づき検討
した結果、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨
は、1分子内にジアリールエテン基を複数個持つフォト
クロミック材料、より具体的には一般式(1)で表され
る請求項1記載のフォトクロミック材料
し、一つの分子中に異なる色に発色する官能基を導入す
れば、色変化に多様性を与えることができるとともに、
光照射により多色に色が変化するフォトクロミック分子
が実現することになる。例えば黄色に発色する官能基
と、青色に発色する官能基とを一つの分子に導入すれ
ば、光照射とともに黄色から緑に変色するフォトクロミ
ック分子を得ることが可能になるとの考えに基づき検討
した結果、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨
は、1分子内にジアリールエテン基を複数個持つフォト
クロミック材料、より具体的には一般式(1)で表され
る請求項1記載のフォトクロミック材料
【0006】
【化2】
【0007】(R1 〜R10はそれぞれ独立してアルキル
基又は水素原子を表し、nは0又は1を表し、Rは2価
の有機残基を表す。)に存する。以下本発明をより詳細
に説明する。本発明の最大の特徴は、1分子内に2つ以
上のジアリールエテン基を導入することにより、従来1
つのフォトクロミック材料では得られなかった色や、多
段階に変化するフォトクロミック材料を得ることが出来
た点にある。従って本発明は1分子内に複数のジアリー
ルエテン基を有していれば効果を得られることが期待さ
れるため、特に構造式の限定を行っていないが、実用上
の合成しやすさ等より、次の一般式(1)で表されるも
のが好ましい。
基又は水素原子を表し、nは0又は1を表し、Rは2価
の有機残基を表す。)に存する。以下本発明をより詳細
に説明する。本発明の最大の特徴は、1分子内に2つ以
上のジアリールエテン基を導入することにより、従来1
つのフォトクロミック材料では得られなかった色や、多
段階に変化するフォトクロミック材料を得ることが出来
た点にある。従って本発明は1分子内に複数のジアリー
ルエテン基を有していれば効果を得られることが期待さ
れるため、特に構造式の限定を行っていないが、実用上
の合成しやすさ等より、次の一般式(1)で表されるも
のが好ましい。
【0008】
【化3】
【0009】R1 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基
又は水素原子を表し、nは0又は1を表し、Rは2価の
有機残基を表す。このうちR1 〜R10としては、炭素数
3以下のアルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル
基である。Rは2価の有機残基であり、通常、置換基を
有していてもよいアルキレン基、フェニレン基、ナフチ
レン基、酸素原子、イオウ原子、−NH−基などが挙げ
られ、好ましくは低級アルキレン基、フェニレン基であ
る。より具体的に説明すると、混合色を得るために、一
つの分子中に複数のジアリールエテンを含むフォトクロ
ミック分子を合成した。一例を構造式(2)として示
す。
又は水素原子を表し、nは0又は1を表し、Rは2価の
有機残基を表す。このうちR1 〜R10としては、炭素数
3以下のアルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル
基である。Rは2価の有機残基であり、通常、置換基を
有していてもよいアルキレン基、フェニレン基、ナフチ
レン基、酸素原子、イオウ原子、−NH−基などが挙げ
られ、好ましくは低級アルキレン基、フェニレン基であ
る。より具体的に説明すると、混合色を得るために、一
つの分子中に複数のジアリールエテンを含むフォトクロ
ミック分子を合成した。一例を構造式(2)として示
す。
【0010】
【化4】
【0011】合成は常法に従い、下に示すようなルート
で行った。
で行った。
【0012】
【化5】
【0013】この分子では、一つのジアリールエテン部
が光閉環反応すると赤く着色する。この色は、フェニル
チオフェンとチオフェンとをアリール基とするジアリー
ルエテンの光照射による色変化と同等である。ついで光
照射を続けると、青く変色する。これは、フェニルチオ
フェンと長い共役鎖をアリール基とするジアリールエテ
ンの光照射による色変化と同等である。照射量の増大と
ともに、赤から青へと変化した。上記の場合は、一つめ
のジアリールエテン部と2つめのジアリールエテン部と
が共役鎖でつながれている。このことは、かならずしも
必要でない。下の構造式(3)で示されるように2つの
ジアリールエテンが非共役鎖でつながれている場合は、
混合色が現れる。
が光閉環反応すると赤く着色する。この色は、フェニル
チオフェンとチオフェンとをアリール基とするジアリー
ルエテンの光照射による色変化と同等である。ついで光
照射を続けると、青く変色する。これは、フェニルチオ
フェンと長い共役鎖をアリール基とするジアリールエテ
ンの光照射による色変化と同等である。照射量の増大と
ともに、赤から青へと変化した。上記の場合は、一つめ
のジアリールエテン部と2つめのジアリールエテン部と
が共役鎖でつながれている。このことは、かならずしも
必要でない。下の構造式(3)で示されるように2つの
ジアリールエテンが非共役鎖でつながれている場合は、
混合色が現れる。
【0014】
【化6】
【0015】この場合は、光照射により緑色に発色する
ことが認められた。
ことが認められた。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はこの要旨を超えない限りこれら実施例
に限定されるものではない。 (実施例1)下記の構造式(2)で表されるジアリール
エテンを合成し、そのヘキサン溶液(10-4mol/
l)の光変色挙動を測定した。光照射時間とともに、開
環体、一つの閉環体および2つの閉環体濃度がどのよう
に変化するかを図1に示す。
するが、本発明はこの要旨を超えない限りこれら実施例
に限定されるものではない。 (実施例1)下記の構造式(2)で表されるジアリール
エテンを合成し、そのヘキサン溶液(10-4mol/
l)の光変色挙動を測定した。光照射時間とともに、開
環体、一つの閉環体および2つの閉環体濃度がどのよう
に変化するかを図1に示す。
【0017】
【化7】
【0018】この結果は、下記の反応がすすんでいるこ
とを示している。この系の色は、光照射とともに、赤か
ら青色に変化した(図2)。これは次の式に示される反
応が進行したと考えられる。
とを示している。この系の色は、光照射とともに、赤か
ら青色に変化した(図2)。これは次の式に示される反
応が進行したと考えられる。
【0019】
【化8】
【0020】(実施例2)構造式(3)で示されるジア
リールエテンを合成し、その色変化を測定した。
リールエテンを合成し、その色変化を測定した。
【0021】
【化9】
【0022】この分子をヘキサンに溶解し、光照射した
ところ、緑色に着色した。この着色は、可視光(>55
0nm)照射により、黄色になり、さらに400nm以
上の波長の光を照射すると無色にもどった。
ところ、緑色に着色した。この着色は、可視光(>55
0nm)照射により、黄色になり、さらに400nm以
上の波長の光を照射すると無色にもどった。
【0023】
【発明の効果】本発明により、1種類のフォトクロミッ
ク材料により、今までより自由に種々の発色を得ること
ができ、又、2段階に色を変えることも可能である。
ク材料により、今までより自由に種々の発色を得ること
ができ、又、2段階に色を変えることも可能である。
【図1】実施例1で用いた構造式2のフォトクロミック
材料の開環の様子を説明する図である。
材料の開環の様子を説明する図である。
【図2】実施例1で用いた構造式2のフォトクロミック
材料の吸収スペクトルの変化を説明する図である。
材料の吸収スペクトルの変化を説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 1分子内にジアリールエテン基を複数個
持つフォトクロミック材料。 - 【請求項2】 一般式(1)で表される請求項1記載の
フォトクロミック材料。 【化1】 R1 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基又は水素原子
を表し、nは0又は1を表し、Rは2価の有機残基を表
す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273398A JPH11256146A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | フォトクロミック材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273398A JPH11256146A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | フォトクロミック材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11256146A true JPH11256146A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13208881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6273398A Pending JPH11256146A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | フォトクロミック材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11256146A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10242435A1 (de) * | 2002-09-11 | 2004-03-25 | Heinrich-Heine-Universität Düsseldorf | Photochrome Polymer-Zusammensetzung, ihre Herstellung, Weiterverarbeitung und Verwendung |
US6991749B2 (en) * | 2000-07-24 | 2006-01-31 | Northwestern University | n-Type thiophene semiconductors |
JP2010223186A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Masahiro Irie | 光駆動アクチュエータ素子 |
JP2013515089A (ja) * | 2010-01-06 | 2013-05-02 | コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション | フォトクロミック材料 |
JP2013518979A (ja) * | 2010-02-17 | 2013-05-23 | コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション | フォトクロミック材料 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP6273398A patent/JPH11256146A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6991749B2 (en) * | 2000-07-24 | 2006-01-31 | Northwestern University | n-Type thiophene semiconductors |
DE10242435A1 (de) * | 2002-09-11 | 2004-03-25 | Heinrich-Heine-Universität Düsseldorf | Photochrome Polymer-Zusammensetzung, ihre Herstellung, Weiterverarbeitung und Verwendung |
JP2010223186A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Masahiro Irie | 光駆動アクチュエータ素子 |
JP2013515089A (ja) * | 2010-01-06 | 2013-05-02 | コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション | フォトクロミック材料 |
US8801976B2 (en) | 2010-01-06 | 2014-08-12 | Korea University Research And Business Foundation | Photochromic material |
JP2013518979A (ja) * | 2010-02-17 | 2013-05-23 | コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション | フォトクロミック材料 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050809 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051213 |